緩み防止用バックル、緩み防止用バックルを用いた巻き締め具およびそれを用いた荷崩れ防止装置
【課題】 この発明は、荷物の移動や若干の変形があった場合にも締め付け力の低下を防ぐことにある。
【解決手段】 この発明は、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53と、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢する圧縮コイルバネ56と、を備えたバックル50からなり、アーム51の先端部に第1のベルト42の一端部が係合され、バー52に第2のベルト41の一端部が係合され、第1のベルト41の他端部にカムバックル16が装着され、第2のベルト42の他端部が前記カムバックル16に挿入される
【解決手段】 この発明は、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53と、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢する圧縮コイルバネ56と、を備えたバックル50からなり、アーム51の先端部に第1のベルト42の一端部が係合され、バー52に第2のベルト41の一端部が係合され、第1のベルト41の他端部にカムバックル16が装着され、第2のベルト42の他端部が前記カムバックル16に挿入される
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、緩み防止用バックルに係り、段ボール等に各種部品、商品等を内包させた荷物自体を固定するか或いはパレット上に荷物を、ベルトを用いて固定保持して搬送する際に、ベルトの緩みを防止するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から各種物品、商品等を収めた多くの段ボール箱等を輸送する場合には、これらをパレット上に複数段にして積み上げた荷姿にし、積み上げた状態のままその周囲をストレッチフィルムで幾重にも巻き、PP(ポリプロピレン)バンドでパレットと荷物の一体化を図り、輸送時に荷崩れを生じないようにしている。
【0003】
上記の方法では、ストレッチフィルムやPPバンドの装着や取り外しの際に、作業者は積載された荷物の周りを何度も周回せねばならず、手間がかかり煩わしく、且つ時間を要していた。
【0004】
さらに、取り外したストレッチフィルムやPPバンドは再度利用できないため廃棄処分され、経費と資源の無駄となっている。
【0005】
そこで、産業廃棄物の削減や資源の有効活用面からもストレッチフィルムやPPバンドに変わる荷崩れ防止ベルトが種々提案されている。
【0006】
荷崩れ防止ベルトは、ベルトを荷物に巻き付け、ベルトを締め付けて荷物を固定している。この荷崩れ防止ベルトとしては、ベルト部材の一端部にリング状の係止部材を設け、他端部側に面ファスナー部材を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この荷崩れ防止ベルトは、ベルト部材を荷物の周囲に巻回させ、巻回後、ベルト部材の他端部をベルト部材の一端部側に設けられた係止部材に挿通させる。挿通後、係止部材を支点に折り返して、牽引し、荷物に締め付け力が加わった状態で、面ファスナー相互を貼り付け固定することにより、荷物を固定、結束するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−153412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ベルトを係止部材に挿通後、係止部材を支点に折り返して、牽引し、荷物に締め付け力が加わった状態で、面ファスナー相互を貼り付け固定するが、搬送中に、荷物の移動や若干の変形があると、締め付け力が低下し、荷崩れを起こしてしまう等の問題があった。
【0009】
この発明の目的は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものにして、荷物の移動や若干の変形があった場合にも締め付け力の低下を防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の緩み防止用バックルは、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記アームの先端部に第1のベルトが係合され、前記バーに第2のベルトが係合され、前記付勢バネによりベルト間の緩みを防止することを特徴とする。
【0011】
また、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンが設けられ、前記ピンの突出量により前記バーに付勢する付勢力を調整するように構成すればよい。ことを特徴とする請求項1に記載の緩み防止用バックル。
【0012】
また、この発明の緩み防止用バックルを用いた巻き締め具は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記アームの先端部に第1のベルトの一端部が係合され、前記バーに第2のベルトの一端部が係合され、前記第1または第2のベルトの他端部にカムバックルが装着され、第2または第1のベルトの他端部が前記カムバックルに挿入されることを特徴とする。
【0013】
また、この発明の荷崩れ防止用装置は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具を有し、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、を備え、前記弾性手段は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンとを備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段を更に備えるように構成すればよい。
【0015】
また、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に少なくとも前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、すくなくとも前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されるように構成することができる。
【0016】
この発明の荷崩れ防止用装置は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具を有し、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、
前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、を備え、前記弾性手段は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンとを備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明は、弾性部材により、ベルトに常に張力が与えられているので、運搬時に起こりやすいベルトの緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れが抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定した状態を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを示す平面図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを示す側面図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いた荷崩れ防止装置により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する基本構成を示す斜視図である。
【図6】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図7】この発明の第2の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図である。
【図8】この発明の第2の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図である。
【図9】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する構成を示す斜視図である。
【図10】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図11】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図12】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図13】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図14】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための側面図である。
【図15】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための斜視図である。
【図16】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための斜視図である。
【図17】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための側面図である。
【図18】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図19】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図20】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図21】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図22】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図23】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図24】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための模式図である。
【図25】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための模式図である。
【図26】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である
【図27】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図28】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図29】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図30】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図31】この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図32】この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図33】この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図34】この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図35】この発明の第6の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図36】この発明の第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図37】この発明の第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図38】この発明の第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図39】この発明の第8の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図40】この発明の第9の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図41】この発明の第9の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図42】この発明の第9の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図43】この発明の第10の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図44】この発明の第10の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図45】この発明の第11の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図である。
【図46】この発明の第11の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す側面図である。
【図47】この発明の第11の実施形態にかかるバックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0020】
図1は、この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定した状態を示す斜視図、図2は、この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図、図3は、この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを示す平面図、図4は、この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを示す側面図である。
【0021】
図1に示すように、この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具は、荷崩れ防止用ベルト4に緩み防止用バックル50とカムバックル16が取り付けられている。この荷崩れ防止用ベルト4は、ベルト41、42からなり、ベルト41の一端には、カムバックル16が取り付けられている。そして、ベルト41の他端には、緩み防止用バックル50の一端が取り付けられている。また、緩み防止用バックル50の他端にはベルト42が取り付けられている。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト41、42は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0022】
この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックル50を用いた巻き締め具は、パレット2上に載置された複数の段ボール等の荷物3の外周面上に荷崩れ防止用ベルト4を這い回し、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたカムバックル16を用いて巻き締めて固定する。
【0023】
すなわち、パレット2上に荷崩れ防止用ベルト4を置き、その上に、荷物3を複数段にして積み上げた荷姿にし、その最上部の荷物3上に緩み防止用バックル50が位置するよう設置して、荷崩れ防止用ベルト4を荷物3の外周面に這い回す。そして、荷崩れ防止用ベルト4の一端に取り付けられたカムバックル16にベルト4の他端を挿入して、ベルト4を引っ張り巻き締め、荷物3に所定の締め付け力で固定し、荷崩れを防止するものである。
【0024】
パレット2と荷物3とを一体で固定する場合には、パレット2の窓部21を通して荷崩れ防止用ベルト4を這い回し、カムバックル16に挿入して巻き締め、パレット2上に荷物3を固定する。
【0025】
この実施形態の緩み防止用バックル50は、所定の締め付け力で固定した後、荷物3に対して、ベルトの緩みを防止するための弾性部材を有している。更に、荷物に対する所定の締め付け力を与えるためのインジケータ用のピンを有している。緩み防止用バックル50とベルト4とにつき図2ないし図4に従い更に説明する。
【0026】
図3及び図4に示すように、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50は、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。バー52とエンドバー53の間には圧縮コイルバネ56が嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0027】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53aにインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに圧縮コイルバネ56がバー52に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー52に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー52に対する付勢力は小さくなる。
【0028】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー52がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン54と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0029】
図2に示すように、ピン54とバー52と圧縮コイルバネ56を備えたバックル50を荷崩れ防止用ベルト4に取り付ける。バックル50は、ベルト41とベルト42との間に取り付ける。ベルト41の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部411が設けられる。このループ状の係合部411内にはバー52が収容されている。また、ベルト41の他方にはカムバックル16が取り付けられている。ベルト4を引っ張り、バー52がピン54に当接すると、ベルト4に付加される張力が、この実施形態では、13kgとなっている。
【0030】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられる。そして、枠体16aに、ベルト41が取り付けられる。カムバックル16は、枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0031】
また、ベルト42の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部422が設けられる。このループ状の係合部422内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト41とベルト42との間にバックル50が装着される。
【0032】
上述したように、荷物3を固定する際に、荷崩れ防止用ベルト4を作業者が引っ張ると、ベルト41とベルト42にも力が加わり、ベルト41とベルト42間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止用ベルト4にはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0033】
そして、圧縮コイルバネ56によるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、荷崩れ防止用ベルト4に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れが抑制できる。
