説明

練炭製造プロセス

水分含有瀝青炭および亜瀝青炭などの粒子状物質で練炭製造するためのプロセスおよびシステムを提供する。本プロセスは、粒子状物質を部分的に乾燥させることと、供給中に水蒸気が粒子状物質から放出されるような条件下で、部分的に乾燥した粒子状物質を練炭製造装置(38)に供給することとを含む。粒子状物質は、練炭形成ローラー(44、46)を通過して練炭(47)を形成する。放出された水蒸気は、粒子状物質を包囲する、および/または粒子状物質と混合した雰囲気からの、大部分の他のガス状成分の進入を実質的に移動または防止する。練炭製造装置に供給される粒子状物質は、それが練炭製造装置の練炭形成部に進入する箇所において、粒子状物質が練炭形成中に圧縮されるときに、水蒸気が液化して、そのように形成された練炭中のガス状物質の圧力蓄積が最小限に抑制されるように、70〜100体積%の水蒸気を含有するガス状成分によって包囲され、それと混合される。ガス状成分の圧力蓄積のこのような低下も、石炭微粉が練炭に形成されるときにガスの逆流を減少させるように作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質、特にこれに限定されるわけではないが水分を含有する物質で練炭製造するプロセスおよびシステムに関する。本発明は特に、水分を含有する有機物質、たとえば泥炭、亜炭、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭および無煙炭で練炭製造するのに適している。
【背景技術】
【0002】
本発明は、水分を含有する有機物質、たとえば泥炭、亜炭、褐炭、亜瀝青炭および瀝青炭で練炭製造するのに特に適している。本発明は、亜瀝青炭および瀝青炭で練炭製造するのに特に適しており、説明の便宜および簡略化のために、本発明は亜瀝青炭および瀝青炭の練炭製造に関して説明する。しかしながら、本発明が瀝青炭および亜瀝青炭での練炭製造に限定されないことと、本発明が他の有機または無機物質、そして実際に、水分を含有するまたは含有しない他の物質での練炭製造に使用できることが理解されるであろう。
【0003】
亜瀝青炭は、比較的高い水分レベルを有する(最大35重量%の水分)。このことが石炭の発熱量を低下させるだけでなく、これらの石炭に関連する非常に高い水分レベルを運搬することに関連する低い経済性のために、亜瀝青炭は輸出市場からほぼ完全に排除される。この水分の除去は、亜瀝青炭中の大半の水の化学結合特性のために、熱乾燥段階を必要とする。しかしながら水の除去は、そのような石炭の一層の受容および使用を妨げる、さらなる問題を引き起こす。特に亜瀝青炭はいったん乾燥させると、深刻な自然燃焼問題および相当なサイズ低下を被る。結果として、乾燥プロセスは、石炭に関連する微粉の量を増加させる傾向にある。
【0004】
瀝青炭は、亜瀝青炭よりも高い発熱量および低い内在水分量を有する、より高いランクの石炭である。瀝青炭は亜瀝青炭よりも輸送に適しているが、採掘、洗浄および取扱操作中に過剰な微粉の生成を被ることがある。そのような微粉は使用しにくく、製品の損失となる。遊離表面水分も微瀝青炭の問題を引き起こし、25重量%にも上る。これは石炭の利用可能なエネルギー含有量を減少させるため問題を引き起こし、石炭の処理特性に対して深刻な影響を及ぼすことがある。
【0005】
多くの冶金ランク以上のボイラー用炭では、石炭の粉砕性は、水分含有量をそうでなければ許容可能な値まで減少させた場合でも、全洗浄炭中の微小物質の割合が市場での問題を引き起こすのに十分なほどである。この問題を解決するための考えられる解決策は、石炭のより大きい粒子を形成するための石炭による練炭製造を含む。しかしながら練炭製造という解決策は、市場で魅力があり、扱いやすく耐久性のある形への微粉の再構築を供給すると同時に、全体の収益性閾値を超えて生産コストを上昇させないことが必要である。
【0006】
石炭による練炭製造は、19世紀末期から実施されてきた。石炭練炭製造の従来の手法は、石炭粒子を共に結合してより大きい塊にするために、石炭粒子を結合剤と混合することを含んでいた。試した結合剤は、有機結合剤、たとえばコールタールピッチ、石油ビチューメンおよびアスファルト、木タール、合成および天然樹脂、デンプン、亜硫酸液、糖および糖液、セルロース化合物、野菜パルプ、アルギン酸塩、グルーまたはガム、アルブメート、カゼイン、泥炭、亜炭および木質を含む。使用されてきた無機結合剤は、セメント、粘土、石灰、マグネシア、石膏、ケイ酸ナトリウムまたは他のケイ酸アルカリを含む。上の2つ以上のブレンドを含む化合物結合剤も試されてきた。
【0007】
石炭による練炭製造で使用する結合剤を判定する基準は:
・練炭製造される石炭の種類
・練炭の強度および取扱特性
・水分および耐候性
・燃焼特徴
・石炭の物理特性に対する効果
・燃焼中の練炭の物理的完全性
・結合剤またはその分解および燃焼生成物の毒性
・結合剤のコスト
・結合剤使用のための処理コスト、たとえばブレンドおよび硬化
を含む。
【0008】
結合剤を含む石炭練炭での経験は、上の基準をすべて満足する一般に利用できる石炭結合剤がいまだに発見されていないことを示している。たとえばピッチ、ビチューメンおよびアスファルトは十分な強度および耐水性を与えるが、発煙燃焼、毒性問題、コークス化特性への変化、高コストおよび高加工コストといった問題を生じる。デンプンは良好な強度および清浄な燃焼をもたらすが、高価であり、耐候性が低い。亜硫酸液結合剤は少量の煙で燃焼するが、毒性の二酸化硫黄排気を生成し、低い耐候性を有する。糖、特に糖液は、劣悪な耐水性および耐候性分を有し、保管中にカビ増殖を被ることがある。セルロース型結合剤は通例、低い強度および迅速な劣化を被り、練炭は燃焼の早期段階で崩壊する傾向がある。無機結合剤はすべて、比較的低い強度、劣悪な耐候性および燃焼後の高い灰レベルを被ることが報告されている。
【0009】
結合剤成分を練炭に添加する必要性は、練炭生産の複雑さおよびコストも不可避的に上昇させる。
結合剤を使用した練炭生産に関する問題の一部を回避しようとするために、結合剤無しで練炭を生産する各種の試みが行われてきた。
たとえばKomarekらの名における米国特許第2,937,086号は、石炭粒子を気流乾燥器内の高温ガス流に供給することによって石炭で練炭製造するプロセスについて述べている。石炭粒子はガス流によって取込まれ、ガス流によって加熱されて、水を石炭から蒸発させる。石炭粒子はガス流によってサイクロン分離器まで運搬され、そこで高温の乾燥した石炭粒子はガス流から分離される。分離された石炭粒子はホッパー内に落下し、練炭を形成するために練炭製造装置のロールを通過する。この特許は、最大限の効率および操作のために、練炭製造装置に到達する直前の石炭の温度が、石炭の軟化点、たとえば初期可塑性のすぐ下であるべきことを示している。該特許はさらに、多くの石炭を約300〜700°F(約149〜371℃)の温度範囲内で適切な凝集体に圧縮できることを示した。
