説明

緩衝梱包袋

【課題】本発明は、被梱包品に対する外部からの衝撃を緩衝することのできる梱包袋を提供する。
【解決手段】第1面部2と第2面部3とを対向させ、開口部14を残して周縁部6b、6c、6dを接合して形成された緩衝梱包袋1において、第1面部2及び第2面部3は、それぞれ内装フィルム4と外装フィルム5とが重ね合わされて形成され、内装フィルム4と外装フィルム5との間に緩衝気体用空間11が形成されるようにその周縁部6b、と6c、6d又は該周縁部近傍を巡る部分7、9とが接合され、巡る部分6c、6d又は7、9の一部が非封止部とされて該非封止部13が緩衝気体用空間内11に緩衝気体を注入する注入口13とされていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被梱包品に対する外部からの衝撃を緩衝することのできる緩衝梱包袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医薬品関係では、例えばガラス製の点眼薬やPTP包装させた錠剤、食品関係では、例えば洋酒等を入れたチョコレート、精密機器では、例えばプリンター用のインクカートリッジやガラス製の太陽電池パネルなど、外部からの衝撃や熱などから保護することが必要な内容物を収納する梱包体として、いわゆるバックインボックスや、梱包袋を二重構造とし、その外層に空気を密封してクッション性を持たせて被梱包品の保護を図る梱包袋がある。
【0003】
かかる梱包袋には、例えば、内側袋と外側袋を筒状に重ね一端が溶着されたものに被梱包品が投入できるようにされており、内側袋と外側袋とによって形成される外層に気体を封入し、梱包袋の他端を溶着するにあたっては、筒状体の他端の外層に通ずる開口部にノズルを挿入しておき、開口された他端を溶着しつつ気体を充填した後、すばやくこれを引き抜いて他端全体の開口を一体的に溶着するものがある。
【特許文献1】特開平9−240730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のような従来の梱包袋によっては、梱包袋の他端を閉じて密封する作業において、外層に充填された気体を逃さないようにしつつ挿入されたノズルを引き抜くのが容易ではなく、高度な熟練を要するという問題があった。
また、梱包袋に被梱包物を入れ、かつ、気体を充填した後は、開口部が開きやすくしわがより易くなっているため、被梱包物を投入した後の他端を溶着しながら外層の開口部を隙間なく接合するのは一層困難となるという問題があった。
【0005】
また、特許文献1のような従来の梱包袋によっては、被梱包物の入口開口部と気体が密封される外層の開口部が一体として接合されているものであるため、一度開封して被梱包物を取り出せるようにすると、外層部も破れて気体が抜けてしまい、緩衝可能な梱包袋として再利用できなくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、気体を封入する開口部を容易に接合することができ、気体封入の開口部とは別に被梱包物の入口開口部を開封することができる緩衝梱包袋を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供している。
第1の発明は、第1面部と第2面部とを対向させ、開口部を残して周縁部を接合して形成された緩衝梱包袋において、前記第1面部及び前記第2面部は、それぞれ内装フィルムと外装フィルムとが重ね合わされて形成され、前記内装フィルムと前記外装フィルムとの間に緩衝気体用空間が形成されるようにその周縁部又は該周縁部近傍を巡る部分が接合され、前記巡る部分の一部が非封止部とされて該非封止部が前記緩衝気体用空間内に緩衝気体を注入する注入口とされていることを特徴とする。
第2の発明は、前記内装フィルムと外装フィルムとが、少なくとも前記注入口部分において前記緩衝気体用空間を形成する部分から外方へ向けて延出する延出部を有し、
かつ、該延出部を構成する内装フィルムと外装フィルムとは、前記注入口に連通する緩衝気体導入空間を形成するようにその周縁部が接合され、該延出部における前記外装フィルムには緩衝気体導入口が形成されていることを特徴とする。
第3の発明は、前記緩衝気体導入口が、前記外装フィルムに設けた穴又は線状の切り込みであることを特徴とする。