【0034】
次に,この発明の第2の実施形態につき、図5ないし図8を参照して説明する。図5は、この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用巻き締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する基本構成を示す斜視図、図6は、この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図、図7及び図8は、この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図である。
【0035】
この第2の実施形態の荷崩れ防止装置は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3をパレット2に固定しつつ、荷崩れを防止する機能を有する。図5に示すように、この荷崩れ防止装置は、パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3を挟み固定するものである。このため、パレット2上に荷物3を複数段にして積み上げた荷姿にし、その最上部の荷物3上に押さえ板1を載置する。この押さえ板1の上部には、この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10が設けられており、荷崩れ防止用締め具10に荷崩れ防止用ベルト4の一端を係合させる。この荷崩れ防止用ベルト4で荷物3を巻回するために、パレット2の窓部21を通して荷崩れ防止用ベルト4を対向する荷崩れ防止用締め具10に取り付けられたカムバックル16に挿入して巻き締め、パレット2と押さえ板1で荷物3を挟み込む。そして、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10により、荷物3に所定の締め付け力で固定し、荷崩れを防止するものである。
【0036】
図5及び図6に示すように、この第2の実施形態においては、押さえ板1の上部に荷崩れ防止用ベルト4が係合される荷崩れ防止用締め具10が設けられている。この押さえ板1は、プラスチックなどの樹脂成型品で構成され、押さえ板1の2箇所に荷崩れ防止用締め具10を設けるために壁部10a、10bが押さえ板1と一体に形成されている。これら荷崩れ防止用締め具10は、パレット2のフォークリフトのフォークが差し込まれる窓21上に位置する押さえ板1の箇所にそれぞれ設けられている。
【0037】
図6においては、荷崩れ防止用締め具10の構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10が設けられている部分を抜き出して記載している。
【0038】
図5、図6に示すように、荷崩れ防止用締め具10は、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50は、第1のベルト131、第2のベルト132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、を備える。バックル50は、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。バー52とエンドバー53の間には圧縮コイルバネ56が嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0039】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53aにインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに圧縮コイルバネ56がバー52に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー52に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー52に対する付勢力は小さくなる。
【0040】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー52がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン54と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0041】
荷崩れ防止用締め具10は、図5及び図6に示すように、ベルト131、132を内部に収容するための蓋部13aが設けられている。この蓋部13aは、本体部18から立ち上がった壁部に取り付けられ、壁部と蓋部13aとの間の空間にベルト131,132がそれぞれ収容される。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト131、132は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0042】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。さらに、締め付け用バックル50には、ベルト131が装着されている。
【0043】
ピン54とバー52と圧縮コイルバネ56を備えたバックル50を、ベルト131、132との間に取り付ける。ベルト131の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1311が設けられる。このループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト131の他方にはカムバックル16が取り付けられている。
【0044】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられる。そして、枠体16aに、ベルト41が取り付けられる。カムバックル16は、枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0045】
また、ベルト132の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1322が設けられる。このループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着される。
【0046】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0047】
この実施形態においては、バックル50のバー52がピン54に当接したときに、13kgの締め付け力が荷物3に加わるようにそのバネ力が設定されている。このため、作業者がカムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、バックル50のバー52がピン52に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略13kgの締め付け力が得られる。
【0048】
荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係止フック14と係合させ、カムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、作業者がベルト4を引っ張ると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、図7の状態から図8に示すように、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルト4にはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0049】
そして、圧縮コイルバネ56によるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0050】
次に、この発明の第2の実施形態の荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う方法につき、図面を参照にして説明する。
【0051】
図5に示すように、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0052】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。荷崩れ防止用締め具10のカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0053】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、図7の状態から図8に示すように、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルト4にはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10のベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0054】
荷崩れ防止用ベルト4を外すときには、カムバックル16のロックレバー16bを解放方向に押す。このロックレバー16bの解除により、荷崩れ防止用ベルト4がバックル16から外れる。
【0055】
その後、荷崩れ防止用ベルト4を取り外して、荷崩れ防止用ベルト4をまとめて保管する。
【0056】
この実施形態は、図5に示すように、押さえ板1にベルト収容部100を設けている。このベルト収容部100の蓋を開け、その中に纏めた荷崩れ防止用ベルト4を収容する。このように、押さえ板1に使用する荷崩れ防止用ベルト4を保管するベルト収容部100を設けることで、非使用時の荷崩れ防止用ベルト4の紛失等をなくすことができる。
【0057】
尚、上記実施形態では、ベルト131にカムバックル16、ベルト132にフック14を取り付けているが、ベルト131にフック14、ベルト132にカムバックル16を取り付けても良い。
【0058】
図9は、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する構成を示す斜視図、図10は、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【0059】
この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止装置も第2の実施形態と同様に、パレット2上に載置された段ボールの荷物3をパレット2に固定しつつ、荷崩れを防止する機能を有する。図9に示すように、この荷崩れ防止装置は、パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3を挟み固定するものである。このため、パレット2上に荷物3を複数段にして積み上げた荷姿にし、その最上部の荷物3上に押さえ板1を載置する。この押さえ板1の上部には、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10が設けられており、荷崩れ防止用締め具10に荷崩れ防止用ベルト4の一端を係合させる。この荷崩れ防止用ベルト4で荷物3を巻回するために、パレット2の窓部21を通して荷崩れ防止用ベルト4を対向する荷崩れ防止用締め具10に取り付けられたカムバックル16に挿入して巻き締め、パレット2と押さえ板1で荷物3を挟み込む。更に、締め付け用バックル11により、締め付け力を付加し、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10により、荷物3に所定の締め付け力で固定し、荷崩れを防止するものである。
【0060】
図9及び図10に示すように、この第3の実施形態においては、押さえ板1の上部に荷崩れ防止用ベルト4が係合される荷崩れ防止用締め具10が設けられている。この押さえ板1は、プラスチックなどの樹脂成型品で構成され、押さえ板1の2箇所に荷崩れ防止用締め具10を設けるために壁部10a、10bが押さえ板1と一体に形成されている。これら荷崩れ防止用締め具10は、パレット2のフォークリフトのフォークが差し込まれる窓21上に位置する押さえ板1の箇所にそれぞれ設けられている。
【0061】
図10においては、荷崩れ防止用締め具10の構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10が設けられている部分を抜き出して記載している。また、
【0062】
図10に示すように、荷崩れ防止用締め具10は、締め付け用バックル11、第1のベルト12、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、第2のベルト131、132に設けられた張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0063】
荷崩れ防止用締め具10は、図9に示すように、ベルト12及びベルト131、132、バックル50を内部に収容するための蓋部13aが設けられている。この蓋部1213aは、本体部18から立ち上がった壁部10a、10bに取り付けられ、壁部10a、10bと蓋部13aとの間の空間にベルト12及びベルト131、132、バックル50がそれぞれ収容される。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12及びベルト131、132、は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0064】
図10に示すように、ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されている
【0065】
また、締め付け用バックル11には、ベルト12が装着され、この締め付け用バックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とバックル50を取り付けたベルト131、132間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わるように構成している。
【0066】
ベルト12の一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用バックル11が装着される。そして、ベルト12には、カムバックル16から荷崩れ防止用ベルト4を外した際に、ベルト12が荷崩れ防止用締め具10内の空間に収納するように、付勢手段としてのゴムバンド17が取り付けられている。このゴムバンド17は、一端がベルト12に縫い付けられ、他端部がループ状の係合部17aに形成されている。このループ状の係合部17aを荷崩れ防止用締め具10に設けた係合ピン17bに引っかけて、ベルト12を収容する方向に付勢している。
【0067】
図10、図11に示すように、締め付け用バックル11は、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有し、レバー11dの端部にベルト12の端部と係合する係合部11eが設けられている。ベルト12の端部はループ状に形成され、このループ内にレバー11dの係合部11eが収納され、レバー11dとベルト12が係合されている。そして、レバー11dを図12、図13に示す矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12とバックル50を取り付けたベルト131、132間に付与される。
【0068】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0069】
次に、図9、図10に示す荷崩れ防止用締め具10を用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10の締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする(図11、図18参照)。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる(図19参照)。
【0070】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図20参照)。その後、荷崩れ防止用締め具10カムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図21参照)。
【0071】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図12、図22参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、弛んでいたベルト12が引き出され、ベルト12が張った状態になり、さらに締め付け力により、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト12、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10のベルト12、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0072】
続いて、図13、図23に示すように、レバー11dを図中矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とベルト131、132、バックル50間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに5kgの締め付け力が加わり、略18kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0073】
荷崩れ防止用ベルト4を外すときには、図14、図15、図24に示すように、カムバックル16のロックレバー16bを解放方向に押す。このロックレバー16bの解除により、荷崩れ防止用ベルト4がバックル16から外れる(図16参照)。荷崩れ防止用ベルト4がカムバックル16から外れると、ゴムバンド17の付勢力により、ベルト12が収納方向に引っ張られ、ベルト12が蓋部12a内の空間に収容される(図17参照)。
【0074】
その後、図25に示すように、荷崩れ防止用ベルト4を取り外して、荷崩れ防止用ベルト4をまとめて保管する。
【0075】
この実施形態は、図26に示すように、押さえ板1にベルト収容部100を設けている。ベルト収容部100は、凹部100aと蓋100bとで構成されている。このベルト収容部100の蓋100bを開け、その凹部100a内に纏めた荷崩れ防止用ベルト4を収容する。このように、押さえ板1に使用する荷崩れ防止用ベルト4を保管するベルト収容部100を設けることで、非使用時の荷崩れ防止用ベルト4の紛失等をなくすことができる。
【0076】
尚、上記実施形態では、ベルト12にカムバックル16、ベルト132にフック14を取り付けているが、ベルト12にフック14、ベルト132にカムバックル16を取り付けても良い。
【0077】
次に、この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具について、図27ないし図30を参照して説明する。図27は、この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図、図28ないし図30は、この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【0078】
図27においては、第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10sが設けられている部分を抜き出して記載している。また、図28ないし図30は、荷崩れ防止用締め具10sを構成する各部材を中心として記載している。
【0079】
図27、図28に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0080】
