繊維押出し成形システムにおいて気流を制御するための方法および装置
繊維押出し成形プロセスにおいて気流を制御するための装置は、押し出し成形された繊維が受取られる入口(116)とこの押し出し成形された繊維が排出される出口(122)との間の繊維流れ領域(150)、およびこの繊維流れ領域と別の領域との間の境界を提供する少なくとも1つの表面を備え、ここでこの表面は、空気がこの繊維流れ領域とこの他の領域との間に流れることを許容するアパーチャ(115)を備え、この繊維流れ領域の出口で気流を制御する。この装置は、少なくとも1つのチャンバを備えるハウジングを備え、この表面は、この繊維流れ領域とこのチャンバとの間の境界を形成し、その結果、このアパーチャは、空気がこの繊維流れ領域とこのチャンバとの間に流れることを許容する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、「A Modified Spun Bond Process Having Improved Fiber and Web Laydown,Greater Versatility and Improved Economics」と題する2003年5月20日に出願された、米国仮特許出願第60/471,710号から優先権を主張する。本仮特許出願の開示は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、繊維押出し成形システムにおいて気流を制御するための方法および装置に関し、より詳細には、そのシステムに存在する空気を選択的に分離し、除去し、または向け直し、その空気の流れおよび繊維を所望の様式で制御し得る気流制御デバイスに関する。
【0003】
(関連技術の説明)
DuPontによる1959年のスパンボンデッド(spunbond)プロセスの初期の開発以来、多くの開発作業が続いた。その作業の多くは、溶融紡糸繊維の均質な寝かせ(laydown)および結合の前の不織ウェブの特性(例えば、嵩高性またはけん縮)の周囲に中心を置いてきた。さらなる開発作業は、特にその溶融紡糸繊維を中実または微孔性の基材の上に堆積した場合、その穿孔したベルトまたはドラムコレクタの性質の周囲に中心を置いてきた。
【0004】
従来のスパンボンデッドプロセスを実施するためのシステム10の概略が、図1に示される。スパンボンデッドシステム10は、繊維を2つの異なる位置の成形ベルト(forming belt)の上に堆積するための、二連の繊維押出し成形装置を備える。各装置は、それぞれのポリマーフィルター14に送達する前に、それぞれ異なる2つのポリマー成分のペレットを溶融するための(例えば、二成分繊維を形成するための)、ポリマー押出し成型機12を備える。溶融体ポンプおよび対応する駆動装置16は、紡糸ビーム(spin beam)18への溶融ポリマー流れを定量で供給し、溶融ポリマーが紡糸ビーム内の紡糸パック20により、制御された様式で受け取られる。この溶融ポリマー流れは、紡糸パック内に分配され、紡糸口金を通して押出し成形され、選択された断面幾何配置を有する押出し成形繊維のフィラメントを形成する。
【0005】
紡糸口金の下では、急冷空気が、側方から、押出されたフィラメントの上へ吹いており、そのフィラメントを少なくとも部分的に急冷し、図1に示されるように、急冷空気の何らかの部分が、その側方へ排気される。各押出し装置において、急冷された繊維は、高速スロットアスピレーター24に入り、これが、圧縮空気を用いてその繊維を引き細くする。繊維が紡糸口金からアスピレーターに流れる場合に、この急冷空気の一部およびいくつかの取り囲む周囲の部屋の空気がその繊維に巻き込まれる。これらの押し出し成形された繊維は、巻き込まれた空気(アスピレーターに導入された空気を含む)の実質的な体積とともにアスピレーターを出る。このアスピレーターを出る際に、延伸された繊維は、ウェブとして穿孔した表面26(例えば、連続的スクリーンベルト(screen belt))に堆積され、回収され、そして/またはさらなる従来のまたは他のプロセス処理(例えば、接着、熱処理など)に供される。上記穿孔した表面の下にある吸込デバイス28は、この穿孔した表面に届くフィラメントに巻き込まれた空気の実質的部分を引っ張り込み、排出する。圧縮ロール30が使用され得、上記ウェブを圧縮し、ゆるく接着されたウェブを形成する。随意のメルトブローンビーム(meltblown beam)32が使用され、上記スパンボンデッドフィラメントと組合せて、または上記スパンボンデッドフィラメントとは別に、メルトブローンフィラメントを堆積し得る。代表的な接着および仕上げの選択肢としては、以下が挙げられる:カレンダー接着(calendar bonding)、通気接着(through−air bonding)、化学的接着、ハイドロエンタングリング(hydro−entangling)、繊維の裏すき(splitting)、ニードルパンチング(needle punching)、仕上げ剤の塗布、ラミネート化、コーティング、および裏すきおよび巻き取り。
【0006】
図1に示されるシステムは、いわゆる開放系である。いくつかのスパンボンデッドプロセスでは、上記フィラメントの延伸は、その繊維とともに、急冷空気より下の延伸スロット(draw slot)に押される急冷空気により、主に生成される(いわゆる閉鎖系)。このようなシステムの例は、米国特許第5,814,349号に開示され、この開示は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1では、アスピレーター上の巻き込まれた空気は、主にこの急冷空気、高速のフィラメントおよびアスピレーター吸込みに起因する。このアスピレーターの下での巻き込まれた空気は、上記穿孔したベルトを通して要求される、高速のフィラメントおよび、アスピレーターを出る高速の空気、ならびに高速吸入に起因する。大容積の圧縮空気、急冷空気、アスピレーターに誘導される部屋の空気、ならびにそのアスプレーターより下の部屋内から巻き込まれた空気を取り扱うという問題は、この過剰の空気を制御しようとするほぼ55年間の開発にもかかわらず、重大な問題であったし、まだ重大な問題のままである。特に、現代の高速紡糸速度プロセスにおいて、実質的なフィラメントおよび布の乱れをもたらす、単に多すぎる空気が存在する。加えて、すべてのこの過剰の空気を捕集するために、上記穿孔したコレクタを通して、過剰の吸引が必要とされる。従って、押出し成形繊維プロセスにおいて、特に上記繊維のフィラメントを、成形表面、または他の回収デバイスの上に堆積する時点で、気流を制御することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明に従って、繊維押出し成形プロセスにおいて気流を制御するための装置は、押し出し成形された繊維が受取られる入口とこの押し出し成形された繊維が排出される出口との間の繊維流れ領域、およびこの繊維流れ領域と別の領域との間の境界を提供する少なくとも1つの表面を備え、ここでこの表面は、空気がこの繊維流れ領域とこの他の領域との間に流れることを許容するアパーチャを備え、この繊維流れ領域のこの出口で気流を制御する。この装置は、少なくとも1つのチャンバを備えるハウジングをさらに備え得、その表面は、繊維流れ領域とこのチャンバとの間の境界を形成する内部表面である。スパンボンデッドプロセスでは、例えば、この空気気流制御デバイスは、上記アスピレーターの出口と上記ウェブ形成表面(穿孔したベルトまたはドラム)との間に配置され得る。この配置では、この気流制御デバイスは、その入口で、延伸されたフィラメントおよびアスピレーターからのプロセス空気を受取り、そのフィラメントおよび(もしあれば)残りの空気を、その出口でウェブ形成表面上に排出する。このハウジングは、上記アスピレーターに対して、その入口とそのアスピレーターとの間にエアギャップを形成するように配置され得、そしてそのエアギャップの長さは、調節可能であり得る。必要に応じて、この入口の幅およびこの出口の幅は、調節可能であり得る。
【0009】
上記繊維流れ領域を囲う内部表面は、第1および第2の壁を備え、そしてここでこの第1および第2の壁の少なくとも1つは、アパーチャを備える。この内壁は、平面であってもよく、傾いていてもよく、または湾曲して(凹状または凸状)いてもよく、そして気流に対する所望の効果に依存して、繊維流れの方向に実質的に平行であってもよく、収束しても発散してもよい。必要に応じて、この内壁の間の角度または距離は、調節可能である。チャンバがこのデバイスの内部にある場合には、それらは繊維流れ領域と、その2つの内壁を介して連通する。あるいは、チャンバの代わりに、上記アパーチャが、流れ流路、マニホールドまたは周囲環境と連通し得る。必要に応じて、これらの内壁のうちの1つのみが、アパーチャを備え得、そしてその壁が、繊維流れ方向に対して対称的にかまたは非対称的にかのいずれかで配置され得る。
【0010】
このアパーチャは、上記繊維流れ領域を囲む内部表面上に、均一にかまたは不均一かのいずれかで分布され得る。例えば、気流が上記チャンバとこの繊維流れ領域との間で循環することにより再循環される1つの配置では、この内壁は、入口端部と出口端部にアパーチャを備えるが、アパーチャのない中実の中心部分を有する。一般に、このアパーチャは、内部表面にわたる形状、寸法、間隔、および分布のうちの少なくとも1つにおいて変化し得、これらの特質のいずれかまたはすべてに関して、均質であり得る。加えて、特定の平面は、この平面のアパーチャの寸法、間隔、および分布が、選択的に調整され得る機構を有する。例えば、2つの隣接する平面が互いに対して移動され得、その結果、ある平面もしくは他の平面またはその両方の平面におけるアパーチャが、合わされた開口部のいくつかまたはすべての寸法または形状を効果的に改変するか、またはまたはその合わされた開口部などを閉じさえするよう配置され得る。ダンパーは、所望の改変を実施するための別の機構である。
【0011】
チャンバが、気流制御デバイス内で用いられる場合、このチャンバは、開口部または排気口を備える外壁を備え得、この開口部または排気口が、このチャンバへのまたはこのチャンバからの空気の進入および排出を可能にする。例えば、外壁中のこの開口部が、このチャンバから延びる排気流路またはダクトの中への空気の配管形成のための上記ハウジングの出口端部に向かって配置され得る。別の選択肢は、この外壁にある開口部または排気口を上記ハウジングの入口端部の近位に配置し、この外壁を通してチャンバ内に空気が進入することを可能にすることであり、このことは、上記の空気再循環配置において特に有用である。このチャンバはまた、上記ハウジングの出口の近位に底部表面を備える。この底部表面は、実質的に中実(すなわち、アパーチャがない)であり得るか、またはその底部表面は、上記チャンバと連通しているアパーチャを備え得、これによりその底部表面を介しての空気の進入または排出が可能となる。
【0012】
上記繊維押出し成形プロセスにおける巻き込まれた空気の量を減少させることにより、本発明の気流制御デバイスは、代表的にはウェブ形成表面を通して必要とされる吸引を、実質的に減らし得、このことが、多層堆積の能力および複合材(空気を通さない基材または多孔性基材の上への複合材でさえ)を作製する能力をを最大にしつつ高価な形成性ワイヤの開口領域の重要性を最少にする。同様に、本デバイスは、より少ない空気の取り扱いおよび調整の必要性に起因して必要とされる、エネルギーコストを低下させ得、経済的であれば、この空気は再循環され得る。本気流制御デバイスはまた、開放性気流により引き起こされる騒音をかなり低減する。
【0013】
本気流制御デバイスはまた、フィラメント紡糸速度とは独立の、ウェブ形成におけるフィラメント速度を制御するという多面的機能性を提供する。一般に、改善されたウェブ形成は、低減された空気の乱れおよび穿孔した表面上への繊維のより滑らかな寝かせ(laydown)に起因して、特により高い紡糸速度で達成され得、そして改善された繊維配向が得られ得る。
【0014】
本発明の別の局面に従って、繊維押出し成形プロセスにおいて気流を制御する方法は、以下:押し出し成形された繊維を、気流制御デバイスの入口で受取る工程;この押し出し成形された繊維を、この気流制御デバイスの繊維流れ領域の中を通す工程;およびこの押し出し成形された繊維を、繊維制御デバイスの出口を通して排出する工程を包含し、ここで少なくとも1つの表面は、この繊維流れ領域と少なくとも1つの他の領域との間の境界を提供し、ここでこの表面は、空気がこの繊維流れ領域とその他の領域との間に流れることを許容するアパーチャを備え、この気流制御デバイスのこの出口で気流を制御する。
【0015】
本発明の上記およびなおさらなる目的、特徴および利点は、以下の定義、説明、および本発明の特定の実施形態のための説明となる図面を考慮することにより、明らかとなり、ここで種々の図面において、同じ参照番号は、同じ構成成分を示すために利用される。これらの記載は、本発明の特定の詳細を考察するが、改変が存在し得、かつ現実に存在し、本明細書中での記載に基づいて、当業者には明らかであることが理解されるべきである。
【0016】
(好ましい実施形態の詳細)
