縁石ブロック及び縁石ブロックの施工方法
【課題】車両の走行中にタイヤの外側の面が縁石ブロックの内面に接触しても、車両が縁石ブロック列側に引き込まれることなく、操舵可能なこと。
【解決手段】道路側に面して敷設される内面11、内面11に対向して敷設される外面12を有するブロック本体10を具備し、そのブロック本体10の内面11には、内面11を外面12の方向に入り込んだ面として、前記道路幅側スペースを広くする拡張部16と、前記拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部17とを形成したものである。よって、車両が走行中に縁石ブロックにタイヤが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤの後部が位置するときには、ハンドルの動きが、直接タイヤの動きとなり、縁石ブロックとタイヤの接触を解くことができる。また、縁石ブロックとタイヤの接触が、ランブルストリップスとして機能し、ドライバへ注意喚起できる。
【解決手段】道路側に面して敷設される内面11、内面11に対向して敷設される外面12を有するブロック本体10を具備し、そのブロック本体10の内面11には、内面11を外面12の方向に入り込んだ面として、前記道路幅側スペースを広くする拡張部16と、前記拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部17とを形成したものである。よって、車両が走行中に縁石ブロックにタイヤが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤの後部が位置するときには、ハンドルの動きが、直接タイヤの動きとなり、縁石ブロックとタイヤの接触を解くことができる。また、縁石ブロックとタイヤの接触が、ランブルストリップスとして機能し、ドライバへ注意喚起できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁石ブロック及び縁石ブロックの施工方法に関するもので、特に、高速道路、国道、県道等で車道を特定する道路用縁石の縁石ブロック及び縁石ブロックの施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の縁石ブロックとしては、例えば、特許文献1の発明が公知である。
特許文献1には、車道側の側面に傾斜面が形成されているため、車両のタイヤが道路用縁石ブロックに斜め方向から衝突すると、そのタイヤが傾斜面に沿って転動し、タイヤは傾斜面に沿って乗り上げようとする。しかし、傾斜面は略円弧状に湾曲しているため、タイヤの転動方向に対して傾斜が次第に大きくなる。つまり、タイヤに接する面が略水平面から略鉛直面に次第に変化する。このため、タイヤは傾斜面に沿って上方に転動しようとするが、垂直抗力の水平方向成分が次第に大きくなり、傾斜面から離れようとする力が大きくなる。これとともに、垂直抗力の鉛直方向成分が次第に小さくなり、しかも車両の自重が転動方向とは逆方向に加わり、タイヤは上方に転動することなく、縁石ブロックの側面に沿って滑動する。この際、縁石ブロックに衝突した車両は、徐々に制動されるため、車両や運転者等が受ける衝撃が極めて小さくなると記載している。
【0003】
また、特許文献2の縁石ブロックでは、縁石ブロックの少なくとも正面に、滑剤を添加混合した透明な上塗り剤によって塗膜が形成されているから、この滑剤によって、塗膜の摩擦係数が低下し、滑りやすくなる。したがって、縁石ブロックがホコリやゴミ、砂等にさらされているとしても、塗膜が滑りやすくできているために、ホコリやゴミ、砂が付着し難く、また、自動車のタイヤが接触したとしても、タイヤ擦れ跡が付着しにくく、汚れを防止することができると記載している。
【0004】
そして、特許文献3の縁石ブロックでは、ブロック本体に排水用の切り欠き凹部が形成されていることで、排水層内に浸透している水分を排水するための排水路を排水層の縁端面とブロック本体との間で構成することができ、縁石ブロックを排水性舗装の道路脇に設置するだけで、排水層の内部を浸透してきた雨水を排水路によって排出させることができる。これにより、道路脇における排水性を確保することができる。したがって、道路にドレーンパイプや排水性アスコンを設ける必要がなくなり、施工が簡易となり施工コストが廉価となる。それと共に、施工不良もなくなり道路の耐久性を維持することができる。また、縁石ブロックを排水性舗装の道路脇に沿って設置する排水構造としては、縁石ブロックが切り欠き凹部を前記排水層の縁端面に沿わせるようにして設置されているので、排水層の縁端面から流出する水が排水路に取り込まれ排出されると記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−293307
【特許文献2】特開平9−195215号公報
【特許文献3】特開2006−183404
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、車道側の側面に傾斜面が形成されているから、車両のタイヤが縁石ブロックに対して斜め方向から衝突すると、そのタイヤが傾斜面に沿って転動するように作用するが、傾斜面は略円弧状に湾曲しているため、タイヤの転動方向に対して傾斜が次第に大きくなり、タイヤに接する面が略水平面から略鉛直面に次第に変化し、垂直抗力の水平方向成分が次第に大きくなり、傾斜面から離れようとする力が大きくなると記載している。しかし、この記載内容は現実離れした机上論にすぎない。
【0007】
まず、通常の車両の走行では、タイヤが縁石ブロックに対して斜め方向から衝突することはない。走行である限り、タイヤは縁石ブロックの長さ方向に沿って平行して回転しながら縁石ブロックの面に接触する。このとき、縁石ブロックの面に接触したタイヤは、側面のタイヤの摩擦力によって負荷が急増する。左側2輪が接触すると更に大きな負荷となる。この走行状態は、車両が左折するときと同じ現象となり、デファレンシャルは左折するように作用する。特に、車両の前輪には、トーインが設定されているから、縁石ブロックに接触しているタイヤの面は、縁石ブロック面に沿って走行しようとしても、他方のタイヤは、その方向が、タイヤが接触している縁石ブロック側に進路をとろうとするから、車両は自らの力で縁石ブロックから離れることはできない。
そればかりか、ハンドルを縁石ブロックから離れる方向に切っても、タイヤの端面が縁石ブロックの面に接触しており、特に、高速車両、トラック等においてはハンドルを回転させる人力では、縁石ブロックから離れることは困難である。しかし、ハンドルの回転力を低下させると、トーインによって車両が縁石ブロック側に引き込まれ、そのために縁石ブロックに対して直角方向に進行した事故となる。
また、タイヤの端面が縁石ブロックの面に接触しているとき、車両の上下振動によって車両が縁石ブロックの上に乗り上げると、ハンドルの右回転の回転が自由となり、車両が左側の縁石ブロックの反対側の進行となり、そのために縁石ブロックに対して直角方向に進行した事故となる。
【0008】
特許文献2の縁石ブロックは、縁石ブロックの少なくとも正面に、滑剤を添加混合した透明な上塗り剤によって塗膜が形成され、ホコリやゴミ、砂が付着し難く、また、自動車のタイヤが接触したとしても、タイヤ擦れ跡が付着しにくく、汚れを防止することができるものであるが、縁石ブロックに接触したタイヤの面は、例え、縁石ブロックの内面の接触抵抗が小さくても、縁石ブロック面に沿って走行しようとし、かつ、トーインの作用によりハンドルを切ることは困難となる。通常では、ハンドルを切るのに大きな偶力を必要とし、車両はドライバ自らの力で縁石ブロックから離れることはできない。
【0009】
特許文献3の縁石ブロックは、ブロック本体に排水用の切り欠き凹部が形成されているが、ブロック本体の内面の下部に溝が形成されているものの、自動車のタイヤがブロック本体に接触したとき、車両が縁石ブロック面に沿って走行しようとし、縁石ブロックに接触したタイヤ面は縁石ブロックの内面に接触した状態を維持する以外の機能を有していないから、ハンドルを右に切るには大きな偶力が必要であり、車両は自らの力で縁石ブロックから離れることはできない。
【0010】
更に詳しく説明する。例えば、特許文献1の縁石ブロックの場合、車両のタイヤには、車重及び積載重が加算され、タイヤaと路面dとの接触はタイヤaの外周が均一に窪むだけであるが、タイヤaが縁石ブロックbに接触するとタイヤa1の外側の面が車重及び積載重によって図30に示すように、縁石ブロックb1の内側の形状に変形する。
また、特許文献2の縁石ブロックb2の場合にも、タイヤaが縁石ブロックb2に接触するとタイヤaの外側の面が車重及び積載重によって図31に示すように、縁石ブロックb2内側の形状に変形する。
このとき、ドライバが縁石ブロックb1、b2から離れるためにハンドルを右に切ろうとすると、図32に示すように、タイヤaにはその回転中心Gよりも前側afは右側に、その回転中心よりも後側arは左側に回転させようとする偶力が必要となる。ところが、車重が重たく、かつ、車両の前輪のトーインの設定により、反対側の前輪が左方向に向いているから、非常に大きな偶力を与えないと、実際にはハンドルを右に切ることができない。
【0011】
殊に、このような縁石ブロックbに接触する要因は、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等の場合である。
このようなときに、車両のタイヤaが縁石ブロックbの内面に接触すると、ドライバはハンドルを右に切り、正常走行に戻ろうとするが、特に、車速が速い場合、大型車両の場合は、単純な右回転を与えるというハンドル操作のみでは、タイヤaが縁石ブロックbに接触しながら走行するという状態からは離脱できない。そればかりか、車両のトーインによりハンドルは左回転方向の力を受けているから、ドライバはそれを打ち消すのが精一杯である。当然ながら、この際、車両のデファレンシャルが作動し、車両は左回転と解釈した制御に入っている可能性もある。
特に、特許文献1乃至特許文献3は、車両のタイヤaを導くが如きイメージを与え追い越しの際等には、タイヤaとの接触を前提として走行車線側から追い越し車線の車両に追い越しをかける場合がある。このような場合、車両のタイヤaが縁石ブロックbの内面に接触すると左側のタイヤの負荷が急激に増大し、右側の車輪の負荷が急激に軽くなったと見做し、車両のデファレンシャルが作動し、車両は左回転と解釈した制御に入っていると解釈される。
【0012】
発明者等の経験によると、大型車両で追い越し中に縁石ブロックbにタイヤaが接触すると、極端に減速しない限り、走行中に脱出することが困難であった。タイヤaが縁石ブロックbに接触しながら走行するという状態からの唯一の離脱方法は、タイヤaが縁石ブロックbに乗り上げた瞬時にハンドルを右側に切ることである。
しかし、現実には、タイヤaが縁石ブロックbに接触しながら走行するという状態が続くと、その間、必死にハンドルを右に切っているから、その僅かの瞬間に前輪が縁石ブロックbを乗り越えると、左側後輪の負荷が急増し、図33に示すように、略直角に車両は車道を飛び出してしまう。また、タイヤaが縁石ブロックbに接触しながら走行する状態が続いているとき、必死にハンドルを右に切っていたのが功を奏すると、図34に示すように、タイヤaが縁石ブロックbの上に乗り上げたその僅かのハンドルの軽負荷となった瞬間に右に切られすぎ、右側の車線や縁石ブロックを乗り越え、略直角に車両は対向車線側に飛び出してしまう。
また、普通乗用車または軽自動車等の車高の低い車両が、縁石ブロックの上に車両の腹部が乗り上げると、前輪及び後輪が浮き、操舵不能の状態で飛び出したり衝突したりする。発明者が高速道路でトンネルの壁面に衝突した事例、反対車線に飛び出した事例、左側に飛び出した事例の事故現場で検証したところ、全てが縁石に接触し、上院の全員の死亡事故に至っていることが確認された。
【0013】
そこで、本発明は、車両の走行中にタイヤの外側の面が縁石ブロックの内面に接触しても、車両が縁石ブロック列側に引き込まれることなく、操舵可能な縁石ブロック及び縁石ブロックの施工方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明にかかる縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを有するブロック本体において、前記ブロック本体の前記内面には、前記道路幅側スペースを広くする拡張部と、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部とを具備するものである。
ここで、ブロック本体の車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とは、縁石ブロックが列状に敷設される長さ方向に直角な方向で、内面が車道側に面し、外面が歩道側または道路外となるものである。但し、ブロック本体の外面は埋設されて露出しない場合もある。
また、前記道路幅側スペースを広くする拡張部とは、前記ブロック本体の内面を抉る構造となるもので、その分、前記道路幅側が広くなることを意味する。ただし、積極的に前記道路幅側を広くすることが目的となるものではなく、タイヤの回転方向の方向性を拘束されない余裕を設けたものである。
そして、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部とは、前記拡張部と同一の深さの窪みに設定するとその窪みにタイヤが入り込むと縁石ブロックにタイヤが乗り上げる可能性が高くなる。そこで、前記徐変部を前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする構造としたものである。
【0015】
請求項2の発明にかかる縁石ブロックの前記ブロック本体の前記内面は、前記内面を前記外面方向に入り込んだ面として、前記ブロック本体の両端の前記内面と前記外面との間隔を同一とし、その範囲内に前記拡張部及び前記徐変部を形成し、前記徐変部は前記拡張部から略直線状に変化させたものである。即ち、1個の縁石ブロックに対して、前記拡張部及び前記徐変部を形成し、離脱の機会を与えるものであり、高速走行時のタイヤのガタツキ音でうっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転に警鐘を鳴らすことができる。
【0016】
請求項3の発明にかかる縁石ブロックの前記ブロック本体は、その下面に排水溝を形成したものであるから、路面中央側から雨水が側道に流れる構造であっても、対応できる構造となる。
【0017】
請求項4の発明にかかる縁石ブロックの前記ブロック本体は、前記ブロック本体の上方からみた前記平面の面積よりも、前記ブロック本体の下面の面積を小さくしたものである。ここで、前記ブロック本体の上方からみた前記平面の面積を広くし、大地に接する下面の面積を狭くすることは、前記ブロック本体の中間位置以上に食み出した部分の存在を意味するものであり、それによって、前記タイヤと前記縁石ブロックとの接触面積を狭くし、前記タイヤと前記縁石ブロックとの接触の解除を容易にしたものである。
【0018】
請求項5の発明にかかる縁石ブロックの前記ブロック本体の前記内面の前記拡張部と前記徐変部は、その隣接した面との間を面取りたものである。
ここで、前記拡張部と前記徐変部とその両端との間の面取り(その曲率でRという場合もある)は、複数の縁石ブロック間を連続して接触するような場合でも、格別、車両またはそのタイヤに対して大きなストレスを付与することなく接触を可能とするものである。ここで、隣接する面とは、上面、内面の両面または何れかの一面であればよい。
【0019】
請求項6の発明にかかる縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを具備する縁石ブロックを用いて、車両の進行方向に向かって、前記内面を前記外面方向に入り込んだ間隔により前記道路幅側を広くする拡張部から、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側を狭くする徐変部へと車両が進行するように敷設したものである。
