繊維機械の情報表示装置
【課題】 繊維機械用の情報表示装置で、言語で表される情報を作業者や管理者にとってより親しみやすい形で表示する。
【解決手段】 繊維機械の情報表示装置は、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、記憶器に格納された表示制御プログラムを実行することにより、表示器に表示させる表示制御部を含む。記憶器には、言語で表される複数の情報がこれに対応される読出ラベルとともに言語表記データ群を構成するとともに、表示制御プログラムは、言語表記データ群から読出ラベルを介して対応する前記言語で表される情報を読み出して表示器に表示させるべく予め作成される。情報表示装置には、言語表記データ群に対し、編集プログラムの実行により、作業者が操作する入力器を介して言語で表される情報を編集し、その編集結果を記憶器に書き込む編集手段を備える。
【解決手段】 繊維機械の情報表示装置は、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、記憶器に格納された表示制御プログラムを実行することにより、表示器に表示させる表示制御部を含む。記憶器には、言語で表される複数の情報がこれに対応される読出ラベルとともに言語表記データ群を構成するとともに、表示制御プログラムは、言語表記データ群から読出ラベルを介して対応する前記言語で表される情報を読み出して表示器に表示させるべく予め作成される。情報表示装置には、言語表記データ群に対し、編集プログラムの実行により、作業者が操作する入力器を介して言語で表される情報を編集し、その編集結果を記憶器に書き込む編集手段を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、繊維機械に用いられる情報表示装置に関するものであり、より詳しくは、繊維機械の運転状況や設定に関する情報を表示するに際し、ユーザにとってより親しみやすい形で情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維機械では、近年のエレクトロニクス技術の発展に伴い、機械の運転状況を表示したり、あるいは、機械の設定値を数値入力可能な表示装置を介して行われる。例えば、特許文献1には、繊維機械の1つである織機において使用され、例えば液晶表示器などで構成される設定装置が示されている。具体的には、機械の設定に関する情報を設定するために、先ず表示器上に現在の設定値をこれに対応して文字で表される表記項目(例えば、経糸張力の設定画面では、文字で表される「経糸張力設定値」)とともに、表示器上に複数表示させている。次いで作業者は、これから設定する設定項目を選択し、テンキーに触れて新たな設定値を入力する。このような表示装置では、画面表示の切換え操作により、設定画面に限らず、例えば運転状況に関する情報表示画面、例えば制御状態を示す実測値(例えば経糸張力、緯糸到達タイミングなど)等を表示したり、あるいは過去単位期間当たりの稼働率や停台回数等の稼働情報の表示画面に進んでこれらを表示することも可能である。従ってユーザでは、このような稼働情報を用いて、緯入れ、経糸開口運動、巻取、あるいは経糸の送出の調整に用いることができる。
【0003】
織機が多数配置される織布工場では、稼働情報集計用のコンピュータを用いて各織機の運転状況に関する情報である稼働情報を集計している。特許文献2には、稼働情報集計装置として機能するホストコンピュータが織布工場内の複数の織機とを通信可能に接続されており、ホストコンピュータは、稼働データ、例えば稼働率、停台種類別の停台回数、時間当たりの停台回数、所定緯入れピック数当たりの停台回数等の稼働に関する数値データを各機台から読み出すとともに、読み出した数値情報とこれに対応する項目情報(すなわち「稼働率」「停台回数」等の言語で表される表記)とともに、各機台毎に並べて稼働レポートとして出力することが示されている。このような稼働情報集計装置では、稼働レポートをディスプレイ装置上に表示させるほか、プリンタを介して印字出力することも可能である。
【特許文献1】特開平5−78954号(段落番号[0010]〜[0012]、[0026]〜[0062]、第1図〜第2図)
【特許文献2】特開昭61−231246号(第2頁−第4頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した、織機の設定装置や稼働情報を集計する稼働情報集計装置には、いわゆるマイクロコンピュータが用いられ、これを動作させて上記機能を実現すべく織機メーカ側から提供された処理プログラムが組み込まれる。メーカ側では、一般的に用いられる用語をもとに表記項目の内容を決定し、プログラム化してユーザに提供する。しかし、ユーザ側で織機の稼働管理に用いる稼働情報は、ユーザあるいは織布工場毎に様々であり、同じ稼働情報であってもユーザや織布工場毎にその呼び名である表記項目内容が異なることも多々ある。このため、そのようなユーザでは、表記項目の内容をユーザ側で修正することはできず、せっかくの稼働情報集計装置を用いて出力される稼働レポートも個別ユーザにおける管理に適した表記項目になっていないため、わかりにくいという問題がある。
【0005】
近年、このような織機や稼働情報集計装置は、日本国内に限らず、英語、フランス語あるいはこれ以外の公用語とされる国々にも出荷されている。従って、織機メーカでは、現地で使われる呼び名を把握して処理プログラムを提供すべきであるが、実際のところ、世界的に広く用いられる英語などの一部の言語にしか対応できていない。その上、上記したようにユーザや織布工場毎に異なる表記項目に対応された処理プログラムを、これら外国ユーザのすべてに対して提供することは、実用上極めて難しい。このように出力された稼働情報がわかりにくいという問題は、日々織布工場内で作業する現地の作業者や管理者にとってより深刻である。この問題は、各機台における運転状況や設定に関する情報とともに言語で表される情報を表示すべく、各機台に設けられる設定装置についても同様に存在し、また織布工場のみに限らず、紡績機械、撚糸機械などを多数有する糸供給工場、さらには整経機や糊付機を複数有する経糸準備工場等の繊維工場においても同様に存在する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、繊維機械に用いられる情報表示装置について、言語で表される情報を、エンドユーザである繊維工場の作業者や管理者にとってより親しみやすい形で表示することにある。
【課題を解決するための手段、作用、発明の効果】
【0007】
そこで、本発明が前提とする繊維機械の情報表示装置は、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、記憶器に格納された表示制御プログラムを実行することにより、出力器に表示させる表示制御部を含むように構成される。そして本発明では、前記記憶器には、前記言語で表される複数の情報がこれに対応される読出ラベルとともに言語表記データ群を構成するとともに、前記表示制御プログラムは、前記言語表記データ群から読出ラベルを介して対応する前記言語で表される情報を読み出して前記出力器に表示させるべく予め作成されており、前記情報表示装置には、前記言語表記データ群に対し、編集プログラムの実行により、作業者が操作する入力器を介して前記言語で表される情報を編集し、その編集結果である新たな言語表記データ群を前記言語表記データ群として前記記憶器に書き込む編集手段を備えており、前記表示制御部は、前記書き込まれた言語表記データ群から読出ラベルを介して読み出した前記言語で表される情報を前記出力器に表示することを、要旨とする。
【0008】