図27に示すように、第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sは、ベルト12s、ベルト131、132及びバックル50を内部に収容する構造ではないが、前述の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、ベルト12s、ベルト131、132及びバックル50を内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12s、ベルト131、132は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0081】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0082】
ベルト12sは、一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0083】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12sとベルト131、132、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0084】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト131と係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト12sの端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト131の端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0085】
図28に示すように、レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト131は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0086】
そして、図29及び図30に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト12s及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト12s及び132が締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト12s、131、132、バックル50間に付与される。ベルト131の係合部13eが収納される係合ピン11gは、ベルト12sの係合部12eが収納される係合ピン11fより、レバー11dの先端側に位置する。この結果、ベルト131の方がより多く引き込まれる。
【0087】
図30に示すように、レバー11dを閉じると、レバー11d内にベルト12sおよびベルト131の端部が巻き込まれ、ベルト12s及びベルト131が所定の量だけ、締め付け用バックル11s内に引き込まれる。そして、所定の締め付け力がベルト12s、131及び荷崩れ防止用ベルト4に与えられる。この実施形態では、10kgの締め付け力がさらに付加されることになる。
【0088】
上記した第3の実施形態においては、一方のベルト12がレバー11dの回転により、引き込まれるように移動するように構成している。これに対して、第4の実施形態においては、レバー11dの回転により、ベルト12sとベルト131の双方が引き込まれる。この結果、ベルトの移動量は、第4の実施形態の方が多くすることができ、ベルト12s、ベルト131間に付与する張力をより大きくすることができる。又、ベルト12s、ベルト131間に付与する張力は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3等によって決めればよく、上記した締め付け力は、一例にすぎない。ベルト12s、ベルト131間に付与する張力は、係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離に依存し、これらの距離を調整することで、張力を調整することができる。
【0089】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0090】
この第4の実施形態においては、バックル50のバー52がピン54に当接したときに、例えば、13kgの締め付け力が荷物3に加わるようにその圧縮コイルバネ56のバネ力が設定されている。このため、作業者がカムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、バックル50のバー52がピン54に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略13kgの締め付け力が得られる。そして、締め付け用バックル11sのレバー11dを固定方向に回転させることで、ベルト12s及びベルト131の双方が巻き込まれ、所定の締め付け力をさらに付加することができる。この実施形態では、7kgの締め付け力がさらに付加されるので、荷物3には、略20kgの締め付け力が加えることができる。
【0091】
荷崩れ防止用ベルト4のループ状係合部41をフック14に掛けてパレット2の中に通して、カムバックル16に通して荷崩れ防止用ベルト4を引いて荷物3を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになるので、カムバックル16側のベルト12sよりフック14側のベルト131の方が、力が伝わりにくく、緩い状態になる。
【0092】
そこで、この第4の実施形態では、フック14側のベルト131の引き込み量を多くして、ベルト131側をより締め付けるように構成している。
【0093】
このように、バックル50の圧縮コイルバネ56によるバネ力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け用バックル11sによる締め付けにより、所定の力をさらに付加する。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト4に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0094】
尚、この第4の実施形態において、圧縮コイルバネ56のバネ力を小さくし、締め付け用バックル11sにおける締め付け力を大きくすることができる。このようにすることで、作業者が荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る力を小さくすることができる。
【0095】
次に、図27に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第3の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0096】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0097】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト12s、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト12s、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0098】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12s及びベルト131が引っ張られ、所定の張力がベルト12s、131に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト131間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略23kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0099】
尚、上記第4の実施形態では、ベルト12sにカムバックル16、ベルト132にフック14を取り付けているが、ベルト12sにフック14、ベルト132にカムバックル16を取り付けても良い。
【0100】
次に、この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具について、図31ないし図30を参照して説明する。図31は、この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図、図31ないし図34は、この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【0101】
図31においては、第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10sが設けられている部分を抜き出して記載している。また、図32ないし図34は、荷崩れ防止用締め具10sを構成する各部材を中心として記載している。
【0102】
図31に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト121、122、第2のベルト13s、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0103】
図31に示すように、第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sは、ベルト121、122、ベルト13s及びバックル50を内部に収容する構造ではないが、前述の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、ベルト121、122、ベルト13s及びバックル50を内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト121、122、ベルト13sは、非伸縮性の材料で形成されている。
【0104】
また、この第5の実施形態においては、誰が取り付けても一定のテンションで締め付けることが容易にできるように、本体部18にカムバックル16が当接するストッパ181を設けている。後述するように、カムバックル16を用いてベルト4を引っ張り、バックル50の圧縮コイルバネ56が最も収縮した際に、カムバックル16とストッパ181が当接するように構成されている。バックル50の圧縮コイルバネ56が収縮するときの初期テンションは,この第5の実施形態では7kgに設定している。ベルト4を締め付け、カムバックル16がストッパ181に当接すると、初期テンションの7kgが付与される。ユーザは、カムバックル16がストッパ181に当接することを確認して締め付けることにより、初期テンション7kgで締め付けることができる。
【0105】
ベルト122は、一端にカムバックル16が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0106】
ベルト13sは、一端にカムバックル係合フック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0107】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト13sとベルト121とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト13sとベルト121、122、バックル50間に所定の張力、例えば、7kgの張力が加わるように構成している。
【0108】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト121の端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト121の端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト121が係合されている。また、ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0109】
図31、図32に示すように、レバー11dを開放すると、ベルト13s及びベルト121は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0110】
そして、図34に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト121及びベルト13sは、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト121及び13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト121、122、13s、バックル50間に付与される。ベルト13sの係合部13eが収納される係合ピン11gは、ベルト121の係合部12eが収納される係合ピン11fより、レバー11dの先端側に位置する。この結果、ベルト13sの方がより多く引き込まれる。
【0111】
図34に示すように、レバー11dを閉じると、レバー11d内にベルト121およびベルト13sの端部が巻き込まれ、ベルト121及びベルト13sが所定の量だけ、締め付け用バックル11s内に引き込まれる。そして、所定の締め付け力がベルト121、122、13s及び荷崩れ防止用ベルト4に与えられる。この実施形態では、7kgの締め付け力がさらに付加されることになる。
【0112】
上記したベルト121、122、ベルト131間に付与する張力は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3等によって決めればよく、上記した締め付け力は、一例にすぎない。ベルト121、122、13s間に付与する張力は、係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離に依存し、これらの距離を調整することで、張力を調整することができる。
【0113】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0114】
この第5の実施形態においては、バックル50のバー52がピン54に当接したときに、例えば、7kgの締め付け力が荷物3に加わるようにその圧縮コイルバネ56のバネ力が設定されている。そして、カムバックル16を用いてベルト4を引っ張り、バックル50のバー52がピン54に当接し、圧縮コイルバネ56が最も収縮した際に、カムバックル16とストッパ181が当接するように構成されている。バックル50の圧縮コイルバネ56が収縮するときの初期テンションは、7kgに設定している。ベルト4を締め付け、カムバックル16がストッパ181に当接すると、初期テンションの7kgが付与される。ユーザは、カムバックル16がストッパ181に当接することを確認して締め付けることにより、初期テンション7kgで締め付けることができる。そして、締め付け用バックル11sのレバー11dを固定方向に回転させることで、ベルト121及びベルト13sの双方が巻き込まれ、所定の締め付け力をさらに付加することができる。この実施形態では、7kgの締め付け力がさらに付加されるので、荷物3には、略14kgの締め付け力が加えることができる。
【0115】
荷崩れ防止用ベルト4のループ状係合部41をフック14に掛けてパレット2の中に通して、カムバックル16に通して荷崩れ防止用ベルト4を引いて荷物3を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになるので、カムバックル16側のベルト121、122よりフック14側のベルト13sの方が、力が伝わりにくく、緩い状態になる。
【0116】
そこで、この第5の実施形態では、フック14側のベルト13sの引き込み量を多くして、ベルト13s側をより締め付けるように構成している。
【0117】
このように、バックル50の圧縮コイルバネ56によるバネ力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け用バックル11sによる締め付けにより、所定の力をさらに付加する。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト4に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0118】
尚、この第5の実施形態においても、圧縮コイルバネ56のバネ力を小さくし、締め付け用バックル11sにおける締め付け力を大きくすることができる。このようにすることで、作業者が荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る力を小さくすることができる。
【0119】
次に、図31に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第3、第4の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0120】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図32参照)。
【0121】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図33参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト13s、ベルト121とベルト122にも力が加わり、ベルト121とベルト122間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ストッパ181とカムバックル16も当接する(図34参照)。このストッパ181とカムバックル16との当接により、ユーザは、感覚的に締め付け作業が認識できる。荷崩れ防止ベルト4、ベルト12s、ベルト131、132間には、この実施形態では、7kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト13s、ベルト121、122により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0122】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト13s及びベルト121が引っ張られ、所定の張力がベルト13s、121に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト13sとベルト121間に所定の張力、この実施形態では、7kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの7kgの締め付け力にさらに7kgの締め付け力が加わり、14kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0123】
次に,この発明の第6の実施形態の荷崩れ防止用締め具10sにつき、図35を参照して説明する。
【0124】
図35に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト121、122、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、第1のベルト、第2のベルトにそれぞれ取り付けられる締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0125】
ベルト122は、一端にカムバックル16が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0126】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0127】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト121とベルト131、132、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0128】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト121の端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト132の端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト131が係合されている。
【0129】
レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト131は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0130】