【0010】
Kalbの名における米国特許第5,046,265号は、亜瀝青炭の乾燥および練炭製造のための統合プロセスについて述べている。本プロセスにおいて、石炭は石炭粒子の分解を促進する条件下にて気流乾燥器内で乾燥させる。特に石炭粒子は、気流乾燥器内の高温のガス流に供給すると、高温ガス流に進入する粒子の熱衝撃が、石炭粒子の分解を引き起こす。そのように処理した石炭粒子は次に、一連のサイクロンによってガス流から分離される。分離されたガスは、少なくとも部分的に気流乾燥器に再循環させる。乾燥した石炭粒子は、練炭製造装置に供給する前に石炭を圧縮して、そこからガスを除去する脱ガス予備圧縮オーガーに供給される。この点で、乾燥した石炭粒子が石炭の粒子間の中間スペースを充填するガスを有することと、予備圧縮オーガーが石炭を圧縮して、中間体積を減少させ、それによってガスを石炭から放出させることが認識されるであろう。予備圧縮オーガーによって石炭から遊離されたガスは、小容量ファンおよび集じん機によって処理する。続いて予備圧縮石炭を練炭製造装置に供給する。
【0011】
米国特許第5,046,265号は、練炭製造プロセスに重要である、次の7つのパラメータを規定する:
1 物質の温度−耐水性および全体の練炭品質は、温度が周囲温度から約160〜180°F(71〜82℃)に上昇するときに、著しく改善することが認められた。しかしながら、物質を220°F(104℃)を超える温度まで加熱すると、練炭品質が低下し始めることも認められている。
2 供給サイズの一貫性。
3 脱ガスおよび予備圧縮。
4 圧縮圧。
5 酸素不足雰囲気の維持−該特許は、10%以下の範囲の水分含有量(乾燥していない亜瀝青炭物質固有の水分含有量よりも実質的に下であるが、本発明によって達成可能な4〜5%の好ましいレベルより上である)まで熱乾燥させた亜瀝青炭微粉が、通常の大気中の酸素濃度に暴露させたときに、周囲温度条件下でも迅速な自然爆発に近い自然発火を非常に起こしやすいことが既知であり、証明された事実であると述べている。このため、高温で乾燥した微細石炭を含有するプロセスシステムの全体の部分を不活性(酸素不足)条件下に維持する必要がある。本特許において、乾燥器からの不活性ガスの制御された「漏出」によって、システム全体が不活性ガス環境下に維持される。
6 練炭製造製品の冷却。
7 練炭製造システムへの供給物中で燃焼灰物質を最小限の量に維持すること。
【0012】
米国特許第5,046,265号に述べたプロセスシステムは、高い固有水分(30〜35%)、低いBTU値(8,200〜8,800BTU/ポンド)の亜瀝青炭などを、現在の市場およびユーザーのインフラストラクチャシステムの状況下で許容される取扱性特徴を同時に有する、高いBTU(11,000〜11,500BTU/ポンド)、低い水分(約5〜8%)の生成物に変換できることが示されている。
【0013】
国際特許出願第PCT/CA90/00056号(国際公開第90/10052号)は、外来の結合剤を用いずに瀝青炭で練炭製造する練炭製造プロセスについて述べている。本システムは、高圧ロール型練炭製造プレスを含む装置にて石炭微粉物質の高温、高圧モールド形成を使用する。システムは、陽圧、制御酸素、ガス再循環気流乾燥器および高いシステム効率で熱交換システムに供給するための直接練炭生成物を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
第一の態様において、本発明は、水分を含有する粒子状物質で練炭製造するプロセスであって、粒子状物質を部分的に乾燥させるステップと、練炭を形成するために、粒子状物質を練炭製造装置に供給して通過させる間に水蒸気が粒子状物質から放出されるような条件下で、部分的に乾燥した粒子状物質を練炭製造装置に供給するステップとを含むプロセスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
「部分的に乾燥した粒子状物質を練炭製造装置に供給する」という用語は、部分的に乾燥した粒子状物質を、乾燥器ガス流から分離されたときから、練炭製造装置に進入するときに移動させることに関与するステップを含む。それは、導管またはシュートを通じた移動、ホッパーまたは容器での短期保管および練炭製造装置への最終供給を含む。
【0016】
好ましくは部分的に乾燥した粒子状物質は、水蒸気が粒子状物質から放出され、それによって放出された水蒸気が実質的に粒子状物質を包囲する、および/または粒子状物質と混合した雰囲気からの高い割合の他のガス状成分の進入を移動および/または防止するような条件下で、練炭製造装置に供給される。さらに好ましくは、練炭製造装置に供給された粒子状物質は、練炭製造装置の練炭形成部に進入する箇所にて70〜100体積%の水蒸気を含有するガス状成分によって包囲される、および/またはガス状成分と混合される。結果として、練炭形成中に粒子状物質が圧縮されるときに、水蒸気が凝縮または液化して、そのように形成された練炭におけるガス状物質の圧力蓄積が最小限となる。本発明者らは、粒子状物質と混合された高い割合の非凝縮性ガスの存在によって引き起こされた以前の問題(練炭製造装置への粒子状物質の流れを妨害する粒子供給材料を通じたガスの逆流、練炭製造装置から除去されたときの練炭の爆発的な分解および強度の低下した多孔性練炭)が本発明において最小限に抑制または回避されることも発見した。
【0017】
第二の態様において、本発明は:
−粒子状物質を練炭製造装置に供給するステップと;
−供給中に凝縮性ガスを練炭製造装置に導入するステップと;
−練炭製造装置の練炭形成部で練炭を形成するステップであって、凝縮性ガスを凝縮させ、それにより練炭形成中のガス状成分のガス圧蓄積を低下させる温度および圧力の条件下で練炭が粒子状物質から形成される、ステップと;
を含む、粒子状物質で練炭製造するためのプロセスを提供する。
【0018】
本発明は:
−練炭製造装置と;
−粒子状物質を練炭製造装置に供給する手段と;
−凝縮性ガスを練炭製造装置に導入する手段であって、練炭形成装置が、練炭形成中に凝縮性ガスを凝縮させ、それによりガス圧蓄積を低下させる温度および圧力の条件下で、練炭が粒子状物質から形成される練炭形成部を含む、導入手段と;
