編みフェースシールを有する給気式ヘルメット
バイザ14およびフェースシール16を有する給気式ヘルメット10である。フェースシール16は、バイザ14に固定され、編布を含む封止部材18を有する。編布は、フェースシール16の、フェースシール16が着用者の顔面と接触する箇所に配置される。フェースシール16に対して編布を使用することにより、給気式ヘルメット10の着用がより快適になり、ヘルメット着用者が給気式ヘルメット10を被っている間にフェースシール16を着実に使用する可能性が高くなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給気式ヘルメットにおける編みフェースシールの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
給気式ヘルメットは、周囲空気が汚染物質を含む環境において定期的に着用される。これらヘルメットは、着用されるときに着用者の顔面の正面に位置する流体不浸透性バイザを有する。バイザは、着用者が周囲環境を見ることができるようにする窓を有する。周囲の外部気体空間から分離される呼吸ゾーンまたは内部気体空間を提供するために、バイザにはフェースシールが取り付けられる。内部気体空間は、バイザと着用者の顔面との間に位置し、大部分が、バイザに取り付けられるフェースシールと、バイザ本体と、着用者の顔面と、によって画定される。特許文献1、特許文献2および特許文献3は、フェースシールを有する給気式ヘルメットの例を開示している。
【0003】
清浄空気は、供給タンクから、または周囲空気をエアフィルタに通すように駆動する電動空気システムから、内部気体空間に強制的に入れられる。着用者はこの清浄空気を吸い、それを呼吸ゾーンに吐き出す。この吐き出される空気は、供給源から呼吸ゾーンに強制的に入れられる過度な清浄空気とともに、フェースシールの開口を通して内部気体空間から出る。内部気体空間内で発生する正圧により、汚染物質がフェースシール開口を通して内部気体空間に入らない。たとえば溶接工は、溶接工程の間に発生する汚染物質を吸うことからの保護として給気式ヘルメットを使用することが多い。溶接ヘルメットの例は、以下の特許文献に示されている。すなわち、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13および特許文献14、ならびに特許文献15および特許文献16である。
【0004】
既知のフェースシールは、種々の材料から作製されていた。いくつかの給気式ヘルメットは、フェースシール材料としてデュポン(DuPont)製のタイベック(Tyvek)TMまたはソンタラ(Sontara)TMを使用した。これについては、ダニッシュ(Danisch)らに対する特許文献17およびバーンズ(Burns)らに対する特許文献18を夫々参照されたい。他の給気式ヘルメットは、ソフトパッドまたは発泡材を使用した。これについては、ハーモウ(Her−Mou)に対する特許文献19および特許文献20ならびにイェランド(Yelland)らに対する特許文献21を参照されたい。いくつかの市販の製品は、フェースシールとしてPVCコーティング布を使用した。いくつかの布製品はまた、異なる形状の顔面に形状を一致させることができるように、フェースシールの縁の周囲に弾性材料を組み込んだ。パフォーマ(Performa)A−VLフェースシールド(オランダ、ミドルバーグのノース・セーフティ・プロダクツ(North Safety Products(Middelburg,Netherlands))から販売されている)等の他の市販の製品は、フェースシールに対して織布を使用した。織布は、着用者の顔面に接触して周囲空気空間から分離された呼吸ゾーンを形成するように、バイザから放射状に内部に延在する自由縁を有していた。
【特許文献1】米国特許第6,014,971号明細書
【特許文献2】米国特許第4,462,399号明細書
【特許文献3】米国特許第4,280,491号明細書
【特許文献4】米国特許第6,557,174号明細書
【特許文献5】米国特許第6,591,424号明細書
【特許文献6】米国特許第6,185,739号明細書
【特許文献7】米国特許第5,533,206号明細書
【特許文献8】米国特許第5,191,468号明細書
【特許文献9】米国特許第5,140,707号明細書
【特許文献10】米国特許第4,875,235号明細書
【特許文献11】米国特許第4,853,973号明細書
【特許文献12】米国特許第4,774,723号明細書
【特許文献13】米国特許第4,011,594号明細書
【特許文献14】米国意匠特許Des.398,421号
【特許文献15】国際公開第00/59421号パンフレット
【特許文献16】国際公開第99/26502号パンフレット
【特許文献17】米国特許第6,250,299B1号明細書
【特許文献18】米国特許第6,016,805号明細書
【特許文献19】米国特許第5,533,500号明細書
【特許文献20】米国特許第5,104,430号明細書
【特許文献21】米国特許第5,054,479号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のフェースシール製品は、ヘルメット着用者が周囲環境に存在する汚染物質を吸わないようにする境界を提供したが、これら既知の製品は、着用者の顔面に接触すると不快さをもたらす場合があった。既知のフェースシールは、痒みをもたらす可能性があり、人の顔面には粗い場合があり、または長期間着用されると適当に気体を通さない場合がある。これらの理由により、使用者によっては、フェースシールを取り外すか、またはその耐用年数が終了したときに交換しなかった。フェースシールの不使用は、汚染物質が呼吸ゾーンにより容易に入ることができるため、着用者には危険である可能性がある。本発明は、最終使用者の安全性を最終的に向上させるために不快問題を緩和することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部気体空間内からの迅速な排気を可能にする一方でさまざまなサイズの顔面に快適にフィットすることができるフェースシールに対する必要に対処する。内部気体空間から出る空気は、新たな清浄空気に対して場所を与えるために外部気体空間に容易に入ることができる。簡単に要約すると、本発明は、バイザとバイザに固定されるフェースシールとを備え、編布を備える封止部材を含む、給気式ヘルメットを提供する。編布は、少なくとも一部の領域において多孔性であり、フェースシールの、封止部材が着用者の顔面に接触する箇所に配置される。編布は、封止部材の放射状に内部に向いた周辺部を画定する折目を有することが好ましい。編み多孔性布はまた、封止部材がさまざまなサイズの顔面に心地良くフィットするのを可能にするために、編地自体に弾性ヤーンを含むことが好ましい。
【0007】
本発明の給気式ヘルメットは、フェースシールに編布を使用することにより、着用者に格段に改善された快適さおよびフィット性を提供するとともに、内部気体空間からの制御された空気の排出を可能にするという点で有益である。改善された快適さは、着用者が汚染環境で作業しているときに給気式ヘルメット上のフェースシールを着実に使用する機会を増大させるため、特に有益であり、改善されたフィット性は、着用者が、周囲環境または外部気体空間に存在する可能性のある汚染物質を吸い込む可能性を実質的に低減するという点で有益である。
【0008】
本発明のこれらおよび他の利点は、本発明の図面および詳細な説明においてより完全に示されかつ記述されている。図面において、同様の参照数字を使用して同様の部品を表す。しかしながら、図面および説明は、単に例示の目的のためのものであり、本発明の範囲を不当に限定するように読まれるべきではないことが理解される。
【0009】
用語集
以下に示す用語は、次のように定義される意味を有する。
【0010】
「呼吸ゾーン」は、給気式ヘルメットの着用者によって酸素が吸い込まれる内部気体空間または内部気体空間の一部を意味する。
【0011】
「清浄空気」は、ろ過されたかまたは呼吸するために他の方法で安全にされた空気を意味する。
【0012】
「弾性」は、ひずまされた材料(たとえばヤーンまたは封止部材)が、その元の長さの少なくとも約2倍まで応力が加えられた直後にその元のサイズおよび形状に実質的に回復することができることを意味する。
【0013】
「外部気体空間」は、人に着用された給気式ヘルメットの外側を包囲する周囲環境気体空間を意味する。
【0014】
「顔面」は、主に頬および側頭領域(または顔面領域の側部)、下顎、額およびそれらの間に位置する顔面領域によって画定される人の頭部の正面の領域を意味する。
【0015】
「フェースシール」は、給気式ヘルメットの内部気体空間を外部気体空間から分離するのに役立つように人の顔面に接触する構造体を意味する。
【0016】
「ろ過空気」は、ろ過される前の空気に存在した可能性のある任意の汚染物質の量を低減するためにフィルタ材を通過した空気を意味する。
【0017】
「フレーム部材」は、封止部材を支持する役割を果たす構造的部分(複数可)を意味する。
【0018】
「摩擦によって」は、摩擦を使用することによることを意味する。
【0019】
「摩擦係合」は、ペグ、クリップおよび/またはフックアンドループ材等の要素からの追加の締結を必要とすることなく、接合されるように意図している2つの部品間の摩擦の結果として係合が発生することを意味する。
【0020】
「ヘルメット」は、安全性および/または保護の目的で人の頭部に着用される装置を意味する。
【0021】
「内部気体空間」は、給気式ヘルメットが着用されているときにバイザ、フェースシールおよび人の顔面の間に存在する空間を意味する。
【0022】
「編み」は、布が、大部分、概して上下に垂直に互いに交差しない一連のインターロックされたまたはインターロックしているループから形成されることを意味する。
【0023】
「多孔性の」は、給気式ヘルメットの内部気体空間の空気が、空気または酸素供給源からの圧力下にある間に、その空間から取り除かれまたは排出され外部気体空間に入るために十分な流体浸透性を有することを意味する。
【0024】
「封止部材」は、内部気体空間と外部気体空間との間の分離を画定するのを補助するように人の顔面と形状を一致させて接触する部品の構造体または組合せを意味する。
【0025】
「給気式ヘルメット」は、装置の着用者が吸うための供給清浄空気を受け取るヘルメットを意味する。
【0026】
「バイザ」は、着用されると人の顔面の正面に位置し、人が通して見ることができる窓を有する構造を意味する。
【0027】
「溶接ヘルメット」は、暗くされたまたは暗くなる窓を有するヘルメットを意味する。
【0028】
「ヤーン」は、織物繊維(複数可)、フィラメント(複数可)または編むために適した形態の他の材料を連続的なより糸を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の好ましい実施形態を説明する際に、明確にするために特定の術語を使用する。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されるようには意図されておらず、そのように選択された各用語は、同様に作用する技術的等価物をすべて包含することが理解されるべきである。
【0030】
本発明の実施に際して、新たな給気式ヘルメットが提供される。このヘルメットは、着用者に対し改善された快適さを提供することにより、フェースシールの不使用の可能性を低減する。本発明の給気式ヘルメットは、バイザとフェースシールとを備える。フェースシールは、バイザに固定され、編み多孔性布を備える封止部材を有する。編み多孔性布は、フェースシールの、封止部材が着用者の顔面と接触する箇所に位置する。本発明者等は、編み多孔性布、特に弾性ヤーンおよび/または折返し縁を含む布が、人の顔面と接触するときに柔らかく快適であると感じさせ、余分な空気が、著しい汚染物質の流入を可能にすることなくヘルメットの内部気体空間から除去されるのを可能にすることができる、フェースシールを提供する。編み多孔性布を、さまざまなサイズの顔面に心地良くフィットするように適合させることができる。
【0031】
図1は、フレーム部材16と封止部材18とを有するフェースシール12を示す。フレーム部材16は、薄い固形プラスチック等、非多孔性または流体不浸透性の材料から作製される。フレーム部材16は、フェースシール12に対して構造的完全性を提供するとともに、フェースシール12を支持する。フレーム部材16を、人の手からの力または圧力に応じてバイザ14(図4)の適所に入るように手で操作することができるが、それにも関わらず、それは、その手による圧力が取り除かれると、概してその元の形状に戻る。このように、フレーム部材16は、可撓性であるかまたは手で形状を変化させることができる一方で、依然として、使用時にフェースシール12がその所望の封止構造を保持することができるために十分な構造的特性を示すことが望ましい。一般に、プラスチックフレームは、約0.2mm〜5mm厚さであってもよく、過度にもろくないように、かつ手による力または圧力が加えられていないときにその意図された形状を保持するように構成されることが可能である。フレーム部材16は、たとえば、ポリプロピレン等の0.5〜1.5mm厚さのプラスチックから作製されてもよい。フレーム部材16は、使用者の視界を妨害する可能性のある反射を回避するように少なくとも1つの側部につや消し面を有することが望ましい。フレーム部材を、別個の部品として示すが、別法としてバイザに一体的に形成することができ、封止部材をかかる一体部品に固定することができる。本文書において使用する「一体」は、後に合せて接合される別個の部品として作製されるのではなく、単一部品として形成されることを意味する。一体フレーム部材を、人目につかないようにバイザ本体と「同一のもの」であるように構成してもよく、またはそれは、バイザ本体から一体的に延在する突出フランジまたは隆起であってもよい。フレーム部材は、フェースシールをより容易に交換することができるように図面に示すように別個の部品として形成されることが好ましい。