図2〜10Bおよび好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の方法および装置を明らかにする。本発明は、押し出された繊維から少なくとも一部分の連行空気を分離する工程、またはより制御された方法において気流を方向づける工程のいずれかで、気流を制御するためのデバイスおよび様式を導入することによって、革新的および比較的低コストの様式で、繊維押し出しシステムにおける過剰空気に関連する前述の問題を克服する。気流制御デバイスは、紡糸したフィラメントとともに、繊維形成領域の中に出ていくことを可能にされる空気の量および速度を制御する。このプロセスは、多量の空気の制御された再利用または他の制御された処理を可能にする。そのデバイスはまた、高速ヤーンフィラメントを、繊維形成領域の中に出ていく前に、実質的により低速度に減速させるために調整され得、先行技術におけるアスピレーターより下に発生する連行空気を最小化するか、またはさらに除去する。
【0017】
より詳細には、プロセスおよび装置が開発され、それらはアスピレーターを出ていくフィラメントが、穿孔したベルトまたはドラムの気流制御デバイス上流にいかにして供給されるかが、実証されている。図2に示されるように、例示的な実施形態による空気制御デバイスは、2つの隣接するダクト部分102および104によって形成される、ほぼ反転したV型を有するハウジングを含む。各ダクト部分は、機械装置の方向(すなわち、繊維が穿孔したベルト上を移動するのに沿った方向)において、いくらか三角形の横断面形状、および横断方向(すなわち、機械装置の方向に対して垂直の水平方向)において、ほぼ長方形の横断面形状を有する。しかし、さらなる実施形態に見られるように、ダクト部分は、これらの横断面形状に限定されない。ダクト部分の壁は、例えば、シートメタルなどから構成され得る。
【0018】
各ダクト部分は、本質的に空気を受けるためのチャンバであり、そのチャンバは、(ダクト部分の横断方向末端での)外部の横方向の側壁106、頂部の壁108、底部の壁110、外後部壁112、および内壁またはプレート114(図4を参照のこと)によって取り囲まれている。より詳細に記載されるように、内壁114は、気流制御デバイス内のチャンバと繊維流れ領域との間の気流を可能にするための穿孔または開口部115を含む。
【0019】
溝の形状の入口116は、アスピレーターを出ていく繊維を受けるためのダクト部分102と104との間の隙間または開口部によってハウジングの最上端部に形成される。入口の溝の細長い方向は、溝の形状のアスピレーターを出ていく繊維のカーテンの形状と対応する横断方向に方向付けられる。入口116の幅は、機械装置の方向において調整可能である。例えば、2つのダクト部分102および104の横方向の側壁106の頂部の近くに、それぞれ形成される水平方向の溝118および接合ピンまたはボルト120が利用されて、ピンまたはボルト120を溝118内の適切な位置にすべらせることによって、入口の幅を選択し得る。種々の他の機構のいずれもが、ダクト部分および入口ならびに出口の幅の相対的な位置を調整または制御するために使用され得ることは、理解される。
【0020】
横断方向に延びる溝の形状の出口122は、機械装置の中央であるハウジングのより低い端部での2つのダクト部分の間に形成される。入口116を通して気流制御デバイスに入る繊維は、ハウジング内の繊維流れ領域に沿って移動し、出口122を通して気流制御デバイスを出る。好ましくは、出口122の幅は、調整可能である。例えば、2つのダクト部分102および104の横方向の側壁106にそれぞれ形成される、弧の形状の溝124および接合ピンまたはボルト126は、溝124内の適切な位置にピンまたはボルト126をすべらすことによって、出口の幅を選びだすために使用され得る。より詳細に記載されるように、繊維流れ領域の形状ならびに繊維流れ領域を結合する内壁115の相対的方向は、それぞれのピンおよび溝の配置による入口および出口の幅の選択によって影響され、それは、次いで、気流制御デバイスが、入ってくる空気をどのように取り扱うかに影響を与える。本明細書中で使用される場合、用語「結合した」または「結合している」は、表面または壁が、領域などの少なくとも一部分として役立つか、または領域などの境目に沿って位置し、必ずしも、表面が領域を完全に取り囲むか、または囲い込むか、あるいは全範囲の領域を規定することを示唆または必要としないことを示す。
【0021】
それらのより低い端部で、ダクト部分102および104は、それぞれの排気ダクト128および130に結合され得、それは、特定の配置において、繊維から分離された空気を除去するために使用され得る。必要に応じて、排気ダクトの中の流動している空気の量は、制御され得(例えば、調整可能なバッフルで)、特定の配置において、排気ダクトへの流路は、完全に遮断され得るか、または排気ダクトは、完全に除去され得る。
【0022】
必要に応じて、空気通気口132は、ダクト部分102および104の外後部壁112に沿って位置され得る。好ましくは、空気通気口は、完全に開いた位置から完全に閉じた位置までを通じる、気流の量の制御を可能にするために調整可能である。一般に、空気通気口は、気流の有益な制御を生じる任意の位置に配置され得る;しかし、本明細書中で記載される1つの例示的な実施形態に従って、図2に示されるように、空気通気口は、ダクト部分102および104の外後部壁112の近くまたは頂部に配置される。
【0023】
図3は、垂直方向のエアギャップが、アスピレーター134の底部での出口と気流制御デバイス100の頂部での入口116との間に存在するように、アスピレーター134から延びているブラケット136を取り付けることによって圧縮空気動力を備えた溝アスピレーター(compressed−air−powered slot aspirator)134の下に取り付けられた気流制御デバイス100を描写する。垂直方向のエアギャップの長さは、アスピレーター134から入口116に入る連行空気の量に影響を与え、より大きなエアギャップは、一般に、気流制御デバイスに入る連行空気の量を減少させる。好ましくは、エアギャップの長さは、調整可能であり、必要に応じて、エアギャップは、以下の特定の配置に示されるように、一緒に除去され得る。
【0024】
ダクト部分104の穿孔した内壁114は、実質的に繊維流動方向に平行に細長い平面プレートとして図4に示され、規則正しい列で配列された同サイズの円形の開口部115およびプレートより上に均一に分布されたカラムを有する。横方向の側壁106の部分に沿ったダクト部分102および104の内壁は、気流制御デバイスを通してフィラメント流動が、ダクト部分102および104のチャンバに入らないように、入口と出口との間の繊維流れ領域を結合する。前述のように、内壁114の配向は、気流制御デバイスの入口および出口の幅を選択することによって変化され得る。必要に応じて、内壁114の配向はまた、内壁が外部の側壁に取り付けられる角度を変化することによって、入口および出口の幅に独立して調整され得る。例えば、内壁は、回転軸の回りを回転され得るか、外部の側壁に沿った頂部および底部の複数の位置に取り付けられる。
【0025】
サイズ、形状、間隔および分布を含む、開口部の特性は、図4に示される配置に限定されず、開口部は、任意のこれらの特性に関して均一であることを必要としない。従って、一般に、開口部は、内壁114中の均一な分布を有することを必要とせず、間隔、形状、およびサイズは、特定の気流パターンをもたらすために、所望または必要に変化し得る。これに関連する重要な考慮すべき事項は、開口部のサイズおよび間隔から生じる開口領域と閉口領域との比率(または全壁の表面)および、この比率が、壁の表面にわたってどのように変化し得るかである。開口領域の量は、デバイスを通過する空気の体積の圧力低下に影響し、気流制御全体に有意に影響を与えるために、重要である。内壁114は、実質的に平面プレートとして図4に示されるが、この内壁は、曲線状の表面および異なる角度での複数の平面状の表面に限定されないが、これらを含む、所望の形状の繊維流れ領域およびチャンバを生成するための任意の適切な外形を有する任意の内部の表面であり得る。さらに、内壁面は、対称的な繊維流れ領域の形状を必要とせず、この内壁面は、異なる角度で配置され得、求められた特定の繊維の寝かせ方行に依存して、非対称の繊維流れ領域および対応する気流をもたらす。
【0026】
試験気流制御デバイスは、図2〜4に示される実施形態に従って構成された。上記試験気流制御デバイスは、高さが約16インチであり、そして(機械の横方向において)幅が約6.5インチである。上記出口スロットの幅は、4ミリメートル〜5ミリメートルのオーダーに設定され得る。しかし、上記入口幅および出口幅は任意の特定の値に限定されることが、理解される。この特定の気流制御デバイスは、幅が約4インチの織物を製造する小さいスパンボンデッドパイロットラインで作動された。幅が4メートルより長い織物を製造する商用のスパンボンデッドラインについて、同様に設計された気流制御デバイスが使用され得る。ここで上記横方向の幅は、製造された織物の幅よりわずかに長い。本明細書中で示される気流制御デバイスは、例示にすぎず、そして当業者は、代替的な配置および実施形態が、記載される本発明の範囲内にあることを容易に理解する。多くの配置および改変が、図5〜図10Bに関連して記載される。
【0027】
上記気流制御デバイスの種々の選択肢、構成要素および配置を示す目的のために、例示的な気流制御デバイスの図式的な断面側面図が、図5に示される。図5に示される特徴は、必ずしもスケールを変更していないが、上記デバイスの種々の部分の関係および構成可能性を示す。上記気流制御デバイスから繊維が出る速度、上記繊維の密度およびデニール、上記繊維の配向、ならびに上記繊維とともに出る空気の量および位置は、上記気流制御デバイスおよびその構成要素の種々の配置により制御され得る。繊維領域150ならびに2つの実質的に対称な気流制御チャンバ152および154は、図5から理解され得る。内壁114は、上記繊維領域と上記壁またはチャンバとの間に境界を形成する。内壁114は破線で図示され、その内壁の少なくともいくらかの部分が、上記繊維流動領域とそのチャンバとの間の通気を可能にする開口部を備えることを示す。その内壁は必要に応じて、開放領域、中実領域、または両方の組み合わせを有し得る。必要に応じて、各チャンバの底の壁110のある部分または全てもまた、その破線で示されるように、開口部を備え得る。
【0028】
上記デバイスの外壁(例えば、外背壁112)もまた、上に記載されたように、開放領域、中実領域、または両方の組み合わせを有し得る。この特徴は、必要に応じて後壁112の上端(入口の端)および下端(出口の端)に配置された空気弁132と共に、図5に概念的に示される。以前に記載されたように、下部の空気弁または開放部は、例えば図2〜図4に示されるように、上記気流のある部分が排出管を経由して排出される場合に有用であり得る。上部の空気弁および開口部は、その空気が上記チャンバ内を循環し、上記繊維流れ内へ再循環される構成において、有用であり得る。特定の構成において有利である場合、空気は、チャンバが使用される場合、その繊維流動領域から出てチャンバ内へ、押し込まれるかポンピングされるかどちらかされ得る。あるいは、空気または他のガス状物質もしくは蒸気物質は、上記デバイスを通る繊維流れに対して任意の所望の方向(例えば、横断、下流、上流、またはそれらのベクトルの組み合わせ)で、1つまたはそれより多い開口部または空気弁を経由して、繊維流動領域へ押し込まれてもよいし、ポンピングされてもよい。その繊維流動領域内に許容される空気または他の流体の量は、流動繊維上に形成される化学的効果または物理的効果に依存する。同様に、その流入物質(例えば、添加物を伴うか、または添加物を伴わない、空気、他のガス、蒸気など)の性質は、その繊維流動上に達成される化学的効果および物理的効果に依存する。
【0029】
図5に示される矢印によって示されるように、入口116と吸引器134との間の垂直方向の空間ギャップの長さは、固定された距離であってもよいし、調節可能であってもよい。上記気流制御デバイスは、その吸入器のスロットとそのデバイスの入口との間の小さな空間ギャップを伴い、または伴わずに、その吸入器スロットの下に接続され得る。またはその空間ギャップは、その気流制御デバイス自体の一部であり得る。そのスロットの形をした入口は、例えば上に記載された方法で、機器の方向における所望の幅に調節されてもよいし、その入口の幅は固定されていてもよい。もし所望されるならば、そのデバイスはその吸入器の構造の一部となり得、従ってそのデバイスとその吸入器との間にはギャップがないことが、留意されるべきである。
【0030】
上記内部壁114は、図5においては上記繊維流動方向に分岐するように示されるが、その内壁は、平行方向または収束する方向に配置され得、そしてその内壁間の距離は必要に応じて調節され得、上記入口および出口において所望の空気および繊維流れを得る(図5に示される矢印により示されるように)。特定の気流制御状態が望ましい場合、その内壁はその繊維流動方向に対して非対称に調節され得、非対称の繊維流れおよび非対称のチャンバを生じる。これは、特定の機器方向/交差方向の配向が所望される場合、所望され得る。別の構成に従って、その内壁の一部は中実(開口部なし)であり得、そして繊維が穿孔された壁よりもその中実の壁に向かって流れやすい角度であり得る。この場合、空気はその中実の壁を通過しないため、ただ1つのチャンバのみが必要である。
【0031】
内側プレートの設定(平行、収束または拡散する位置)および上記チャンバの構成は、上記流動の挙動(速度、圧力ゾーンなど)、上記プロセスに入る空気量(減らすまたは防ぐ)、出る空気量(孔の開いたベルト、部屋、プロセス領域の外などへ)、およびチャンバ内でそのプロセスへ再循環される空気量に対して、有意な効果を有する。空気は繊維を寝かせる(lay−down)プロセスにおける張力媒体であるから、気流の制御は、その寝かせるプロセスにおけるその繊維の張力、その繊維の方向、および空気量のより良い制御を提供する。