を含む、粒子状物質で練炭製造するためのシステムにまで及ぶ。
【0019】
水蒸気が使用される最も一般的な凝縮性ガスであるが、フレオンなどの他の凝縮性ガスも、粒子状物質がさらに温度感受性または水分感受性である場合に使用できる。「凝縮性ガス」という用語は、練炭形成プロセス中に凝縮する傾向のあるガスを意味する。
【0020】
本発明の方法は、有機および無機物質はもちろんのこと、部分的に有機であり、部分的に無機である汚泥などの物質を練炭製造するためにも使用できる。無機物質の例は、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム、アルミナおよび赤泥を含む。方法およびシステムは、有機物質、たとえば木材粉塵、植物質、泥炭、褐炭、亜炭、亜瀝青炭および瀝青炭での練炭製造に特に適切である。本発明の方法は、褐炭、亜炭、亜瀝青炭および瀝青炭での練炭製造に特に適切である。
【0021】
本発明の方法は、粒子状物質を部分的に乾燥させるステップを包含する。粒子状物質を部分的に乾燥させるステップが気流乾燥器、特にガス再循環気流乾燥器で起こることが好ましい。該プロセスにおいて、粒子状物質は、導管内を流れる高温ガス流に注入される。粒子状物質は、粒子状物質の温度を上昇させる高温ガス流によって取り込まれる。これは乾燥プロセスを開始する。次に、取り込まれる粒子状物質を有するガス流は、粒子状物質がガス流から分離される1つ以上のサイクロンの中を通過する。
【0022】
1個または複数のサイクロンを出る分離されたガス流は、ガス再循環気流乾燥器に部分的に再循環され、過剰なガスは排出される。ガス流の排出部分は好ましくは、サイクロン内をガス流と共に通過する微粉を除去するために、バグハウスまたは他の適切な装置を通過する。
【0023】
ガス再循環気流乾燥器に再循環するガス流の部分は適切には、ファン、コンプレッサなどおよびガスヒーターまたは炉を通過し、それらは気流乾燥器への粒子状物質の注入前に、ガス流の温度を再度上昇させる。バグハウスを通じて排出されるガスの量は、ガスヒーターにて生成された燃焼生成物ガスの体積およびシステム内の粒子状物質から放出された非凝縮水蒸気の体積と、ほぼ一致する。分離サイクロンから回収された粒子状物質は、部分的に乾燥した状態にある。「部分的に乾燥した」とは、粒子状物質の水分含有量が供給粒子状物質の水分含有量から減少するが、さらなる水分をそこから除去することができるという意味である。
【0024】
部分的に乾燥した粒子状物質は次に、練炭製造装置に移動および供給される。サイクロンから練炭製造装置への粒子状物質の移動および供給は、粒子状物質を移動させるのに適切であることが当業者によって既知であるどの装置によっても行える。一部の例は、オーガー、コンベヤシステムおよび空気コンベヤを含む。
【0025】
部分的に乾燥した粒子状物質のさらなる乾燥が、練炭製造装置への粒子状物質の供給の間に行われることは、本発明の第一の態様の特徴である。当業者によって容易に理解されるように、練炭製造装置への供給中の粒子状物質のさらなる乾燥は、粒子状物質からの水分の放出を引き起こす。水分は水蒸気の形で放出され、水蒸気は、窒素、二酸化炭素および他のガスなどの非凝縮性ガスを、粒子状物質を包囲する、または粒子状物質と混合する雰囲気から移動させる役割を果たす。結果として、練炭製造装置に供給される粒子状物質およびガスの混合物のガス状成分は、高レベルの水蒸気を有する。水蒸気が凝縮性ガスであることと、練炭製造プロセス中に粒子状物質に印加される圧力が水蒸気を液化して、それにより練炭製造装置内を通過するガス状成分の体積を著しく減少させることが認識されるであろう。このことは、練炭製造装置に供給される粒子状物質を通じたガスの逆流を防止することはもちろんのこと、捕捉された非凝縮性ガスによって引き起こされる多孔性および練炭内に捕捉された圧縮非凝縮性ガスのポケットによって引き起こされる可能性のある練炭の爆発性分解を最小限にすることによって、そのように形成された練炭の品質を改良することを補助する。
【0026】
本発明のなおさらなる態様により:
−練炭形成部を有する練炭製造装置と;
−粒子状物質を部分的に乾燥させる手段と;
−部分的に乾燥した粒子状物質を練炭製造装置に供給する手段と;
−供給中に水蒸気が粒子状物質から放出されるような条件を作成する手段と;
を含む、水分を含有する粒子状物質で練炭製造するためのシステムが提供される。
【0027】
練炭製造装置は適切には、練炭製造ローラーを含む種類のものである。この種の練炭製造装置において、粒子状物質はローラーに供給される。ローラーは粒子状物質を圧縮する。好ましくは1つ以上のローラーが中に形成されたポケットを有し、そのポケットが練炭の形状の画成を補助する。ローラーは、粒子状物質が練炭製造装置内を通過するときにある量の剪断も印加する。圧縮と同様に剪断も印加することは、瀝青炭および亜瀝青炭などのある供給物質から練炭を形成するのに重要であると考えられている。
【0028】
粒子状物質を練炭製造装置または練炭製造ローラーに供給するのを補助するために、1つ以上の供給オーガーを使用して粒子状物質を供給することが好ましい。供給オーガーは、粒子状物質を予備圧縮し、空隙率を低下させ、粒子状物質の練炭製造装置への一貫した供給を確保するため有益である。その上、供給オーガーは、練炭製造装置に供給される粒子状物質を通じたガスの逆流を最小限に抑える、または回避するのを補助する圧縮時に粒子間から移動させられた放出ガスの、より蛇行性の経路を生成する。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、粒子状物質は、練炭製造装置のローラーに本質的に水平方向で供給される。
本発明者らは、ロールサイズおよび練炭ポケット幅のロール直径に対する関係が練炭の形成において、特に褐色亜瀝青炭または瀝青炭から練炭を形成する場合に、きわめて重要であることも見出している。したがって第二の態様において、本発明は、粒子状物質が通過する2つ以上のローラーを含む練炭製造装置に粒子状物質が供給される、粒子状物質で練炭製造するためのプロセスを提供し、前記ローラーの少なくとも1つが1つ以上の練炭製造ポケットを含み、ローラーの直径が100mm〜600mmの範囲であり、練炭ポケット幅のロール直径に対する比が0.05〜0.15の範囲に含まれることを特徴とする。
【0030】
本発明の第二の態様の好ましい実施形態において、ロール直径が400mm〜550mmの範囲に含まれ、練炭ポケット幅のロール直径に対する比が約0.08である。