本発明によれば、情報表示装置の表示機能を遂行する際にもとになる表示制御プログラムは、言語表記データ群と分けられており、言語表記データ群は、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報が読出ラベルを介して読出可能にされ、それぞれ記憶器に記憶される。また、表示制御プログラムは、表示制御器を介し、表示の要求にともなってこれに対応する言語で表される情報を言語表記データ群から読出ラベルを介して読み出して出力器に表示可能に作成されている。これに対し、現地ユーザでは、情報表示装置に対して設けられる編集手段により、メーカ側から提供される言語表記データ群をもとに、設けられる入力器を介し現場作業者が理解しやすい内容に編集しその編集結果が反映された新たな言語表記データ群を前記言語表記データ群として前記記憶器に書き込む。そこで、表示制御部は、表示制御プログラムを実行して、現地ユーザ側で編集した結果が反映された言語表記データ群から対応する言語で表される情報を、読出ラベルを介して読み出して出力器に表示することができる。これにより現地ユーザでは、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、編集手段を介して各工場に適した言語表記内容に書き換えることにより、情報表示装置で言語表示される情報は、現場作業者にとってより親しみやすい表記になっているため、作業者は、その内容を迅速にかつ正確に理解できる。従って、現場で発生する問題に対し、停台原因の修復、機台の調整などの対処をより迅速に行える。
【0009】
繊維機械について、より具体的には、織布を製造する織機、織機に供給する経糸を準備する経糸整経機や糊付装置などの経糸準備機械、緯糸あるいは経糸を製造する紡績機械や撚糸機械などの糸準備装置などがある。
【0010】
上記した繊維機械の情報表示装置について、記憶器に記憶される言語表記データ群は、1種類とする、あるいは2種類以上記憶し必要に応じその中から選択するのいずれも考えられる。例えば前者について、メーカ側から提供される言語表記データ群をそのものを編集手段を介して編集するように構成する。また後者について、言語表記データ群を、繊維機械メーカ側から提供されるものと、ユーザ側の編集結果のものとを別個に記憶可能し、ユーザ側では、編集結果のみを編集可能に構成する。
【0011】
後者についてより具体的には、前記記憶器には、繊維機械メーカ側から提供される第1の言語表記データ群と、前記提供されたデータ群をもとに作業者が編集した編集結果である第2の言語表記データ群とを含む複数種類の言語表記データ群が記憶され、前記編集プログラムは、前記複数種類のうち第2の言語表記データ群における前記言語で表される情報に対して編集可能にされるとともに、前記表示制御プログラムは、前記複数種類のデータ群のうちいずれかを選択可能に予め作成されており、前記表示制御部は、選択情報にしたがって、対応する種類の言語表記データ群を選択するとともに、選択されたデータ群から読出ラベルを介して読み出した前記情報を前記出力器に表示するように構成すればよい。これにより、上記記憶される複数種類の言語表示データ群のうちいずれかを選択して表示することが可能になる。従って、例えば現地ユーザの作業者は、先に自ら編集したデータ群を選択することにより、作業者の作業性を損なわずに済むとともに、仮に機台にトラブル等が発生しメーカ側に支援要請があったとき、メーカ側の作業者は、現地ユーザ側の編集結果の如何に関わらず、言語の選択情報を切り換えて、メーカ側が先に提供したデータ群に基づく表示に切り換えることで、機台の状況を正確に理解でき、機台調整などの支援を迅速に行うことができる。
【0012】
上記した言語表記データ群に対し、好ましくは、前記編集プログラムは、前記第1の言語表記データ群の言語で表される情報に対し、異なる種類の言語に編集してその編集結果を前記第2の言語表記データ群として出力する機能を有することができる。これにより、現地ユーザ側で、現地語の言語表記で編集した言語表記データ群をもとに、対応する情報を出力器に表示されるため、現地の作業者は、表示内容を迅速にかつ正確に理解できる。
【0013】
上記した言語表記データ群に記憶される言語で表される情報は、機械の稼働または稼働支援を行うためのものであり、例えば、数値等で表される機械の設定情報あるいは機械の運転状況の情報のそれぞれに対する表記項目内容のほか、機台の停台原因、エラー、警報アラーム、トラブルの表示情報、さらには上記警報アラームやトラブルなどに対し作業者が取るべき対処手順、チェック方法、機台の調整方法や、トラブルの復旧に関する対処手順などの支援情報を含むことができる。
【0014】
上記した繊維機械における具体的な情報表示装置について、機台に対する設定情報を入力する機能あるいは運転状況を表示する機能のうちいずれかを実現すべく、機台に取り付けられる設定装置としたり、あるいは1以上の繊維機械に対して通信可能に接続され、前記1以上の機台の稼働情報を集計するための稼働情報集計装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について、繊維機械の1つである織機を例として、以下図面を用いて説明する。
【0016】
[第1実施例]
図1には、織布工場内に配置される複数の織機20、20…に対して共通に設けられる織機の稼働情報集計装置10を示している。稼働情報集計装置10は、大まかに言えば、いわゆるパーソナルコンピュータやサーバなどで構成されるホストコンピュータ11と、これに接続されるキーボードやポインティングデバイスとしてのマウスからなる入力器12と,ディスプレイ装置などで構成される出力器13と、記憶器14と、CD−ROMなどの記憶媒体からソフトウエアを取り込むための図示しない読取器とを備える。
【0017】
これに対し、各織機20は、大まかに言えば、織機の動作を制御するための制御器40と、これに接続される設定装置30とをそれぞれ有しており、ホストコンピュータ11と各織機20の制御器40とは、情報送受可能に接続されている。
【0018】
制御器40には、いずれも図示しないが、主軸に連結されるエンコーダなどの角度センサのほか、糸切れセンサ、緯糸フィーラ、経糸張力センサなどの織機に取り付けられた各センサからの信号が入力される。このため制御器40では、エアージェット織機を一例とすれば、織機の運転・停止などの全体動作制御、メインノズルやサブノズル、緯糸測長貯留装置などを図示しないアクチュエータを介して制御することにより、緯糸を経糸開口内に挿入するための緯入れ動作、経糸張力を所望の張力に維持するための経糸張力制御、経糸切れや緯入れの正否や他の制御トラブルなどを監視する機能、織布の生産量である巻取長を計測するカウンタ機能などを有するほか、把握される織機の動作や制御状態をもとに、織布の生産量、停台時間、稼働率などの稼働情報を算出する機能も有している。このため、制御器40に接続される設定装置30は、織機の制御や上記稼働情報算出に必要な各設定値を設定する機能のほか、織機の動作状態、制御状態や算出されたその機台の稼働情報を表示する機能など、作業者と織機間のいわゆるマン・マシンインターフェース機能を遂行する。なお、上記制御器40で算出した稼働情報は、設定装置30からの要求に応じ、設定装置30に設けられる図示しない表示画面上に表示される。また、制御器40には、ホストコンピュータ11からの要求に応じて、上記稼働情報を各機台に付与される機台番号とともにホストコンピュータ11に送り返す機能も有している。
【0019】
稼働情報集計装置10は、複数の織機20,20…から各機台の稼働情報を機台番号とともにそれぞれ読み出すとともに、これを機台毎あるいは作業者シフト毎に出力する機能を有しており、これを実現するためのソフトウエア(後述される表示制御プログラムA、編集プログラムB、言語表記データC)は、織機メーカを含むソフトウエアメーカ側より提供される。このため、CD−ROMなどの記憶媒体の形で提供されるソフトウエアは、図示しない上記読取器およびホストコンピュータ11を経由して記憶器14に書き込まれており、作業者は、起動させるプログラムに対応するコマンドを入力器12から入力することにより、ホストコンピュータ11は、入力操作に対応するプログラムを選択的に実行することができる。すなわち、ホストコンピュータ11は、表示制御プログラムAおよび編集プログラムBを実行することにより、本件発明における表示制御部および編集装置としての各機能を実行可能にされている。