【0032】
図1はさらに、封止部材18がフレーム部材16から放射状に内部に延在し、人の顔面に適合する開口19を有することを示す。開口19を、周辺縁26によって画定してもよく、その縁26は、弾力的に伸縮自在であることが望ましく、フェースシールがさまざまなサイズの顔面に対して心地良くフィットするのを可能にするように典型的な着用者の顔面より小さいようなサイズであることが好ましい。編布は、人の顔面に対してしっかりとまたは心地良くフィットするように伸長させることができるような弾性特性を有することが好ましい。伸縮自在な特性により、編布は、給気式ヘルメットが使用者に着用されバイザ14(図4)が着用者の顔面の正面に引き下ろされたときに、人の顔面に適当に接触することができる。これら特性により、ヘルメットが着用されていないときにフェースシールがその元の形状に戻ることができる。フェースシールの弾性は、弾性材料のストリップをフェースシールの内側周辺縁26にまたはその付近に縫い付けるかまたは他の方法で固定するのではなく、フェースシール編地に弾性ヤーンを含めることにより提供されることが好ましい。
【0033】
編布は、少なくとも一部の領域において多孔性であり、それにより、内部気体空間内の加圧流体がその中を比較的無制限に通過することができ、そのため、空気供給源から呼吸ゾーンに強制的に入れられる新たな清浄空気に対して場所を空けるために、給気式ヘルメットの呼吸ゾーンに入る空気を環境に排出することができる。給気システムでは、内部気体空間内の気圧は、概して外部気体空間の気圧より高い。このように圧力が高いことにより、空気は内部気体空間から強制的に出される。圧力が高い清浄空気が呼吸ゾーンに連続して強制的に流入することにより、内部気体空間内に増大したまたは加圧された環境がもたらされる。空気流は、編布の一部に存在してもよい孔を通して内部気体空間から出ることができる。図2a〜図2dが示すように、編布は概して本質的に(または完全に)多孔性であり、この多孔性により空気は透かし加工多孔性編地を通して内部気体空間から脱出することができる。編地を、編地内に一連のインターロックされたまたはインターロックするループが形成されるように1つまたは複数のヤーンを編むことによって達成してもよい。図2aは、円形編布の正面を示し、図2bは、その布の背面図を示す。図示するように、編地は、一連のインターロックするループを含む。編布は、ヤーン(複数可)がそれらに対して90度または略垂直に走るヤーンの上下を(over−and−under)通る単なる織布または平織布(図2e参照)とは区別される。このため、編布は、本質的に、ヤーンが必ずしも上下に垂直に互いに交差しない1つまたは複数のヤーンの一連のインターロックするループを含みまたはそれから構成される。この構成により、編布が、単なる織布より本質的に可撓性になる傾向があり、それは、フェースシールとして使用される場合、快適さおよびフィット性を改善することができる特徴である。また編布を、概して、主に2次元構造の両主次元において伸長させることも可能である。このため、編布は、より柔軟でありまたは形状を変化させ易い傾向があり、それにより、フェースシールが着用者の顔面に対しより心地よくかつ快適にフィットする。図2cおよび図2dは、編布に追加のヤーンを含めてもよいことを示す。たとえば、図2cでは、円形編布にレイドイン(laid−in)ヤーン27を含めることができる。図2dに示すように、レイドインヤーン27を縦編布と含めることができる。
【0034】
封止部材の編み部は、たとえば、弾性ヤーン、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーン(comfort yarn)の組合せを含んでもよい。「弾性ヤーン」は、布の「伸縮性」を向上させるために使用され、「難燃性ヤーン」は、封止部材が過度な熱からの燃焼または劣化に耐えるようにするために使用され、「コンフォートヤーン」は、人の顔面に対する封止部材の「感触」を改善する。示したように、伸縮性の特徴が向上することにより、封止部材はさまざまなサイズの顔面に対する心地良いフィットを達成することができる。弾性ヤーンを、主にポリウレタン等のポリマから作製してもよく、または弾性ヤーンは、たとえば、変性アクリル樹脂、ラテックスまたはそれらの組合せであってもよい。市販されている製品には、ライクラ(Lycra)TM(デラウェア州ウィルミントンのデュポン・コーポレーション(DuPont Corporation(Wilmington,Delaware))から入手可能)およびスパンデックス(Spandex)TM(カンサス州ウィチタのインビスタ社(Invista Inc.(Wichita,Kansas))から入手可能)がある。難燃性の特徴は、フェースシールが高温の溶融金属のスパークまたは液滴に接触する可能性がある溶接および研磨等の用途において重要である。難燃性ヤーンを、本質的に難燃性である材料から作製してもよく、または布に難燃性を与えるようにたとえば化学的に処理してもよい。本質的に難燃性の材料は、概して、耐洗濯性が優れている可能性があるため好ましい。難燃性ヤーンの例には、酸化され熱的に安定化されたポリアクリロニトリル(polycarylonitrile)、難燃性ポリエステル変性アクリル樹脂およびいくつかのナイロンが含まれてもよい。市販の製品には、カネカロン(Kanecaron)TMプロテックス(Protex)−M(日本国大阪の株式会社カネカから入手可能な本質的に難燃性繊維)、パノックス(Panox)TM(英国クレックヒートンのランター・ユニバーサル・カーボン・ファイバーズ(Lantor Universal Carbon Fibers(Cleckheaton,UK))から入手可能)、ノーメックス(Nomex)TM(デュポン・コーポレーション(DuPont Corporation)から入手可能)およびトレビラ(Trevira)TM(ドイツ国ボビンゲンのトレビラ社(Trevira GmbH(Bobingen,Germany))がある。コンフォートヤーンは、布を触ると柔らかい感触に仕上げるのを助け、それにより人の顔面に接触したときに布を快適なものにする。本発明のフェースシールで使用してもよいコンフォートヤーンの一例は木綿である。他の適当なコンフォートヤーンは、ポリエステル、アクリル樹脂、レーヨンおよびウールを含んでもよい。概して、布には、布の重量に基づいて、弾性ヤーン、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーンを、夫々約0〜20%、30〜100%および0〜70%使用してもよい。弾性ヤーン、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーンは、夫々約1〜10%、35〜70%および30〜60%で使用されることが好ましい。難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーンが結合される場合、それらは80〜99重量%で使用される。
【0035】
布はさらに、本質的にいかなる色であってもよく、ポリマ材料の木綿等の染色された天然ヤーンとともに、ポリエステル、変性アクリル樹脂、またはこれらの混合織または混紡等の染色されたポリマ材料から作製されることが可能である。厚さに関して、布は、1/50カウントのシングルヤーンの厚さを有してもよいが、たとえば約1/70〜1/10であってもよく、約1/60〜1/30カウントのヤーン(1/70は1/10より薄い)であることが好ましいが、他の厚さを適当に使用してもよい。布(折返しなしの組合せ、すなわち1編層)は、約0.3〜3mm厚さであってもよく、好ましくは0.7〜1.5mm厚さであってもよいが、フェースシールが適当な流体流を可能にするのであれば、それより大きいかまたは小さい厚さを使用してもよい。編みフェースシールを、1〜10ヤーンエンド、好ましくは1〜5ヤーンエンドから作製してもよい。ヤーンエンドの数は、合せて編まれるヤーン糸の数に関連する。編布を、約1gg〜20gg、より好ましくは12gg〜18ggあるように作製してもよい。「gg」という記号は、インチ毎のループの数に関する。16ggマシンでは、編み機に16針/インチある。重要なことは、フェースシールは着用が快適であるということと、それが、排気が内部気体空間から迅速に除去されるのを可能にするということと、である。
【0036】
編布は、およそ15%のライクラ(Lycra)TM等のエラスタンヤーンと、およそ85%の本質的に難燃性ヤーンであるノーテックス(Notex)TMヤーンと、を含んでもよい。エラスタンは、本質的に弾力のある編みノーテックス(Notex)TMに弾性を追加し、それにより、フェースシールにおけるさらなる弾性材料を不要にする。別法として、編み材料は、重量に基づき、およそ0〜20%の弾性ヤーンと、45〜55%のカネカロン(Kanecaron)TMヤーンと、およそ40〜60%の木綿ヤーンと、を含んでもよい。別法として、難燃性繊維およびコンフォート繊維を結合してもよく、または快適な難燃性ヤーンを使用して、快適な難燃性ヤーンを提供してもよい。たとえば、カネカロン(Kanecaron)TMヤーンを木綿糸と結合することにより難燃性/コンフォートヤーンを形成してもよい。難燃性と快適さとをともに提供するヤーンを「コームド(combed)難燃性/コンフォートヤーン」と呼ぶ。弾性ヤーンをかかる結合ヤーンと編むことにより、快適でありかつ難燃性である伸縮性のある弾性ヤーンを提供することができる。エラストマーは、たとえば変性アクリル樹脂、ラテックス、またはそれらの組合せであってもよい。かかる編み材料を使用して、快適な通気性のあるフェースシールを達成することができ、それにより空気が適当にヘルメットの呼吸ゾーンまたは内部気体空間を出ることも可能になる。
【0037】
また図1に示すように、編みフェースシール12は、第1ゾーン20および第2ゾーン22を有してもよく、それらゾーンは、第1浸透性の領域と第2浸透性の領域とを画定する。第1浸透性ゾーン20は、空気流に対する抵抗が高く(またはそれの前後の圧力降下が高く)てもよく、それにより、内部気体空間を出る空気は第2浸透性ゾーン22を通してより容易に流れる。通常、ゾーン20より浸透性の高いゾーン22の方が弾性ヤーンが多い。この段階状のまたは差異化された浸透性の特徴については、代理人整理番号第60020US002として本出願と同日に出願された、「差異化された浸透性を有する給気式ヘルメット(Supplied Air Helmet Having Differentiated Permeability)」と題する米国特許出願第10/987,512号明細書においてより完全に記述されている。差異化された浸透性の利点は、それによって流体を、バイザレンズ69(図5および図6)の内面を横切る流れに選択的に向けることができるということと、それにより、顔面の正面でありかつ着用者の下顎の下のかかる方向付けされた流れが、汚染物質の逆流が内部気体空間に入らないようにするのを助けるのを可能にすることができるということと、である。
【0038】
図3は、フェースシール12の側面図であり、フレーム部材16が角度αを画定するためにいかに構成されるかを示す。フレーム部材16は、額(まゆ)部21と下顎部23とを有し、それら部分21及び23は、90°未満、好ましくは約50〜80度の先端角αを画定する。かかる角度αを有するフレーム部材16を使用することにより、内部気体空間内に汚染物質が入らないようにする一方で優れたフィット性を達成することができる。
【0039】
図4は、封止部材18をフレーム部材16にいかに固定することができるかを示す。これを、たとえば編み封止部材18を位置24においてフレーム部材16に縫い付けることによって達成してもよい。弾性材のストリップ25を使用して、布をフレーム部材16に固定するのを助けてもよい。弾性材25を、封止部材18を通してフレーム部材16に縫い綴じるかまたは縫い付けてもよい。布は概して多孔性であるため、弾性材25は、フレーム部材に縫い付けられる場合、縫い綴じるヤーンが布を破らないようにする役割を果たす。さらに、編布18は、弾性特性を有することが好ましく、伸長または拡張状態でフレーム部材にあてがわれる。弾性固定材25を、フレーム部材16の固定中に封止部材材料と同時に伸長させてもよい。このように布18をフレーム部材16に固定することにより、布がその上にぴんと張られた状態で存在することができる。この予め伸長した状態またはぴんと張られた状態により、布は、着用者の顔面に、特に周辺内縁26の近くの領域において心地良く係合することができる。編地に弾性ヤーンを含めることにより、その実質的な部分を通して、特にフェースシールが着用者の顔面に接触する領域において布自体を弾性的に伸縮可能としてもよい。このため、従来技術において行われていたように、たとえばフェースシールの縁の周囲に弾性ストリップを含める必要がない。結び目と一体化した弾性ヤーンを使用することにより、フェースシールが着用者の顔面に接触する縁に沿って発生する可能性のある「しわ寄せ効果(ruffled effect)」がなくなる。本発明により、フレーム部材の上に編布を予め伸長した状態で配置してもよいが、それを100%伸長させる必要はない。通常、封止部材18は、その完全に伸長した状態の約30〜90%で取り付けられるため、さまざまなサイズの顔面に心地良く係合しまたは適合するようにさらに伸長させまたは拡張することができる。縫い付けることに加えて、編布を、リベット打ち、ねじ留め、接着接合等、他の機械的または物理的方法を使用してフレーム部材16に固定してもよい。
