説明

縁石ブロックの組合せ及び縁石ブロックの施工方法

【課題】施工が簡単になると共に、景観を損なうことなく識別力を高めることができる、縁石ブロックの組合せ及び縁石ブロックの施工方法を提供する。
【解決手段】各縁石ブロックのうち末端に配置されるものを除く全てのブロックは、長さ方向両端面15,16の幅方向中央部に上下に伸びる縦溝17が形成されている。また、長さ方向の少なくとも一方の端面の上縁角部が、テーパ状に切り欠かれて斜面20をなしている斜面付きブロック10aと、両側面を貫通する下面に開口した排水溝24が形成された排水用ブロック10bとを少なくとも有している。そして、このような縁石ブロックを、車道と歩道との境界部に沿って並べて配置し、隣接する縁石ブロックどうしの端面を突き合わせて、該端面に形成された前記縦溝により形成された空間に、モルタルを充填し固化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車道と歩道との境界に配置される縁石ブロックの組合せ及び縁石ブロックの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に車道と歩道との境界には、車道と歩道とを区分けして歩行者の保護を図るための、縁石ブロックが配置されている。
【0003】
このような縁石ブロックとして、例えば下記特許文献1には、コンクリート製ブロック本体の上面と側面またはどちらか一方に反射板を付けた境界ブロックが開示されている。この境界ブロックの長さ方向両端面は、いずれも平坦な面となっている。
【0004】
一方、このような縁石ブロックを施工する際には、まず、歩道と車道との境界部に沿って、ブロックを複数個並べて配置する。このとき、隣接するブロックの端面どうしを突き合わせず、所定間隔を空けて配置すると共に、ブロック間に生じた空間の両側をテープ若しくは板材等で覆って、空間を閉塞する。そして、この空間にモルタル等を流し込むことにより、ブロックどうしを接続するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−221803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の縁石ブロックの施工方法では、隣接するブロックどうしの間に、モルタル充填用の空間を確保すると共に、その空間をテープや板材等で閉塞しなければならないので、作業が煩雑で手間がかかるうえ、テープや板材等も別途用意しなければならず、施工作業性が悪いという問題があった。
【0007】
また、縁石ブロックの位置は、安全性の観点から、車両走行中のドライバーから明確に識別できることが望まれている。しかしながら、近年では、バリアフリー対策の一環として、車道と歩道との段差を小さくすべく、縁石ブロックの高さを低くする傾向となっているので、ドライバーが縁石ブロックを識別しにくくなっている。
【0008】
上記特許文献1のブロックの場合、その上面及び/又は側面に反射板が取付けられて、夜間走行時の識別力が高められているが、大きく派手な反射板が取付けられたブロックが長く続くことにより、道の景観が損なわれてしまうという問題があった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、施工が簡単になると共に、景観を損なうことなく識別力を高めることができる、縁石ブロック及びその施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、車道と歩道との境界に配置される縁石ブロックの組合せにおいて、
各縁石ブロックのうち、少なくとも中間に配置されるブロックは、長さ方向両端面の幅方向中央部に上下に伸びる縦溝が形成されており、
長さ方向の少なくとも一方の端面の上縁角部が、テーパ状に切り欠かれて斜面をなしている斜面付きブロックと、
両側面を貫通する下面に開口した排水溝が形成された排水用ブロックとを少なくとも含むことを特徴とする。
【0011】
