説明

繊維及び毛髪繊維コンディショニングトリートメント組成物

本発明は、過剰コンディショニングという否定的側面を伴わずに改善されたコンディショニングを提供するために、官能化アミノシリコーンポリマーを、好ましくは非官能性アミノシリコーンポリマーと組み合わせて含む、繊維又は毛髪繊維コンディショニングトリートメント組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
酸化染色は、別の言い方でパーマネントカラーリング及びヘアブリーチングとして知られており、毛髪に非可逆的な物理化学的変化をもたらす。典型的には、これらのプロセス中、毛髪に適用される前に少なくとも2つの構成成分が共に混合される。これらは通常、過酸化水素のような酸化剤を含有する1つの構成成分と、高いpH、典型的には8.5〜10.5程度のpHに緩衝されるアルカリ化剤、及び任意で酸化染料前駆体及びカップラーのような染料物質を含有する第2の構成成分とを含む。毛髪と接触させた後、この混合物を、要求されている色変化を生じさせるのに適した期間残存させると、その後毛髪は、不可逆性の化学変化によって、着色されていない毛髪よりも親水性となる。理論に束縛されるものではないが、この毛髪の親水性における変化は、とりわけ、毛髪内のケラチン−ケラチンシスチンアミノ酸が酸化して、より親水性のシステイン酸アミノ酸残基を生成すること、及び元々の疎水性のF層が加水分解により除去されることによるものと思われる。この着色プロセスは普通、所望の毛髪の色及び色の強度を維持するために、及びまた新しく成長した毛髪が古い毛髪と同一の色を持つことを確実にするように、消費者によって定期的に繰返される。結果として毛髪は、その初めての着色処理を経験している可能性のある頭皮付近の相対的に疎水性の表面から、多数回の着色処理に供された可能性のある毛髪の先端における次第により極性の高くなった基材まで、極性を変化させる。毛髪の酸化染色の議論は、「ヘアケアサイエンス(The Science of Hair Care)」(チャールズ・ズビアク(Charles Zviak)、マーセル・デッカー(Marcel Dekker)、ニューヨーク、1986年)に見出すことができる。
【0002】
毛髪に対するこれらの不可逆性の物理化学的な変化はまた、より扱いにくい毛髪につながる粗さ、脆性及び乾燥の増大として、現れ得る。着色プロセス内でのコンディショナーの使用が既知である。コンディショニング物質は着色剤製品に添加されることができ、あるいは着色剤キット内に別個のコンディショナーとして供給されることができ、さらにそれによってそれらは着色事象の間又は着色剤を洗い流した後のいずれかに毛髪に適用されることができる。EP0275707に記載されるように、この目的のためにアミノシリコーンを使用することが既知である。しかし、連続的な酸化的着色の後に得られた毛髪のようにより極性の高い毛髪の場合、アミノシリコーンの付着は顕著に低下し、特に過酷な着色環境内に送り込まれた場合には、酸化着色されていない毛髪の場合の毛髪の状態と同一レベルの効果をもたらすことができないということも確証されてきた。理論に束縛されるものではないが、その理由は、極性の高い、化学的に損傷した毛髪と、相対的に非極性のアミノシリコーンとの間には、表面エネルギーの不適応性が存在し、それがあまり十分でない接着につながるためである可能性がある。
【0003】
大いに損傷した毛髪とより損傷の少ない毛髪の間の付着の均一性を改善することは、主要な改善領域を提示する。これにより、根元において過剰に付着することなく、顕著なコンディショニング効果のためにそれが最も必要とされているより極性の高い/損傷した先端部における十分な付着が可能となり得る。さらにこの技術的な難題は、様々な消費者集団全体にわたる、さらに大きな問題をも提示する。例えば、個々人に見出される損傷レベルは様々であるので、ある場合には同じシリコーンが許容可能な付着をもたらす場合もあるが、他の場合には否定的な知覚影響を伴って過付着がもたらされることもある(例えば、1回目の着色者と頻繁な着色者、茶色の毛髪と漂白された金髪など)。ゆえに毛髪の種類及び損傷レベル全てにわたって付着するシリコーン活性物質が切望されている。
【0004】
着色直後の毛髪の感触を改善することが、着色剤コンディショナーに望まれる唯一の特性ではない。着色プロセスの後、人の毛髪は、周囲環境と接触することによって、及び頭皮から分泌される皮脂によって汚くなる。毛髪のこの汚れは、毛髪が汚れた感触及び魅力のない外観を有する原因となり、定期的に頻繁にシャンプーする必要が生じる。シャンプーは過剰な汚れ及び皮脂を取り除くことによって毛髪をきれいにするが、シャンプーにより毛髪が濡れた、もつれた、さらに一般に取り扱い難い状態に置かれる可能性がある。毛髪がいったん乾くと、毛髪の天然油分や、他の天然の又は付着されたコンディショニング成分及び潤いを与える成分が除去されるため、毛髪は、乾燥した、もじゃもじゃの、光沢のない、又は縮れた状態に置かれることが多い。毛髪はまた、乾燥時に静電気のレベルが増えた状態に置かれる可能性があるが、これは櫛通りを妨げる場合があり、一般的に「まとまりのない髪」と呼ばれる状態を引き起こす。これらの状態は、以前に酸化着色された毛髪では悪化する傾向にある。
【0005】
これらのシャンプー後の問題を緩和するために、様々な手法が開発されてきた。これらの手法は、リーブオン製品又はリンスオフ製品のようなヘアコンディショナーをシャンプー後に適用することから、単一製品で毛髪の洗浄とコンディショニングの両方を行おうとするヘアコンディショニングシャンプーにまで及んでいる。ヘアコンディショナーは、典型的には、シャンプーの後に続く別の工程で適用される。ヘアコンディショナーは、使用される製品の種類によってリンスオフ又はリーブオンのいずれかである。ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、毛髪の感触を改善するために、シャンプーとコンディショナーの用途の両方においてコンディショニング物質として使用されることが多い。しかし、酸化的着色後に得られた、より親水性の毛髪の場合には、PDMS付着が大いに低減され、毛髪コンディショニングにおいて酸化着色されていない毛髪の場合と同じ効果をもたらすことはできないことが既知である。
【0006】
上記で議論した消費者の要求の一部を要約すると、本発明者らが直面するジレンマは、一方の極端な場合には損傷していないヴァージン毛髪から、もう一方の極端な場合は多数回の酸化的染料処理に曝された毛髪までの、様々な損傷状態の毛髪に付着できるコンディショナーを製造することであった。さらに、毛髪着色又は漂白の直ぐ後で、及びまた消費者の定期的な毛髪の手入れのレジメの一部としての両方に使用できる、コンディショナーもまた必要とされている。
【0007】
上記で議論した問題の一部を解決するための試みが、先行技術においてなされてきたように思われる。より詳細には、極めて疎水性のPDMS系のシリコーンをもはや用いず、及び上記で議論したアミンのような官能基、及び(とりわけ)四級アンモニウム部分を含む官能化シリコーンを用いるようになった。米国特許第6,136,304号では、例えば、毛髪からきわめて容易にすすがれてしまうコンディショニング化合物に関連する問題を議論している。ヴァージン及び損傷毛髪の両方にコンディショナーを適用することもまた議論されている。これらの目的を達成するために提案されたエトキシ化四級アンモニウム官能化シリコーン、例えばゴールドシュミット・ケミカル社(Goldschmidt Chemical Corporation)(バージニア州、ホープウェル(Hopewell))により製造されるアビルクワット(ABILQUAT)3272及びアビルクワット(ABIL‐QUAT)3270(両方ともクアテルニウム−80のCTFA表記を有する)は、しかしながら、非常に親水性であるため、それらはその後のシャンプーの間に急速に洗い流されてしまう。換言すれば、それらは消費者の要求を満たす程十分な耐久性を達成できない。極性の点ではこれらのシリコーンはPDMS型の物質とは対極にあるが、同様に耐久性がなく、したがって適していない。
