説明

繊維強化熱可塑性樹脂シートとその製造方法

【課題】比較的低いVfでも優れた機械的特性を有し、且つ、安価な繊維強化熱可塑性樹脂シートを提供すること。
【解決手段】熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるチョップドストランド・プリプレグであって、プリプレグの繊維体積含有率(Vf)が20〜50%、プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜100mm、プリプレグの厚さが0.13mm以下のものが、繊維配向が二次元ランダムになるようにシート状に積層されており、シート状の積層物が10cm当たり1〜400箇所を点溶着され一体化されている繊維強化熱可塑性樹脂シート。点溶着は、超音波溶着機を用いる方法で、あるいは、樹脂の融点以上に温度を保持した針状突起物を、シート状の積層物の厚さ方向に貫通させる方法で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化プラスチックに係るもので、詳しくは、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるチョップドストランド・プリプレグを用いた、繊維強化熱可塑性樹脂シートとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維材料は、各種のマトリックス樹脂と複合化され、得られる繊維強化プラスチックは種々の分野・用途に広く利用されるようになってきた。そして、高度の機械的特性や耐熱性等を要求される航空・宇宙分野や、一般産業分野では、従来、マトリックス樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が使用されてきた。しかし、特に航空・宇宙分野では、これらのマトリックス樹脂は、脆く、耐衝撃性に劣るという欠点を有するため、その改善が求められてきた。また、熱硬化性樹脂の場合、これをプリプリグとしたとき、樹脂のライフ等によるプリプレグの保存管理上の問題点、製品形状に対して追従性が乏しい、成形時間が長く生産性が低い等の問題もあった。これに対して、熱可塑性樹脂プリプレグの場合は、複合材料としたときの耐衝撃性が優れ、プリプレグの保存管理が容易で、かつ成形時間が短く、成形コスト低減の可能性もある。
【0003】
熱可塑性樹脂をマトリックスとした繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグには、強化繊維の形態及びその配向性の面から次の様なものが存在する。(1)強化繊維として連続繊維を使用し、一方向配列繊維シートあるいは織編物を作成し、これと熱可塑性樹脂とからプリプレグを作成したもの。かかるプリプレグは、一つのプレプレグをとると面内異方性であり、成形品の成形に際しては、機械的物性の等方性を確保するために繊維軸方向、それと直角方向、斜め方向と何枚ものプリプレグを積層しなければならない。このことは、必然的にコスト高を招き、また、成形品が厚くなるという問題がある。また、(2)強化繊維として非連続繊維を使用するものとして、チョップドストランドを使用したプリプレグ(チョップドストランド・プリプレグ)がある。これは、熱可塑性樹脂をマトリックスとした一方向配列ストランド(繊維束)を、例えば、25mmから50mm程度の繊維長に切断した小片のプリプレグである。かかるプリプレグは、成形時の流動性、例えばスタンピング成形時の流動性が良好であり、色々な複雑な形状の成形品を成形するのに適している(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら成形時に、強化繊維を樹脂により流動化させる必要があることから、強化繊維の体積含有率を高くすることができないという問題がある。また、強化繊維の長さが短いために弾性率、強度などの物性は、連続繊維を使用したものに比べて劣るという問題点もある。
【特許文献1】特開平9−155862号公報
【特許文献2】特開平2−143810号公報
【特許文献3】特開平7−164439号公報
【0004】
本発明者らは、比較的低い強化繊維の体積含有率においても、機械的特性に優れた繊維強化熱可塑性樹脂シートを、既に提案した(特願2005−237459号)。この発明は、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるチョップドストランド・プリプレグであって、プリプレグの繊維体積含有率(Vf)が20〜50%、プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜45mm、そしてプリプレグの厚さが0.13mm以下のものが、繊維配向がランダムになるように積層されており、この積層物が加熱・加圧によってシート状に成形されている繊維強化熱可塑性樹脂シート(いわゆるスタンパブルシート)である。
【0005】
