説明

編成物及び靴下

【課題】靴下やサポータ、手袋、肌着などの編成物において、充分な滑り止め効果が得られるようにする。
【解決手段】少なくとも一部に、ポリウレタンベア糸4がパイル糸3、地糸2と共に編み込まれた滑り止め性を有する編地を設け、編地の滑り止め面におけるポリウレタンベア糸4の、表面から平均突出長さを70μm以上とし、平均太さを70μm以上とする。ここで、滑り止め面はパイル糸3のループの形成された面と反対側の面とするのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は編成物及び靴下に関し、より詳細には、滑り止め性に優れた編成物及び靴下に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばスポーツ界においては、運動能力を最大限に発揮できるように、靴と足との間の滑りが生じない靴下が望まれている。また、医療・介護の分野においても、フローリング床や畳敷き部屋などで足を滑らせて転倒することのないように、滑らない靴下が望まれている。さらには、手袋やサポータなどにおいても、滑らないあるいはずり落ちないことが強く望まれている。
【0003】
そこで、例えば特許文献1では、足裏部分に対応する編地部分の一部を、他の編地部分よりも摩擦係数の大きい摩擦領域とすると共に、摩擦領域に隣接する編み地部分を他の編み地部分よりも伸縮率の小さい緩衝領域とした靴下が提案され、摩擦領域では、ポリウレタン繊維を芯糸材に巻装した摩擦糸を露出させて摩擦係数を大きくすることが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-249596号公報(特許請求の範囲,(0037)段落等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記提案技術で用いている摩擦糸は、20番(約295dtex)〜30番(約196dtex)の綿糸等の芯糸材にポリウレタン繊維を巻装したものである。したがって、滑り止め効果を奏するポリウレタン繊維は芯糸材よりも細くせざるを得ず、用途によっては充分な滑り止め効果が得られないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、靴下やサポータ、手袋、肌着などに用いた場合であっても、実使用上充分な滑り止め効果が得られる編成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、少なくとも一部に、ポリウレタンベア糸が編糸と共に編み込まれた滑り止め性を有する編地を有し、前記編地の滑り止め面におけるポリウレタンベア糸の、表面からの平均突出長さが70μm以上で、平均太さが70μm以上であることを特徴とする編成物が提供される。
【0008】
ここで、より高い滑り止め効果を得る観点からは、前記編地におけるポリウレタンベア糸の単位面積当たりの本数を80〜110本/cmとするのが好ましい。
【0009】
前記編地としてはパイル編み又は平編みで編成されているのが好ましい。
【0010】
前記編地が一方面側にループを形成したパイル編みの場合、前記滑り止め面をパイル糸のループの形成された面と反対側の面とするのが好ましい。
【0011】
また、前記編成物が、靴下、サポータ、手袋、肌着のいずれかであるのが好ましい。
【0012】
また本発明によれば、前記のいずれかに記載の編成物が靴下であって、足裏に対応する部分の少なくとも一部を、ポリウレタンベア糸が編糸と共に編み込まれた編地としたことを特徴とする靴下が提供される。
【0013】
また、前記編地が一方面側にループを形成したパイル編みである場合、足裏と接触する側をパイル糸のループの形成された面とし、外側を滑り止め面とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る編成物では、ポリウレタンベア糸を編糸と共に編み込んだ滑り止め性を有する編地を少なくとも一部に形成し、前記編地の滑り止め面におけるポリウレタンベア糸の、表面から平均突出長さ及び平均太さを所定値以上としたので、靴下やサポータ、手袋、肌着などに用いた場合であっても、充分な滑り止め効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る靴下の正面斜視図である。