上記発明によれば、少なくとも中間に配置されるブロック(両側に他のブロックが連結されるブロック)は、長さ方向両端面の幅方向中央部に上下に伸びる縦溝が形成されているため、隣接するブロックの端面どうしを互いに突き合わせるだけで、隣接するブロック間に閉塞された空間を形成することができ、この空間にモルタル等を流し込むことにより、隣接するブロックどうしを接続することができる。このように、隣接するブロック間の空間をテープや板材等で閉塞する必要がなく、ブロックの端面どうしを突き合わせるだけの簡単な作業で、両ブロック間に閉じた空間を形成することができるので、施工作業性を向上させることができる。
【0012】
また、そのうちのいくつかは、ブロックの長さ方向の少なくとも一方の端面の上縁角部にテーパ状の斜面が設けられているので、ドライバーから見たとき、縁石ブロック本体に対する斜面の部分が立体的なアクセントとして見え、縁石ブロックの位置を識別しやすくなる。また、縁石ブロックの形状に変化をもたらして、デザイン的な趣向がもたらされると共に、大きく派手な模様を付与するものではないので、景観を損なうこともない。
【0013】
更に、縁石ブロックは、長さ方向両端面に上下に伸びる縦溝が形成され、かつ、長さ方向の少なくとも一方の端面の上縁角部がテーパ状の斜面をなす、比較的単純な形状をなしているので、硬練りのコンクリートを型枠に投入し、加圧振動等により締め固めを行い、直ちに型枠から抜き出す即時脱型方式で成形することができ、製造コストを低減できると共に、耐久性にも優れたものとすることができる。なお、近年の研究では、一般的な流し込み成形品は、内部に侵入した雨水の凍結と融解の繰り返しによってコンクリートにひび割れが入り劣化する現象、すなわち凍害に弱いのに対して、即時脱型方式による成形品は凍害に強いことが報告されている。
【0014】
本発明の縁石ブロックの組合せにおいては、前記斜面付きブロックの前記斜面が光反射面をなしていることが好ましい。これによれば、斜面が光反射面をなしているので、車両のライトからの光がドライバーに向けて反射することとなり、面積の小さな反射面であっても視認しやすく、縁石ブロックを確実に識別することができる。また、光反射面は、縁石ブロックの長さ方向の少なくとも一方の端面の上縁角部に形成され、面積が小さく、派手な模様とはならないので、景観を損なうことはない。
【0015】
また、前記排水用ブロックは、硬練りのコンクリートを型枠に投入し、締め固めを行い、直ちに型枠から抜き出す即時脱型方式で成形されたコンクリートブロックからなり、側方から見て逆U字状をなす排水溝が、中央に配置された柱部を介して長手方向に沿って2つに分かれて形成されていることが好ましい。これによれば、即時脱型方式において、型から成形物を抜き出すとき、2つの排水溝の間の柱部によって、コンクリートの型崩れが防止されるので、排水溝を有するブロックであっても、即時脱型方式で成形することが可能となる。そして、この排水溝により、歩道若しくは車道の底部に溜まった水を確実に排水することができる。
【0016】
また、各縁石ブロックは、前記縦溝の内面に、筋状の凹凸が形成されていることが好ましい。これによれば、縦溝内面に筋状の凹凸が形成されているので、隣接するブロック間の空間に充填されたモルタルが凹凸部に食い込むようにして固化し、縁石ブロックとモルタルとの接触面積が増大し、ブロックとモルタルとの付着強度が向上するため、縁石ブロックどうしを強固に接続することができる。
【0017】
本発明の縁石ブロックの組合せにおいては、前記斜面付きブロックと、前記排水用ブロックと、前記縦溝を有するだけの通常ブロックと、長手方向の一端から他端に向けて高さが次第に低くなる切り上げ・切り下げブロックと、長手方向全体に亘って高さが低くされた乗り入れブロックとを少なくとも有することが更に好ましい。
【0018】
また、本発明の縁石ブロックの施工方法は、前記縁石ブロックの組合せを用い、これらのブロックを車道と歩道との境界部に沿って並べて配置し、隣接する縁石ブロックどうしの端面を突き合わせて、該端面に形成された前記縦溝により形成された空間にモルタルを充填し、固化させることを特徴とする。
【0019】
上記発明によれば、縁石ブロックを、車道と歩道との境界部に沿って並べて配置し、隣接する縁石ブロックどうしの端面を突き合わせて、該端面に形成された前記縦溝により形成された空間にモルタルを充填して、固化させることにより、隣接するブロックどうしを接続することができる。
【0020】