【0032】
図5およびそれより前の図に示される構成において、上記繊維流動領域と両側の上記チャンバとの間に、2つの穿孔された内壁がある。この構成は、吸入器を出て、網形成表面に接近すると、直線状の幕に配置される繊維により生じる。一般的に、その内壁は、実施される押出プロセスに適した任意の形状を有する内面であり得る。従って、例えば、その内面は、円錐、円錐台、円柱、多角形、楕円形、凸状、凹状、または他の適切な形状を有する単一の連続した壁であり得る。
【0033】
上記気流制御デバイス内のチャンバは、上記繊維流動領域を離れる空気に制御を提供するために有用である(チャンバが存在しない2枚の中実プレートを使用した試験で、比較的小さい気流制御しか生じないことが見出された)が、気流制御における少なくともいくらかの有意な改善が、密閉チャンバを形成するハウジングにより囲まれていない穿孔された表面を使用することにより、達成され得ることが見出された。例えば、繊維制御領域の境界となる2枚の穿孔されたプレート(すなわち、開口部を有する)は、穿孔されたプレートまたは連結された繊維流動領域を有さない従来のスパンボンデッドプロセスに対して、実質的に改善された気流制御を実現し得る。従って、本発明の気流制御デバイスに関する最小限の要求は、少なくとも1つの穿孔された表面(すなわち、開口部のある表面)のある、入口と出口との間の繊維流動領域であり、この表面はその繊維流動領域と少なくとも1つの他の領域との間の境界を提供し、ここでその開口部は空気がその繊維流動領域とその他の領域との間を流れることを可能にし、出口における気流を制御する。次いで外部ハウジングは、その「他の」領域を、潜在的により大きな気流制御選択肢を有する、部分的に閉鎖されたチャンバまたは完全に閉鎖されたチャンバに仕立てる。外部ハウジングが省略される場合、他の機構を用いて、より良い気流制御を達成することができる。この機構は、例えば、その気流制御デバイス付近に配置される(しかし付着される必要はない)表面、またはその繊維流動領域の外部付近への別個の吸引デバイスの配置である。いくつかの用途において、上記「他の」領域は、そのシステムが設置される周囲環境であり得る。
【0034】
再度図5を参照して、上記出口122は、固定されたサイズを有してもよいし、上記機器の方向(すなわち、その出口の粉塵セクションの間のギャップの空間)に、所望される幅に調整可能であってもよい。実質的にすべての空気が上記繊維から取り除かれる状況において、その繊維は、その出口付近で収束してもよいし、プラグ様の収束を形成してもよい。このような構成において、必要に応じて、その出口の表面には、ばねが装着されるかまたは、他の様式で作動されて、その繊維の収束またはプラグに対して制御された力を維持することができる。別の選択肢は、その出口に、またはその出口付近に、調整可能な速度駆動ローラーを備えることである。なお別の選択肢は、調整可能な速度を有する、可動の穿孔されたベルトを使用する内壁114を形成することである。その穿孔された表面の下から供給される吸引は、全体または一部が、上記気流制御デバイスから上記繊維を引くために使用され得、ここで実質的にすべての空気がその繊維から取り除かれる。
【0035】
図6および図7は、上記内壁および底の壁の異なる構成を図示し、ここでその内壁は、上記繊維流動領域の異なる地点に異なる角度で存在する。図6において、その内壁は、異なる角度で、一連の平面の表面を備える。その内壁の最上部分(上記入口に近接している)は、実質的に平行であるが、その最上部分から伸びる部分は、その繊維流動領域において、発散する角度で存在する。上記底の壁110へ伸びるこれらの部分は、より発散した角度で存在するが、その繊維流動方向に対して完全に垂直ではない。図7において、その内壁114は、それらがその繊維流動方向に分岐するように曲がり、上記底の表面を含む連続の曲がった表面を形成する。
【0036】
図8〜図10Aは、本発明の気流制御デバイスの多くの代表的な配置から生じる気流および繊維流れを例示する。図8では、ダクト部分102および104が外後部壁112の排出端部での開口部で構成され、開口部は、図2〜4において示されるものと類似の配置で排出ダクトにつながっている。内壁114は、繊維流れの方向に発散し、壁114の全体にアパーチャが分布している。エアギャップは、デバイスの注入口116およびアスピレーター134の出口溝との間に存在する。この配置では、アパーチャを経由してこのチャンバに入る気体のほとんどは、排出ダクトを通過して流れ、そしてこのプロセスから除去される。特定の操作上のパラメーターおよび種々の表面の寸法、空間、角度などに依存して、入口近くのチャンバに入る少量の空気は、繊維流れ領域を循環し、この領域に戻る。内壁114の発散のせいで、デバイス入口に入る空気の少なくとも一部は、繊維流れ領域を通って移動し、そして出口にて繊維と共に出る。出口から排出される空気の量は、気流制御デバイスおよびスパンボンデッドプロセスの特定の配置に依存する。このフィラメントは、気流制御デバイスを抜け出て、非結合のスパンウェブの形態で多孔性のベルトまたはドラム上に預けられ、ここで、このウェブは、このウェブを多孔性のコレクター上に保持するために、最小量の吸引もしくはその他の技術により移動ベルト上に維持される。この非結合のウェブは、多孔性の表面を動かすことにより圧縮ステーションおよび/または結合ステーションにまで輸送され、そして究極的には糸巻きまたはその他のコレクションデバイスにまで輸送される。
排出口を出る任意の空気は、多孔性のベルトの下に位置する吸引装置により引張られ、そして排出され得る。
【0037】
図9の下の配置は、内壁114が、繊維流れの方向に収束している点で、図8の配置とは異なり、その結果事実上全ての入り込む気体がチャンバへとそれ、そして繊維から分離する。さらに、入口116とアスピレーター134との間のエアギャップは、完全に排除される。この配置で出口を出る最小量の空気のために、このフィラメントは、出口でよりずっと低スピードに減速させられ、そして部分的に排出口をブロックし得、さらに、この空気が繊維流れ領域を、チャンバおよび排出ダクトを介してさらに出させる。次いで再利用されるかまたはそうでなければ制御された様式で扱われる回転セクションのすぐ近くの領域から、このような気体は、配管輸送され得る。このようにして、気流は、制御され得、その結果、アスピレータ−を出るこのフィラメントは、ゆったりとしたコレクションまたはフィラメントのプラグを減速させ、そして本質的にこれらを形成し、空気の下流への流れを妨害する。この気流制御デバイスは、このフィラメントが集まるように設計され得、これらはより一層多くのアパーチャを閉じ、デバイス内の圧力の増加を引き起こし、繊維を保持する摩擦力を事実上克服する。これが起こる場合、さらなるフィラメントを押出そうとするデバイス内部の十分な圧力がなくなるまで、いくらかの量の繊維がデバイスから押し出される。この繊維流れ領域に入る新しい繊維は、アパーチャを再度閉じ始め、デバイスを出入りする繊維の連続的なプロセスを開始し、空気のスタッファー(stuffer)ボックス織りのプロセスを刺激する。
【0038】
代表的なスパンボンデッドプロセスにおいて、このフィラメントは、穿孔したベルト上に置かれているので、この混入した気体は、フィラメント上の張力を提供する。平行なまたは収束するプレートを用いて、実質的に全ての空気が繊維から分離され、内部プレートの表面に接する繊維により、代わりに張力が提供される。それにもかかわらず、少なくともいくらかの量の出口を出る空気が、繊維の栓の整備を妨害し、そしてこの繊維の寝かせプロセスにおいてさらなる制御を提供することを可能にする。この結果は、アパーチャ(または前述のパラメータのその他のもの)の大きさ/面積に対する排出口の大きさを調節することにより達成され得、その結果、所望の容積の空気が繊維と共に残存し、連続的な流れを維持する。
【0039】
図10Aは、気体の取り扱いおよび制御に関係して上述された利点が、事実上全ての系の気体を保持する気流制御デバイスをこの系に配置し、その一方でチャンバを通して気体を再循環させることにより気流を制御することにより得られ得る本発明の有用な実施形態を例示する。図10Aに示されるように、外後部壁112は、空気孔を入口端部に備え、空気がチャンバ152および154に入るのを可能にする。この入り込む気体が、繊維流れ領域において主要な気流を加速する際または減速する際のいずれをも補助し得、そして最終的には、最終繊維デニールに影響し得る。外後部壁112の出口端部における空気孔または経路は、全体が閉じられるかまたは排除され、その結果、このプロセスから側チャンバを経て除去される空気はほとんどないかまたは全くない。図10Bに示されるように、内部プレート115は、入口端部部分および出口末端部分でアパーチャを備えるが、各プレートの中心部分は、実質的に中実である(開口部がないか、または実質的に開口部はほとんどない)。底壁110は、繊維流れ領域150に向かう方向に上向きに曲げられ、そして必要に応じてアパーチャを備え得、空気がデバイスの底部に沿ってチャンバに入るのを可能にする。作動において、開口部から(主に低アパーチャから)チャンバに入る空気は、チャンバ内を上方に流れ、この孔を経て入る部屋の空気と混じり、そして上方アパーチャを介して繊維流れ領域に再度入り、気流の再利用を生じる。繊維流れ領域にチャンバから再度入る気流の量は、繊維のデニールに影響する。その理由は、入口近くの入り込む空気の流れが、繊維流れの速度を加速し得る一方、入口近くの繊維流れ領域から流れる空気は、繊維流れの速度を減速し得、ここで、より高い繊維流れの速度が、生じるフィラメントデニールを潜在的に減少させ得る。
【0040】
出口端部において、デバイスを出る空気の全量は、大量である。その理由は、チャンバを経てプロセスから除去される空気が事実上ないからである;しかし、チャンバを通った空気の流れの循環および再利用は、より管理可能な空気の流れのパターンであり、これは、制御された様式で、排出口および穿孔したベルトに向かって分配される。チャンバの形およびアパーチャの位置決めは、気流の再利用を促進するように調整される。内壁および底壁の角度づけ(angling)の分散する配置は、気流制御デバイスの底部にて空気を分配するためのより多くの面積を提供し、空気は、よりスムーズに表中に吸引される。図10Aに示される配置はまた、好都合である。なぜなら、この空気の流れは、寝かせプロセスを通して繊維上に張力を維持し、それによって制御された寝かせを可能にするするからである。
【0041】
一般に、適切な空気のバランスは、よりよいウェブの形成を可能にし、これは、代表的には、高い紡糸速度にて達成するのが困難である。従って、本発明の気体流れ制御デバイスは、より高速の押出し成形プロセスにおいて、気体の流れの状態を改善するのに特に有用である。特定の機械の方向/前後方向(md/cd)のウェブ方向が望まれる場合、このデバイスはまた有用であり得る。なぜなら、このような方向は、一般的に、穿孔した表面上の堆積位置での繊維流れの状態に起因するからである。気流を特定の様式で制御することにより、より正確なmd/cd比が達成され得る。
【0042】
布地の形成中の繊維/ウェブの均一な寝かせにおいて、過剰の圧縮空気または連衡空気の過剰量を克服することに加えて、本発明は、多くの他の有用な特徴を有する。例えば、このプロセスにおける連行空気の量を減少させることにより、この気流の制御デバイスは、テーブルまたはドラムを形成することを通して必要とされる吸入を減少または除去し得、これが、高価な形成ワイヤーの開口領域を重要性を最小化する一方、マルチ寝かせの能力および複合材(不浸透性基材または微小孔の基材上の複合材でさえ)を作る能力最大化する。さらに、特定の配置では、このデバイスは、連行された部屋の空気の問題を減らすことにより、空気ハンドリングシステムを極度に単純化し得る。同様に、このデバイスは、より低い空気ハンドリング要件およびコンディショニング要件のために必要とされるエネルギーコストを減少し得、そしてこの空気は、経済的である場合、再利用され得る。この空気の流れの制御デバイスはまた、開いた空気の流れにより引き起こされる騒音をかなり減少させる。
【0043】
ウェブの形成に関しては、本発明は、ウェブの形成において、フィラメントの紡糸速度とは関係なくフィラメントの速度を制御する多くの用途を提供する。特に、より高い回転速度で、空気抵抗の減少および穿孔した表面上の繊維のよりスムーズな寝かせのために、一般的に、改良されたウェブの形成が、達成され得、そして改良された繊維の配向が得られる。選択量の空気を繊維から分離する能力は、ウェブの形成または布の結合に先立って、有限の滞留時間の間、繊維において、より低いかまたは全くなしの張力のゾーンを発生させるという選択肢が発生するのを可能にする。これは、いくつものプロセス/織物の増進についての機会を提供する:二成分技術を用いて、ひだをインラインの開発、熱または湿度を用いたインラインでの適用(種々の目的(多成分繊維を誘導してより細かい繊維への分離を誘導することが挙げられるが、これに限定されない))、局所処置の適用、ならびに制御された熱硬化が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明の気流制御デバイスは、主に、開放系のスパンボンデッドシステムの文脈において記載されている:しかし、本発明は、この特定の背景に限定されない。本発明が参考として開口系に対して記載されている一方で、それは、閉鎖系においても等しく良好に使用され得る。更に、この気流制御デバイスは、メルトブローンプロセス(meltblown process)における使用のために構成され得る。メルトブローンプロセスは、押し出しポリマーフィラメントが、押し出し機のダイから出てくる際に、役目を終えるという点で、スパンボンデッドプロセスとは異なる。対照的に、スパンボンデッドプロセスにおいて押し出されたが実質的には中実のフィラメント(例えば、適切なクエンチング媒体(例えば、空気)を用いて)が延伸され、そして適切な延伸単位(例えば、アスピレーターまたはゴデットロール(godet roll))を支持体表面上に横たえることに先立って、くされる。メルトブローンプロセスは、代表的には、ミクロンレベルの直径を有する繊維を形成する際に利用され、その一方で、スパンボンデッドプロセスは、代表的には、正常な織物の寸法を有する繊維を生産するのに使用される。