そして、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト121及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト121及び131が締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト121、122、131、132、バックル50間に付与される。
【0131】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0132】
次に、図35に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。前述の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0133】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0134】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト121、122、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト121と122、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト121、122、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0135】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト121及びベルト131が引っ張られ、所定の張力がベルト121、131に付与される。この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略23kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0136】
尚、荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになることを考慮すると、一方の力及び緩みが他方に伝わりにくくなる虞がある。そこで、この図35に示す例では、第1のベルト12、第2のベルト13にそれぞれバックル50を取り付けて、力並びに緩みをそれぞれのベルトで対応するよう構成している。
【0137】
次に、この発明の第7の実施形態につき、図36ないし図38を参照して説明する。尚、図36ないし図38においては、第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10tが設けられている部分を抜き出して記載している。
【0138】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合に用いるもので、荷崩れ防止用締め具10tの両端のバックルを単純なフックに変更した荷崩れ防止用締め具10tである。
【0139】
図36ないし図38に示すように、第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tは、ベルト12s及びベルト131、132、バックル50を内部に収容する構造ではないが、第1の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、及びベルト131、132、バックル50を内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12s及びベルト131、132は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0140】
荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12t、第2のベルト131、132、緩み防止機能を有するバックル50、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0141】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0142】
ベルト12tは、一端に係止フック41が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0143】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12tとベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12tとベルト131、132及びバックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0144】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっている場合には、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる。そこで、図36ないし図38の実施形態においては、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12tとベルト132に設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときに所定の締め付け力がかかるように荷崩れ防止用ベルト4の長さを決めている。
【0145】
フック14にループ係合部41を係合する際には、図37に示すように、コイルバネ56に抗してフック14を引き、ループ係合部41を係合させる。その後、図38に示すように、荷崩れ防止用締め具10tのレバー11dを締めて15kg程度の締め付け力が加わるように調整している。
【0146】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっている場合には、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる。
【0147】
この時、締め付け力が大きくなるような長さに荷崩れ防止用ベルト4の長さにすると、作業者がフック14にループ係合部41を係合する作業に大きな力を必要とする。そこで、この第7の実施形態においては、作業者がフック14にループ係合部41を係合する際には、あまり大きな力を必要とせず、荷崩れ防止用締め具10tにより締め付け力を得るようにしている。例えば、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12sとベルト132に設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときには、0から1kg程度の締め付け力が与えられる程度に荷崩れ防止用ベルト4の長さを調整する。そして、荷崩れ防止用締め具10tのレバー11dを締めたときに15kg程度の締め付け力が加わるように、レバー11dの長さを調整している。このため、第7の実施形態においては、係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離を大きくしている。このように構成することで、レバー11dを閉じたときに加わる張力を大きくすることができる。
【0148】
次に,この発明の第8の実施形態につき、図39を参照して説明する。図39に示す実施形態は、荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11s、第1のベルトベルト121、122、第2のベルト131、132、第1のベルト、第2のベルトにそれぞれ取り付けられる締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0149】
ベルト122は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第1のベルトを構成している。
【0150】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0151】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト121、ベルト122とベルト131、132及びバックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0152】
フック14にループ係合部41を係合する際には、圧縮コイルバネ56に抗してフック14を引き、ループ係合部41を係合させる。その後、荷崩れ防止用締め具10sのレバー11dを締めて15kg程度の締め付け力が加わるように調整している。
【0153】
上記したバックル50を用いた第9の実施形態につき、図40ないし図42を参照して説明する。
【0154】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合に用いるもので、第3の実施形態と同様に、荷崩れ防止用締め具10の両端のバックルを単純なフックに変更した荷崩れ防止用締め具10xである。
【0155】
荷崩れ防止用締め具10xは、締め付け用バックル11x、第1のベルト121、122、第2のベルト13s、緩み防止機能を有するバックル50、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0156】
ベルト122は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11xが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。ベルト121は、締め付け用バックル11sのベース11aの一部に係合されている。
【0157】
また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0158】
ベルト13sは、一端に係止フック41が装着され、他端に締め付け用のバックル11xが装着されている。
【0159】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト13sの端部と係合する係合ピン11fが設けられている。ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。また、ベルト121の端部はベース11aに係合されている。
【0160】
この締め付け用バックル11xを締め付ける方向に固定すると、ベルト13sが締め付け用バックル11x内に巻き込まれ、ベルト13sとベルト121、122、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0161】
張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50をベルト間に用いると、バックル50が緩衝の役目を果たすことができ、締め付け用バックル11xのベルトの引き込み量を変えなくてもよい。そして、予め、荷崩れ防止用ベルト4の長さを事前に決めることができる場合には、それぞれフック14、14で構成でき、荷崩れ防止用ベルト4のセットも容易になる。そして、上記のように、締め付け用バックル11xのレバー11dにベルト13sを係合させる機構にすると、左右略同じ寸法が引き込まれることになる。
【0162】
レバー11dを開放すると、ベルト13sは、ベルトの係合部13e内に係合ピン11fが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0163】
そして、図41に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト13s及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部13eが係合ピン11fにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、図42に示すように、レバー11dを閉じると、ベルト13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれ、また、ベルト121、122、及びバックル50も移動し、所定の張力がベルト13s、121、122、バックル50間に付与される。
【0164】
この第10の実施形態のバックルを上述した各荷崩れ防止用締め具10、10s、10tに用いることにより、上述と同様に、荷崩れを確実に防止することができる。
【0165】
また、締め付け力の調整は、コイルバネのバネ力を必要とする締め付け力に応じて選択すればよい。また、締め具にレバーによる加算の締結力は、レバーのストローク調整を行う等してベルトの移動量を変更することで適宜調整できる。
【0166】
さて、上記した第2ないし第9の実施形態においては、押さえ板1に一体的に荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)を設けているが、押さえ板と荷崩れ防止用締め具を別体に構成しても良い。第4の実施形態は、押さえ板1と荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)とを別体に構成したものである。すなわち、図43及び図44に示すように、押さえ板1aとは、別体に荷崩れ防止用締め具10(10s、10t、10x)を用意する。そして、押さえ板1aを荷物3の上に載せた後、荷崩れ防止用締め具10(10s、10t、10x)を押さえ板1a上に設置して、荷崩れ防止用ベルト4を用いて荷物3を固定するように構成することもできる。
【0167】
なお、この場合、荷崩れ防止用締め具10(10s、10t、10x)が締め付け時に押さえ板1a上を移動する場合もある。そこで、押さえ板1と荷崩れ防止用締め具10とが係合可能なように構成することが好ましい。
【0168】
次に、この発明の第11の実施形態につき、図45ないし図47を参照して説明する。図45は、第10の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図、図46は、同側面図、図47は、バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【0169】
図45及び図46に示すように、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50sは、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。U字型のアーム51とバー52の間には引張コイルバネ56sが嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0170】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53にインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに引張コイルバネ56sがバー53に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー53に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー53に対する付勢力は小さくなる。
【0171】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー53がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン52と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0172】
このように、ピン54とバー52と引張コイルバネ56sを備えたバックル50sをベルトに取り付ける。図47に示すように、ベルト131とベルト132との間にバックル50を取り付ける。ベルト131の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1311が設けられる。このループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1322が設けられる。このループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50sが装着される。
【0173】
ベルトを作業者が引っ張ると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、引張コイルバネ56sの付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルトにはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0174】
また、引張コイルバネ56sによるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0175】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0176】
1 押さえ板
2 パレット
3 荷物
10、10s、10t 荷崩れ防止締め具
11、11s、11x 締め付け用バックル
12 ベルト
13 ベルト
14 バックル
15 スプリング
16 カムバックル
50 バックル
【技術分野】
【0001】
この発明は、緩み防止用バックルに係り、段ボール等に各種部品、商品等を内包させた荷物自体を固定するか或いはパレット上に荷物を、ベルトを用いて固定保持して搬送する際に、ベルトの緩みを防止するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から各種物品、商品等を収めた多くの段ボール箱等を輸送する場合には、これらをパレット上に複数段にして積み上げた荷姿にし、積み上げた状態のままその周囲をストレッチフィルムで幾重にも巻き、PP(ポリプロピレン)バンドでパレットと荷物の一体化を図り、輸送時に荷崩れを生じないようにしている。
【0003】
上記の方法では、ストレッチフィルムやPPバンドの装着や取り外しの際に、作業者は積載された荷物の周りを何度も周回せねばならず、手間がかかり煩わしく、且つ時間を要していた。
【0004】
さらに、取り外したストレッチフィルムやPPバンドは再度利用できないため廃棄処分され、経費と資源の無駄となっている。
【0005】
そこで、産業廃棄物の削減や資源の有効活用面からもストレッチフィルムやPPバンドに変わる荷崩れ防止ベルトが種々提案されている。
【0006】
荷崩れ防止ベルトは、ベルトを荷物に巻き付け、ベルトを締め付けて荷物を固定している。この荷崩れ防止ベルトとしては、ベルト部材の一端部にリング状の係止部材を設け、他端部側に面ファスナー部材を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この荷崩れ防止ベルトは、ベルト部材を荷物の周囲に巻回させ、巻回後、ベルト部材の他端部をベルト部材の一端部側に設けられた係止部材に挿通させる。挿通後、係止部材を支点に折り返して、牽引し、荷物に締め付け力が加わった状態で、面ファスナー相互を貼り付け固定することにより、荷物を固定、結束するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−153412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ベルトを係止部材に挿通後、係止部材を支点に折り返して、牽引し、荷物に締め付け力が加わった状態で、面ファスナー相互を貼り付け固定するが、搬送中に、荷物の移動や若干の変形があると、締め付け力が低下し、荷崩れを起こしてしまう等の問題があった。
【0009】
この発明の目的は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものにして、荷物の移動や若干の変形があった場合にも締め付け力の低下を防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の緩み防止用バックルは、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記アームの先端部に第1のベルトが係合され、前記バーに第2のベルトが係合され、前記付勢バネによりベルト間の緩みを防止することを特徴とする。