このとき、隣接するブロック間の空間をテープや板材等で閉塞する必要がなく、両ブロックの端面どうしを突き合わせるだけの簡単な作業で、両ブロック間に閉じた空間を形成することができるので、施工作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、長さ方向両端面の幅方向中央部に上下に伸びる縦溝が形成されているため、隣接するブロックの端面どうしを互いに突き合わせるだけで、隣接するブロック間に閉塞された空間を形成することができ、この隙間にモルタル等を流し込むことにより、隣接するブロックどうしを接続することができ、施工作業性を向上させることができる。
【0022】
また、ブロックの長さ方向端面の上縁角部にテーパ状の斜面が設けられた斜面付きブロックを有しているので、ドライバーから見たとき、上記斜面の部分が立体的なアクセントとして見え、縁石ブロックの位置を識別しやすくなり、派手な模様や形状ではないので、景観を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の縁石ブロックの組合せにおける斜面付きブロックの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の縁石ブロックの組合せにおける排水ブロックの一実施形態を示す斜視図である。
【図3】同排水ブロックを成形するための型枠の一例を示す斜視図である。
【図4】同排水ブロックの製造工程を示しており、(a)はコンクリート材料を型枠本体に充填して、プランジャーを押し込む前の状態を示す説明図、(b)はプランジャーを型枠本体に押し込んで、成型した状態を示す説明図、(c)は型枠から成型したブロックを抜き出した状態を示す説明図である。
【図5】本発明の縁石ブロックの組合せにおける通常ブロックの一実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明の縁石ブロックの組合せを用いて縁石ブロックを施工した状態の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明で用いる斜面付きブロックの他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明に係る縁石ブロックの組合せの一実施形態について説明する。
【0025】
図1には、本発明の縁石ブロックの組合せを構成する斜面付きブロックの一実施形態が示されている。
【0026】
この斜面付きブロック10aは、一方向に長く伸びる四角いブロック状をなしており、上下面11,12と、側面13,13と、長さ方向両端面15,16とを有している。両側面13,13は、上面11に向けて次第に互いの間隔を狭めるような緩やかなテーパ面をなしている。
【0027】
この斜面付きブロック10aの、長さ方向両端面15,16の幅方向中央には、上面11から下面12に向けて、上下に伸びる縦溝17,17がそれぞれ形成されている。この縦溝17により、長さ方向両端面15,16の幅方向両側部が、幅方向中央部に対して突出した形状をなしている。前記縦溝17の内面には、縦方向に伸びる筋状の凹凸18が形成されている。
【0028】
また、長さ方向一端面15の上縁角部は、テーパ状に切り欠かれて斜面20をなしている。そして、この斜面20は、光を反射する部材、例えば、反射板や反射テープが取付けられたり、反射塗料が塗布されたりして、光を反射可能な光反射面となっている。また、この斜面20の下端から、長さ方向一端面15に向けて、前記上面11に対して平行な平坦面22が形成されている。なお、前記斜面20及び平坦面22は、長さ方向他端面16側にも形成することができる。
【0029】
図2には、本発明の縁石ブロックの組合せを構成する排水用ブロックの一実施形態が示されている。
【0030】
この排水用ブロック10bは、全体としては、前記斜面付きブロック10aと同様な形状をなしており、長さ方向両端面に上下に伸びる縦溝17,17を有し、縦溝17の内面には、縦方向に伸びる筋状の凹凸18が形成されている。
【0031】
しかし、この排水用ブロック10bでは、斜面20が設けられておらず(ただし、斜面20を設けてもよい)、2つの排水溝24,24を有する点が、前記斜面付きブロック10bと異なっている。