【0045】
本発明は、この繊維が表面上に直接的に堆積されてウェブを形成するプロセスに限定されない。例えば、気流制御デバイスは、カートリッジフィルターなどを製造中に、押し出し成形繊維(例えば、スパンボンデッドまたはメルトブローン)がマンドリル上で巻かれる。別の選択肢は、気流制御デバイスから排出されるスパンボンデッド繊維またはメルトブローン繊維(meltblown fiber)を直接ラッピング機械に供給し、ラップ仕上されたウェブの複数の層を備える不織ウェブを製造することである。
【0046】
上記のように、異なる長軸方向の流れの位置に存在する圧力の差の結果としてか、または気体を強制的に繊維流れ領域に逆向きさせることにより、繊維流れ領域中のアパーチャを経て出る気体は、この領域に再度供給され得る。フィードバック気体は、これが戻される前に、さらなる気体またはその他の流体を補充され得る。さらに、出た気体が再供給されるかはともかくとして、さらなる流体がアパーチャを通して繊維流れ領域へと送達され得、繊維に対する所望の化学的効果および物理的効果を発揮する。さらなる流体は、空気、その他の気体、蒸気、または添加物を伴う任意のこれらの気体であり得、繊維に対する所望の効果を発揮する。添加物は、例えば、乾燥剤、湿潤剤、pH調整剤、着色剤などとして使用され得る。また上記のように、側壁中のアパーチャを経て繊維流れ領域に入る流体の流れの方向は、繊維に対して発生する効果に再び依存して、繊維流れ方向に対して横断方向、上流または下流(もしくはこれらの方向のいくつかの組み合わせ)であり得る。
【0047】
繊維押出し成形システムにおける気流を制御するための、新規かつ改良された方法ならびに装置についての好ましい実施形態を記載したが、その他の改変、バリエーションおよび変更が、本明細書中に記載された教示を考慮して当業者に示唆されると考えられる。従って、このようなバリエーション、改変および変更は、添付された請求項により規定される本発明の範囲内であると考えられる。特定の用語が本明細書中で使用されるが、一般的な意味および説明の意味でのみ使用され、限定の目的で使用されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、スパンボンデッド織物を製造するための従来のシステムの概略図である。
【図2】図2は、本発明の例示実施例に従う、繊維押出システムにおいて気流を制御するための気流制御デバイスの斜視図である。
【図3】図3は、圧縮空気動力のスロット吸引器に連結された例示的な気流制御デバイスの斜視図である。
【図4】図4は、開口部が中に形成された内面を示す、気流制御デバイスの1つの管部分の斜視図である。
【図5】図5は、気流制御デバイスの構成要素の位置決めに関する多様な選択肢を図示する、その気流制御デバイスの横断面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態に従う気流制御デバイスの横断面図である。
【図7】図7は、本発明のなお別の実施形態に従う気流制御デバイスの横断面図である。
【図8】図8は、1つの構成における気流を示す、気流制御デバイスの横断面図である。
【図9】図9は、別の構成における気流を示す、気流制御デバイスの横断面図である。
【図10A】図10Aは、なお別の構成における気流を示す、気流制御デバイスの横断面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aにおける構成の気流制御デバイスの内面プレートの上から見た正面図である。ここで、そのプレートの中央部分は中実であり、開口部はそのプレートの上側部分および下側部分の両方に形成される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、「A Modified Spun Bond Process Having Improved Fiber and Web Laydown,Greater Versatility and Improved Economics」と題する2003年5月20日に出願された、米国仮特許出願第60/471,710号から優先権を主張する。本仮特許出願の開示は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、繊維押出し成形システムにおいて気流を制御するための方法および装置に関し、より詳細には、そのシステムに存在する空気を選択的に分離し、除去し、または向け直し、その空気の流れおよび繊維を所望の様式で制御し得る気流制御デバイスに関する。
【0003】
(関連技術の説明)
DuPontによる1959年のスパンボンデッド(spunbond)プロセスの初期の開発以来、多くの開発作業が続いた。その作業の多くは、溶融紡糸繊維の均質な寝かせ(laydown)および結合の前の不織ウェブの特性(例えば、嵩高性またはけん縮)の周囲に中心を置いてきた。さらなる開発作業は、特にその溶融紡糸繊維を中実または微孔性の基材の上に堆積した場合、その穿孔したベルトまたはドラムコレクタの性質の周囲に中心を置いてきた。
【0004】
従来のスパンボンデッドプロセスを実施するためのシステム10の概略が、図1に示される。スパンボンデッドシステム10は、繊維を2つの異なる位置の成形ベルト(forming belt)の上に堆積するための、二連の繊維押出し成形装置を備える。各装置は、それぞれのポリマーフィルター14に送達する前に、それぞれ異なる2つのポリマー成分のペレットを溶融するための(例えば、二成分繊維を形成するための)、ポリマー押出し成型機12を備える。溶融体ポンプおよび対応する駆動装置16は、紡糸ビーム(spin beam)18への溶融ポリマー流れを定量で供給し、溶融ポリマーが紡糸ビーム内の紡糸パック20により、制御された様式で受け取られる。この溶融ポリマー流れは、紡糸パック内に分配され、紡糸口金を通して押出し成形され、選択された断面幾何配置を有する押出し成形繊維のフィラメントを形成する。
【0005】
紡糸口金の下では、急冷空気が、側方から、押出されたフィラメントの上へ吹いており、そのフィラメントを少なくとも部分的に急冷し、図1に示されるように、急冷空気の何らかの部分が、その側方へ排気される。各押出し装置において、急冷された繊維は、高速スロットアスピレーター24に入り、これが、圧縮空気を用いてその繊維を引き細くする。繊維が紡糸口金からアスピレーターに流れる場合に、この急冷空気の一部およびいくつかの取り囲む周囲の部屋の空気がその繊維に巻き込まれる。これらの押し出し成形された繊維は、巻き込まれた空気(アスピレーターに導入された空気を含む)の実質的な体積とともにアスピレーターを出る。このアスピレーターを出る際に、延伸された繊維は、ウェブとして穿孔した表面26(例えば、連続的スクリーンベルト(screen belt))に堆積され、回収され、そして/またはさらなる従来のまたは他のプロセス処理(例えば、接着、熱処理など)に供される。上記穿孔した表面の下にある吸込デバイス28は、この穿孔した表面に届くフィラメントに巻き込まれた空気の実質的部分を引っ張り込み、排出する。圧縮ロール30が使用され得、上記ウェブを圧縮し、ゆるく接着されたウェブを形成する。随意のメルトブローンビーム(meltblown beam)32が使用され、上記スパンボンデッドフィラメントと組合せて、または上記スパンボンデッドフィラメントとは別に、メルトブローンフィラメントを堆積し得る。代表的な接着および仕上げの選択肢としては、以下が挙げられる:カレンダー接着(calendar bonding)、通気接着(through−air bonding)、化学的接着、ハイドロエンタングリング(hydro−entangling)、繊維の裏すき(splitting)、ニードルパンチング(needle punching)、仕上げ剤の塗布、ラミネート化、コーティング、および裏すきおよび巻き取り。
【0006】
図1に示されるシステムは、いわゆる開放系である。いくつかのスパンボンデッドプロセスでは、上記フィラメントの延伸は、その繊維とともに、急冷空気より下の延伸スロット(draw slot)に押される急冷空気により、主に生成される(いわゆる閉鎖系)。このようなシステムの例は、米国特許第5,814,349号に開示され、この開示は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1では、アスピレーター上の巻き込まれた空気は、主にこの急冷空気、高速のフィラメントおよびアスピレーター吸込みに起因する。このアスピレーターの下での巻き込まれた空気は、上記穿孔したベルトを通して要求される、高速のフィラメントおよび、アスピレーターを出る高速の空気、ならびに高速吸入に起因する。大容積の圧縮空気、急冷空気、アスピレーターに誘導される部屋の空気、ならびにそのアスプレーターより下の部屋内から巻き込まれた空気を取り扱うという問題は、この過剰の空気を制御しようとするほぼ55年間の開発にもかかわらず、重大な問題であったし、まだ重大な問題のままである。特に、現代の高速紡糸速度プロセスにおいて、実質的なフィラメントおよび布の乱れをもたらす、単に多すぎる空気が存在する。加えて、すべてのこの過剰の空気を捕集するために、上記穿孔したコレクタを通して、過剰の吸引が必要とされる。従って、押出し成形繊維プロセスにおいて、特に上記繊維のフィラメントを、成形表面、または他の回収デバイスの上に堆積する時点で、気流を制御することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明に従って、繊維押出し成形プロセスにおいて気流を制御するための装置は、押し出し成形された繊維が受取られる入口とこの押し出し成形された繊維が排出される出口との間の繊維流れ領域、およびこの繊維流れ領域と別の領域との間の境界を提供する少なくとも1つの表面を備え、ここでこの表面は、空気がこの繊維流れ領域とこの他の領域との間に流れることを許容するアパーチャを備え、この繊維流れ領域のこの出口で気流を制御する。この装置は、少なくとも1つのチャンバを備えるハウジングをさらに備え得、その表面は、繊維流れ領域とこのチャンバとの間の境界を形成する内部表面である。スパンボンデッドプロセスでは、例えば、この空気気流制御デバイスは、上記アスピレーターの出口と上記ウェブ形成表面(穿孔したベルトまたはドラム)との間に配置され得る。この配置では、この気流制御デバイスは、その入口で、延伸されたフィラメントおよびアスピレーターからのプロセス空気を受取り、そのフィラメントおよび(もしあれば)残りの空気を、その出口でウェブ形成表面上に排出する。このハウジングは、上記アスピレーターに対して、その入口とそのアスピレーターとの間にエアギャップを形成するように配置され得、そしてそのエアギャップの長さは、調節可能であり得る。必要に応じて、この入口の幅およびこの出口の幅は、調節可能であり得る。
【0009】
上記繊維流れ領域を囲う内部表面は、第1および第2の壁を備え、そしてここでこの第1および第2の壁の少なくとも1つは、アパーチャを備える。この内壁は、平面であってもよく、傾いていてもよく、または湾曲して(凹状または凸状)いてもよく、そして気流に対する所望の効果に依存して、繊維流れの方向に実質的に平行であってもよく、収束しても発散してもよい。必要に応じて、この内壁の間の角度または距離は、調節可能である。チャンバがこのデバイスの内部にある場合には、それらは繊維流れ領域と、その2つの内壁を介して連通する。あるいは、チャンバの代わりに、上記アパーチャが、流れ流路、マニホールドまたは周囲環境と連通し得る。必要に応じて、これらの内壁のうちの1つのみが、アパーチャを備え得、そしてその壁が、繊維流れ方向に対して対称的にかまたは非対称的にかのいずれかで配置され得る。
【0010】
このアパーチャは、上記繊維流れ領域を囲む内部表面上に、均一にかまたは不均一かのいずれかで分布され得る。例えば、気流が上記チャンバとこの繊維流れ領域との間で循環することにより再循環される1つの配置では、この内壁は、入口端部と出口端部にアパーチャを備えるが、アパーチャのない中実の中心部分を有する。一般に、このアパーチャは、内部表面にわたる形状、寸法、間隔、および分布のうちの少なくとも1つにおいて変化し得、これらの特質のいずれかまたはすべてに関して、均質であり得る。加えて、特定の平面は、この平面のアパーチャの寸法、間隔、および分布が、選択的に調整され得る機構を有する。例えば、2つの隣接する平面が互いに対して移動され得、その結果、ある平面もしくは他の平面またはその両方の平面におけるアパーチャが、合わされた開口部のいくつかまたはすべての寸法または形状を効果的に改変するか、またはまたはその合わされた開口部などを閉じさえするよう配置され得る。ダンパーは、所望の改変を実施するための別の機構である。