【0020】
図2には、ホストコンピュータ11が実行するソフトウエアプログラムおよびこれを実行する際に参照するデータ群との関連性を模式的に示している。稼働情報を集計する際の表示制御プログラムAは、複数機台の稼働情報を各機台から定期的に読み出すとともに、出力器13としてのディスプレイ装置の画面上に、読み出した数値で表される稼働情報を、機台番号毎あるいは作業シフト毎に並べて表示したり、あるいは各機台の稼働情報に基づき算出した工場全体の稼働情報を表示するための処理プログラムである。また、言語表記データCは、上記数値で表される稼働情報に対する位置づけや意味を言語の形で表す表記項目が、読出ラベルに対応されて複数記憶されて構成される言語表記データ群である。これに対し、編集プログラムBは、上記言語表記データCを構成する言語で表わされた表記項目の内容を編集するためのプログラムである。
【0021】
さて下記実施例では、織機2が100台配置された織布工場を想定する。そして図3には、例えば制御室に配置される稼働情報集計装置10は、各機台毎に各シフト単位の稼働レポートであるシフト報を、機台番号およびシフト番号に対して昇順となるようにしてディスプレイ装置13の画面に表示出力する例を一例として示す。なお図示シフト報は、現在時刻(2004年10月30日)よりも2日前である2004年10月28日の1日分のものであり、シフト報が英語表記にて出力されている。図示シフト報について詳しくは、図面左から順に、先ずこれから表示する稼働情報の記録事項である日付、作業シフト番号および機台番号を、次いで数値で表された各稼働情報である稼働率、停台全体(全停台)、緯止まりおよび経止まりとして集計された各項の停台時間、停台回数、1時間当たりの停台回数を、さらに、これよりもより詳細な停台原因別の停台回数、すなわち緯止まりとしてのより詳細な停止回数である、各緯糸糸種毎の緯入れ正否判定用の緯糸フィーラ_H1フィーラによる停止回数、ならびに吹切れあるいはロングピック判定用の緯糸フィーラ_H2フィーラによる停止回数のほか、経止まりとしてのより詳細な停止回数である、ドロッパ、耳組み糸であるレノ(右)、レノ(左)、キャッチコードあるいは手動停止の各停止回数を、ヨコ方向(行方向)に並べて表示し、また各機台番号、各シフト番号毎の上記した稼働情報を、縦方向(列方向)に順に並べて表示している。また、縦方向の最下端には、各機台からの上記稼働情報に基づいて算出した工場全体平均の稼働情報を、並べて表示している。
【0022】
これら稼働情報の数値列の最上端位置には、ヨコ方向に並べて表示される数値が何であるかを示す表記項目が、言語で表される情報としてタテ方向(列方向)の最前列位置に表示される。図示例は、表記項目が英語表記とされる例である。具体的には、記録事項の表記項目である、「日付」が「date」、「シフト番号」が「SHIFT No.」…、また稼働情報に対する表記項目としての「機台稼働率」が「Efficiency of loom」、「全停台」が「Total Stop」、「停台時間」が「minutes」…というように、それぞれ英語表記の形で並べて表示されている。従って、この実施例における上記列記した表記項目が、本件発明でいう「言語で表される情報」に対応する。また、これらの表記項目よりも上方の位置には、現在表示しているものがシフト報である旨の情報である「Report by shift」の表示が表示されている。
【0023】
また、シフト報以外の稼働情報表示画面に移るためのメニュー画面に移るためのアイコン「Return」が表示されており、入力器12としてのマウスでこのアイコンをクリックすることにより、初期画面にもどることが可能である。また同様に初期画面に戻りつつ、現在のシフト報内容を後日参照可能な形で記憶器14記憶させる際のアイコン「Save and Return」も表示されており、現在のシフト報を、図2に示すように集計結果保存ファイルとして記憶することができる。
【0024】
なお、このような稼働情報表示装置では、また、出力する稼働レポートについて、シフト毎に算出するもののみならず、日報、時間報、週報および月報な時間を単位とするもの、布報、ビーム報など、長さあるいは経糸の消尽を基準とするもの、作業担当者別などを基準とするものなどいずれも考えられ、これらは、織機側から送られる情報をもとに作成され出力される。また稼働レポートについて、単に数値を並べて表示させるほか、折れ線グラフや割合を示す棒グラフなどを用いてグラフィック表示によりこれらを表示させることも考えられる。
【0025】
さて、本発明の特徴点について、上記列記した表記項目を、処理プログラムとは別形態の言語表記データ群として構成し、言語表記データ群のみを編集プログラムを用いて編集可能に構成される。図4には、稼働情報集計装置10の処理プログラムAの実行時に参照される言語表記データ群の一部分を示している。言語表記データ群は、基本的には、言語で表される複数の表記項目がそれを読み出す際の識別子である読出ラベルに対応して記憶されてなり、そのような言語表記データ群は、さらに、互いに異なる複数種類の言語表記データ群で全体のデータ群を構成している。
【0026】
図4では、全体の言語表記データ群として、異なる言語とされる、複数種類に対応される言語表記データ群が対応する記憶領域に記憶される例を示している。具体的には、標準言語(STD)に対応する記憶領域には、織機メーカ側から提供される日本語および英語の各表記に対応する2種類の言語表記データ群が記憶され、また編集言語(EDIT)に対応する記憶領域には、編集プログラムを用いて異なる言語で編集した結果である言語表記データ群が3種類記憶可能にされている。なお、これら5種類の言語表記データ群にし、上記列記した順に、SD1,SD2およびEX1,EX2,EX3の種別ラベルC02がそれぞれ付与されており、後の稼働情報を表示する時に該当する言語表記テ゛ータ群を選択する際に利用される。そして5種類の言語表記データ群では、稼働情報とともに表示する表記項目の内容が、各読出ラベルC01(例えば「a0001」から「xzzzz」)毎にそれぞれ記憶されている。なお、図4には、現地ユーザが日本語および英語以外の言語である韓国語の表記項目を、種別ラベルC02のEX1に対応する各記憶領域に記憶した状態を示している。
【0027】
一方処理プログラムである表示制御プログラムAには、数値で表される個別の稼働情報(例えば機台稼働率、停台回数など)、およびこれとともに表示する表記項目に対する読出ラベルの情報が含まれて作成されており、また表示制御プログラムには、上記記憶される複数種類の言語表記データ群の中から作業者が選択した言語に対応するデータ群を種別ラベルを介して選択する第1のステップと、各機台からの稼働情報を読み出す第2のステップと、稼働情報の表示要求を受けると、これから表示する稼働情報の表記項目の内容を上記選択した言語表記データ群の中から上記読出ラベルを順に検索して読み出す第3のステップと、予め織機メーカ側で画面表示設計された態様に従って、上記読み出した表記項目と数値の稼働情報とを、ともに並べて表示する第4のステップとを実行するように作成されている。これにより、ホストコンピュータ11は、ディスプレイ装置13の画面上に、例えば図3に示す稼働情報を表示出力することができる。なお、予め作業者が、上記編集した言語である韓国語表記を選択した場合には、表示制御部を構成するホストコンピュータ11は、上記表示制御プログラムAにおける第1のステップで韓国語表記の言語表記データ群が選択され、図3におけるシフト報は韓国語の表記項目が付されて出力されるが、説明の都合上、英語表記したものを代わりに示している。
【0028】