【0008】
米国特許US20030152542、US20030152541、US20030152534、US20030147842、US20030147840、US20030115685、US20030118537、US20030126692、US2000045098、US20030121108、US20030129155、US6824764、US6824765、US20030157049、US20030147827、US20030147841、US20030152543、US6846333、US20040163187は、以下のいずれかとともに用いられるシリコーンの幾つかの構造ファミリーの使用を記載している:コンディショナー、増粘剤、酸化剤、還元剤、直接染料及び/若しくは酸化的染料、又は漂白の前/後、着色の前又は後及びパーマ中に使用される場合。構造の定義により、アミノシリコーン上の種々の異なる官能化度が記載される。しかしながら、着色された毛髪上への付着の特別な必要性及びこれに伴う技術課題への理解については全く記載されていない。さらに、着色された毛髪上にシリコーンを送達するための、記載された広範囲からの具体的な官能化度に対する理解について全く説明されていない。
【0009】
PCT国際公開特許WO98/43599、WO03/075866、WO99/29286、WO99/49836、WO99/34768、WO03/092637、WO03/096375は、シリコーン含有コンディショニング組成物について記載している。これらの文書は、アミノシリコーンと種々の他のシリコーン若しくは炭化水素油とのブレンド又は1MPCよりも高い官能化度を有するアミノシリコーンについて記載しており、ここで、MPCとはモルパーセント(Mol PerCent)を表し及び100個のシロキサンユニット内で置換された官能基の平均数に等しい。しかしながら、これらの中で、着色された毛髪上にシリコーンを付着することの必要性若しくは理解について記載しているもの、又は着色された毛髪に付着し得る具体的なシリコーン構造を例示しているものはない。
【0010】
あるいは、当該技術(EP13558865、EP1356800、EP1356801、EP1356802及びEP1357143)はまた、次の着色事象まで毛髪上に維持される、着色された毛髪のための耐久性のあるコンディショニングを与えるための、選択された官能化シリコーン、選択されたシリコーンのブレンド及び添加剤との組み合わせの使用を記載している。しかしながら、こうしたシリコーンは改善された毛髪感触を提供する一方で、消費者はこれらのコンディショナーをかれらの定期的な/毎日のヘアケアレジメの一部として使用はできず、それはこれらのシリコーンが結果として毛髪を過剰にコンディショニングされた状態とし、毛髪を脂っぽく固く感じさせ、毛髪をスタイリングする能力を妨げ得るためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の議論を考慮して、本発明は、一方の極端な場合には損傷されていないヴァージンヘアから、もう一方の極端な場合には複数回の酸化的染色処理に曝された毛髪まで、今日の人々に生ずるすべてのタイプの毛髪に付着できる官能化シリコーンコンディショニング剤を含む、繊維又は毛髪繊維コンディショニングトリートメント組成物を理想的に提供する。
【0012】
さらに、本発明は、着色されていない頭皮毛髪すなわちヴァージンヘア及び以前に酸化的着色剤で着色された毛髪の両方の長さを包含する、毛髪ストランドの長さ全体に渡って付着する特定の官能化シリコーンコンディショニング剤を含む、繊維又は毛髪繊維コンディショニングトリートメント組成物を理想的に提供する。
【0013】
さらに、本発明は、酸化的に染色された又は漂白された毛髪上で使用するための、特定の官能化アミノシリコーンポリマーコンディショニング剤を好ましくは非官能化シリコーンポリマーと組み合わせて含む、繊維又は毛髪繊維コンディショニングトリートメント組成物であって、酸化的着色若しくは漂白の直後に及び消費者の着色後のトリートメントの一部として、並びにまた彼らの定期的なシャンプー及びコンディショニングの日常行動の一部として過剰コンディショニングという否定的側面を伴わずに使用されるコンディショナーとしても、使用できるものを理想的に提供する。
【0014】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点が、当業者には本開示を読むことで明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様によれば、次式に従う官能化シリコーンを含む繊維又は毛髪コンディショニングトリートメント組成物が提供される。
【0016】
【化1】

式中、R14、R15、R16は同じであっても異なっていてもよく、ヒドロキシルラジカル、C1〜C4アルコキシラジカル、メチルラジカル及びこれらの混合から選択され、Aは線状及び分岐状C3〜C8アルキルラジカル及びこれらの混合から選択され、R17はH、フェニル、線状又は分岐状C1〜C4アルキルラジカル、線状又は分岐状(C1〜C8)NH2及びこれらの混合から選択され、GはH、フェニル、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル及びこれらの混合から選択され、好ましくはメチルであり、ここで、該官能化アミノシリコーンポリマーはランダムタイプ又はブロックタイプであり、式中m及びnは共に少なくとも1以上であり、(n+m)の合計は50よりも大きく、式中、m:nの平均比率は1:2000〜1:200である。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、繊維又は毛髪繊維コンディショニングトリートメント組成物は、本明細書で定義されたような官能化シリコーンを含み、非官能化シリコーンポリマーを更に含み、ここで、前記非官能化シリコーンポリマーの粘度は60000cpsよりも大きい。
【0018】
本明細書で使用するとき、「繊維」という用語は、天然又は合成物質のストランドを包含する。天然物質の非限定例は、羊毛、産毛(velus hair)を包含する人の毛髪、及び動物の毛衣のようなタンパク質性(protinaceous)物質を包含するアミノ酸系物質、綿、セルロース及び絹である。合成物質の非限定例は、ポリエステル、ナイロン及びレーヨンである。
【0019】
本発明による繊維コンディショニングトリートメント組成物は、毛髪繊維トリートメント組成物として特に有利な実用性を見出す。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「官能化」シリコーンとしては、少なくとも1つのメチル基が窒素原子を含有する異なる基により置き換えられたポリジメチルシロキサン(PDMS)が挙げられる。「官能性シリコーン」という用語は、「官能化シリコーン」と同義である。同様に、用語「非官能化」シリコーンとしては、縮合重合プロセスに起因して残存する末端のヒドロキシル又はアルコキシ基を除いていかなる追加の官能性も有さないアルキル置換シリコーンが挙げられる。
【0021】
官能性及び非官能化シリコーン構成成分は、互いに混和性又は非混和性のいずれであることも可能である。
【0022】
用語HLB値はこの技術分野の当業者には既知である。例えば「HLB値(HLB‐Wert)」(ロンプ・ケミ・レキシコン(Rompp Chemie Lexikon)、シーム出版社(Thieme Verlag)、シュツットガルト(Stuttgart)、第9版、1995年)を参照のこと。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
