説明

縦置き水耕栽培装置

【課題】水耕栽培装置に設置した植物固有の情報に基づき、栽培槽内の養液の水位を変化させることができる水耕栽培システムを提供する。
【解決手段】栽培槽11と流入手段12と流出手段13とを有する水耕栽培装置1、1b、1cと、栽培槽11へ流入させる養液3の所定時間当たりの流入量である単位流入量を決定するサーバ側CPU211と、単位流入量に基づき、栽培槽11に貯留された養液3の水位を変化させるように流入手段12を制御する端末側CPU221と、植物2に関する植物情報と単位流入量とを関連付ける流入量テーブルを記憶する記憶手段212と、植物情報を入力させる入力手段214と、を備える水耕栽培システムであって、サーバ側CPU211は、入力手段214により入力された植物情報に基づき、流入量テーブルを参照して、単位流入量を決定し、単位流入量に関する単位流入量情報を端末側CPU221に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水耕栽培システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物の栽培は土壌において行われてきた。植物は土から養分を吸収し成長するが、土には養分だけでなく、植物の成長を妨げ、引いては植物を枯らせてしまう害虫や、細菌も繁殖している。そこで、これらの害虫等が繁殖する恐れのある土を使わず、植物の根を水と肥料を混ぜた養液に浸すことで、植物の成長に必要な栄養分を養液から吸収させる水耕栽培が、野菜や観葉植物の栽培に広く採用されている。
【0003】
水耕栽培は、栽培槽に養液を溜め、植物を栽培槽の養液に根が浸るように植設する。また、植物による養液の吸収や養液自体の蒸発により、栽培槽の養液が減った場合は、任意の方法によって、栽培槽に養液を追加する。このように、植物の根を養液に浸すことで、植物は、根より成長に必要な養分を吸収することができる。すなわち、植物は、養液からのみ養分を吸収するので、水に対する肥料の濃度の管理は、非常に重要である。
【0004】
ところが、養液中の水が蒸発すると、養液の濃度が高くなるので、このような養液を吸収した植物は、養分が過剰となり、逆に成長の妨げになる場合がある。また、栽培槽に養液を溜めた状態では、養液が流動することがないので、養液中の酸素が減少し、このような養液に浸された植物の根は、酸素を吸収することができず、根腐れの原因となる。
【0005】
そこで、栽培箱の中を粒状体で満たし、粒状体に植物を植え込み、養液を供給し、このような栽培箱にサイフォン式の排液管を設置したサイフォン式栽培装置(特許文献1)が提案されている。このように、栽培箱に貯留した養液をサイフォン式の排液管で排液することで、例えば、一定量の養液を栽培箱に供給し続けても、養液の水位が所定の高さまで上がると、栽培箱の養液は排出される。すなわち、所定時間当たりの流入量を一定にして、継続的に養液を栽培槽内に流入し、サイフォン式の排液管で排液する養液の所定時間当たりの排液量を、所定時間当たりの流入量より多くすることで、定期的に栽培槽内の養液の略全てを排出する。これにより、栽培箱の中を養液で満たされた状態と養液を抜いた状態を繰り返す。よって、略濃度が一定の養液を供給し続けることができる。
【特許文献1】特開平10−75671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなサイフォン式栽培装置は、一定の期間で栽培槽内の養液を満たす場合と満たさない場合とを繰り返し、栽培槽内の養液の水位を変化させる。このようなサイフォン式栽培装置に設置された植物は、栽培槽内に養液が満たされたときに根から養液より養分を吸収し、また養液が排出されたときに酸素を吸収する。
しかし、このようなサイフォン式栽培装置は、水耕栽培装置に設置した植物固有の情報に応じて、水位を変化させることはできない。
一方、植物は、日々成長するものである。また、設置された植物の種類によっては、根の成長度も異なる。すなわち、水耕栽培装置に設置した植物固有の状態によっては、栽培槽内の最適な水位の変化の態様は異なる。
【0007】
したがって、水耕栽培装置に設置した植物固有の情報に基づき、栽培槽内の養液の水位を変化させることができる水耕栽培システムを提供が望まれている。
【0008】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものである。その目的は水耕栽培装置に設置した植物固有の情報に基づき、栽培槽内の養液の水位を変化させることができる水耕栽培システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0010】
(1) 植物が設置され、前記植物に吸収させる養液を貯留する栽培槽と前記栽培槽へ養液を流入させる流入手段と前記栽培槽の養液を前記栽培槽の外側に排出させる流出手段とを有する水耕栽培装置と、前記栽培槽へ流入させる養液の所定時間当たりの流入量である単位流入量を決定する流入量決定手段と、前記単位流入量に基づき、前記栽培槽に貯留された養液の水位を変化させるように前記流入手段を制御する水位制御手段と、前記植物に関する植物情報と前記単位流入量とを関連付ける流入量テーブルを記憶する記憶手段と、前記植物情報を入力させる入力手段と、を備える水耕栽培システムであって、前記流入量決定手段は、前記入力手段により入力された前記植物情報に基づき、前記流入量テーブルを参照して、前記単位流入量を決定し、前記単位流入量に関する単位流入量情報を前記水位制御手段に送信することを特徴とする水耕栽培システム。