さて、このような稼働情報集計装置10についてコスト面を考えれば、ホストコンピュータ11を、近年急速に発展された市販のパーソナルコンピュータを用いることがより望ましい。例えば、そのような市販コンピュータを用いる場合、コンピュータ動作の基本となるオペレーティングシステムは、世界的に広く採用され、しかも各国の言語仕様に対応可能なもの(例えば、WINDOWS ただしWINDOWSは米国マイクロソフト社の登録商標である)を採用し、上記した稼働情報の集計を行うための処理プログラム(つまり本件発明でいう表示制御プログラム)は、このオペレーティングシステムで幅広く採用されている表計算ソフトをベースとする。この場合には、ホストコンピュータのほか、オペレーティングシステムや表計算ソフトについては、ユーザの側で用意することになり、織機メーカ側では、織機の稼働集計のためのマクロなどを複数組込み構成しかつ上記表計算ソフト上で動作する専用のソフトウエアを提供することになる。このシステムでは、言語表記データ群は表計算ソフトから少なくとも読出可能に、つまり表記項目は表計算ソフトの編集機能を用いて編集すればよい。換言すれば、異言語表記に編集可能な表計算ソフトおよび現地語の文字を表示する文字フォントやローマ字入力される情報を現地語に置き換えるフロントエンドプロセッサなどのソフトウエアは、上記編集プログラムに、またベースとなる表計算ソフト、メーカ側から提供される上記専用のソフトウエア、さらには現地語の文字を表示する文字フォントなどからなるソフトウエアは、上記表示制御プログラムに、それぞれ対応する。
【0029】
第1実施例の装置によれば、稼働情報集計装置10の表示機能の遂行する際のもとになる表示制御プログラムAは、言語表記データ群Cと分けられており、言語表記データC群は、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報が読出ラベルC01を介して読出可能にされ、ともに記憶器14に記憶される。また、表示制御プログラムAは、表示の要求にともなってこれに対応する言語で表される情報を、言語表記データ群Cから読出ラベルC01を介して読み出して、出力器13に表示可能にされている。これに対し、編集プログラムBを実行可能に設けられる稼働情報集計装置10が、上記した言語表記データ群Cに対する編集装置としての機能を備えている。このため、現地ユーザでは、編集プログラムBを起動させて、メーカ側から提供される言語表記データ群Cをもとに、入力器12を介し現場作業者が理解しやすい内容に編集し、その編集結果が反映された新たな言語表記データ群Cを前記言語表記データ群Cとして前記記憶器14の種別ラベルEX1〜EX3に該当する記憶領域に書き込む。そこで、表示制御部を構成するホストコンピュータ11は、表示制御プログラムAを実行して、現地ユーザ側で編集した結果が反映された言語表記データC群から対応する言語で表される情報を、読出ラベルC01を介して読み出して出力器13に表示する。これにより現地ユーザでは、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、編集装置を介して各工場に適した言語表記内容に書き換えることにより、情報表示装置で言語表示される情報は、現場作業者にとってより親しみやすい表記になっているため、作業者は、その内容を迅速にかつ正確に理解できる。従って、現場で発生する問題に対し、停台原因の修復、機台の調整などの対処をより迅速に行える。
【0030】
このような表記項目に対する編集は、必要に応じて行われる。例えば、表記項目について、ユーザ(織布工場)によっては、数値で表される稼働情報に対し、メーカ側から提供される表記項目と異なる呼び名が使われている場合もある。このような場合には、メーカ側からの提供される標準的な表記項目をもとに上記異なる呼び名に対する編集を行った結果を、編集した言語表記データ群として、編集言語(EDIT)に対応する記憶領域に記憶すればよい。すなわち本件発明では、前記実施例のような異言語への編集に限らず、同一言語の編集も含まれる。なお仮にメーカ側から提供される言語表記データ群で支障のないユーザは、メーカ側から提供される標準的な言語表記データ群を、編集することなくそのまま用いればよい。
【0031】
[第2実施例]
図5には、織機に対して1対1にかつ織機上に設けられ、織機の設定値を入力したり織機の運転状況に関する情報を表示するための設定装置30、および設定装置における言語で表示される情報を編集する編集装置50のブロック図を示している。設定装置30は、大まかに言えば、マイクロコンピュータ31と、入力機能、および色彩的なグラフィック表示機能を有するタッチパネル32と、メモリカード56に対して情報を読み書きするためのカードインターフェイス(カードI/F)35と、マイクロコンピュータ31を介して設定装置30全体を制御して、上記設定機能および情報表示機能を実現するための処理プログラム、すなわち本件発明でいうところの表示制御プログラムおよび言語表記データ群を格納する記憶器34とを備え、また設定装置30は、前記第1実施例と同様に、織機を制御する制御器40に接続されている。
【0032】
これに対し、織機の設定装置30とは別個に設けられる編集装置50は、大まかに言えば、いわゆる市販のパーソナルコンピュータなどで構成される編集用コンピュータ51と、これに接続されるキーボードやポインティングデバイスとしてのマウスなどの入力器52,ディスプレイ装置などで構成される出力器53、記憶器54、メモリカード56に情報を書き込むカードインターフェイス(カードI/F)55のほか、CD−ROMなどの記憶媒体からソフトウエアを取り込むための図示しない読取器とを備える。
【0033】
図6には、編集装置50側に記憶されるプログラム、および設定装置30側に記憶されるプログラムの関連性について模式的に示している。なお、編集プログラムEは記憶器54に、表示制御プログラムDは記憶器34に、それぞれ実行可能に記憶されている。
【0034】
本実施例では、メーカ側から提供される標準的な言語表記データ群F1と、ユーザ側で適宜編集される編集的な言語表記データ群F2とからなる複数種類の言語表記データ群をそれぞれ独立的に作成されて記憶器34に記憶される。一方、ユーザ側では、例えば制御室に配置された編集装置50を使って、編集的な言語表記データ群F2を編集し、その編集結果をメモリカード56に書き込む。そして、作業者は設定装置30にメモリカード56の記憶内容を読み取らせ、記憶器34に編集的な言語表記データ群F2を格納する。そして設定装置30では、作業者がタッチパネル32を介して言語選択操作することにより、複数種類の中から対応する言語表記データ群を選択し、前記した第1の実施例と同様に、表示の要求に従って、選択した言語表記データ群の中から読出ラベルC01を検索して情報を読み出して表示することができる。
【0035】
なお、上記編集装置50から設定装置30側に上記編集的な言語表記データ群F2のデータを書き込む際に、このデータのみならず、表示に必要な文字フォントデータ等の設定装置30側で必要とされる新たな情報を同時に転送することもできる。また、このようなデータ転送を行うための具体的な方法について、上記メモリカードを用いる代わりに、編集装置50を直接設定装置に接続してデータ転送する(例えば第1実施例のように、各機台に接続されたホストコンピュータを用いる)などが考えられる。
【0036】
さて、前記した第1の実施例に対し、各言語表記データ群F1,F2に格納される複数の言語で表される情報は、いずれも織機に対する設定値の入力、機台運転状況に関する情報や機台運転の支援に関する情報である点で相違するが、読出ラベルC01および種別ラベルC02を介して読出可能に複数記憶される点では同じであり、説明の都合上、図示省略する。また設定装置30を制御する処理プログラムDについて、前記した第1の実施例の場合に比べ、機能面、具体的には設定値を表示したり機台の運転状況に関する情報や機台運転の支援に関する情報を表示する点で相違するが、作業者の画面操作による表示の要求にともなって、第1実施例にて述べたような第1から第4のステップからなる各処理ステップを実行し対応するデータ群の中から対応する情報を読出ラベルC01を介して読み出しすとともに予め設計された画面の表示態様に従ってタッチパネル32上に画面表示する点では同じである。