第4の発明は、前記緩衝気体導入口が、十字状又は馬蹄形の切り込みであることを特徴とする。
第5の発明は、前記第1面部及び前記第2面部が矩形形状とされると共に、前記開口部が前記矩形形状の一辺部分に形成されていることを特徴とする。
第6の発明は、前記内装フィルムと前記外装フィルムとが前記一辺より内方位置において該一辺に沿って第2接合部が形成されるよう接合され、前記一辺と反対側の他の辺から内方位置において該他の辺に沿って第1接合部が形成されるよう前記内装フィルムと前記外装フィルムとが接合されていることを特徴とする。
第7の発明は、前記内装フィルムと前記外装フィルムとが、前記一辺に隣り合う互いに対向する側部の辺部分に、前記周縁より内側へ織り込んだガゼットが形成されていることを特徴とする。
第8の発明は、前記内装フィルムに、前記第2接合部近傍に設けられ、前記開口部を開閉自在とするファスナーを設けてなることを特徴とする。
第9の発明は、前記内装フィルムと前記外装フィルムとが、これら内装フィルムと外装フィルムを切り裂くノッチが前記第2接合部と前記第1接合部との間に形成されていることを特徴とする。
第10の発明は、前記内装フィルムと前記外装フィルムとに、前記開口部が形成されている側において、吊り下げ用の孔が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、緩衝気体用空間が緩衝気体を注入する一部の非封止部のみを残して予め封止されているため、非封止部を被梱包物の入口開口部とは別々に接合することが可能となり、また、これを熟練を要さず容易に行うことができるという効果が得られる。
また、緩衝気体の注入口を開封せずに被梱包物の入口開口部を開封することができ、緩衝気体用空間を破損することなく被梱包物の出し入れが可能となるという効果が得られる。
また更に、一旦緩衝梱包袋が開封された後においても、第1面部及び第2面部のそれぞれの内装フィルムの内面上に設けられたファスナーによって、内部の開閉を自在とすることが可能となるという効果が得られる。
また、ノッチが設けられていることによって、緩衝梱包袋の廃棄時において、緩衝気体用空間に充填された気体を抜くことが容易となるという効果が得られる。
さらに、緩衝気体用空間が第1面部及び第2面部の長さ方向内側において、第1接合部及び第2接合部によって形成されていることにより、緩衝気体用空間を破損することなく、吊り下げ用孔が備えられているため、店舗などにおいて吊り下げ陳列が可能となるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態の緩衝梱包袋について、図1から図4を参照して説明する。ここで説明する緩衝梱包袋1は、その内部に被梱包体を挿入するものであって、被梱包体に対する外部からの衝撃を緩衝するものであるが、図1は内部に被梱包物50を挿入していない状態、図2は内部に被梱包物50を挿入した状態、また、図3は内部に被梱包物50を挿入して緩衝気体を充填した状態を示すものである。
図1(a)は、被梱包体50が入っておらず緩衝気体も充填されていない緩衝梱包袋1の上方から視た斜視図であり、図1(b)はかかる緩衝梱包袋1をA−A線において矢印方向に視た場合の断面図である。
【0010】
緩衝梱包袋1は、第1面部2と第2面部3とからなり、第1面部2と第2面部3とは同一の構成となっている。第1面部2は、内装フィルム4と外装フィルム5とからなっている。
【0011】
内装フィルム4は、熱可塑性樹脂で熱溶着が可能な、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)等のシーラント材が用いられる。
【0012】
外装フィルム5は、ナイロンフィルム(Ny)、ポリエチレンテフタレートフィルム(PET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、アルミニウム箔(Al箔)あるいは、NyやPET、OPPに、金属アルミニウム(Al)、アルミナ、または、シリカなどの無機物を蒸着した蒸着フィルム等からなる、単層、または、多層の基材フィルムに、熱可塑性樹脂で熱溶着が可能なLDPE、LLDPE、CPP等のシーラント材を設けたものが用いられる。
【0013】