【図2】本発明に係る靴下の背面斜視図である。
【図3】靴下の滑り止め部の概略断面図である。
【図4】丸編み機の概説図である。
【図5】図4の丸編み機の平面図である。
【図6】編糸を丸編み機に供給する概説図である。
【図7】実施例4及び比較例1の靴下を履いて、横方向に切り返し動作した際の力の経時変化を示す図である。
【図8】実施例4及び比較例1の靴下を履いて、前後方向に切り返し動作した際の力の経時変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る編成物及び靴下を図に基づいてさらに詳しく説明するが本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0017】
図1及び図2に、本発明に係る編成物の一つである靴下の一実施形態を示す。図1は靴下の正面斜視図であり、図2は靴下の背面斜視図である。これらの図に示す靴下1は、一方端を履き口12とされた脛部11と、脛部11の他方端側に設けられた足甲部13及び足裏部14と、脛部11と足裏部14との間に形成された踵部15と、足甲部13及び足裏部14の先に設けられた爪先部16とが連続編成されてなる。爪先部16は、親指用の指袋16aとそれ以外指用の指袋16bの2つの指袋を有する。もちろん、5本の指ごとに指袋を形成しても構わないし、1つ指袋で5本の指のすべてを収納するようにしても構わない。ただし、靴下の回転等のズレを抑制する観点からは、2つ以上の指袋を設けるのが好ましい。
【0018】
足甲部13と足裏部14との境界部及び足裏部14と踵部15との境界部に帯状の低伸縮部17が形成されている。そして、帯状の低伸縮部17は足甲部13の中央部において交差するように形成され、踵部15の上部で脛部11を半周するようにして接続している。低伸縮部17は周りの編地よりも伸縮率が低く、低伸縮部17をこのように形成することによって、足甲部13が締まって足底が伸びやすくなり爪先が上がり易くなって歩行が楽になる効果を奏する。また、後述する滑り止め部18と相俟って運動能力を最大限に発揮できるようになる。
【0019】
図2に示すように、足底部14には、ポリウレタンベア糸が編糸と共に編み込まれた滑り止め部18が略全面にわたって形成されている。滑り止め部18の編み方に特に限定はないが、ポリウレタンベア糸の滑り止め効果を充分に発揮させる観点からはパイル編み又は平編みが好ましく、ポリウレタンベア糸の突出長さを長くできるパイル編みがより好ましい。図3にパイル編みした場合の概略縦断面図を示す。
【0020】
図3では上方が靴下の内側で、下方が靴下の外側である。地糸2の間に、パイル糸3が上方に向かって、すなわち靴下の内側に向かってループを形成するように編成されている。また、ポリウレタンベア糸4も靴下の内側に向かってループを形成すると共に、靴下の外側にもループを形成するように編成されている。靴下の内側に向かってパイル糸3及びポリウレタンベア糸4のループが形成されることによって、クッション性が向上すると同時に足と靴下との接触面積が増加し、足と靴下との間の摩擦抵抗が大きくなって靴下のズレが抑制されるようになる。加えて、保温効果も得られるようになる。
【0021】
また、靴下の外側にポリウレタンベア糸4が突出することによって、靴や床面などとの滑りが格段に抑制されるようになる。ここで重要なことは、ポリウレタンカバーリング糸ではなく、ポリウレタンベア糸を用いることと、滑り止め部18の滑り止め面(図2の靴下では滑り止め部の外側面)における、ポリウレタンベア糸4の表面から平均突出長さが70μm以上で、平均太さが70μm以上であることにある。ポリウレタンベア糸4を用い且つその平均突出長さ及び太さを上記範囲とすることによって、靴下の滑り止め性が格段に向上するからである。ポリウレタンベア糸4の表面からのより好ましい平均突出長さは1200μm以上であり、より好ましい平均太さは90μm以上である。なお、ポリウレタンベア糸4の表面からの突出状態は、ループ状の他、ループをカットしたカットパイル状であっても構わない。
【0022】
ポリウレタンベア糸4の太さは、使用するポリウレタンベア糸4の太さによって定まり、ポリウレタンベア糸4の突出長さは、ポリウレタンベア糸4の弾性、一緒に編み込む編糸の種類・太さ、後述する製造方法等によって制御することができる。