引用した参照文献はすべて、それらの全体が本明細書に参考として組み込まれる。本明細書に示される百分率はすべて、特に指定しない限り総組成物に対する重量による。本明細書に示される割合はすべて、特に指定しない限り重量比である。本明細書に示される分子量はすべて、特に指定しない限り重量平均分子量とする。シリコーンポリマーに関する官能性基の比率はすべて、平均比率である。実際に測定した値の特定の例が提示されている場合を除いて、本明細書で参照する数値は「約」という語により修飾されていると考えるべきである。
【0024】
上記技術問題を如何にして解決するかを検討する際に、本発明者らは、分子特性だけに焦点をあてることから離れ、シリコーンの物理的特性を変えることの効果について考慮することも始めた。これは、シリコーン液滴が主に流体として、毛髪のストランドと相互作用する傾向があり、個々の分子としてではないということが観察されたからである。
【0025】
今般驚くべきことに、下記の式に従う官能化アミノシリコーンポリマーは、毎日の使用の流れの中での再使用とともに蓄積されることなく、様々な毛髪タイプにおいて付着を与えることが見出された。
【0026】
理論に束縛されるものではないが、現在特許請求されているタイプの官能性シリコーンは、2つの異なる均衡の取れた性能ベクトルから予期せぬ最適な性能を与えるものと考えられる。これらのシリコーンは、より親水性の着色された毛髪表面との相互作用を可能にするのに十分な極性を有すると考えられる。しかしながら、より官能性のアミノシリコーンと比べ、それらは、着色された毛髪との間でその後の洗浄中に高度な実質性を残すほど十分な相互作用を有さない。それ故に、十分な割合が次の洗浄サイクル中に除去され、再適用時の「蓄積」を防ぐ。
【0027】
本発明による組成物中に組み込まれてよい官能化シリコーンとしては、次式に従うシリコーンが挙げられる。
【0028】
【化2】

式中、R14、R15、R16は同じであって異なっていてもよく、ヒドロキシルラジカル、C1〜C4アルコキシラジカル、メチル及びこれらの混合から選択され、Aは線状及び分岐状C3〜C8アルキルラジカル及びこれらの混合から選択され、R17はH、フェニル、線状又は分岐状C1〜C4アルキルラジカル、ベンジル、線状又は分岐状(C1〜C8)NH2及びこれらの混合から選択され、GはH、フェニル、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル及びこれらの混合から選択され、好ましくはメチルであり、ここで、該官能化アミノシリコーンポリマーはランダムタイプ又はブロックタイプであり、式中、m及びnは共に少なくとも1以上である。
【0029】
好ましくは、Gはメチルであり、R14、R15、R16は同じであっても異なっていてもよく、ヒドロキシルラジカル、C1〜C4アルコキシラジカル及びメチルから選択され、Aは(CH23又は(CH2CHCH3CH2)のいずれかであり、R17はH又は(CH22NH2のいずれかであり、平均比率m:nは1:1500〜1:200、より好ましくは1:800〜1:200、更により好ましくは1:500〜1:200及び最も好ましくは1:500〜1:250であり、m+nの合計は50〜2000、好ましくは100〜1500、より好ましくは300〜1200、更により好ましくは500〜1000、最も好ましくは500〜900及び更に最も好ましくは550〜850の範囲である。
【0030】
次は、本発明による官能化シリコーンの代表的な非限定的構造である。
【0031】
(実施例1)
【0032】
【化3】

【0033】
(実施例2)
【0034】
【化4】

式中、R1及びR2はOH及びOMeの混合である。
【0035】
好ましくは、本発明の官能化シリコーンは500nmよりも大きな、好ましくは1μmよりも大きな、より好ましくは2μmよりも大きな粒径を有する。粒径は本明細書で後述する試験方法に従って決定される。
【0036】
本発明による組成物は、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.3重量%〜9重量%、より好ましくは0.5重量%〜8重量%、最も好ましくは1重量%〜7.5重量%の官能化アミノシリコーンポリマーを含んでよい。
【0037】
本発明によると、繊維コンディショニングトリートメント組成物は好ましくは非官能化アミノシリコーンポリマーを更に含む。驚くべきことに、官能化アミノシリコーンの一部が非官能化シリコーンによって置き換えられた場合に、本発明の官能化アミノシリコーンの効果がなおも維持されることができるということが見出された。このことは、なお効果を維持しつつも組成物と関連するコストを低減するという利点を有する。適した非官能化アミノシリコーンポリマーは、アルキル、フェニル又はアリール置換されている。特に好ましい非官能化シリコーンは、60,000cpsよりも大きな粘度を有するPDMS流体及びガムから選択される。
【0038】
本発明による組成物は、0重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜9重量%、より好ましくは0.2重量%〜8重量%、最も好ましくは0.5重量%〜7重量%の非官能化シリコーンポリマーを含む。
【0039】
本発明の更に有利な実施形態によると、官能化シリコーンと非官能化シリコーンとのブレンドは、繊維コンディショニングトリートメント組成物の0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲の量で存在する。
【0040】
官能性及び非官能性シリコーン構成成分は、処方内にブレンドされても、処方内に含める前にプレミックスとしてプレブレンドされてもよい。好ましくは、官能性及び非官能性シリコーン構成成分は包含前にプレミックスとしてプレブレンドされる。
【0041】
本発明によれば、官能化アミノシリコーンポリマーと非官能化シリコーンポリマーとの重量比は、5:95〜95:5、より好ましくは5:95〜70:30、最も好ましくは10:90〜50:50である。
【0042】
好ましくは、非官能化アミノシリコーンポリマーは、本明細書で後述する方法に従って測定した場合に、500nmよりも大きな、好ましくは1μmよりも大きな、より好ましくは2μmよりも大きな粒径を有する。
【0043】
本発明の特に好ましい実施形態では、非官能化アミノシリコーンは、本明細書に後述する方法に従って測定した場合に、60000cpsよりも大きな粘度を有する。
【0044】
官能性及び非官能性の両方のシリコーンは、当業者に既知の方法によって、既知のシリコーン重合反応、例えば平衡又は縮合反応を包含する工程を介して、調製されることができる。
【0045】
本発明による繊維コンディショニングトリートメント組成物は、組成物が適用されるときにシリコーンオイルの分配を促進するように、組成物中のシリコーンオイルのための希釈剤、分散剤、又はキャリアとして作用するための、化粧品的に許容可能なビヒクルを包含してよい。ビヒクルは、水性エマルション、水、液体又は固体皮膚軟化剤、溶媒、保湿剤、噴射剤、増粘剤及び粉末であってもよい。
【0046】
有利には、本発明による繊維コンディショニングトリートメント組成物は、主要構成成分として水を用いたエマルションの形態であってよいが、水性有機溶媒をまた包含してもよい。エマルションは、水中油中油型(水中シリコーン中シリコーン型)エマルションであるのが好ましい。
【0047】
本発明のエマルショントリートメント組成物の水性連続相はさらに、エマルションの形成を促進するための乳化剤を含んでいてもよい。本エマルショントリートメント組成物の水性連続相において使用する乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性高分子界面活性剤、水溶性シリコーン含有界面活性剤、約10より大きいHLBを有する非イオン性界面活性剤、又はシリコーン液滴の周りに安定化液晶を形成することができる界面活性剤系を挙げてよい。非イオン性界面活性剤は、好ましくは少なくとも12のHLBを有し、より好ましくは少なくとも約15のHLB値を有する。これらの部類に属する界面活性剤は、マカッチャンの乳化剤及び洗剤(McCutcheon's Emulsifiers and Detergents)(北米及び国際版、MCパブリッシング(MC Publishing Co.)、ニュージャージー州グレンロック(Glen Rock)、235〜246ページ(1993年))に列挙されている。