内装フィルム4と外装フィルム5とは、それぞれ同一寸法の長辺と短辺(正方形を含む)とからなる矩形に形成されたものであり、各辺を構成する周縁部6a、6b、6c、6dにおいて帯状に密着して接合されている。
【0014】
さらに、内装フィルム4と外装フィルム5とは、緩衝気体用空間11を形成することができるように、周縁部6cより長さ方向内側において、周縁部6cに沿って帯状に接合された第1接合部7を有し、周縁部6aより長さ方向内側において、一部の非接合部8を側辺部近傍において残して、周縁部6aに沿って帯状に接合された第2接合部9を有している。
【0015】
更に、内装フィルム4と外装フィルム5とは、第2接合部9の注入口8に臨む端部mと周縁部6aとの間が周縁部6bに平行となるように帯状に接合され、第3接合部10が形成されている。
この構成において、注入口8の外方部分、すなわち周縁部6aの一部6a−1、周縁部6bの一部6b−1、及び、第3接合部10で囲まれた部分は延出部12を構成しており、この部分は後述するようにノズル等を挿入して緩衝気体を緩衝気体用空間11に導入する部分となっている。
延出部12において、外装フィルム5には、気体を導入するノズルを挿入する十字状の切り込み13が形成されている。
【0016】
緩衝梱包袋1は、第1面部2と第2面部3とを、互いにそれぞれの内装フィルム4、4が向き合うように重ねあわされ、被梱包品を挿入する開口部14を残してその周縁部6b、6c、6dが隙間なく溶着されている。
【0017】
第1面部2及び第2面部3それぞれの内装フィルム4、4同士の間には、図3に示すように開口部14を開閉自在とするファスナー17が配されている。
【0018】
次に、緩衝梱包袋1の作製方法について、図4を用いて説明する。
図4は、緩衝梱包袋1を作製する装置40の概略構成を示す図であって、符号41、42は第1面部2を構成する内装フィルム4及び外装フィルム5の巻取軸を、43、44は第2面部3を構成する内装フィルム4及び外装フィルム5の巻取軸を示す。L1〜L4、L5〜L8は各々、内装フィルム4及び外装フィルム5をガイドするガイドローラーを示す。巻取軸41、43には内装フィルム4が、巻取軸42、44には外装フィルム5がそれぞれ巻取られている。
【0019】
この装置40を起動すると、外装フィルム5が巻取軸42から引き出され、ガイドローラーL1、L2に案内されて、L1−L2間においてパンチPにより十字状又は馬蹄形の切り込み13が形成され、ガイドローラーL3において、内装フィルム4と外装フィルム5とが重ねあわされる。そして、この一組の内装フィルム4及び外装フィルム5は、L3、L4に案内されて一方向に移動させられ、第1シール部A及び第2シール部Bにおいて、図示しない溶着機構によってそれぞれ内装フィルム4と外装フィルム5との周縁部及び第1接合部から第3接合部が熱融着され、第3シール部Cにおいて冷却シールされる。これにより、第1面部2が形成される。
同様にして、巻取軸44から外装フィルム5が引き出され、ガイドローラーL5、L6に案内されて、L5−L6間において十字状又は馬蹄形の切り込み13がパンチPにより形成され、ガイドローラーL7において、内装フィルム4と外装フィルム5とが重ねあわせられる。そして、この一組の内装フィルム4及び外装フィルム5は、L7、L8に案内されて一方向に移動させられ、第4シール部A及び第5シール部Bにおいて、図示しない溶着機構によってそれぞれ内装フィルム4と外装フィルム5との周縁部及び第1接合部から第3接合部が熱融着され、第6シール部Cにおいて冷却シールされる。これにより、第2面部3が形成される。
第1面部2と第2面部3とは、ガイドローラーL9において重ねあわされ、第7シール部E、第8シール部Fにおいて熱融着され、第9シール部Gにおいて冷却シールされる。
この様にして接合された第1面部2及び第2面部3は、周縁部6cにおいて図示しないカット機構によりカットされ、緩衝梱包袋1となる。
【0020】
緩衝梱包袋1は、図5に示すように、幅広のフィルム18に第1面部2と第2面部3の外装フィルム5を並行に割付け、カッター48により切り込みを設けた後これを分断し、第1面部2用外装フィルム5及び第2面部3用外装フィルム5とすることができる。この場合、外装フィルム5に形成する切り込み13は、分断前のフィルム18に形成しておく。緩衝梱包袋1の作製方法について、この点を除けば上述の作製方法と同様である。