この繊維強化熱可塑性樹脂シートは、強化繊維の体積含有率が比較的低いにもかかわらず、このシートを使った成形板は優れた機械的特性を示した。しかし、チョップドストランド・プリプレグを一体化するためにベルトプレスや間欠プレス、熱ロールなどの大型装置を必要としたり、または、遠赤外線ヒーター+コールドプレスや加熱・冷却プレスを用いるバッチ方式など生産性の低い方法でシート化する必要があり、当該シートはどうしても高価なものとなった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、先の出願の特願2005−237459号における繊維強化熱可塑性樹脂シートと、成形品に加工された場合に同等の機械的特性を保持し、且つ、より安価な繊維強化熱可塑性樹脂シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるチョップドストランド・プリプレグであって、該プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜100mmのものが、繊維配向が二次元ランダムにシート状に積層されており、該シート状の積層物が、10cm当たり1〜400箇所を点溶着され一体化されていることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートである(請求項1記載の発明)。
【0008】
本発明の他の態様は、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるチョップドストランド・プリプレグであって、該プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜100mmのものを、繊維配向が二次元ランダムにシート状に積層し、次いで該シート状の積層物を加熱することによって、10cm当たり1〜400箇所を点溶着することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法である(請求項4記載の発明)。
【発明の効果】
【0009】
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シ−トは、チョップドストランド・プリプレグを二次元ランダムにシート状に積層し、更に、シート状積層物の10cm当たり1〜400箇所をスポット溶着して一体化したものであるため、チョップドストランド・プリプレグの間に空隙があり、ストランドプリプレグ同士が緩やかに繋がっているだけなので、柔軟性があり取扱性に優れる。
【0010】
そして、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シ−トは、従来の、繊維強化熱可塑性樹脂シ−トと同様に、例えば、遠赤外線ヒータによって樹脂の溶融温度以上に予備加熱した後、コールドプレス成形法を用いて加圧・賦形することができる。本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シ−トのうち、特に請求項2に記載の発明は、Vfが20〜50%と比較的低いため、溶融した樹脂やチョップドストランド・プリプレグが流動しやすく、コールドプレス時に材料が冷却固化するまでの僅かな時間でも、前記チョップドストランド・プリプレグの二次元ランダム積層物における空隙が埋まり、得られる成形品は、従来の繊維強化熱可塑性樹脂シ−トを使った成形品と同様、優れた機械的特性を示す。
【0011】
また、本発明においては、チョップドストランド・プリプレグを一体化するために、ベルトプレスや間欠プレス、熱ロール等の大型装置を必要とせず、あるいは、遠赤外線ヒーターで予熱した後、コールドプレスや加熱冷却プレスを用いるバッチ方式等の生産性の低い方法でシート化する必要もないため、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートは非常に安価に生産できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるチョップドストランド・プリプレグを用いるものであるが、チョップトストランド・プリプレグとは、熱可塑性樹脂をマトリックスとした一方向配列ストランド(繊維束)を、例えば、15mmから100mm程度の繊維長に切断した小片のプリプレグである。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレンなる群から選ばれた1種若しくは2種以上の樹脂等が挙げられる。また、用途によっては、一部熱硬化性樹脂と混合して用いることもできる。中でも、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたポリアミド樹脂やアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂が、特に好ましい。これらの熱可塑性樹脂には、通常用いられる着色剤や各種添加剤等が含まれていてもよい。
【0013】
本発明のチョップドストランド・プリプレグは、その強化繊維体積含有率(Vf)が20〜50%(熱可塑性樹脂の体積含有率が80〜50%)、且つ、プリプレグの厚さが0.13mm以下のものが好ましい。強化繊維体積含有率(Vf)は20〜45%(熱可塑性樹脂の体積含有率が80〜55%)、プリプレグの厚さは0.1mm以下のものが、更に好ましい。プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜100mmであるが、好ましくは15〜75mm、更に好ましくは25〜50mmである。体積含有率、繊維長、厚さが前記条件を満足するものは、特に、十分な機械的物性の繊維強化熱可塑性樹脂シートとなる。
【0014】