【0011】
また、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンが設けられ、前記ピンの突出量により前記バーに付勢する付勢力を調整するように構成すればよい。ことを特徴とする請求項1に記載の緩み防止用バックル。
【0012】
また、この発明の緩み防止用バックルを用いた巻き締め具は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記アームの先端部に第1のベルトの一端部が係合され、前記バーに第2のベルトの一端部が係合され、前記第1または第2のベルトの他端部にカムバックルが装着され、第2または第1のベルトの他端部が前記カムバックルに挿入されることを特徴とする。
【0013】
また、この発明の荷崩れ防止用装置は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具を有し、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、を備え、前記弾性手段は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンとを備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段を更に備えるように構成すればよい。
【0015】
また、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に少なくとも前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、すくなくとも前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されるように構成することができる。
【0016】
この発明の荷崩れ防止用装置は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具を有し、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、
前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、を備え、前記弾性手段は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンとを備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明は、弾性部材により、ベルトに常に張力が与えられているので、運搬時に起こりやすいベルトの緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れが抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定した状態を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを示す平面図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを示す側面図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いた荷崩れ防止装置により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する基本構成を示す斜視図である。
【図6】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図7】この発明の第2の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図である。
【図8】この発明の第2の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図である。
【図9】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する構成を示す斜視図である。
【図10】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図11】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図12】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図13】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図14】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための側面図である。
【図15】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための斜視図である。
【図16】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための斜視図である。
【図17】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための側面図である。
【図18】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図19】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図20】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図21】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図22】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図23】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図24】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための模式図である。
【図25】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための模式図である。
【図26】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である
【図27】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図28】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図29】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図30】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図31】この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図32】この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図33】この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図34】この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図35】この発明の第6の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図36】この発明の第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図37】この発明の第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図38】この発明の第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図39】この発明の第8の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図40】この発明の第9の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図41】この発明の第9の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図42】この発明の第9の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図43】この発明の第10の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図44】この発明の第10の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図45】この発明の第11の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図である。
【図46】この発明の第11の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す側面図である。
【図47】この発明の第11の実施形態にかかるバックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0020】
図1は、この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定した状態を示す斜視図、図2は、この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図、図3は、この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを示す平面図、図4は、この発明の実施形態にかかる緩み防止用バックルを示す側面図である。
【0021】
図1に示すように、この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具は、荷崩れ防止用ベルト4に緩み防止用バックル50とカムバックル16が取り付けられている。この荷崩れ防止用ベルト4は、ベルト41、42からなり、ベルト41の一端には、カムバックル16が取り付けられている。そして、ベルト41の他端には、緩み防止用バックル50の一端が取り付けられている。また、緩み防止用バックル50の他端にはベルト42が取り付けられている。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト41、42は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0022】
この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックル50を用いた巻き締め具は、パレット2上に載置された複数の段ボール等の荷物3の外周面上に荷崩れ防止用ベルト4を這い回し、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたカムバックル16を用いて巻き締めて固定する。
【0023】
すなわち、パレット2上に荷崩れ防止用ベルト4を置き、その上に、荷物3を複数段にして積み上げた荷姿にし、その最上部の荷物3上に緩み防止用バックル50が位置するよう設置して、荷崩れ防止用ベルト4を荷物3の外周面に這い回す。そして、荷崩れ防止用ベルト4の一端に取り付けられたカムバックル16にベルト4の他端を挿入して、ベルト4を引っ張り巻き締め、荷物3に所定の締め付け力で固定し、荷崩れを防止するものである。
【0024】
パレット2と荷物3とを一体で固定する場合には、パレット2の窓部21を通して荷崩れ防止用ベルト4を這い回し、カムバックル16に挿入して巻き締め、パレット2上に荷物3を固定する。
【0025】
この実施形態の緩み防止用バックル50は、所定の締め付け力で固定した後、荷物3に対して、ベルトの緩みを防止するための弾性部材を有している。更に、荷物に対する所定の締め付け力を与えるためのインジケータ用のピンを有している。緩み防止用バックル50とベルト4とにつき図2ないし図4に従い更に説明する。
【0026】
図3及び図4に示すように、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50は、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。バー52とエンドバー53の間には圧縮コイルバネ56が嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0027】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53aにインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに圧縮コイルバネ56がバー52に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー52に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー52に対する付勢力は小さくなる。
【0028】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー52がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン54と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0029】
図2に示すように、ピン54とバー52と圧縮コイルバネ56を備えたバックル50を荷崩れ防止用ベルト4に取り付ける。バックル50は、ベルト41とベルト42との間に取り付ける。ベルト41の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部411が設けられる。このループ状の係合部411内にはバー52が収容されている。また、ベルト41の他方にはカムバックル16が取り付けられている。ベルト4を引っ張り、バー52がピン54に当接すると、ベルト4に付加される張力が、この実施形態では、13kgとなっている。
【0030】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられる。そして、枠体16aに、ベルト41が取り付けられる。カムバックル16は、枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0031】
また、ベルト42の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部422が設けられる。このループ状の係合部422内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト41とベルト42との間にバックル50が装着される。
【0032】
上述したように、荷物3を固定する際に、荷崩れ防止用ベルト4を作業者が引っ張ると、ベルト41とベルト42にも力が加わり、ベルト41とベルト42間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止用ベルト4にはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0033】
そして、圧縮コイルバネ56によるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、荷崩れ防止用ベルト4に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れが抑制できる。
【0034】
次に,この発明の第2の実施形態につき、図5ないし図8を参照して説明する。図5は、この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用巻き締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する基本構成を示す斜視図、図6は、この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図、図7及び図8は、この発明の第1の実施形態にかかる緩み防止用バックルを用いた巻き締め具の要部を示す斜視図である。
【0035】
この第2の実施形態の荷崩れ防止装置は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3をパレット2に固定しつつ、荷崩れを防止する機能を有する。図5に示すように、この荷崩れ防止装置は、パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3を挟み固定するものである。このため、パレット2上に荷物3を複数段にして積み上げた荷姿にし、その最上部の荷物3上に押さえ板1を載置する。この押さえ板1の上部には、この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10が設けられており、荷崩れ防止用締め具10に荷崩れ防止用ベルト4の一端を係合させる。この荷崩れ防止用ベルト4で荷物3を巻回するために、パレット2の窓部21を通して荷崩れ防止用ベルト4を対向する荷崩れ防止用締め具10に取り付けられたカムバックル16に挿入して巻き締め、パレット2と押さえ板1で荷物3を挟み込む。そして、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10により、荷物3に所定の締め付け力で固定し、荷崩れを防止するものである。
【0036】
図5及び図6に示すように、この第2の実施形態においては、押さえ板1の上部に荷崩れ防止用ベルト4が係合される荷崩れ防止用締め具10が設けられている。この押さえ板1は、プラスチックなどの樹脂成型品で構成され、押さえ板1の2箇所に荷崩れ防止用締め具10を設けるために壁部10a、10bが押さえ板1と一体に形成されている。これら荷崩れ防止用締め具10は、パレット2のフォークリフトのフォークが差し込まれる窓21上に位置する押さえ板1の箇所にそれぞれ設けられている。
【0037】
図6においては、荷崩れ防止用締め具10の構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10が設けられている部分を抜き出して記載している。
【0038】
図5、図6に示すように、荷崩れ防止用締め具10は、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50は、第1のベルト131、第2のベルト132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、を備える。バックル50は、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。バー52とエンドバー53の間には圧縮コイルバネ56が嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0039】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53aにインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに圧縮コイルバネ56がバー52に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー52に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー52に対する付勢力は小さくなる。
【0040】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー52がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン54と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0041】