このように、カッター48により切り込みを設けた後、フィルム18を分断して第1面部2と第2面部3のそれぞれの外装フィルム5とする作製方法によると、表裏の切り込みの位置関係が合わせやすくなる。また、外装フィルム5の表裏を見やすくすべく、外装フィルムに印刷があってもよい。これにより、切り込みと印刷の位置関係を合わせるのが容易となる。
【0021】
次に、緩衝梱包袋1の使用方法について説明する。
図2(a)(b)に示すように、開口部14より被梱包物50を挿入し緩衝梱包袋1の中央部に位置させる。このとき、緩衝気体用空間11には気体が送入されていないため、図2(b)に示すように、被梱包体が収納される内部15内の被梱包物50は、自在に動きうる状態になっている。
次に、図6に示すように、気体送入用のノズル16を第1面部2の切り込み13から内装フィルム4と外装フィルム5の間に挿入し、緩衝気体用空間11に気体を吹き込む。適度な量の気体が緩衝気体用空間に送入されたら、気体が緩衝気体用空間11から漏れないように延出部12を押さえつつノズル16を引き抜き、注入口8を熱融着で溶着させ密封する。
同様にして、第2面部3の緩衝気体用空間11にも気体を送入し、注入口8を閉じて密封する。
第1面部2及び第2面部3の双方に気体を充填し終えたら、図3(a)に示すように、周縁部6aを溶着して開口部14を封止する。緩衝梱包袋1は、図3(a)をA−Aにおいて矢印方向に見た段面図3(b)に示すように、緩衝気体用空間11によって被梱包物50が囲まれ、物収納空間15のスペースが大きく減じられるため、動き難くなり、気体が充填された第1面部2と第2面部3により保護されることになる。
以上のようにして、第1面部と第2面部との両面に気体が保持された緩衝効果の高い緩衝梱包袋1とすることができる。
【0022】
この発明によると、緩衝気体用空間11が緩衝気体を注入する一部の非封止部(注入口8)のみを残して予め封止されているため、注入口8を被梱包物の開口部14とを別々に接合することが可能となり、また、これを熟練を要さず容易に行うことができるという効果が得られる。注入口8の密封と開口部14との封止は、同時に行っても良い。
また、緩衝気体の注入口8を開封せずに被梱包物50の入口開口部14を開封することができ、緩衝気体用空間11を破損することなく被梱包物50の出し入れが可能となるという効果が得られる。
また更に、一旦緩衝梱包袋1が開封された後においても、第1面部2及び第2面部3の内装フィルム4、4の内面上に設けられたファスナー17によって、内部15の開閉を自在とすることが可能となる。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態の緩衝梱包袋20を図7を用いて説明する。ここでの説明は第一の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、緩衝梱包袋20は緩衝梱包袋1と同様の構成を有する部分においては、第1実施形態と同様の符号を付す。
緩衝梱包袋20は、第1面部2及び第2面部3にそれぞれ、開封用のノッチ21と、緩衝梱包袋20の使用後廃棄の際に、気体を抜くために緩衝気体用空間11部を破るためのノッチ22とが備えられており、また、第1面部2と第2面部3とは両側辺がガゼット24で接合されている。さらに、緩衝梱包袋20の開口部側において、吊り下げ用の孔25が形成されている。
【0024】
ノッチ21は、第1面部2と第2面部3とのそれぞれに、周縁部6b、6dにおいて、第2接合部9よりも上方において形成され、第1面部2又は第2面部3が緩衝気体用空間11の部分において破損しないようにされている。
【0025】
一方ノッチ22は、周縁部6b、6dにおいて、第2接合部よりも下方において形成され、第1面部2又は第2面部3が緩衝気体用空間11を破りやすいようにされている。
【0026】
ガゼット24は、互いに重ね合わされた第1面部2と第2面部3の両側辺部に、周縁部より内側に織り込んで形成されるものである。ガゼット24は一重以上のフィルムよりなる。
【0027】
吊り下げ用孔25は、緩衝梱包袋20の幅方向中央部において、開口部付近において形成されている。
【0028】