【0037】
織機の設定装置30で表示される言語で表される情報について、以下図面、図7から図11を用いて具体的に説明する。なお、以下示す画面の表示は、多色緯入れ可能なエアージェット織機の場合を一例として示しており、詳しくは、エアージェット織機は、緯糸測長貯留装置に貯留された緯糸を1ピック分解舒しつつメインノズルや複数のサブノズルをリレー噴射して経糸開口内に緯入れする形式の織機であり、また反緯入れ側の緯糸飛走路に検知領域を有する光学式緯糸フィーラで緯糸の到達を検知して緯入れの正否を行い、運転中に緯入れミスが発生したときには、織機を直ちに停止させるとともに緯入れミス糸を織口から除去して再運転する自動補修装置(いわゆるAPR装置)を備えている織機の例である。また、以下に示す画面表示例について、作業者が行った言語の選択操作が、日本語、英語以外の言語である韓国語を選択した場合、言語で表される情報は、韓国語表記として表示されるのだが、第1実施例説明時と同様、説明の都合上日本語表記されたものを代用して説明する。
【0038】
図7に示す画面36の表示例は、織機の設定値の1つである緯入れ装置に対する緯入れ条件の設定値入力画面であり、言語で表示される情報として、表示領域G1には、現在の表示画面がメインノズルに対する通常回転状態用の画面である旨の[メイン・通常]と表示し、また表示領域G2には、2種類の緯糸に対して設けられる、緯糸測長貯留装置の係止ピン、緯入れノズルであるメインノズルおよび補助メインノズルに対し、各動作タイミングの現在設定値の表示欄を指す、「C1」、「C2」、「係止ピン」、「メイン」、「補助メイン」および「ON」、「OFF」を、各設定値を表す数値とともに並べて表示している。なお、これらの設定値を変更・入力する際には、該当する表示欄に触れることにより、画面上に図示しないテンキーが表示され、該当する数字キーを順に触れることにより設定値を入力可能に、上記表示制御プログラムが作成されている。また、画面下方には、織機起動時の過渡運転状態、いわゆる1STピックおよび2ndピックにおける同様の設定画面に切り換えるためのアイコン「1stピック」および「2ndピック」と、他の緯入れノズルであるサブノズルへの設定画面に切り換えるためのアイコン「サブノズル」と、この設定を画面を閉じて初期画面に戻るためのアイコンk0「閉じる」とが、同一画面上に表示されており、これらのアイコンに触れることにより、対応する設定画面に切り換わる。
【0039】
図8に示す画面36の表示例は、織機の制御状況の1つである緯糸飛走状況つまり緯糸到達タイミングの統計値を表示する表示画面である。緯糸到達タイミングとは、上記した緯糸フィーラが緯糸を検知した時の主軸角度のことであり、それの統計値には、緯入れ毎ピックごとに緯糸到達タイミングを記憶するとともに、所定のサンプリング数に達した時点で先に記憶したサンプリング数分の到達タイミング値をもとに算出した平均値、最大値と最小値、およびバラツキに尺度を示す標準偏差を挙げることができる。この画面36の表示領域G4では、これら各統計値を、互いに表示色彩を異ならせつつ過去100サンプリングピック数にわたり、折れ線グラフあるいは足チャートによりグラフィック表示している。この画面における表記項目としての「言語で表示される情報」は、グラフィック表示の縦軸の意味を示す「緯糸到達角度」および「標準偏差」、また表示領域G5における、統計値算出する際のサンプリング数を選択する際の入力欄であることを示す「サンプリング数」がそれに相当する。なお、画面下方には、図7と同様のアイコンk0「閉じる」が同一画面上に表示されている。
【0040】
図9に示す画面36の表示例は、織布生産量に関係する情報を表示する表示画面の例である。この画面36の表示領域G6では、現在の表示画面が織布の製織長カウンタの数値を表示する画面である旨の[カウンタ]と表示する一方、現在の日付、時刻および作業シフトの番号を表示する。また、表示領域G7では、現在の布織上長の数値情報が、表記項目「布織上長」とともに表示され、また表示領域G8では、その表示領域の下半分位置において、織布の切卸し長設定値が1反当たりの長さと切卸し反数の積の形式で表示される一方、現在の経糸ビームの残り長が、当初の経糸整経長さから既に消費された経糸長さの減算結果の形式で表示される。また、上記した各領域の表示における「言語で表される情報」として、「切卸し」、「ビーム」およびそれの単位を示す「反」、「メートル」が並べて表示されている。また、領域G8の上半分位置において、上記切卸し長設定値に対する上記布織上長の割合、および上記当初の経糸整経長さに対する経糸消費長さの割合が、それぞれ横軸を百分率としてグラフィック表示されている。また切卸し長、布織上長および織機の設定回転数などに基づいて算出した布切卸し発生までの予測時間、および同様の経糸ビーム揚がりが発生されるまでの予測時間が、上記グラフィック表示の右側位置に、それぞれ数値で表示される。それぞれの表示に対する「言語で表される情報」として、「布」、「ビーム」および予測時間の各数値に対する「日」、「時間」、「分」がそれぞれ表示されている。また、表示領域G9には、機台稼働率、織機設定回転数、および経糸ビームの巻径の数値情報が表示されるとともに、それぞれの表示に対する「言語で表される情報」として、「稼働率」、「織機回転数」および「巻径」がそれぞれ並べて表示されている。なお、画面下方には、図7と同様のアイコンk0「閉じる」が同一画面上に表示されている。以上のように、言語で表される情報としての表記項目には、数値に対するものに限らず、その大きさに対応するグラフィック表示するものに対する表記項目も、本件発明に含まれる。
【0041】
図10に示す画面36の表示例は、織機の制御状況の1つであるシフト報を表示する表示画面である。この画面36の表示領域G10では、現在の表示画面がシフト報を表示する画面である旨の[シフト報]と表示するとともに、現在の日付、時刻および作業シフトの番号を表示している。また表示領域G11では、この画面に表示されるシフト報がいずれの時点のものであるか、つまり日付、シフト番号およびその作業シフトの開始時刻と終了時刻を表示するとともに、いずれも数値で表される情報である、そのシフト時間における稼働率、織機回転数、織上長、およびシフト報算出のもとになるモニタ時間および織機の運転時間である稼働時間が、図示表記項目とともに並べて表示される。また、表示させるシフト報を切り換えるためのカーソルキーがK1、K2が設けられており、いずれかカーソルキーに触れることにより、自動的に蓄積された過去複数のシフト報のうちいずれかを選択的に表示することができる。
【0042】
また、表示領域G12,G13には、図3に示したシフト報に対し、表示の並べ方を異ならせて、表記項目とともに表示している。また、表示領域G14には、その作業シフトにおけるAPR装置の作動状況を、表記項目ととともにそれぞれ並べて表示している。
【0043】
図7から図10では、いずれも数値で表される織機の運転状況あるいは設定値に対する表記項目を、本件発明である「言語で表される情報」に対応する例として示している。しかし、設定装置で言語で表される情報は、そのような数値の位置づけ(意味)を示すものに限らない。具体的には、織機の停台原因、警報アラーム、トラブル表示、さらにはこれに対する復旧させるための診断・対処に関する支援情報などがある。
【0044】
図11に示す画面36の表示例は、織機の運転状況に関する情報として、停台原因を表示する例である。この画面36の表示領域G15では、現在の表示画面が停台原因を表示する画面である旨の[停台原因]と表示する一方、織機が停止してからの経過時間である「停台時間」を、表記項目とともに表示している。また表示領域G16では、停台原因の内容が経糸切れである旨の「ドロッパ停止」と表示する。この画面における「言語で表される情報」としては、「停台原因」、「停台時間」、「時間」、「分」、「秒」および「ドロッパ停止」がそれに対応する。