【0011】
(1)の発明によれば、栽培槽と流入手段と流出手段とを備える水耕栽培装置の栽培槽へ流入させる養液の所定時間当たりの流入量である単位流入量を流入量決定手段により決定し、水位制御手段により、単位流入量に基づき、栽培槽に貯留された養液の水位を変化させる。
これにより、流入量決定手段により決定した単位流入量に基づき、水耕栽培装置の栽培槽内の水位を変化させることが可能となる。
【0012】
また、流入量決定手段は、入力手段により入力された植物情報に基づき、記憶手段に記憶された植物に関する植物情報と単位流入量とを関連付ける流入量テーブルを参照して、単位流入量を決定する。
これにより、水耕栽培装置に設置された植物を入力手段により特定することが可能となり、水耕栽培装置に設置された植物固有の情報に基づき、単位流入量を決定することが可能となる。
【0013】
したがって、流入量決定手段は、水耕栽培装置に設置された植物固有の情報に基づき、単位流入量を決定し、水位制御手段は、この単位流入量に基づき流入手段を制御する。流入手段は、この単位流入量に基づき栽培槽へ流入する養液の流入量を変化させることで、栽培槽に貯留された養液の水位を変化させる。よって、水耕栽培装置に設置した植物固有の情報に基づき、栽培槽内の養液の水位を変化させることができる。
【0014】
(2) 前記流出手段は、前記栽培槽内で略鉛直方向の逆方向に延びる導引部と前記栽培槽内で略鉛直方向に延びる導出部と前記導引部から前記導出部を繋げる湾曲した頂部とから成る逆U字型に形成されたサイフォン部分を有し、前記流入量決定手段は、前記栽培槽の養液を前記栽培槽の外側に排出する排出量の所定時間当たりの排出量である単位排出量より少ない前記単位流入量を決定することを特徴とする(1)に記載の水耕栽培システム。
【0015】
(2)の発明によれば、流出手段には、栽培槽内で導引部と導出部と導引部から導出部を繋げる湾曲した頂部とから成る逆U字型に形成されたサイフォン部分を設けた。
これにより、例えば、栽培槽に養液を貯留する場合、流入手段から栽培槽に養液を流入し、栽培槽内の養液が流出手段が有するサイフォン部分の頂部に達すると、サイフォンの特性から、栽培槽の養液は、流出手段の吸入口から吸入され、流出手段の排出口から栽培槽の外側に排出される。
【0016】
また、吸入口が配置された位置まで水位が下がると、養液とともに空気を吸い込み、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、直接聞くと濁った音であり不快感を抱かせるものである。しかし、この吸い込み音の発生源となるサイフォン部分を栽培槽内で形成している。よって、吸い込み音を栽培槽内で響かせ、栽培槽の外側に聞こえる栽培槽音の性質を、吸い込み音の性質とは異なり、安らぎをもたらす音とすることが可能となる。
【0017】
また、流入量決定手段は、栽培槽の養液を栽培槽の外側に排出する排出量の所定時間当たりの排出量である単位排出量より少ない単位流入量を決定する。よって、栽培槽内の養液の水位がサイフォン部分の頂部に達すれば、流入手段が水位制御手段の制御により、単位流入量の養液を流入させ続けていても、栽培槽の養液の水位は下がり、栽培槽から栽培槽音を発生する。また、例えば、流入量決定手段の決定する単位流入量を増やしたり、減らしたりすることで、栽培槽音の発生する間隔を調整することが可能となる。
【0018】
(3) 前記水位制御手段は、前記水位を検知する検知手段を備え、検知手段により前記水位が所定水位に達したことを検知した場合に、前記栽培槽の外側に排出する養液の排出量を変化させるように前記流出手段を制御することを特徴とする(1)に記載の水耕栽培システム。
【0019】
(3)の発明によれば、水位制御手段は、検知手段により所定水位に達したことを検知した場合に、栽培槽の外側に排出する養液の排出量を変化させるように流出手段を制御する。
よって、水位制御手段は、流入手段のみでなく、流出手段をも制御することで、栽培槽に貯留された養液の水位を変化させる。したがって、水位制御手段は、より細密に栽培槽に貯留された養液の水位を変化させることが可能となる。
【0020】
(4) 前記記憶手段は、前記植物の種類を含む前記植物情報と前記単位流入量と前記植物の種類に応じた前記植物の根の酸素供給時間を関連付ける酸素供給流入量テーブルを記憶することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の水耕栽培装置。
【0021】
(4)の発明によれば、記憶手段は、植物の種類を含む植物情報と単位流入量と植物の種類に応じた植物の根の酸素供給時間を関連付ける酸素供給流入量テーブルを記憶する。
すなわち、水位制御手段は、水耕栽培装置に設置された植物の種類に基づき、単位流入量を決定し、栽培槽内の養液の水位を変化させる。これにより、例えば、栽培装置に設置した植物の種類に応じた時間だけ、栽培槽内の養液を所定水位とし、この植物の根から養液より養分を吸収させる。また、栽培装置に設置した植物の種類に応じた時間だけ、栽培槽内の養液の水位を植物の根より下げることで、酸素を吸収させる。