第2実施形態の緩衝梱包袋20の作製方法は、図4において二点鎖線で示すように前述した第一実施形態の作製方法に加えて、ガゼットフィルム60の巻取軸45、46を備えた装置を用い、このガゼットフィルム60の巻取軸45、46にガゼットフィルム60を巻回し、これを引き出して第1面部2と第2面部3がL9において重ねあわされる際に、ガゼットフィルム60を第1面部及び第2面部の両側面に挟み込んで、第1面部2と第2面部3の周縁部を第7シール部Eにおいて溶着する際に一体的にガゼットフィルム60を溶着する。
【0029】
第2の実施形態によると、緩衝梱包袋20の開口部14が封止された後に、被梱包物50を取り出すためにノッチ21によって、容易に緩衝梱包袋20を開封させることが可能となるという効果が得られる。
また、ノッチ22が設けられていることによって、緩衝梱包袋20の廃棄時において、緩衝気体用空間に充填された気体を抜くことが容易となるという効果が得られる。
さらに、緩衝気体用空間が第1面部及び第2面部の長さ方向内側において、第1接合部及び第2接合部によって形成されていることにより、緩衝気体用空間を破損することなく、吊り下げ用孔25が備えられているため、店舗などにおいて吊り下げ陳列が可能となるという効果が得られる。
【0030】
上記の第1実施形態及び第2実施形態においては、それぞれ内装フィルム4と外装フィルム5とを重ねてなる互いに分離した第1面部2と第2面部3を重ね合わせて(第2実施形態においては、ガゼットフィルム60を両側部に配する。)緩衝梱包袋1、20を作製したが、第1面部2及び第2面部3を、各1枚の内装フィルム4と外装フィルム5とを重ね合わせ、これを折り畳んでその周縁部を溶着して接合させることにより緩衝梱包袋1、20を作製することも可能である。
【0031】
以上、本発明の実施形態と本発明による効果について説明してきたが、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0032】
例えば、内装フィルム4は、Ny、PET、OPP、Al箔、あるいは、NyやPET、OPPに、金属アルミニウム、アルミナ、または、シリカなどの無機物を蒸着した蒸着フィルム等からなる、単層、または、多層の基材フィルムの基材の両面に、熱可塑性樹脂で熱溶着が可能なLDPE、LLDPE、CPP等のシーラント材を設けたものを用いることも可能である。これにより、内装フィルムのバリア性や強度を調整することが可能となる。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、緩衝気体用空間11を形成する接合部として幅方向に第1接合部及び第2接合部を設けているが、緩衝梱包袋の形状に合わせて周縁部より内側に適宜設けることができる。
また、延出部12は、緩衝梱包袋1及び20の矩形の開口部側角部に設けられているが底部に設けることも可能であり、あるいは、矩形の外側に飛び出るように形成することも可能である。これにより、ノズルを挿入しやすい方向に延出部を設けて、より簡便に気体を挿入することが可能となる。
また、ガゼットは二重構造とされていても良く、また底部に設けることも可能である。
また、切り込み部13においては、逆止弁を設けても良い。
ノッチ21からの緩衝梱包袋の開封を、直線に容易にカットするために、第1面部及び第2面部にハーフカットをレーザー加工などにより、開封予定線に設けても良い。
気体は、緩衝の目的には空気でも良いが、バリア性の観点から、窒素などの不活性気体を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は、本発明の第一実施形態として示した緩衝梱包袋の構成を示す図であって、この緩衝梱包体を上方から見た斜視図であり、(b)は、図1(a)の緩衝梱包袋をA−A線において矢印方向に視た断面図である。
【図2】(a)は、本発明の第一実施形態として示した緩衝梱包袋の構成を示す図であって、その内部に被梱包物を挿入した状態の斜視面図であり、(b)は、図2(a)の緩衝梱包袋をA−A線において矢印方向に視た断面図である。
【図3】(a)は、本発明の第一実施形態として示した緩衝梱包袋の構成を示す図であって、その内部に被梱包物を挿入し緩衝気体を送入した状態の斜視面図であり、(b)は、図3(a)の緩衝梱包袋をA−A線において矢印方向に視た断面図である。