ここで、前記ブロック本体の車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とは、前記縁石ブロック列として列状に敷設される長さ方向に直角な方向で、前記内面が車道側に面し、前記外面が歩道側または道路外となるものである。但し、前記ブロック本体の外面は埋設されて露出しない場合もある。
また、前記道路幅側スペースを広くする拡張部とは、前記ブロック本体の内面を抉る構造となるもので、その分、前記道路幅側が広くなることを意味する。ただし、積極的に前記道路幅側を広くすることが目的となるものではなく、タイヤの回転方向の方向性を変更できる余裕を設けたものである。
そして、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部とは、前記拡張部と同一の深さの窪みに設定するとその窪みにタイヤが入り込むと縁石ブロックにタイヤが乗り上げる可能性が高くなる。そこで、前記徐変部を前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする構造としたものである。
更に、前記拡張部から前記徐変部へと車両が進行するように敷設とは、車両の走行方向の上手、即ち、先に前記拡張部が配置され、後に前記徐変部が配置されていることを意味する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを有するブロック本体を具備する縁石ブロックにおいて、前記ブロック本体の前記内面には、前記道路幅側スペースを広くする拡張部と、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部とを具備するものである。
したがって、車両が走行中に縁石ブロックにタイヤが接触しても、前記ブロック本体の前記内面には、前記道路幅側スペースを広くする拡張部が形成されているから、タイヤの負荷の増大が最小限度に抑えられ、譬え、車両の前輪にトーインが設定されていても、タイヤの縁石ブロックとの接触面が頻繁に断絶されるから、車両が左折するときと同様の状態のデファレンシャル状態とならず、縁石ブロック側から離れる方向への操舵が可能である。
特に、車両が走行中に縁石ブロックにタイヤが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、前記拡張部にタイヤの後部が位置するときには、前記ハンドルの動きが、直接タイヤの動きとなり、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触が、路面に形成した連続した繰り返しの凹凸と同様、即ち、ランブルストリップス(Rumble strips)と同様に機能し、車両が前記縁石ブロックとの接触状態にあることをドライバへの注意喚起機能として働くから、事故を未然に防止できる。更に、タイヤの回動角度が拡張部と徐変部で決定されるから、ハンドルの切りすぎの事故も生じない。
【0021】
請求項2の縁石ブロックの前記ブロック本体の前記内面は、前記ブロック本体の両端の前記内面と前記外面との間隔を同一とし、その範囲内に前記拡張部及び前記徐変部を形成し、前記徐変部は前記拡張部から略直線状に変化させたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、1個の前記縁石ブロックに対して、前記拡張部及び前記徐変部を形成し、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時の前記タイヤのガタツキ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0022】
請求項3の縁石ブロックの前記ブロック本体は、その下面に排水溝を形成したものであるから、路面中央側から雨水が側道に流れる構造であっても対応できる構造となるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、前記縁石ブロックが雨水の流れを阻止することなく施工できる。
【0023】
請求項4の縁石ブロックの前記ブロック本体は、前記ブロック本体の上方からみた前記平面の面積よりも、前記ブロック本体の下面の面積を小さくしたものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、前記ブロック本体の中間位置以上に突出している部分の存在によって、前記タイヤと前記縁石ブロックとの接触面積を狭くし、前記タイヤの部分にのみ操舵力の影響を与え、前記タイヤと前記縁石ブロックとの接触解除を容易にしたものである。
【0024】
請求項5の縁石ブロックの前記ブロック本体の前記内面の前記拡張部と前記徐変部は、その隣接する面との間を面取りしたものであるから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、前記拡張部と前記徐変部の間の隣接した面と面取りは、複数の縁石ブロック間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とするものである。
【0025】
請求項6の縁石ブロックの施工方法は、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを具備する縁石ブロックを用いて、車両の進行方向に向かって、前記内面を前記外面方向に入り込んだ間隔により前記道路幅側を広くする拡張部から、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側を狭くする徐変部へと車両が進行するように敷設するものである。
したがって、車両が走行中に前記縁石ブロックに前記タイヤが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、前記拡張部に前記タイヤの後部が位置するときには、ハンドルの動きが、直接タイヤの動きとなり、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触がランブルストリップスとして機能し、車両が前記縁石ブロックとの接触状態にあることをドライバへの注意喚起機能として働くから、事故を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックの切断線A−Aによる垂直断面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックの切断線B−Bによる垂直断面図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックによる操舵制御を説明する説明図で、(a)は上から見た説明図で、(b)はタイヤの車両側から見た説明図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態2にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態2にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態2にかかる縁石ブロックの切断線C−Cによる垂直断面図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態2にかかる縁石ブロックの切断線D−Dによる垂直断面図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態3にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態3にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態3にかかる縁石ブロックの切断線E−Eによる垂直断面図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態3にかかる縁石ブロックの切断線F−Fによる垂直断面図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態1乃至3にかかる縁石ブロックの敷設状態を示す平面図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態1乃至3にかかる縁石ブロックの敷設状態の他の例を示す平面図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態4にかかる縁石ブロックの敷設状態の他の例を示す平面図である。
【図17】図17は本発明の実施の形態4にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態5にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図19】図19は本発明の実施の形態5にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図20】図20は本発明の実施の形態5にかかる縁石ブロックの切断線G−Gによる垂直断面図である。
【図21】図21は本発明の実施の形態5にかかる縁石ブロックの切断線H−Hによる垂直断面図である。
【図22】図22は本発明の実施の形態6にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図23】図23は本発明の実施の形態6にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図24】図24は本発明の実施の形態6にかかる縁石ブロックの切断線I−Iによる垂直断面図である。
【図25】図25は本発明の実施の形態6にかかる縁石ブロックの切断線J−Jによる垂直断面図である。
【図26】図26は本発明の実施の形態7にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図27】図27は本発明の実施の形態7にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図28】図28は本発明の実施の形態8にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図29】図29は本発明の実施の形態8にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図30】図30は従来例1にかかる縁石ブロックとタイヤとの接触状態を説明する説明図である。
【図31】図31は従来例2にかかる縁石ブロックとタイヤとの接触状態を説明する説明図である。
【図32】図32は従来例にかかる縁石ブロックとタイヤとの接触状態と偶力との関係を示す説明図である。
【図33】図33は従来例にかかる縁石ブロックと左折事故を説明する説明図である。
【図34】図34は従来例にかかる縁石ブロックと右折事故を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0028】
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1の縁石ブロックについて図1乃至図5、図14を用いて説明する。
図1乃至図5において、縁石ブロック1の本体となるブロック本体10は、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有している。また、内面11及び外面12は道路の長さ方向に延びる構造となっており、そのブロック本体10の両端部13、14は、同一形状となっている。ブロック本体10の内面11には、内面11を外面12方向、即ち、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備している。
【0029】
勿論、ブロック本体10は、上面18及び下面19を有しており、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を除くと、概略、上面18の内面11及び外面12の面取りを除き、略直方体形状となっている。そして、ブロック本体10の上面18と下面19は同一形状となっている。
面取り部11aは拡張部16への入りやすさ及びタイヤAとの摩擦によるブロック本体10の破損の防止であり、また、面取り部11bはタイヤの乗り上げをし難くするものである。なお、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の端部14側の徐変部17は、徐変により、その面取りの必要性がなくなっている。ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15は、上面18よりも下面19が厚くなるようにテーパーを付与してもよい。
【0030】
ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15は、ブロック本体10の両端部13、14を同一端部形状とし、ブロック本体10の内面11を正面に見て、左側にそこから所定の距離、通常、5cm以上、20cm以内に拡張部16を設け、また、右側にそこから所定の距離、通常、5cm以上、20cm以内で徐変部17を終了している。拡張部16はブロック本体10の内面11を正面に見て左側に急激にブロック本体10の肉厚側に食い込み、右に行くに従って徐々にブロック本体10の肉厚を厚くする形態の徐変部17へと連続している。
【0031】
即ち、拡張部16はブロック本体10の内面11のうち、最大にブロック本体10の肉厚側に食い込んだ部分を意味する。また、徐変部17はブロック本体10の内面11のうち、最大にブロック本体10の肉厚側に食い込んだ位置を除く、その右側の、右に行くに従って徐々にブロック本体10の肉厚を厚くする部分を意味する。
【0032】
このように構成される縁石ブロック1は、図1で図示した形状の天地を逆とした型にコンクリートミルクを充填し、固化し、型抜きをして完成品として形成されている。
このように型抜きをした完成品の縁石ブロック1は、図14に示す状態で、ブロック本体10の外面12を基準として縁石ブロック列として道路の両側に敷設される。
【0033】
図14に示す縁石ブロック1を連続的に配置した縁石ブロック列の敷設状態でドライバがうっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転をしていたような場合には、図14に示す縁石ブロック1とタイヤAの外側の面との接触が生ずる。勿論、無理な追い越しで、一般走行車線側から追い越しをかけた場合でも、図14に示す縁石ブロック列とタイヤAの外側の面との接触が生ずる場合がある。
【0034】
このとき、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の拡張部16とタイヤAの側面が接触し難いが、徐変部17及びブロック本体10の両端にタイヤAの側面が接触するから、タイヤAに接触振動が発生し、車速及びブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の間隔に応じたガタガタ音が発生する。即ち、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15が、恰も、路面に形成した連続した繰り返し凹凸による雑音、即ち、ランブルストリップスとして機能する。
これによって、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意を喚起させ、ハンドル操作の必要性を訴え、事故を未然に防止することができる。
【0035】