【0040】
図4はまた、内側周辺部26(図1も参照)を画定するために編み封止部材18がいかに折り返されるかも示す。その内側周辺部に沿って折返し端または縁26を使用することにより、本来存在する可能性のある粗いかまたはより顕著な縁を無くすかまたは低減することによって着用者の快適さをより向上させることができる。封止部材の周辺部が着用者の顔面に主に接触する折返しを有する編布は、着用者の顔面に接触したときに特に快適であることが分かった。折返し縁26を使用することにより、ほつれる可能性もさらに低減することができ、それもまた着用者の快適さのためになり得る。このように、折返し26により、封止部材18には、人の顔面に粗く接触する可能性のある自由縁または直線状の縁がなくなる。折返し26はさらに、封止部材18のための第1並置層28および第2並置層30をもたらす。層30は、フェースシールド10が着用されるときに着用者のフェースマスクと直接接触して存在する。この二層構造は、汚染物質が内部気体空間に入らないようにするために有益であり得る。
【0041】
図5は、フェースシール12をいかにバイザ14に固定することができるかを示す。フェースシール12のフレーム部材16は、第1側部38および第2側部40を有する。側部38および40は、夫々の第1バイザ側部42と第2バイザ側部44との間に押し込むことができるように内方にまたは互いに向かって押される。示したように、フレーム部材16を、手による圧力に応じて形状が変化するように、かつ圧力がなくなったときにもとの形状に向かって戻るように適合させることができる。このため、フレーム部材16は、より剛性なバイザ14内のその摩擦配置を可能にするように可撓性であるかまたは適合可能であってもよい。フレーム部材16は、夫々第1レセプタクル44および第2レセプタクル46を有し、それらは、側頭部60および62においてスペーサ要素48および50に接して存在するように適応される。レセプタクル44および46が位置60および62においてヒンジアセンブリに対して並置されるようにフレーム部材16がバイザ14内に配置されると、フレームアセンブリ16を、その正面部64がバイザ14の第3係合点またはシェルフ66と係合するまで左回りに回転させてもよい。フレーム部材16の正面部64がシェルフ66上で並置されると、それ以上の回転移動が防止され、フェースシール12は、フェースシールド14内に静止して保持され続ける。これら図面は、3つの摩擦係合点を示すが、本発明は、必要であるか望ましい場合、さらなる係合点(たとえば4、5、6またはそれより多い)を使用することを企図する。別法として、フェースシールフレームにプラスチックリベットの「上でカチッと止まる(click over)」穴を配置することにより、フレーム部材をバイザに固定してもよい。これらリベットを、フレームがバイザの適所でカチッと止まることが可能となるように、バイザまたはフレーム部材に永久的に配置してもよい。
【0042】
ヘルメットバイザに摩擦係合することができるフェースシールの一例は、代理人整理番号60021US002として本出願と同日に出願された、「摩擦係合する給気式ヘルメットフェースシール(Frictionally Engaged Supplied Air Helmet Face Seal)」と題する米国特許出願第10/988,789号明細書に詳細に述べられている。このフェースシールは、特に、追加の締結器具を使用することなく摩擦係合を使用してバイザに取り付けることができるという点で有益である。使用することができる可能性のあるフェースシールの別の例は、バーンズ(Burns)らに対する米国特許第6,016,805号明細書に示されている。
【0043】
ヘルメット10を被るために、着用者は、自身の頭蓋に冠部材68を配置し、バイザ14を、着用者の顔面の正面に直接存在するように下方に回転させる。そして、着用者は窓69を通して見ることができる。ヘルメットが溶接の目的で使用される場合、窓は、溶接工のトーチからの光に応じて即時暗くなる自動遮光レンズ(auto−darkening lens)(ADL)であってもよい(これについては、たとえば、ホーネル(Hornell)およびパーマー(Palmer)に対して発行された米国特許第6,097,451号明細書および同第5,825,441号明細書を参照されたい)。そして、着用者は、タブ70を引っ張り、封止部材18の下顎部72を自身の下顎の下に引き寄せる。封止部材18の周辺部26の残り部分は、着用者の額および頬領域に対してしっかりと近づく。このようにして、呼吸ゾーンまたは内部気体空間が形成され、着用者の顔面と、封止部材18と、フェースシールドまたはバイザ14と、によって画定される。示したように、編布は、空気が内部気体空間から除去され得るように完全に多孔性であってもよい。編布の概して多孔性の性質にも関わらず、一般に使用中に内部気体空間内に正圧が存在することにより、汚染物質が内部気体空間に入ることが妨げられる。動作時、清浄空気は、電動空気供給源から圧力下で内部気体空間に供給される。これらのタイプの装置の例は、米国特許第6,279,572B1号明細書、同6,250,299B1号明細書、同第6,014,971号明細書、同第5,125,402号明細書、同第4,965,887号明細書、同第4,462,399号明細書および同4,280,491号明細書に示されている。空気を内部気体空間内に向けるために給気システムに関連して使用してもよいブロワの例は、米国特許第6,575,165B1号明細書およびD449,099S号に示されている。呼吸ゾーン内への空気流が安全レベルより下になったときの指示を提供するために、給気式ヘルメットに流れセンサを使用してもよい。これについては、ペザーブリッジ(Petherbridge)に対する米国特許第6,615,828B1明細書を参照されたい。さらに、フィルタ素子の使用の記録を維持するためにフィルタ素子に不揮発性メモリデバイスを取り付けてもよい。これについては、ホーグ(Hogue)に対する米国特許第6,186,140B1号明細書を参照されたい。
【0044】
図6に示すように、空気を、電動空気供給源と流体連通するエアダクト74を介して内部気体空間内に通してもよい。ダクト74は、入口ポート75および出口ポート77を有する。空気をヘルメットの内部気体空間内に向けるために使用することができるエアダクトは、2004年4月7日に出願された「エアダクト(Air Duct)」と題する米国特許出願第29/202,969号明細書、今ではヒンド(Hind)らに対する米国特許第_号にさらに示されている。エアダクト74は、空気入口75および空気出口77を有し、冠部材68によって支持される。入口75は清浄空気源に接続され、出口77は封止部材18と着用者の額(図示せず)との間に配置される。示したように、空気流は、たとえば封止部材18(図1および図3)に存在する可能性のある孔を通して内部気体空間を出る。エアダクト74を、冠部材68の2つの場所に固定することができる。エアダクト74の後部を、打ち抜かれたプラスチック部品79によってヘッドハーネス68の後方から一定距離に保持することができる。冠部材68の周縁をそれがさまざまなサイズの頭部にフィットするように変更するために、調整つまみ67を設けてもよい。エアダクト74の正面を、額においてヘッドハーネス68の正面にステープル留めしてもよい。このように、エアダクト74は、使用時に移動または揺動しないようにされる。額において、エアダクト74は、フェースシール12とヘッドハーネス68との間を通過する。エラストマーフェースシール材により、フェースシールは、エアダクトの周囲に優れた封止を形成することができる。入口は清浄空気源に接続され、出口を、フェースシールとバイザとの間に配置してもよい。電動空気供給源を使用する場合、空気は、内部気体空間内に向けられる前に動力でまたは強制的にエアフィルタを通される。エアフィルタを、着用者のウエストの周囲に着用されるベルトに支持されるハウジングまたはカートリッジに収納してもよい。これについては、クック(Cook)らに対する米国特許第6,575,165号明細書を参照されたい。
【0045】
図7は、編み材料の細長いストリップ80を示し、このストリップ80は、複数の編み封止部材を形成するための一続きにブランクセグメント82を含む。各セグメント82は、分解可能部分84によって分離される。両セグメント82および84は、材料のストリップが連続して編まれた細長いシート80を形成するように、合せて編まれる。シート80は、通して一様の編地を有するが、弾性の程度が異なるゾーンを含むことが好ましい。ゾーン86および88は、夫々破線87の上方および破線89の下方に位置し、編地に弾性材料またはヤーンがほとんどないかまったくないことが好ましい。ゾーン90は、ゾーン86および88より比較的弾性材料が多い。可変の弾性のゾーンを有する編み材料を使用することは、図1および図2を参照して上述したように最終製品の構造に有益であり得る。布重量に基づいて、好ましくはゾーン86および88は約0〜5%、より好ましくは0〜1%の弾性ヤーンを含み、ゾーン90は、約2〜10%、より好ましくは約3〜7%の弾性ヤーンを含む。
【0046】
本発明による編みフェースシールを作成する際、編み材料80の細長いストリップを蒸気に曝してもよく、その蒸気により、間隔が空けられたゾーン84が分解する。これら分解可能部分84を、主に、スイスのエムス・ケミーAG(EMS−Chimie AG(Switzerland))から入手可能なグリロン(Grilon)TM等の水溶性のヤーンまたは「海草」を原料とするヤーンまたは人工ヤーンから作製してもよい。十分な量の蒸気に曝されると、水溶性ヤーンは分解し、細長いシート80は一続きのブランク82を形成する。
【0047】
図8は、成形されたブランク82のうちの1つを示す。図示するように、セグメント82は「ウエスト付き」である。このウエスト付きの効果は、中心ゾーン90の方がより弾性であるために発生する。図7のシート材料80が、セグメント82を分離するために蒸気に曝されると、弾性材料は湾曲する可能性があり、それにより、それは「束になり」セグメント82にウエストが形成される。
【0048】
図8からのウエスト付きセグメント82は、各々、図9に示す形状になるように切断される。各切断セグメントは、対向するタブ94および96を有する。これらタブは、縫い合わされることにより、管を生成する。そして、管の対向する端部97および99が互いに接合され、図4に関して上述したようなフェースシール10のフレーム部材16に縫い付けられる。このため、弾性ゾーン90は、封止部材18(図1および図3)の周辺端26に向かって存在する。このため、材料86および88のゾーンによって画定されるようなそれほど伸縮可能でないかまたは非弾性ゾーン20は、図3の材料24によって示すようなフェースシールの固定部分のより近くに位置することになる。部分86および88は、部分90より弾性材料を含まない可能性があるだけでなく、ゾーン20(図1および図3に示すような)がゾーン22より実質的に通気性が低いように、より目の詰ったまたは密集した編地を含んでもよい。このため、ゾーン22は、ゾーン20より多孔性または浸透性であり、より低い圧力降下を有する。したがって、ゾーン22は、給気式ヘルメットの内部気体空間から排出される空気に対する最も抵抗の低い経路を形成する。全体としてフェースシールの前後の圧力降下は、通常、約10〜200パスカルであり、より典型的には約20〜110パスカルである。高浸透性ゾーンは、約10〜100パスカルの圧力降下、より好ましくは約20〜70パスカルの圧力降下を有することが好ましい。低浸透性ゾーン20は、その前後に約90〜200パスカルの圧力降下、より好ましくは約120〜180パスカルの圧力降下を有することが好ましい。圧力降下を、一対の空圧チャックを使用して60mm径穴にわたってフェースシールを締付けすることによって測定することができる。圧力計は、85リットル/分の流量を使用してフェースシールの各側の圧力を測定する。
【0049】