これにより、水耕栽培装置に設置された植物の種類により適した生育環境となるように、管理することが可能となるので、栽培している植物の成長の促進を図ることや、栽培している野菜の旨味を向上することができる。
【0022】
(5) それぞれに、植物が設置され、前記植物に吸収させる養液を貯留する栽培槽と前記栽培槽へ養液を流入させる流入手段と前記栽培槽の養液を前記栽培槽の外側に排出させる流出手段とを有する複数の水耕栽培装置と、前記複数の水耕栽培装置毎に、前記栽培槽へ流入させる養液の所定時間当たりの流入量である単位流入量を、決定する流入量決定手段と、前記複数の水耕栽培装置毎に、前記単位流入量に基づき、前記栽培槽に貯留された養液の水位を変化させるように前記流入手段を制御する少なくとも一つの水位制御手段と、前記植物に関する植物情報と前記単位流入量とを関連付ける流入量テーブルを記憶する記憶手段と、前記複数の水耕栽培装置毎の前記植物情報を入力させる入力手段と、を備える水耕栽培システムであって、前記流入量決定手段は、前記入力手段により入力された前記植物情報に基づき、前記流入量テーブルを参照して、前記単位流入量を決定し、前記単位流入量に関する単位流入量情報を前記水位制御手段に送信し、前記水位制御手段は、前記流入量決定手段とネットワークを介して接続されることを特徴とする水耕栽培システム。
【0023】
(5)の発明によれば、流入量決定手段により、それぞれに、栽培槽と流入手段と流出手段とを有する複数の水耕栽培装置毎に、栽培槽へ流入させる養液の所定時間当たりの流入量である単位流入量を決定し、少なくとも一つの水位制御手段により、複数の水耕栽培装置毎に、単位流入量に基づき、栽培槽に貯留された養液の水位を変化させる。
これにより、流入量決定手段により決定した、複数の水耕栽培装置毎の単位流入量に基づき、複数の水耕栽培装置毎に栽培槽内の水位を変化させることが可能となる。
【0024】
また、流入量決定手段は、入力手段により入力された複数の水耕栽培装置毎の植物情報に基づき、記憶手段に記憶された植物に関する植物情報と単位流入量とを関連付ける流入量テーブルを参照して、単位流入量を決定する。
これにより、水耕栽培装置に設置された植物を、複数の水耕栽培装置毎に、特定することが可能となり、水耕栽培装置に設置された植物固有の情報に基づき、複数の水耕栽培装置毎に単位流入量を決定することが可能となる。
【0025】
また、水位制御手段は、流入量決定手段とネットワークを介して接続される。
これにより、例えば、一つの流入量決定手段と少なくとも一つ水位制御手段及び複数の水耕栽培装置との距離が離れていても、流入量決定手段と水位制御手段とがネットワークに接続されていれば、流入量決定手段から水位制御手段に単位流入量に関する単位流入量情報を送信できる。水位制御手段は、送信された単位流入量情報に基づき、流入手段により流入量を変化させて栽培槽に貯留された養液の水位を変化させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、栽培槽と流入手段と流出手段とを備える水耕栽培装置の栽培槽へ流入させる養液の所定時間当たりの流入量である単位流入量を流入量決定手段により決定し、水位制御手段により、単位流入量に基づき、栽培槽に貯留された養液の水位を変化させる。これにより、流入量決定手段により決定した単位流入量に基づき、水耕栽培装置の栽培槽内の水位を変化させることが可能となる。また、流入量決定手段は、入力手段により入力された植物情報に基づき、記憶手段に記憶された植物に関する植物情報と単位流入量とを関連付ける流入量テーブルを参照して、単位流入量を決定する。これにより、水耕栽培装置に設置された植物を入力手段により特定することが可能となり、水耕栽培装置に設置された植物固有の情報に基づき、単位流入量を決定することが可能となる。したがって、流入量決定手段は、水耕栽培装置に設置された植物固有の情報に基づき、単位流入量を決定し、水位制御手段は、この単位流入量に基づき流入手段を制御する。流入手段は、この単位流入量に基づき栽培槽へ流入する養液の流入量を変化させることで、栽培槽に貯留された養液の水位を変化させる。よって、水耕栽培装置に設置した植物固有の情報に基づき、栽培槽内の養液の水位を変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明の水耕栽培システム200の概念図である。
図1に示すように、植物2が設置された水耕栽培装置1は、水位管理端末220に接続され、水位管理端末220は、ネットワーク230を介して水位管理サーバ210と接続している。
【0029】
図1に示すように、水耕栽培装置1は、植物2に吸収させる養液3を貯留する栽培槽11と、栽培槽11へ養液3を流入させる流入手段12と、養液3を栽培槽11の外側に排出させる流出手段13と、を備える。また、水耕栽培装置1は、栽培槽11に流入する養液3を貯留するとともに、栽培槽11の外側に排出された養液3を貯留する養液槽16と、養液槽16の上部に設けられ栽培槽11を支持する養液槽架台17と、を備える。また、水耕栽培装置1の流入手段12は、水位管理端末220に接続されている。
【0030】