このとき、図5に示すように、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しているとき、それを回避するためにドライバがハンドルを右に切ると、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するときには、ハンドルの動きが、直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1のブロック本体10とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバがうっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の徐変部17に移行すると、タイヤAの角度が変化し、車両のトーインとの関係で車両の進行方向が徐変部17とタイヤAとの接触角度で決定され、ブロック本体10とタイヤAの接触を解く方向に車両が進行する。
【0036】
したがって、ランブルストリップスとして機能するばかりでなく、車両が縁石ブロック1との接触状態にあっても、車両がその進行方向を徐変部17の角度に従おうとし、ハンドル操作をし易くすることができる。即ち、図32に示す従来例のように、一旦、タイヤaが縁石ブロックbに接触すると、タイヤaが縁石ブロックb側に引き寄せられ、通常のハンドル操作の回転力ではタイヤaが縁石ブロックbから離れるのが困難であるとの問題は生じなくなる。勿論、図33及び図34に示す従来の状態には至らない。
【0037】
本実施の形態1の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ブロック本体1の内面11には、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
【0038】
したがって、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するタイミングでハンドルの動きが、直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意喚起するから、事故を未然に防止できる。
【0039】
また、ブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14の内面11と外面12との間隔を同一とし、その範囲内に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであるから、1個の縁石ブロック1に対して、拡張部16及び徐変部17を形成し、縁石ブロック1とタイヤAの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時のタイヤのガタガタ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0040】
そして、ブロック本体10の内面11の拡張部16と徐変部17は、その端部13とブロック本体1の内面11を外面12方向に入り込んだ面15の拡張部16との間には、面取り部11aが介在してタイヤAを拡張部16に導くものであるが、拡張部16にタイヤAが進行するとき、縁石ブロック1とタイヤA間にストレスを加えることがない。ブロック本体1の内面11を外面12方向に入り込んだ面15の徐変部17とその端部14との間の面取りは、連続して形成されているから、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とするものである。
【0041】
更に、タイヤAの回動角度が拡張部16と徐変部17で決定されるから、バンドルを右側に切っても、徐変部17でその最高角度が特定されるから、ハンドルをドライバの持つ最大操舵力を付与して右に切っても、その操舵力によってハンドルの切りすぎの事故も生じない。
また、徐変部17の角度設定によっては、車両のタイヤAが徐変部17に接触する毎に、ベクトル的にタイヤAの向きを車両の進行方向に押圧するから、ドライバがハンドルを軽く握っておれば、タイヤAを縁石ブロック1から自然に離すこともできる。
【0042】
この徐変部17の角度設定は、通常直線状に設定されるが、図5(a)に設定されているように、内面11側から外面12側にタイヤAの外面の接触が一部で断たれような湾曲させた凸状とすると、常に、ドライバが右側にハンドルを切り易くすることができる。逆に、内面11側から外面12側に湾曲させた凹状とすると、ドライバが右側にハンドルを切ったとき、拡張部16付近のみドライバが右側にハンドルを切り易くすることができる。何れにせよ、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであればよい。
【0043】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2の縁石ブロックについて図6乃至図9、図14を用いて説明する。
本実施の形態では、縁石ブロック1のブロック本体10は、ブロック本体10の上方からみた平面の上面18の面積よりも、ブロック本体10の下面19の面積を小さくしたものであるから、ブロック本体10の中間位置位置以上に突出している部分の存在によって、タイヤAと縁石ブロック1との接触面積を狭くし、タイヤAの部分にのみ操舵力の影響を与え、タイヤAと縁石ブロック1との接触の解除を容易にしたものである。
【0044】
即ち、実施の形態1では、タイヤAはブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15に接触するものであるが、道路の走行条件、大型車両の交通量、カーブの曲率等からして、タイヤAはブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の広い面に接触させないで、狭い面に接触させた方がよい場合がある。
このような場合には、ブロック本体10の中間位置よりも上部に突出部21を形成し、タイヤAの一部でのみ接触し、喩え、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の位置に左右されることなく、何れの位置でもハンドルを僅かに右に切ることができ、その後、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の拡張部16及び徐変部17にタイヤAの後部ARが位置するとスムーズにハンドルを回すことができる。
【0045】
特に、ブロック本体10の中間位置よりも上部に突出部21を形成し、その下部を空間スペース20としたものでは、タイヤAの道路面との接触面が通常の車両走行状態と同じであり、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を含む内面11のみで接触されることになる。したがって、タイヤAの一部のみが内面11のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15に接触するから、ハンドルの操舵力に応じ、タイヤAと内面11との接触を解消するようにできる。
【0046】
このように、本実施の形態2の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ロック本体10の中間位置よりも上部に形成した突出部21のブロック本体1の内面11には、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
【0047】
したがって、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するタイミングでハンドルの動きが、拡張部16の空間にある直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意喚起するから、事故を未然に防止できる。
【0048】
また、ブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14の内面11と外面12との間隔を同一とし、その範囲内に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであるから、1個の縁石ブロック1に対して、拡張部16及び徐変部17を形成し、縁石ブロック1とタイヤAの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時のタイヤのガタガタ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0049】
そして、ブロック本体10の内面11の拡張部16は、その端部13との間の面取り部11aを介在させているから、拡張部16側の面取りは、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく接触することを可能とすることができる。
【0050】
更に、ブロック本体10の中間位置よりも上部に形成した突出部21に、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを形成したものであるから、縁石ブロック1とタイヤAが接触しても、タイヤAの外面の1/3以下が接触するものであるからドライバに異常な不安感を抱かせることがない。
【0051】
この実施の形態の徐変部17の角度設定についても、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであればよい。特に、タイヤAの回動角度が拡張部16と徐変部17で決定されるから、バンドルを右側に切っても、徐変部17でその最高角度が特定されるから、ハンドルをドライバの持つ最大操舵力を付与して右に切っても、その操舵力によってハンドルの切りすぎの事故も生じない。当然、徐変部17の角度設定によっては、車両のタイヤAが徐変部17に接触する毎に、ベクトル的にタイヤAの向きを車両の進行方向に押圧するから、ドライバがハンドルを軽く握っておれば、タイヤAを縁石ブロック1から自然に離すこともできる。勿論、上記実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0052】
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3の縁石ブロックについて図10乃至図13を用いて説明する。
本実施の形態3と実施の形態1との相違点は、本実施の形態では排水溝31を設けたことにある。
特に、縁石ブロック1側は道路の路面が湾曲しており、路肩が低くなっているから、縁石ブロック1の列方向に雨水が流れる場合がある。そこで、本実施の形態では、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の範囲で、ブロック本体10の下面19側に排水溝31を形成したものである。
【0053】
このように、本実施の形態3の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ブロック本体1の内面11には、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17と、ブロック本体10の下面19に形成した排水溝31を具備するものである。
【0054】
したがって、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するタイミングでハンドルの動きが、直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意喚起するから、事故を未然に防止できる。
【0055】
また、ブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14の内面11と外面12との間隔を同一とし、その範囲内に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであるから、1個の縁石ブロック1に対して、拡張部16及び徐変部17を形成し、縁石ブロック1とタイヤAの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時のタイヤのガタガタ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0056】
そして、ブロック本体10の内面11の拡張部16には隣接して面取り部11a、徐変部17は上面18との間に面取り部11bを形成したものであるから、面取り部11a,11bは、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して、縁石ブロック1に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とすることができる。また、徐変部17は上面18との間に面取り部11bはタイヤAの縁石ブロック1への乗り上げ防止及びその際にブロック本体10にストレスを受けるのを防止できる。
特に、本実施の形態3においては、ブロック本体10の下面19に排水溝31を形成したものであるから、路面中央側から雨水が側道に流れる構造であっても対応、縁石ブロック1が雨水の流れを阻止することなく施工できる。
【0057】
上記実施の形態1乃至実施の形態3については、図14のように縁石ブロック列として敷設することができる。勿論、上記実施の形態1乃至実施の形態3については、ブロック本体10に対して1個のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を形成したものであるが、本発明を実施する場合には、2個以上のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を形成することもできる。しかし、縁石ブロック1とタイヤAの接触音が高くなり、ドライバの動揺を煽ることになるから、ブロック本体10に対して1個のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を形成するのが好適である。
【0058】
また、発明者等の実験によれば、縁石ブロック1の2個に対して1個のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を形成した縁石ブロック列とすることもできる。図15のように、2個以上の縁石ブロック1に対してブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を1個敷設することもできる。特に、縁石ブロック1とタイヤAの接触音が低くなり、ドライバの動揺を煽ることなく、縁石ブロック1とタイヤAの接触を回避することができる。
なお、本実施の形態のブロック本体10の内面11の拡張部16と徐変部17は、テーパーを付けて水平の下断面が水平の上断面より広くし、タイヤが乗り越し難くしている。勿論、上記実施の形態1,2と同様の作用効果を奏する。
【0059】
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4の縁石ブロックについて図16及び図17を用いて説明する。
上記実施の形態1乃至実施の形態3では、1個の縁石ブロック1のブロック本体10に対して、その両端部13、14を同一形状としたものであるが、図16のように、その両端部13、14を異形状とすることもできる。
即ち、図17に示すように、一方の端部を、ブロック本体10に対して1個のブロック本体10の内面11は、一方の端部13に形成した道路幅側スペースを広くする拡張部16と、他方の端部13に形成したその拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。ここで、車道幅を特定する道路側に面して敷設される外面12は、図16のように一直線上に並べられるものである。
【0060】
このように、本実施の形態4の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ブロック本体1の内面11には、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
したがって、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するタイミングでハンドルの動きが、直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意喚起するから、事故を未然に防止できる。