荷崩れ防止用締め具10は、図5及び図6に示すように、ベルト131、132を内部に収容するための蓋部13aが設けられている。この蓋部13aは、本体部18から立ち上がった壁部に取り付けられ、壁部と蓋部13aとの間の空間にベルト131,132がそれぞれ収容される。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト131、132は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0042】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。さらに、締め付け用バックル50には、ベルト131が装着されている。
【0043】
ピン54とバー52と圧縮コイルバネ56を備えたバックル50を、ベルト131、132との間に取り付ける。ベルト131の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1311が設けられる。このループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト131の他方にはカムバックル16が取り付けられている。
【0044】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられる。そして、枠体16aに、ベルト41が取り付けられる。カムバックル16は、枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0045】
また、ベルト132の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1322が設けられる。このループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着される。
【0046】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0047】
この実施形態においては、バックル50のバー52がピン54に当接したときに、13kgの締め付け力が荷物3に加わるようにそのバネ力が設定されている。このため、作業者がカムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、バックル50のバー52がピン52に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略13kgの締め付け力が得られる。
【0048】
荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係止フック14と係合させ、カムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、作業者がベルト4を引っ張ると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、図7の状態から図8に示すように、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルト4にはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0049】
そして、圧縮コイルバネ56によるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0050】
次に、この発明の第2の実施形態の荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う方法につき、図面を参照にして説明する。
【0051】
図5に示すように、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0052】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。荷崩れ防止用締め具10のカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0053】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、図7の状態から図8に示すように、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルト4にはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10のベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0054】
荷崩れ防止用ベルト4を外すときには、カムバックル16のロックレバー16bを解放方向に押す。このロックレバー16bの解除により、荷崩れ防止用ベルト4がバックル16から外れる。
【0055】
その後、荷崩れ防止用ベルト4を取り外して、荷崩れ防止用ベルト4をまとめて保管する。
【0056】
この実施形態は、図5に示すように、押さえ板1にベルト収容部100を設けている。このベルト収容部100の蓋を開け、その中に纏めた荷崩れ防止用ベルト4を収容する。このように、押さえ板1に使用する荷崩れ防止用ベルト4を保管するベルト収容部100を設けることで、非使用時の荷崩れ防止用ベルト4の紛失等をなくすことができる。
【0057】
尚、上記実施形態では、ベルト131にカムバックル16、ベルト132にフック14を取り付けているが、ベルト131にフック14、ベルト132にカムバックル16を取り付けても良い。
【0058】
図9は、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する構成を示す斜視図、図10は、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【0059】
この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止装置も第2の実施形態と同様に、パレット2上に載置された段ボールの荷物3をパレット2に固定しつつ、荷崩れを防止する機能を有する。図9に示すように、この荷崩れ防止装置は、パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3を挟み固定するものである。このため、パレット2上に荷物3を複数段にして積み上げた荷姿にし、その最上部の荷物3上に押さえ板1を載置する。この押さえ板1の上部には、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10が設けられており、荷崩れ防止用締め具10に荷崩れ防止用ベルト4の一端を係合させる。この荷崩れ防止用ベルト4で荷物3を巻回するために、パレット2の窓部21を通して荷崩れ防止用ベルト4を対向する荷崩れ防止用締め具10に取り付けられたカムバックル16に挿入して巻き締め、パレット2と押さえ板1で荷物3を挟み込む。更に、締め付け用バックル11により、締め付け力を付加し、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10により、荷物3に所定の締め付け力で固定し、荷崩れを防止するものである。
【0060】
図9及び図10に示すように、この第3の実施形態においては、押さえ板1の上部に荷崩れ防止用ベルト4が係合される荷崩れ防止用締め具10が設けられている。この押さえ板1は、プラスチックなどの樹脂成型品で構成され、押さえ板1の2箇所に荷崩れ防止用締め具10を設けるために壁部10a、10bが押さえ板1と一体に形成されている。これら荷崩れ防止用締め具10は、パレット2のフォークリフトのフォークが差し込まれる窓21上に位置する押さえ板1の箇所にそれぞれ設けられている。
【0061】
図10においては、荷崩れ防止用締め具10の構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10が設けられている部分を抜き出して記載している。また、
【0062】
図10に示すように、荷崩れ防止用締め具10は、締め付け用バックル11、第1のベルト12、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、第2のベルト131、132に設けられた張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0063】
荷崩れ防止用締め具10は、図9に示すように、ベルト12及びベルト131、132、バックル50を内部に収容するための蓋部13aが設けられている。この蓋部1213aは、本体部18から立ち上がった壁部10a、10bに取り付けられ、壁部10a、10bと蓋部13aとの間の空間にベルト12及びベルト131、132、バックル50がそれぞれ収容される。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12及びベルト131、132、は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0064】
図10に示すように、ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されている
【0065】
また、締め付け用バックル11には、ベルト12が装着され、この締め付け用バックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とバックル50を取り付けたベルト131、132間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わるように構成している。
【0066】
ベルト12の一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用バックル11が装着される。そして、ベルト12には、カムバックル16から荷崩れ防止用ベルト4を外した際に、ベルト12が荷崩れ防止用締め具10内の空間に収納するように、付勢手段としてのゴムバンド17が取り付けられている。このゴムバンド17は、一端がベルト12に縫い付けられ、他端部がループ状の係合部17aに形成されている。このループ状の係合部17aを荷崩れ防止用締め具10に設けた係合ピン17bに引っかけて、ベルト12を収容する方向に付勢している。
【0067】
図10、図11に示すように、締め付け用バックル11は、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有し、レバー11dの端部にベルト12の端部と係合する係合部11eが設けられている。ベルト12の端部はループ状に形成され、このループ内にレバー11dの係合部11eが収納され、レバー11dとベルト12が係合されている。そして、レバー11dを図12、図13に示す矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12とバックル50を取り付けたベルト131、132間に付与される。
【0068】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0069】
次に、図9、図10に示す荷崩れ防止用締め具10を用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10の締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする(図11、図18参照)。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる(図19参照)。
【0070】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図20参照)。その後、荷崩れ防止用締め具10カムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図21参照)。
【0071】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図12、図22参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、弛んでいたベルト12が引き出され、ベルト12が張った状態になり、さらに締め付け力により、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト12、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10のベルト12、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0072】
続いて、図13、図23に示すように、レバー11dを図中矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とベルト131、132、バックル50間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに5kgの締め付け力が加わり、略18kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0073】
荷崩れ防止用ベルト4を外すときには、図14、図15、図24に示すように、カムバックル16のロックレバー16bを解放方向に押す。このロックレバー16bの解除により、荷崩れ防止用ベルト4がバックル16から外れる(図16参照)。荷崩れ防止用ベルト4がカムバックル16から外れると、ゴムバンド17の付勢力により、ベルト12が収納方向に引っ張られ、ベルト12が蓋部12a内の空間に収容される(図17参照)。
【0074】
その後、図25に示すように、荷崩れ防止用ベルト4を取り外して、荷崩れ防止用ベルト4をまとめて保管する。
【0075】
この実施形態は、図26に示すように、押さえ板1にベルト収容部100を設けている。ベルト収容部100は、凹部100aと蓋100bとで構成されている。このベルト収容部100の蓋100bを開け、その凹部100a内に纏めた荷崩れ防止用ベルト4を収容する。このように、押さえ板1に使用する荷崩れ防止用ベルト4を保管するベルト収容部100を設けることで、非使用時の荷崩れ防止用ベルト4の紛失等をなくすことができる。
【0076】
尚、上記実施形態では、ベルト12にカムバックル16、ベルト132にフック14を取り付けているが、ベルト12にフック14、ベルト132にカムバックル16を取り付けても良い。
【0077】
次に、この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具について、図27ないし図30を参照して説明する。図27は、この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図、図28ないし図30は、この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【0078】
図27においては、第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10sが設けられている部分を抜き出して記載している。また、図28ないし図30は、荷崩れ防止用締め具10sを構成する各部材を中心として記載している。
【0079】
図27、図28に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0080】
図27に示すように、第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sは、ベルト12s、ベルト131、132及びバックル50を内部に収容する構造ではないが、前述の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、ベルト12s、ベルト131、132及びバックル50を内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12s、ベルト131、132は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0081】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0082】
ベルト12sは、一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0083】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12sとベルト131、132、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0084】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト131と係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト12sの端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト131の端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0085】
図28に示すように、レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト131は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0086】
そして、図29及び図30に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト12s及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト12s及び132が締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト12s、131、132、バックル50間に付与される。ベルト131の係合部13eが収納される係合ピン11gは、ベルト12sの係合部12eが収納される係合ピン11fより、レバー11dの先端側に位置する。この結果、ベルト131の方がより多く引き込まれる。
【0087】
図30に示すように、レバー11dを閉じると、レバー11d内にベルト12sおよびベルト131の端部が巻き込まれ、ベルト12s及びベルト131が所定の量だけ、締め付け用バックル11s内に引き込まれる。そして、所定の締め付け力がベルト12s、131及び荷崩れ防止用ベルト4に与えられる。この実施形態では、10kgの締め付け力がさらに付加されることになる。
【0088】
上記した第3の実施形態においては、一方のベルト12がレバー11dの回転により、引き込まれるように移動するように構成している。これに対して、第4の実施形態においては、レバー11dの回転により、ベルト12sとベルト131の双方が引き込まれる。この結果、ベルトの移動量は、第4の実施形態の方が多くすることができ、ベルト12s、ベルト131間に付与する張力をより大きくすることができる。又、ベルト12s、ベルト131間に付与する張力は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3等によって決めればよく、上記した締め付け力は、一例にすぎない。ベルト12s、ベルト131間に付与する張力は、係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離に依存し、これらの距離を調整することで、張力を調整することができる。
【0089】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0090】
この第4の実施形態においては、バックル50のバー52がピン54に当接したときに、例えば、13kgの締め付け力が荷物3に加わるようにその圧縮コイルバネ56のバネ力が設定されている。このため、作業者がカムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、バックル50のバー52がピン54に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略13kgの締め付け力が得られる。そして、締め付け用バックル11sのレバー11dを固定方向に回転させることで、ベルト12s及びベルト131の双方が巻き込まれ、所定の締め付け力をさらに付加することができる。この実施形態では、7kgの締め付け力がさらに付加されるので、荷物3には、略20kgの締め付け力が加えることができる。
