縫製装置及び縫製方法
【課題】ステッチ縫製の外観を良好にする縫製装置を提供する。
【解決手段】本縫製装置は、ステッチ縫製時、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝19を有する送り足6を備えているので、糸締り不良を抑制して、ステッチ縫製の外観を良好にすることができる。
【解決手段】本縫製装置は、ステッチ縫製時、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝19を有する送り足6を備えているので、糸締り不良を抑制して、ステッチ縫製の外観を良好にすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークとしてのスラッシュ成形表皮材へステッチ縫製するための縫製装置及び縫製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の縫製装置は、図12に示すように、図3も参照しながら、表皮材2を1ピッチ分ずつ送る送り足51と、送り足51の外側に配置され表皮材2を送らない間該表皮材2を押える押え足7と、送り足51に備えた縫い針用孔54から表皮材2に向かって進退運動して表皮材2にステッチ縫製する縫い針53とを備えている。図12に示すように、送り足51は、表皮材2の表面に接触する送り部55と、該送り部55の端部から立設される立設部56とからなるL字状に形成される。また、送り足51の送り部55及び立設部56には、押え足7のガイド8が挿通されるガイド用溝18が形成される。送り部55のガイド用溝18の幅方向両側には、縫い針53が挿通される縫い針用孔54がそれぞれ形成される。縫い針53はその先端部が円錐状に形成されている。縫い針53に上糸10が挿通される。
【0003】
しかしながら、従来の縫製装置では、送り足51の送り部55の、表皮材2との接触面積が大きいために、例えば、曲線状にステッチ縫製する際、送り部55により表皮材2の回転を止めるような作用が発生してしまうため、送り足51と表皮材2との接触面積を小さくして表皮材2の動きを阻害しないようにする必要があった。そのために、図13に示すように、縫い針用孔54を含む送り部55を省いた形状の送り足52が採用されるようになった。
【0004】
ところが、図13に示す送り足52では、ステッチ縫製する際、図14、特に、図14(d)に示すように、送り足52が表皮材2の表面から離れて1ピッチ分縫製方向前方に移動すると、送り足52の下縁部に、縫い目21の端部から縫い針53に延びる上糸10が干渉するために、必要以上の上糸10が引き出される現象が発生し、しかも、図14(e)に示すように、余った上糸10を送り足52の下端面により押した状態で縫い針53が次の位置を貫通するために十分な糸締めが効かず(上糸10へ張力が付与できず)、結果的に糸締り不良となる新たな問題が発生する。
【0005】
また、従来の縫製装置では、縫い針53の先端が円錐状に形成され、スラッシュ成形表皮材2の粘弾性が大きく、縫い針53により切り裂いた貫通孔57が点状となるために、上糸10が貫通孔57を通過する際表皮材2から上糸10へ作用する抵抗が大きくなり、上糸10の撚りが解かれてしまう、すなわち糸割れが生じる、という問題が発生する。また、図15及び図16に示すように、縫い針53により切り裂いた貫通孔57内において、下糸11よりも上流側の上糸10aと、下糸11よりも下流側の上糸10bとが干渉することにより、図17に示すように、下糸11よりも上流側の上糸10aがループ状に表皮材2の表面から上方に引き出される現象が発生し、その後上糸10を引くことによりループ状の上糸10aは解消されるが糸割れが促進される。
【0006】
なお、特許文献1には、表皮材の表面に縫い目形成装置を用いて縫製ステッチ模様を施すに当たり、該縫い目形成装置の生地押さえのフレームに、該生地押さえを降下して生地載置台上の上記表皮材を押圧した際、縫い針の降下点から所定の距離離れた位置で該表皮材表面に当接するガイドローラを付設し、該ガイドローラが予め表皮材表面に形成されたガイド溝に嵌合した状態で回転するごとく該表皮材を搬送することにより、この溝に平行なステッチ意匠の縫い目を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−317543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に係る縫製ステッチ模様形成方法では、上述したステッチ縫製の外観不良に係る問題を解決することはできない。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ステッチ縫製の外観を良好にする縫製装置及び縫製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の縫製装置は、ステッチ縫製時、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝を有する送り足を備えたことを特徴としている。