【0061】
また、ブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであるから、1個の縁石ブロック1に対して、拡張部16及び徐変部17を形成し、縁石ブロック1とタイヤAの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時のタイヤのガタガタ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0062】
そして、ブロック本体10の内面11の拡張部16と徐変部17は、その端部13との間に面取り部11aを形成したものであるから、拡張部16と徐変部17の面取り部11a,11bは、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とすることができる。勿論、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0063】
[実施の形態5]
本発明の実施の形態5の縁石ブロックについて図18乃至図21を用いて説明する。
本実施の形態5において、実施の形態1との相違点は、縁石ブロック1の単位の違いにある。本実施の形態の縁石ブロック1は、ブロック本体10及び側溝蓋部40を有している。側溝蓋部40にはグレーチング41が配設されている。勿論、側溝蓋部40にはグレーチング41を省略したものであってもよいし、他の蓋であってもよい。また、グレーチング41にランブルストリップス機能を持たせることもできる。
なお、本発明の実施の形態としては、上記実施の形態と同一である。勿論、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0064】
[実施の形態6]
本発明の実施の形態6の縁石ブロックについて図22及び図25を用いて説明する。
本実施の形態6と実施の形態1との相違点は、本実施の形態6には突起列51による警告部50を設けたことにある。
図22乃至図25において、警告部50はブロック本体10の内面11側に形成され、ブロック本体10よりも500〜1000mmの幅として形成されている。警告部50には複数の突起列51が道路の進行方向に略直角方向に形成されている。したがって、車両の走行中に突起列51をタイヤAが踏むと、警告部50の突起列51とタイヤAの接触が、連続した繰り返し突起列51のガタツキ音となって、所謂、ランブルストリップスとして機能し、ドライバに車両が縁石ブロック1のブロック本体10に近接している状態にあることの注意を喚起し、縁石ブロック1とタイヤAの接触及びそれによる事故を未然に防止するものである。勿論、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0065】
[実施の形態7]
本発明の実施の形態7の縁石ブロックについて図26及び図27を用いて説明する。
本実施の形態7と実施の形態6との相違点は、本実施の形態7には突起列51による警告部50の代わりに、警告部60に半球突起61を設けたことにある。
図26及び図27において、警告部60はブロック本体10の内面11側に形成され、ブロック本体10よりも500〜1000mmの幅として形成されている。警告部60には複数の直径15〜30mm、高さ10〜20mmの半球突起61が道路の進行方向に整然と形成されている。図では4列形成されているが、列数を問題とするものではない。したがって、車両の走行中に半球突起61をタイヤAが踏むと、警告部50の突起列51と同様、タイヤAの接触が、連続した繰り返し半球突起61とその配設面とのガタツキ音となって、所謂、ランブルストリップスとして機能し、ドライバに車両が縁石ブロック1のブロック本体10に近接している状態にあることの注意を喚起し、縁石ブロック1とタイヤAの接触及びそれによる事故を未然に防止するものである。勿論、上記実施の形態6と同様の作用効果を奏する。
【0066】
[実施の形態8]
本発明の実施の形態8の縁石ブロックについて図28及び図29を用いて説明する。
本実施の形態8と実施の形態6との相違点は、本実施の形態7には突起列51による警告部50の代わりに、警告部70に弧状凹部71を設けたことにある。
図26及び図27において、警告部70はブロック本体10の内面11側に形成され、ブロック本体10よりも500〜1000mmの幅として形成されている。警告部70には複数の道路の進行方向に向かって直角方向に中心を持つ弧状として弧状凹部71が道路の進行方向に配設と形成されている。特に、弧状凹部71は直方体状の窪みとしてもよいが、不連続点にストレスが加わるので、弧状とするのが望ましい。したがって、車両の走行中に弧状凹部71をタイヤAが踏むと、警告部50の突起列51と同様、タイヤAの接触が、連続した繰り返し弧状凹部71とその上面とのガタツキ音となって、所謂、ランブルストリップスとして機能し、ドライバに車両が縁石ブロック1のブロック本体10に近接している状態にあることの注意を喚起し、縁石ブロック1とタイヤAの接触及びそれによる事故を未然に防止するものである。勿論、上記実施の形態6と同様の作用効果を奏する。
【0067】
このように、ブロック本体10の内面11側には、内面11よりも道路の中心方向に車両の走行に伴うガタツキ音を発生させる警告部50,60,70を形成すると、ドライバはそれによって左側に近寄りすぎであることを理解し、車両を本来の走行位置に戻すことができる。また、縁石ブロック1とタイヤAの接触が発生しない状態で車両を本来の走行位置に戻すことができ、安全である。
なお、弧状凹部71は直方体状の窪みとしてもよいが、走行方向に40mm幅以上を形成するのが望ましい。即ち、走行方向に40mm幅以上の窪みでないとタイヤの径によっては、ガタツキ音が発生しない場合がある。そのピッチは、80〜100mm以上であればよい。
【0068】
[実施の形態のまとめ]
上記各実施の形態の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される必ずしも垂直面とは限らない外面12とを有するブロック本体10において、ブロック本体10の内面11には、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして、逆に道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
【0069】
上記実施の形態4を除く他の実施の形態の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、内面11と対向して敷設される必ずしも垂直面とは限らない外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ブロック本体10の内面11には、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
【0070】
したがって、車両の走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、ブロック本体10の内面には、道路幅側スペースを広くする拡張部16が形成されているから、タイヤAの負荷の増大が最小限度に抑えられ、譬え、車両の前輪にトーインが設定されていても、タイヤAの縁石ブロック1との接触面が頻繁に断絶されるから、車両が左折するときと同様の状態のデファレンシャル状態とならず、縁石ブロック1側から離れる方向へのドライバの操舵が可能である。
特に、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部が位置するときには、ハンドルの動きが直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバへの注意喚起機能として働くから、事故を未然に防止できる。
【0071】
上記ブロック本体10の車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とは、縁石ブロック列として敷設される長さ方向に直角な方向で、内面11が車道側に面し、外面12が歩道側または道路外となるものである。但し、ブロック本体10の外面12は埋設されて露出しない場合もある。即ち、ブロック本体10の外面12側は埋設されて、ブロック本体10の上面18と面一に歩道等が形成される場合がある。そのため、ブロック本体10の外面12は垂直面に限られることなく決定される。この構成は本発明を実施する場合には、任意に選択できるものである。
【0072】
また、ブロック本体10の内面11に形成した外面12方向に入り込んだ面15として、結果的に、道路幅側スペースを広くする拡張部16とは、ブロック本体10の内面11を抉る構造となるもので、その分、道路幅側が広くなることを意味する。ただし、積極的に道路幅側を広くすることが目的となるものではなく、操舵に従うタイヤAの回転方向の障害をなくし、その方向性を変更できる余裕を設けたものである。
そして、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とは、拡張部16と同一の深さの窪みに設定すると、その窪みにタイヤAが入り込むと縁石ブロック1にタイヤAが乗り上げる可能性がある。そこで、徐変部17を拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする構造とするものである。
【0073】
上記実施の形態のブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14の内面11と外面12との間隔を同一とし、その範囲内に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものである。即ち、1個の縁石ブロック1のブロック本体10に対して拡張部16及び徐変部17を形成し、離脱の機会を与えるものであり、高速走行時のタイヤちのガタツキ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0074】
上記実施の形態3の縁石ブロックのブロック本体10は、その下面19に排水溝31を形成したものであるから、路面中央側から雨水が側道に流れる構造であっても、対応できる構造となる。特に、排水溝31はブロック本体10の内面11を外面12方向に入り込んだ面15の拡張部16付近に設けるのが効果的である。この構成は本発明を実施する場合には、任意に選択できるものである。
【0075】
上記実施の形態の縁石ブロックのブロック本体10は、ブロック本体10の上方からみた平面(上面18側)の面積よりも、ブロック本体10の下面19の面積を小さくしたものである。ここで、ブロック本体10の上方からみた上面18の面積を広くし、下面19の面積を狭くすることは、ブロック本体10の中間位置以上に食み出した部分の存在を意味するものであり、それによって、タイヤAと縁石ブロック1との接触面積を狭くし、タイヤAと縁石ブロック1との接触解除を容易にするものである。この構成は本発明を実施する場合には、任意に取捨選択できるものである。
【0076】
上記実施の形態の縁石ブロックのブロック本体10は、内面11の拡張部16と徐変部17は、その面取り部11a、11bを形成したものである。
ここで、拡張部16と徐変部17とその両端部13、14との間の面取りは、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とするものである。この構成は本発明を実施する場合には、任意に取捨選択できるものである。
【0077】
上記実施の形態の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを具備する縁石ブロック1を用いて、車両の進行方向に向かって、内面11を外面12方向に入り込んだ間隔により道路幅側を広くする拡張部16から、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側を狭くする徐変部17へと車両が進行するように敷設したものである。
【0078】
ここで、ブロック本体10の車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、内面11と対向して敷設される外面12とは、縁石ブロック列に敷設される長さ方向に直角な方向で、内面11が車道側に面し、外面12が歩道側または道路外となるものである。但し、ブロック本体10の外面12は埋設されて露出しない場合もある。
また、ブロック本体10の内面11に形成した外面12方向に入り込んだ面として、道路幅側スペースを広くする拡張部16とは、ブロック本体10の内面11を抉る構造となるもので、その分、道路幅側が広くなることを意味する。ただし、積極的に道路幅側を広くすることが目的となるものではなく、タイヤAの回転方向の方向性を変更できる余裕を設けるものである。
【0079】
そして、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とは、拡張部16と同一の深さの窪みに設定するとその窪みにタイヤAが入り込むと縁石ブロック1にタイヤAが乗り上げる可能性が高くなる。そこで、徐変部17を拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする構造としたものである。
更に、拡張部16から徐変部17へと車両が進行するように敷設とは、車両の走行方向の上手、即ち、先に拡張部16が配置され、後に徐変部17が配置されていることを意味する。
【0080】
上記実施の形態のブロック本体10の内面11の拡張部16と徐変部17は、テーパーを付けて水平の下断面が水平の上断面より広くし、タイヤAが縁石ブロック1を乗り越し難くすることもできる。特に、テーパーは20度以内の角度が望ましい。このテーパーは水平の下断面が水平の上断面より狭くすると、タイヤAの方向性を制御し易くなる。即ち、上方に20度以内のテーパーを付与し、下方に20度以内のテーパーを付与することもできる。この構成は本発明を実施する場合には、任意に取捨選択できるものである。
なお、上記実施の形態の縁石ブロック1を中央分離帯側に施設する場合には、車線の長さ方向に対して対称配置とすればよい。
【符号の説明】
【0081】
1 縁石ブロック
10 ブロック本体
11 内面
12 外面
13,14 両端部
15 ブロック本体の厚み方向に入り込んだ面
16 拡張部
17 徐変部
31 排水溝
50,60,70 警告部
51 突起列
61 半球突起
71 弧状凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁石ブロック及び縁石ブロックの施工方法に関するもので、特に、高速道路、国道、県道等で車道を特定する道路用縁石の縁石ブロック及び縁石ブロックの施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の縁石ブロックとしては、例えば、特許文献1の発明が公知である。
特許文献1には、車道側の側面に傾斜面が形成されているため、車両のタイヤが道路用縁石ブロックに斜め方向から衝突すると、そのタイヤが傾斜面に沿って転動し、タイヤは傾斜面に沿って乗り上げようとする。しかし、傾斜面は略円弧状に湾曲しているため、タイヤの転動方向に対して傾斜が次第に大きくなる。つまり、タイヤに接する面が略水平面から略鉛直面に次第に変化する。このため、タイヤは傾斜面に沿って上方に転動しようとするが、垂直抗力の水平方向成分が次第に大きくなり、傾斜面から離れようとする力が大きくなる。これとともに、垂直抗力の鉛直方向成分が次第に小さくなり、しかも車両の自重が転動方向とは逆方向に加わり、タイヤは上方に転動することなく、縁石ブロックの側面に沿って滑動する。この際、縁石ブロックに衝突した車両は、徐々に制動されるため、車両や運転者等が受ける衝撃が極めて小さくなると記載している。
【0003】