【0045】
図12に示す画面36の表示例は、織機のトラブルを復旧させる際の支援情報を表示する例である。この画面36の表示領域G17では、現在の表示画面がトラブルに対する保全のための情報を表示する画面である旨の[保全]、[トラブル]と表示している。これに対し、現在発生したトラブル内容およびこれ隣接する番号の3つのトラブルコードが表示されるとともに、符号M1が付されたコード「120」が反転表示されており、表示領域G18に表示されている情報がコード「120」に対する支援情報であることを示している。なお、作業者は他の「375」等の各欄に触れることにより、そのトラブルコードに対応される支援情報に切り換え表示可能にされている。
【0046】
また表示領域G18では、上から順に、トラブルコード120が発生した原因、およびこれに対する確認事項が、その詳細内容とともに表示されている。図示例では、2つの確認事項のうち1)を選択した状態(つまり下線が付いた状態)を示しており、表示領域G20には、1)に対応する対処指示内容が言語で表示されている。なお、表示領域G20の表示すなわち確認事項の選択状況は、カーソルキ−K5,K6を操作することにより、切り換え可能である。
【0047】
第2実施例の装置によれば、設定装置30の表示機能の遂行する際のもとになる表示制御プログラムDは、言語表記データ群と分けられて記憶され、また言語表記データ群は、繊維機械メーカ側から提供される第1の言語表記データ群F1として、種別ラベルSD1,SD2が付けられた日本語および英語でそれぞれ表記される2つのデータ群と、前記提供されたデータ群をもとに作業者が編集した編集結果である第2の言語表記データ群F2として、種別ラベルEX1〜EX3が付けられたこれ以外の言語でそれぞれ表記されるデータ群とを複数種類の言語表記データ群として記憶される。
【0048】
これに対し、編集プログラムEを実行可能に設けられる編集用コンピュータ51が、上記した言語表記データ群F2に対する編集装置としての機能する。このため、現地ユーザでは、編集プログラムEを起動させ、メーカ側から提供される言語表記データ群F1をもとに入力器52を介し現場作業者が理解しやすい内容に編集し、その編集結果が反映された新たな言語表記データ群F2を、前記言語表記データ群F2としてメモリカード56に記憶器34に書き込むとともに、さらにこれを設定装置30に読み取らせて記憶器34に書き込む。
【0049】
一方、前記表示制御プログラムDは、前記複数種類のデータ群のうちいずれかを選択可能に予め作成されるとともに、予め作業者がタッチパネル32を介して表示させる言語種別の選択情報が入力されている。このため設定装置30における表示制御部として機能するマイクロコンピュータ31は、表示制御プログラムDを実行して、言語種別の選択情報(例えば韓国語)に対応する言語表記データ群(種別ラベルEX1が付された言語表記データ群)を選択するとともに、選択されたデータ群から読出ラベルC01を介して読み出した前記情報を出力器として機能するタッチパネル32に表示する。従って、例えば現地ユーザの作業者は、先に自ら編集したデータ群を選択することにより、上記した第1実施例の時と同様、現場作業者にとってより親しみやすい表記になっているため、作業性を損なわずに済む。また、仮に機台にトラブル等が発生しメーカ側に支援要請があったとき、メーカ側の作業者は、現地ユーザ側の編集結果の如何に関わらず、言語の選択情報を(例えば日本語に)切り換えて、メーカ側が先に提供したデータ群(種別ラベルSD1が付された言語表記データ群)に基づく表示に切り換えることで、機台の状況を正確に理解でき、機台調整などの支援を迅速に行うことができる。
【0050】
上記した2つの実施例に対し、以下変形することができる。
【0051】
言語表記データ群の種類について、上記2つの実施例では5種類としたが、これに限らない。メーカ側より提供される言語表記データ群の数およびユーザが編集する言語表記データ群はいずれも1種類以上であればよい。あるいは、メーカ側から提供される1種類の言語表記データ群に対し、ユーザ側ではこれを編集して言語表記データ群を書き換えることも考えられる。
【0052】
また、言語表記データ群から情報を読み出す際に用いる読出ラベルC01について、文字の形式で記録されるものに限らず、例えば記憶器における記憶アドレスと読み替えた実施形態も考えられる。
【0053】
上記2つの実施例では、稼働情報集計装置、および設定装置のいずれも織機を前提として説明したが、これに限らない。例えば、織機に供給する経糸を準備する経糸整経機や糊付装置などの経糸準備機械、緯糸あるいは経糸を製造する紡績機械や撚糸機械などの糸準備装置などが考えられ、繊維機械に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本件発明は、織機に限らず、例えば、織機に供給する経糸を準備する経糸整経機や糊付装置などの経糸準備機械、緯糸あるいは経糸を製造する紡績機械や撚糸機械などの糸準備装置などが考えられ、繊維機械に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の情報表示装置の1つである、第1実施例の織機稼働情報集計装置の全体構成図である。
【図2】第1実施例の稼働情報集計装置の記憶器に格納されるソフトウエアの関連性を示す模式図である。
【図3】第1実施例における稼働情報集計装置が出力するシフト報を示す図である。
【図4】第1実施例の言語表記データ群の態様を示す図である。
【図5】本発明の情報表示装置の1つである、第2実施例の織機設定装置の全体構成図である。
【図6】第2実施例の設定装置および編集装置の各記憶器に格納されるソフトウエアの関連性を示す模式図である。
【図7】第2実施例の設定装置の1表示例を示す図である。
【図8】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【図9】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【図10】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【図11】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【図12】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10 稼働情報集計装置
11 ホストコンピュータ
12 入力器
13 出力器(ディスプレイ装置)
14 記憶器
20 織機
30 設定装置
31 マイクロコンピュータ
32 タッチパネル
34 記憶器
35 カードインターフェース(カードI/F)
36 画面
40 制御器
50 編集装置
51 編集用コンピュータ
52 入力器
53 出力器
54 記憶器
55 カードインターフェース(カードI/F)
56 メモリカード
A 表示制御プログラム
B 編集プログラム
C 言語表記データ
C01 読出ラベル
C02 種類ラベル
D 表示制御プログラム
E 編集プログラム
SD1〜SD2,EX1〜EX3 種別ラベル
F,F1,F2 言語表記データ群
G1〜G20 表示領域
k0 アイコン
K1〜K6 カーソルキー
【技術分野】
【0001】
