説明

締結部材および容器

【課題】締結操作の簡便性が図られた締結部材を提供すること。
【解決手段】容器本体2側に設けられるネジ山4と、蓋体3側に設けられるネジ溝5とが係合可能に構成され、ネジ溝5は、容器本体2と蓋体3を相対的にねじの締め込み方向に回転移動させたときに、ネジ山4が入り込むことができるようにねじの回転方向に幅広に形成された幅広部と、幅広部にネジ山4を導入することができる導入部とを有し、幅広部を形成する縁部のうちねじの回転方向と交差する方向に配置される縁部には、幅広部にネジ山4が入り込んだときに、ねじ山4の導入部側に当接することができる突起部が形成され、ネジ山4の線条方向に配置される端部のうち、突起部と当接する側に配置される端部は、締め込み方向の側に向く傾斜面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結部材および容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ結合により締結を行う締結部材として、特許文献1には、締結操作の容易化が図られた締結部材が開示されている。特許文献1に開示される締結部材によれば、締結部材同士を相対的に接近させる方向に押す(移動させる)ことによって、ねじ結合が行われ、ねじの回転方向への回転量を少なくすることができる。また、特許文献1には、前記の締結部材として、容器本体と蓋体とを有する容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−265025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
締結部材には、確実な締結状態が要求される一方で、締結操作の簡便さも要求される。また、容器においては、密閉性の向上が要求される。そこで、本発明の1つの課題は、締結操作の簡便性が図られた締結部材を提供することである。また、他の課題は、密閉性の高い容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、2つの部材をねじ結合することにより締結する締結部材において、一方の部材側に設けられるネジ山と、他方の部材側に設けられるネジ溝とが係合可能に構成され、ネジ溝は、2部材を相対的にねじの締め込み方向に回転移動させたときに、ネジ山が入り込むことができるようにねじの回転方向に幅広に形成された幅広部と、幅広部にネジ山を導入することができる導入部とを有し、幅広部を形成する縁部のうちねじの回転方向と交差する方向に配置される縁部には、幅広部にネジ山が入り込んだときに、ねじ山の導入部側に当接することができる突起部が形成され、ネジ山の線条方向に配置される端部のうち、突起部と当接する側に配置される端部は、締め込み方向の側に向く傾斜面を有することとする。
【0006】
また、締結部材は、突起部が形成される縁部が、ネジ山の端部の傾斜面に沿う方向に傾斜する傾斜面を有していることが好ましい。
【0007】
また、締結部材は、突起部が形成される縁部が、ねじの回転方向に沿う平面であり、ネジ山の線条方向に配置される端部のうち、突起部と当接する側に配置される端部は、ねじの締め込み方向の側から順に、締め込み方向の側に向く傾斜面と、ねじの回転方向に沿う平面とを有することが好ましい。
【0008】
また、締結部材は、ネジ山のねじの締め込み方向と反対側に位置する面が、導入部を形成する縁部に当接する当接部と、縁部から離間する凹部とを有することが好ましい。
【0009】
また、ネジ山およびネジ溝は複数設けられ、複数のネジ溝に設けられる複数の突起部は、相対的に突起の高さが高い突起部と低い突起部とを有することが好ましい。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、2つの部材をねじ結合することにより締結する締結部材において、一方の部材側に設けられるネジ山と、他方の部材側に設けられるネジ溝とが係合可能に構成され、ネジ山およびネジ溝は、ネジ山とネジ溝とを係合させた状態で、2部材に対して、2部材を相対的に接近させる方向の力を作用させたときに、ネジ山とネジ溝とが相対的に移動可能なリード角に形成され、ネジ山のネジ溝への導入方向の端部と、ネジ溝を形成するネジ山の一方の部材側に位置する端部との少なくとも一方は、ねじの回転方向の側を向く傾斜面であって互いに反対の側を向く2つの傾斜面を有することとする。
【0011】
また、締結部材は、ネジ溝を形成するネジ山の端部およびネジ山の端部が、共に、2つの傾斜面を有することとする。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、容器本体と、容器本体にねじ結合することにより締結され、容器本体に設けられる開口部を閉塞することができる蓋体と、容器本体と蓋体との締結が完了した状態で、開口部を形成する縁部と蓋体の天板部との間に配置されるパッキンとを備える容器において、容器本体または蓋体のいずれか一方の側に設けられるネジ山と、他方の側に設けられるネジ溝とが係合可能に構成され、ネジ山とネジ溝とは、容器本体および蓋体に対して、容器本体および蓋体とを相対的に接近させる方向の力を作用させたときに、ネジ山とネジ溝とが相対的に移動可能なリード角に形成され、ネジ溝には、容器本体と蓋体との締結が完了した状態において、容器本体と蓋体とが相対的に接近する方向の移動に対して、ネジ山に当接する突起部が配置されていることとする。