特に好ましい実施形態において、本発明の第二の態様の方法は、本発明の第一の態様と併せて使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明をさらに十分に説明するために、ここで本発明の実施形態を、瀝青炭または亜瀝青炭から練炭を形成するためのプロセスの概略流れ図を示す図1を参照して説明する。図1に示すプロセスは瀝青炭または亜瀝青炭での使用のためのものであるが、本発明の第一および第二の態様のプロセスが他の粒子状物質から練炭を形成するために使用できることが認識されるであろう。
【0032】
図1に示した流れ図において、湿潤石炭は、湿潤石炭ホッパー10からオーガーコンベヤ12を通じてフラッシュヒーター立ち上がり管14に供給される。高温ガス流はフラッシュヒーター立ち上がり管14内を通過する。ファン16からガスヒーター18を通じてフラッシュヒーター立ち上がり管14までガスを通過させることによって、高圧ガス流が生成される。
【0033】
湿潤石炭供給がフラッシュヒーター立ち上がり管14内に供給される場合、石炭はガス流に取り込まれる。ガスが高温であるため、石炭の温度が上昇し、このことが石炭に含有された水分の一部を水蒸気に変換する。
ガス流および取り込まれた石炭は次に、分離サイクロン20、22に供給される。第一のサイクロン20は、ガス流から大部分の石炭を分離する。分離されたより大部分の石炭は、導管24を通じて収集ホッパー26まで通過する。第一のサイクロン20を出たガスは、導管28を通じて第二のサイクロン22へ通過する。第二のサイクロン22において、より微細な石炭の粒子がガスから分離される。より微細な石炭の粒子は導管30を通じて、収集ホッパー26内に移動する。より微細な石炭の一部は、燃料としてヒーター18に供給してもよい。
【0034】
第二のサイクロン22を出たガスは、導管32内を通過する。導管32を移動するガスの一部は、バグハウス34および通気孔36を介して排出される。ガスの残りの部分は、ファン16およびガスヒーター18を介してフラッシュ加熱立ち上がり管14へ再循環される。
【0035】
気流乾燥器または加熱立ち上がり管内のガス流の一部が再循環されるため、気流乾燥器内のガス流が、著しい量の水蒸気を有することが認識されるであろう。さらにガス流中の水蒸気の量は、ガス流中の湿潤石炭から水分が除去されるため、湿潤石炭のガス流への注入後に増加する。気流乾燥器14を通じて循環するガス流中の著しい量の水蒸気の存在およびガス流の他の構成要素、特にその酸素含有量の慎重な制御によって、気流乾燥器での爆発の危険を最小限に抑制または回避することができる。
【0036】
システムの一定の圧力を維持するために、ガスヒーター18で添加した燃焼生成物ガスが、生成物乾燥から生成した水蒸気と共に、通気孔36を通じてガスを移動させることも認識されるであろう。通気孔36を通じて排出されたガスの量は、ガスヒーター18で注入された燃焼ガスおよび粒子状物質の乾燥から発生した水蒸気の量の和と等しい。
【0037】
収集ホッパー26で収集された部分的に乾燥した石炭は次に、供給オーガー37によって練炭製造装置38に供給される。部分的に乾燥した石炭は、水蒸気が石炭から引き続き放出される条件下で、供給オーガー37から供給ホッパー39内へ通過する。これはさらに石炭の水分含有量を低下させ、窒素、二酸化炭素および他のガスなどの非凝縮性ガスを供給ホッパー39の環境から移動させる、放出水蒸気も生じさせる。結果として、練炭製造装置38に供給される石炭と混合した非凝縮性ガスの量は減少し、石炭と混合したガス雰囲気中の水蒸気の量は増加する。好ましくはガス雰囲気はこの時点で、70体積%〜100体積%、およびさらに好ましくは80体積%〜100体積%のH2Oを含む。ガス雰囲気が十分に飽和されていない状況では、追加の水蒸気を練炭製造装置38内に直接、供給ホッパー39または39A内に導入できる。
【0038】
図1Aでより明瞭に見られるように、供給ホッパー39は、オーガーモーター42によって駆動されるオーガー40を装着している。オーガー40は、石炭が練炭製造装置に確実に供給されるようにする。オーガー40は、練炭製造ロールによって圧縮される前に、石炭を部分的に圧縮する。
【0039】
練炭製造装置38は、2つのローラー44、46を装備している。一方のローラー44はその中に形成された練炭製造ポケット44Aを有し、もう一方のローラーは46Aに示すように好ましくは平滑であり、ポケットも装備している。石炭がローラーを通過するにつれて、石炭は圧縮され、剪断を受ける。印加される剪断の量は、2つのローラー間の速度差によって変化させることができる。通例、ローラーは20rpm〜100rpmの速度、好ましくは80〜90rpmで回転される。2つのローラー間の速度差は通例、+10%〜−10%である。ローラー44は、石炭粒子と、石炭粒子と混合され、石炭粒子を包囲するガス雰囲気の両方を圧縮するためにローラー間のニップに圧縮力を供給するガススプリング45Aを有するアキュムレータを装着した油圧ラム45上に配置されている。このガス雰囲気が水蒸気の多くの部分を含有しているため、水蒸気は圧縮の結果として液化する。これは圧縮中のガス圧上昇を大きく減少させる。石炭と混合されたガス雰囲気がより多くの部分の非凝縮性ガスを含有する場合、圧力制限凝縮効果は低下することが認識されるであろう。それゆえガス中の圧力蓄積は、供給ホッパー39に向かって逆流することによって練炭製造装置での圧縮中に逃げようとするガスをさらに生じさせる。このことは、練炭製造装置への石炭の供給を中断するガスの逆流を生じさせる傾向がある。代わりに、または加えて、非凝縮性ガスは、練炭中に含有された圧縮ガスのポケット内に圧縮することができる。練炭47がローラー44、46から放出されるときに、練炭に印加された外圧が放出される。結果として圧縮ガスのポケットは、練炭の爆発を潜在的に引き起こすことができる。したがって本発明は、本発明者らに既知の従来技術のプロセスに勝る、重大な進歩となっている。
【0040】