また、本発明の縫製方法は、ワークへのステッチ縫製時、送り足が縫製方向前方に移動する際、該送り足に、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸が干渉しないようにステッチ縫製することを特徴としている。
これにより、ステッチ縫製の外観を良好にすることができる。
なお、本発明の縫製装置及び縫製方法の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
【0011】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項乃至(3)項の各々が、請求項1乃至3の各々に相当し、(6)項及び(7)項が請求項4及び5に相当する。
【0012】
(1)ワークにステッチ縫製する縫製装置であって、ステッチ縫製時、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝を有する送り足を備えたことを特徴とする縫製装置。
(1)項の縫製装置では、ステッチ縫製時、送り足が表皮材の表面から離れて1ピッチ分縫製方向前方に移動する際、送り足の逃がし溝に、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸が収容されるので、余分な上糸を引き出す作用を抑制することができる。しかも、送り足の下端面がワークの表面に接触しているときにも、送り足の下端面が上糸に干渉していないので上糸へ張力を付与することができる。これにより、糸締めが有効になり、糸締り不良を抑制することができる。
【0013】
(2)前記縫い針の先端は断面紡錘形状に形成されることを特徴とする(1)項に記載の縫製装置。
(2)項の縫製装置では、縫い針により切り裂いた貫通孔を点状から線状に変えることができるので、上糸へのワークからの抵抗が低減され、糸割れの発生を抑制することができる。
【0014】
(3)前記ワークは、スラッシュ成形表皮材であることを特徴とする(1)または(2)項に記載の縫製装置。
(4)前記スラッシュ成形表皮材は、その機械物性が、引張強度が2.5〜17.5MPa、伸びが200%〜800%、引裂強度20〜80kN/mであることを特徴とする(3)項に記載の縫製装置。
(3)項及び(4)項の縫製装置は、一般的に粘弾性が高いとされるスラッシュ成形表皮材に特に有効である。
【0015】
(5)前記逃がし溝の深さは、3mm以上に設定されることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれかに記載の縫製装置。
(5)項の縫製装置では、余分な上糸を引き出す作用を確実に抑制することができる。
【0016】
(6)ワークへのステッチ縫製時、送り足が縫製方向前方に移動する際、該送り足に、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸が干渉しないようにステッチ縫製することを特徴とする縫製方法。
(6)項の縫製方法では、余分な上糸を引き出す作用を抑制することができ、ひいては、糸締り不良を抑制することができる。
【0017】
(7)前記縫い針が前記ワークを貫通して上糸に下糸を絡ませた後、その貫通孔内を後退する時、該貫通孔内にて、下糸よりも上流側の上糸と、下糸よりも下流側の上糸との間にクリアランスが生じるようにステッチ縫製することを特徴とする(6)項に記載の縫製方法。
(7)項の縫製方法では、糸割れを抑制することができ、ひいてはステッチ縫製の外観を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ステッチ縫製の外観を良好にする縫製装置及び縫製方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る縫製装置の全体像を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る縫製装置の側面図である。
【図3】図3は、図1のA部の拡大斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る縫製装置に採用された縫い針の正面図である。
【図5】図5は、図4の縫い針の先端の断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る縫製装置により表皮材を縫製した縫い目を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る縫製装置に採用された送り足を示し、(a)は斜視図で、(b)は側面図で、(c)は正面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係る縫製装置に採用された縫い針による作用を段階的に示した図である。
【図9】図9は、図8の(b)の拡大図である。