【0013】
また、容器は、容器本体と蓋体との締結が完了した状態において、突起部とネジ山との間には間隙が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の1の効果は、締結部材の締結操作の簡便性を図ることができることである。また、他の効果は、容器の密閉性を高いものとすることができることである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る容器を側面から見た図であり、一部を断面にて示す図である。
【図2】図1に示す容器本体の斜視図である。
【図3】容器本体のねじ係合部を外方向から中心線に向かって見たときのねじ係合部の展開図である。
【図4】図3に示す切断線A−Aに対応する部分の容器本体の断面図である。
【図5】図1に示す蓋体の斜視図である。
【図6】蓋体のねじ係合部を中心線側から外方向に向かって見たときのねじ係合部の展開図である。
【図7】図6に示す切断線B−Bに対応する部分の蓋体の断面図である。
【図8】ねじ山が幅広部に入り込み、容器本体と蓋体との締結が完了した状態を示す図である。
【図9】図1に示す容器の変形例の構成を示す図である。
【図10】図1に示す容器の変形例の構成を示す図である。
【図11】図1に示す容器の変形例の構成を示す図である。
【図12】図1に示す容器の変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る締結部材である容器1について、図を参照しながら説明する。なお、この容器1は、化粧品を収納する容器、飲料用の容器(ペットボトル等)、食料品保存用の容器その他の容器に適用できる。
【0017】
(容器1の全体構成)
図1に示すように、容器1は、締結部材の一方の部材としての容器本体2と、他方の部材としての蓋体3とを有する。容器1は、図1に示すように、容器本体2と蓋体3とが、ネジ山4とネジ溝5とによりねじ結合されることで締結されるものである。そして、容器本体2と蓋体3とを締結することで、容器本体2に形成される開口部6(図2参照)を蓋体3により閉塞することができるように構成されている。
【0018】
なお、図1は、容器1を側面から見た図であり、一部が断面にて示されている。図1に示す断面部分のうち、ネジ山4の部分は、図3に示す切断線A−Aにおける断面の形状が示されている。また、ネジ溝5の部分は、図6に示す切断線B−Bにおける断面の形状が示されている。容器1は、中心線Xに対して回転対称な形状を呈している。
【0019】
以下の説明において、容器1(容器本体2、蓋体3)の中心線Xに直交する方向であって、中心線Xに向かう方向を内方向または内側、中心線Xから離れる方向を外方向または外側として説明を行うこととする。また、容器本体2と蓋体3とが締結された状態において、容器本体2に対して蓋体3が配置される方向を上方、言い換えれば、蓋体3に対して容器本体2が配置される方向を下方として説明を行うこととする。容器本体2と蓋体3とが分離された状態においては、たとえば、容器本体2については、蓋体3が締結される側を上方とし、また、蓋体3については、容器本体2が締結される側を下方として説明することとする。なお、本説明においては、上下方向は、鉛直方向の上下を意味するものではなく、中心線Xに沿う方向を意味するものとする。
【0020】
図2は、容器本体2を斜め上方から見たときの斜視図である。図2に示すように、容器本体2の開口部6側の外周面には、複数のネジ山4により構成されるネジ係合部7が形成されている。図3は、容器本体2のネジ係合部7を外方向から中心線Xに向かって見たときのネジ係合部7の展開図である。図4は、容器本体2の図3に示す切断線A−Aに対応する部分の断面図である。
【0021】
図5は、蓋体3を斜め下方から見たときの斜視図である。図1および図5に示すように、蓋体3は、天板部8(図1参照)と側壁部9とを有し、側壁部9の内側は、開口部10が設けられている。側壁部9の内周面には、複数のネジ溝5により形成されるネジ係合部11が形成されている。図6は、蓋体3のネジ係合部11を中心線X側から外方向に向かって見たときのネジ係合部11の展開図である。図7は、蓋体3の図6に示す切断線B−Bに対応する部分の断面図である。
【0022】
容器本体2と蓋体3とは、後述するように、ネジ係合部7側のネジ山4とネジ係合部11側のネジ溝5とが係合することによりねじ結合が達成されるように構成されている。また、図1、図5および図7に示すように、蓋体3の天板部8の下面には、パッキン12が配置されている。したがって、図1に示すように、容器本体2に蓋体3が締結された状態において、容器本体2の開口部6を形成する縁部13とパッキン12とが密着することにより、容器1が密閉状態とされる。
【0023】
(ネジ係合部7、ネジ係合部11)