図1および1Aに示す実施形態は、本質的に下方垂直方向に移動している練炭製造装置38に供給されている石炭を示すが、図2に示した本発明の他の好ましい実施形態は、石炭が練炭製造ローラーに供給されるときに、本質的に水平方向に移動する石炭を規定する。図2において、供給ホッパー39Aには、オーガーモーター42によって駆動される水平に向けられたオーガー40Aが装着されている。オーガーは石炭を、ホッパー39Aの底部から水平オーガーパイプ41を通じてローラー44および46の間のニップに供給する。パイプ41がオーガーと比較的密接な嵌合を形成するため、これは逆圧を蓄積し、オーガーによって画成された蛇行性経路およびオーガー内の粒子状物質の得られた予備圧縮による逆流を減少させるのを補助するように作用する。上部開口41Aは、雰囲気中に排気しないが、図1の供給オーガー37に対して密結合を有する。図1に示したシステムは、一般に閉鎖システムであり、雰囲気中に排気するバグハウス通気孔36のみを有する。これはシステム全体が周囲雰囲気に対して陽圧下で動作することを可能にし、バグハウス通気孔36を介してガスを逃がす。瀝青炭および亜瀝青炭から練炭を製造するための、本出願の方法の具体的な例をここで説明する。
【0041】
石炭は、選別または粉砕のどちらかによって、プロセスのために0mm〜5mmの粒経範囲に調製する。湿潤供給石炭と混合する前の乾燥ガスの温度は、供給石炭の水分およびフラッシュ加熱立ち上がり管に装填する固体によって制御される。通例、図1に示すポイント19のガス流の温度(すなわち湿潤石炭と混合される前)は、乾燥器を出て、収集ホッパー26に進入するときに90℃〜150℃、さらに好ましくは105℃〜110℃の最終石炭温度を与えるように調整される。通例、図1のポイント19における乾燥器ガス温度は、約300℃〜400℃の範囲に当てはまる。
【0042】
乾燥器内のガスの組成も好ましくは慎重に制御する。ガス流は好ましくは、非常に低い酸素含有量(たとえば2%未満、さらに好ましくは1%以下)およびかなりの水蒸気比を有する。乾燥器中のガス組成の代表的な値を以下の表1に与える。
【0043】
【表1】

【0044】
本発明の方法で供給される供給石炭の粒径分布は、幅広い範囲に渡って変化可能である。実際面で、径の上限は、気流乾燥器で容易に乾燥および運搬できる最大粒径によって決定され、5mm以上である。本発明者らによってうまく練炭製造されたは代表的な径分布範囲を図3に示す。この図において、すべての範囲の最大粒径は3mm以下である。
【0045】
乾燥後の石炭粒子の径分布は好ましくは、乾燥前と実質的に同じである。乾燥中に熱的および機械的効果からの多少の分解があるが、これらは通常、些少なものと見なされる。この態様において、本発明のプロセスは、乾燥器のより下部にてより大きな石炭塊の熱分解を、それらが取り込まれる前に意図的に引き起こす米国特許第5,046,265号とは異なる。本手法が不満足であることが証明されたと考えられる。
【0046】
乾燥器から分離され、収集ホッパー26に収集された石炭は、部分的に乾燥した石炭である。そのため、さらなる乾燥によって除去できる、あるレベルの水分をなお含有している。瀝青炭の場合、練炭製造装置に供給される石炭の水分は好ましくは、石炭固有の水分よりも0%〜3%上である。このことは通例、1重量%〜10重量%、さらに好ましくは1重量%〜8重量%の瀝青炭の総水分含有量を意味する。
【0047】
亜瀝青炭の場合、練炭製造装置供給の総水分は、石炭の固有水分より低くなり、通例は3重量%〜10重量%の範囲で含まれるであろう。25〜30重量%の固有水分を有する、オーストラリア西部のコリー鉱山から採掘された亜瀝青炭の場合、最適練炭製造装置供給の水分含有量は、5%〜7%の範囲で含まれることが見出されている。
一般に、共に結合される粒子の表面は、表面水分および他の異物を本質的に含まないことが望ましい。
【0048】
本発明のプロセスの重要な特徴は、石炭粒子の間に配置されたガスが乾燥器を出た後に、すなわち練炭製造装置の供給ホッパー39において、50〜100%のH2O、さらに好ましくは70〜100%のH2O、およびなおさらに好ましくは80〜100%のH2Oを含有することである。このことは、乾燥器を出る石炭がなお多少の水分を有し、80℃より高い温度であるようにすることによって実現される。石炭は、練炭製造装置供給ホッパーにあるときに水蒸気を引き続き放出し、この水蒸気は、残りのN2、CO2およびO2を移動させる。石炭間の空隙を充填するガスが主に水蒸気であるようにすることによって、石炭粉末が圧縮されるときの脱ガスの問題を回避することができる。
【0049】
石炭の粒子間の空隙または中間スペースを充填するガスが、練炭製造装置に進入するときに、100〜200kPa(絶対)の範囲の圧力にて凝縮できるガスであることが、特に好ましい。石炭の粒子間の空隙を充填するガスが、練炭製造装置に進入するときに、50〜100%、さらに好ましくは70〜100%、およびなおさらに好ましくは80〜100%の水蒸気を含むことが、特に好ましい。温度は好ましくは100〜120℃、さらに好ましくは105〜110℃の範囲にあり、120〜143kPa(絶対)の蒸気圧に相当する。
【0050】
石炭を練炭製造装置に供給するオーガー40および40Aは、予備圧縮装置として作用する。以前に述べたように、予備圧縮装置がガスを逃がすために十分に蛇行性の経路を供給することと、予備圧縮装置スクリューの先端での石炭粒子間の蒸気圧が100〜200kPa(絶対)、およびさらに好ましくは120〜143kPaであることが好ましい。
練炭製造装置ロールおよび予備圧縮装置オーガー40への総電力入力は、石炭1トン当たり15〜30キロワット時の範囲であることが望ましい。
【0051】
2つの対向するローラー44、46は好ましくは、100mm〜600mmの範囲内である直径を有し、ローラーの好ましい直径は400mm〜550mmの間である。練炭ポケット幅のロール直径に対する比は、0.05〜0.15の範囲であり、好ましい比は約0.08である。
【0052】
ローラーは好ましくは、ロール幅1センチメートル当たり60kN〜150kNの範囲内の荷重を印加し、好ましい荷重は、直径460mmのロールではロール幅1センチメートル当たり115〜130kNである。これらの圧縮力を使用して、瀝青炭および亜瀝青炭から満足な練炭が完成されている。
【0053】
練炭化生成物47は、それが自然燃焼を受ける可能性を低下させるために、適切な温度および水分でプロセスを出なければならない。生成物温度は、それが保管されている間には50℃を超えるべきではなく、40℃未満の温度が好ましい。石炭はその平衡水分以下で乾燥される場合、石炭は周囲雰囲気から水分を吸収する傾向があり、それは練炭の温度を自然に燃焼しうるレベルまで上昇させることができる著しい量の熱の生成(吸収熱)を発生する可能性がある。結果として、練炭化生成物は、その水分レベルをその平衡水分付近に維持しながら、50℃未満に冷却する必要がある。
【0054】