【図10】図10は、図8の(c)の拡大図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態に係る縫製装置に採用された送り足による作用を段階的に示した図である。
【図12】図12は、従来の縫製装置に採用された送り足の断面図である。
【図13】図13は、従来の縫製装置に採用された他の送り足の断面図である。
【図14】図14は、図13に示す送り足による作用を段階的に示した図である。
【図15】図15は、従来の縫製装置に採用された縫い針による作用を段階的に示した図である。
【図16】図16は、図15の(b)の拡大図である。
【図17】図17は、図15の(c)の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図11に基づいて詳細に説明する。
ワークとしてスラッシュ成形表皮材2は、自動車の内装部品用の表皮材2として使用される。該表皮材2は、熱可塑性樹脂、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマ(TPO)、ポリ塩化ビニル(PVC)等のパウダーを、加熱した金型に投入、回転させることにより金型表面に接触したパウダーを溶融させて表皮を成形して構成される。そして、この表皮材2を所望の位置で裁断し、該裁断された表皮材2を縫い合わせて縫製表皮材2とする。その後、図3に示すように、本発明の実施の形態に係る縫製装置1により、縫い合わせ部分のライン溝25に沿ってその両側にステッチ縫製される。なお、上述した表皮材2は、粘弾性が大きい物性を有し、その機械特性は、引張強度2.5〜17.5MPa、伸び200%〜800%、引裂強度20〜80kN/mである。
【0021】
そして、本発明の実施の形態に係る縫製装置1は、図1に示すように、装置本体3と、表皮材2にステッチ縫製する縫製部4とから構成される。
縫製部4は、図3に示すように、表皮材2に向かって進退運動して表皮材2の表面にステッチ縫製する縫い針5と、表皮材2の表面に接触して該表皮材2を1ピッチずつ送る送り足6と、送り足6の外側に配置され、表皮材2を送り足6により送らない間該表皮材2を上方から押える押え足7とを備えている。
【0022】
縫い針5は、図3〜図5に示すように、その先端が断面紡錘形状に形成される。縫い針5は、押え足7のガイド8から幅方向両側にそれぞれ配置される(図1では両方に配置されるが、図3では片方だけに配置される)。また、各縫い針5は、送り足6よりも縫製方向前方に配置される。各縫い針5は表皮材2に向かって進退運動する。縫い針5の糸挿通用孔22に上糸10が挿通される。図1に示すように、縫い針5を押え足7のガイド8から幅方向両側にそれぞれ配置する場合には、縫い合わせ部分のライン溝25に沿ってその両側を同時にステッチ縫製可能となる。なお、図3に示すように、縫い針5を、押え足7のガイド8から片方だけに配置して、縫い合わせ部分のライン溝25に沿って片方ずつステッチ縫製するようにしてもよい。
【0023】
押え足7は、図3に示すように、送り足6より表皮材2を送らない間該表皮材2を上方から押えるものである。該押え足7は、送り足6を外側から挟むように分岐した一対の分岐押え部15、15と、該各分岐押え部15、15間の略中央に延び、縫製ラインに沿って送り足6をガイドするガイド8とを備えている。一対の分岐押え部15、15は、表皮材2を上方から押えるもので上下方向に移動自在に構成される。ガイド8が表皮材2の縫い合わせ部分のライン溝25に嵌合される。
【0024】
送り足6は、図3及び図7に示すように、表皮材2を1ピッチ分ずつ送るように、前後方向及び上下方向に移動自在に構成される。該送り足6は、装置本体3側に支持される筒状の支持部16と、該支持部16から下方に延び、表皮材2の表面に下端面が接触する板状の送り部17とから構成される。送り部17は、図7(b)に示す側面視において、支持部16に対して縫製方向前方に若干突設するように傾斜して構成される。図7(c)に示すように、送り部17の幅は支持部16の径よりも大きく形成される。送り部17の下端面が表皮材2の表面に接触する。また、送り足6の送り部17には、図7(c)に示す正面視において、その幅方向略中央に押え足7のガイド8が挿通される、下端を開放した所定幅のガイド用溝18が形成される。該ガイド用溝18の両側に、ステッチ縫製時、縫い目21の端部から縫い針5に延びる上糸10との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝19がそれぞれ形成される。各逃がし溝19の深さはガイド用溝18の深さよりも浅く設定される。各逃がし溝19は、その幅が使用する上糸10の太さ以上に、例えば0.5mm以上に設定される。また、各逃がし溝19の深さは、ステッチ縫製時に直前の縫い目21から延びる上糸10が干渉しない高さ、例えば3mm以上に設定される。本実施形態では、各逃がし溝19の幅は2.5mm、深さは6mmに設定される。