【0048】
水相のための乳化剤は、水相をゲル化させない。しかし、乳化剤は、シリコーン液滴の周りにラメラ液晶の安定化層を形成することができる。バリア被膜は、エマルション液滴間の合体を防止する。この場合、界面活性剤系は単一の界面活性剤又は界面活性剤のブレンドとすることができる。場合によっては、特定の界面活性剤は、単独では液晶構造を形成できないが、第2界面活性剤が存在すると液晶の形成に関与することができる。このような界面活性剤系は、シリコーンの周りにラメラ液晶の層を形成し、シリコーンと水性相との間のバリアを提供する。この種のエマルションは、シリコーンと水の境界面での界面活性剤の疎水性及び親水性構成成分の配向を利用する従来のエマルションとは異なるものである。シリコーンの周りに形成されているラメラ液晶の層は、マルタ十字の存在を直交偏光板を通して光学顕微鏡検査することによって、又は凍結割断電子顕微鏡検査することによって検出することができる。
【0049】
シリコーン液滴周りの液晶構造の形成に関与することのできる界面活性剤の代表的な部類には、特定のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、第四級アンモニウム界面活性剤、脂質界面活性剤及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
水性連続相中で液晶を形成するのに好ましい界面活性剤は、非イオン性のタイプのものであり、C16〜22の脂肪族アルコール、及び1〜30個のエチレンオキシド基を有するC16〜C22の脂肪族アルコールエトキシレートが挙げられる。具体的な例としては、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、オレイルアルコール、10〜30個のエチレンオキシド基を有するセテアレスエトキシレート、10〜30個のエチレンオキシド基を有するセテスエトキシレート、10〜30個のエトキシレートを有するステアレスエトキシレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくはC16〜C22の脂肪族アルコールを、C16〜C22の脂肪族アルコールエトキシレートと、10:1〜0.5:1、より好ましくは6:1〜1:1、最も好ましくは5:1〜1.5:1の比で組み合わせて使用する。
【0051】
好ましいカチオン性界面活性剤は、次式の第四級アンモニウム化合物を含有し、[R18192021N]+X−、式中、R18は約8〜22個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり、R19及びR20は共に独立して約8〜22個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルケニル基、又は約1〜4個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基のいずれかであり、R21は約1〜4個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基であり、X−は塩生成アニオン(例えばクロリド、ブロミド、アセテート、アルキルサルフェート)である。具体例としては、セトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド及びジセチルジモニウムクロリドが挙げられる。
【0052】
有利には、液晶の形成を促進するため、界面活性剤系は次の一般式のアミドアミンを含んでもよく、R22CONH(CH2)mN(R232、式中、R22はC8〜C24の脂肪酸の残基であり、R23はC1〜C4のアルキルであり、mは1〜4の整数である。本発明で有用な好ましいアミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチル−ジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミト−アミドプロピルジエチルアミン(paimit‐amidopropyldiethylamine)、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミド−エチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキドアミド−プロピルジメチルアミン、アラキドアミド−プロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチル−アミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、及びこれらの混合物、より好ましくはステアラミド−プロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
より有利には、アミドアミンは、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、L−グルタミン酸塩酸塩(L-glutamicio acid hydrochloride)、酒石酸、及びこれらの混合物、好ましくはL−グルタミン酸、乳酸、塩酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸で、部分的に四級化されている。好ましくは、アミドアミンと酸とのモル比は、約1:0.3〜約1:1、より好ましくは約1:0.5〜約1:0.95である。
【0054】
水性の連続相は、理想的には、シリコーンを安定化するのに十分な量の乳化剤を含まなければならない。一実施形態では、水性の連続相は、その水性連続相の重量に対して、約0.1%〜約15%、より好ましくは約0.1%〜約10%の量の乳化剤を含む。
【0055】
本発明のコンディショニング組成物は、有益な物質又は補助剤がこの組成物の性能又は貯蔵安定性を排除し又は実質的に低下させない限り、任意の有益な物質及び化粧品補助剤を包含してもよい。追加成分には、例えば、染料及び着色剤、芳香剤;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双極性界面活性剤、緩衝液、マスキング芳香剤、分散剤、安定剤、カチオン性ポリマー、香料、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、複合コアセルベート、複合コアセルベートカプセル、金属塩、ルイス酸、緩衝剤、粒子状増粘剤、高分子増粘剤、ワックス増粘剤、油、皮膚軟化剤、湿潤剤、保湿剤、真珠光沢物質、不透明化剤、酵素、懸濁剤、抗菌剤、防腐剤、タンパク質、ハーブ及び植物抽出物、漂白剤、過酸化物、ポリオール、シリコーン、抗体、pH緩衝剤を包含するpH調整剤、粘度変性剤、防腐剤、粘度向上剤、ゲル化剤、キレート剤、酸化剤、還元剤、UVフィルタ、乳化剤、酸化防止剤、潤いを与え及びコンディショニングする剤、並びに当業者に周知の他の一般的な補助剤を挙げてよい。
【0056】
本発明の組成物はまた、任意で、コンディショニング性能を更に改善するために、前述の記述内に記載されていないシリコーン又はアミノシリコーンなどの追加のコンディショニング剤を更に含んでもよい。
【0057】
本発明の組成物は、任意で、追加の増粘剤、レオロジー変性剤、安定剤、及び/又はコンディショニング剤として、少なくとも約0.01%のポリマーを更に含んでいてもよい。
【0058】
ポリマーは、例えば、会合性ポリマーから選択することができる。本明細書で使用するとき、「会合性ポリマー」という表現は、親水性単位及び疎水性単位の両方、例えば少なくとも1つのC8〜C30の脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位とを含む両親媒性ポリマーを意味する。使用してよい代表的な会合性ポリマーは、以下のものから選択される会合性ポリマーである。