フェースシールの材料を横切る空気流量は、通常、約5〜200cm3/s/cm2であり、より典型的には約20〜150cm3/s/cm2である。高浸透性ゾーン22は、85〜200cm3/s/cm2、より好ましくは約100〜150cm3/s/cm2の空気流量を有することが好ましい。低浸透性ゾーン20は、それを横切って約5〜80cm3/s/cm2、より好ましくは約20〜70cm3/s/cm2の空気流量を有することが好ましい。空気流量を、ASTM D737−96、「繊維製品の通気性の標準検査方法(Standard Test Method for Air Permeability of Textile Fabrics)」に記載されている検査方法を使用して測定することができる。
【0050】
着用者の顔面を横切る出口ポート77(図5)からの制御された空気の流れを達成することができる。ポート77(図6)から呼吸ゾーンに入る清浄空気は、おもにより多孔性のゾーン22(図1および図4)を通って内部気体空間から出る。内部気体空間内の圧力の方が高いため、汚染物質が給気式ヘルメットの呼吸ゾーンに入ることはより困難である。差異化された浸透性または区分空気流を有する封止部材を提供することにより、呼吸ゾーン内の空気の移動を管理することができる。加圧空気は、着用者の顔面または呼吸ゾーンに亙って掃引することができ、一方で汚染物質が内部気体空間内に不注意に流入するのを防止することができる。
【0051】
編みフェースシールを作製する代替方法では、ヤーンを長い中空円柱になるように編んでもよく、その後それを一続きのより短いループに切断することができる。そして、これら短くなったループの各々を折り重ねてフレーム部材に縫い付けることによりフェースシールを形成することができる。この方法を使用することにより、いかなる縫目も露出しないフェースシールを作製することが可能になり得る。縫目なしの構造は、着用者の快適さをさらに向上させることができる。フェースシールの多孔性を、編地の密度を変化させることにより、フェースシールループに追加の材料を付加することにより、かつプラスチックフレームに縫い付けられる材料の張力を制御することにより、制御してもよい。
【0052】
上述した電動空気システムに加えて、本発明を、人に清浄空気を供給する、通常圧力下での空気または酸素のタンクを有する自給式呼吸器(self−contained breathing apparatus)(SCBA)等の圧縮空気システムに関連して使用することも可能である。SCBAシステムの例は以下の特許に示されている。すなわち、米国特許第6,478,025号明細書、同第4,886,056号明細書、同第4,586,500号明細書および同第4,437,460号明細書である。本発明を解釈する目的で、圧縮空気システムは、給気システムであるとみなす。さらに、本発明の給気システムを、溶接ヘルメットまたは溶接環境に関連して使用するだけでなく、たとえば手術環境およびクリーンエアルームに対して適応されたヘルメットで使用してもよい。これについては、たとえば米国特許第4,901,716号明細書、同第4,055,173号明細書、同第4,019,508号明細書および同第3,955,570号明細書を参照されたい。
【0053】
以下の実施例は、本発明の特徴、利点および他の詳細をさらに説明するためにのみ選択した。しかしながら、実施例はこの目的に役立つが、使用される特定の成分および量、ならびに他の条件および詳細は、本発明の範囲を不当に限定するように解釈されるべきではない、ということが明確に理解される。
【実施例】
【0054】
実施例1
フェースシール封止部材を、所望の形状および構造を達成するように切断し縫い付けられた直線状の1×1リブ編みブランクから作製した。ブランクを、3つのヤーン、すなわち難燃性/コンフォート結合ヤーン、弾性ヤーンおよび水溶性ヤーンから作製した。難燃性/コンフォート結合ヤーンは、カネカロン(Kanecaron)TM繊維、プロテックス(Protex)−Mおよび木綿繊維を含んでいた。互いに対して、カネカロン(Kanecaron)TMを55重量%で使用し、木綿繊維を45重量%で使用した。弾性ヤーンは200デシテックスであり、夫々62重量%および38重量%でエラスタン、ライクラ(Lycra)TMおよびけん縮ナイロンを含んでいた。これら2つのヤーンは、編みブランクにおいて主な構造的要素として機能した。難燃性/木綿結合ヤーンおよび弾性ヤーンをともに青色に染色した。難燃性/コンフォートヤーンを同様にワックスがけした。ブランクにおける弾性ヤーンの含有量をブランクの長さに沿って変化させ、ブランクの中心でヤーンの量が最高であり、ブランクの頂部および底部において弾性ヤーンがなくなるまで低減させた。一続きのブランクを連続して製作することができるように、一列の水溶性ヤーン(スイスのエムス・ケミーAG(EMS−Chimie AG)(Switzerland)製のグリロン(Grilon)TM)を各ブランクの端部に編んだ。連続した布を、使用時に620針を有する16gg(16針/インチまたは6.3針/cm)パワーフラットマシン(power flat machine)で編んだ。蒸気処理が施されると、水溶性ヤーンが溶解して連続した1本の編地から個々のブランクが形成された。ブランクは、5つの段階状の領域を含んでいた。
【0055】
領域1は、余分なヤーンエンドを有するより堅い編地であり、清浄空気がヘッドトップから排出されるのを可能にするように設計された。それは、カネカロン(Kanecaron)TM/木綿ヤーンの3つのエンドと、24サイクルおよび48列を有していた。領域2は、排出領域1とフェースシール領域3との間の遷移領域であった。それは、1/50カウントヤーンの2つのエンドと、4列おきに1つ使用される、タックされた(tucked)ライクラ(Lycra)TMヤーンを含む48列と、を含んでいた。領域3は、顔面接触領域であり、皮膚に対して快適であるように設計された。領域3は、1/50カウントヤーンの2つのエンドを備え、11サイクルおよび88列を有し、2列おきに1つ、ライクラ(Lycra)TMヤーンがタックされた。領域4は、顔面接触領域と排出領域との間の遷移領域であり、領域2と同じ構造を有していた。領域5もまた排出領域であり、領域1と同じ構造を有していた。
【0056】
ブランクの中心の弾性ヤーンの割合が高いことにより、ブランクの中心の後に、縁としてテーパ加工されたかまたは「ウエスト付けされた」ブランクの側縁が続いた。本発明のフェースシールを形成するために、ブランク縁を、タイプ301ロックスティッチを使用して縫い合わせて円柱を形成した。そして、2つの開口端の縁を縫い合わせることができるように、円柱を折り重ね、タイプ514の4本針オーバーロックを追加した。また、これら縁を、プレス切断された1mm厚さの黒色ポリプロピレンプラスチックである支持プラスチックフレームに縫い付けた。編み材料を、3〜4縫い/cmである301ロックスティッチミシンを使用して固定した。最後に、編み材料に革製のタブを縫い付けた。
【0057】
本発明を、その精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変更態様および改変態様をとることができる。したがって、本発明は、上述したことに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの任意の等価物に示される限定事項によって制御されるものである、ということが理解されなければならない。
【0058】
本発明を、本明細書において特に開示しない任意の要素なしに適当に実施することができる、ということもまた理解されなければならない。
【0059】
背景技術におけるものを含む、上で引用したすべての特許および特許出願は、引用により開示内容がすべて本明細書に包含されたものとする。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明によるフェースシール12の背面斜視図である。
【図2a】本発明に関連して使用することができる編みパターンを示す。
【図2b】本発明に関連して使用することができる編みパターンを示す。
【図2c】本発明に関連して使用することができる編みパターンを示す。
【図2d】本発明に関連して使用することができる編みパターンを示す。
【図2e】平織の一例を示す。
【図3】図1に示すフェースシール12の左側面図である。
【図4】図1の線2−2に沿って取り出されたフェースシール12の断面図である。
【図5】バイザ14から外されたフェースシール12を示す、本発明による給気式ヘルメット10の背面斜視図である。
【図6】エアダクト74を有する給気式ヘルメット10の左側面図である。
【図7】一続きのブランク82を形成するように使用してもよい編布80の平面図であり、このブランク82を使用してフェースシール12(図1)の封止部材18(図1)を形成してもよい。
【図8】図6に示す編布80から作成される切片82の正面図である。
【図9】フェースシール12(図1)に対する封止部材18(図1)を形成するために使用してもよい形状を有する封止部材ブランク92の正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、給気式ヘルメットにおける編みフェースシールの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
給気式ヘルメットは、周囲空気が汚染物質を含む環境において定期的に着用される。これらヘルメットは、着用されるときに着用者の顔面の正面に位置する流体不浸透性バイザを有する。バイザは、着用者が周囲環境を見ることができるようにする窓を有する。周囲の外部気体空間から分離される呼吸ゾーンまたは内部気体空間を提供するために、バイザにはフェースシールが取り付けられる。内部気体空間は、バイザと着用者の顔面との間に位置し、大部分が、バイザに取り付けられるフェースシールと、バイザ本体と、着用者の顔面と、によって画定される。特許文献1、特許文献2および特許文献3は、フェースシールを有する給気式ヘルメットの例を開示している。
【0003】
清浄空気は、供給タンクから、または周囲空気をエアフィルタに通すように駆動する電動空気システムから、内部気体空間に強制的に入れられる。着用者はこの清浄空気を吸い、それを呼吸ゾーンに吐き出す。この吐き出される空気は、供給源から呼吸ゾーンに強制的に入れられる過度な清浄空気とともに、フェースシールの開口を通して内部気体空間から出る。内部気体空間内で発生する正圧により、汚染物質がフェースシール開口を通して内部気体空間に入らない。たとえば溶接工は、溶接工程の間に発生する汚染物質を吸うことからの保護として給気式ヘルメットを使用することが多い。溶接ヘルメットの例は、以下の特許文献に示されている。すなわち、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13および特許文献14、ならびに特許文献15および特許文献16である。
【0004】
既知のフェースシールは、種々の材料から作製されていた。いくつかの給気式ヘルメットは、フェースシール材料としてデュポン(DuPont)製のタイベック(Tyvek)TMまたはソンタラ(Sontara)TMを使用した。これについては、ダニッシュ(Danisch)らに対する特許文献17およびバーンズ(Burns)らに対する特許文献18を夫々参照されたい。他の給気式ヘルメットは、ソフトパッドまたは発泡材を使用した。これについては、ハーモウ(Her−Mou)に対する特許文献19および特許文献20ならびにイェランド(Yelland)らに対する特許文献21を参照されたい。いくつかの市販の製品は、フェースシールとしてPVCコーティング布を使用した。いくつかの布製品はまた、異なる形状の顔面に形状を一致させることができるように、フェースシールの縁の周囲に弾性材料を組み込んだ。パフォーマ(Performa)A−VLフェースシールド(オランダ、ミドルバーグのノース・セーフティ・プロダクツ(North Safety Products(Middelburg,Netherlands))から販売されている)等の他の市販の製品は、フェースシールに対して織布を使用した。織布は、着用者の顔面に接触して周囲空気空間から分離された呼吸ゾーンを形成するように、バイザから放射状に内部に延在する自由縁を有していた。
【特許文献1】米国特許第6,014,971号明細書
【特許文献2】米国特許第4,462,399号明細書
【特許文献3】米国特許第4,280,491号明細書
【特許文献4】米国特許第6,557,174号明細書
【特許文献5】米国特許第6,591,424号明細書
【特許文献6】米国特許第6,185,739号明細書
【特許文献7】米国特許第5,533,206号明細書
【特許文献8】米国特許第5,191,468号明細書
【特許文献9】米国特許第5,140,707号明細書
【特許文献10】米国特許第4,875,235号明細書
【特許文献11】米国特許第4,853,973号明細書
【特許文献12】米国特許第4,774,723号明細書
【特許文献13】米国特許第4,011,594号明細書
【特許文献14】米国意匠特許Des.398,421号
【特許文献15】国際公開第00/59421号パンフレット
【特許文献16】国際公開第99/26502号パンフレット
【特許文献17】米国特許第6,250,299B1号明細書
【特許文献18】米国特許第6,016,805号明細書
【特許文献19】米国特許第5,533,500号明細書
【特許文献20】米国特許第5,104,430号明細書