【0025】
次に、本発明の実施の形態に係る縫製装置1に採用された縫い針5による作用効果を図3、図8及び図9に基づいて説明する。
通常、送り足6により表皮材2を1ピッチ送った後、押え足7により表皮材2を上方から押さえ、縫い針5を表皮材2に向かって進退運動させ、これを繰り返すことで表皮材2の表面に、例えば、図6に示すような縫い目21模様でステッチ縫製される。
そこで、縫い針5が表皮材2に向かって進退運動する際は、図8に示すように、縫い針5の糸挿通用孔22(図4参照)に上糸10が挿通された状態で表皮材2を切り裂いて貫通孔20を形成し、表皮材2の下面に沿う下糸11に上糸10を絡めた状態で縫い針5を、貫通孔20を経由して後退させる。
【0026】
そして、本実施の形態に係る縫製装置1に採用した縫い針5では、その先端が断面紡錘形状に形成され、該縫い針5によって切り裂いた貫通孔20が線状(図6参照)となるために、表皮材2から上糸10へ作用する抵抗が低減され、糸割れを抑制することができる。
さらに、図8及び図9に示すように、縫い針5が表皮材2を切り裂いて貫通孔20を形成しながら上糸10に下糸11を絡ませた後、縫い針5が貫通孔20内を後退する時、縫い針5によって切り裂いた貫通孔20内においては、下糸11よりも上流側の上糸10aと、下糸11よりも下流側の上糸10bとの間にクリアランスAが生じることになる。この結果、図10から解るように、従来のように、下糸11よりも上流側の上糸10aと、下糸11よりも下流側の上糸10bとの干渉により、上流側の上糸10aがループ状に表皮材2の表面から上方に引き出される現象(図17参照)も発生せず、糸割れを抑制することができる。
【0027】
次に、本発明の実施の形態に係る縫製装置1に採用された送り足6による作用効果を図11に基づいて説明する。
ステッチ縫製する際、送り足6が表皮材2の表面から離れて1ピッチ分縫製方向前方に移動すると共に、図11(d)から解るように、送り足6の送り部17に設けた逃がし溝19に、縫い目21の端部から縫い針5に延びる上糸10が収容される。さらに、送り足6が下降して、送り足6の送り部17の下端が表皮材2の表面に接触しているときにも、送り部17の下端は上糸10に干渉しない状態となる。この結果、従来のように、必要以上の上糸10が引き出される現象を抑制でき、しかも、送り足6の送り部17が表皮材2の表面に接触しているときも、送り足6の送り部17が上糸10に干渉しないので、上糸10へ張力を付与でき糸締めが有効となり、結果的に糸締り不良を抑制することができる。
【0028】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る縫製装置1では、送り足6が表皮材2の表面から離れて1ピッチ分縫製方向前方に移動する際、送り足6の逃がし溝19に、縫い目21の端部から縫い針5に延びる上糸10を収容することができ、しかも、送り足6の送り部17の下端面が表皮材2の表面に接触しているときにも、送り部17の下端面は上糸10に干渉しない状態であるので、上糸10へ張力を付与することができる。その結果、糸締り不良を抑制することができる。
【0029】
また、本発明の実施の形態に係る縫製装置1では、縫い針5の先端が断面紡錘形状に形成されているので、縫い針5により切り裂いた貫通孔20を線状にすることできるので、表皮材2から上糸10へ作用する抵抗が低減され、糸割れを抑制することができる。しかも、貫通孔20内では、下糸11よりも上流側の上糸10aと、下糸11よりも下流側の上糸10bとの間にクリアランスAが生じるので、糸割れの発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 縫製装置,2 表皮材(スラッシュ成形表皮材),5 縫い針,6 送り足,10 上糸,10a、10b 上糸,11 下糸,17 送り部,19 逃がし溝,20 貫通孔,21 縫い目
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークとしてのスラッシュ成形表皮材へステッチ縫製するための縫製装置及び縫製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の縫製装置は、図12に示すように、図3も参照しながら、表皮材2を1ピッチ分ずつ送る送り足51と、送り足51の外側に配置され表皮材2を送らない間該表皮材2を押える押え足7と、送り足51に備えた縫い針用孔54から表皮材2に向かって進退運動して表皮材2にステッチ縫製する縫い針53とを備えている。図12に示すように、送り足51は、表皮材2の表面に接触する送り部55と、該送り部55の端部から立設される立設部56とからなるL字状に形成される。また、送り足51の送り部55及び立設部56には、押え足7のガイド8が挿通されるガイド用溝18が形成される。送り部55のガイド用溝18の幅方向両側には、縫い針53が挿通される縫い針用孔54がそれぞれ形成される。縫い針53はその先端部が円錐状に形成されている。縫い針53に上糸10が挿通される。