(i)少なくとも1つの脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位とを含む非イオン性両親媒性ポリマー、例えば、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたセルロース又はヒドロキシエチルセルロース、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたヒドロキシプロピルグアー、少なくとも1つの脂肪鎖を含むポリエーテルウレタン、ビニルピロリドンと脂肪鎖疎水性モノマーとのコポリマー、親水性アクリレート又はメタクリレートと少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーとのコポリマー。
(ii)少なくとも1つの親水性単位と少なくとも1つの脂肪鎖単位とを含むアニオン性両親媒性ポリマー、これらは、例えば、少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位と、エチレン性不飽和アニオン性モノマー単位を含む少なくとも1つの親水性単位とを含むものから、又は不飽和オレフィン性カルボン酸種の少なくとも1つの親水性単位と、不飽和カルボン酸の(C8〜C30)アルキルエステル又はオキシアルキレン化(C8〜C30)アルキルエステルのような少なくとも1つの疎水性単位とを含むものから選択されてよく、アニオン性両親媒性ポリマーは更に架橋されていてもよい。
(iii)少なくとも1つの親水性単位と少なくとも1つの脂肪鎖単位とを含むカチオン性両親媒性ポリマー、これらは、例えば、四級化セルロース誘導体及びアミノ側鎖基を含むポリアクリレートから選択されてよい。
(iv)少なくとも1つの親水性単位と少なくとも1つの脂肪鎖単位とを含む両性両親媒性ポリマー、例えば、メタクリルアミドプロピル−トリメチルアンモニウムクロライド/アクリル酸/C10〜C30アルキルメタクリレートコポリマーを挙げてもよく、アルキルラジカルは、例えば、ステアリルラジカルである。
【0059】
更に、ポリマーは、架橋アクリル酸ホモポリマー、(メタ)アクリル酸及び(C1〜C6)アルキルアクリレートの架橋コポリマー、又は多糖から選択することもできる。またポリマーは、後述するように、コンディショニング剤として役立つ場合もある。
【0060】
アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)から供給されるアキュリン(Aculyn)22)、及びアクリレートコポリマー(ローム・アンド・ハースから供給されるアキュリン33)、及びキサンタンガム、カーボポール、レオザン並びにこれらの混合物が特に好ましい。ポリマーは、一般に組成物の、約0.01重量%〜約20.0重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の濃度で用いられる。
【0061】
使用のためには、本発明の実施形態によるコンディショニング組成物は、約3〜11、好ましくは4〜10.5のpHで提供されてよい。
【0062】
本発明によるコンディショニング組成物は、例えば低粘度から中間粘度、さらには高粘度までの液体、ローション、乳液、ムース、分散体、スプレー、ジェル、フォーム、エアゾール、及びクリームのような、いずれの適した物理形態で提供されてもよい。このような組成物は、当業者に周知の手順によって製造されてよい。
【0063】
本発明のコンディショニング組成物は、0.5〜100Pa・s(500cps〜100,000cps)又はそれ以上の粘度を有する、流体、ローション、流体クリーム又はクリームとして配合することができる。組成物は、その粘度及び消費者によって意図される使用に適合するように、適した容器内に包装することができる。例えば、ローション又は液状クリームは、ビン、ロールボールアプリケータ、噴射剤駆動式エアゾール装置、手又は指で操作するのに適したポンプに嵌合された容器などに包装することができる。組成物がクリームの場合には、単純にチューブ又は蓋付きビンのような、変形不可能なビン又は圧搾式容器内に保存することができる。
【0064】
毛髪繊維コンディショナーは、コンディショニング毛髪繊維着色トリートメントキット内において販売されることができる。本発明の更なる別の態様によれば、以下を含む毛髪コンディショニング繊維着色トリートメントキットが提供される。(a)第1の酸化的漂白組成物、(b)着色組成物、及び又は(c)第2の酸化的漂白組成物、ここで、本明細書の上記で定義された毛髪繊維コンディショニングトリートメント組成物は、構成成分(a)内に、及び/若しくは構成成分(b)内に、及び若しくは構成成分(c)内に含まれ、並びに/又は使用前に他の構成成分と組み合わされることができるか又はそれらとは別個に使用されることのできる、別個の構成成分として提供される。好ましくは、毛髪繊維コンディショニングトリートメント組成物は、別個の構成成分として提供される。本用途に従う組成物は、毛髪が特に厳しい環境下に曝される、毛髪漂白、毛髪着色及びハイライト組成物中、特に酸化的毛髪着色剤において、特別の実用性を見出す。
【0065】
したがって、本発明は、少なくとも1つの酸化剤の供給源含む毛髪着色又は漂白組成物及びこれらの混合物をを更に含んでよい。本明細書に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。本明細書で定義されるとき、「水溶性」とは、標準状態で、少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gの前記酸化剤が1リットルの脱イオン水に溶解され得ることを意味する。酸化剤は、初期可溶化及びメラニンの脱色(漂白)にとって有益であり、並びに毛幹中での酸化性染料前駆体の酸化(酸化染色)を促進する。好ましい水溶性酸化剤は、水溶液中で過酸化水素を生成することができる無機の過酸素物質であり、これらには、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば、過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、及び有機過酸化物、例えば、過酸化尿素、過酸化メラミン、及び無機過水和物漂白化合物、例えば、過ホウ酸、過炭酸、過リン酸、過ケイ酸、過硫酸、及びそれら等の、アルカリ金属塩(これらは一水和物、四水和物などとして組み込まれてよい)、及びアルキル及びアリール過酸化物、及び又はペルオキシダーゼが挙げられる。酸化剤は、水溶液で、又は使用前に溶解される粉末として提供されてもよい。本発明による組成物に用いるのに好ましいのは、過酸化水素、過炭酸塩、過硫酸塩及びこれらの組み合わせである。本発明によれば、毛髪着色又は漂白組成物は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、及び最も好ましくは約2重量%〜約7重量%の酸化剤を含む。
【0066】
本明細書で使用するための別の好ましい酸化剤は、ペルオキシモノ炭酸イオンの供給源である。好ましくは、このような供給源は、過酸化水素供給源及び炭酸水素イオン供給源からその場で形成される。そのような酸化剤は、pH9.5まで(及び9.5を包含)、好ましくは7.5〜9.5、より好ましくは8.4〜9.5、最も好ましくはpH約9において、特に有効であることが見出されてきた。さらに、この系はまた、アンモニア又はアンモニウムイオンの供給源と組み合わせると、特に有効である。この酸化剤は、ハイリフトの送達に特に関連して、所望の髪色結果に改善をもたらすことができる一方で、におい、皮膚及び頭皮の刺激並びに毛髪繊維へのダメージを大幅に低減することが見出された。
【0067】