図2等に示すように、ネジ山4は、容器本体2の外周面に形成される凸条部14により形成される。一方、ネジ溝5は、図5等に示すように、蓋体3の側壁部9の内周面から内側に向けて突出している凸状部15と凸状部15との間をネジ溝5として形成されている。すなわち、凸状部15は、ネジ溝5を形成するネジ山として構成されている。ネジ山4とネジ溝5とは同数形成され、それぞれ等間隔に配置されている。そして、ネジ山4は、ネジ溝5の間に配置可能であり、ネジ山4がネジ溝5の間に配置されることで、ネジ山4とネジ溝5とが互いに係合状態となる。
【0024】
図3に示すように、ネジ山4は、リード角αが30度に設定されている。ネジ山4の上端部16(縁部13側の端部)は、傾斜面16A,16Bとを有している。傾斜面16Aおよび傾斜面16Bは、ねじの回転方向の側に向く傾斜面である。ここで、「ねじの回転方向の側に向く」とは、面の法線の方向成分が、ねじの回転方向の成分を有することを意味するものである。また、傾斜面16Aおよび傾斜面16Bは、各面の法線が交差しない方向に向く面である。すなわち、傾斜面16Aと傾斜面16Bとは互いに反対の側を向く傾斜面である。したがって、上端部16は縁部13側に膨出した形状となっている。また、ネジ山4には、一つ置きに、外側に向かって突出する突起部17が形成されている。また、ネジ山4の下端部18は、傾斜面18Aを有している。この傾斜面18Aは、容器本体2を蓋体3に対して回転させて締め込む回転方向(ねじの締め込み方向)に回転させるときの回転方向の側に面を向けた傾斜面である。
【0025】
図6に示すように、ネジ溝5のリード角βは、ネジ山4のリード角αに併せて30度に設定されている。なお、複数のネジ溝5が配置される方向、および上述の複数のネジ山4が配列される方向は、容器本体2と蓋体3とをねじ結合する際、およびねじ結合を解除する際に、容器本体2と蓋体3とを回転移動させる方向であり、ねじの回転方向となる。
【0026】
凸状部15は、線条部19と、線条部19の下端側に配置される延設部20と、線条部19の上端側に配置される突起部21とを有する。線条部19は、リード角β(=30度)に沿って形成されている。延設部20は、ねじの回転方向に沿って、蓋体3を容器本体2に対して回転させて締め込むときの回転方向(ねじの締め込み方向)に向けて延設されている。突起部21は、線条部19に対して、延設部20が線条部19から延設される側に設けられている。すなわち、突起部21および延設部20は、線条部19に対して同じ側に設けられている。
【0027】
ネジ溝5は、線条部19に沿って形成される導入部22と、この導入部22に連続する溝であって、延設部20と線条部19と突起部21とに囲まれた幅広部23とを有している。幅広部23は、導入部22がねじの回転方向に沿って拡幅された溝である。導入部22と幅広部23とは、蓋体3の下側(開口部10側)から導入部22、幅広部23の順で配置されている。導入部22の下方の端部は、ネジ山4をネジ溝5内に導入することができるように開口された開口部24として形成されている。
【0028】
幅広部23は、導入部22が矢印Cに示す方向、すなわち、ねじの締め込み方向に向かって拡幅された溝である。矢印Cの方向は、蓋体3と容器本体2とを相対的にねじの締め込み方向に回転移動させたときにネジ山4が移動する方向である。後述(図8参照)するように、ネジ山4と幅広部23とは、ネジ山4が幅広部23に入り込むことにより、蓋体3と容器本体2との締結が行われるように構成されている。
【0029】
延設部20の幅広部23側の縁部25には、幅広部23内に突出する突起部26が形成されている。図8に示すように、突起部26は、幅広部23内にネジ山4が入り込んだ状態で、ネジ山4と導入部22との間となる位置に配置されている。突起部26は、幅広部23に入り込んだネジ山4が導入部22側に抜け難くするために形成されるものであるが、突起部26の幅広部23側への突出幅H1(図6参照)は、ネジ山4の下端部18が突起部26を乗り越えて、導入部22側と幅広部23側とを行き来することができる幅に設定されている。
【0030】
幅広部23の縁部25は、導入部22側から線条部19に向かって上方に傾斜する傾斜面27を有している。この傾斜面27とネジ山4側の傾斜面18Aとは、ネジ山4が幅広部23内に入り込んだ状態で、互いに面接触することができるように、ねじの回転方向に対する傾斜角が略同一に設定されている。
【0031】
幅広部23には、凸条部28が形成されている。凸条部28は、稜部28Aがねじの回転方向に沿うように形成されている。この凸条部28は、図7に示すように、凸状部15よりも外側への突出量が小さく設定されている。
【0032】
延設部20の端部としての下縁部29(側壁部9の縁部30側の縁部)は、傾斜面29A,29Bとを有している。傾斜面29Aおよび傾斜面29Bは、ねじの回転方向に向く傾斜面である。また、傾斜面29Aおよび傾斜面29Bは、各面の法線が交差しない方向に向く面である。すなわち、傾斜面29Aと傾斜面29Bとは互いに反対の側を向く傾斜面である。したがって、下端部29は側壁部9の縁部30側に膨出した形状となっている。
【0033】
(容器1の締結動作)