【0011】
チャンバが、気流制御デバイス内で用いられる場合、このチャンバは、開口部または排気口を備える外壁を備え得、この開口部または排気口が、このチャンバへのまたはこのチャンバからの空気の進入および排出を可能にする。例えば、外壁中のこの開口部が、このチャンバから延びる排気流路またはダクトの中への空気の配管形成のための上記ハウジングの出口端部に向かって配置され得る。別の選択肢は、この外壁にある開口部または排気口を上記ハウジングの入口端部の近位に配置し、この外壁を通してチャンバ内に空気が進入することを可能にすることであり、このことは、上記の空気再循環配置において特に有用である。このチャンバはまた、上記ハウジングの出口の近位に底部表面を備える。この底部表面は、実質的に中実(すなわち、アパーチャがない)であり得るか、またはその底部表面は、上記チャンバと連通しているアパーチャを備え得、これによりその底部表面を介しての空気の進入または排出が可能となる。
【0012】
上記繊維押出し成形プロセスにおける巻き込まれた空気の量を減少させることにより、本発明の気流制御デバイスは、代表的にはウェブ形成表面を通して必要とされる吸引を、実質的に減らし得、このことが、多層堆積の能力および複合材(空気を通さない基材または多孔性基材の上への複合材でさえ)を作製する能力をを最大にしつつ高価な形成性ワイヤの開口領域の重要性を最少にする。同様に、本デバイスは、より少ない空気の取り扱いおよび調整の必要性に起因して必要とされる、エネルギーコストを低下させ得、経済的であれば、この空気は再循環され得る。本気流制御デバイスはまた、開放性気流により引き起こされる騒音をかなり低減する。
【0013】
本気流制御デバイスはまた、フィラメント紡糸速度とは独立の、ウェブ形成におけるフィラメント速度を制御するという多面的機能性を提供する。一般に、改善されたウェブ形成は、低減された空気の乱れおよび穿孔した表面上への繊維のより滑らかな寝かせ(laydown)に起因して、特により高い紡糸速度で達成され得、そして改善された繊維配向が得られ得る。
【0014】
本発明の別の局面に従って、繊維押出し成形プロセスにおいて気流を制御する方法は、以下:押し出し成形された繊維を、気流制御デバイスの入口で受取る工程;この押し出し成形された繊維を、この気流制御デバイスの繊維流れ領域の中を通す工程;およびこの押し出し成形された繊維を、繊維制御デバイスの出口を通して排出する工程を包含し、ここで少なくとも1つの表面は、この繊維流れ領域と少なくとも1つの他の領域との間の境界を提供し、ここでこの表面は、空気がこの繊維流れ領域とその他の領域との間に流れることを許容するアパーチャを備え、この気流制御デバイスのこの出口で気流を制御する。
【0015】
本発明の上記およびなおさらなる目的、特徴および利点は、以下の定義、説明、および本発明の特定の実施形態のための説明となる図面を考慮することにより、明らかとなり、ここで種々の図面において、同じ参照番号は、同じ構成成分を示すために利用される。これらの記載は、本発明の特定の詳細を考察するが、改変が存在し得、かつ現実に存在し、本明細書中での記載に基づいて、当業者には明らかであることが理解されるべきである。
【0016】
(好ましい実施形態の詳細)
図2〜10Bおよび好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の方法および装置を明らかにする。本発明は、押し出された繊維から少なくとも一部分の連行空気を分離する工程、またはより制御された方法において気流を方向づける工程のいずれかで、気流を制御するためのデバイスおよび様式を導入することによって、革新的および比較的低コストの様式で、繊維押し出しシステムにおける過剰空気に関連する前述の問題を克服する。気流制御デバイスは、紡糸したフィラメントとともに、繊維形成領域の中に出ていくことを可能にされる空気の量および速度を制御する。このプロセスは、多量の空気の制御された再利用または他の制御された処理を可能にする。そのデバイスはまた、高速ヤーンフィラメントを、繊維形成領域の中に出ていく前に、実質的により低速度に減速させるために調整され得、先行技術におけるアスピレーターより下に発生する連行空気を最小化するか、またはさらに除去する。
【0017】
より詳細には、プロセスおよび装置が開発され、それらはアスピレーターを出ていくフィラメントが、穿孔したベルトまたはドラムの気流制御デバイス上流にいかにして供給されるかが、実証されている。図2に示されるように、例示的な実施形態による空気制御デバイスは、2つの隣接するダクト部分102および104によって形成される、ほぼ反転したV型を有するハウジングを含む。各ダクト部分は、機械装置の方向(すなわち、繊維が穿孔したベルト上を移動するのに沿った方向)において、いくらか三角形の横断面形状、および横断方向(すなわち、機械装置の方向に対して垂直の水平方向)において、ほぼ長方形の横断面形状を有する。しかし、さらなる実施形態に見られるように、ダクト部分は、これらの横断面形状に限定されない。ダクト部分の壁は、例えば、シートメタルなどから構成され得る。
【0018】
各ダクト部分は、本質的に空気を受けるためのチャンバであり、そのチャンバは、(ダクト部分の横断方向末端での)外部の横方向の側壁106、頂部の壁108、底部の壁110、外後部壁112、および内壁またはプレート114(図4を参照のこと)によって取り囲まれている。より詳細に記載されるように、内壁114は、気流制御デバイス内のチャンバと繊維流れ領域との間の気流を可能にするための穿孔または開口部115を含む。
【0019】
溝の形状の入口116は、アスピレーターを出ていく繊維を受けるためのダクト部分102と104との間の隙間または開口部によってハウジングの最上端部に形成される。入口の溝の細長い方向は、溝の形状のアスピレーターを出ていく繊維のカーテンの形状と対応する横断方向に方向付けられる。入口116の幅は、機械装置の方向において調整可能である。例えば、2つのダクト部分102および104の横方向の側壁106の頂部の近くに、それぞれ形成される水平方向の溝118および接合ピンまたはボルト120が利用されて、ピンまたはボルト120を溝118内の適切な位置にすべらせることによって、入口の幅を選択し得る。種々の他の機構のいずれもが、ダクト部分および入口ならびに出口の幅の相対的な位置を調整または制御するために使用され得ることは、理解される。
【0020】
横断方向に延びる溝の形状の出口122は、機械装置の中央であるハウジングのより低い端部での2つのダクト部分の間に形成される。入口116を通して気流制御デバイスに入る繊維は、ハウジング内の繊維流れ領域に沿って移動し、出口122を通して気流制御デバイスを出る。好ましくは、出口122の幅は、調整可能である。例えば、2つのダクト部分102および104の横方向の側壁106にそれぞれ形成される、弧の形状の溝124および接合ピンまたはボルト126は、溝124内の適切な位置にピンまたはボルト126をすべらすことによって、出口の幅を選びだすために使用され得る。より詳細に記載されるように、繊維流れ領域の形状ならびに繊維流れ領域を結合する内壁115の相対的方向は、それぞれのピンおよび溝の配置による入口および出口の幅の選択によって影響され、それは、次いで、気流制御デバイスが、入ってくる空気をどのように取り扱うかに影響を与える。本明細書中で使用される場合、用語「結合した」または「結合している」は、表面または壁が、領域などの少なくとも一部分として役立つか、または領域などの境目に沿って位置し、必ずしも、表面が領域を完全に取り囲むか、または囲い込むか、あるいは全範囲の領域を規定することを示唆または必要としないことを示す。
【0021】
それらのより低い端部で、ダクト部分102および104は、それぞれの排気ダクト128および130に結合され得、それは、特定の配置において、繊維から分離された空気を除去するために使用され得る。必要に応じて、排気ダクトの中の流動している空気の量は、制御され得(例えば、調整可能なバッフルで)、特定の配置において、排気ダクトへの流路は、完全に遮断され得るか、または排気ダクトは、完全に除去され得る。
【0022】
必要に応じて、空気通気口132は、ダクト部分102および104の外後部壁112に沿って位置され得る。好ましくは、空気通気口は、完全に開いた位置から完全に閉じた位置までを通じる、気流の量の制御を可能にするために調整可能である。一般に、空気通気口は、気流の有益な制御を生じる任意の位置に配置され得る;しかし、本明細書中で記載される1つの例示的な実施形態に従って、図2に示されるように、空気通気口は、ダクト部分102および104の外後部壁112の近くまたは頂部に配置される。
【0023】
図3は、垂直方向のエアギャップが、アスピレーター134の底部での出口と気流制御デバイス100の頂部での入口116との間に存在するように、アスピレーター134から延びているブラケット136を取り付けることによって圧縮空気動力を備えた溝アスピレーター(compressed−air−powered slot aspirator)134の下に取り付けられた気流制御デバイス100を描写する。垂直方向のエアギャップの長さは、アスピレーター134から入口116に入る連行空気の量に影響を与え、より大きなエアギャップは、一般に、気流制御デバイスに入る連行空気の量を減少させる。好ましくは、エアギャップの長さは、調整可能であり、必要に応じて、エアギャップは、以下の特定の配置に示されるように、一緒に除去され得る。
【0024】
ダクト部分104の穿孔した内壁114は、実質的に繊維流動方向に平行に細長い平面プレートとして図4に示され、規則正しい列で配列された同サイズの円形の開口部115およびプレートより上に均一に分布されたカラムを有する。横方向の側壁106の部分に沿ったダクト部分102および104の内壁は、気流制御デバイスを通してフィラメント流動が、ダクト部分102および104のチャンバに入らないように、入口と出口との間の繊維流れ領域を結合する。前述のように、内壁114の配向は、気流制御デバイスの入口および出口の幅を選択することによって変化され得る。必要に応じて、内壁114の配向はまた、内壁が外部の側壁に取り付けられる角度を変化することによって、入口および出口の幅に独立して調整され得る。例えば、内壁は、回転軸の回りを回転され得るか、外部の側壁に沿った頂部および底部の複数の位置に取り付けられる。
【0025】
サイズ、形状、間隔および分布を含む、開口部の特性は、図4に示される配置に限定されず、開口部は、任意のこれらの特性に関して均一であることを必要としない。従って、一般に、開口部は、内壁114中の均一な分布を有することを必要とせず、間隔、形状、およびサイズは、特定の気流パターンをもたらすために、所望または必要に変化し得る。これに関連する重要な考慮すべき事項は、開口部のサイズおよび間隔から生じる開口領域と閉口領域との比率(または全壁の表面)および、この比率が、壁の表面にわたってどのように変化し得るかである。開口領域の量は、デバイスを通過する空気の体積の圧力低下に影響し、気流制御全体に有意に影響を与えるために、重要である。内壁114は、実質的に平面プレートとして図4に示されるが、この内壁は、曲線状の表面および異なる角度での複数の平面状の表面に限定されないが、これらを含む、所望の形状の繊維流れ領域およびチャンバを生成するための任意の適切な外形を有する任意の内部の表面であり得る。さらに、内壁面は、対称的な繊維流れ領域の形状を必要とせず、この内壁面は、異なる角度で配置され得、求められた特定の繊維の寝かせ方行に依存して、非対称の繊維流れ領域および対応する気流をもたらす。
【0026】
試験気流制御デバイスは、図2〜4に示される実施形態に従って構成された。上記試験気流制御デバイスは、高さが約16インチであり、そして(機械の横方向において)幅が約6.5インチである。上記出口スロットの幅は、4ミリメートル〜5ミリメートルのオーダーに設定され得る。しかし、上記入口幅および出口幅は任意の特定の値に限定されることが、理解される。この特定の気流制御デバイスは、幅が約4インチの織物を製造する小さいスパンボンデッドパイロットラインで作動された。幅が4メートルより長い織物を製造する商用のスパンボンデッドラインについて、同様に設計された気流制御デバイスが使用され得る。ここで上記横方向の幅は、製造された織物の幅よりわずかに長い。本明細書中で示される気流制御デバイスは、例示にすぎず、そして当業者は、代替的な配置および実施形態が、記載される本発明の範囲内にあることを容易に理解する。多くの配置および改変が、図5〜図10Bに関連して記載される。
【0027】
上記気流制御デバイスの種々の選択肢、構成要素および配置を示す目的のために、例示的な気流制御デバイスの図式的な断面側面図が、図5に示される。図5に示される特徴は、必ずしもスケールを変更していないが、上記デバイスの種々の部分の関係および構成可能性を示す。上記気流制御デバイスから繊維が出る速度、上記繊維の密度およびデニール、上記繊維の配向、ならびに上記繊維とともに出る空気の量および位置は、上記気流制御デバイスおよびその構成要素の種々の配置により制御され得る。繊維領域150ならびに2つの実質的に対称な気流制御チャンバ152および154は、図5から理解され得る。内壁114は、上記繊維領域と上記壁またはチャンバとの間に境界を形成する。内壁114は破線で図示され、その内壁の少なくともいくらかの部分が、上記繊維流動領域とそのチャンバとの間の通気を可能にする開口部を備えることを示す。その内壁は必要に応じて、開放領域、中実領域、または両方の組み合わせを有し得る。必要に応じて、各チャンバの底の壁110のある部分または全てもまた、その破線で示されるように、開口部を備え得る。