練炭化/圧縮生成物の温度は練炭製造プレスから放出されたときに、高圧練炭製造プロセス自体により練炭で消費されたエネルギーの結果として、進入する高温の乾燥微細石炭供給の温度よりやや高くなるであろう。再構成形の物質の露出表面積が、供給物質の露出表面積よりも大きく減少しており、そのことはその自然発火を受ける傾向の低下を好都合に生じさせるが、それにもかかわらず、自然燃焼を防止し、通常の生産条件で取扱いできる生成物を作成するために、ある形の再構成/練炭製造後の冷却が必要であることが証明されている。
【0055】
生成物が貯蔵中に自然発火する可能性に対する悪影響を有する残留水分レベルの減少も引き起こすため、単に空気冷却では不十分である。
図1に見られるように、この冷却は、蒸発冷却によってこの生成物の温度を低下させるために、制御された量の水を新たに形成された生成物の表面に加えるシステムによって実現される。この冷却水は、生成物ストリームコンベヤベルト50の上に位置する散水ヘッド49によって練炭に当てられるであろう。生成物に加える冷却水の量は、自然燃焼を妨げ、取扱性を与える所望の凝集生成物流温度を得るために除去する必要のある熱の総量とバランスを取る。加える冷却水の量は、生成物の温度、すなわちプレスへの供給温度および圧縮の結果として加えられる熱ならびに生成物ベルト50上のベルトスケールによって測定された、生産される製品の総量の両方によって決定されるであろう。これらの2つのパラメータは組合せられ、それゆえ、散水ヘッドによって生成物に加えられた散水の体積の制御は、冷却が、品質の低下、より劣悪な取扱性および排水処理要求事項を引き起こす、過剰な水による不十分な飽和によってではなく、むしろ蒸発によって効果的に実施されるようになっている。
【0056】
その未加工形で25%〜30%の固有水分を有する亜瀝青炭で練炭製造するための具体的な実施例において、生成物の練炭は約9%〜11%の平衡水分レベルを有する必要がある。結果として生成物の水分は、冷却したときに6%〜10%、好ましくは40℃未満の温度にて7%〜9%であるべきである。
【0057】
本発明の方法は、多数の粒子状物質から練炭を形成する手段を提供する。本発明の第一の態様は、従来の練炭製造プロセスでの脱ガスに関連する問題を回避する。本発明の第二の態様は、実験室規模の練炭製造プロセスを工業規模にスケールアップするときに遭遇するスケールアップ問題を回避する。両方の態様が、粒子状物質の結合剤を用いない練炭製造を提供する。
【0058】
当業者は、本発明に特に述べた以外の変更または改良を行えることを認識するであろう。本発明が、その精神および範囲に含まれるそのようなすべての変更および改良を含むことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】瀝青炭または亜瀝青炭から練炭を形成するためのプロセスおよびシステムの概略流れ図である。
【図1A】図1の練炭形成装置の練炭形成部のより詳細な概略断面側面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態による練炭形成装置の練炭形成部の概略断面側面図である。
【図3】本発明のプロセスおよび装置を使用して練炭製造された径分布の代表的な範囲を表すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状物質で練炭製造するためのプロセスであって:
−前記粒子状物質を練炭製造装置に供給するステップと;
−供給中に凝縮性ガスを前記練炭製造装置に導入するステップと;
−前記練炭製造装置の練炭形成部で練炭を形成するステップであって、前記凝縮性ガスを凝縮させ、それにより練炭形成中のガス圧蓄積を低下させる条件下で練炭が前記粒子状物質から形成される、ステップと;
を含むプロセス。
【請求項2】
練炭形成プロセスにおいて前記凝縮性ガスが、前記粒子状物質を包囲する、または前記粒子状物質と混合した雰囲気からの大部分の他の非凝縮性ガス状成分の進入を移動または防止させる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記粒子状物質が液体を含有し、前記プロセスが、前記凝縮性ガスが前記粒子状物質の練炭形成装置への供給中に前記粒子状物質から放出されることにより、実質的に前記粒子状物質に含有された前記液体から実質的に導入される温度および圧力のガス形成条件下で、前記粒子状物質を前記練炭製造装置に供給するステップを含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記粒子状物質を前記練炭製造装置に供給する前に部分的に乾燥させるステップを含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記粒子状物質が70〜100体積%、好ましくは80〜100体積%の凝縮性ガスを含有するガス状成分に包囲された、および/またはそれと混合している、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記凝縮性ガスの凝縮が、前記練炭の形成中に練炭内のガス状物質の前記圧力蓄積を低下させるように作用する、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
石炭微粉が練炭に形成される前に、前記ガス圧蓄積の低下が前記粒子状物質を通じたガスの逆流を減少させるように作用する、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記練炭製造装置に供給するときに、ガスの逆流の減少または回避を補助するために、前記粒子状物質に逆圧を印加するステップを含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記凝縮性ガスの少なくとも一部が前記粒子状物質中の液体に由来せず、前記練炭製造装置に別個に導入される、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記凝縮性ガスが水蒸気である、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
水分を含有する粒子状物質で練炭製造するためのプロセスであって:
−前記粒子状物質を部分的に乾燥させるステップと;
−供給中に水蒸気が前記粒子状物質から放出されるような条件下で、前記部分的に乾燥した粒子状物質を練炭製造装置に供給するステップと;
−練炭を形成するために、前記粒子状物質を前記練炭製造装置の練炭形成部に通過させるステップと;
を含むプロセス。
【請求項12】