本明細書に用いるのに適した供給源としては、炭酸イオン、カルバミン酸イオン及び炭酸水素イオンのナトリウム塩、カリウム塩、グアニジン塩、アルギニン塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩及びこれらの混合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及びこれらの混合物が挙げられる。炭酸イオンの供給源と酸化剤の双方を与えるために、過炭酸塩を使用してもよい。炭酸イオン、カルバミン酸イオン及び炭酸水素イオンの好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びこれらの混合物である。
【0068】
毛髪着色又は漂白組成物は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約1重量%〜約8重量%の炭酸水素塩イオン、及び約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%、並びに最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の過酸化水素の供給源を含む。
【0069】
本発明の毛髪着色又は漂白組成物は、以下を包含するがこれらに限定されない、追加成分を更に含んでもよい。アルカリ化剤、界面活性剤、酸化染料前駆体のような染毛剤、非酸化性の予め形成された染料、増粘剤及び/若しくはレオロジー変性剤、雲母のような不透明化剤、溶媒、酵素、界面活性剤、コンディショニング剤、キャリア、酸化防止剤、安定化剤、キレート剤、パーマ活性物質、香料、還元剤、毛髪膨張剤並びに/又はポリマー。これら追加構成成分のいくつかについては、後で詳細に述べる。
【0070】
本発明によれば、当該毛髪着色又は漂白組成物は、任意に少なくとも1つのアルカリ化剤供給源、好ましくはアンモニウムイオン供給源及び又はアンモニアを含んでもよい。特に、好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオンの供給源を与えるものである。好ましい供給源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩、アンモニア、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニア及びこれらの混合物である。本発明の組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、最も好ましくは約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオンを含んでもよい。好ましくは、存在する場合は、アンモニウムイオン及びカーボネートイオンは、該組成物中に3:1〜1:10、好ましくは2:1〜1:5の重量比で存在する。
【0071】
好ましくは、当該毛髪着色組成物は、約11〜約7、好ましくは約9.5〜約7.5、より好ましくは約9.5〜約8.4、及び最も好ましくは約9.4〜約8.5のpHを有し、更により好ましくは約9.0のpHを有する。組成物のpHは、実験室用標準pH電極を装着するメトラー・トレド(Mettler Toledo)MP220又はMP225pH装置を使用して測定できる。装置は、毎回使用前に、標準較正緩衝溶液及び標準較正手順を使用して較正される。
【0072】
好ましくは、毛髪着色組成物は酸化染色組成物を含むが、これらに限定されない。こうした組成物は、一次中間体としても知られる酸化毛髪染料前駆体とカップラーとを含み、多様な毛髪の色を毛髪に送達する。これらの小さい分子は酸化剤により活性化され、更なる分子と反応してより大きい着色錯体を毛幹中に形成する。前駆体は、単独で又は他の前駆体と組み合わせて、用いることができ、及び1つ以上の前駆体を1つ以上のカップラーと組み合わせて用いることもできる。カップラー(色変性剤又は二次中間体としても知られる)は、一般に、活性化された前駆体の存在下で色を形成できる無色の分子であり、さらに特定の色の効果を生成するため又は色を安定化させるために、他の前駆体又はカップラーと共に使用される。前駆体及びカップラーの選択は、所望される着色の色、色合い及び強度により決定されることになる。前駆体及びカップラーを、本明細書において、単一で又は組み合わせにより用いて、灰色がかったブロンド色から黒までの範囲の多様な色合いを有する染料を提供することができる。これらの化合物は、当該技術分野において周知であり、芳香族ジアミン、アミノフェノール、芳香族ジオール及びこれらの誘導体が挙げられる(酸化的染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、「化粧品の科学及び技術(Cosmetic Science and Technology)」(サガリン(Sagarin)著、インターサイエンス(Interscience)、特別版、第2巻、308〜310頁)に見出すことができる)。
【0073】
毛髪着色組成物としてはまた、単独で使用しても又は上述した酸化染料と組み合わせて使用してもよい非酸化的毛髪染料、すなわち直接染料も挙げてよい。適した直接染料としては、アゾ又はアントラキノン染料及びベンゼン系のニトロ誘導体、及び又はメラニン前駆体並びにこれらの混合物が挙げられる。このような直接染料は、色合いの改質又はハイライトを送達するのに特に有用である。特に好ましいものは、塩基性赤色51、塩基性橙色31、塩基性黄色87及びこれらの混合物である。
【0074】
該毛髪着色組成物は、一般的に、約0.001%〜約10%の染料を含む。例えば、低強度の染色、例えば自然な金髪から薄茶色の毛髪の色合いを提供する組成物は、一般に染色組成物の約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の前駆体及びカップラーを含む。より暗い色合い、例えば茶色及び黒は、典型的には、0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約7重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の前駆体及びカップラーを含む。
【0075】
本発明によれば、毛髪着色又は漂白組成物は、任意でキレート剤を含んでもよい。キレート剤は、当該技術分野において周知であり、各々が金属イオンとキレートを形成できる分子又は異なる分子の混合物を指す。キレート剤は安定剤として及び又は防腐剤として、毛髪着色又は漂白組成物中に組み込まれてよい。加えて、キレート剤は、毛髪繊維の損傷について効果を提供し、したがってそれらは本発明の毛髪損傷の様相を更に改善するために使用されてもよいことが見出されてきている。キレート剤は、当該技術分野において周知であり、及びそれらの非包括的なリストは、AEマーテル(AE Martell)及びRMスミス(RM Smith)著、「臨界安定度定数(Critical Stability Constants)」(第1巻、プレナム出版社(Plenum Press)(ニューヨーク&ロンドン(1974年))、並びにAEマーテル(AE Martell)及びRDハンコック(RD Hancock)著、「水溶液中の金属錯体(Metal Complexes in Aqueous Solution)」(プレナム出版社(Plenum Press)(ニューヨーク&ロンドン、(1996年))に見出すことができ、両者共、本明細書に参考として組み込まれる。本明細書において用いるのに適したキレート剤の例としては、EDDS(エチレンジアミン二コハク酸)、カルボン酸(特に、アミノカルボン酸)、ホスホン酸(特に、アミノホスホン酸)及びポリリン酸(特に、直鎖ポリリン酸)、それらの塩及び誘導体が挙げられる。
【0076】