【0003】
しかしながら、従来の縫製装置では、送り足51の送り部55の、表皮材2との接触面積が大きいために、例えば、曲線状にステッチ縫製する際、送り部55により表皮材2の回転を止めるような作用が発生してしまうため、送り足51と表皮材2との接触面積を小さくして表皮材2の動きを阻害しないようにする必要があった。そのために、図13に示すように、縫い針用孔54を含む送り部55を省いた形状の送り足52が採用されるようになった。
【0004】
ところが、図13に示す送り足52では、ステッチ縫製する際、図14、特に、図14(d)に示すように、送り足52が表皮材2の表面から離れて1ピッチ分縫製方向前方に移動すると、送り足52の下縁部に、縫い目21の端部から縫い針53に延びる上糸10が干渉するために、必要以上の上糸10が引き出される現象が発生し、しかも、図14(e)に示すように、余った上糸10を送り足52の下端面により押した状態で縫い針53が次の位置を貫通するために十分な糸締めが効かず(上糸10へ張力が付与できず)、結果的に糸締り不良となる新たな問題が発生する。
【0005】
また、従来の縫製装置では、縫い針53の先端が円錐状に形成され、スラッシュ成形表皮材2の粘弾性が大きく、縫い針53により切り裂いた貫通孔57が点状となるために、上糸10が貫通孔57を通過する際表皮材2から上糸10へ作用する抵抗が大きくなり、上糸10の撚りが解かれてしまう、すなわち糸割れが生じる、という問題が発生する。また、図15及び図16に示すように、縫い針53により切り裂いた貫通孔57内において、下糸11よりも上流側の上糸10aと、下糸11よりも下流側の上糸10bとが干渉することにより、図17に示すように、下糸11よりも上流側の上糸10aがループ状に表皮材2の表面から上方に引き出される現象が発生し、その後上糸10を引くことによりループ状の上糸10aは解消されるが糸割れが促進される。
【0006】
なお、特許文献1には、表皮材の表面に縫い目形成装置を用いて縫製ステッチ模様を施すに当たり、該縫い目形成装置の生地押さえのフレームに、該生地押さえを降下して生地載置台上の上記表皮材を押圧した際、縫い針の降下点から所定の距離離れた位置で該表皮材表面に当接するガイドローラを付設し、該ガイドローラが予め表皮材表面に形成されたガイド溝に嵌合した状態で回転するごとく該表皮材を搬送することにより、この溝に平行なステッチ意匠の縫い目を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−317543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に係る縫製ステッチ模様形成方法では、上述したステッチ縫製の外観不良に係る問題を解決することはできない。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ステッチ縫製の外観を良好にする縫製装置及び縫製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の縫製装置は、ステッチ縫製時、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝を有する送り足を備えたことを特徴としている。
また、本発明の縫製方法は、ワークへのステッチ縫製時、送り足が縫製方向前方に移動する際、該送り足に、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸が干渉しないようにステッチ縫製することを特徴としている。
これにより、ステッチ縫製の外観を良好にすることができる。
なお、本発明の縫製装置及び縫製方法の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
【0011】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項乃至(3)項の各々が、請求項1乃至3の各々に相当し、(6)項及び(7)項が請求項4及び5に相当する。
【0012】
(1)ワークにステッチ縫製する縫製装置であって、ステッチ縫製時、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝を有する送り足を備えたことを特徴とする縫製装置。
(1)項の縫製装置では、ステッチ縫製時、送り足が表皮材の表面から離れて1ピッチ分縫製方向前方に移動する際、送り足の逃がし溝に、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸が収容されるので、余分な上糸を引き出す作用を抑制することができる。しかも、送り足の下端面がワークの表面に接触しているときにも、送り足の下端面が上糸に干渉していないので上糸へ張力を付与することができる。これにより、糸締めが有効になり、糸締り不良を抑制することができる。