【特許文献21】米国特許第5,054,479号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のフェースシール製品は、ヘルメット着用者が周囲環境に存在する汚染物質を吸わないようにする境界を提供したが、これら既知の製品は、着用者の顔面に接触すると不快さをもたらす場合があった。既知のフェースシールは、痒みをもたらす可能性があり、人の顔面には粗い場合があり、または長期間着用されると適当に気体を通さない場合がある。これらの理由により、使用者によっては、フェースシールを取り外すか、またはその耐用年数が終了したときに交換しなかった。フェースシールの不使用は、汚染物質が呼吸ゾーンにより容易に入ることができるため、着用者には危険である可能性がある。本発明は、最終使用者の安全性を最終的に向上させるために不快問題を緩和することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部気体空間内からの迅速な排気を可能にする一方でさまざまなサイズの顔面に快適にフィットすることができるフェースシールに対する必要に対処する。内部気体空間から出る空気は、新たな清浄空気に対して場所を与えるために外部気体空間に容易に入ることができる。簡単に要約すると、本発明は、バイザとバイザに固定されるフェースシールとを備え、編布を備える封止部材を含む、給気式ヘルメットを提供する。編布は、少なくとも一部の領域において多孔性であり、フェースシールの、封止部材が着用者の顔面に接触する箇所に配置される。編布は、封止部材の放射状に内部に向いた周辺部を画定する折目を有することが好ましい。編み多孔性布はまた、封止部材がさまざまなサイズの顔面に心地良くフィットするのを可能にするために、編地自体に弾性ヤーンを含むことが好ましい。
【0007】
本発明の給気式ヘルメットは、フェースシールに編布を使用することにより、着用者に格段に改善された快適さおよびフィット性を提供するとともに、内部気体空間からの制御された空気の排出を可能にするという点で有益である。改善された快適さは、着用者が汚染環境で作業しているときに給気式ヘルメット上のフェースシールを着実に使用する機会を増大させるため、特に有益であり、改善されたフィット性は、着用者が、周囲環境または外部気体空間に存在する可能性のある汚染物質を吸い込む可能性を実質的に低減するという点で有益である。
【0008】
本発明のこれらおよび他の利点は、本発明の図面および詳細な説明においてより完全に示されかつ記述されている。図面において、同様の参照数字を使用して同様の部品を表す。しかしながら、図面および説明は、単に例示の目的のためのものであり、本発明の範囲を不当に限定するように読まれるべきではないことが理解される。
【0009】
用語集
以下に示す用語は、次のように定義される意味を有する。
【0010】
「呼吸ゾーン」は、給気式ヘルメットの着用者によって酸素が吸い込まれる内部気体空間または内部気体空間の一部を意味する。
【0011】
「清浄空気」は、ろ過されたかまたは呼吸するために他の方法で安全にされた空気を意味する。
【0012】
「弾性」は、ひずまされた材料(たとえばヤーンまたは封止部材)が、その元の長さの少なくとも約2倍まで応力が加えられた直後にその元のサイズおよび形状に実質的に回復することができることを意味する。
【0013】
「外部気体空間」は、人に着用された給気式ヘルメットの外側を包囲する周囲環境気体空間を意味する。
【0014】
「顔面」は、主に頬および側頭領域(または顔面領域の側部)、下顎、額およびそれらの間に位置する顔面領域によって画定される人の頭部の正面の領域を意味する。
【0015】
「フェースシール」は、給気式ヘルメットの内部気体空間を外部気体空間から分離するのに役立つように人の顔面に接触する構造体を意味する。
【0016】
「ろ過空気」は、ろ過される前の空気に存在した可能性のある任意の汚染物質の量を低減するためにフィルタ材を通過した空気を意味する。
【0017】
「フレーム部材」は、封止部材を支持する役割を果たす構造的部分(複数可)を意味する。
【0018】
「摩擦によって」は、摩擦を使用することによることを意味する。
【0019】
「摩擦係合」は、ペグ、クリップおよび/またはフックアンドループ材等の要素からの追加の締結を必要とすることなく、接合されるように意図している2つの部品間の摩擦の結果として係合が発生することを意味する。
【0020】
「ヘルメット」は、安全性および/または保護の目的で人の頭部に着用される装置を意味する。
【0021】
「内部気体空間」は、給気式ヘルメットが着用されているときにバイザ、フェースシールおよび人の顔面の間に存在する空間を意味する。
【0022】
「編み」は、布が、大部分、概して上下に垂直に互いに交差しない一連のインターロックされたまたはインターロックしているループから形成されることを意味する。
【0023】
「多孔性の」は、給気式ヘルメットの内部気体空間の空気が、空気または酸素供給源からの圧力下にある間に、その空間から取り除かれまたは排出され外部気体空間に入るために十分な流体浸透性を有することを意味する。
【0024】
「封止部材」は、内部気体空間と外部気体空間との間の分離を画定するのを補助するように人の顔面と形状を一致させて接触する部品の構造体または組合せを意味する。
【0025】
「給気式ヘルメット」は、装置の着用者が吸うための供給清浄空気を受け取るヘルメットを意味する。
【0026】
「バイザ」は、着用されると人の顔面の正面に位置し、人が通して見ることができる窓を有する構造を意味する。
【0027】
「溶接ヘルメット」は、暗くされたまたは暗くなる窓を有するヘルメットを意味する。
【0028】
「ヤーン」は、織物繊維(複数可)、フィラメント(複数可)または編むために適した形態の他の材料を連続的なより糸を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の好ましい実施形態を説明する際に、明確にするために特定の術語を使用する。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されるようには意図されておらず、そのように選択された各用語は、同様に作用する技術的等価物をすべて包含することが理解されるべきである。
【0030】
本発明の実施に際して、新たな給気式ヘルメットが提供される。このヘルメットは、着用者に対し改善された快適さを提供することにより、フェースシールの不使用の可能性を低減する。本発明の給気式ヘルメットは、バイザとフェースシールとを備える。フェースシールは、バイザに固定され、編み多孔性布を備える封止部材を有する。編み多孔性布は、フェースシールの、封止部材が着用者の顔面と接触する箇所に位置する。本発明者等は、編み多孔性布、特に弾性ヤーンおよび/または折返し縁を含む布が、人の顔面と接触するときに柔らかく快適であると感じさせ、余分な空気が、著しい汚染物質の流入を可能にすることなくヘルメットの内部気体空間から除去されるのを可能にすることができる、フェースシールを提供する。編み多孔性布を、さまざまなサイズの顔面に心地良くフィットするように適合させることができる。
【0031】
図1は、フレーム部材16と封止部材18とを有するフェースシール12を示す。フレーム部材16は、薄い固形プラスチック等、非多孔性または流体不浸透性の材料から作製される。フレーム部材16は、フェースシール12に対して構造的完全性を提供するとともに、フェースシール12を支持する。フレーム部材16を、人の手からの力または圧力に応じてバイザ14(図4)の適所に入るように手で操作することができるが、それにも関わらず、それは、その手による圧力が取り除かれると、概してその元の形状に戻る。このように、フレーム部材16は、可撓性であるかまたは手で形状を変化させることができる一方で、依然として、使用時にフェースシール12がその所望の封止構造を保持することができるために十分な構造的特性を示すことが望ましい。一般に、プラスチックフレームは、約0.2mm〜5mm厚さであってもよく、過度にもろくないように、かつ手による力または圧力が加えられていないときにその意図された形状を保持するように構成されることが可能である。フレーム部材16は、たとえば、ポリプロピレン等の0.5〜1.5mm厚さのプラスチックから作製されてもよい。フレーム部材16は、使用者の視界を妨害する可能性のある反射を回避するように少なくとも1つの側部につや消し面を有することが望ましい。フレーム部材を、別個の部品として示すが、別法としてバイザに一体的に形成することができ、封止部材をかかる一体部品に固定することができる。本文書において使用する「一体」は、後に合せて接合される別個の部品として作製されるのではなく、単一部品として形成されることを意味する。一体フレーム部材を、人目につかないようにバイザ本体と「同一のもの」であるように構成してもよく、またはそれは、バイザ本体から一体的に延在する突出フランジまたは隆起であってもよい。フレーム部材は、フェースシールをより容易に交換することができるように図面に示すように別個の部品として形成されることが好ましい。
【0032】
図1はさらに、封止部材18がフレーム部材16から放射状に内部に延在し、人の顔面に適合する開口19を有することを示す。開口19を、周辺縁26によって画定してもよく、その縁26は、弾力的に伸縮自在であることが望ましく、フェースシールがさまざまなサイズの顔面に対して心地良くフィットするのを可能にするように典型的な着用者の顔面より小さいようなサイズであることが好ましい。編布は、人の顔面に対してしっかりとまたは心地良くフィットするように伸長させることができるような弾性特性を有することが好ましい。伸縮自在な特性により、編布は、給気式ヘルメットが使用者に着用されバイザ14(図4)が着用者の顔面の正面に引き下ろされたときに、人の顔面に適当に接触することができる。これら特性により、ヘルメットが着用されていないときにフェースシールがその元の形状に戻ることができる。フェースシールの弾性は、弾性材料のストリップをフェースシールの内側周辺縁26にまたはその付近に縫い付けるかまたは他の方法で固定するのではなく、フェースシール編地に弾性ヤーンを含めることにより提供されることが好ましい。
【0033】
編布は、少なくとも一部の領域において多孔性であり、それにより、内部気体空間内の加圧流体がその中を比較的無制限に通過することができ、そのため、空気供給源から呼吸ゾーンに強制的に入れられる新たな清浄空気に対して場所を空けるために、給気式ヘルメットの呼吸ゾーンに入る空気を環境に排出することができる。給気システムでは、内部気体空間内の気圧は、概して外部気体空間の気圧より高い。このように圧力が高いことにより、空気は内部気体空間から強制的に出される。圧力が高い清浄空気が呼吸ゾーンに連続して強制的に流入することにより、内部気体空間内に増大したまたは加圧された環境がもたらされる。空気流は、編布の一部に存在してもよい孔を通して内部気体空間から出ることができる。図2a〜図2dが示すように、編布は概して本質的に(または完全に)多孔性であり、この多孔性により空気は透かし加工多孔性編地を通して内部気体空間から脱出することができる。編地を、編地内に一連のインターロックされたまたはインターロックするループが形成されるように1つまたは複数のヤーンを編むことによって達成してもよい。図2aは、円形編布の正面を示し、図2bは、その布の背面図を示す。図示するように、編地は、一連のインターロックするループを含む。編布は、ヤーン(複数可)がそれらに対して90度または略垂直に走るヤーンの上下を(over−and−under)通る単なる織布または平織布(図2e参照)とは区別される。このため、編布は、本質的に、ヤーンが必ずしも上下に垂直に互いに交差しない1つまたは複数のヤーンの一連のインターロックするループを含みまたはそれから構成される。この構成により、編布が、単なる織布より本質的に可撓性になる傾向があり、それは、フェースシールとして使用される場合、快適さおよびフィット性を改善することができる特徴である。また編布を、概して、主に2次元構造の両主次元において伸長させることも可能である。このため、編布は、より柔軟でありまたは形状を変化させ易い傾向があり、それにより、フェースシールが着用者の顔面に対しより心地よくかつ快適にフィットする。図2cおよび図2dは、編布に追加のヤーンを含めてもよいことを示す。たとえば、図2cでは、円形編布にレイドイン(laid−in)ヤーン27を含めることができる。図2dに示すように、レイドインヤーン27を縦編布と含めることができる。
【0034】