次に、上述のように構成される容器1の容器本体2と蓋体3との締結動作について説明する。先ず、締結にあたって、容器本体2と蓋体3とを、容器本体2の開口部6と、蓋体3の開口部10とが対向するように配置する。そして、容器本体2の中心線Xと蓋体3の中心線Xとを略一致させた状態で、ネジ山4がネジ溝5の開口部24から導入部22内に導入されるように、容器本体2と蓋体3とを接近させる。続いて、容器本体2と蓋体3とを、両者が相対的に接近する方向に押圧すると、ネジ山4が導入部22に導かれ、導入部22の奥側(天板部8側)に入り込んで行く(進入して行く)。
【0034】
容器本体2と蓋体3とを、両者が相対的に接近する方向に押圧することで、ネジ山4が導入部22の奥側に入り込んで行くのは、ネジ山4とネジ溝5のリード角が30度に設定されているためである。つまり、ネジのリード角が、たとえば、5度程度の場合には、ネジ山とネジ溝とをねじ結合させるために、締結部材同士を積極的にねじの回転方向に相対的に回転させる必要がある。しかしながら、ねじのリード角を、たとえば本実施の形態のように30度にすることで、締結部材同士を積極的にねじの回転方向に相対的に回転させなくても、締結部材同士を互いに接近させる方向に押圧することで、ねじ結合を行うことができる。なお、リード角は、10度以上80度以下の範囲にすることで、締結部材同士を互いに接近させる方向に押圧する操作により、ねじ結合が行われると共に、ねじ結合の状態を良好なものとすることができる。
【0035】
ネジ山4の上端部16は、傾斜面16A,16Bとを有している。また、延設部20の下縁部29は、傾斜面29A,29Bとを有している。したがって、ネジ山4を導入部22内に導入させる際に、ネジ山4の上端部16と延設部20の下縁部29とが当接しても、傾斜面16A,16Bと傾斜面29A,29Bとの作用により、容器本体2と蓋体3とは、ねじの回転方向に相対的な回転が促される。つまり、ネジ山4は、傾斜面29Aまたは傾斜面29Bに沿って導入部22の側に移動し易い。そのため、ネジ山4の導入部22への進入が促される。
【0036】
(密閉動作)
ネジ山4には突起部17が形成されている。また、ネジ溝5には凸条部28が形成されている。したがって、ネジ山4が導入部22の奥側に入り込んで行くと、ネジ山4の突起部17と、ネジ溝5側の凸条部28とが当接する。しかしながら、容器本体2および蓋体3の少なくとも一方は、外部からの押力等により僅かに弾性変形可能に形成されている。したがって、突起部17と凸条部28とが当接した状態で、容器本体2と蓋体3とをさらに接近させると、突起部17が凸条部28を乗り越える。
【0037】
突起部17が凸条部28を乗り越えた状態で、容器本体2の縁部13は、パッキン12をやや押圧した状態でパッキン12に当接している。したがって、容器本体2にはパッキン12の弾性により蓋体3から離間する方向に押力が作用する一方で、突起部17が凸条部28に当接するため、該離間する方向への移動が規制される。つまり、突起部17が凸条部28を乗り越えた状態に、ネジ係合部7とネジ係合部11とが係合することで、開口部6がパッキン12により閉塞され、容器1が密閉状態となる。なお、容器本体2および蓋体3の少なくとも一方を、たとえば、ポリプロピレンあるいはポリエチレン等樹脂材により形成することで、突起部17が凸条部28を乗り越えることができる程度の弾性変形が可能となる。
【0038】
(締結完了動作)
凸条部28は、稜部28Aがねじの回転方向に沿って配置される線条の形状を呈している。また、導入部22には幅広部23が連繋している。したがって、突起部17が凸条部28を乗り越えた状態で、容器本体2と蓋体3とを、ネジ山4が幅広部23に入り込む方向に相対的に回転させると、図8に示すように、容器1の密閉が保持された状態で、幅広部23内にネジ山4が入り込む。ネジ山4が幅広部23内に完全に入り込んだ状態で、ネジ係合部7とネジ係合部11との係合が完了する。すなわち、容器本体2と蓋体3との締結が完了した状態となる。なお、図8は、容器本体2と蓋体3とを外方向から中心線に向かって見たときのネジ山4とネジ溝5との係合状態を示している。
【0039】
幅広部23の縁部25と突起部21との間の間隔H2(図8参照)と、ネジ山4の中心線Xに平行な方向の幅H3(図3参照)とは、図8に示すように、幅広部23内にネジ山4が入り込むことができるように設定されている。そして、間隔H2と、幅H3とは、幅広部23内にネジ山4が入り込んだときに、延設部20の縁部25と突起部21とにネジ山4の両端部(上端部16、下端部18)が軽く接触(容器本体2と蓋体3との相対的な回転を許容する程度)する。
【0040】
ネジ山4が幅広部23内に入り込んだ状態において、ネジ山4の下端部18と延設部20の縁部25とは、容器本体2と蓋体3との離間方向において係合する。そのため、ネジ山4が幅広部23内に入り込んだ状態のときに、容器本体2と蓋体3とに、容器本体2と蓋体3とを離間させる方向の力が作用しても、下端部18と縁部25とが係合するため、蓋体3が容器本体2から外れてしまうことを防止することができる。
【0041】