この発明は、繊維機械に用いられる情報表示装置に関するものであり、より詳しくは、繊維機械の運転状況や設定に関する情報を表示するに際し、ユーザにとってより親しみやすい形で情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維機械では、近年のエレクトロニクス技術の発展に伴い、機械の運転状況を表示したり、あるいは、機械の設定値を数値入力可能な表示装置を介して行われる。例えば、特許文献1には、繊維機械の1つである織機において使用され、例えば液晶表示器などで構成される設定装置が示されている。具体的には、機械の設定に関する情報を設定するために、先ず表示器上に現在の設定値をこれに対応して文字で表される表記項目(例えば、経糸張力の設定画面では、文字で表される「経糸張力設定値」)とともに、表示器上に複数表示させている。次いで作業者は、これから設定する設定項目を選択し、テンキーに触れて新たな設定値を入力する。このような表示装置では、画面表示の切換え操作により、設定画面に限らず、例えば運転状況に関する情報表示画面、例えば制御状態を示す実測値(例えば経糸張力、緯糸到達タイミングなど)等を表示したり、あるいは過去単位期間当たりの稼働率や停台回数等の稼働情報の表示画面に進んでこれらを表示することも可能である。従ってユーザでは、このような稼働情報を用いて、緯入れ、経糸開口運動、巻取、あるいは経糸の送出の調整に用いることができる。
【0003】
織機が多数配置される織布工場では、稼働情報集計用のコンピュータを用いて各織機の運転状況に関する情報である稼働情報を集計している。特許文献2には、稼働情報集計装置として機能するホストコンピュータが織布工場内の複数の織機とを通信可能に接続されており、ホストコンピュータは、稼働データ、例えば稼働率、停台種類別の停台回数、時間当たりの停台回数、所定緯入れピック数当たりの停台回数等の稼働に関する数値データを各機台から読み出すとともに、読み出した数値情報とこれに対応する項目情報(すなわち「稼働率」「停台回数」等の言語で表される表記)とともに、各機台毎に並べて稼働レポートとして出力することが示されている。このような稼働情報集計装置では、稼働レポートをディスプレイ装置上に表示させるほか、プリンタを介して印字出力することも可能である。
【特許文献1】特開平5−78954号(段落番号[0010]〜[0012]、[0026]〜[0062]、第1図〜第2図)
【特許文献2】特開昭61−231246号(第2頁−第4頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した、織機の設定装置や稼働情報を集計する稼働情報集計装置には、いわゆるマイクロコンピュータが用いられ、これを動作させて上記機能を実現すべく織機メーカ側から提供された処理プログラムが組み込まれる。メーカ側では、一般的に用いられる用語をもとに表記項目の内容を決定し、プログラム化してユーザに提供する。しかし、ユーザ側で織機の稼働管理に用いる稼働情報は、ユーザあるいは織布工場毎に様々であり、同じ稼働情報であってもユーザや織布工場毎にその呼び名である表記項目内容が異なることも多々ある。このため、そのようなユーザでは、表記項目の内容をユーザ側で修正することはできず、せっかくの稼働情報集計装置を用いて出力される稼働レポートも個別ユーザにおける管理に適した表記項目になっていないため、わかりにくいという問題がある。
【0005】
近年、このような織機や稼働情報集計装置は、日本国内に限らず、英語、フランス語あるいはこれ以外の公用語とされる国々にも出荷されている。従って、織機メーカでは、現地で使われる呼び名を把握して処理プログラムを提供すべきであるが、実際のところ、世界的に広く用いられる英語などの一部の言語にしか対応できていない。その上、上記したようにユーザや織布工場毎に異なる表記項目に対応された処理プログラムを、これら外国ユーザのすべてに対して提供することは、実用上極めて難しい。このように出力された稼働情報がわかりにくいという問題は、日々織布工場内で作業する現地の作業者や管理者にとってより深刻である。この問題は、各機台における運転状況や設定に関する情報とともに言語で表される情報を表示すべく、各機台に設けられる設定装置についても同様に存在し、また織布工場のみに限らず、紡績機械、撚糸機械などを多数有する糸供給工場、さらには整経機や糊付機を複数有する経糸準備工場等の繊維工場においても同様に存在する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、繊維機械に用いられる情報表示装置について、言語で表される情報を、エンドユーザである繊維工場の作業者や管理者にとってより親しみやすい形で表示することにある。
【課題を解決するための手段、作用、発明の効果】
【0007】
そこで、本発明が前提とする繊維機械の情報表示装置は、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、記憶器に格納された表示制御プログラムを実行することにより、出力器に表示させる表示制御部を含むように構成される。そして本発明では、前記記憶器には、前記言語で表される複数の情報がこれに対応される読出ラベルとともに言語表記データ群を構成するとともに、前記表示制御プログラムは、前記言語表記データ群から読出ラベルを介して対応する前記言語で表される情報を読み出して前記出力器に表示させるべく予め作成されており、前記情報表示装置には、前記言語表記データ群に対し、編集プログラムの実行により、作業者が操作する入力器を介して前記言語で表される情報を編集し、その編集結果である新たな言語表記データ群を前記言語表記データ群として前記記憶器に書き込む編集手段を備えており、前記表示制御部は、前記書き込まれた言語表記データ群から読出ラベルを介して読み出した前記言語で表される情報を前記出力器に表示することを、要旨とする。
【0008】
本発明によれば、情報表示装置の表示機能を遂行する際にもとになる表示制御プログラムは、言語表記データ群と分けられており、言語表記データ群は、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報が読出ラベルを介して読出可能にされ、それぞれ記憶器に記憶される。また、表示制御プログラムは、表示制御器を介し、表示の要求にともなってこれに対応する言語で表される情報を言語表記データ群から読出ラベルを介して読み出して出力器に表示可能に作成されている。これに対し、現地ユーザでは、情報表示装置に対して設けられる編集手段により、メーカ側から提供される言語表記データ群をもとに、設けられる入力器を介し現場作業者が理解しやすい内容に編集しその編集結果が反映された新たな言語表記データ群を前記言語表記データ群として前記記憶器に書き込む。そこで、表示制御部は、表示制御プログラムを実行して、現地ユーザ側で編集した結果が反映された言語表記データ群から対応する言語で表される情報を、読出ラベルを介して読み出して出力器に表示することができる。これにより現地ユーザでは、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、編集手段を介して各工場に適した言語表記内容に書き換えることにより、情報表示装置で言語表示される情報は、現場作業者にとってより親しみやすい表記になっているため、作業者は、その内容を迅速にかつ正確に理解できる。従って、現場で発生する問題に対し、停台原因の修復、機台の調整などの対処をより迅速に行える。
【0009】
繊維機械について、より具体的には、織布を製造する織機、織機に供給する経糸を準備する経糸整経機や糊付装置などの経糸準備機械、緯糸あるいは経糸を製造する紡績機械や撚糸機械などの糸準備装置などがある。
【0010】
上記した繊維機械の情報表示装置について、記憶器に記憶される言語表記データ群は、1種類とする、あるいは2種類以上記憶し必要に応じその中から選択するのいずれも考えられる。例えば前者について、メーカ側から提供される言語表記データ群をそのものを編集手段を介して編集するように構成する。また後者について、言語表記データ群を、繊維機械メーカ側から提供されるものと、ユーザ側の編集結果のものとを別個に記憶可能し、ユーザ側では、編集結果のみを編集可能に構成する。
【0011】