【0091】
荷崩れ防止用ベルト4のループ状係合部41をフック14に掛けてパレット2の中に通して、カムバックル16に通して荷崩れ防止用ベルト4を引いて荷物3を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになるので、カムバックル16側のベルト12sよりフック14側のベルト131の方が、力が伝わりにくく、緩い状態になる。
【0092】
そこで、この第4の実施形態では、フック14側のベルト131の引き込み量を多くして、ベルト131側をより締め付けるように構成している。
【0093】
このように、バックル50の圧縮コイルバネ56によるバネ力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け用バックル11sによる締め付けにより、所定の力をさらに付加する。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト4に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0094】
尚、この第4の実施形態において、圧縮コイルバネ56のバネ力を小さくし、締め付け用バックル11sにおける締め付け力を大きくすることができる。このようにすることで、作業者が荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る力を小さくすることができる。
【0095】
次に、図27に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第3の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0096】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0097】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト12s、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト12s、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0098】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12s及びベルト131が引っ張られ、所定の張力がベルト12s、131に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト131間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略23kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0099】
尚、上記第4の実施形態では、ベルト12sにカムバックル16、ベルト132にフック14を取り付けているが、ベルト12sにフック14、ベルト132にカムバックル16を取り付けても良い。
【0100】
次に、この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具について、図31ないし図30を参照して説明する。図31は、この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図、図31ないし図34は、この発明の第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【0101】
図31においては、第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10sが設けられている部分を抜き出して記載している。また、図32ないし図34は、荷崩れ防止用締め具10sを構成する各部材を中心として記載している。
【0102】
図31に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト121、122、第2のベルト13s、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0103】
図31に示すように、第5の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sは、ベルト121、122、ベルト13s及びバックル50を内部に収容する構造ではないが、前述の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、ベルト121、122、ベルト13s及びバックル50を内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト121、122、ベルト13sは、非伸縮性の材料で形成されている。
【0104】
また、この第5の実施形態においては、誰が取り付けても一定のテンションで締め付けることが容易にできるように、本体部18にカムバックル16が当接するストッパ181を設けている。後述するように、カムバックル16を用いてベルト4を引っ張り、バックル50の圧縮コイルバネ56が最も収縮した際に、カムバックル16とストッパ181が当接するように構成されている。バックル50の圧縮コイルバネ56が収縮するときの初期テンションは,この第5の実施形態では7kgに設定している。ベルト4を締め付け、カムバックル16がストッパ181に当接すると、初期テンションの7kgが付与される。ユーザは、カムバックル16がストッパ181に当接することを確認して締め付けることにより、初期テンション7kgで締め付けることができる。
【0105】
ベルト122は、一端にカムバックル16が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0106】
ベルト13sは、一端にカムバックル係合フック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0107】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト13sとベルト121とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト13sとベルト121、122、バックル50間に所定の張力、例えば、7kgの張力が加わるように構成している。
【0108】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト121の端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト121の端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト121が係合されている。また、ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0109】
図31、図32に示すように、レバー11dを開放すると、ベルト13s及びベルト121は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0110】
そして、図34に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト121及びベルト13sは、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト121及び13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト121、122、13s、バックル50間に付与される。ベルト13sの係合部13eが収納される係合ピン11gは、ベルト121の係合部12eが収納される係合ピン11fより、レバー11dの先端側に位置する。この結果、ベルト13sの方がより多く引き込まれる。
【0111】
図34に示すように、レバー11dを閉じると、レバー11d内にベルト121およびベルト13sの端部が巻き込まれ、ベルト121及びベルト13sが所定の量だけ、締め付け用バックル11s内に引き込まれる。そして、所定の締め付け力がベルト121、122、13s及び荷崩れ防止用ベルト4に与えられる。この実施形態では、7kgの締め付け力がさらに付加されることになる。
【0112】
上記したベルト121、122、ベルト131間に付与する張力は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3等によって決めればよく、上記した締め付け力は、一例にすぎない。ベルト121、122、13s間に付与する張力は、係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離に依存し、これらの距離を調整することで、張力を調整することができる。
【0113】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0114】
この第5の実施形態においては、バックル50のバー52がピン54に当接したときに、例えば、7kgの締め付け力が荷物3に加わるようにその圧縮コイルバネ56のバネ力が設定されている。そして、カムバックル16を用いてベルト4を引っ張り、バックル50のバー52がピン54に当接し、圧縮コイルバネ56が最も収縮した際に、カムバックル16とストッパ181が当接するように構成されている。バックル50の圧縮コイルバネ56が収縮するときの初期テンションは、7kgに設定している。ベルト4を締め付け、カムバックル16がストッパ181に当接すると、初期テンションの7kgが付与される。ユーザは、カムバックル16がストッパ181に当接することを確認して締め付けることにより、初期テンション7kgで締め付けることができる。そして、締め付け用バックル11sのレバー11dを固定方向に回転させることで、ベルト121及びベルト13sの双方が巻き込まれ、所定の締め付け力をさらに付加することができる。この実施形態では、7kgの締め付け力がさらに付加されるので、荷物3には、略14kgの締め付け力が加えることができる。
【0115】
荷崩れ防止用ベルト4のループ状係合部41をフック14に掛けてパレット2の中に通して、カムバックル16に通して荷崩れ防止用ベルト4を引いて荷物3を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになるので、カムバックル16側のベルト121、122よりフック14側のベルト13sの方が、力が伝わりにくく、緩い状態になる。
【0116】
そこで、この第5の実施形態では、フック14側のベルト13sの引き込み量を多くして、ベルト13s側をより締め付けるように構成している。
【0117】
このように、バックル50の圧縮コイルバネ56によるバネ力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け用バックル11sによる締め付けにより、所定の力をさらに付加する。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト4に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0118】
尚、この第5の実施形態においても、圧縮コイルバネ56のバネ力を小さくし、締め付け用バックル11sにおける締め付け力を大きくすることができる。このようにすることで、作業者が荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る力を小さくすることができる。
【0119】
次に、図31に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第3、第4の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0120】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図32参照)。
【0121】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図33参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト13s、ベルト121とベルト122にも力が加わり、ベルト121とベルト122間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ストッパ181とカムバックル16も当接する(図34参照)。このストッパ181とカムバックル16との当接により、ユーザは、感覚的に締め付け作業が認識できる。荷崩れ防止ベルト4、ベルト12s、ベルト131、132間には、この実施形態では、7kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト13s、ベルト121、122により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0122】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト13s及びベルト121が引っ張られ、所定の張力がベルト13s、121に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト13sとベルト121間に所定の張力、この実施形態では、7kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの7kgの締め付け力にさらに7kgの締め付け力が加わり、14kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0123】
次に,この発明の第6の実施形態の荷崩れ防止用締め具10sにつき、図35を参照して説明する。
【0124】
図35に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト121、122、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、第1のベルト、第2のベルトにそれぞれ取り付けられる締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0125】
ベルト122は、一端にカムバックル16が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0126】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0127】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト121とベルト131、132、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0128】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト121の端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト132の端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト131が係合されている。
【0129】
レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト131は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0130】
そして、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト121及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト121及び131が締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト121、122、131、132、バックル50間に付与される。
【0131】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0132】
次に、図35に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。前述の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0133】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0134】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト121、122、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト121と122、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト121、122、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0135】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト121及びベルト131が引っ張られ、所定の張力がベルト121、131に付与される。この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略23kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0136】
尚、荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになることを考慮すると、一方の力及び緩みが他方に伝わりにくくなる虞がある。そこで、この図35に示す例では、第1のベルト12、第2のベルト13にそれぞれバックル50を取り付けて、力並びに緩みをそれぞれのベルトで対応するよう構成している。
【0137】
次に、この発明の第7の実施形態につき、図36ないし図38を参照して説明する。尚、図36ないし図38においては、第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10tが設けられている部分を抜き出して記載している。
【0138】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合に用いるもので、荷崩れ防止用締め具10tの両端のバックルを単純なフックに変更した荷崩れ防止用締め具10tである。
【0139】
図36ないし図38に示すように、第7の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tは、ベルト12s及びベルト131、132、バックル50を内部に収容する構造ではないが、第1の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、及びベルト131、132、バックル50を内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12s及びベルト131、132は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0140】
荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12t、第2のベルト131、132、緩み防止機能を有するバックル50、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0141】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0142】