幅広部23の天板部8側には、突起部21が設けられている。突起部21は、ネジ山4が幅広部23内に入り込んだ状態で、ネジ山4と天板部8との間に配置され、容器本体2と蓋体3とが接近する方向に相対的に移動したとき、あるいは移動しようとしたときに、ネジ山4と突起部21とが当接し、該相対移動を禁止する。本体容器1と蓋体3とを互いに接近する方向に押圧すると、パッキン12が縁部13により押圧される。そのため、縁部13により、パッキン12が降伏点を超えて押圧された場合には、パッキン12と縁部13との間の密着性が損なわれてしまう虞がある。そこで、突起部21は、容器本体2と蓋体3とがパッキン12の降伏点を超えて接近することがないように、容器本体2と蓋体3との近接する方向への移動量を規制している。
【0042】
なお、図9に示すように、ネジ山4が幅広部23内に入り込み、ネジ山4と天板部8(図1参照)との間に突起部21が配置されたときに、上端部16と突起部21との間に僅かな間隙H4が形成されるように構成してもよい。なお、図9は、容器本体2と蓋体3とを外方向から中心線に向かって見たときのネジ山4とネジ溝5との係合状態を示している。かかる構成とした場合には、上端部16に突起部21との間に摺動抵抗が生じない。一方、ネジ山4の両端部(上端部16、下端部18)が延設部20の縁部25と突起部21とに接触している場合は、ネジ山4の両端部に延設部20の縁部25と突起部21との摺動抵抗が作用する。
【0043】
上記構成とすることで、ネジ山4と天板部8との間に突起部21が配置された状態で容器本体2と蓋体3とを相対的に回転させる際、回転に要する力を、ネジ山4の両端部(上端部16、下端部18)が延設部20の縁部25と突起部21とに接触している場合に比べて小さなものとすることができる。
【0044】
(突起部26の乗り越え)
縁部25には突起部26が形成されている。したがって、図8に示すように、幅広部23内に入り込んだネジ山4は、突起部26より導入部22側に移動し難くなっている。つまり、幅広部23に入り込んだネジ山4が不要に導入部22側に抜けてしまうことが防止され、容器本体2と蓋体3との締結状態をより確実に維持することができる。なお、上述したように、容器本体2および蓋体3の少なくとも一方は、外部からの押力等により僅かに弾性変形可能に形成されている。したがって、ネジ山4が幅広部23内に入り込む際には、ネジ山4は突起部26を乗り越えて幅広部23内に入り込むことができる。
【0045】
突起部26を乗り越えるネジ山4の下端部18は、傾斜面18Aに形成されている。傾斜面18Aは、斜面がねじの締め込み方向の側に向けられている。したがって、導入部22から幅広部23にネジ山4を移動する際、ネジ山4が突起部26を乗り越え易い。つまり、容器本体2と蓋体3とのねじの締め込み方向への相対的な回転をスムーズに行うことができる。
【0046】
上述のようにして締結された容器本体2と蓋体3とを解結、すなわち、容器本体2と蓋体3とを分離するには、容器本体2と蓋体3とを、ねじの締め込み方向とは逆方向に回転させる。該回転により、ネジ山4が突起部26を乗り越えて導入部22側に移動する。そして、さらに該回転を行うことで、突起部17が凸条部28を開口部24側に乗り越え、ネジ山4が導入部22に沿って開口部24側に移動され、ネジ山4が開口部24から脱出してネジ係合部7とネジ係合部11との係合が解除される。
【0047】
(本実施の主な効果)
本実施の形態に係る締結部材としての容器1は、互いにねじ結合により締結される2つの部材としての容器本体2と蓋体3とを備える。一方の部材である容器本体2に設けられるネジ山4と、他方の部材である蓋体3に設けられるネジ溝5とは係合可能に構成されている。ネジ溝5は、容器本体2と蓋体3とを相対的にねじの締め込み方向に回転移動させたときに、ネジ山4が入り込むことができるように、ねじの回転方向に幅広に形成された幅広部23を有している。また、ネジ溝5は、幅広部23にネジ山4を導入することができる導入部22を有している。幅広部23のねじの回転方向と交差する方向、すなわち下方向に配置され幅広部23の一部を形成する縁部25には、幅広部23に入り込んだネジ山4に対して、ネジ山4の導入部22側に当接することができる突起部26が形成されている。そして、ネジ山4の線条方向に配置される端部のうち、突起部26と当接する側に配置される端部である下端部18は、ねじの締め込み方向の側に面を向ける傾斜面18Aとして形成されている。なお、「ねじの締め込み方向の側に面を向ける」とは、面の法線の方向成分が、ねじの締め込み方向の成分を有することを意味するものである。
【0048】
容器1は、上述のように、縁部25に突起部26が設けられていることで、幅広部23に入り込んだネジ山4が不要に導入部22側に抜けてしまうことが防止される。つまり、容器本体2と蓋体3との締結状態をより確実に維持することができる。一方、下端部18が、斜面をねじの締め込み方向の側に向けた傾斜面18Aとして形成されていることで、導入部22から幅広部23にネジ山4を移動する際、ネジ山4が突起部26を乗り越え易い。つまり、容器本体2と蓋体3とのねじ込み方向への相対的な回転をスムーズに行うことができる。
【0049】