【0023】
パイル糸3としては従来公知のものが使用でき、例えば、綿、ウール、シルク、麻などの天然繊維;レーヨン、キュプラ、ポリノジックなどの再生セルロース繊維;リヨセル、アクリレート系などの指定外繊維;アセテート、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維及びこれらの混紡糸などが使用できる。
【0024】
地糸2としては従来公知のものが使用でき、例えば、ナイロンゴム糸などが使用できる。
【0025】
次に、本発明に係る編成物の製造方法について説明する。ポリウレタンベア糸は高い弾性率及び摩擦抵抗を有することから、他の編糸と共に編み込むことが難しく、従来はナイロンフィラメント糸やウーリーナイロン糸などでポリウレタンベア糸をカバーリングしたカバーリングヤーンが用いられていた。しかし、カバーリングヤーンでは、ポリウレタン糸が有する滑り止め効果を十分に発揮させることができない。そこで、本発明者等は種々検討を重ねた結果、次のようにして製造することによってポリウレタンベア糸を他の編糸と共に編み込むができることを見出した。以下、図3に示したパイル編みした滑り止め部18を有する靴下の場合を例に説明する。
【0026】
図4及び図5に、丸編み機の編成機構部例を示す部分斜視図及び平面図を示す。丸編み機には、円周状に等間隔で配置された複数のシンガー6と、各シンガー6間に配置された編み針7とが、円筒状の釜部材5にスライド可能に支持されている。図4において、シンガー6は半径方向に往復スライドし、編み針7は紙面垂直方向に往復スライドする。この編成機構部に糸が供給され、シンガー6の半径方向往復スライドと、編み針7の上下方向往復スライドとの組み合わせによって編地の編成が行われる。
【0027】
具体的には、釜部材5の上面近傍にリング状金具のはキャップ(不図示)が配置されており、このキャップの裏面に略円環溝状のシンガー道(不図示)が形成されている。また、釜部材5の側面近傍には、上げカムおよび下げカムを含むカム機構(不図示)が配置されている。釜部材5は不図示の駆動機構により回動するが、上記キャップ及びカム機構は回転しない。
【0028】
一方、シンガー6の半径方向外方端部に形成されたバット61が上記キャップ裏面のシンガー道内に位置し、編み針7の下端部に形成されたバット71が釜部材5の側面から外部に露出して上記カム機構と係合する。これにより、不図示の駆動機構によって釜部材5が回転すると、各シンガー6はシンガー道に案内され、また各編み針7はカム機構に案内されて、それぞれ往復スライドする。
【0029】
このような丸編み機によって靴下1は履き口12から爪先部16に向かって筒状に編成され、踵部15及び爪先部16は丸編み機の往復回転機能によって編成される。そして、爪先部16と足甲部13との間がリンキング又はロッソなどによって縫製される。
【0030】
足裏部14の滑り止め部18は、次のようにしてパイル編みされる。すなわち、図6に示すように、ポリウレタンベア糸4と、パイル糸3と、地糸2とが各ロールから編成機構部にそれぞれ供給される。より詳細には、ポリウレタンベア糸4は、パイル糸3が巻回されたロールの筒状芯材31内を通って外周にパイル糸3が巻き付いた状態で糸道8に送られ、シンガー6の第2受け部63に供給される。このとき、ポリウレタンベア糸4に設定された意図的な張力はかかっていない。一方、地糸2はロールから糸道8を介してシンガー6の第1受け部62に供給される。
【0031】
そして、上下動する編み針7がポリウレタンベア糸4・パイル糸3および地糸2をかぎ取って、シンガー6が半径方向外方にスライドすることによって、ポリウレタンベア糸4・パイル糸3がループ形状となる。なお、パイル編みのループ径は、第1受け部62と第2受け部63との間の距離によって決まる。
【0032】
また、ポリウレタンベア糸4は弾性を有することから、図3に示したように、パイル糸3と同様にループを形成するものの、パイル糸3よりもループ径は小さくなる。また同時に、ポリウレタンベア糸4は、ループが形成された面と反対側の面にも不規則なループを形成する。本発明の編成物は、パイル糸3のループが形成された面と反対側の面に形成された、このようなポリウレタンベア糸4のループを滑り止めに積極的に活用するものである。