【0013】
(2)前記縫い針の先端は断面紡錘形状に形成されることを特徴とする(1)項に記載の縫製装置。
(2)項の縫製装置では、縫い針により切り裂いた貫通孔を点状から線状に変えることができるので、上糸へのワークからの抵抗が低減され、糸割れの発生を抑制することができる。
【0014】
(3)前記ワークは、スラッシュ成形表皮材であることを特徴とする(1)または(2)項に記載の縫製装置。
(4)前記スラッシュ成形表皮材は、その機械物性が、引張強度が2.5〜17.5MPa、伸びが200%〜800%、引裂強度20〜80kN/mであることを特徴とする(3)項に記載の縫製装置。
(3)項及び(4)項の縫製装置は、一般的に粘弾性が高いとされるスラッシュ成形表皮材に特に有効である。
【0015】
(5)前記逃がし溝の深さは、3mm以上に設定されることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれかに記載の縫製装置。
(5)項の縫製装置では、余分な上糸を引き出す作用を確実に抑制することができる。
【0016】
(6)ワークへのステッチ縫製時、送り足が縫製方向前方に移動する際、該送り足に、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸が干渉しないようにステッチ縫製することを特徴とする縫製方法。
(6)項の縫製方法では、余分な上糸を引き出す作用を抑制することができ、ひいては、糸締り不良を抑制することができる。
【0017】
(7)前記縫い針が前記ワークを貫通して上糸に下糸を絡ませた後、その貫通孔内を後退する時、該貫通孔内にて、下糸よりも上流側の上糸と、下糸よりも下流側の上糸との間にクリアランスが生じるようにステッチ縫製することを特徴とする(6)項に記載の縫製方法。
(7)項の縫製方法では、糸割れを抑制することができ、ひいてはステッチ縫製の外観を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ステッチ縫製の外観を良好にする縫製装置及び縫製方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る縫製装置の全体像を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る縫製装置の側面図である。
【図3】図3は、図1のA部の拡大斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る縫製装置に採用された縫い針の正面図である。
【図5】図5は、図4の縫い針の先端の断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る縫製装置により表皮材を縫製した縫い目を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る縫製装置に採用された送り足を示し、(a)は斜視図で、(b)は側面図で、(c)は正面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係る縫製装置に採用された縫い針による作用を段階的に示した図である。
【図9】図9は、図8の(b)の拡大図である。
【図10】図10は、図8の(c)の拡大図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態に係る縫製装置に採用された送り足による作用を段階的に示した図である。
【図12】図12は、従来の縫製装置に採用された送り足の断面図である。
【図13】図13は、従来の縫製装置に採用された他の送り足の断面図である。
【図14】図14は、図13に示す送り足による作用を段階的に示した図である。
【図15】図15は、従来の縫製装置に採用された縫い針による作用を段階的に示した図である。
【図16】図16は、図15の(b)の拡大図である。
【図17】図17は、図15の(c)の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図11に基づいて詳細に説明する。
ワークとしてスラッシュ成形表皮材2は、自動車の内装部品用の表皮材2として使用される。該表皮材2は、熱可塑性樹脂、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマ(TPO)、ポリ塩化ビニル(PVC)等のパウダーを、加熱した金型に投入、回転させることにより金型表面に接触したパウダーを溶融させて表皮を成形して構成される。そして、この表皮材2を所望の位置で裁断し、該裁断された表皮材2を縫い合わせて縫製表皮材2とする。その後、図3に示すように、本発明の実施の形態に係る縫製装置1により、縫い合わせ部分のライン溝25に沿ってその両側にステッチ縫製される。なお、上述した表皮材2は、粘弾性が大きい物性を有し、その機械特性は、引張強度2.5〜17.5MPa、伸び200%〜800%、引裂強度20〜80kN/mである。