さらに、幅広部23の縁部25は、下端部18の傾斜面18Aに沿う方向に傾斜する傾斜面27を有している。したがって、ネジ山4が幅広部23内に入り込んだ状態で、傾斜面27とネジ山4側の傾斜面18Aとは、互いに面接触にて接触することができる。
【0050】
ネジ山4は、下端部18が傾斜面18Aとなっているため下方ほど細くなっている。したがって、仮に、縁部25がねじの回転方向に平行な面である場合には、下端部18と縁部25との接触面積が少ないため、下端部18と縁部25との間に押力が作用した場合に、押力が狭い部分に集中し、下端部18あるいは縁部25が破損し易いという問題が起こり得る。これに対し、下端部18と縁部25とが面接触することで、下端部18と縁部25との間に押力が作用した場合に、接触部に作用する押力が分散し、上述の問題が起こり難い。
【0051】
容器1においては、ネジ山4とネジ溝5の導入部22とは、ネジ山4と導入部22とを係合させた状態で、容器本体2と蓋体3とに対して、これら2部材を相対的に接近させる方向の力を作用させたときに、ネジ山4と導入部22とが相対的に移動可能なリード角である30度に形成されている。ネジ山4のネジ溝5への導入方向の端部である上端部16は、ねじの回転方向の両方の側に面を向けると共に互いに反対の側を向く傾斜面16A,16Bを有している。また、ネジ溝5を形成するネジ山である凸状部15の容器本体2側の端部である下縁部29も、ねじの回転方向の両方の側に面を向けると共に互いに反対の側を向く傾斜面29A,29Bを有している。
【0052】
したがって、ネジ山4を導入部22内に導入させる際に、ネジ山4の上端部16と延設部20の縁部29とが当接した場合にも、傾斜面16A,16Bと傾斜面29A,29Bとの作用により、容器本体2と蓋体3とは、ねじの回転方向に相対的な回転が促される。つまり、ネジ山4は、傾斜面29Aまたは傾斜面29Bに沿って導入部22の側に移動し易く、ネジ山4の導入部22への進入が促される。なお、本実施の形態における容器1においては、ネジ山4と凸状部15の両方に、斜面を形成しているが、ネジ山4に傾斜面16A,16Bを設けるか、または凸状部15に傾斜面29A,29Bを設けることで、ネジ山4の導入部22への進入が促される。ネジ山4と凸状部15の両方に該傾斜面を設けることで、いずれか一方に該傾斜面を設ける場合に比べて、ネジ山4の導入部22への進入がより促される。
【0053】
容器1は、容器本体2と蓋体3との締結が完了した状態で、開口部6を形成する縁部13と蓋体3の天板部8との間に配置されるパッキン12とを備える。そして、ネジ溝5には、容器本体2と蓋体3との締結が完了した状態において、容器本体2と蓋体3とが相対的に接近する方向の移動に対して、ネジ山4に当接する突起部21が配置されている。
【0054】
突起部21が配置されることで、容器本体2と蓋体3との締結が完了した状態において、容器本体2と蓋体3とが接近する方向に相対的に移動したとき、あるいは移動しようとしたときに、ネジ山4と突起部21とが当接し、該相対移動が禁止される。縁部13によるパッキン12の押圧が、パッキン12の降伏点を超える場合には、パッキン12と縁部13との間の密着性が損なわれてしまう虞がある。しかしながら、容器本体2と蓋体3とがパッキン12の降伏点を超えて接近することがないように、突起部21により、容器本体2と蓋体3との近接する方向への移動量を規制することができる。
【0055】
(変形例)
上述したネジ山4の下端部18は、ほぼ全域に亘って傾斜面18Aに形成されている。これに対し、ネジ山4とネジ溝5は、図10に示すように構成してもよい。図10の上段(A)に示すように、ネジ山4の下端部18を、ねじの締め込み方向の側から順に、締め込み方向の側に向く傾斜面18Bと、ねじの回転方向に沿う平面18Cとにより形成してもよい。また、上述したネジ溝5の縁部25は、導入部22側から線条部19に向かって上方に傾斜する傾斜面27を有している。これに対し、図10の下段(B)に示すように、縁部25を平面27Aに形成してもよい。なお、図10(A)は、ネジ山4を外方向から中心線に向かって見たときの図であり、図10(B)も、ネジ溝5を外方向から中心線に向かって見たときの図である。
【0056】
図10(A)に示すように、下端部18に傾斜面18Bを形成することで、ネジ山4を導入部22から幅広部23に移動する際、ネジ山4が突起部26を乗り越え易い。つまり、容器本体2と蓋体3とのねじの締め込み方向への相対的な回転をスムーズに行うことがきる。
【0057】
また、図10(A)に示すように、下端部18に平面18Cを形成すると共に、図10(B)に示すように、縁部25を平面27Aに形成することで、ネジ山4が幅広部23内に入り込んだ状態で、平面27Aとネジ山4側の平面18Cとは、互いに面接触にて接触することができる。つまり、下端部18と縁部25とが面接触することができる。下端部18と縁部25とが面接触することで、下端部18と縁部25との間に押力が作用した場合に、接触部に作用する押力が分散する。そのため、下端部18と縁部25との間に押力が作用した場合であっても、押力が狭い部分に集中し難いため、下端部18あるいは縁部25が破損してしまうことを防止できる。
【0058】