本発明において用いられる強化繊維としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維またはそれらの混合からなる繊維である。無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維などが挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、その他一般のナイロン、ポリエステル等の有機繊維が挙げられる。金属繊維としては、ステンレス、鉄等の繊維が使用可能であり、また金属を被覆した炭素繊維等もある。本発明において特に好ましいのは炭素繊維である。炭素繊維には、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系などがあるが、何れの炭素繊維も使用することができる。特に、PANを原料としたPAN系炭素繊維で、12,000〜48,000フィラメントのストランド又はトウが、工業的規模における生産性及び機械的特性に優れており好ましい。
【0015】
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートに使用されるチョップトストランド・プリプレグは、例えば、強化繊維のストランド(繊維束)を、厚さが0.1mm以下になるように開繊させ引き揃え、次いで開繊された繊維束に熱可塑性樹脂を繊維体積含有率(Vf)が20〜50%の範囲になるように付与し、形成された繊維強化熱可塑性樹脂シートを長手方向に対し、所望の幅、長さで裁断することによって得られる。好ましい巾は30mm以下、繊維軸方向の長さは15〜100mm、好ましくは15〜75mmである。
【0016】
熱可塑性樹脂の付与方法は、特に限定されるものではなく、例えば、強化繊維のストランドに直接溶融した熱可塑性樹脂を含浸する方法や、フィルム状の熱可塑性樹脂を溶融して強化繊維のストランドに含浸させる方法、粉体状の熱可塑性樹脂を溶融して強化繊維のストランド含浸させる方法などがある。樹脂を含浸した強化繊維のストランドの裁断の方法は特に限定されないが、ギロチン方式、コダック方式、ロータリー方式等のカッタ−が利用できる。
【0017】
次に、得られたチョップドストランド・プリプレグは、繊維配向が二次元ランダムになるようにシート状に均一に積層される。チョップドストランド・プリプレグを、二次元ランダムにシート状に積層させる方法としては、例えば、チョップドストランド・プリプレグを定量フィーダーなどを用いつつ、高い位置からベルトコンベア−などの上に自然落下させるなど公知の方法が使用できる。
【0018】
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートは、こうして得られたチョップドストランド・プリプレグのシート状の積層物を加熱することによって、10cm当たり1〜400箇所、好ましくは20〜100箇所を点溶着することによって得られる。シート状の積層物を点溶着する方法・手段はどのような方法・手段でも利用できる。例えば、超音波溶着機や、樹脂の融点以上に温度を保持した針状突起物などを使って、シート状積層物の10cm当たり、1〜400箇所のスポット溶着することで一体化することができる。単位面積当たりのスポット溶着の個数は、チョップドストランド・プリプレグの幅や長さによって異なるが、シートの柔軟性を確保するため、必要最小限に止めるのが好ましい。
【0019】
本発明においては、積層物の点溶着を、超音波溶着機を用いて行う方法、又は、樹脂の融点以上に温度を保持した針状突起物を、シート状の積層物の厚さ方向に貫通させて行う方法が特に好ましい。超音波溶着機は、超音波による振動エネルギーを摩擦熱に変換し、対象物の溶着・接合を行う。
【0020】
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートは、様々なFRP成形品を製造するための中間素材として用いることができる。本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートを使用したFRP成形品の成形方法は、特に限定されるものではなく、前記繊維強化熱可塑性樹脂シートを1枚あるいは複数枚積層し、金型プレス法、オートクレーブ法、熱間・冷間プレス法等で成形して成形品とすることができる。
【実施例】
【0021】
以下、実施例により、本発明を詳述する。繊維体積分率の測定は、JIS K7075の方法に準じて行なった。曲げ強度と曲げ弾性率の測定は、JIS K7017に準じて行なった。
【0022】
[実施例1]
炭素繊維HTA−12K(800tex、12,000本のストランド、東邦テナックス社製)を使用し、長繊維を一方向に配向した目付40g/mの炭素繊維ストランドのシート状物に、PA6フィルム(ナイロン6、ユニチカ社製、目付28.75g/m)を重ね、230〜260℃に加熱して、PA6フィルムをシート状物に溶融含浸させた。得られた樹脂含浸シート状物は、厚さは0.07〜0.08mmであった。繊維体積分率は30%であった。
【0023】
上記で得られた樹脂含浸シート状物を、幅20mm(1ストランド分)にスリットした後、ギロチン方式の裁断機を用いて、長さ25mmに裁断しながら、チョップドストランド・プリプレグを作製した。得られたチョップドストランド・プリプレグをスチールベルトのベルトコンベア−上に自然落下させ、プリプレグの繊維配向が二次元ランダムになるようにスチールベルト上に積層した。次に、この積層物を、予め260℃に保持したニードルを用いて、シートサイズ10cm当たり25箇所、厚さ方向に貫通させて、融着一体化し繊維強化熱可塑性樹脂シートを作製した。得られた繊維強化熱可塑性樹脂シートは、チョップドストランド・プリプレグの脱落がなく、柔軟性があり取扱性に優れていた。
【0024】
上記で得られた等方性の繊維強化熱可塑性樹脂シートを、遠赤外線ヒータによって260〜280℃に予熱した後、コールドプレス成形法を用いて80〜120℃で40〜50MPaの条件で加熱・加圧処理し、板厚2.3mmの成形板を得た。その機械的物性を表1に示した。