また、特許文献2の縁石ブロックでは、縁石ブロックの少なくとも正面に、滑剤を添加混合した透明な上塗り剤によって塗膜が形成されているから、この滑剤によって、塗膜の摩擦係数が低下し、滑りやすくなる。したがって、縁石ブロックがホコリやゴミ、砂等にさらされているとしても、塗膜が滑りやすくできているために、ホコリやゴミ、砂が付着し難く、また、自動車のタイヤが接触したとしても、タイヤ擦れ跡が付着しにくく、汚れを防止することができると記載している。
【0004】
そして、特許文献3の縁石ブロックでは、ブロック本体に排水用の切り欠き凹部が形成されていることで、排水層内に浸透している水分を排水するための排水路を排水層の縁端面とブロック本体との間で構成することができ、縁石ブロックを排水性舗装の道路脇に設置するだけで、排水層の内部を浸透してきた雨水を排水路によって排出させることができる。これにより、道路脇における排水性を確保することができる。したがって、道路にドレーンパイプや排水性アスコンを設ける必要がなくなり、施工が簡易となり施工コストが廉価となる。それと共に、施工不良もなくなり道路の耐久性を維持することができる。また、縁石ブロックを排水性舗装の道路脇に沿って設置する排水構造としては、縁石ブロックが切り欠き凹部を前記排水層の縁端面に沿わせるようにして設置されているので、排水層の縁端面から流出する水が排水路に取り込まれ排出されると記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−293307
【特許文献2】特開平9−195215号公報
【特許文献3】特開2006−183404
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、車道側の側面に傾斜面が形成されているから、車両のタイヤが縁石ブロックに対して斜め方向から衝突すると、そのタイヤが傾斜面に沿って転動するように作用するが、傾斜面は略円弧状に湾曲しているため、タイヤの転動方向に対して傾斜が次第に大きくなり、タイヤに接する面が略水平面から略鉛直面に次第に変化し、垂直抗力の水平方向成分が次第に大きくなり、傾斜面から離れようとする力が大きくなると記載している。しかし、この記載内容は現実離れした机上論にすぎない。
【0007】
まず、通常の車両の走行では、タイヤが縁石ブロックに対して斜め方向から衝突することはない。走行である限り、タイヤは縁石ブロックの長さ方向に沿って平行して回転しながら縁石ブロックの面に接触する。このとき、縁石ブロックの面に接触したタイヤは、側面のタイヤの摩擦力によって負荷が急増する。左側2輪が接触すると更に大きな負荷となる。この走行状態は、車両が左折するときと同じ現象となり、デファレンシャルは左折するように作用する。特に、車両の前輪には、トーインが設定されているから、縁石ブロックに接触しているタイヤの面は、縁石ブロック面に沿って走行しようとしても、他方のタイヤは、その方向が、タイヤが接触している縁石ブロック側に進路をとろうとするから、車両は自らの力で縁石ブロックから離れることはできない。
そればかりか、ハンドルを縁石ブロックから離れる方向に切っても、タイヤの端面が縁石ブロックの面に接触しており、特に、高速車両、トラック等においてはハンドルを回転させる人力では、縁石ブロックから離れることは困難である。しかし、ハンドルの回転力を低下させると、トーインによって車両が縁石ブロック側に引き込まれ、そのために縁石ブロックに対して直角方向に進行した事故となる。
また、タイヤの端面が縁石ブロックの面に接触しているとき、車両の上下振動によって車両が縁石ブロックの上に乗り上げると、ハンドルの右回転の回転が自由となり、車両が左側の縁石ブロックの反対側の進行となり、そのために縁石ブロックに対して直角方向に進行した事故となる。
【0008】
特許文献2の縁石ブロックは、縁石ブロックの少なくとも正面に、滑剤を添加混合した透明な上塗り剤によって塗膜が形成され、ホコリやゴミ、砂が付着し難く、また、自動車のタイヤが接触したとしても、タイヤ擦れ跡が付着しにくく、汚れを防止することができるものであるが、縁石ブロックに接触したタイヤの面は、例え、縁石ブロックの内面の接触抵抗が小さくても、縁石ブロック面に沿って走行しようとし、かつ、トーインの作用によりハンドルを切ることは困難となる。通常では、ハンドルを切るのに大きな偶力を必要とし、車両はドライバ自らの力で縁石ブロックから離れることはできない。
【0009】
特許文献3の縁石ブロックは、ブロック本体に排水用の切り欠き凹部が形成されているが、ブロック本体の内面の下部に溝が形成されているものの、自動車のタイヤがブロック本体に接触したとき、車両が縁石ブロック面に沿って走行しようとし、縁石ブロックに接触したタイヤ面は縁石ブロックの内面に接触した状態を維持する以外の機能を有していないから、ハンドルを右に切るには大きな偶力が必要であり、車両は自らの力で縁石ブロックから離れることはできない。
【0010】
更に詳しく説明する。例えば、特許文献1の縁石ブロックの場合、車両のタイヤには、車重及び積載重が加算され、タイヤaと路面dとの接触はタイヤaの外周が均一に窪むだけであるが、タイヤaが縁石ブロックbに接触するとタイヤa1の外側の面が車重及び積載重によって図30に示すように、縁石ブロックb1の内側の形状に変形する。
また、特許文献2の縁石ブロックb2の場合にも、タイヤaが縁石ブロックb2に接触するとタイヤaの外側の面が車重及び積載重によって図31に示すように、縁石ブロックb2内側の形状に変形する。
このとき、ドライバが縁石ブロックb1、b2から離れるためにハンドルを右に切ろうとすると、図32に示すように、タイヤaにはその回転中心Gよりも前側afは右側に、その回転中心よりも後側arは左側に回転させようとする偶力が必要となる。ところが、車重が重たく、かつ、車両の前輪のトーインの設定により、反対側の前輪が左方向に向いているから、非常に大きな偶力を与えないと、実際にはハンドルを右に切ることができない。
【0011】
殊に、このような縁石ブロックbに接触する要因は、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等の場合である。
このようなときに、車両のタイヤaが縁石ブロックbの内面に接触すると、ドライバはハンドルを右に切り、正常走行に戻ろうとするが、特に、車速が速い場合、大型車両の場合は、単純な右回転を与えるというハンドル操作のみでは、タイヤaが縁石ブロックbに接触しながら走行するという状態からは離脱できない。そればかりか、車両のトーインによりハンドルは左回転方向の力を受けているから、ドライバはそれを打ち消すのが精一杯である。当然ながら、この際、車両のデファレンシャルが作動し、車両は左回転と解釈した制御に入っている可能性もある。
特に、特許文献1乃至特許文献3は、車両のタイヤaを導くが如きイメージを与え追い越しの際等には、タイヤaとの接触を前提として走行車線側から追い越し車線の車両に追い越しをかける場合がある。このような場合、車両のタイヤaが縁石ブロックbの内面に接触すると左側のタイヤの負荷が急激に増大し、右側の車輪の負荷が急激に軽くなったと見做し、車両のデファレンシャルが作動し、車両は左回転と解釈した制御に入っていると解釈される。
【0012】
発明者等の経験によると、大型車両で追い越し中に縁石ブロックbにタイヤaが接触すると、極端に減速しない限り、走行中に脱出することが困難であった。タイヤaが縁石ブロックbに接触しながら走行するという状態からの唯一の離脱方法は、タイヤaが縁石ブロックbに乗り上げた瞬時にハンドルを右側に切ることである。
しかし、現実には、タイヤaが縁石ブロックbに接触しながら走行するという状態が続くと、その間、必死にハンドルを右に切っているから、その僅かの瞬間に前輪が縁石ブロックbを乗り越えると、左側後輪の負荷が急増し、図33に示すように、略直角に車両は車道を飛び出してしまう。また、タイヤaが縁石ブロックbに接触しながら走行する状態が続いているとき、必死にハンドルを右に切っていたのが功を奏すると、図34に示すように、タイヤaが縁石ブロックbの上に乗り上げたその僅かのハンドルの軽負荷となった瞬間に右に切られすぎ、右側の車線や縁石ブロックを乗り越え、略直角に車両は対向車線側に飛び出してしまう。
また、普通乗用車または軽自動車等の車高の低い車両が、縁石ブロックの上に車両の腹部が乗り上げると、前輪及び後輪が浮き、操舵不能の状態で飛び出したり衝突したりする。発明者が高速道路でトンネルの壁面に衝突した事例、反対車線に飛び出した事例、左側に飛び出した事例の事故現場で検証したところ、全てが縁石に接触し、上院の全員の死亡事故に至っていることが確認された。
【0013】
そこで、本発明は、車両の走行中にタイヤの外側の面が縁石ブロックの内面に接触しても、車両が縁石ブロック列側に引き込まれることなく、操舵可能な縁石ブロック及び縁石ブロックの施工方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明にかかる縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを有するブロック本体において、前記ブロック本体の前記内面には、前記道路幅側スペースを広くする拡張部と、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部とを具備するものである。
ここで、ブロック本体の車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とは、縁石ブロックが列状に敷設される長さ方向に直角な方向で、内面が車道側に面し、外面が歩道側または道路外となるものである。但し、ブロック本体の外面は埋設されて露出しない場合もある。
また、前記道路幅側スペースを広くする拡張部とは、前記ブロック本体の内面を抉る構造となるもので、その分、前記道路幅側が広くなることを意味する。ただし、積極的に前記道路幅側を広くすることが目的となるものではなく、タイヤの回転方向の方向性を拘束されない余裕を設けたものである。
そして、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部とは、前記拡張部と同一の深さの窪みに設定するとその窪みにタイヤが入り込むと縁石ブロックにタイヤが乗り上げる可能性が高くなる。そこで、前記徐変部を前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする構造としたものである。
【0015】
請求項2の発明にかかる縁石ブロックの前記ブロック本体の前記内面は、前記内面を前記外面方向に入り込んだ面として、前記ブロック本体の両端の前記内面と前記外面との間隔を同一とし、その範囲内に前記拡張部及び前記徐変部を形成し、前記徐変部は前記拡張部から略直線状に変化させたものである。即ち、1個の縁石ブロックに対して、前記拡張部及び前記徐変部を形成し、離脱の機会を与えるものであり、高速走行時のタイヤのガタツキ音でうっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転に警鐘を鳴らすことができる。
【0016】
請求項3の発明にかかる縁石ブロックの前記ブロック本体は、その下面に排水溝を形成したものであるから、路面中央側から雨水が側道に流れる構造であっても、対応できる構造となる。
【0017】
請求項4の発明にかかる縁石ブロックの前記ブロック本体は、前記ブロック本体の上方からみた前記平面の面積よりも、前記ブロック本体の下面の面積を小さくしたものである。ここで、前記ブロック本体の上方からみた前記平面の面積を広くし、大地に接する下面の面積を狭くすることは、前記ブロック本体の中間位置以上に食み出した部分の存在を意味するものであり、それによって、前記タイヤと前記縁石ブロックとの接触面積を狭くし、前記タイヤと前記縁石ブロックとの接触の解除を容易にしたものである。
【0018】
請求項5の発明にかかる縁石ブロックの前記ブロック本体の前記内面の前記拡張部と前記徐変部は、その隣接した面との間を面取りたものである。
ここで、前記拡張部と前記徐変部とその両端との間の面取り(その曲率でRという場合もある)は、複数の縁石ブロック間を連続して接触するような場合でも、格別、車両またはそのタイヤに対して大きなストレスを付与することなく接触を可能とするものである。ここで、隣接する面とは、上面、内面の両面または何れかの一面であればよい。
【0019】
請求項6の発明にかかる縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを具備する縁石ブロックを用いて、車両の進行方向に向かって、前記内面を前記外面方向に入り込んだ間隔により前記道路幅側を広くする拡張部から、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側を狭くする徐変部へと車両が進行するように敷設したものである。
ここで、前記ブロック本体の車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とは、前記縁石ブロック列として列状に敷設される長さ方向に直角な方向で、前記内面が車道側に面し、前記外面が歩道側または道路外となるものである。但し、前記ブロック本体の外面は埋設されて露出しない場合もある。
また、前記道路幅側スペースを広くする拡張部とは、前記ブロック本体の内面を抉る構造となるもので、その分、前記道路幅側が広くなることを意味する。ただし、積極的に前記道路幅側を広くすることが目的となるものではなく、タイヤの回転方向の方向性を変更できる余裕を設けたものである。
そして、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部とは、前記拡張部と同一の深さの窪みに設定するとその窪みにタイヤが入り込むと縁石ブロックにタイヤが乗り上げる可能性が高くなる。そこで、前記徐変部を前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする構造としたものである。
更に、前記拡張部から前記徐変部へと車両が進行するように敷設とは、車両の走行方向の上手、即ち、先に前記拡張部が配置され、後に前記徐変部が配置されていることを意味する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを有するブロック本体を具備する縁石ブロックにおいて、前記ブロック本体の前記内面には、前記道路幅側スペースを広くする拡張部と、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部とを具備するものである。
したがって、車両が走行中に縁石ブロックにタイヤが接触しても、前記ブロック本体の前記内面には、前記道路幅側スペースを広くする拡張部が形成されているから、タイヤの負荷の増大が最小限度に抑えられ、譬え、車両の前輪にトーインが設定されていても、タイヤの縁石ブロックとの接触面が頻繁に断絶されるから、車両が左折するときと同様の状態のデファレンシャル状態とならず、縁石ブロック側から離れる方向への操舵が可能である。
特に、車両が走行中に縁石ブロックにタイヤが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、前記拡張部にタイヤの後部が位置するときには、前記ハンドルの動きが、直接タイヤの動きとなり、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触が、路面に形成した連続した繰り返しの凹凸と同様、即ち、ランブルストリップス(Rumble strips)と同様に機能し、車両が前記縁石ブロックとの接触状態にあることをドライバへの注意喚起機能として働くから、事故を未然に防止できる。更に、タイヤの回動角度が拡張部と徐変部で決定されるから、ハンドルの切りすぎの事故も生じない。
【0021】