封止部材の編み部は、たとえば、弾性ヤーン、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーン(comfort yarn)の組合せを含んでもよい。「弾性ヤーン」は、布の「伸縮性」を向上させるために使用され、「難燃性ヤーン」は、封止部材が過度な熱からの燃焼または劣化に耐えるようにするために使用され、「コンフォートヤーン」は、人の顔面に対する封止部材の「感触」を改善する。示したように、伸縮性の特徴が向上することにより、封止部材はさまざまなサイズの顔面に対する心地良いフィットを達成することができる。弾性ヤーンを、主にポリウレタン等のポリマから作製してもよく、または弾性ヤーンは、たとえば、変性アクリル樹脂、ラテックスまたはそれらの組合せであってもよい。市販されている製品には、ライクラ(Lycra)TM(デラウェア州ウィルミントンのデュポン・コーポレーション(DuPont Corporation(Wilmington,Delaware))から入手可能)およびスパンデックス(Spandex)TM(カンサス州ウィチタのインビスタ社(Invista Inc.(Wichita,Kansas))から入手可能)がある。難燃性の特徴は、フェースシールが高温の溶融金属のスパークまたは液滴に接触する可能性がある溶接および研磨等の用途において重要である。難燃性ヤーンを、本質的に難燃性である材料から作製してもよく、または布に難燃性を与えるようにたとえば化学的に処理してもよい。本質的に難燃性の材料は、概して、耐洗濯性が優れている可能性があるため好ましい。難燃性ヤーンの例には、酸化され熱的に安定化されたポリアクリロニトリル(polycarylonitrile)、難燃性ポリエステル変性アクリル樹脂およびいくつかのナイロンが含まれてもよい。市販の製品には、カネカロン(Kanecaron)TMプロテックス(Protex)−M(日本国大阪の株式会社カネカから入手可能な本質的に難燃性繊維)、パノックス(Panox)TM(英国クレックヒートンのランター・ユニバーサル・カーボン・ファイバーズ(Lantor Universal Carbon Fibers(Cleckheaton,UK))から入手可能)、ノーメックス(Nomex)TM(デュポン・コーポレーション(DuPont Corporation)から入手可能)およびトレビラ(Trevira)TM(ドイツ国ボビンゲンのトレビラ社(Trevira GmbH(Bobingen,Germany))がある。コンフォートヤーンは、布を触ると柔らかい感触に仕上げるのを助け、それにより人の顔面に接触したときに布を快適なものにする。本発明のフェースシールで使用してもよいコンフォートヤーンの一例は木綿である。他の適当なコンフォートヤーンは、ポリエステル、アクリル樹脂、レーヨンおよびウールを含んでもよい。概して、布には、布の重量に基づいて、弾性ヤーン、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーンを、夫々約0〜20%、30〜100%および0〜70%使用してもよい。弾性ヤーン、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーンは、夫々約1〜10%、35〜70%および30〜60%で使用されることが好ましい。難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーンが結合される場合、それらは80〜99重量%で使用される。
【0035】
布はさらに、本質的にいかなる色であってもよく、ポリマ材料の木綿等の染色された天然ヤーンとともに、ポリエステル、変性アクリル樹脂、またはこれらの混合織または混紡等の染色されたポリマ材料から作製されることが可能である。厚さに関して、布は、1/50カウントのシングルヤーンの厚さを有してもよいが、たとえば約1/70〜1/10であってもよく、約1/60〜1/30カウントのヤーン(1/70は1/10より薄い)であることが好ましいが、他の厚さを適当に使用してもよい。布(折返しなしの組合せ、すなわち1編層)は、約0.3〜3mm厚さであってもよく、好ましくは0.7〜1.5mm厚さであってもよいが、フェースシールが適当な流体流を可能にするのであれば、それより大きいかまたは小さい厚さを使用してもよい。編みフェースシールを、1〜10ヤーンエンド、好ましくは1〜5ヤーンエンドから作製してもよい。ヤーンエンドの数は、合せて編まれるヤーン糸の数に関連する。編布を、約1gg〜20gg、より好ましくは12gg〜18ggあるように作製してもよい。「gg」という記号は、インチ毎のループの数に関する。16ggマシンでは、編み機に16針/インチある。重要なことは、フェースシールは着用が快適であるということと、それが、排気が内部気体空間から迅速に除去されるのを可能にするということと、である。
【0036】
編布は、およそ15%のライクラ(Lycra)TM等のエラスタンヤーンと、およそ85%の本質的に難燃性ヤーンであるノーテックス(Notex)TMヤーンと、を含んでもよい。エラスタンは、本質的に弾力のある編みノーテックス(Notex)TMに弾性を追加し、それにより、フェースシールにおけるさらなる弾性材料を不要にする。別法として、編み材料は、重量に基づき、およそ0〜20%の弾性ヤーンと、45〜55%のカネカロン(Kanecaron)TMヤーンと、およそ40〜60%の木綿ヤーンと、を含んでもよい。別法として、難燃性繊維およびコンフォート繊維を結合してもよく、または快適な難燃性ヤーンを使用して、快適な難燃性ヤーンを提供してもよい。たとえば、カネカロン(Kanecaron)TMヤーンを木綿糸と結合することにより難燃性/コンフォートヤーンを形成してもよい。難燃性と快適さとをともに提供するヤーンを「コームド(combed)難燃性/コンフォートヤーン」と呼ぶ。弾性ヤーンをかかる結合ヤーンと編むことにより、快適でありかつ難燃性である伸縮性のある弾性ヤーンを提供することができる。エラストマーは、たとえば変性アクリル樹脂、ラテックス、またはそれらの組合せであってもよい。かかる編み材料を使用して、快適な通気性のあるフェースシールを達成することができ、それにより空気が適当にヘルメットの呼吸ゾーンまたは内部気体空間を出ることも可能になる。
【0037】
また図1に示すように、編みフェースシール12は、第1ゾーン20および第2ゾーン22を有してもよく、それらゾーンは、第1浸透性の領域と第2浸透性の領域とを画定する。第1浸透性ゾーン20は、空気流に対する抵抗が高く(またはそれの前後の圧力降下が高く)てもよく、それにより、内部気体空間を出る空気は第2浸透性ゾーン22を通してより容易に流れる。通常、ゾーン20より浸透性の高いゾーン22の方が弾性ヤーンが多い。この段階状のまたは差異化された浸透性の特徴については、代理人整理番号第60020US002として本出願と同日に出願された、「差異化された浸透性を有する給気式ヘルメット(Supplied Air Helmet Having Differentiated Permeability)」と題する米国特許出願第10/987,512号明細書においてより完全に記述されている。差異化された浸透性の利点は、それによって流体を、バイザレンズ69(図5および図6)の内面を横切る流れに選択的に向けることができるということと、それにより、顔面の正面でありかつ着用者の下顎の下のかかる方向付けされた流れが、汚染物質の逆流が内部気体空間に入らないようにするのを助けるのを可能にすることができるということと、である。
【0038】
図3は、フェースシール12の側面図であり、フレーム部材16が角度αを画定するためにいかに構成されるかを示す。フレーム部材16は、額(まゆ)部21と下顎部23とを有し、それら部分21及び23は、90°未満、好ましくは約50〜80度の先端角αを画定する。かかる角度αを有するフレーム部材16を使用することにより、内部気体空間内に汚染物質が入らないようにする一方で優れたフィット性を達成することができる。
【0039】
図4は、封止部材18をフレーム部材16にいかに固定することができるかを示す。これを、たとえば編み封止部材18を位置24においてフレーム部材16に縫い付けることによって達成してもよい。弾性材のストリップ25を使用して、布をフレーム部材16に固定するのを助けてもよい。弾性材25を、封止部材18を通してフレーム部材16に縫い綴じるかまたは縫い付けてもよい。布は概して多孔性であるため、弾性材25は、フレーム部材に縫い付けられる場合、縫い綴じるヤーンが布を破らないようにする役割を果たす。さらに、編布18は、弾性特性を有することが好ましく、伸長または拡張状態でフレーム部材にあてがわれる。弾性固定材25を、フレーム部材16の固定中に封止部材材料と同時に伸長させてもよい。このように布18をフレーム部材16に固定することにより、布がその上にぴんと張られた状態で存在することができる。この予め伸長した状態またはぴんと張られた状態により、布は、着用者の顔面に、特に周辺内縁26の近くの領域において心地良く係合することができる。編地に弾性ヤーンを含めることにより、その実質的な部分を通して、特にフェースシールが着用者の顔面に接触する領域において布自体を弾性的に伸縮可能としてもよい。このため、従来技術において行われていたように、たとえばフェースシールの縁の周囲に弾性ストリップを含める必要がない。結び目と一体化した弾性ヤーンを使用することにより、フェースシールが着用者の顔面に接触する縁に沿って発生する可能性のある「しわ寄せ効果(ruffled effect)」がなくなる。本発明により、フレーム部材の上に編布を予め伸長した状態で配置してもよいが、それを100%伸長させる必要はない。通常、封止部材18は、その完全に伸長した状態の約30〜90%で取り付けられるため、さまざまなサイズの顔面に心地良く係合しまたは適合するようにさらに伸長させまたは拡張することができる。縫い付けることに加えて、編布を、リベット打ち、ねじ留め、接着接合等、他の機械的または物理的方法を使用してフレーム部材16に固定してもよい。
【0040】
図4はまた、内側周辺部26(図1も参照)を画定するために編み封止部材18がいかに折り返されるかも示す。その内側周辺部に沿って折返し端または縁26を使用することにより、本来存在する可能性のある粗いかまたはより顕著な縁を無くすかまたは低減することによって着用者の快適さをより向上させることができる。封止部材の周辺部が着用者の顔面に主に接触する折返しを有する編布は、着用者の顔面に接触したときに特に快適であることが分かった。折返し縁26を使用することにより、ほつれる可能性もさらに低減することができ、それもまた着用者の快適さのためになり得る。このように、折返し26により、封止部材18には、人の顔面に粗く接触する可能性のある自由縁または直線状の縁がなくなる。折返し26はさらに、封止部材18のための第1並置層28および第2並置層30をもたらす。層30は、フェースシールド10が着用されるときに着用者のフェースマスクと直接接触して存在する。この二層構造は、汚染物質が内部気体空間に入らないようにするために有益であり得る。
【0041】
図5は、フェースシール12をいかにバイザ14に固定することができるかを示す。フェースシール12のフレーム部材16は、第1側部38および第2側部40を有する。側部38および40は、夫々の第1バイザ側部42と第2バイザ側部44との間に押し込むことができるように内方にまたは互いに向かって押される。示したように、フレーム部材16を、手による圧力に応じて形状が変化するように、かつ圧力がなくなったときにもとの形状に向かって戻るように適合させることができる。このため、フレーム部材16は、より剛性なバイザ14内のその摩擦配置を可能にするように可撓性であるかまたは適合可能であってもよい。フレーム部材16は、夫々第1レセプタクル44および第2レセプタクル46を有し、それらは、側頭部60および62においてスペーサ要素48および50に接して存在するように適応される。レセプタクル44および46が位置60および62においてヒンジアセンブリに対して並置されるようにフレーム部材16がバイザ14内に配置されると、フレームアセンブリ16を、その正面部64がバイザ14の第3係合点またはシェルフ66と係合するまで左回りに回転させてもよい。フレーム部材16の正面部64がシェルフ66上で並置されると、それ以上の回転移動が防止され、フェースシール12は、フェースシールド14内に静止して保持され続ける。これら図面は、3つの摩擦係合点を示すが、本発明は、必要であるか望ましい場合、さらなる係合点(たとえば4、5、6またはそれより多い)を使用することを企図する。別法として、フェースシールフレームにプラスチックリベットの「上でカチッと止まる(click over)」穴を配置することにより、フレーム部材をバイザに固定してもよい。これらリベットを、フレームがバイザの適所でカチッと止まることが可能となるように、バイザまたはフレーム部材に永久的に配置してもよい。
【0042】
ヘルメットバイザに摩擦係合することができるフェースシールの一例は、代理人整理番号60021US002として本出願と同日に出願された、「摩擦係合する給気式ヘルメットフェースシール(Frictionally Engaged Supplied Air Helmet Face Seal)」と題する米国特許出願第10/988,789号明細書に詳細に述べられている。このフェースシールは、特に、追加の締結器具を使用することなく摩擦係合を使用してバイザに取り付けることができるという点で有益である。使用することができる可能性のあるフェースシールの別の例は、バーンズ(Burns)らに対する米国特許第6,016,805号明細書に示されている。
【0043】