【0028】
上記デバイスの外壁(例えば、外背壁112)もまた、上に記載されたように、開放領域、中実領域、または両方の組み合わせを有し得る。この特徴は、必要に応じて後壁112の上端(入口の端)および下端(出口の端)に配置された空気弁132と共に、図5に概念的に示される。以前に記載されたように、下部の空気弁または開放部は、例えば図2〜図4に示されるように、上記気流のある部分が排出管を経由して排出される場合に有用であり得る。上部の空気弁および開口部は、その空気が上記チャンバ内を循環し、上記繊維流れ内へ再循環される構成において、有用であり得る。特定の構成において有利である場合、空気は、チャンバが使用される場合、その繊維流動領域から出てチャンバ内へ、押し込まれるかポンピングされるかどちらかされ得る。あるいは、空気または他のガス状物質もしくは蒸気物質は、上記デバイスを通る繊維流れに対して任意の所望の方向(例えば、横断、下流、上流、またはそれらのベクトルの組み合わせ)で、1つまたはそれより多い開口部または空気弁を経由して、繊維流動領域へ押し込まれてもよいし、ポンピングされてもよい。その繊維流動領域内に許容される空気または他の流体の量は、流動繊維上に形成される化学的効果または物理的効果に依存する。同様に、その流入物質(例えば、添加物を伴うか、または添加物を伴わない、空気、他のガス、蒸気など)の性質は、その繊維流動上に達成される化学的効果および物理的効果に依存する。
【0029】
図5に示される矢印によって示されるように、入口116と吸引器134との間の垂直方向の空間ギャップの長さは、固定された距離であってもよいし、調節可能であってもよい。上記気流制御デバイスは、その吸入器のスロットとそのデバイスの入口との間の小さな空間ギャップを伴い、または伴わずに、その吸入器スロットの下に接続され得る。またはその空間ギャップは、その気流制御デバイス自体の一部であり得る。そのスロットの形をした入口は、例えば上に記載された方法で、機器の方向における所望の幅に調節されてもよいし、その入口の幅は固定されていてもよい。もし所望されるならば、そのデバイスはその吸入器の構造の一部となり得、従ってそのデバイスとその吸入器との間にはギャップがないことが、留意されるべきである。
【0030】
上記内部壁114は、図5においては上記繊維流動方向に分岐するように示されるが、その内壁は、平行方向または収束する方向に配置され得、そしてその内壁間の距離は必要に応じて調節され得、上記入口および出口において所望の空気および繊維流れを得る(図5に示される矢印により示されるように)。特定の気流制御状態が望ましい場合、その内壁はその繊維流動方向に対して非対称に調節され得、非対称の繊維流れおよび非対称のチャンバを生じる。これは、特定の機器方向/交差方向の配向が所望される場合、所望され得る。別の構成に従って、その内壁の一部は中実(開口部なし)であり得、そして繊維が穿孔された壁よりもその中実の壁に向かって流れやすい角度であり得る。この場合、空気はその中実の壁を通過しないため、ただ1つのチャンバのみが必要である。
【0031】
内側プレートの設定(平行、収束または拡散する位置)および上記チャンバの構成は、上記流動の挙動(速度、圧力ゾーンなど)、上記プロセスに入る空気量(減らすまたは防ぐ)、出る空気量(孔の開いたベルト、部屋、プロセス領域の外などへ)、およびチャンバ内でそのプロセスへ再循環される空気量に対して、有意な効果を有する。空気は繊維を寝かせる(lay−down)プロセスにおける張力媒体であるから、気流の制御は、その寝かせるプロセスにおけるその繊維の張力、その繊維の方向、および空気量のより良い制御を提供する。
【0032】
図5およびそれより前の図に示される構成において、上記繊維流動領域と両側の上記チャンバとの間に、2つの穿孔された内壁がある。この構成は、吸入器を出て、網形成表面に接近すると、直線状の幕に配置される繊維により生じる。一般的に、その内壁は、実施される押出プロセスに適した任意の形状を有する内面であり得る。従って、例えば、その内面は、円錐、円錐台、円柱、多角形、楕円形、凸状、凹状、または他の適切な形状を有する単一の連続した壁であり得る。
【0033】
上記気流制御デバイス内のチャンバは、上記繊維流動領域を離れる空気に制御を提供するために有用である(チャンバが存在しない2枚の中実プレートを使用した試験で、比較的小さい気流制御しか生じないことが見出された)が、気流制御における少なくともいくらかの有意な改善が、密閉チャンバを形成するハウジングにより囲まれていない穿孔された表面を使用することにより、達成され得ることが見出された。例えば、繊維制御領域の境界となる2枚の穿孔されたプレート(すなわち、開口部を有する)は、穿孔されたプレートまたは連結された繊維流動領域を有さない従来のスパンボンデッドプロセスに対して、実質的に改善された気流制御を実現し得る。従って、本発明の気流制御デバイスに関する最小限の要求は、少なくとも1つの穿孔された表面(すなわち、開口部のある表面)のある、入口と出口との間の繊維流動領域であり、この表面はその繊維流動領域と少なくとも1つの他の領域との間の境界を提供し、ここでその開口部は空気がその繊維流動領域とその他の領域との間を流れることを可能にし、出口における気流を制御する。次いで外部ハウジングは、その「他の」領域を、潜在的により大きな気流制御選択肢を有する、部分的に閉鎖されたチャンバまたは完全に閉鎖されたチャンバに仕立てる。外部ハウジングが省略される場合、他の機構を用いて、より良い気流制御を達成することができる。この機構は、例えば、その気流制御デバイス付近に配置される(しかし付着される必要はない)表面、またはその繊維流動領域の外部付近への別個の吸引デバイスの配置である。いくつかの用途において、上記「他の」領域は、そのシステムが設置される周囲環境であり得る。
【0034】
再度図5を参照して、上記出口122は、固定されたサイズを有してもよいし、上記機器の方向(すなわち、その出口の粉塵セクションの間のギャップの空間)に、所望される幅に調整可能であってもよい。実質的にすべての空気が上記繊維から取り除かれる状況において、その繊維は、その出口付近で収束してもよいし、プラグ様の収束を形成してもよい。このような構成において、必要に応じて、その出口の表面には、ばねが装着されるかまたは、他の様式で作動されて、その繊維の収束またはプラグに対して制御された力を維持することができる。別の選択肢は、その出口に、またはその出口付近に、調整可能な速度駆動ローラーを備えることである。なお別の選択肢は、調整可能な速度を有する、可動の穿孔されたベルトを使用する内壁114を形成することである。その穿孔された表面の下から供給される吸引は、全体または一部が、上記気流制御デバイスから上記繊維を引くために使用され得、ここで実質的にすべての空気がその繊維から取り除かれる。
【0035】
図6および図7は、上記内壁および底の壁の異なる構成を図示し、ここでその内壁は、上記繊維流動領域の異なる地点に異なる角度で存在する。図6において、その内壁は、異なる角度で、一連の平面の表面を備える。その内壁の最上部分(上記入口に近接している)は、実質的に平行であるが、その最上部分から伸びる部分は、その繊維流動領域において、発散する角度で存在する。上記底の壁110へ伸びるこれらの部分は、より発散した角度で存在するが、その繊維流動方向に対して完全に垂直ではない。図7において、その内壁114は、それらがその繊維流動方向に分岐するように曲がり、上記底の表面を含む連続の曲がった表面を形成する。
【0036】
図8〜図10Aは、本発明の気流制御デバイスの多くの代表的な配置から生じる気流および繊維流れを例示する。図8では、ダクト部分102および104が外後部壁112の排出端部での開口部で構成され、開口部は、図2〜4において示されるものと類似の配置で排出ダクトにつながっている。内壁114は、繊維流れの方向に発散し、壁114の全体にアパーチャが分布している。エアギャップは、デバイスの注入口116およびアスピレーター134の出口溝との間に存在する。この配置では、アパーチャを経由してこのチャンバに入る気体のほとんどは、排出ダクトを通過して流れ、そしてこのプロセスから除去される。特定の操作上のパラメーターおよび種々の表面の寸法、空間、角度などに依存して、入口近くのチャンバに入る少量の空気は、繊維流れ領域を循環し、この領域に戻る。内壁114の発散のせいで、デバイス入口に入る空気の少なくとも一部は、繊維流れ領域を通って移動し、そして出口にて繊維と共に出る。出口から排出される空気の量は、気流制御デバイスおよびスパンボンデッドプロセスの特定の配置に依存する。このフィラメントは、気流制御デバイスを抜け出て、非結合のスパンウェブの形態で多孔性のベルトまたはドラム上に預けられ、ここで、このウェブは、このウェブを多孔性のコレクター上に保持するために、最小量の吸引もしくはその他の技術により移動ベルト上に維持される。この非結合のウェブは、多孔性の表面を動かすことにより圧縮ステーションおよび/または結合ステーションにまで輸送され、そして究極的には糸巻きまたはその他のコレクションデバイスにまで輸送される。
排出口を出る任意の空気は、多孔性のベルトの下に位置する吸引装置により引張られ、そして排出され得る。
【0037】
図9の下の配置は、内壁114が、繊維流れの方向に収束している点で、図8の配置とは異なり、その結果事実上全ての入り込む気体がチャンバへとそれ、そして繊維から分離する。さらに、入口116とアスピレーター134との間のエアギャップは、完全に排除される。この配置で出口を出る最小量の空気のために、このフィラメントは、出口でよりずっと低スピードに減速させられ、そして部分的に排出口をブロックし得、さらに、この空気が繊維流れ領域を、チャンバおよび排出ダクトを介してさらに出させる。次いで再利用されるかまたはそうでなければ制御された様式で扱われる回転セクションのすぐ近くの領域から、このような気体は、配管輸送され得る。このようにして、気流は、制御され得、その結果、アスピレータ−を出るこのフィラメントは、ゆったりとしたコレクションまたはフィラメントのプラグを減速させ、そして本質的にこれらを形成し、空気の下流への流れを妨害する。この気流制御デバイスは、このフィラメントが集まるように設計され得、これらはより一層多くのアパーチャを閉じ、デバイス内の圧力の増加を引き起こし、繊維を保持する摩擦力を事実上克服する。これが起こる場合、さらなるフィラメントを押出そうとするデバイス内部の十分な圧力がなくなるまで、いくらかの量の繊維がデバイスから押し出される。この繊維流れ領域に入る新しい繊維は、アパーチャを再度閉じ始め、デバイスを出入りする繊維の連続的なプロセスを開始し、空気のスタッファー(stuffer)ボックス織りのプロセスを刺激する。
【0038】
代表的なスパンボンデッドプロセスにおいて、このフィラメントは、穿孔したベルト上に置かれているので、この混入した気体は、フィラメント上の張力を提供する。平行なまたは収束するプレートを用いて、実質的に全ての空気が繊維から分離され、内部プレートの表面に接する繊維により、代わりに張力が提供される。それにもかかわらず、少なくともいくらかの量の出口を出る空気が、繊維の栓の整備を妨害し、そしてこの繊維の寝かせプロセスにおいてさらなる制御を提供することを可能にする。この結果は、アパーチャ(または前述のパラメータのその他のもの)の大きさ/面積に対する排出口の大きさを調節することにより達成され得、その結果、所望の容積の空気が繊維と共に残存し、連続的な流れを維持する。
【0039】
図10Aは、気体の取り扱いおよび制御に関係して上述された利点が、事実上全ての系の気体を保持する気流制御デバイスをこの系に配置し、その一方でチャンバを通して気体を再循環させることにより気流を制御することにより得られ得る本発明の有用な実施形態を例示する。図10Aに示されるように、外後部壁112は、空気孔を入口端部に備え、空気がチャンバ152および154に入るのを可能にする。この入り込む気体が、繊維流れ領域において主要な気流を加速する際または減速する際のいずれをも補助し得、そして最終的には、最終繊維デニールに影響し得る。外後部壁112の出口端部における空気孔または経路は、全体が閉じられるかまたは排除され、その結果、このプロセスから側チャンバを経て除去される空気はほとんどないかまたは全くない。図10Bに示されるように、内部プレート115は、入口端部部分および出口末端部分でアパーチャを備えるが、各プレートの中心部分は、実質的に中実である(開口部がないか、または実質的に開口部はほとんどない)。底壁110は、繊維流れ領域150に向かう方向に上向きに曲げられ、そして必要に応じてアパーチャを備え得、空気がデバイスの底部に沿ってチャンバに入るのを可能にする。作動において、開口部から(主に低アパーチャから)チャンバに入る空気は、チャンバ内を上方に流れ、この孔を経て入る部屋の空気と混じり、そして上方アパーチャを介して繊維流れ領域に再度入り、気流の再利用を生じる。繊維流れ領域にチャンバから再度入る気流の量は、繊維のデニールに影響する。その理由は、入口近くの入り込む空気の流れが、繊維流れの速度を加速し得る一方、入口近くの繊維流れ領域から流れる空気は、繊維流れの速度を減速し得、ここで、より高い繊維流れの速度が、生じるフィラメントデニールを潜在的に減少させ得る。