栽培槽11は、略鉛直方向に延びる円筒形であり、底部111の端縁に側壁112が立設している。栽培槽11は、透光性を有する樹脂で形成されている。栽培槽11の特に最適な形状は、内径200mmの高さ800mmの円筒形である。
【0031】
底部111は、略円形の板状体であり、この底部111の略中心には、流出手段13が貫通する貫通孔113が形成されている。この貫通孔113の内径は、流出手段13の外形より僅かに小さく形成されている。また、底部111の貫通孔113が形成されている部分の周囲は、ゴム素材で形成されている。また、貫通孔113の内壁には、油脂が塗布されている。
【0032】
栽培槽11の側壁112は、略鉛直方向に立設する円筒体である。この側壁112には、この側壁112の上部に、栽培槽へ養液3を流入させる流入手段12の流入口121が接続されている。
【0033】
栽培槽11の上部には、植物2を支持する支持手段15が設置され、この支持手段15と底部111と側壁112と、により栽培槽11の内部空間を形成している。
【0034】
支持手段15は、植物2を支持可能な厚さを有する板状体であり、栽培槽11の側壁112の内形と略同一の形状である。また、支持手段15の略中心には、栽培槽11に植設する植物2の茎の外形より僅かに小さい孔が形成されている。支持手段15は、例えば、ウレタン樹脂で形成されている。なお、支持手段15は、植物の根21を下方に貫通することができる素材であればよく、例えば、ネット等を使用することができる。
【0035】
流入手段12は、栽培槽11に接続されている流入口121と、この流入口121に一端が接続される流入管122と、この流入管122の他端が接続された水揚ポンプ123と、を備える。
【0036】
流入口121は、栽培槽11の側壁112内部側の略接線方向に向けて栽培槽11と接続されている。また、流入口121は、後述する流出手段13のサイフォン部分133の頂部133cより上方に配置されている。
【0037】
流入管122は、筒状の長尺体である。流入管122の特に最適な形状は、内径20mmの筒状体である。
【0038】
水揚ポンプ123は、電動式であり、後述する養液槽16の底部に設置されている。また、水揚ポンプ123の養液3の吸い込み口には、養液3に浮遊する塵を吸い込まないようにするためのフィルターが設置されている。
【0039】
また、水揚ポンプ123の水揚げ量は、栽培槽へ流入させる養液の流入量となる。また、水揚ポンプ123は、水位管理端末220に接続されている。また、水揚ポンプ123は、後述する水位管理端末220の水位制御手段としての端末側CPU221により栽培槽に貯留された養液の水位を変化させるように制御される。
【0040】
流出手段13は、筒状の長尺体である。流出手段13の一端側は、栽培槽11の内部に配置されている。また、流出手段13は、栽培槽11の底部111に形成された貫通孔113をスライド可能に貫通し、流出手段13の他端側は、栽培槽11の外部に配置されている。
【0041】
流出手段13の一端側には、栽培槽11の養液3を吸入する吸入口131が、形成されている。また、流出手段13の他端側には、吸入口131から吸入した養液3を栽培槽11の外側に排出させる排出口132が形成されている。また、流出手段13の吸入口131と排出口132との間には、サイフォン部分133が形成されている。また、流出手段13は、透光性の材質で形成されている。
【0042】
吸入口131は、栽培槽11内の底部111近傍に、底部111方向に向けて配置されている。
排出口132は、栽培槽11の外側にかつ後述するサイフォン部分133の下方に、後述する養液槽16に向けて配置されている。
【0043】
サイフォン部分133は、栽培槽11に設置された支持手段15の下方に、逆U字型に形成されている。また、サイフォン部分133は、弾性素材で形成されている。また、サイフォン部分133は、栽培槽11内で略鉛直方向の逆方向に延びて吸入口131に向かう導引部133aと、栽培槽11内で略鉛直方向に延びて排出口132に向かう導出部133bと、導引部133aから導出部133bを繋げる湾曲した頂部133cと、を備える。栽培槽11の底部111から頂部133cまでの特に最適な距離は、700mmである。
【0044】
養液槽16は、上面が開放された箱状体であり、矩形の板状体底部の端縁に矩形の板状体の側壁が立設している。また、養液槽16は、透光性の素材で形成されている。
【0045】
養液槽架台17は、板状体であり、養液槽16の上面を略半分覆うように設置されている。また、養液槽架台17の略中央部分には、栽培槽11の底部の外径より僅かに大きい形状の凹部が形成されている。また、この養液槽架台17の凹部には、栽培槽11の外部に配置されている流出手段13が挿入可能な孔が設けられている。すなわち、栽培槽11は、養液槽架台17に着脱可能に設置される。
【0046】
図2を用いて、水耕栽培装置1の養液3の流動について説明する。
図2は、栽培槽11内の養液の水位の変化を示す水耕栽培装置1の部分断面図である。
【0047】
図2に示すように、流入手段12は、後述する水位管理端末220の後述する水位制御手段としての端末側CPU221により、栽培槽11の側壁112に接続された流入手段12の流入口121から、後述する流入量決定手段としてのサーバ側CPU211により決定された所定時間当たりの流入量である単位流入量の養液3を栽培槽11内に流入させる。流入口121は、円筒体の側壁112内部側の略接線方向に向けて側壁112に接続されている。よって、養液3は、側壁112に沿って回転しながら、流下していく。