なお、傾斜面18Bと平面18Cとは、下端部18の幅に対して概ね半分ずつの割合で形成されている。下端部18に、かかる割合で傾斜面18Bと平面18Cとを形成することで、突起部26を乗り越えるための傾斜面18Bの傾斜角と長さを確保できると共に、下端部18と縁部25との接触部に作用する押力の分散を適切に図ることができる。
【0059】
図11に示すように、ネジ山4のねじの締め込み方向と反対側に位置する面4Aに、導入部24を形成する縁部19Aに当接する当接部4Bと、縁部19Aから離間する凹部4Cとを形成してもよい。なお、縁部19Aは、線条部19の導入部24側の縁部である。
【0060】
ネジ山4の面4Aに、凹部4Cを形成することで、ネジ山4と縁部19Aとの接触面積を減らすことができる。これにより、ネジ山4が導入部24を移動する際の線条部19との間の摺動抵抗を低減させることができ、容器本体2と蓋体3とを相対的に回転させる際に要する力の低減を図ることができる。
【0061】
(変形例)
上述の実施の形態に係る締結部材としての容器1は、ネジ山4とネジ溝5とが複数形成され、各ネジ溝5の幅広部23を形成する縁部25には突起部26が形成されている。突起部26が形成されることで、幅広部23に入り込んだネジ山4が不用意に導入部22側に抜けてしまうことを防止できる。しかしながら、ネジ山4が幅広部23に入り込む際、あるいは、幅広部23に入り込んだネジ山4を導入部22側に移動させる際にネジ山4の下端部18が突起部26を乗り越える必要がある。そのため、容器本体2と蓋体3との締結やその締結の解除は、ネジ山4の下端部18と突起部26との間に生じる摺動抵抗に抗して容器本体2と蓋体3とを回転する必要がある。
【0062】
上述の実施の形態では、全てのネジ溝5に同一形状の突起部26を設けている。したがって、締結やその解除を行う際の摺動抵抗が大きくなり易い。つまり、容器本体2と蓋体3とを回転させ難くなる虞がある。そこで、図12に示すように、突起部26を、突出幅(突起の高さ)H1が大きな突起部26Aと、突出幅H1が突起部26Aに比べて小さな突起部26Bとを組み合わせた構成としてもよい。突起部26Aと突起部26Bとは一定の順序、すなわち、中心線Xに対して対称に配列される。
【0063】
このように構成した場合には、主として突起部26Aによりネジ山4が不用意に導入部22側に抜けてしまうことを防止しながら、補充的に突起部26Bよりネジ山4が不用意に導入部22側に抜けてしまうことを防止できる。つまり、ネジ山4が不用意に導入部22側に抜けてしまう事故を十分に防止することができる。一方、突起部26Bにおいては、突出幅H1が小さいため、ネジ山4の下端部18が突起部26Bを乗り越える際に生じる摺動抵抗が突起部26Aに比べて小さい。そのため、締結やその解除を行う際に生じる摺動抵抗を小さくすることができる。
【0064】
突起部26Aと突起部26Bとを設ける比率を1:1〜1:3とし、突起部26Bの突出幅H1を突起部26Aの突出幅H1に対して、40%〜60%とすることで、ネジ山4が不用意に導入部22側に抜けてしまう事故を十分に防止できると共に、締結を行う際に容器本体2と蓋体3とが回転するときに生じる摺動抵抗を小さくすることができる。
【0065】
容器本体2を形成する材質を、たとえば、ポリエチレンとし、また、蓋体3を形成する材質を、たとえば、ポリプロピレンとし、そして、図12に示すように、突起部26Aと突起部26Bとを設ける比率を1:2とすると共に、突起部26Bの突出幅H1は、突起部26Aの突出幅H1に対して45%〜55%とすることで、より好適に、ネジ山4が不用意に導入部22側に抜けてしまう事故を防止できる。加えて、締結を行う際の容器本体2と蓋体3との摺動抵抗を小さくすることができる。なお、突起部26Aと突起部26Bとは一定の順序、すなわち、2つ連続して配置される突起部26Bの間に1つの突起部26Aが配置されている。容器本体2を形成する材質としては、ポリエチレンの他、ポリプロピレンやPET(Polyethylene Terephthalate ポリエチレンテレフタラート)を用いることができる。
【0066】
また、容器1内の内容物、たとえば、ジャム等の粘着物や調味料等の粉末が、ネジ山4の面4Aと縁部19Aとの間に付着した場合に、かかる付着物を凹部4Cに逃がすことができる。そのため、ネジ山4の当接面4Bと縁部19Aとの間に付着物が入り、ネジ山4の面4Aと縁部19Aとの間の滑りが悪化してしまうことを防止できる。
【0067】
なお、上述の説明では、締結部材を容器1として説明しているが、容器以外の締結部材、たとえば一方の部材をボルト、他方の部材をナットとし、両者をねじ結合する締結部材としても良い。また、旗ざお、釣りざお等各種のさおのねじを利用した結合部分に上述した構成を適用することができる。さらに、組み立て式の机、いす、ビリヤードのキュー等、各種の組み立て式製品のねじを利用した結合部分に上述した構成を適用することができる。なお、締結部材が容器の場合、その容器は、密封性に優れる密封容器である必要はない。
【符号の説明】
【0068】
1 … 容器(締結部材)
2 … 容器本体(一方の部材)
3 … 蓋体(他方の部材)
4 … ネジ山
5 … ネジ溝
8 … 天板部
10 … 開口部