前記放出された水蒸気が、前記粒子状物質を包囲する、および/または前記粒子状物質と混合した雰囲気からの大部分の他のガス状成分の進入を実質的に移動させるまたは防止させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
練炭形成中に凝縮性ガスを凝縮させ、それによってガス圧蓄積を低下させる温度および圧力の条件下で練炭が前記粒子状物質から形成される、請求項11または12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記練炭製造装置に供給される前記粒子状物質が前記練炭製造装置の練炭形成部に進入する箇所において、前記粒子状物質が練炭形成中に圧縮されるときに、水蒸気が液化して、そのように形成された練炭中のガス状物質の体積が最小限に抑制されるように、70〜100体積%の水蒸気を含有するガス状成分に包囲され、またそれと混合している、請求項11から13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記粒子状物質が木材粉塵、泥炭、亜炭、褐炭、無煙炭ならびに瀝青炭および亜瀝青炭を含む有機物質の群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記形成された練炭が自然燃焼を防止するための蒸発冷却を受ける、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記蒸発冷却が、前記練炭の温度を50℃以下に低下させて、水分レベルを前記練炭の平衡水分レベル付近に維持するために、スプレー配置によって達成される、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記粒子状物質を部分的に乾燥させるステップが気流乾燥器で行われ、そこで前記粒子状物質は導管内を流れる高温ガス流に注入され、前記粒子状物質が前記粒子状物質の温度を上昇させる前記高温ガス流によって取り込まれ、次に前記取り込まれた粒子状物質を含むガス流が、前記粒子状物質を前記ガス流から分離する1つ以上のサイクロンを通過する、請求項4または11から14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記1個または複数のサイクロンを出た分離ガス流が前記気流乾燥器に部分的に再循環され、過剰なガスは排出され、前記ガス流の排出された部分が前記サイクロン内を前記ガス流と共に通過する微粉を除去するための微粉除去装置を通過する、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記気流乾燥器に再循環される前記ガス流の一部が、前記気流乾燥器への前記粒子状物質の注入前に再加熱され、排気されるガスの量が燃焼生成物ガスの体積および前記粒子状物質から放出された非凝縮水蒸気の体積に一致する、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記練炭製造装置の練炭形成部が前記粒子状物質の通過する2つ以上のローラーを含み、前記ローラーの少なくとも一方が前記練炭の形状の画成を補助するためにその中に形成されたポケットを有し、前記プロセスが、前記粒子状物質が前記ローラー間を通過し、前記練炭に形成されるときに、前記粒子状物質に規定量の剪断を印加するために前記ローラーを異なる速度で回転させるステップを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記ローラーの直径が100mmから600mmの範囲であり、練炭ポケット幅の前記ローラー直径に対する比が0.05から0.15の範囲に含まれる、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記ローラーの直径が400mmから550mmの範囲に含まれ、前記練炭ポケット幅の前記ローラー直径に対する比が約0.08である、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
少なくとも1つの予備圧縮オーガーを使用して前記粒子状物質を前記練炭製造装置に供給するステップと、蛇行性の経路を画成して前記練炭製造装置に供給される前記粒子状物質を通じたガスの逆流を最小限に抑制または回避するのを補助するために、前記予備圧縮オーガーおよび予備圧縮粒子状物質を使用して逆圧を前記粒子状物質に印加するステップとを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記粒子状物質が前記練炭製造装置のローラーに本質的に水平方向で供給される、請求項19から24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記粒子状物質が前記練炭製造装置に90℃から150℃の範囲のガス形成温度にて供給される、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記粒子状物質のガス形成温度が105℃から110℃の範囲である、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記凝縮性ガスが前記練炭形成装置内で100から200kPa(絶対)の範囲の圧力を生成する、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記凝縮性ガスが前記練炭形成装置内で120から143kPa(絶対)の範囲の圧力を生成する、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
粒子状物質で練炭製造するためのシステムであって:
−練炭製造装置と;
−前記粒子状物質を前記練炭製造装置に供給する手段と;
−凝縮性ガスを前記練炭製造装置に導入する手段であって、練炭形成装置が、練炭形成中に前記凝縮性ガスを凝縮させ、それによりガス圧蓄積を低下させる温度および圧力の条件下で、練炭が前記粒子状物質から形成される練炭形成部を含む、導入手段と;
を含むシステム。
【請求項31】
前記粒子状物質が液体を含有し、前記凝縮性ガス導入手段が、前記凝縮性ガスが前記粒子状物質に含有されている液体から実質的に由来し、前記練炭製造装置への前記粒子状物質の供給の間に前記粒子状物質から放出されることによって前記練炭製造装置に導入される温度および圧力の条件を生成する手段を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記粒子状物質を前記練炭製造装置への導入前に部分的に乾燥させる手段を含む、請求項30または31に記載のシステム。
【請求項33】