【0032】
すなわち、排水用ブロック10bの下方には、側面13側から見て逆U字状をなす排水溝24が、中央に配置された柱部26を介して長手方向に沿って2つに分かれて、かつ、両側面13,13を貫通してそれぞれ形成されている。
【0033】
上記排水用ブロック10bは、例えば、図3に示すような型枠30を用いて即時脱型方式で成形することができる。すなわち、この型枠30は、平面視で長方形状の貫通した開口を有する型枠本体32と、この型枠本体32の下面に対して切離可能に当接するパレット35と、前記型枠本体32の側面から切欠き部32aを通して、前記パレット35上に挿脱可能に配置される2本の引き抜きコア36と、前記型枠本体32内に上方から押し込まれるプランジャー34とで構成されている。
【0034】
型枠本体32の内周の長手方向端面には、その幅方向中央部に上下に伸びる突部32bが形成され、この突部32bによって、前記縦溝17が形成されるようになっている。また、前記引き抜きコア36は、前記排水溝24,24を形成する部分となる。
【0035】
また、プランジャー34は、天壁34bと、その両側から下方に延出された、型枠本体32内に挿入される側壁34aとを有しており、この側壁34aによって、ブロック10bの両側面13をテーパ状に成形するようになっている。また、天壁34bの両端には、前記型枠本体32の突部32bが挿入される切欠き部34cが設けられている。更に、側壁34aには、前記引き抜きコア36が挿入される切欠き部34dが設けられている。
【0036】
そして、上記排水用ブロック10bは、この型枠30を用いて、図4に示す工程によって製造することができる。すなわち、同図(a)に示すように、パレット35を型枠本体32の下面に当接させ、引き抜きコア36をパレット35上に配置した状態で、型枠本体32内に硬練りのコンクリートCを充填する。
【0037】
次いで、同図(b)に示すように、プランジャー34を型枠本体32内に押し込んで、図示しない振動機等によって締め固めを行いつつ、コンクリートCを加圧して、ブロック形状に成形する。こうしてブロックを成形した後、引き抜きコア36を抜き出す。
【0038】
最後に、同図(c)に示すように、パレット35を下降させて、型枠本体32内から成形されたブロックを抜き出す。このとき、この実施形態では、排水溝24となる空洞が2つに分かれていて、それらの間に柱部26が形成されているので、抜き出された成形物が型崩れを起こすことを防止できる。こうして成形したブロックを乾燥硬化させることにより、排水用ブロック10bを製造することができる。
【0039】
なお、排水用ブロック10bに限らず、前記斜面付きブロック10aや、後述する他のブロックも、上記と同様な即時脱型方式で成形することができる。
【0040】
図5には、本発明の縁石ブロックの組合せに用いられる通常ブロックの例が示されている。この通常ブロック10cは、図1に示した斜面付きブロック10aに対して、長さ方向一端面15の上縁角部がテーパ状に切欠かれておらず、斜面20を有しない点が異なっているだけで、他の構成は、斜面付きブロック10aと同じである。
【0041】
図6には、本発明の縁石ブロックの組合せで用いられる全てのブロックが示されると共に、それらの縁石ブロックを用いて施工した一実施形態が示されている。
【0042】
この縁石ブロックの組合せは、図1〜4に示した縁石ブロック10a、10b、10cの他、次のような縁石ブロックが用いられる。
【0043】
すなわち、そのうちの一つであるは、前記縁石ブロック10a、10b、10cよりも高さが低く、かつ、上面の一側面(歩道側)から他側面(車道側)に向けて次第に低くなるテーパ面5aを有する乗り入れブロック10eである。もう一つは、長さ方向一端が上記薄肉の乗り入れブロック10eと同じ高さで、長さ方向他端に向けて次第に高くなると共に、一側面(歩道側)から他側面(車道側)に向けて次第に低くなるテーパ面6aと、斜面付きブロック10aの斜面20の下端と同じ高さの平坦面6bとを有する切り上げ・切り下げブロック10dである。なお、上記乗り入れブロック10e、上記切り上げ・切り下げブロック10dにも、前記縁石ブロック10a、10b、10cと同様に、長さ方向両端に縦溝17が形成されている。