【0048】
図2に示すように、流入手段12から流入された養液3は、栽培槽11の底部111から貯留され、流出手段13に形成されたサイフォン部分133の頂部133cの配置位置である水位32まで貯留される。すると、養液3は、サイフォン部分133のサイフォン効果によって、流出手段13の吸入口131から吸入され、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出されだす。すると、流入手段12の流入量より流出手段13の流出量の方が多いので、栽培槽11内の養液3の水位も徐々に下がる。その後、養液3は、流出手段13の吸入口131の配置位置である水位33まで水位が下がる。すると、流出手段13は、吸入口131より、空気を吸い込み、サイフォン効果を継続できなくなる。よって、養液3は、栽培槽11の外側に排出されなくなる。
【0049】
また、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出された養液3は、養液槽16に流下し、貯留される。その後、養液槽16に貯留された養液3は、流入手段12の水揚ポンプ123に吸い上げられ、流入手段12の流入管122を通じて、再び、流入手段12の流入口121より、栽培槽11に流入される。このように、養液3を循環させることで、水耕栽培装置1内で、養液3が滞留することがなくなるので、養液3の濃度を一定に保つことが可能となる。さらに、水耕栽培装置1は、鉛直方向に養液3を循環させているので、設置スペースを小さくすることが可能となる。
【0050】
また、サイフォン部分133のサイフォン効果によって、流出手段13の吸入口131から吸入され、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出されだす。すると、養液3の水位は、水位33までの水位が下がる。すると、流出手段13は、空気を吸いみ、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、栽培槽11内で響き、栽培槽11の外側に聞こえる音を、吸い込み音とは音の性質が異なる栽培槽音に変化する。
【0051】
次に、図3を用いて、水耕栽培システム200の水耕栽培装置1bについて説明する。
図3は、水耕栽培システム200の水耕栽培装置1bの斜視図である。
【0052】
図3に示すように、水耕栽培装置1bは、植物2に吸収させる養液3を貯留する栽培槽11と、栽培槽11へ養液3を流入させる流入手段12と、養液3を栽培槽11の外側に排出させる流出手段14と、を備える。また、水耕栽培装置1bは、栽培槽11に流入する養液3を貯留するとともに、栽培槽11の外側に排出された養液3を貯留する養液槽16と、養液槽16の上部に設けられ栽培槽11を支持する養液槽架台17と、を備える。また、栽培槽11の内部に、検知手段260が設置されている。また、水耕栽培装置1bの流入手段12及び流出手段14と検知手段260とは、水位管理端末220に接続されている。
なお、上述の水耕栽培装置1と同一の構成についての説明は省略する。
【0053】
流出手段14は、筒状の長尺体である。
流出手段14の一端側には、栽培槽11の養液3を吸入する吸入口141が、形成されている。また、流出手段14の他端側には、吸入口141から吸入した養液3を栽培槽11の外側に排出させる排出口142が形成されている。
【0054】
吸入口141は、栽培槽11内の底部111近傍に、略鉛直方向上向きに配置されている。
また、吸入口141には、吸入口バルブ141aが設けられている。この吸入口バルブ141aは、水位管理端末220の後述する水位制御手段としての端末側CPU221の制御により、開閉可能である。
【0055】
排出口132は、栽培槽11の外側にかつ養液槽16に向けて配置されている。
【0056】
検知手段260は、検知センサ263と、検知センサ263に一端が接続された検知線262と、検知線262の他端に接続された検知浮き261と、を備える。
【0057】
検知センサ263は、栽培槽11の底部111に固定され、検知センサ263の表面に検知線262が接続されている。
検知線262は、ナイロンで形成された糸状体である。
検知浮き261は、略球状体であり、塩化ビニル樹脂で形成されている。また、検知浮き261の外面には、検知線262の他端が接続されている。
【0058】
次に、水耕栽培装置1bの養液3の流動について説明する。
流入手段12は、後述する水位管理端末220の制御により、栽培槽11の側壁112に接続された流入手段12の流入口121から、後述する流入量決定手段としてのサーバ側CPU211により決定された所定時間当たりの流入量である単位流入量の養液3を栽培槽11内に流入させる。流入手段12から流入された養液3は、栽培槽11の底部111から貯留される。検知センサ263の検知浮き261は、検知センサ263を弛ませながら、養液3の水面に浮かんでいる。検知浮き261は、養液3の水位の上昇に伴い上昇する。その後、養液3の水位は、所定の水位に達する。すると、検知センサ263の検知線262は、養液3の水面に浮かんだ検知浮き261に引っ張られ、検知センサ263に所定の張力を与える。すると、検知センサ263は、水位管理端末220の後述する端末側CPU221に水位検知信号を送信する。水位検知信号を検知した端末側CPU221は、流出手段14を、栽培槽の外側に排出させる養液3の排出量を変化させるように制御する。すなわち、端末側CPU221は、吸入口バルブ141aを開放する制御を行う。すると、栽培槽11内の養液3は、重力により吸入口141から排出口142に向けて流下する。