【0025】
[比較例1]
実施例1と同様にして、炭素繊維HTA−12K、PA6フィルムを使用して、樹脂含浸シート状物(厚さは0.07〜0.08mm、繊維体積分率30%)を作製し、これを
幅20mm×長さ25mmに裁断しながら、得られたチョップドストランド・プリプレグを、スチールベルトのベルトコンベア−上に積層した。次に、積層物を、熱ロールを用いて230〜260℃で0.5〜1.5MPaで加熱・加圧処理し、繊維強化熱可塑性樹脂シートを得た。
【0026】
上記で得られた繊維強化熱可塑性樹脂シートを、実施例1と同様にして、遠赤外線ヒータによって260〜280℃に予熱した後、コールドプレス成形法を用いて80〜120℃で40〜50MPaの条件で加熱・加圧処理し、板厚2.3mmの成形板を得た。その機械的物性を表1に示した。
【0027】
[実施例2]
炭素繊維HTA−6K(400tex、6,000本のストランド、東邦テナックス社製)を使用し、長繊維を一方向に配向した目付80g/mの炭素繊維ストランドのシート状物に、PA6フィルム(ナイロン6、ユニチカ社製、目付28.75g/m)を重ね、260℃に加熱して、PA6フィルムをシート状物に溶融含浸させた。得られた樹脂含浸シート状物は、幅が約5mmで、厚さは0.26mmであった(繊維体積分率は50%)。その後は実施例1の場合と同様に処理して、カット長25mmで、幅5mmのストランド・プリプレグを用いて繊維強化熱可塑性樹脂シートを作製し、そのシートを用いて厚さ2.3mmの成形板を得た。このものの機械的物性は表1に示した通りであった。
【0028】
[比較例2]
実施例2と同様に、炭素繊維HTA−6K(400tex、6,000本のストランド、東邦テナックス社製)、PA6フィルム(ナイロン6、ユニチカ社製、目付28.75g/m)を使用して、樹脂含浸シート状物(幅が約5mmで、厚さは0.26mm、繊維体積分率50%)を作製し、これを幅5mm×長さ25mmに裁断しながら、得られたチョップドストランド・プリプレグを、スチールベルトのベルトコンベア−上に落して積層した。次に、この積層物を、熱ロールを用いて230〜260℃で0.5〜1.5MPaで加熱・加圧処理し、繊維強化熱可塑性樹脂シートを得た。
【0029】
上記で得られた繊維強化熱可塑性樹脂シートを、実施例1と同様にして、遠赤外線ヒータによって260〜280℃に予熱した後、コールドプレス成形法を用いて80〜120℃で40〜50MPaの条件で加熱・加圧処理し、板厚2.3mmの成形板を得た。その機械的物性は表1に示した通りであった。
【0030】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるチョップドストランド・プリプレグであって、該プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜100mmのものが、繊維配向が二次元ランダムにシート状に積層されており、該シート状の積層物が、10cm当たり1〜400箇所を点溶着され一体化されていることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シート。
【請求項2】
前記チョップドストランド・プリプレグの強化繊維体積含有率(Vf)が20〜50%、該プリプレグの厚さが0.13mm以下である請求項1記載の繊維強化熱可塑性樹脂シート。
【請求項3】
強化繊維が炭素繊維である請求項1又は2記載の繊維強化熱可塑性樹脂シート。
【請求項4】
熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるチョップドストランド・プリプレグであって、該プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜100mmのものを、繊維配向が二次元ランダムにシート状に積層し、次いで該シート状の積層物を加熱することによって、10cm当たり1〜400箇所を点溶着することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
【請求項5】
前記チョップドストランド・プリプレグの強化繊維体積含有率(Vf)が20〜50%、該プリプレグの厚さが0.13mm以下である請求項4記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
【請求項6】
強化繊維が炭素繊維である請求項4又は5記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
【請求項7】
積層物の点溶着を、超音波溶着機を用いて行うことからなる請求項4〜6のうちいずれか1項記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
【請求項8】
積層物の点溶着を、樹脂の融点以上に温度を保持した針状突起物を、シート状の積層物の厚さ方向に貫通させて行うことからなる請求項4〜6のうちいずれか1項記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。






【公開番号】特開2007−262360(P2007−262360A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92996(P2006−92996)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(303013268)帝人テクノプロダクツ株式会社 (504)
【Fターム(参考)】