【0021】
そして、本発明の実施の形態に係る縫製装置1は、図1に示すように、装置本体3と、表皮材2にステッチ縫製する縫製部4とから構成される。
縫製部4は、図3に示すように、表皮材2に向かって進退運動して表皮材2の表面にステッチ縫製する縫い針5と、表皮材2の表面に接触して該表皮材2を1ピッチずつ送る送り足6と、送り足6の外側に配置され、表皮材2を送り足6により送らない間該表皮材2を上方から押える押え足7とを備えている。
【0022】
縫い針5は、図3〜図5に示すように、その先端が断面紡錘形状に形成される。縫い針5は、押え足7のガイド8から幅方向両側にそれぞれ配置される(図1では両方に配置されるが、図3では片方だけに配置される)。また、各縫い針5は、送り足6よりも縫製方向前方に配置される。各縫い針5は表皮材2に向かって進退運動する。縫い針5の糸挿通用孔22に上糸10が挿通される。図1に示すように、縫い針5を押え足7のガイド8から幅方向両側にそれぞれ配置する場合には、縫い合わせ部分のライン溝25に沿ってその両側を同時にステッチ縫製可能となる。なお、図3に示すように、縫い針5を、押え足7のガイド8から片方だけに配置して、縫い合わせ部分のライン溝25に沿って片方ずつステッチ縫製するようにしてもよい。
【0023】
押え足7は、図3に示すように、送り足6より表皮材2を送らない間該表皮材2を上方から押えるものである。該押え足7は、送り足6を外側から挟むように分岐した一対の分岐押え部15、15と、該各分岐押え部15、15間の略中央に延び、縫製ラインに沿って送り足6をガイドするガイド8とを備えている。一対の分岐押え部15、15は、表皮材2を上方から押えるもので上下方向に移動自在に構成される。ガイド8が表皮材2の縫い合わせ部分のライン溝25に嵌合される。
【0024】
送り足6は、図3及び図7に示すように、表皮材2を1ピッチ分ずつ送るように、前後方向及び上下方向に移動自在に構成される。該送り足6は、装置本体3側に支持される筒状の支持部16と、該支持部16から下方に延び、表皮材2の表面に下端面が接触する板状の送り部17とから構成される。送り部17は、図7(b)に示す側面視において、支持部16に対して縫製方向前方に若干突設するように傾斜して構成される。図7(c)に示すように、送り部17の幅は支持部16の径よりも大きく形成される。送り部17の下端面が表皮材2の表面に接触する。また、送り足6の送り部17には、図7(c)に示す正面視において、その幅方向略中央に押え足7のガイド8が挿通される、下端を開放した所定幅のガイド用溝18が形成される。該ガイド用溝18の両側に、ステッチ縫製時、縫い目21の端部から縫い針5に延びる上糸10との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝19がそれぞれ形成される。各逃がし溝19の深さはガイド用溝18の深さよりも浅く設定される。各逃がし溝19は、その幅が使用する上糸10の太さ以上に、例えば0.5mm以上に設定される。また、各逃がし溝19の深さは、ステッチ縫製時に直前の縫い目21から延びる上糸10が干渉しない高さ、例えば3mm以上に設定される。本実施形態では、各逃がし溝19の幅は2.5mm、深さは6mmに設定される。
【0025】
次に、本発明の実施の形態に係る縫製装置1に採用された縫い針5による作用効果を図3、図8及び図9に基づいて説明する。
通常、送り足6により表皮材2を1ピッチ送った後、押え足7により表皮材2を上方から押さえ、縫い針5を表皮材2に向かって進退運動させ、これを繰り返すことで表皮材2の表面に、例えば、図6に示すような縫い目21模様でステッチ縫製される。
そこで、縫い針5が表皮材2に向かって進退運動する際は、図8に示すように、縫い針5の糸挿通用孔22(図4参照)に上糸10が挿通された状態で表皮材2を切り裂いて貫通孔20を形成し、表皮材2の下面に沿う下糸11に上糸10を絡めた状態で縫い針5を、貫通孔20を経由して後退させる。
【0026】
そして、本実施の形態に係る縫製装置1に採用した縫い針5では、その先端が断面紡錘形状に形成され、該縫い針5によって切り裂いた貫通孔20が線状(図6参照)となるために、表皮材2から上糸10へ作用する抵抗が低減され、糸割れを抑制することができる。
さらに、図8及び図9に示すように、縫い針5が表皮材2を切り裂いて貫通孔20を形成しながら上糸10に下糸11を絡ませた後、縫い針5が貫通孔20内を後退する時、縫い針5によって切り裂いた貫通孔20内においては、下糸11よりも上流側の上糸10aと、下糸11よりも下流側の上糸10bとの間にクリアランスAが生じることになる。この結果、図10から解るように、従来のように、下糸11よりも上流側の上糸10aと、下糸11よりも下流側の上糸10bとの干渉により、上流側の上糸10aがループ状に表皮材2の表面から上方に引き出される現象(図17参照)も発生せず、糸割れを抑制することができる。
【0027】