【0059】
次に、図4を用いて、水耕栽培システム200の水耕栽培装置1cについて説明する。
図4は、水耕栽培システム200の水耕栽培装置1cの斜視図である。
【0060】
図4に示すように、水耕栽培装置1cは、上述の水耕栽培装置1の栽培槽11と同様の機能を有する複数の栽培槽11bを連結部20により連結して、複数の栽培槽11b用の養液槽架台17aに配置されている。この養液槽架台17aは、複数の栽培槽11b用の養液槽16aの上部に設置されている。
【0061】
次に、図5を用いて水耕栽培システム200の水位管理サーバ210と、水位管理端末220と、について説明する。
図5は、本発明の水耕栽培システム200のブロック図である。
【0062】
図5に示すように、水耕栽培システム200は、水位管理サーバ210と、複数の水位管理端末220と、がネットワーク230を介して接続されている。また、複数の水位管理端末220のうちの一つには、水耕栽培装置1が接続されている。また、複数の水位管理端末220のうちの一つには、水耕栽培装置1bが接続されている。また、複数の水位管理端末220のうちの一つには、水耕栽培装置1cが接続されている。
【0063】
水位管理サーバ210は、流入量決定手段としてのサーバ側CPU211と、後述する流入量テーブルの一例である酸素供給流入量テーブル(図6参照)を記憶する記憶手段212と、後述する植物情報を入力させる入力手段214と、水位管理に必要な情報を表示する表示手段213と、各種情報を送信及び取得するためのサーバ側215を備える。水位管理サーバ210は、サーバ側インターフェイス215を介してネットワーク230に接続される。
【0064】
サーバ側CPU211は、栽培槽11へ流入させる養液3の所定時間当たりの流入量である単位流入量を決定する。具体的には、サーバ側CPU211は、このサーバ側CPU211に接続された水耕栽培装置毎に、入力手段214により入力された植物情報に基づき、酸素供給流入量テーブル(図6参照)を参照して、単位流入量を決定する。また、サーバ側CPU211は、栽培槽11の養液3を栽培槽11の外側に排出させる排出量の所定時間当たりの排出量である単位排出量より少ない単位流入量を決定する。また、サーバ側CPU211は、決定した単位流入量に関する単位流入量情報を後述する水位管理端末220の端末側CPU221に送信する制御を行う。なお、本実施例において流入量決定手段は、CPUを例示しているが、これに限定されない。
【0065】
記憶手段212は、揮発性又不揮発性の半導体記憶素子から構成されており、サーバ側CPU211の作業領域として利用される他、植物2の種類を含む植物情報と単位流入量と植物2の種類に応じた植物2の根の酸素供給時間を関連付ける酸素供給流入量テーブル(図6参照)を記憶することや、各種プログラムを記憶することができる。
【0066】
サーバ側インターフェイス215は、送信部と取得部とを備え、水位管理サーバ210とネットワーク230との通信を可能とするインターフェイスであり、例えば、ネットワークがインターネットである場合には、TCP/IP等のプロトコルを利用した通信を行う機能を備える。サーバ側インターフェイス215は、送信部によりネットワーク230を介して、水位管理端末220に対して、サーバ側CPU211が決定した単位流入量に関する単位流入量情報を送信すると共に、取得部により水位管理端末220から送信された水耕栽培装置1、1b、1cに関する情報を取得する。
【0067】
表示手段213は、モニタ装置やスピーカ等を含み、水位管理に必要な情報として後述する入力手段214により入力させる植物情報等を水位管理サーバ210の操作者に分かりやすい形態で表示するものである。
【0068】
入力手段214は、水位管理サーバ210に対する操作者からの入力を受け付けるものであり、一般的には、キーボード及びマウスを含み、植物の種類を含む植物情報等の入力を受け付ける。
【0069】
水位管理端末220は、水位制御手段としての端末側CPU221と、端末側インターフェイス222とを備える。水位管理端末220は、ネットワーク230を介して水位管理サーバ210に接続される。
【0070】
端末側CPU221は、水位管理サーバ210から取得した単位流入量情報に基づき流入手段12を制御する。また、端末側CPU221は、水耕栽培装置1bの検知手段260の検知信号に基づき流出手段14を制御する。具体的には、端末側CPU221は、この端末側CPU221に接続された複数の水耕栽培装置毎に、水位管理サーバ210のサーバ側CPU211が決定した単位流入量に基づき、栽培槽11に貯留された養液3の水位を変化させるように流入手段12を制御する。また、端末側CPU221は、検知手段260により水位が所定水位に達したことを検知した場合に、栽培槽11の外側に排出させる養液3の排出量を変化させるように流出手段14の吸入口バルブ141aの開閉動作を制御する。なお、本実施例において水位制御手段は、CPUを例示しているが、これに限定されない。