ヘルメット10を被るために、着用者は、自身の頭蓋に冠部材68を配置し、バイザ14を、着用者の顔面の正面に直接存在するように下方に回転させる。そして、着用者は窓69を通して見ることができる。ヘルメットが溶接の目的で使用される場合、窓は、溶接工のトーチからの光に応じて即時暗くなる自動遮光レンズ(auto−darkening lens)(ADL)であってもよい(これについては、たとえば、ホーネル(Hornell)およびパーマー(Palmer)に対して発行された米国特許第6,097,451号明細書および同第5,825,441号明細書を参照されたい)。そして、着用者は、タブ70を引っ張り、封止部材18の下顎部72を自身の下顎の下に引き寄せる。封止部材18の周辺部26の残り部分は、着用者の額および頬領域に対してしっかりと近づく。このようにして、呼吸ゾーンまたは内部気体空間が形成され、着用者の顔面と、封止部材18と、フェースシールドまたはバイザ14と、によって画定される。示したように、編布は、空気が内部気体空間から除去され得るように完全に多孔性であってもよい。編布の概して多孔性の性質にも関わらず、一般に使用中に内部気体空間内に正圧が存在することにより、汚染物質が内部気体空間に入ることが妨げられる。動作時、清浄空気は、電動空気供給源から圧力下で内部気体空間に供給される。これらのタイプの装置の例は、米国特許第6,279,572B1号明細書、同6,250,299B1号明細書、同第6,014,971号明細書、同第5,125,402号明細書、同第4,965,887号明細書、同第4,462,399号明細書および同4,280,491号明細書に示されている。空気を内部気体空間内に向けるために給気システムに関連して使用してもよいブロワの例は、米国特許第6,575,165B1号明細書およびD449,099S号に示されている。呼吸ゾーン内への空気流が安全レベルより下になったときの指示を提供するために、給気式ヘルメットに流れセンサを使用してもよい。これについては、ペザーブリッジ(Petherbridge)に対する米国特許第6,615,828B1明細書を参照されたい。さらに、フィルタ素子の使用の記録を維持するためにフィルタ素子に不揮発性メモリデバイスを取り付けてもよい。これについては、ホーグ(Hogue)に対する米国特許第6,186,140B1号明細書を参照されたい。
【0044】
図6に示すように、空気を、電動空気供給源と流体連通するエアダクト74を介して内部気体空間内に通してもよい。ダクト74は、入口ポート75および出口ポート77を有する。空気をヘルメットの内部気体空間内に向けるために使用することができるエアダクトは、2004年4月7日に出願された「エアダクト(Air Duct)」と題する米国特許出願第29/202,969号明細書、今ではヒンド(Hind)らに対する米国特許第_号にさらに示されている。エアダクト74は、空気入口75および空気出口77を有し、冠部材68によって支持される。入口75は清浄空気源に接続され、出口77は封止部材18と着用者の額(図示せず)との間に配置される。示したように、空気流は、たとえば封止部材18(図1および図3)に存在する可能性のある孔を通して内部気体空間を出る。エアダクト74を、冠部材68の2つの場所に固定することができる。エアダクト74の後部を、打ち抜かれたプラスチック部品79によってヘッドハーネス68の後方から一定距離に保持することができる。冠部材68の周縁をそれがさまざまなサイズの頭部にフィットするように変更するために、調整つまみ67を設けてもよい。エアダクト74の正面を、額においてヘッドハーネス68の正面にステープル留めしてもよい。このように、エアダクト74は、使用時に移動または揺動しないようにされる。額において、エアダクト74は、フェースシール12とヘッドハーネス68との間を通過する。エラストマーフェースシール材により、フェースシールは、エアダクトの周囲に優れた封止を形成することができる。入口は清浄空気源に接続され、出口を、フェースシールとバイザとの間に配置してもよい。電動空気供給源を使用する場合、空気は、内部気体空間内に向けられる前に動力でまたは強制的にエアフィルタを通される。エアフィルタを、着用者のウエストの周囲に着用されるベルトに支持されるハウジングまたはカートリッジに収納してもよい。これについては、クック(Cook)らに対する米国特許第6,575,165号明細書を参照されたい。
【0045】
図7は、編み材料の細長いストリップ80を示し、このストリップ80は、複数の編み封止部材を形成するための一続きにブランクセグメント82を含む。各セグメント82は、分解可能部分84によって分離される。両セグメント82および84は、材料のストリップが連続して編まれた細長いシート80を形成するように、合せて編まれる。シート80は、通して一様の編地を有するが、弾性の程度が異なるゾーンを含むことが好ましい。ゾーン86および88は、夫々破線87の上方および破線89の下方に位置し、編地に弾性材料またはヤーンがほとんどないかまったくないことが好ましい。ゾーン90は、ゾーン86および88より比較的弾性材料が多い。可変の弾性のゾーンを有する編み材料を使用することは、図1および図2を参照して上述したように最終製品の構造に有益であり得る。布重量に基づいて、好ましくはゾーン86および88は約0〜5%、より好ましくは0〜1%の弾性ヤーンを含み、ゾーン90は、約2〜10%、より好ましくは約3〜7%の弾性ヤーンを含む。
【0046】
本発明による編みフェースシールを作成する際、編み材料80の細長いストリップを蒸気に曝してもよく、その蒸気により、間隔が空けられたゾーン84が分解する。これら分解可能部分84を、主に、スイスのエムス・ケミーAG(EMS−Chimie AG(Switzerland))から入手可能なグリロン(Grilon)TM等の水溶性のヤーンまたは「海草」を原料とするヤーンまたは人工ヤーンから作製してもよい。十分な量の蒸気に曝されると、水溶性ヤーンは分解し、細長いシート80は一続きのブランク82を形成する。
【0047】
図8は、成形されたブランク82のうちの1つを示す。図示するように、セグメント82は「ウエスト付き」である。このウエスト付きの効果は、中心ゾーン90の方がより弾性であるために発生する。図7のシート材料80が、セグメント82を分離するために蒸気に曝されると、弾性材料は湾曲する可能性があり、それにより、それは「束になり」セグメント82にウエストが形成される。
【0048】
図8からのウエスト付きセグメント82は、各々、図9に示す形状になるように切断される。各切断セグメントは、対向するタブ94および96を有する。これらタブは、縫い合わされることにより、管を生成する。そして、管の対向する端部97および99が互いに接合され、図4に関して上述したようなフェースシール10のフレーム部材16に縫い付けられる。このため、弾性ゾーン90は、封止部材18(図1および図3)の周辺端26に向かって存在する。このため、材料86および88のゾーンによって画定されるようなそれほど伸縮可能でないかまたは非弾性ゾーン20は、図3の材料24によって示すようなフェースシールの固定部分のより近くに位置することになる。部分86および88は、部分90より弾性材料を含まない可能性があるだけでなく、ゾーン20(図1および図3に示すような)がゾーン22より実質的に通気性が低いように、より目の詰ったまたは密集した編地を含んでもよい。このため、ゾーン22は、ゾーン20より多孔性または浸透性であり、より低い圧力降下を有する。したがって、ゾーン22は、給気式ヘルメットの内部気体空間から排出される空気に対する最も抵抗の低い経路を形成する。全体としてフェースシールの前後の圧力降下は、通常、約10〜200パスカルであり、より典型的には約20〜110パスカルである。高浸透性ゾーンは、約10〜100パスカルの圧力降下、より好ましくは約20〜70パスカルの圧力降下を有することが好ましい。低浸透性ゾーン20は、その前後に約90〜200パスカルの圧力降下、より好ましくは約120〜180パスカルの圧力降下を有することが好ましい。圧力降下を、一対の空圧チャックを使用して60mm径穴にわたってフェースシールを締付けすることによって測定することができる。圧力計は、85リットル/分の流量を使用してフェースシールの各側の圧力を測定する。
【0049】
フェースシールの材料を横切る空気流量は、通常、約5〜200cm3/s/cm2であり、より典型的には約20〜150cm3/s/cm2である。高浸透性ゾーン22は、85〜200cm3/s/cm2、より好ましくは約100〜150cm3/s/cm2の空気流量を有することが好ましい。低浸透性ゾーン20は、それを横切って約5〜80cm3/s/cm2、より好ましくは約20〜70cm3/s/cm2の空気流量を有することが好ましい。空気流量を、ASTM D737−96、「繊維製品の通気性の標準検査方法(Standard Test Method for Air Permeability of Textile Fabrics)」に記載されている検査方法を使用して測定することができる。
【0050】
着用者の顔面を横切る出口ポート77(図5)からの制御された空気の流れを達成することができる。ポート77(図6)から呼吸ゾーンに入る清浄空気は、おもにより多孔性のゾーン22(図1および図4)を通って内部気体空間から出る。内部気体空間内の圧力の方が高いため、汚染物質が給気式ヘルメットの呼吸ゾーンに入ることはより困難である。差異化された浸透性または区分空気流を有する封止部材を提供することにより、呼吸ゾーン内の空気の移動を管理することができる。加圧空気は、着用者の顔面または呼吸ゾーンに亙って掃引することができ、一方で汚染物質が内部気体空間内に不注意に流入するのを防止することができる。
【0051】
編みフェースシールを作製する代替方法では、ヤーンを長い中空円柱になるように編んでもよく、その後それを一続きのより短いループに切断することができる。そして、これら短くなったループの各々を折り重ねてフレーム部材に縫い付けることによりフェースシールを形成することができる。この方法を使用することにより、いかなる縫目も露出しないフェースシールを作製することが可能になり得る。縫目なしの構造は、着用者の快適さをさらに向上させることができる。フェースシールの多孔性を、編地の密度を変化させることにより、フェースシールループに追加の材料を付加することにより、かつプラスチックフレームに縫い付けられる材料の張力を制御することにより、制御してもよい。
【0052】
上述した電動空気システムに加えて、本発明を、人に清浄空気を供給する、通常圧力下での空気または酸素のタンクを有する自給式呼吸器(self−contained breathing apparatus)(SCBA)等の圧縮空気システムに関連して使用することも可能である。SCBAシステムの例は以下の特許に示されている。すなわち、米国特許第6,478,025号明細書、同第4,886,056号明細書、同第4,586,500号明細書および同第4,437,460号明細書である。本発明を解釈する目的で、圧縮空気システムは、給気システムであるとみなす。さらに、本発明の給気システムを、溶接ヘルメットまたは溶接環境に関連して使用するだけでなく、たとえば手術環境およびクリーンエアルームに対して適応されたヘルメットで使用してもよい。これについては、たとえば米国特許第4,901,716号明細書、同第4,055,173号明細書、同第4,019,508号明細書および同第3,955,570号明細書を参照されたい。
【0053】
以下の実施例は、本発明の特徴、利点および他の詳細をさらに説明するためにのみ選択した。しかしながら、実施例はこの目的に役立つが、使用される特定の成分および量、ならびに他の条件および詳細は、本発明の範囲を不当に限定するように解釈されるべきではない、ということが明確に理解される。
【実施例】
【0054】
実施例1
フェースシール封止部材を、所望の形状および構造を達成するように切断し縫い付けられた直線状の1×1リブ編みブランクから作製した。ブランクを、3つのヤーン、すなわち難燃性/コンフォート結合ヤーン、弾性ヤーンおよび水溶性ヤーンから作製した。難燃性/コンフォート結合ヤーンは、カネカロン(Kanecaron)TM繊維、プロテックス(Protex)−Mおよび木綿繊維を含んでいた。互いに対して、カネカロン(Kanecaron)TMを55重量%で使用し、木綿繊維を45重量%で使用した。弾性ヤーンは200デシテックスであり、夫々62重量%および38重量%でエラスタン、ライクラ(Lycra)TMおよびけん縮ナイロンを含んでいた。これら2つのヤーンは、編みブランクにおいて主な構造的要素として機能した。難燃性/木綿結合ヤーンおよび弾性ヤーンをともに青色に染色した。難燃性/コンフォートヤーンを同様にワックスがけした。ブランクにおける弾性ヤーンの含有量をブランクの長さに沿って変化させ、ブランクの中心でヤーンの量が最高であり、ブランクの頂部および底部において弾性ヤーンがなくなるまで低減させた。一続きのブランクを連続して製作することができるように、一列の水溶性ヤーン(スイスのエムス・ケミーAG(EMS−Chimie AG)(Switzerland)製のグリロン(Grilon)TM)を各ブランクの端部に編んだ。連続した布を、使用時に620針を有する16gg(16針/インチまたは6.3針/cm)パワーフラットマシン(power flat machine)で編んだ。蒸気処理が施されると、水溶性ヤーンが溶解して連続した1本の編地から個々のブランクが形成された。ブランクは、5つの段階状の領域を含んでいた。
【0055】