【0040】
出口端部において、デバイスを出る空気の全量は、大量である。その理由は、チャンバを経てプロセスから除去される空気が事実上ないからである;しかし、チャンバを通った空気の流れの循環および再利用は、より管理可能な空気の流れのパターンであり、これは、制御された様式で、排出口および穿孔したベルトに向かって分配される。チャンバの形およびアパーチャの位置決めは、気流の再利用を促進するように調整される。内壁および底壁の角度づけ(angling)の分散する配置は、気流制御デバイスの底部にて空気を分配するためのより多くの面積を提供し、空気は、よりスムーズに表中に吸引される。図10Aに示される配置はまた、好都合である。なぜなら、この空気の流れは、寝かせプロセスを通して繊維上に張力を維持し、それによって制御された寝かせを可能にするするからである。
【0041】
一般に、適切な空気のバランスは、よりよいウェブの形成を可能にし、これは、代表的には、高い紡糸速度にて達成するのが困難である。従って、本発明の気体流れ制御デバイスは、より高速の押出し成形プロセスにおいて、気体の流れの状態を改善するのに特に有用である。特定の機械の方向/前後方向(md/cd)のウェブ方向が望まれる場合、このデバイスはまた有用であり得る。なぜなら、このような方向は、一般的に、穿孔した表面上の堆積位置での繊維流れの状態に起因するからである。気流を特定の様式で制御することにより、より正確なmd/cd比が達成され得る。
【0042】
布地の形成中の繊維/ウェブの均一な寝かせにおいて、過剰の圧縮空気または連衡空気の過剰量を克服することに加えて、本発明は、多くの他の有用な特徴を有する。例えば、このプロセスにおける連行空気の量を減少させることにより、この気流の制御デバイスは、テーブルまたはドラムを形成することを通して必要とされる吸入を減少または除去し得、これが、高価な形成ワイヤーの開口領域を重要性を最小化する一方、マルチ寝かせの能力および複合材(不浸透性基材または微小孔の基材上の複合材でさえ)を作る能力最大化する。さらに、特定の配置では、このデバイスは、連行された部屋の空気の問題を減らすことにより、空気ハンドリングシステムを極度に単純化し得る。同様に、このデバイスは、より低い空気ハンドリング要件およびコンディショニング要件のために必要とされるエネルギーコストを減少し得、そしてこの空気は、経済的である場合、再利用され得る。この空気の流れの制御デバイスはまた、開いた空気の流れにより引き起こされる騒音をかなり減少させる。
【0043】
ウェブの形成に関しては、本発明は、ウェブの形成において、フィラメントの紡糸速度とは関係なくフィラメントの速度を制御する多くの用途を提供する。特に、より高い回転速度で、空気抵抗の減少および穿孔した表面上の繊維のよりスムーズな寝かせのために、一般的に、改良されたウェブの形成が、達成され得、そして改良された繊維の配向が得られる。選択量の空気を繊維から分離する能力は、ウェブの形成または布の結合に先立って、有限の滞留時間の間、繊維において、より低いかまたは全くなしの張力のゾーンを発生させるという選択肢が発生するのを可能にする。これは、いくつものプロセス/織物の増進についての機会を提供する:二成分技術を用いて、ひだをインラインの開発、熱または湿度を用いたインラインでの適用(種々の目的(多成分繊維を誘導してより細かい繊維への分離を誘導することが挙げられるが、これに限定されない))、局所処置の適用、ならびに制御された熱硬化が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明の気流制御デバイスは、主に、開放系のスパンボンデッドシステムの文脈において記載されている:しかし、本発明は、この特定の背景に限定されない。本発明が参考として開口系に対して記載されている一方で、それは、閉鎖系においても等しく良好に使用され得る。更に、この気流制御デバイスは、メルトブローンプロセス(meltblown process)における使用のために構成され得る。メルトブローンプロセスは、押し出しポリマーフィラメントが、押し出し機のダイから出てくる際に、役目を終えるという点で、スパンボンデッドプロセスとは異なる。対照的に、スパンボンデッドプロセスにおいて押し出されたが実質的には中実のフィラメント(例えば、適切なクエンチング媒体(例えば、空気)を用いて)が延伸され、そして適切な延伸単位(例えば、アスピレーターまたはゴデットロール(godet roll))を支持体表面上に横たえることに先立って、くされる。メルトブローンプロセスは、代表的には、ミクロンレベルの直径を有する繊維を形成する際に利用され、その一方で、スパンボンデッドプロセスは、代表的には、正常な織物の寸法を有する繊維を生産するのに使用される。
【0045】
本発明は、この繊維が表面上に直接的に堆積されてウェブを形成するプロセスに限定されない。例えば、気流制御デバイスは、カートリッジフィルターなどを製造中に、押し出し成形繊維(例えば、スパンボンデッドまたはメルトブローン)がマンドリル上で巻かれる。別の選択肢は、気流制御デバイスから排出されるスパンボンデッド繊維またはメルトブローン繊維(meltblown fiber)を直接ラッピング機械に供給し、ラップ仕上されたウェブの複数の層を備える不織ウェブを製造することである。
【0046】
上記のように、異なる長軸方向の流れの位置に存在する圧力の差の結果としてか、または気体を強制的に繊維流れ領域に逆向きさせることにより、繊維流れ領域中のアパーチャを経て出る気体は、この領域に再度供給され得る。フィードバック気体は、これが戻される前に、さらなる気体またはその他の流体を補充され得る。さらに、出た気体が再供給されるかはともかくとして、さらなる流体がアパーチャを通して繊維流れ領域へと送達され得、繊維に対する所望の化学的効果および物理的効果を発揮する。さらなる流体は、空気、その他の気体、蒸気、または添加物を伴う任意のこれらの気体であり得、繊維に対する所望の効果を発揮する。添加物は、例えば、乾燥剤、湿潤剤、pH調整剤、着色剤などとして使用され得る。また上記のように、側壁中のアパーチャを経て繊維流れ領域に入る流体の流れの方向は、繊維に対して発生する効果に再び依存して、繊維流れ方向に対して横断方向、上流または下流(もしくはこれらの方向のいくつかの組み合わせ)であり得る。
【0047】
繊維押出し成形システムにおける気流を制御するための、新規かつ改良された方法ならびに装置についての好ましい実施形態を記載したが、その他の改変、バリエーションおよび変更が、本明細書中に記載された教示を考慮して当業者に示唆されると考えられる。従って、このようなバリエーション、改変および変更は、添付された請求項により規定される本発明の範囲内であると考えられる。特定の用語が本明細書中で使用されるが、一般的な意味および説明の意味でのみ使用され、限定の目的で使用されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、スパンボンデッド織物を製造するための従来のシステムの概略図である。
【図2】図2は、本発明の例示実施例に従う、繊維押出システムにおいて気流を制御するための気流制御デバイスの斜視図である。
【図3】図3は、圧縮空気動力のスロット吸引器に連結された例示的な気流制御デバイスの斜視図である。
【図4】図4は、開口部が中に形成された内面を示す、気流制御デバイスの1つの管部分の斜視図である。
【図5】図5は、気流制御デバイスの構成要素の位置決めに関する多様な選択肢を図示する、その気流制御デバイスの横断面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態に従う気流制御デバイスの横断面図である。
【図7】図7は、本発明のなお別の実施形態に従う気流制御デバイスの横断面図である。
【図8】図8は、1つの構成における気流を示す、気流制御デバイスの横断面図である。
【図9】図9は、別の構成における気流を示す、気流制御デバイスの横断面図である。
【図10A】図10Aは、なお別の構成における気流を示す、気流制御デバイスの横断面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aにおける構成の気流制御デバイスの内面プレートの上から見た正面図である。ここで、そのプレートの中央部分は中実であり、開口部はそのプレートの上側部分および下側部分の両方に形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維押出し成形プロセスシステムにおいて気流を制御するための装置であって、該装置は、以下:
押し出し成形された繊維が受取られる入口と該押し出し成形された繊維が排出される出口との間の繊維流れ領域;および
該繊維流れ領域と少なくとも1つの領域との間の境界を提供する少なくとも1つの表面、
を備え、ここで該少なくとも1つの表面は、空気が該繊維流れ領域と該少なくとも1つの他の領域との間に流れることを許容するアパーチャを備え、該繊維流れ領域の該出口で気流を制御する、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの表面が、第1および第2の壁を備え、そしてここで該第1および第2の壁の少なくとも1つは、アパーチャを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1および第2の壁が、実質的に平行である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1および第2の壁が、繊維流れの方向に収束する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1および第2の壁が、繊維流れの方向に発散する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第1および第2の壁の間の角度および距離が、調節可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記第1および第2の壁が、実質的に平面である、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記第1および第2の壁が、湾曲した面を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記第1および第2の壁のうちのただ1つが、アパーチャを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記第1および第2の壁が、繊維流れの方向に対して、非対称に配置されている、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記アパーチャが、前記少なくとも1つの表面にわたって不均質に分布する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記アパーチャが、前記少なくとも1つの表面にわたって実質的に均質に分布する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つ表面の前記アパーチャが、該少なくとも1つの表面にわたる形状、寸法、間隔、および分布のうちの少なくとも1つにおいて変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、アスピレーターから排出される延伸繊維を前記入口で受取るように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、前記押出された繊維を穿孔した表面に堆積して不織ウェブを形成するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記入口の寸法が、調整可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記出口の寸法が、調整可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が、スパンボンデッドシステムの構成要素である、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記装置が、メルトブローンシステムの構成要素である、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記出口から排出される前記繊維が、マンドリルに直接巻かれる、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記出口から排出される前記繊維が、ラップ仕上げ機に直接供給される、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