請求項2の縁石ブロックの前記ブロック本体の前記内面は、前記ブロック本体の両端の前記内面と前記外面との間隔を同一とし、その範囲内に前記拡張部及び前記徐変部を形成し、前記徐変部は前記拡張部から略直線状に変化させたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、1個の前記縁石ブロックに対して、前記拡張部及び前記徐変部を形成し、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時の前記タイヤのガタツキ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0022】
請求項3の縁石ブロックの前記ブロック本体は、その下面に排水溝を形成したものであるから、路面中央側から雨水が側道に流れる構造であっても対応できる構造となるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、前記縁石ブロックが雨水の流れを阻止することなく施工できる。
【0023】
請求項4の縁石ブロックの前記ブロック本体は、前記ブロック本体の上方からみた前記平面の面積よりも、前記ブロック本体の下面の面積を小さくしたものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、前記ブロック本体の中間位置以上に突出している部分の存在によって、前記タイヤと前記縁石ブロックとの接触面積を狭くし、前記タイヤの部分にのみ操舵力の影響を与え、前記タイヤと前記縁石ブロックとの接触解除を容易にしたものである。
【0024】
請求項5の縁石ブロックの前記ブロック本体の前記内面の前記拡張部と前記徐変部は、その隣接する面との間を面取りしたものであるから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、前記拡張部と前記徐変部の間の隣接した面と面取りは、複数の縁石ブロック間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とするものである。
【0025】
請求項6の縁石ブロックの施工方法は、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを具備する縁石ブロックを用いて、車両の進行方向に向かって、前記内面を前記外面方向に入り込んだ間隔により前記道路幅側を広くする拡張部から、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側を狭くする徐変部へと車両が進行するように敷設するものである。
したがって、車両が走行中に前記縁石ブロックに前記タイヤが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、前記拡張部に前記タイヤの後部が位置するときには、ハンドルの動きが、直接タイヤの動きとなり、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、前記縁石ブロックと前記タイヤの接触がランブルストリップスとして機能し、車両が前記縁石ブロックとの接触状態にあることをドライバへの注意喚起機能として働くから、事故を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックの切断線A−Aによる垂直断面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックの切断線B−Bによる垂直断面図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1にかかる縁石ブロックによる操舵制御を説明する説明図で、(a)は上から見た説明図で、(b)はタイヤの車両側から見た説明図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態2にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態2にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態2にかかる縁石ブロックの切断線C−Cによる垂直断面図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態2にかかる縁石ブロックの切断線D−Dによる垂直断面図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態3にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態3にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態3にかかる縁石ブロックの切断線E−Eによる垂直断面図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態3にかかる縁石ブロックの切断線F−Fによる垂直断面図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態1乃至3にかかる縁石ブロックの敷設状態を示す平面図である。
【図15】図15は本発明の実施の形態1乃至3にかかる縁石ブロックの敷設状態の他の例を示す平面図である。
【図16】図16は本発明の実施の形態4にかかる縁石ブロックの敷設状態の他の例を示す平面図である。
【図17】図17は本発明の実施の形態4にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態5にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図19】図19は本発明の実施の形態5にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図20】図20は本発明の実施の形態5にかかる縁石ブロックの切断線G−Gによる垂直断面図である。
【図21】図21は本発明の実施の形態5にかかる縁石ブロックの切断線H−Hによる垂直断面図である。
【図22】図22は本発明の実施の形態6にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図23】図23は本発明の実施の形態6にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図24】図24は本発明の実施の形態6にかかる縁石ブロックの切断線I−Iによる垂直断面図である。
【図25】図25は本発明の実施の形態6にかかる縁石ブロックの切断線J−Jによる垂直断面図である。
【図26】図26は本発明の実施の形態7にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図27】図27は本発明の実施の形態7にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図28】図28は本発明の実施の形態8にかかる縁石ブロックの斜視図である。
【図29】図29は本発明の実施の形態8にかかる縁石ブロックの平面図である。
【図30】図30は従来例1にかかる縁石ブロックとタイヤとの接触状態を説明する説明図である。
【図31】図31は従来例2にかかる縁石ブロックとタイヤとの接触状態を説明する説明図である。
【図32】図32は従来例にかかる縁石ブロックとタイヤとの接触状態と偶力との関係を示す説明図である。
【図33】図33は従来例にかかる縁石ブロックと左折事故を説明する説明図である。
【図34】図34は従来例にかかる縁石ブロックと右折事故を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0028】
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1の縁石ブロックについて図1乃至図5、図14を用いて説明する。
図1乃至図5において、縁石ブロック1の本体となるブロック本体10は、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有している。また、内面11及び外面12は道路の長さ方向に延びる構造となっており、そのブロック本体10の両端部13、14は、同一形状となっている。ブロック本体10の内面11には、内面11を外面12方向、即ち、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備している。
【0029】
勿論、ブロック本体10は、上面18及び下面19を有しており、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を除くと、概略、上面18の内面11及び外面12の面取りを除き、略直方体形状となっている。そして、ブロック本体10の上面18と下面19は同一形状となっている。
面取り部11aは拡張部16への入りやすさ及びタイヤAとの摩擦によるブロック本体10の破損の防止であり、また、面取り部11bはタイヤの乗り上げをし難くするものである。なお、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の端部14側の徐変部17は、徐変により、その面取りの必要性がなくなっている。ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15は、上面18よりも下面19が厚くなるようにテーパーを付与してもよい。
【0030】
ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15は、ブロック本体10の両端部13、14を同一端部形状とし、ブロック本体10の内面11を正面に見て、左側にそこから所定の距離、通常、5cm以上、20cm以内に拡張部16を設け、また、右側にそこから所定の距離、通常、5cm以上、20cm以内で徐変部17を終了している。拡張部16はブロック本体10の内面11を正面に見て左側に急激にブロック本体10の肉厚側に食い込み、右に行くに従って徐々にブロック本体10の肉厚を厚くする形態の徐変部17へと連続している。
【0031】
即ち、拡張部16はブロック本体10の内面11のうち、最大にブロック本体10の肉厚側に食い込んだ部分を意味する。また、徐変部17はブロック本体10の内面11のうち、最大にブロック本体10の肉厚側に食い込んだ位置を除く、その右側の、右に行くに従って徐々にブロック本体10の肉厚を厚くする部分を意味する。
【0032】
このように構成される縁石ブロック1は、図1で図示した形状の天地を逆とした型にコンクリートミルクを充填し、固化し、型抜きをして完成品として形成されている。
このように型抜きをした完成品の縁石ブロック1は、図14に示す状態で、ブロック本体10の外面12を基準として縁石ブロック列として道路の両側に敷設される。
【0033】
図14に示す縁石ブロック1を連続的に配置した縁石ブロック列の敷設状態でドライバがうっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転をしていたような場合には、図14に示す縁石ブロック1とタイヤAの外側の面との接触が生ずる。勿論、無理な追い越しで、一般走行車線側から追い越しをかけた場合でも、図14に示す縁石ブロック列とタイヤAの外側の面との接触が生ずる場合がある。
【0034】
このとき、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の拡張部16とタイヤAの側面が接触し難いが、徐変部17及びブロック本体10の両端にタイヤAの側面が接触するから、タイヤAに接触振動が発生し、車速及びブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の間隔に応じたガタガタ音が発生する。即ち、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15が、恰も、路面に形成した連続した繰り返し凹凸による雑音、即ち、ランブルストリップスとして機能する。
これによって、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意を喚起させ、ハンドル操作の必要性を訴え、事故を未然に防止することができる。
【0035】
このとき、図5に示すように、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しているとき、それを回避するためにドライバがハンドルを右に切ると、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するときには、ハンドルの動きが、直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1のブロック本体10とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバがうっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の徐変部17に移行すると、タイヤAの角度が変化し、車両のトーインとの関係で車両の進行方向が徐変部17とタイヤAとの接触角度で決定され、ブロック本体10とタイヤAの接触を解く方向に車両が進行する。
【0036】
したがって、ランブルストリップスとして機能するばかりでなく、車両が縁石ブロック1との接触状態にあっても、車両がその進行方向を徐変部17の角度に従おうとし、ハンドル操作をし易くすることができる。即ち、図32に示す従来例のように、一旦、タイヤaが縁石ブロックbに接触すると、タイヤaが縁石ブロックb側に引き寄せられ、通常のハンドル操作の回転力ではタイヤaが縁石ブロックbから離れるのが困難であるとの問題は生じなくなる。勿論、図33及び図34に示す従来の状態には至らない。
【0037】
本実施の形態1の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ブロック本体1の内面11には、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
【0038】
したがって、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するタイミングでハンドルの動きが、直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意喚起するから、事故を未然に防止できる。
【0039】
また、ブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14の内面11と外面12との間隔を同一とし、その範囲内に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであるから、1個の縁石ブロック1に対して、拡張部16及び徐変部17を形成し、縁石ブロック1とタイヤAの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時のタイヤのガタガタ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0040】
そして、ブロック本体10の内面11の拡張部16と徐変部17は、その端部13とブロック本体1の内面11を外面12方向に入り込んだ面15の拡張部16との間には、面取り部11aが介在してタイヤAを拡張部16に導くものであるが、拡張部16にタイヤAが進行するとき、縁石ブロック1とタイヤA間にストレスを加えることがない。ブロック本体1の内面11を外面12方向に入り込んだ面15の徐変部17とその端部14との間の面取りは、連続して形成されているから、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とするものである。
【0041】
更に、タイヤAの回動角度が拡張部16と徐変部17で決定されるから、バンドルを右側に切っても、徐変部17でその最高角度が特定されるから、ハンドルをドライバの持つ最大操舵力を付与して右に切っても、その操舵力によってハンドルの切りすぎの事故も生じない。