ベルト12tは、一端に係止フック41が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0143】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12tとベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12tとベルト131、132及びバックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0144】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっている場合には、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる。そこで、図36ないし図38の実施形態においては、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12tとベルト132に設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときに所定の締め付け力がかかるように荷崩れ防止用ベルト4の長さを決めている。
【0145】
フック14にループ係合部41を係合する際には、図37に示すように、コイルバネ56に抗してフック14を引き、ループ係合部41を係合させる。その後、図38に示すように、荷崩れ防止用締め具10tのレバー11dを締めて15kg程度の締め付け力が加わるように調整している。
【0146】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっている場合には、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる。
【0147】
この時、締め付け力が大きくなるような長さに荷崩れ防止用ベルト4の長さにすると、作業者がフック14にループ係合部41を係合する作業に大きな力を必要とする。そこで、この第7の実施形態においては、作業者がフック14にループ係合部41を係合する際には、あまり大きな力を必要とせず、荷崩れ防止用締め具10tにより締め付け力を得るようにしている。例えば、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12sとベルト132に設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときには、0から1kg程度の締め付け力が与えられる程度に荷崩れ防止用ベルト4の長さを調整する。そして、荷崩れ防止用締め具10tのレバー11dを締めたときに15kg程度の締め付け力が加わるように、レバー11dの長さを調整している。このため、第7の実施形態においては、係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離を大きくしている。このように構成することで、レバー11dを閉じたときに加わる張力を大きくすることができる。
【0148】
次に,この発明の第8の実施形態につき、図39を参照して説明する。図39に示す実施形態は、荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11s、第1のベルトベルト121、122、第2のベルト131、132、第1のベルト、第2のベルトにそれぞれ取り付けられる締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0149】
ベルト122は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第1のベルトを構成している。
【0150】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0151】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト121、ベルト122とベルト131、132及びバックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0152】
フック14にループ係合部41を係合する際には、圧縮コイルバネ56に抗してフック14を引き、ループ係合部41を係合させる。その後、荷崩れ防止用締め具10sのレバー11dを締めて15kg程度の締め付け力が加わるように調整している。
【0153】
上記したバックル50を用いた第9の実施形態につき、図40ないし図42を参照して説明する。
【0154】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合に用いるもので、第3の実施形態と同様に、荷崩れ防止用締め具10の両端のバックルを単純なフックに変更した荷崩れ防止用締め具10xである。
【0155】
荷崩れ防止用締め具10xは、締め付け用バックル11x、第1のベルト121、122、第2のベルト13s、緩み防止機能を有するバックル50、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0156】
ベルト122は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11xが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。ベルト121は、締め付け用バックル11sのベース11aの一部に係合されている。
【0157】
また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0158】
ベルト13sは、一端に係止フック41が装着され、他端に締め付け用のバックル11xが装着されている。
【0159】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト13sの端部と係合する係合ピン11fが設けられている。ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。また、ベルト121の端部はベース11aに係合されている。
【0160】
この締め付け用バックル11xを締め付ける方向に固定すると、ベルト13sが締め付け用バックル11x内に巻き込まれ、ベルト13sとベルト121、122、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0161】
張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50をベルト間に用いると、バックル50が緩衝の役目を果たすことができ、締め付け用バックル11xのベルトの引き込み量を変えなくてもよい。そして、予め、荷崩れ防止用ベルト4の長さを事前に決めることができる場合には、それぞれフック14、14で構成でき、荷崩れ防止用ベルト4のセットも容易になる。そして、上記のように、締め付け用バックル11xのレバー11dにベルト13sを係合させる機構にすると、左右略同じ寸法が引き込まれることになる。
【0162】
レバー11dを開放すると、ベルト13sは、ベルトの係合部13e内に係合ピン11fが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0163】
そして、図41に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト13s及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部13eが係合ピン11fにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、図42に示すように、レバー11dを閉じると、ベルト13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれ、また、ベルト121、122、及びバックル50も移動し、所定の張力がベルト13s、121、122、バックル50間に付与される。
【0164】
この第10の実施形態のバックルを上述した各荷崩れ防止用締め具10、10s、10tに用いることにより、上述と同様に、荷崩れを確実に防止することができる。
【0165】
また、締め付け力の調整は、コイルバネのバネ力を必要とする締め付け力に応じて選択すればよい。また、締め具にレバーによる加算の締結力は、レバーのストローク調整を行う等してベルトの移動量を変更することで適宜調整できる。
【0166】
さて、上記した第2ないし第9の実施形態においては、押さえ板1に一体的に荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)を設けているが、押さえ板と荷崩れ防止用締め具を別体に構成しても良い。第4の実施形態は、押さえ板1と荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)とを別体に構成したものである。すなわち、図43及び図44に示すように、押さえ板1aとは、別体に荷崩れ防止用締め具10(10s、10t、10x)を用意する。そして、押さえ板1aを荷物3の上に載せた後、荷崩れ防止用締め具10(10s、10t、10x)を押さえ板1a上に設置して、荷崩れ防止用ベルト4を用いて荷物3を固定するように構成することもできる。
【0167】
なお、この場合、荷崩れ防止用締め具10(10s、10t、10x)が締め付け時に押さえ板1a上を移動する場合もある。そこで、押さえ板1と荷崩れ防止用締め具10とが係合可能なように構成することが好ましい。
【0168】
次に、この発明の第11の実施形態につき、図45ないし図47を参照して説明する。図45は、第10の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図、図46は、同側面図、図47は、バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【0169】
図45及び図46に示すように、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50sは、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。U字型のアーム51とバー52の間には引張コイルバネ56sが嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0170】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53にインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに引張コイルバネ56sがバー53に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー53に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー53に対する付勢力は小さくなる。
【0171】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー53がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン52と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0172】
このように、ピン54とバー52と引張コイルバネ56sを備えたバックル50sをベルトに取り付ける。図47に示すように、ベルト131とベルト132との間にバックル50を取り付ける。ベルト131の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1311が設けられる。このループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1322が設けられる。このループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50sが装着される。
【0173】
ベルトを作業者が引っ張ると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、引張コイルバネ56sの付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルトにはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0174】
また、引張コイルバネ56sによるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0175】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0176】
1 押さえ板
2 パレット
3 荷物
10、10s、10t 荷崩れ防止締め具
11、11s、11x 締め付け用バックル
12 ベルト
13 ベルト
14 バックル
15 スプリング
16 カムバックル
50 バックル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記アームの先端部に第1のベルトが係合され、前記バーに第2のベルトが係合され、前記付勢バネによりベルト間の緩みを防止することを特徴とする緩み防止用バックル。
【請求項2】
前記エンドバーに突出量が調整可能なピンが設けられ、前記ピンの突出量により前記バーに付勢する付勢力を調整することを特徴とする請求項1に記載の緩み防止用バックル。
【請求項3】
U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記アームの先端部に第1のベルトの一端部が係合され、前記バーに第2のベルトの一端部が係合され、前記第1または第2のベルトの他端部にカムバックルが装着され、第2または第1のベルトの他端部が前記カムバックルに挿入されることを特徴とする緩み防止用バックルを用いた巻き締め具。
【請求項4】
パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具を有し、
前記荷崩れ防止用締め具は、
巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、
前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、
前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、を備え、
前記弾性手段は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンとを備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを備えることを特徴とする荷崩れ防止用締め具。
【請求項5】
前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項6】
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に少なくとも前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、すくなくとも前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項7】
パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具を有し、
前記荷崩れ防止用締め具は、
巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、
前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、
前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、を備え、
前記弾性手段は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンとを備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを備えることを特徴とする荷崩れ防止用締め具。
【請求項1】
U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記アームの先端部に第1のベルトが係合され、前記バーに第2のベルトが係合され、前記付勢バネによりベルト間の緩みを防止することを特徴とする緩み防止用バックル。
【請求項2】
前記エンドバーに突出量が調整可能なピンが設けられ、前記ピンの突出量により前記バーに付勢する付勢力を調整することを特徴とする請求項1に記載の緩み防止用バックル。
【請求項3】
U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記アームの先端部に第1のベルトの一端部が係合され、前記バーに第2のベルトの一端部が係合され、前記第1または第2のベルトの他端部にカムバックルが装着され、第2または第1のベルトの他端部が前記カムバックルに挿入されることを特徴とする緩み防止用バックルを用いた巻き締め具。
【請求項4】
パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具を有し、
前記荷崩れ防止用締め具は、
巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、
前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、
前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、を備え、
前記弾性手段は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンとを備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを備えることを特徴とする荷崩れ防止用締め具。
【請求項5】
前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項6】
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に少なくとも前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、すくなくとも前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項7】
パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具を有し、
前記荷崩れ防止用締め具は、
巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、
前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、
前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、を備え、
前記弾性手段は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、前記エンドバーに突出量が調整可能なピンとを備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを備えることを特徴とする荷崩れ防止用締め具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【公開番号】特開2012−162310(P2012−162310A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25145(P2011−25145)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(303028022)富士物流株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(303028022)富士物流株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]