【図4】は、本発明による緩衝梱包袋を作製する装置を示す概略構成図である。
【図5】は、本発明による緩衝梱包袋を作製する装置を示す概略構成図である。
【図6】は、本発明の第1実施形態として示した緩衝梱包袋の緩衝気体用空間に気体を供給する方法を説明するための説明図である。
【図7】は、本発明の第2実施形態として示した緩衝梱包袋の構成を示す図であって、この緩衝梱包体を上方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 緩衝梱包袋1
2 第1面部
3 第2面部
4 内装フィルム
5 外装フィルム
6 周縁部
7 第1接合部
8 非封止部(注入口)
9 第2接合部
10 第3接合部
11 緩衝気体用空間
12 延出部
13 緩衝気体導入口(切り込み)
14 開口部
15 内部
17 ファスナー
21、22 ノッチ
24 ガゼット
25 吊り下げ用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面部と第2面部とを対向させ、開口部を残して周縁部を接合して形成された緩衝梱包袋において、
前記第1面部及び前記第2面部は、それぞれ内装フィルムと外装フィルムとが重ね合わされて形成され、
前記内装フィルムと前記外装フィルムとの間に緩衝気体用空間が形成されるようにその周縁部又は該周縁部近傍を巡る部分が接合され、
前記巡る部分の一部が非封止部とされて該非封止部が前記緩衝気体用空間内に緩衝気体を注入する注入口とされていることを特徴とする緩衝梱包袋。
【請求項2】
前記内装フィルムと外装フィルムとは、少なくとも前記注入口部分において前記緩衝気体用空間を形成する部分から外方へ向けて延出する延出部を有し、
かつ、該延出部を構成する内装フィルムと外装フィルムとは、前記注入口に連通する緩衝気体導入空間を形成するようにその周縁部が接合され、
該延出部における前記外装フィルムには緩衝気体導入口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝梱包袋。
【請求項3】
前記緩衝気体導入口は、前記外装フィルムに設けた穴又は線状の切り込みであることを特徴とする請求項2に記載の緩衝梱包袋。
【請求項4】
前記緩衝気体導入口は、十字状又は馬蹄形の切り込みであることを特徴とする請求項3に記載の緩衝梱包袋。
【請求項5】
前記第1面部及び前記第2面部が矩形形状とされると共に、
前記開口部が前記矩形形状の一辺部分に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の緩衝梱包袋。
【請求項6】
前記内装フィルムと前記外装フィルムとが前記一辺より内方位置において該一辺に沿って第2接合部が形成されるよう接合され、
前記一辺と反対側の他の辺から内方位置において該他の辺に沿って第1接合部が形成されるよう前記内装フィルムと前記外装フィルムとが接合されていることを特徴とする請求項5に記載の緩衝梱包袋。
【請求項7】
前記内装フィルムと前記外装フィルムとは、前記一辺に隣り合う互いに対向する側部の辺部分に、前記周縁より内側へ織り込んだガゼットが形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の緩衝梱包袋。
【請求項8】
前記内装フィルムに、前記第2接合部近傍に設けられ、前記開口部を開閉自在とするファスナーを設けてなることを特徴とする請求項6に記載の緩衝梱包袋。
【請求項9】
前記内装フィルムと前記外装フィルムとが、これら内装フィルムと外装フィルムを切り裂くノッチが前記第2接合部と前記第1接合部との間に形成されていることを特徴とする請求項6から8に記載の緩衝梱包袋。
【請求項10】
前記内装フィルムと前記外装フィルムとに、前記開口部が形成されている側において、吊り下げ用の孔が形成されていることを特徴とする請求項6から9に記載の緩衝梱包袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−89808(P2010−89808A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259995(P2008−259995)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】