また、徐変部17の角度設定によっては、車両のタイヤAが徐変部17に接触する毎に、ベクトル的にタイヤAの向きを車両の進行方向に押圧するから、ドライバがハンドルを軽く握っておれば、タイヤAを縁石ブロック1から自然に離すこともできる。
【0042】
この徐変部17の角度設定は、通常直線状に設定されるが、図5(a)に設定されているように、内面11側から外面12側にタイヤAの外面の接触が一部で断たれような湾曲させた凸状とすると、常に、ドライバが右側にハンドルを切り易くすることができる。逆に、内面11側から外面12側に湾曲させた凹状とすると、ドライバが右側にハンドルを切ったとき、拡張部16付近のみドライバが右側にハンドルを切り易くすることができる。何れにせよ、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであればよい。
【0043】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2の縁石ブロックについて図6乃至図9、図14を用いて説明する。
本実施の形態では、縁石ブロック1のブロック本体10は、ブロック本体10の上方からみた平面の上面18の面積よりも、ブロック本体10の下面19の面積を小さくしたものであるから、ブロック本体10の中間位置位置以上に突出している部分の存在によって、タイヤAと縁石ブロック1との接触面積を狭くし、タイヤAの部分にのみ操舵力の影響を与え、タイヤAと縁石ブロック1との接触の解除を容易にしたものである。
【0044】
即ち、実施の形態1では、タイヤAはブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15に接触するものであるが、道路の走行条件、大型車両の交通量、カーブの曲率等からして、タイヤAはブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の広い面に接触させないで、狭い面に接触させた方がよい場合がある。
このような場合には、ブロック本体10の中間位置よりも上部に突出部21を形成し、タイヤAの一部でのみ接触し、喩え、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の位置に左右されることなく、何れの位置でもハンドルを僅かに右に切ることができ、その後、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の拡張部16及び徐変部17にタイヤAの後部ARが位置するとスムーズにハンドルを回すことができる。
【0045】
特に、ブロック本体10の中間位置よりも上部に突出部21を形成し、その下部を空間スペース20としたものでは、タイヤAの道路面との接触面が通常の車両走行状態と同じであり、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を含む内面11のみで接触されることになる。したがって、タイヤAの一部のみが内面11のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15に接触するから、ハンドルの操舵力に応じ、タイヤAと内面11との接触を解消するようにできる。
【0046】
このように、本実施の形態2の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ロック本体10の中間位置よりも上部に形成した突出部21のブロック本体1の内面11には、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
【0047】
したがって、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するタイミングでハンドルの動きが、拡張部16の空間にある直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意喚起するから、事故を未然に防止できる。
【0048】
また、ブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14の内面11と外面12との間隔を同一とし、その範囲内に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであるから、1個の縁石ブロック1に対して、拡張部16及び徐変部17を形成し、縁石ブロック1とタイヤAの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時のタイヤのガタガタ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0049】
そして、ブロック本体10の内面11の拡張部16は、その端部13との間の面取り部11aを介在させているから、拡張部16側の面取りは、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく接触することを可能とすることができる。
【0050】
更に、ブロック本体10の中間位置よりも上部に形成した突出部21に、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを形成したものであるから、縁石ブロック1とタイヤAが接触しても、タイヤAの外面の1/3以下が接触するものであるからドライバに異常な不安感を抱かせることがない。
【0051】
この実施の形態の徐変部17の角度設定についても、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであればよい。特に、タイヤAの回動角度が拡張部16と徐変部17で決定されるから、バンドルを右側に切っても、徐変部17でその最高角度が特定されるから、ハンドルをドライバの持つ最大操舵力を付与して右に切っても、その操舵力によってハンドルの切りすぎの事故も生じない。当然、徐変部17の角度設定によっては、車両のタイヤAが徐変部17に接触する毎に、ベクトル的にタイヤAの向きを車両の進行方向に押圧するから、ドライバがハンドルを軽く握っておれば、タイヤAを縁石ブロック1から自然に離すこともできる。勿論、上記実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0052】
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3の縁石ブロックについて図10乃至図13を用いて説明する。
本実施の形態3と実施の形態1との相違点は、本実施の形態では排水溝31を設けたことにある。
特に、縁石ブロック1側は道路の路面が湾曲しており、路肩が低くなっているから、縁石ブロック1の列方向に雨水が流れる場合がある。そこで、本実施の形態では、ブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15の範囲で、ブロック本体10の下面19側に排水溝31を形成したものである。
【0053】
このように、本実施の形態3の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ブロック本体1の内面11には、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17と、ブロック本体10の下面19に形成した排水溝31を具備するものである。
【0054】
したがって、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するタイミングでハンドルの動きが、直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意喚起するから、事故を未然に防止できる。
【0055】
また、ブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14の内面11と外面12との間隔を同一とし、その範囲内に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであるから、1個の縁石ブロック1に対して、拡張部16及び徐変部17を形成し、縁石ブロック1とタイヤAの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時のタイヤのガタガタ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0056】
そして、ブロック本体10の内面11の拡張部16には隣接して面取り部11a、徐変部17は上面18との間に面取り部11bを形成したものであるから、面取り部11a,11bは、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して、縁石ブロック1に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とすることができる。また、徐変部17は上面18との間に面取り部11bはタイヤAの縁石ブロック1への乗り上げ防止及びその際にブロック本体10にストレスを受けるのを防止できる。
特に、本実施の形態3においては、ブロック本体10の下面19に排水溝31を形成したものであるから、路面中央側から雨水が側道に流れる構造であっても対応、縁石ブロック1が雨水の流れを阻止することなく施工できる。
【0057】
上記実施の形態1乃至実施の形態3については、図14のように縁石ブロック列として敷設することができる。勿論、上記実施の形態1乃至実施の形態3については、ブロック本体10に対して1個のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を形成したものであるが、本発明を実施する場合には、2個以上のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を形成することもできる。しかし、縁石ブロック1とタイヤAの接触音が高くなり、ドライバの動揺を煽ることになるから、ブロック本体10に対して1個のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を形成するのが好適である。
【0058】
また、発明者等の実験によれば、縁石ブロック1の2個に対して1個のブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を形成した縁石ブロック列とすることもできる。図15のように、2個以上の縁石ブロック1に対してブロック本体10の厚み方向に入り込んだ面15を1個敷設することもできる。特に、縁石ブロック1とタイヤAの接触音が低くなり、ドライバの動揺を煽ることなく、縁石ブロック1とタイヤAの接触を回避することができる。
なお、本実施の形態のブロック本体10の内面11の拡張部16と徐変部17は、テーパーを付けて水平の下断面が水平の上断面より広くし、タイヤが乗り越し難くしている。勿論、上記実施の形態1,2と同様の作用効果を奏する。
【0059】
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4の縁石ブロックについて図16及び図17を用いて説明する。
上記実施の形態1乃至実施の形態3では、1個の縁石ブロック1のブロック本体10に対して、その両端部13、14を同一形状としたものであるが、図16のように、その両端部13、14を異形状とすることもできる。
即ち、図17に示すように、一方の端部を、ブロック本体10に対して1個のブロック本体10の内面11は、一方の端部13に形成した道路幅側スペースを広くする拡張部16と、他方の端部13に形成したその拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。ここで、車道幅を特定する道路側に面して敷設される外面12は、図16のように一直線上に並べられるものである。
【0060】
このように、本実施の形態4の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ブロック本体1の内面11には、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、その拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
したがって、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部ARが位置するタイミングでハンドルの動きが、直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバに注意喚起するから、事故を未然に防止できる。
【0061】
また、ブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものであるから、1個の縁石ブロック1に対して、拡張部16及び徐変部17を形成し、縁石ブロック1とタイヤAの接触がランブルストリップスとして機能し、高速走行時のタイヤのガタガタ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0062】
そして、ブロック本体10の内面11の拡張部16と徐変部17は、その端部13との間に面取り部11aを形成したものであるから、拡張部16と徐変部17の面取り部11a,11bは、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とすることができる。勿論、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0063】
[実施の形態5]
本発明の実施の形態5の縁石ブロックについて図18乃至図21を用いて説明する。
本実施の形態5において、実施の形態1との相違点は、縁石ブロック1の単位の違いにある。本実施の形態の縁石ブロック1は、ブロック本体10及び側溝蓋部40を有している。側溝蓋部40にはグレーチング41が配設されている。勿論、側溝蓋部40にはグレーチング41を省略したものであってもよいし、他の蓋であってもよい。また、グレーチング41にランブルストリップス機能を持たせることもできる。
なお、本発明の実施の形態としては、上記実施の形態と同一である。勿論、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0064】
[実施の形態6]
本発明の実施の形態6の縁石ブロックについて図22及び図25を用いて説明する。
本実施の形態6と実施の形態1との相違点は、本実施の形態6には突起列51による警告部50を設けたことにある。
図22乃至図25において、警告部50はブロック本体10の内面11側に形成され、ブロック本体10よりも500〜1000mmの幅として形成されている。警告部50には複数の突起列51が道路の進行方向に略直角方向に形成されている。したがって、車両の走行中に突起列51をタイヤAが踏むと、警告部50の突起列51とタイヤAの接触が、連続した繰り返し突起列51のガタツキ音となって、所謂、ランブルストリップスとして機能し、ドライバに車両が縁石ブロック1のブロック本体10に近接している状態にあることの注意を喚起し、縁石ブロック1とタイヤAの接触及びそれによる事故を未然に防止するものである。勿論、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0065】
[実施の形態7]
本発明の実施の形態7の縁石ブロックについて図26及び図27を用いて説明する。
本実施の形態7と実施の形態6との相違点は、本実施の形態7には突起列51による警告部50の代わりに、警告部60に半球突起61を設けたことにある。