領域1は、余分なヤーンエンドを有するより堅い編地であり、清浄空気がヘッドトップから排出されるのを可能にするように設計された。それは、カネカロン(Kanecaron)TM/木綿ヤーンの3つのエンドと、24サイクルおよび48列を有していた。領域2は、排出領域1とフェースシール領域3との間の遷移領域であった。それは、1/50カウントヤーンの2つのエンドと、4列おきに1つ使用される、タックされた(tucked)ライクラ(Lycra)TMヤーンを含む48列と、を含んでいた。領域3は、顔面接触領域であり、皮膚に対して快適であるように設計された。領域3は、1/50カウントヤーンの2つのエンドを備え、11サイクルおよび88列を有し、2列おきに1つ、ライクラ(Lycra)TMヤーンがタックされた。領域4は、顔面接触領域と排出領域との間の遷移領域であり、領域2と同じ構造を有していた。領域5もまた排出領域であり、領域1と同じ構造を有していた。
【0056】
ブランクの中心の弾性ヤーンの割合が高いことにより、ブランクの中心の後に、縁としてテーパ加工されたかまたは「ウエスト付けされた」ブランクの側縁が続いた。本発明のフェースシールを形成するために、ブランク縁を、タイプ301ロックスティッチを使用して縫い合わせて円柱を形成した。そして、2つの開口端の縁を縫い合わせることができるように、円柱を折り重ね、タイプ514の4本針オーバーロックを追加した。また、これら縁を、プレス切断された1mm厚さの黒色ポリプロピレンプラスチックである支持プラスチックフレームに縫い付けた。編み材料を、3〜4縫い/cmである301ロックスティッチミシンを使用して固定した。最後に、編み材料に革製のタブを縫い付けた。
【0057】
本発明を、その精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変更態様および改変態様をとることができる。したがって、本発明は、上述したことに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの任意の等価物に示される限定事項によって制御されるものである、ということが理解されなければならない。
【0058】
本発明を、本明細書において特に開示しない任意の要素なしに適当に実施することができる、ということもまた理解されなければならない。
【0059】
背景技術におけるものを含む、上で引用したすべての特許および特許出願は、引用により開示内容がすべて本明細書に包含されたものとする。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明によるフェースシール12の背面斜視図である。
【図2a】本発明に関連して使用することができる編みパターンを示す。
【図2b】本発明に関連して使用することができる編みパターンを示す。
【図2c】本発明に関連して使用することができる編みパターンを示す。
【図2d】本発明に関連して使用することができる編みパターンを示す。
【図2e】平織の一例を示す。
【図3】図1に示すフェースシール12の左側面図である。
【図4】図1の線2−2に沿って取り出されたフェースシール12の断面図である。
【図5】バイザ14から外されたフェースシール12を示す、本発明による給気式ヘルメット10の背面斜視図である。
【図6】エアダクト74を有する給気式ヘルメット10の左側面図である。
【図7】一続きのブランク82を形成するように使用してもよい編布80の平面図であり、このブランク82を使用してフェースシール12(図1)の封止部材18(図1)を形成してもよい。
【図8】図6に示す編布80から作成される切片82の正面図である。
【図9】フェースシール12(図1)に対する封止部材18(図1)を形成するために使用してもよい形状を有する封止部材ブランク92の正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)バイザと、
(b)前記バイザに固定されたフェースシールであって、編布を含む封止部材を有し、前記編布が少なくとも一部の領域において多孔性であり、前記封止部材が着用者の顔面と接触する箇所に前記編布が配置される、フェースシールと、
を備える、給気式ヘルメット。
【請求項2】
前記編布が、前記封止部材の内側周辺部を画定する折曲げ線を有する、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項3】
前記編布が弾性ヤーンを含む、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項4】
前記弾性ヤーンが、前記布の約1〜10重量%で前記編地に存在する、請求項3に記載の給気式ヘルメット。
【請求項5】
前記編布が、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーンまたは難燃性/コンフォート結合ヤーンを含む、請求項3に記載の給気式ヘルメット。
【請求項6】
前記難燃性ヤーンまたは難燃性/コンフォート結合ヤーンが、前記布において約80〜99%で使用される、請求項5に記載の給気式ヘルメット。
【請求項7】
フェースシールがフレーム部材を備え、前記封止部材がそこから放射状に内側に延在する、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項8】
前記フレーム部材が、手による圧力に応じて形状を変化させ、かつその圧力がなくなると元の形状に戻るように適合される、請求項7に記載の給気式ヘルメット。
【請求項9】
前記フレーム部材が、バイザと一体的でなく、バイザから手で取り外すことができる、請求項7に記載の給気式ヘルメット。
【請求項10】
前記封止部材が、前記封止部材の内側周辺部を画定する折曲げ線を含む、請求項7に記載の給気式ヘルメット。
【請求項11】
前記編布が、前記折曲げ線の付近にエラストマーヤーンを含む、請求項10に記載の給気式ヘルメット。
【請求項12】
前記フェースシールが、流体不浸透性の薄い固体プラスチックから作製されるフレーム部材を含む、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項13】
前記プラスチックフレームが、約0.5〜1.5mm厚さでありかつプラスチックから作製される、請求項12に記載の給気式ヘルメット。
【請求項14】
前記フェースシールが、前記バイザと一体的なフレーム部材を含む、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項15】
本質的に前記編布全体が、本質的に多孔性である、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項16】
前記編布が、弾性ヤーン、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーン、または弾性ヤーンおよび難燃性/コンフォート結合ヤーンを含む、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項17】
前記弾性ヤーンが、前記封止部材の内側周辺縁に隣接してより多く含まれる、請求項16に記載の給気式ヘルメット。
【請求項18】
前記難燃性ヤーンが本質的に難燃性である、請求項16に記載の給気式ヘルメット。
【請求項19】
前記編布が12〜18ggである、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項20】
前記フレーム部材が、約50〜80°の角度αで互いから角度をなしている額部と下顎部とを有する、請求項12に記載の給気式ヘルメット。
【請求項21】
前記編布が弾性特性を有し、伸長した状態で前記フレーム部材に固定される、請求項12に記載の給気式ヘルメット。
【請求項22】
前記封止部材が、前記フェースシールの取付位置に、その完全伸長状態の約30〜90%で取り付けられる、請求項21に記載の給気式ヘルメット。
【請求項23】
前記編みフェースシールが、約20〜110パスカルの圧力降下を示す、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項24】
溶接ヘルメットである、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項1】
(a)バイザと、
(b)前記バイザに固定されたフェースシールであって、編布を含む封止部材を有し、前記編布が少なくとも一部の領域において多孔性であり、前記封止部材が着用者の顔面と接触する箇所に前記編布が配置される、フェースシールと、
を備える、給気式ヘルメット。
【請求項2】
前記編布が、前記封止部材の内側周辺部を画定する折曲げ線を有する、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項3】
前記編布が弾性ヤーンを含む、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項4】
前記弾性ヤーンが、前記布の約1〜10重量%で前記編地に存在する、請求項3に記載の給気式ヘルメット。
【請求項5】
前記編布が、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーンまたは難燃性/コンフォート結合ヤーンを含む、請求項3に記載の給気式ヘルメット。
【請求項6】
前記難燃性ヤーンまたは難燃性/コンフォート結合ヤーンが、前記布において約80〜99%で使用される、請求項5に記載の給気式ヘルメット。
【請求項7】
フェースシールがフレーム部材を備え、前記封止部材がそこから放射状に内側に延在する、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項8】
前記フレーム部材が、手による圧力に応じて形状を変化させ、かつその圧力がなくなると元の形状に戻るように適合される、請求項7に記載の給気式ヘルメット。
【請求項9】
前記フレーム部材が、バイザと一体的でなく、バイザから手で取り外すことができる、請求項7に記載の給気式ヘルメット。
【請求項10】
前記封止部材が、前記封止部材の内側周辺部を画定する折曲げ線を含む、請求項7に記載の給気式ヘルメット。
【請求項11】
前記編布が、前記折曲げ線の付近にエラストマーヤーンを含む、請求項10に記載の給気式ヘルメット。
【請求項12】
前記フェースシールが、流体不浸透性の薄い固体プラスチックから作製されるフレーム部材を含む、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項13】
前記プラスチックフレームが、約0.5〜1.5mm厚さでありかつプラスチックから作製される、請求項12に記載の給気式ヘルメット。
【請求項14】
前記フェースシールが、前記バイザと一体的なフレーム部材を含む、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項15】
本質的に前記編布全体が、本質的に多孔性である、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項16】
前記編布が、弾性ヤーン、難燃性ヤーンおよびコンフォートヤーン、または弾性ヤーンおよび難燃性/コンフォート結合ヤーンを含む、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項17】
前記弾性ヤーンが、前記封止部材の内側周辺縁に隣接してより多く含まれる、請求項16に記載の給気式ヘルメット。
【請求項18】
前記難燃性ヤーンが本質的に難燃性である、請求項16に記載の給気式ヘルメット。
【請求項19】
前記編布が12〜18ggである、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項20】
前記フレーム部材が、約50〜80°の角度αで互いから角度をなしている額部と下顎部とを有する、請求項12に記載の給気式ヘルメット。
【請求項21】
前記編布が弾性特性を有し、伸長した状態で前記フレーム部材に固定される、請求項12に記載の給気式ヘルメット。
【請求項22】
前記封止部材が、前記フェースシールの取付位置に、その完全伸長状態の約30〜90%で取り付けられる、請求項21に記載の給気式ヘルメット。
【請求項23】
前記編みフェースシールが、約20〜110パスカルの圧力降下を示す、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【請求項24】
溶接ヘルメットである、請求項1に記載の給気式ヘルメット。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2008−519652(P2008−519652A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541201(P2007−541201)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/037348
【国際公開番号】WO2006/055151
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/037348
【国際公開番号】WO2006/055151
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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