該毛髪着色又は漂白組成物は、更に任意で溶媒系を含んでもよい。本明細書の溶媒系に用いるのに適した溶媒としては、アミド、エステル、エーテル、ケトン、環状アミド、環状エステル、環状ケトン、環状エーテル、水及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。このような溶媒の非限定例としては、ギ酸エチル、ジメチルイソソルビド、アセチルアセトン、2−ブタノン、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、エトキシエタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、t−ブチルアルコール、酢酸フェニル、2−プロポキシエタノール、イソプロポキシエタノール、メトキシプロパノール、乳酸イソプロピル、ヘキシルアルコール、ブトキシエタノール、トリプロピレングリコール(PPG−3)、トリアセチン、メトキシエタノール、イソプロピルアルコール、PEG−8、乳酸メチル、PEG−6、PEG−5、PEG−4、N−メチルピロリドン、プロピルアルコール、ジプロピレングリコール(PPG−2)、アセトニトリル、フェノキシエタノール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチルアルコール、γ−ブチロラクトン、ブチレングリコール、炭酸プロピレン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコール、エトキシジグリコール、プロピレングリコール、ピロリドン、ピロリドン−2、メチルアルコール、炭酸エチレン、エチレングリコール、アセトアミド、グリセリン、ブチルカルビトール、1,3−ジオキソラン、ジメトキシメタン、1,2−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピオンアルデヒド、ジエトキシメタン及びグリセロールホルムアルデヒドが挙げられる。
【0077】
本明細書の溶媒系に用いるのに好ましい溶媒としては、低級アルカノール、C2〜C6のポリオール、グリコールモノ−低級アルキルエーテル、ジグリコールモノ−低級−アルキルエーテル、及びN−低級アルキルピロリドンが挙げられる。用語「低級」とは、炭素原子数が3以下であることを指す。具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルカノール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン等の低級ポリオール;2−メトキシエタノール及び2−エトキシエタノール等のグリコールモノエーテル;メトキシジグリコール、エトキシジグリコール等のジグリコールモノ−低級アルキルエーテル;並びにN−メチルピロリドン及びN−エチルピロリドン等のN−低級−アルキルピロリドンが挙げられる。
【0078】
該毛髪着色又は漂白組成物は、ラジカルスカベンジャー供給源も含んでよい。本明細書で使用するとき、用語ラジカルスカベンジャーとは、ラジカル、好ましくは炭酸ラジカルと反応して、該ラジカルを一連の速い反応によって反応性のより低い種に変換させることのできる種を指す。ラジカルスカベンジャーはまた、好ましくは、アルカリ化剤と同じ種ではないように選択され、及び着色プロセスの間の毛髪に対するダメージを軽減するのに十分な量で存在する。本発明の組成物は、好ましくは、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%のラジカルスカベンジャーを含む。
【0079】
好ましいラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル及びこれらの混合物の部から選択される。特に好ましい化合物は以下である。モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、及びこれらの混合物、並びに塩、例えばこれらのカリウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩並びにこれらの混合物。とりわけ好ましい化合物は、グリシン、サルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン(piperdine)、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物である。
【0080】
毛髪着色又は漂白組成物は任意で、少なくとも約0.01%のポリマーを、追加の増粘剤、レオロジー変性剤、安定剤、及び/又は本明細書で繊維コンディショニングトリートメント組成物の文脈において上述したようなコンディショニング剤として、並びにこうした組成物中で一般に使用されるいずれかの他の成分を、更に含んでもよい。
【0081】
使用方法
本明細書に記載される使用方法の実施例及び実施形態は、単に例示することが目的であり、本発明の範囲から逸脱することなくそれらについての種々の修正又は変更が当業者に提示されることが理解される。
【0082】
本発明の別の実施形態は、毛髪トリートメントの方法に関し、この方法によると毛髪繊維コンディショニング組成物を毛髪に適用し及び数分間作用させる(すべての毛髪への均等な適用を確実にするため)。前記組成物はその後、約20分未満、好ましくは約15分未満、より好ましくは約10秒〜約10分の時間、毛髪上に残される。次に、消費者は、彼/彼女の毛髪を水で完全にすすぎ、通常通り毛髪を乾燥及び/又は整髪する。
【0083】
本発明の別の実施形態によれば、毛髪トリートメントの方法はまた、2回から30回の間の連続した毛髪繊維コンディショニング組成物トリートメントの工程を含む連続した毛髪トリートメント法であり、ここで、各トリートメントの間の期間は、1〜30日、好ましくは1〜14日、より好ましくは1〜7日、さらにより好ましくは1〜5日、及び最も好ましくは1〜3日である。このような実施形態では、組成物が頭部に留まる時間は、約15分未満であってよく、好ましくは約10分未満、さらに最も好ましくは約10秒〜約5分である。この方法によれば、消費者は次の着色事象まで洗浄及びスタイリングサイクルに渡りトリートメント効果を維持できる。
【0084】
本発明によると、毛髪繊維コンディショニング組成物は個々に販売されてもよく、あるいは、酸化的毛髪着色、漂白、若しくはハイライトキットのような、毛髪着色、漂白キット若しくはハイライトキットの一部として販売されてもよい。これらの組成物は、酸化的毛髪着色、漂白、若しくはハイライト組成物の容器の一部に、繊維コンディショニングトリートメント組成物を含んでもよく、又は第3の容器中で別個に提供されてもよい。後者の場合、すべての3つの組成物が、使用直前に混合され共に適用されることができるか、又は第三の容器中の内容物が、他の容器の混合の結果得られる酸化染料組成物又は酸化脱色組成物の直後に後処置として、(任意のすすぎ工程の後に)適用されることができる。
【0085】
このような酸化的毛髪着色組成物は、別個の容器のように個別包装された構成要素中に、酸化的着色剤若しくは染料、前駆体及び典型的には適したキャリア中のアンモニアであるアルカリ化剤を含む着色若しくは染色構成成分(エマルションは「染料クリーム」又は溶液は「染料液」とも呼ばれる)並びに、酸化剤(通常は、過酸化水素)を含む過酸化水素構成成分(同様にエマルションは「過酸化水素クリーム」又は溶液は「過酸化水素液」とも呼ばれる)を含むキットにおいて通常販売される。消費者は、着色構成成分及び過酸化水素構成成分を、使用直前に混合し、それを毛髪上へ適用する。このようなキットは着色後のコンディショニング組成物を更に含む。
【0086】
同様に、漂白組成物はまた、典型的には別個の容器中に個別に包装された構成成分を含むキットとして通常販売される。第一構成成分はアンモニウムイオン供給源(例えば、アンモニア)を含み、第二構成成分は酸化剤を含み、及び第三構成成分(任意)は第二の酸化剤を含む。漂白組成物は、毛髪への使用及び適用の直前に、上記の組成物を混合することにより、得られる。これらのキットはまた、典型的には、漂白後のコンディショニング組成物を更に含む。
【0087】
(確実にすべての毛髪に均等に適用するために)数分間混合物を作用させた後、染色又は脱色が起こるのに十分な量で酸化染料又は脱色組成物を(通常、約2〜60分、典型的には約30〜45分)毛髪上に残留させる。次に、消費者は彼/彼女の毛髪を水で十分にすすぐ。本発明のコンディショニングトリートメントは、その後適用され、任意で毛髪からすすぐことができる。