図26及び図27において、警告部60はブロック本体10の内面11側に形成され、ブロック本体10よりも500〜1000mmの幅として形成されている。警告部60には複数の直径15〜30mm、高さ10〜20mmの半球突起61が道路の進行方向に整然と形成されている。図では4列形成されているが、列数を問題とするものではない。したがって、車両の走行中に半球突起61をタイヤAが踏むと、警告部50の突起列51と同様、タイヤAの接触が、連続した繰り返し半球突起61とその配設面とのガタツキ音となって、所謂、ランブルストリップスとして機能し、ドライバに車両が縁石ブロック1のブロック本体10に近接している状態にあることの注意を喚起し、縁石ブロック1とタイヤAの接触及びそれによる事故を未然に防止するものである。勿論、上記実施の形態6と同様の作用効果を奏する。
【0066】
[実施の形態8]
本発明の実施の形態8の縁石ブロックについて図28及び図29を用いて説明する。
本実施の形態8と実施の形態6との相違点は、本実施の形態7には突起列51による警告部50の代わりに、警告部70に弧状凹部71を設けたことにある。
図26及び図27において、警告部70はブロック本体10の内面11側に形成され、ブロック本体10よりも500〜1000mmの幅として形成されている。警告部70には複数の道路の進行方向に向かって直角方向に中心を持つ弧状として弧状凹部71が道路の進行方向に配設と形成されている。特に、弧状凹部71は直方体状の窪みとしてもよいが、不連続点にストレスが加わるので、弧状とするのが望ましい。したがって、車両の走行中に弧状凹部71をタイヤAが踏むと、警告部50の突起列51と同様、タイヤAの接触が、連続した繰り返し弧状凹部71とその上面とのガタツキ音となって、所謂、ランブルストリップスとして機能し、ドライバに車両が縁石ブロック1のブロック本体10に近接している状態にあることの注意を喚起し、縁石ブロック1とタイヤAの接触及びそれによる事故を未然に防止するものである。勿論、上記実施の形態6と同様の作用効果を奏する。
【0067】
このように、ブロック本体10の内面11側には、内面11よりも道路の中心方向に車両の走行に伴うガタツキ音を発生させる警告部50,60,70を形成すると、ドライバはそれによって左側に近寄りすぎであることを理解し、車両を本来の走行位置に戻すことができる。また、縁石ブロック1とタイヤAの接触が発生しない状態で車両を本来の走行位置に戻すことができ、安全である。
なお、弧状凹部71は直方体状の窪みとしてもよいが、走行方向に40mm幅以上を形成するのが望ましい。即ち、走行方向に40mm幅以上の窪みでないとタイヤの径によっては、ガタツキ音が発生しない場合がある。そのピッチは、80〜100mm以上であればよい。
【0068】
[実施の形態のまとめ]
上記各実施の形態の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される必ずしも垂直面とは限らない外面12とを有するブロック本体10において、ブロック本体10の内面11には、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして、逆に道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
【0069】
上記実施の形態4を除く他の実施の形態の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、内面11と対向して敷設される必ずしも垂直面とは限らない外面12とを有するブロック本体10を具備する縁石ブロック1において、ブロック本体10の内面11には、内面11を外面12方向に入り込んだ面15として、道路幅側スペースを広くする拡張部16と、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とを具備するものである。
【0070】
したがって、車両の走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、ブロック本体10の内面には、道路幅側スペースを広くする拡張部16が形成されているから、タイヤAの負荷の増大が最小限度に抑えられ、譬え、車両の前輪にトーインが設定されていても、タイヤAの縁石ブロック1との接触面が頻繁に断絶されるから、車両が左折するときと同様の状態のデファレンシャル状態とならず、縁石ブロック1側から離れる方向へのドライバの操舵が可能である。
特に、車両が走行中に縁石ブロック1にタイヤAが接触しても、それを意識してドライバがハンドルを右に切ったとき、拡張部16にタイヤAの後部が位置するときには、ハンドルの動きが直接タイヤAの動きとなり、縁石ブロック1とタイヤAの接触を解くことができる。また、ドライバが居眠り運転していたような場合には、縁石ブロック1とタイヤAの接触が、ランブルストリップスとして機能し、車両が縁石ブロック1との接触状態にあることをドライバへの注意喚起機能として働くから、事故を未然に防止できる。
【0071】
上記ブロック本体10の車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とは、縁石ブロック列として敷設される長さ方向に直角な方向で、内面11が車道側に面し、外面12が歩道側または道路外となるものである。但し、ブロック本体10の外面12は埋設されて露出しない場合もある。即ち、ブロック本体10の外面12側は埋設されて、ブロック本体10の上面18と面一に歩道等が形成される場合がある。そのため、ブロック本体10の外面12は垂直面に限られることなく決定される。この構成は本発明を実施する場合には、任意に選択できるものである。
【0072】
また、ブロック本体10の内面11に形成した外面12方向に入り込んだ面15として、結果的に、道路幅側スペースを広くする拡張部16とは、ブロック本体10の内面11を抉る構造となるもので、その分、道路幅側が広くなることを意味する。ただし、積極的に道路幅側を広くすることが目的となるものではなく、操舵に従うタイヤAの回転方向の障害をなくし、その方向性を変更できる余裕を設けたものである。
そして、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とは、拡張部16と同一の深さの窪みに設定すると、その窪みにタイヤAが入り込むと縁石ブロック1にタイヤAが乗り上げる可能性がある。そこで、徐変部17を拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする構造とするものである。
【0073】
上記実施の形態のブロック本体10の内面11は、ブロック本体10の両端部13、14の内面11と外面12との間隔を同一とし、その範囲内に拡張部16及び徐変部17を形成し、徐変部17は拡張部16から略直線状に変化させたものである。即ち、1個の縁石ブロック1のブロック本体10に対して拡張部16及び徐変部17を形成し、離脱の機会を与えるものであり、高速走行時のタイヤちのガタツキ音で、うっかり運転、錯覚運転、携帯電話使用中運転、視覚・視野不良運転、わきみ運転、居眠り運転、走行車線側での無理な追い越し運転等に警鐘を鳴らすことができる。
【0074】
上記実施の形態3の縁石ブロックのブロック本体10は、その下面19に排水溝31を形成したものであるから、路面中央側から雨水が側道に流れる構造であっても、対応できる構造となる。特に、排水溝31はブロック本体10の内面11を外面12方向に入り込んだ面15の拡張部16付近に設けるのが効果的である。この構成は本発明を実施する場合には、任意に選択できるものである。
【0075】
上記実施の形態の縁石ブロックのブロック本体10は、ブロック本体10の上方からみた平面(上面18側)の面積よりも、ブロック本体10の下面19の面積を小さくしたものである。ここで、ブロック本体10の上方からみた上面18の面積を広くし、下面19の面積を狭くすることは、ブロック本体10の中間位置以上に食み出した部分の存在を意味するものであり、それによって、タイヤAと縁石ブロック1との接触面積を狭くし、タイヤAと縁石ブロック1との接触解除を容易にするものである。この構成は本発明を実施する場合には、任意に取捨選択できるものである。
【0076】
上記実施の形態の縁石ブロックのブロック本体10は、内面11の拡張部16と徐変部17は、その面取り部11a、11bを形成したものである。
ここで、拡張部16と徐変部17とその両端部13、14との間の面取りは、複数の縁石ブロック1間を連続して接触するような場合でも、格別、車両に対して大きなストレスを付与することなく、接触することを可能とするものである。この構成は本発明を実施する場合には、任意に取捨選択できるものである。
【0077】
上記実施の形態の縁石ブロックは、車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、その内面11と対向して敷設される外面12とを具備する縁石ブロック1を用いて、車両の進行方向に向かって、内面11を外面12方向に入り込んだ間隔により道路幅側を広くする拡張部16から、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側を狭くする徐変部17へと車両が進行するように敷設したものである。
【0078】
ここで、ブロック本体10の車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面11、内面11と対向して敷設される外面12とは、縁石ブロック列に敷設される長さ方向に直角な方向で、内面11が車道側に面し、外面12が歩道側または道路外となるものである。但し、ブロック本体10の外面12は埋設されて露出しない場合もある。
また、ブロック本体10の内面11に形成した外面12方向に入り込んだ面として、道路幅側スペースを広くする拡張部16とは、ブロック本体10の内面11を抉る構造となるもので、その分、道路幅側が広くなることを意味する。ただし、積極的に道路幅側を広くすることが目的となるものではなく、タイヤAの回転方向の方向性を変更できる余裕を設けるものである。
【0079】
そして、拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする徐変部17とは、拡張部16と同一の深さの窪みに設定するとその窪みにタイヤAが入り込むと縁石ブロック1にタイヤAが乗り上げる可能性が高くなる。そこで、徐変部17を拡張部16から徐々に外面12との間隔を広くして道路側スペースを狭くする構造としたものである。
更に、拡張部16から徐変部17へと車両が進行するように敷設とは、車両の走行方向の上手、即ち、先に拡張部16が配置され、後に徐変部17が配置されていることを意味する。
【0080】
上記実施の形態のブロック本体10の内面11の拡張部16と徐変部17は、テーパーを付けて水平の下断面が水平の上断面より広くし、タイヤAが縁石ブロック1を乗り越し難くすることもできる。特に、テーパーは20度以内の角度が望ましい。このテーパーは水平の下断面が水平の上断面より狭くすると、タイヤAの方向性を制御し易くなる。即ち、上方に20度以内のテーパーを付与し、下方に20度以内のテーパーを付与することもできる。この構成は本発明を実施する場合には、任意に取捨選択できるものである。
なお、上記実施の形態の縁石ブロック1を中央分離帯側に施設する場合には、車線の長さ方向に対して対称配置とすればよい。
【符号の説明】
【0081】
1 縁石ブロック
10 ブロック本体
11 内面
12 外面
13,14 両端部
15 ブロック本体の厚み方向に入り込んだ面
16 拡張部
17 徐変部
31 排水溝
50,60,70 警告部
51 突起列
61 半球突起
71 弧状凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを有するブロック本体を具備する道路用縁石ブロックにおいて、
前記ブロック本体の前記内面には、前記道路幅側スペースを広くする拡張部と、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部と
を具備することを特徴とする縁石ブロック。
【請求項2】
前記ブロック本体の前記内面は、前記内面を前記外面方向に入り込んだ面として、前記ブロック本体の両端の前記内面と前記外面との間隔を同一とし、その範囲内に前記拡張部及び前記徐変部を形成し、前記徐変部は前記拡張部から略直線状に変化させたことを特徴とする縁石ブロック。
【請求項3】
前記ブロック本体は、その下面に排水溝を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の縁石ブロック。
【請求項4】
前記ブロック本体は、前記ブロック本体の上方からみた前記平面の面積よりも、前記ブロック本体の下面の面積を小さくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の縁石ブロック。
【請求項5】
前記ブロック本体の前記内面の前記拡張部と前記徐変部は、その隣接した面との間を面取りしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の縁石ブロック。
【請求項6】
車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを具備する縁石ブロックを用いて、
車両の進行方向に向かって、前記内面を前記外面方向に入り込んだ間隔により前記道路幅側を広くする拡張部から、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側を狭くする徐変部へと車両が進行するように敷設することを特徴とする縁石ブロックの施工方法。
【請求項1】
車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを有するブロック本体を具備する道路用縁石ブロックにおいて、
前記ブロック本体の前記内面には、前記道路幅側スペースを広くする拡張部と、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側スペースを狭くする徐変部と
を具備することを特徴とする縁石ブロック。
【請求項2】
前記ブロック本体の前記内面は、前記内面を前記外面方向に入り込んだ面として、前記ブロック本体の両端の前記内面と前記外面との間隔を同一とし、その範囲内に前記拡張部及び前記徐変部を形成し、前記徐変部は前記拡張部から略直線状に変化させたことを特徴とする縁石ブロック。
【請求項3】
前記ブロック本体は、その下面に排水溝を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の縁石ブロック。
【請求項4】
前記ブロック本体は、前記ブロック本体の上方からみた前記平面の面積よりも、前記ブロック本体の下面の面積を小さくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の縁石ブロック。
【請求項5】
前記ブロック本体の前記内面の前記拡張部と前記徐変部は、その隣接した面との間を面取りしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の縁石ブロック。
【請求項6】
車道幅を特定する道路側に面して敷設される内面、該内面と対向して敷設される外面とを具備する縁石ブロックを用いて、
車両の進行方向に向かって、前記内面を前記外面方向に入り込んだ間隔により前記道路幅側を広くする拡張部から、前記拡張部から徐々に前記外面との間隔を広くして前記道路側を狭くする徐変部へと車両が進行するように敷設することを特徴とする縁石ブロックの施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2012−12902(P2012−12902A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152965(P2010−152965)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(595017746)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(595017746)
【Fターム(参考)】
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