【0044】
そして、上記の各種縁石ブロックを、図6に示す歩道1と車道2との間の境界部に沿って並べて配置する。
【0045】
例えば、歩道1及び車道2の境界部に、まず薄肉の乗り入れブロック10e,10eを、テーパ面5aを車道2側に向けて並べ、端面どうしを当接させて設置する。その隣に切り上げ・切り下げブロック10dを、低い方の端部を乗り入れブロック10eに向け、かつ、テーパ面6aを車道2側に向けて、端面どうしを当接させて設置する。
【0046】
次いで、切り上げ・切り下げブロック10eの平坦面6bを有する端面に、斜面付き石ブロック10aの斜面側の一端面15を当接させて配置し、該斜面付きブロック10aの他端面16に、通常ブロック10cの一端面15を当接させて配置する。
【0047】
また、上記通常縁石ブロック10cの他端面16に、排水溝24を有する排水用ブロック10bの一端面15を当接させて配置する。
【0048】
続いて、排水用ブロック10cの他端面16に、斜面付きブロック10aの他端面16を当接させて配置する。
【0049】
更に、この斜面付きブロック10aの一端面15に、別の斜面付きブロック10aの一端面15を当接させて配置する。このとき、斜面20側の一端面15,15どうしを当接させたので、図6の部分拡大説明図に示すように、平坦面22,22どうしが当接すると共に、斜面20,20が上面11側に向けて広がるように配置される。
【0050】
以降、同様な配列を繰り返すことにより、歩道1と車道2との間の境界部に沿って所定数の縁石ブロックが配置される。
【0051】
そして、上記工程で、隣接する縁石ブロックどうしの端面を突き合わせることで、縦溝17により形成された空間に、モルタルを充填して固化させることにより、隣接するブロックどうしを接続することができる。
【0052】
このとき、隣接するブロック間の空間をテープや板材で閉塞する必要がなく、両フロックの端面どうしを突き合わせるだけの簡単な作業で、両ブロック間に閉じた空間を形成することができるので、施工作業性を向上させることができる。
【0053】
また、所定間隔毎に斜面付きブロック10aが配置され、その斜面20どうしが突き合われた部分では、車の進行方向に対向して位置する斜面20をドライバー側から見やすくなり、斜面20の部分が立体的なアクセントとして見えるので、縁石ブロックの位置を識別しやすくなる。
【0054】
更に、この斜面付き10aにおいては、斜面20が光反射面をなしているので、車両のライトからの光がドライバーに向けて効果的に反射することとなり、光反射面の面積が小さくても、縁石ブロックを確実に識別することができる。
【0055】
なお、斜面20に限らず、図6に示すような反射板21を用いて、光を反射させるようにしてもよい。この反射板21は、反射プレート21aと、その下面中央から垂設する足21bとを有している。そして、縁石ブロック間の空間に充填されるモルタルが固化する前に、反射板21の足21bをモルタル内に埋設させることにより、反射板21を縁石ブロックに付設することができる。このように、足21bをモルタル内に埋設することにより、簡単な作業で、反射板21を縁石ブロックに強固に取付けることができる。なお、反射板21は、その反射プレート21aを、ドライバー側に向けた状態で設置することが好ましく、こうすることでドライバーからの識別性をより高めることができる。
【0056】
また、この実施形態における縁石ブロックは、縦溝17の内面に筋状の凹凸18が形成されているので、ブロック間の空間に充填されたモルタルが凹凸18に食い込むようにして固化し、ブロックとモルタルとの接触面積が増大するため、ブロックどうしを強固に接続することができる。
【0057】
更に、図6に示すように、斜面付きブロック10aは、その一方の端面にのみ斜面20を有するので、排水用ブロック10bや、通常ブロック10cを間に配置することによって、斜面20どうしが突き合われた部分を適当な間隔で配置することができ、斜面20によるアクセントが目障りになることを防止できる。また、斜面20のない他端面16,16を当接させた部分では、ブロック間に充填可能なモルタル量を増大させることができ、ブロック間の接合力を高めることが可能となる。
【0058】