【0033】
以上、本発明の編成物について靴下を例として説明してきたが、本発明の編成物は、靴下の他、滑り止めを必要とする編成物に適用することができ、例えばサポータや手袋、肌着に好適に適用できる。
【実施例】
【0034】
(実施例1)
図4に示した丸編み機を用いて図1〜図3に示す滑り止め部分がパイル編みの靴下を作製した。用いた編糸は下記の通りである。作製した靴下の滑り止め部におけるポリウレタンベア糸の表面からの平均突出長さ、平均太さ及び単位面積当たりの本数を下記方法によって測定した。測定結果を表1に示す。また、作製した靴下の滑り止め効果を下記方法によって測定した。測定結果を表1に合わせて示す。
(滑り止め部)
パイル糸:綿・ポリエステル混紡糸(繊度193dtex)
地糸 :ポリエステルカバーウレタン糸(繊度117dtex)+ナイロン糸(繊度155dtex)
ポリウレタンベア糸:繊度156.0dtex
(低伸縮部)
地糸:綿・ポリエステル混紡糸(繊度193dtex)
ポリウレタンベア糸:繊度156.0dtex
【0035】
(ポリウレタンベア糸の表面からの平均突出長さ及び平均太さの測定)
靴下の滑り止め部を5cm×5cmの大きさに切り取り、切り取った編地片を張力をかけず、且つ凹凸が生じないように両面テープで平板に貼り付ける。「マイクロスコープVHX-1000/VH-Z20R」(キーエンス社製)のステージに、編地片を貼り付けた平板を設置し拡大倍率を50倍に設定して、ポリウレタンベア糸の太さを測定する。
また、適切な焦点距離よりも平板側にレンズを近づけ、クイック合成&3D機能を用いて、深度合成した立体画像を得る。次いで、計測画面から深度合成画像でプロファイル計測を行う。ここで、編地片の地糸からなる底面位置を画像に従って線引きし、そして次に画像からポリウレタンベア糸の高さを線引きして、その差をポリウレタンベア糸の表面からの平均突出長さとする。
【0036】
(ポリウレタンベア糸の単位面積当たりの本数測定)
靴下の滑り止め部を5cm×5cmの大きさに切り取り、切り取った編地片を張力をかけず、且つ凹凸が生じないように両面テープで平板に貼り付ける。「マイクロスコープVHX-1000/VH-Z20R」(キーエンス社製)のステージに、編地片を貼り付けた平板を設置し拡大倍率を50倍に設定する。
そして、1cm×1cm当たりのポリウレタンベア糸の本数を目視により測定し、この操作を20区画について行ってその平均値をポリウレタンベア糸の単位面積当たりの本数とした。
【0037】
(靴下の滑り止め静的試験)
作製した靴下を被験者10名に履かせて、角度が可変の斜面に立たせ、傾斜角度を15°〜25°まで段階的に変化させて各傾斜角度において滑り落ちた人数を数えた。
【0038】
(実施例2)
繊度235.0dtexのポリウレタンベア糸を用いた以外は実施例1と同様にして靴下を作製した。そして、実施例1と同様にして、作製した靴下の滑り止め部におけるポリウレタンベア糸の表面からの平均突出長さ、平均太さ、単位面積当たりの本数及び作製した靴下の滑り止め効果を測定した。測定結果を表1に示す。
【0039】
(実施例3)
滑り止め部分を平編みとし、繊度117.0dtexのポリウレタンベア糸を用いた以外は実施例1と同様にして靴下を作製した。そして、実施例1と同様にして、作製した靴下の滑り止め部におけるポリウレタンベア糸の表面からの平均突出長さ、平均太さ、単位面積当たりの本数及び作製した靴下の滑り止め効果を測定した。測定結果を表1に示す。
【0040】
(実施例4)
滑り止め部分を平編みとした以外は実施例1と同様にして靴下を作製した。そして、実施例1と同様にして、作製した靴下の滑り止め部におけるポリウレタンベア糸の表面からの平均突出長さ、平均太さ、単位面積当たりの本数及び作製した靴下の滑り止め効果を測定した。測定結果を表1に示す。また、靴下の滑り止め動的試験を下記方法によって行った。測定結果を図7及び図8に示す。
【0041】
(靴下の滑り止め動的試験)
作製した靴下を被験者に履かせ、起立した状態から側方へジャンプさせた後、直ちに元の位置に切り返しさせて、側方にジャンプしてから元の位置に戻るまでの力の経時変化をフォースプレートで測定した。同様にして、前方へ移動させた後、直ちに元の位置に移動させ、前方に移動してから元の位置に戻るまでの力の経時変化を測定した。