水分を含有する粒子状物質で練炭製造するためのシステムであって:
−練炭形成部を有する練炭製造装置と;
−前記粒子状物質を部分的に乾燥する手段と;
−前記部分的に乾燥した粒子状物質を前記練炭製造装置に供給する手段と;
−前記練炭製造装置の練炭形成部に導入するための供給中に、水蒸気が前記粒子状物質から放出されるような条件を作成する手段と;
を含むシステム。
【請求項34】
前記練炭製造装置に供給される前記粒子状物質が、前記練炭製造装置の練炭形成部に進入する箇所にて70から100体積%の水蒸気を含有するガス状成分によって包囲され、それと混合され、水蒸気を液化させ、そのように形成された練炭のガス圧蓄積を最小限に抑制するために装置の前記練炭形成部が練炭形成中に前記粒子状物質を圧縮するように構成されている、請求項32または33に記載のシステム。
【請求項35】
前記乾燥手段が、前記粒子状物質が導管を流れる高温ガス流に注入され、前記粒子状物質が前記粒子状物質の温度を上昇させる前記高温ガス流によって取り込まれる気流乾燥器と、前記ガス流を取り込まれた粒子状物質と共に収容し、前記粒子状物質を前記ガス流から分離するための1つ以上のサイクロンとを含む、請求項32から34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記乾燥手段が前記1個または複数のサイクロンを出た分離ガス流を部分的に前記気流乾燥器へ再循環させるための再循環手段と、過剰ガスを排気するための排気手段であって、前記過剰ガスが前記粒子状物質から放出された燃焼生成物ガスおよび凝縮性ガスを含む排気手段と、前記1個または複数のサイクロン内を前記ガス流と共に通過する微粉を除去するための微粉除去手段とを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記粒子状物質の前記気流乾燥器への注入前に前記気流乾燥器へ再循環される前記ガス流の一部を再加熱するための再加熱手段を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記形成された練炭に蒸発冷却を受けさせてその自然燃焼を防止するための、そして水分レベルを練炭の平衡水分レベルに維持するためのスプレー配置を有する冷却および調整ステーションを含む、先行請求項30から37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記練炭製造装置の練炭形成部が前記粒子状物質の通過する少なくとも2つのローラーであって、前記ローラーの少なくとも1つが前記練炭の形状の画成を補助するためにその中に形成されたポケットを有する、2つのローラーと、前記粒子状物質が前記ローラー間を通過し、前記練炭に形成されるときに、前記粒子状物質に規定量の剪断を印加するための前記ローラーを異なる速度で回転させる手段とを含む、先行請求項30から38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記ローラーの直径が100mmから600mmの範囲であり、練炭ポケット幅の前記ロール直径に対する比が0.05から0.15の範囲に含まれる、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記ローラーの直径が400mmから550mmの範囲に含まれ、前記練炭ポケット幅の前記ロール直径に対する比が約0.08である、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記供給手段が、前記練炭製造装置に供給される前記粒子状物質を通じてガスの逆流を最小限に抑制または回避するのを補助するために、前記粒子状物質に逆圧を印加する少なくとも1つの予備圧縮オーガーを含む、請求項30から41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記予備圧縮オーガーが水平方向に配向され、前記粒子状物質を練炭形成ローラー対の間のニップ内に供給するように配置されている、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
実質的に本明細書で説明および例示したような練炭形成プロセス。
【請求項45】
実質的に本明細書で説明および例示したような練炭形成システム。

【図1】
image rotate

【図1A】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2006−515386(P2006−515386A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501355(P2006−501355)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/AU2004/000158
【国際公開番号】WO2004/072212
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(591269435)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (23)
【氏名又は名称原語表記】COMMONWEALTH SCIENTIFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH ORGANIZATION
【出願人】(505303831)ティーアールエー−ディーイーティー インク. (1)
【氏名又は名称原語表記】TRA−DET INC.
【住所又は居所原語表記】Battle Run Road, Triadelphia, West Virginia 26603 (US)
【出願人】(505303853)ケー.アール.コマレック インク (1)
【氏名又は名称原語表記】K.R. KOMAREK INC
【住所又は居所原語表記】1825 Estes Avenue, Elk Grove Village, IL 60007 (US)
【出願人】(505303956)ザ グリフィン コール マイニング カンパニー ピーティーワイ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】THE GRIFFIN COAL MINING COMPANY PTY LIMITED
【住所又は居所原語表記】10th Floor, 28 The Esplanade, Perth, Western Australia 6000 (AU)
【Fターム(参考)】