【0088】
本発明の別の実施形態では、酸化的毛髪染色又は漂白組成物は、任意の第四構成成分として、カラーリフレッシャー組成物を含んでもよい。そのようなカラーリフレッシャー組成物は、予め形成された染料を少なくとも1つ含み、酸化的着色の直後、すなわち酸化的毛髪染料又は漂白剤の適用後約1分〜適用後60日に毛髪に適用されてよい。これらのカラーリフレッシャー組成物は、次の酸化的着色又は漂白事象まで、得られた初期の色を高めるため及び又は洗浄及び整髪サイクルの間に色を増強するために使用することができる。あるいはカラーリフレッシャー組成物は、繊維又は毛髪繊維コンディショニング組成物内に含まれて、それにより、その繊維又は毛髪繊維コンディショナートリートメントが適用されるごとに色の増強を確実にしてもよい。
【0089】
本発明のさらに別の実施形態では、毛髪着色及び又は漂白及び又はハイライトキットは、消費者の毛髪に組成物を適用するための装置を更に含む。そのような装置は、当該技術分野において既知であり、ブラシとコーム(これらは組成物容器(類)に直接付着されてもよく、あるいは独立して使用されてもよい)、並びにハイライトキャップ及びホイル並びに同種のものが挙げられる。
【0090】
試験方法
官能化及び非官能化シリコーン流体の粘度−測定プロトコール
AR500回転レオメーター(TAインスツルメンツ社(TA Instruments Ltd.))(イギリス、サリー州(Surrey)、レザーヘッド(Leatherhead)KT22 7UQ)を用いて、本明細書に使用される官能化シリコーン流体の粘度を測定する。測定は、30℃にて、49μm(ミクロン)のギャップを持つ4cm、2度スチールコーン測定システムを用いて行い、2分間にわたって、0.5〜590Paの剪断応力をプログラムして適用することによって行う。これらのデータを使用して、物質の剪断速度対剪断応力曲線を創出する。次いでこの流動曲線を、物質の粘度を与えるためにモデル化することができる。これらの結果を次の広く受け入れられたニュートンモデルに適合させた:粘度、μ=σ/γ(式中、σは剪断応力であり、γは剪断速度である)。
【0091】
製品内のシリコーン粒径の評価方法
顕微鏡(ニコンエクリプス(Nikon Eclipse)E800)を利用して、最終製品のシリコーン粒径を測定する。典型的には、最終製品の写真を100倍〜400倍の範囲の倍率で撮影する(JVCカラービデオカメラKY−F50)。取り込み画像を用いて、100μmグラティキュール(グラティキュール社(Graticules Ltd)、イギリス、ケント州、トンブリッジウェルズ(Tonbridge Wells))を用いてあらかじめ較正された目盛りを重ね合わせ(画像ソフトウェア−ルシア(Lucia)Gヴァージョン4.51(ビルド028)、ラボラトリ・イメージング(Laboratory Imaging))、サンプル内の平均シリコーン粒子と比較して、粒径を見積もる。
【0092】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式に従う官能化アミノシリコーンポリマーを含む繊維コンディショニングトリートメント組成物であって、
【化1】

式中、R14、R15、R16は同じであっても異なっていてもよく、及びヒドロキシルラジカル、C1〜C4アルコキシラジカル、メチル及びこれらの混合から選択され、
Aは線状及び分岐状C3〜C8アルキルラジカル及びこれらの混合から選択され、
17はH、フェニル、線状又は分岐状C1〜C4アルキルラジカル、ベンジル、線状又は分岐状(C1〜C8)NH2及びこれらの混合から選択され、
GはH、フェニル、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル及びこれらの混合から選択され、
ここで、該官能化アミノシリコーンポリマーはランダムタイプ又はブロックタイプであり、式中、mとnは共に少なくとも1以上であり、(n+m)の合計は50よりも大きく、この際、m:nの平均比率は1:2000〜1:200である、繊維コンディショニングトリートメント組成物。
【請求項2】
前記組成物は、非官能化シリコーンポリマーを更に含み、ここで、該非官能化シリコーンポリマーはアルキル、フェニル又はアリールで置換されており、及びここで、該非官能化シリコーンの30℃における粘度は60000cpsよりも大きい、請求項1に記載の繊維コンディショニングトリートメント組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組成物を毛髪に適用する工程を含む、毛髪繊維トリートメントの方法。
【請求項4】
少なくとも2つの連続した毛髪トリートメントの工程を含む、連続した毛髪繊維トリートメントの方法であって、この際各トリートメントの間の間隔は1〜30日であり、さらにこの際、各トリートメントは請求項1に記載の官能化アミノシリコーンポリマーを含む組成物を毛髪に与える工程を含む、方法。
【請求項5】
前記連続した毛髪トリートメントに先立ち、前記毛髪は酸化着色又は漂白組成物で前処理される、請求項4に記載の連続した毛髪繊維トリートメントの方法。
【請求項6】
毛髪、好ましくは着色された毛髪をコンディショニングするための、請求項1に記載のアミノシリコーン官能化ポリマーの使用。
【請求項7】
i)個々に包装された酸化構成成分、
ii)個々に包装された着色構成成分及び、
iii)個々に包装された請求項1に記載の毛髪トリートメント組成物、を含む毛髪繊維トリートメントキット。
【請求項8】
前記アミノシリコーン官能化ポリマーにおいて、Gはメチルであり、R14、R15、R16は同じであっても異なっていてもよく、ヒドロキシルラジカル、C1〜C4アルコキシラジカル及びメチルから選択され、Aは(CH23又は(CH2CHCH3CH2)から選択され、及びR17はH又は(CH22NH2から選択され、式中、m:nの平均比率は1:1500〜1:200であり、m+nの合計は50〜2000の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は0.1重量%〜10重量%の前記官能化アミノシリコーンポリマーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記官能化アミノシリコーンは2ミクロンよりも大きな粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は0.1重量%〜9重量%、好ましくは0.2重量%〜8重量%、最も好ましくは0.5重量%〜7重量%の前記非官能化シリコーンポリマーを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
前記官能化アミノシリコーンポリマーと前記非官能化シリコーンポリマーとの重量比は、5:95〜95:5である、請求項1及び2に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物は増粘剤及び追加のコンディショニング剤から選択される補助剤を更に含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物は、少なくとも1つの予め形成された毛髪着色剤を更に含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。

【公表番号】特表2009−509919(P2009−509919A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525246(P2008−525246)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/030528
【国際公開番号】WO2007/021604
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】