次に、本発明の実施の形態に係る縫製装置1に採用された送り足6による作用効果を図11に基づいて説明する。
ステッチ縫製する際、送り足6が表皮材2の表面から離れて1ピッチ分縫製方向前方に移動すると共に、図11(d)から解るように、送り足6の送り部17に設けた逃がし溝19に、縫い目21の端部から縫い針5に延びる上糸10が収容される。さらに、送り足6が下降して、送り足6の送り部17の下端が表皮材2の表面に接触しているときにも、送り部17の下端は上糸10に干渉しない状態となる。この結果、従来のように、必要以上の上糸10が引き出される現象を抑制でき、しかも、送り足6の送り部17が表皮材2の表面に接触しているときも、送り足6の送り部17が上糸10に干渉しないので、上糸10へ張力を付与でき糸締めが有効となり、結果的に糸締り不良を抑制することができる。
【0028】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る縫製装置1では、送り足6が表皮材2の表面から離れて1ピッチ分縫製方向前方に移動する際、送り足6の逃がし溝19に、縫い目21の端部から縫い針5に延びる上糸10を収容することができ、しかも、送り足6の送り部17の下端面が表皮材2の表面に接触しているときにも、送り部17の下端面は上糸10に干渉しない状態であるので、上糸10へ張力を付与することができる。その結果、糸締り不良を抑制することができる。
【0029】
また、本発明の実施の形態に係る縫製装置1では、縫い針5の先端が断面紡錘形状に形成されているので、縫い針5により切り裂いた貫通孔20を線状にすることできるので、表皮材2から上糸10へ作用する抵抗が低減され、糸割れを抑制することができる。しかも、貫通孔20内では、下糸11よりも上流側の上糸10aと、下糸11よりも下流側の上糸10bとの間にクリアランスAが生じるので、糸割れの発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 縫製装置,2 表皮材(スラッシュ成形表皮材),5 縫い針,6 送り足,10 上糸,10a、10b 上糸,11 下糸,17 送り部,19 逃がし溝,20 貫通孔,21 縫い目
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークにステッチ縫製する縫製装置であって、
ステッチ縫製時、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝を有する送り足を備えたことを特徴とする縫製装置。
【請求項2】
前記縫い針の先端は断面紡錘形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の縫製装置。
【請求項3】
前記ワークは、スラッシュ成形表皮材であることを特徴とする請求項1または2に記載の縫製装置。
【請求項4】
ワークへのステッチ縫製時、送り足が縫製方向前方に移動する際、該送り足に、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸が干渉しないようにステッチ縫製することを特徴とする縫製方法。
【請求項5】
前記縫い針が前記ワークを貫通して上糸に下糸を絡ませた後、その貫通孔内を後退する時、該貫通孔内にて、下糸よりも上流側の上糸と、下糸よりも下流側の上糸との間にクリアランスが生じるようにステッチ縫製することを特徴とする請求項4に記載の縫製方法。
【請求項1】
ワークにステッチ縫製する縫製装置であって、
ステッチ縫製時、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸との干渉を避けるための、下端を開放した逃がし溝を有する送り足を備えたことを特徴とする縫製装置。
【請求項2】
前記縫い針の先端は断面紡錘形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の縫製装置。
【請求項3】
前記ワークは、スラッシュ成形表皮材であることを特徴とする請求項1または2に記載の縫製装置。
【請求項4】
ワークへのステッチ縫製時、送り足が縫製方向前方に移動する際、該送り足に、縫い目の端部から縫い針に延びる上糸が干渉しないようにステッチ縫製することを特徴とする縫製方法。
【請求項5】
前記縫い針が前記ワークを貫通して上糸に下糸を絡ませた後、その貫通孔内を後退する時、該貫通孔内にて、下糸よりも上流側の上糸と、下糸よりも下流側の上糸との間にクリアランスが生じるようにステッチ縫製することを特徴とする請求項4に記載の縫製方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−9909(P2013−9909A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145851(P2011−145851)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]