また、縁石ブロックの配列の所定箇所に排水用ブロック10bを配置することにより、逆U字状をなした2つの排水溝24,24を通して、例えば歩道側に溜まった雨水を車道側に設けた排水路に排水することができる。
【0059】
更に、本発明の縁石ブロックは、いずれも凍害に強いとされる即時脱型方式で成形することができるので、ブロックの耐候性を高めることができる。
【0060】
ところで、別の態様として、図7に示すように、斜面20は、平坦面22を形成しない形状にしてもよい。この斜面20が形成された端面どうしを突き合わせることにより、隣接するブロック間には、略V字状をなした空隙が形成されることとなる。ただし、平坦面22を設けた方が、斜面20どうしの間隔が広がり、ドライバーから斜面20が見やすくなるので、反射面を形成した場合の効果を高めることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 歩道
2 車道
5a テーパ面
6a テーパ面
6b 平坦面
10a 斜面付きブロック
10b 排水用ブロック
10c 通常ブロック
10d 切り上げ・切り下げブロック
10e 乗り入れブロック
11 上面
12 下面
13 側面
15 長さ方向一端面
16 長さ方向他端面
17 縦溝
18 凹凸
20 斜面
21 反射板
21a 反射プレート
21b 足
22 平坦面
24 排水溝
26 柱部
30 型枠
32 型枠本体
32a 切欠き部
32b 突部
34 プランジャー
34a 側壁
34b 天壁
34c 切欠き部
34d 切欠き部
35 パレット
36 引き抜きコア
C コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車道と歩道との境界に配置される縁石ブロックの組合せにおいて、
各縁石ブロックのうち、少なくとも中間に配置されるブロックは、長さ方向両端面の幅方向中央部に上下に伸びる縦溝が形成されており、
長さ方向の少なくとも一方の端面の上縁角部が、テーパ状に切り欠かれて斜面をなしている斜面付きブロックと、
両側面を貫通する下面に開口した排水溝が形成された排水用ブロックとを少なくとも含むことを特徴とする縁石ブロックの組合せ。
【請求項2】
前記斜面付きブロックの前記斜面が光反射面をなしている請求項1記載の縁石ブロックの組合せ。
【請求項3】
前記排水用ブロックは、硬練りのコンクリートを型枠に投入し、締め固めを行い、直ちに型枠から抜き出す即時脱型方式で成形されたコンクリートブロックからなり、側方から見て逆U字状をなす排水溝が、中央に配置された柱部を介して長手方向に沿って2つに分かれて形成されている請求項1又は2記載の縁石ブロックの組合せ。
【請求項4】
前記各ブロックの縦溝の内面に、筋状の凹凸が形成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の縁石ブロックの組合せ。
【請求項5】
前記斜面付きブロックと、前記排水用ブロックと、前記縦溝を有するだけの通常ブロックと、長手方向の一端から他端に向けて高さが次第に低くなる切り上げ・切り下げブロックと、長手方向全体に亘って高さが低くされた乗り入れブロックとを少なくとも有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の縁石ブロックの組合せ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の縁石ブロックの組合せを用い、これらのブロックを車道と歩道との境界部に沿って並べて配置し、隣接する縁石ブロックどうしの端面を突き合わせて、該端面に形成された前記縦溝により形成された空間にモルタルを充填し、固化させることを特徴とする縁石ブロックの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−7403(P2012−7403A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144993(P2010−144993)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(591172906)株式会社赤城商会 (3)
【Fターム(参考)】