押し出し成形された繊維が受取られる入口と該押し出し成形された繊維が排出される出口とを備えるハウジングをさらに備え、ここで前記少なくとも1つの表面は、前記繊維流れ領域と該ハウジング中の少なくとも1つのチャンバとの間の境界を提供し、その結果、前記アパーチャは、空気が該繊維流れ領域と該ハウジング中の該少なくとも1つのチャンバとの間に流れることを許容し、繊維流れ領域の出口で気流を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの表面が、第1および第2の壁を備え、そしてここで該第1および第2の壁の少なくとも1つは、アパーチャを備え、そしてここで前記少なくとも1つのチャンバが、前記繊維流れ領域と、該第1および第2の壁を介して、それぞれ、該第1および第2のチャンバと連通する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのチャンバが、開口部を備える外壁を備え、該開口部が、該外壁からの空気の進入および排出を可能にする、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記外壁中の前記開口部が、前記少なくとも1つのチャンバから延びる排気流路の中への空気の配管形成を可能にする、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記外壁中の前記開口部が、該外壁を介する前記少なくとも1つのチャンバへの空気の進入を許容するために、前記ハウジングの入口端部に向かって配置される、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記ハウジングが、前記出口に隣接する少なくとも1つの底部表面を備える、請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの底部表面が、前記少なくとも1つのチャンバと連通するアパーチャを備え、該アパーチャが、該少なくとも1つの底部表面を介する空気の進入および排出を可能にする、請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの底部表面が、中実表面である、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記少なくとも1つの表面が、入口端部部分および出口端部部分にアパーチャを備え、該少なくとも1つの表面が、アパーチャをもたない実質的に中実の中心部分をさらに備える、請求項22に記載の装置。
【請求項31】
空気が、前記繊維流れ領域から前記少なくとも1つのチャンバへ、前記出口端部部分のアパーチャを介して循環し、該少なくとも1つのチャンバから該繊維流れ領域へ、前記入口端部部分のアパーチャを介して循環する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記ハウジングが、前記入口と前記アスピレーターとの間にエアギャップを形成するように配置される、請求項22に記載の装置。
【請求項33】
前記エアギャップの長さが、調節可能である、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
熱もしくは水分または他の添加剤が、前記繊維流れ領域でか、または該繊維流れ領域の出口とウェブ形成表面との間で前記繊維に付与される、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つの他の領域が、前記装置が位置する周囲環境である、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
繊維押出し成形プロセスにおいて気流を制御するための方法であって、該方法は、以下の工程:
押し出し成形された繊維を、気流制御デバイスの入口で受取る工程;
該押し出し成形された繊維を、該気流制御デバイスの繊維流れ領域の中を通す工程;および
該押し出し成形された繊維を、繊維制御デバイスの出口を通して排出する工程、
を包含し、ここで少なくとも1つの表面は、該繊維流れ領域と少なくとも1つの領域との間の境界を提供し、ここで該表面は、空気が該繊維流れ領域とその他の領域との間に流れることを許容するアパーチャを備え、該気流制御デバイスの該出口で気流を制御する、方法。
【請求項1】
繊維押出し成形プロセスシステムにおいて気流を制御するための装置であって、該装置は、以下:
押し出し成形された繊維が受取られる入口と該押し出し成形された繊維が排出される出口との間の繊維流れ領域;および
該繊維流れ領域と少なくとも1つの領域との間の境界を提供する少なくとも1つの表面、
を備え、ここで該少なくとも1つの表面は、空気が該繊維流れ領域と該少なくとも1つの他の領域との間に流れることを許容するアパーチャを備え、該繊維流れ領域の該出口で気流を制御する、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの表面が、第1および第2の壁を備え、そしてここで該第1および第2の壁の少なくとも1つは、アパーチャを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1および第2の壁が、実質的に平行である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1および第2の壁が、繊維流れの方向に収束する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1および第2の壁が、繊維流れの方向に発散する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第1および第2の壁の間の角度および距離が、調節可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記第1および第2の壁が、実質的に平面である、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記第1および第2の壁が、湾曲した面を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記第1および第2の壁のうちのただ1つが、アパーチャを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記第1および第2の壁が、繊維流れの方向に対して、非対称に配置されている、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記アパーチャが、前記少なくとも1つの表面にわたって不均質に分布する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記アパーチャが、前記少なくとも1つの表面にわたって実質的に均質に分布する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つ表面の前記アパーチャが、該少なくとも1つの表面にわたる形状、寸法、間隔、および分布のうちの少なくとも1つにおいて変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、アスピレーターから排出される延伸繊維を前記入口で受取るように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、前記押出された繊維を穿孔した表面に堆積して不織ウェブを形成するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記入口の寸法が、調整可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記出口の寸法が、調整可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が、スパンボンデッドシステムの構成要素である、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記装置が、メルトブローンシステムの構成要素である、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記出口から排出される前記繊維が、マンドリルに直接巻かれる、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記出口から排出される前記繊維が、ラップ仕上げ機に直接供給される、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
押し出し成形された繊維が受取られる入口と該押し出し成形された繊維が排出される出口とを備えるハウジングをさらに備え、ここで前記少なくとも1つの表面は、前記繊維流れ領域と該ハウジング中の少なくとも1つのチャンバとの間の境界を提供し、その結果、前記アパーチャは、空気が該繊維流れ領域と該ハウジング中の該少なくとも1つのチャンバとの間に流れることを許容し、繊維流れ領域の出口で気流を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの表面が、第1および第2の壁を備え、そしてここで該第1および第2の壁の少なくとも1つは、アパーチャを備え、そしてここで前記少なくとも1つのチャンバが、前記繊維流れ領域と、該第1および第2の壁を介して、それぞれ、該第1および第2のチャンバと連通する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのチャンバが、開口部を備える外壁を備え、該開口部が、該外壁からの空気の進入および排出を可能にする、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記外壁中の前記開口部が、前記少なくとも1つのチャンバから延びる排気流路の中への空気の配管形成を可能にする、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記外壁中の前記開口部が、該外壁を介する前記少なくとも1つのチャンバへの空気の進入を許容するために、前記ハウジングの入口端部に向かって配置される、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記ハウジングが、前記出口に隣接する少なくとも1つの底部表面を備える、請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの底部表面が、前記少なくとも1つのチャンバと連通するアパーチャを備え、該アパーチャが、該少なくとも1つの底部表面を介する空気の進入および排出を可能にする、請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの底部表面が、中実表面である、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記少なくとも1つの表面が、入口端部部分および出口端部部分にアパーチャを備え、該少なくとも1つの表面が、アパーチャをもたない実質的に中実の中心部分をさらに備える、請求項22に記載の装置。
【請求項31】
空気が、前記繊維流れ領域から前記少なくとも1つのチャンバへ、前記出口端部部分のアパーチャを介して循環し、該少なくとも1つのチャンバから該繊維流れ領域へ、前記入口端部部分のアパーチャを介して循環する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記ハウジングが、前記入口と前記アスピレーターとの間にエアギャップを形成するように配置される、請求項22に記載の装置。
【請求項33】
前記エアギャップの長さが、調節可能である、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
熱もしくは水分または他の添加剤が、前記繊維流れ領域でか、または該繊維流れ領域の出口とウェブ形成表面との間で前記繊維に付与される、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つの他の領域が、前記装置が位置する周囲環境である、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
繊維押出し成形プロセスにおいて気流を制御するための方法であって、該方法は、以下の工程:
押し出し成形された繊維を、気流制御デバイスの入口で受取る工程;
該押し出し成形された繊維を、該気流制御デバイスの繊維流れ領域の中を通す工程;および
該押し出し成形された繊維を、繊維制御デバイスの出口を通して排出する工程、
を包含し、ここで少なくとも1つの表面は、該繊維流れ領域と少なくとも1つの領域との間の境界を提供し、ここで該表面は、空気が該繊維流れ領域とその他の領域との間に流れることを許容するアパーチャを備え、該気流制御デバイスの該出口で気流を制御する、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2007−502377(P2007−502377A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533253(P2006−533253)
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/015860
【国際公開番号】WO2004/104485
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505428097)ヒルズ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/015860
【国際公開番号】WO2004/104485
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505428097)ヒルズ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
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