【0071】
端末側インターフェイス222は、送信部と取得部とを備え、水位管理端末220とネットワーク230との通信を可能とするインターフェイスである。端末側インターフェイス222は、例えば、ネットワークがインターネットである場合には、TCP/IP等のプロトコルを利用した通信を行う機能を備える。端末側インターフェイス222は、送信部によりネットワーク230を介して、水位管理サーバ210に対して、水耕栽培装置1、1b、1cに関する情報を送信すると共に、取得部により水位管理サーバ210から送信されたサーバ側CPU211が決定した単位流入量に関する単位流入量情報を取得する。
【0072】
図6を用いて、記憶手段212が記憶する酸素供給流入量テーブルについて説明する。
図6は、図5に示す記憶手段212が記憶する酸素供給流入量テーブルである。
【0073】
図6に示すように、酸素供給流入量テーブルは、植物の種類を含む植物情報と単位流入量と植物の種類に応じた植物の根の酸素供給時間を関連付けている。さらに、酸素供給流入量テーブルは、栽培経過日数と、単位排出量とも関連付けている。また、単位流入量は、単位排出量より少なくなるように関連付けられている。
【0074】
植物の種類は、水耕栽培装置に設置される植物の種類である。具体的には、常緑種であるアイビー等や、水耕栽培に適した野菜であるホウレンソウ等が予め記憶されている。栽培経過日数は、日数で示され、植物を水耕栽培装置1、1b、1cに設置してからの経過日数である。植物の根の酸素供給時間は、1時間当たりの分数で示され、植物の種類と栽培経過日数とに応じた植物の根21が必要とする酸素供給時間である。単位流入量は、1分当たりの流入量(L)で示され、流入手段12により栽培槽11へ流入させる養液3の所定時間当たりの流入量である。単位排出量は、1分当たりの流出量(L)で示され、流出手段13、14により栽培槽11の養液3を栽培槽11の外側に排出させる所定時間当たりの排出量である。
【0075】
図7を用いて、表示手段213に表示され、入力手段214により入力させる植物情報について説明する。
図7は、表示手段213の表示画面を説明する正面図である。
【0076】
図7に示すように、表示手段213に表示される植物情報は、“水耕栽培装置番号”の文字と入力手段214によって入力可能な入力ボックス213aと、“植物の種類”の文字と入力手段214によって入力可能な入力ボックス213bと、“栽培経過日数”及び“日”の文字と入力手段214によって入力可能な入力ボックス213cと、を含む。
【0077】
図8を用いて、水位管理サーバ210の動作について説明する。
図8は、水位管理サーバ210の制御フローを示すフローチャートである。
【0078】
図8に示すように、水位管理サーバ210の流入量決定手段としてのサーバ側CPU211は、ステップS10の処理により、入力手段214により植物情報としての植物の種類の入力を受け、入力された植物情報を記憶手段212の所定領域に記憶する。また、水耕栽培装置番号、栽培経過日数も入力されたときは、これらの情報も記憶手段212の所定領域に記憶する。サーバ側CPU211は、ステップS10の処理が終了したときは、ステップS20に処理を移す。
【0079】
サーバ側CPU211は、ステップS20の処理により、記憶手段212に記憶された酸素供給流入量テーブルを参照する。サーバ側CPU211は、ステップS20の処理が終了したときは、ステップS30に処理を移す。
【0080】
サーバ側CPU211は、ステップS30の処理により、ステップS10の処理で記憶手段212に記憶した植物情報に基づき、ステップS20の処理で参照した酸素供給流入量テーブルから植物の根の酸素供給時間を算出する。サーバ側CPU211は、ステップS30の処理が終了したときは、ステップS40に処理を移す。
【0081】
サーバ側CPU211は、ステップS40の処理により、ステップS30の処理で算出した植物の根の酸素供給時間から単位流入量を決定する。サーバ側CPU211は、ステップS40の処理が終了したときは、ステップS50に処理を移す。
【0082】
サーバ側CPU211は、ステップS50の処理により、ステップS40の処理で決定した単位流入量に関する情報をサーバ側インターフェイス215により、ネットワーク230を介して、水位管理端末220の水位制御手段としての端末側CPU221に対して、送信する。サーバ側CPU211は、ステップS50の処理が終了したときは、本ルーチンを終了する。
【0083】
図9を用いて、水位管理端末220の動作について説明する。
図9は、水位管理端末220の制御フローを示すフローチャートである。
【0084】
図9に示すように、水位管理端末220の水位制御手段としての端末側CPU221は、ステップS100の処理により、サーバ側CPU211より送信された単位流入量に関する情報を取得する。端末側CPU221は、ステップS100の処理が終了したときは、ステップS200に処理を移す。
【0085】