12 … パッキン
16 … 端部
16A,16B,29A,29B … 傾斜面
18 … 端部
18A … 傾斜面
21 … 突起部
22 … 導入部
23 … 幅広部
25 … 縁部
26 … 突起部
26A … 突起部
26B … 突起部
27 … 傾斜面
29 … 下縁部(端部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部材をねじ結合することにより締結する締結部材において、
一方の部材側に設けられるネジ山と、他方の部材側に設けられるネジ溝とが係合可能に構成され、
前記ネジ溝は、前記2部材を相対的にねじの締め込み方向に回転移動させたときに、前記ネジ山が入り込むことができるようにねじの回転方向に幅広に形成された幅広部と、前記幅広部に前記ネジ山を導入することができる導入部とを有し、
前記幅広部を形成する縁部のうち前記ねじの回転方向と交差する方向に配置される縁部には、前記幅広部に前記ネジ山が入り込んだときに、前記ネジ山の前記導入部側に当接することができる突起部が形成され、
前記ネジ山の線条方向に配置される端部のうち、前記突起部と当接する側に配置される端部は、前記締め込み方向の側に向く傾斜面を有する、
ことを特徴とする締結部材。
【請求項2】
請求項1に記載される締結部材において、前記突起部が形成される前記縁部は、前記ネジ山の前記端部の傾斜面に沿う方向に傾斜する傾斜面を有する、
ことを特徴とする締結部材。
【請求項3】
請求項1に記載される締結部材において、
前記突起部が形成される前記縁部は、前記ねじの回転方向に沿う平面であり、
前記ネジ山の線条方向に配置される端部のうち、前記突起部と当接する側に配置される端部は、前記ねじの締め込み方向の側から順に、前記締め込み方向の側に向く傾斜面と、前記ねじの回転方向に沿う平面とを有する、
ことを特徴とする締結部材。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載される締結部材において、
前記ネジ山の前記ねじの締め込み方向と反対側に位置する面は、前記導入部を形成する縁部に当接する当接部と、前記縁部から離間する凹部とを有する、
ことを特徴とする締結部材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載される締結部材において、
前記ネジ山および前記ネジ溝は複数設けられ、前記複数のネジ溝に設けられる複数の前記突起部は、相対的に突起の高さが高い突起部と低い突起部とを有する、
ことを特徴とする締結部材。
【請求項6】
2つの部材をねじ結合することにより締結する締結部材において、
一方の部材側に設けられるネジ山と、他方の部材側に設けられるネジ溝とが係合可能に構成され、
前記ネジ山および前記ネジ溝は、前記ネジ山と前記ネジ溝とを係合させた状態で、前記2部材に対して、前記2部材を相対的に接近させる方向の力を作用させたときに、前記ネジ山と前記ネジ溝とが相対的に移動可能なリード角に形成され、
前記ネジ山の前記ネジ溝への導入方向の端部と、前記ネジ溝を形成するネジ山の前記一方の部材側に位置する端部との少なくとも一方は、ねじの回転方向の側を向く傾斜面であって互いに反対の側を向く2つの傾斜面を有する、
ことを特徴とする締結部材。
【請求項7】
請求項6に記載の締結部材において、
前記ネジ溝を形成するネジ山の前記端部および前記ネジ山の前記端部は、共に、前記2つの傾斜面を有する、
ことを特徴とする締結部材。
【請求項8】
容器本体と、前記容器本体にねじ結合することにより締結され、前記容器本体に設けられる開口部を閉塞することができる蓋体と、前記容器本体と前記蓋体との締結が完了した状態で、前記開口部を形成する縁部と前記蓋体の天板部との間に配置されるパッキンとを備える容器において、
前記容器本体または前記蓋体のいずれか一方の側に設けられるネジ山と、他方の側に設けられるネジ溝とが係合可能に構成され、
前記ネジ山と前記ネジ溝とは、前記容器本体および前記蓋体に対して、前記容器本体および前記蓋体とを相対的に接近させる方向の力を作用させたときに、前記ネジ山と前記ネジ溝とが相対的に移動可能なリード角に形成され、
前記ネジ溝には、前記容器本体と前記蓋体との締結が完了した状態において、前記容器本体と前記蓋体とが相対的に接近する方向の移動に対して、前記ネジ山に当接する突起部が配置されている、
ことを特徴とする容器。
【請求項9】
請求項8に記載の容器において、
前記容器本体と前記蓋体との締結が完了した状態において、前記突起部と前記ネジ山との間には間隙が形成されている、
ことを特徴とする容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−250763(P2012−250763A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182786(P2011−182786)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000227364)日東光学株式会社 (151)
【出願人】(592176239)株式会社猩々精機 (12)
【Fターム(参考)】