【0042】
(実施例5)
滑り止め部分を平編みとし、繊度235.0dtexのポリウレタンベア糸を用いた以外は実施例1と同様にして靴下を作製した。そして、実施例1と同様にして、作製した靴下の滑り止め部におけるポリウレタンベア糸の表面からの平均突出長さ、平均太さ、単位面積当たりの本数及び作製した靴下の滑り止め効果を測定した。測定結果を表1に示す。
【0043】
(比較例1)
ポリウレタンベア糸を用いない以外は実施例1と同様にして靴下を作製した。そして、実施例1と同様にして、作製した靴下の滑り止め部におけるポリウレタンベア糸の表面からの平均突出長さ、平均太さ、単位面積当たりの本数及び作製した靴下の滑り止め効果を測定した。測定結果を表1に示す。また、靴下の滑り止め動的試験を前記方法によって行った。測定結果を図7及び図8に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
表1から明らかなように、ポリウレタンベア糸の平均突出長さ及び平均太さが所定値以上である実施例1〜5の靴下は、ポリウレタンベア糸を編み込んでいない比較例1の靴下に比べて、傾斜面に対して滑りにくかった。特に、ポリウレタンベア糸の平均突出長さが最も長く且つ最も太い実施例2の靴下が傾斜面に対して最も滑りにくかった。
【0046】
また、図7及び図8の靴下の滑り止め動的試験結果から、ポリウレタンベア糸が編み込んだ実施例4の靴下では、比較例1の靴下に比べて、横方向及び前後方向の移動共に、切り返しの力(衝撃力)が高く、短い接地時間で切り返し動作が行えた。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る編成物は、ポリウレタンベア糸を編糸と共に編み込んだ滑り止め性を有する編地を少なくとも一部に形成し、前記編地の滑り止め面におけるポリウレタンベア糸の、表面から平均突出長さ及び平均太さを所定値以上としたので、靴下やサポータ、手袋、肌着などに用いた場合であっても、充分な滑り止め効果が得られ有用である。
【符号の説明】
【0048】
2 地糸
3 パイル糸
4 ポリウレタンベア糸
18 滑り止め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に、ポリウレタンベア糸が編糸と共に編み込まれた滑り止め性を有する編地を有し、
前記編地の滑り止め面におけるポリウレタンベア糸の、表面からの平均突出長さが70μm以上で、平均太さが70μm以上であることを特徴とする編成物。
【請求項2】
前記編地におけるポリウレタンベア糸の単位面積当たりの本数が80〜110本/cmであることを特徴とする編成物。
【請求項3】
前記編地がパイル編み又は平編みで編成されている請求項1又は2記載の編成物。
【請求項4】
前記編地が一方面側にループを形成したパイル編みであり、前記滑り止め面がパイル糸のループの形成された面と反対側の面である請求項1〜3のいずれかに記載の編成物。
【請求項5】
前記編成物が、靴下、サポータ、手袋、肌着のいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の編成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の編成物が靴下であって、足裏に対応する部分の少なくとも一部を、ポリウレタンベア糸が編糸と共に編み込まれた編地としたことを特徴とする靴下。
【請求項7】
前記編地が一方面側にループを形成したパイル編みであり、足裏と接触する側をパイル糸のループの形成された面とし、外側を滑り止め面とした請求項6記載の靴下。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−14865(P2013−14865A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149861(P2011−149861)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(399046924)西垣靴下株式会社 (1)
【出願人】(502179282)東レ・オペロンテックス株式会社 (100)
【Fターム(参考)】