端末側CPU221は、ステップS200の処理により、ステップS100の処理で取得した単位流入量に関する情報に基づき、栽培槽11に貯留された養液3の水位を変化させるように流入手段12を制御する。端末側CPU221は、ステップS200の処理が終了したときは、本ルーチンを終了する。
【0086】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の水耕栽培システムの概念図である。
【図2】栽培槽内の養液の水位の変化を示す水耕栽培装置の部分断面図である。
【図3】水耕栽培システムの水耕栽培装置の斜視図である。
【図4】水耕栽培システムの水耕栽培装置の斜視図である。
【図5】本発明の水耕栽培システムのブロック図である。
【図6】図5に示す記憶手段が記憶する酸素供給流入量テーブルである。
【図7】表示手段の表示画面を説明する正面図である。
【図8】水位管理サーバの制御フローを示すフローチャートである。
【図9】水位管理端末の制御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1、1b、1c 水耕栽培装置
2 植物
3 養液
11 栽培槽
12 流入手段
13、14 流出手段
133 サイフォン部分
133a 導引部
133b 導出部
133c 頂部
200 水耕栽培システム
211 サーバ側CPU
212 記憶手段
214 入力手段
221 端末側CPU
230 ネットワーク
260 検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物が設置され、前記植物に吸収させる養液を貯留する栽培槽と前記栽培槽へ養液を流入させる流入手段と前記栽培槽の養液を前記栽培槽の外側に排出させる流出手段とを有する水耕栽培装置と、
前記栽培槽へ流入させる養液の所定時間当たりの流入量である単位流入量を決定する流入量決定手段と、
前記単位流入量に基づき、前記栽培槽に貯留された養液の水位を変化させるように前記流入手段を制御する水位制御手段と、
前記植物に関する植物情報と前記単位流入量とを関連付ける流入量テーブルを記憶する記憶手段と、
前記植物情報を入力させる入力手段と、を備える水耕栽培システムであって、
前記流入量決定手段は、前記入力手段により入力された前記植物情報に基づき、前記流入量テーブルを参照して、前記単位流入量を決定し、前記単位流入量に関する単位流入量情報を前記水位制御手段に送信することを特徴とする水耕栽培システム。
【請求項2】
前記流出手段は、前記栽培槽内で略鉛直方向の逆方向に延びる導引部と前記栽培槽内で略鉛直方向に延びる導出部と前記導引部から前記導出部を繋げる湾曲した頂部とから成る逆U字型に形成されたサイフォン部分を有し、
前記流入量決定手段は、前記栽培槽の養液を前記栽培槽の外側に排出させる排出量の所定時間当たりの排出量である単位排出量より少ない前記単位流入量を決定することを特徴とする請求項1に記載の水耕栽培システム。
【請求項3】
前記水位制御手段は、前記水位を検知する検知手段を備え、
検知手段により前記水位が所定水位に達したことを検知した場合に、前記栽培槽の外側に排出させる養液の排出量を変化させるように前記流出手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の水耕栽培システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記植物の種類を含む前記植物情報と前記単位流入量と前記植物の種類に応じた前記植物の根の酸素供給時間を関連付ける酸素供給流入量テーブルを記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水耕栽培システム。
【請求項5】
それぞれに、植物が設置され、前記植物に吸収させる養液を貯留する栽培槽と前記栽培槽へ養液を流入させる流入手段と前記栽培槽の養液を前記栽培槽の外側に排出させる流出手段とを有する複数の水耕栽培装置と、
前記複数の水耕栽培装置毎に、前記栽培槽へ流入させる養液の所定時間当たりの流入量である単位流入量を、決定する流入量決定手段と、
前記複数の水耕栽培装置毎に、前記単位流入量に基づき、前記栽培槽に貯留された養液の水位を変化させるように前記流入手段を制御する少なくとも一つの水位制御手段と、
前記植物に関する植物情報と前記単位流入量とを関連付ける流入量テーブルを記憶する記憶手段と、
前記複数の水耕栽培装置毎の前記植物情報を入力させる入力手段と、を備える水耕栽培システムであって、
前記流入量決定手段は、前記入力手段により入力された前記植物情報に基づき、前記流入量テーブルを参照して、前記単位流入量を決定し、前記単位流入量に関する単位流入量情報を前記水位制御手段に送信し、
前記水位制御手段は、前記流入量決定手段とネットワークを介して接続されることを特徴とする水耕栽培システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−259817(P2007−259817A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92285(P2006−92285)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(595095629)中電環境テクノス株式会社 (44)
【Fターム(参考)】