後者についてより具体的には、前記記憶器には、繊維機械メーカ側から提供される第1の言語表記データ群と、前記提供されたデータ群をもとに作業者が編集した編集結果である第2の言語表記データ群とを含む複数種類の言語表記データ群が記憶され、前記編集プログラムは、前記複数種類のうち第2の言語表記データ群における前記言語で表される情報に対して編集可能にされるとともに、前記表示制御プログラムは、前記複数種類のデータ群のうちいずれかを選択可能に予め作成されており、前記表示制御部は、選択情報にしたがって、対応する種類の言語表記データ群を選択するとともに、選択されたデータ群から読出ラベルを介して読み出した前記情報を前記出力器に表示するように構成すればよい。これにより、上記記憶される複数種類の言語表示データ群のうちいずれかを選択して表示することが可能になる。従って、例えば現地ユーザの作業者は、先に自ら編集したデータ群を選択することにより、作業者の作業性を損なわずに済むとともに、仮に機台にトラブル等が発生しメーカ側に支援要請があったとき、メーカ側の作業者は、現地ユーザ側の編集結果の如何に関わらず、言語の選択情報を切り換えて、メーカ側が先に提供したデータ群に基づく表示に切り換えることで、機台の状況を正確に理解でき、機台調整などの支援を迅速に行うことができる。
【0012】
上記した言語表記データ群に対し、好ましくは、前記編集プログラムは、前記第1の言語表記データ群の言語で表される情報に対し、異なる種類の言語に編集してその編集結果を前記第2の言語表記データ群として出力する機能を有することができる。これにより、現地ユーザ側で、現地語の言語表記で編集した言語表記データ群をもとに、対応する情報を出力器に表示されるため、現地の作業者は、表示内容を迅速にかつ正確に理解できる。
【0013】
上記した言語表記データ群に記憶される言語で表される情報は、機械の稼働または稼働支援を行うためのものであり、例えば、数値等で表される機械の設定情報あるいは機械の運転状況の情報のそれぞれに対する表記項目内容のほか、機台の停台原因、エラー、警報アラーム、トラブルの表示情報、さらには上記警報アラームやトラブルなどに対し作業者が取るべき対処手順、チェック方法、機台の調整方法や、トラブルの復旧に関する対処手順などの支援情報を含むことができる。
【0014】
上記した繊維機械における具体的な情報表示装置について、機台に対する設定情報を入力する機能あるいは運転状況を表示する機能のうちいずれかを実現すべく、機台に取り付けられる設定装置としたり、あるいは1以上の繊維機械に対して通信可能に接続され、前記1以上の機台の稼働情報を集計するための稼働情報集計装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について、繊維機械の1つである織機を例として、以下図面を用いて説明する。
【0016】
[第1実施例]
図1には、織布工場内に配置される複数の織機20、20…に対して共通に設けられる織機の稼働情報集計装置10を示している。稼働情報集計装置10は、大まかに言えば、いわゆるパーソナルコンピュータやサーバなどで構成されるホストコンピュータ11と、これに接続されるキーボードやポインティングデバイスとしてのマウスからなる入力器12と,ディスプレイ装置などで構成される出力器13と、記憶器14と、CD−ROMなどの記憶媒体からソフトウエアを取り込むための図示しない読取器とを備える。
【0017】
これに対し、各織機20は、大まかに言えば、織機の動作を制御するための制御器40と、これに接続される設定装置30とをそれぞれ有しており、ホストコンピュータ11と各織機20の制御器40とは、情報送受可能に接続されている。
【0018】
制御器40には、いずれも図示しないが、主軸に連結されるエンコーダなどの角度センサのほか、糸切れセンサ、緯糸フィーラ、経糸張力センサなどの織機に取り付けられた各センサからの信号が入力される。このため制御器40では、エアージェット織機を一例とすれば、織機の運転・停止などの全体動作制御、メインノズルやサブノズル、緯糸測長貯留装置などを図示しないアクチュエータを介して制御することにより、緯糸を経糸開口内に挿入するための緯入れ動作、経糸張力を所望の張力に維持するための経糸張力制御、経糸切れや緯入れの正否や他の制御トラブルなどを監視する機能、織布の生産量である巻取長を計測するカウンタ機能などを有するほか、把握される織機の動作や制御状態をもとに、織布の生産量、停台時間、稼働率などの稼働情報を算出する機能も有している。このため、制御器40に接続される設定装置30は、織機の制御や上記稼働情報算出に必要な各設定値を設定する機能のほか、織機の動作状態、制御状態や算出されたその機台の稼働情報を表示する機能など、作業者と織機間のいわゆるマン・マシンインターフェース機能を遂行する。なお、上記制御器40で算出した稼働情報は、設定装置30からの要求に応じ、設定装置30に設けられる図示しない表示画面上に表示される。また、制御器40には、ホストコンピュータ11からの要求に応じて、上記稼働情報を各機台に付与される機台番号とともにホストコンピュータ11に送り返す機能も有している。
【0019】
稼働情報集計装置10は、複数の織機20,20…から各機台の稼働情報を機台番号とともにそれぞれ読み出すとともに、これを機台毎あるいは作業者シフト毎に出力する機能を有しており、これを実現するためのソフトウエア(後述される表示制御プログラムA、編集プログラムB、言語表記データC)は、織機メーカを含むソフトウエアメーカ側より提供される。このため、CD−ROMなどの記憶媒体の形で提供されるソフトウエアは、図示しない上記読取器およびホストコンピュータ11を経由して記憶器14に書き込まれており、作業者は、起動させるプログラムに対応するコマンドを入力器12から入力することにより、ホストコンピュータ11は、入力操作に対応するプログラムを選択的に実行することができる。すなわち、ホストコンピュータ11は、表示制御プログラムAおよび編集プログラムBを実行することにより、本件発明における表示制御部および編集装置としての各機能を実行可能にされている。
【0020】
図2には、ホストコンピュータ11が実行するソフトウエアプログラムおよびこれを実行する際に参照するデータ群との関連性を模式的に示している。稼働情報を集計する際の表示制御プログラムAは、複数機台の稼働情報を各機台から定期的に読み出すとともに、出力器13としてのディスプレイ装置の画面上に、読み出した数値で表される稼働情報を、機台番号毎あるいは作業シフト毎に並べて表示したり、あるいは各機台の稼働情報に基づき算出した工場全体の稼働情報を表示するための処理プログラムである。また、言語表記データCは、上記数値で表される稼働情報に対する位置づけや意味を言語の形で表す表記項目が、読出ラベルに対応されて複数記憶されて構成される言語表記データ群である。これに対し、編集プログラムBは、上記言語表記データCを構成する言語で表わされた表記項目の内容を編集するためのプログラムである。
【0021】
さて下記実施例では、織機2が100台配置された織布工場を想定する。そして図3には、例えば制御室に配置される稼働情報集計装置10は、各機台毎に各シフト単位の稼働レポートであるシフト報を、機台番号およびシフト番号に対して昇順となるようにしてディスプレイ装置13の画面に表示出力する例を一例として示す。なお図示シフト報は、現在時刻(2004年10月30日)よりも2日前である2004年10月28日の1日分のものであり、シフト報が英語表記にて出力されている。図示シフト報について詳しくは、図面左から順に、先ずこれから表示する稼働情報の記録事項である日付、作業シフト番号および機台番号を、次いで数値で表された各稼働情報である稼働率、停台全体(全停台)、緯止まりおよび経止まりとして集計された各項の停台時間、停台回数、1時間当たりの停台回数を、さらに、これよりもより詳細な停台原因別の停台回数、すなわち緯止まりとしてのより詳細な停止回数である、各緯糸糸種毎の緯入れ正否判定用の緯糸フィーラ_H1フィーラによる停止回数、ならびに吹切れあるいはロングピック判定用の緯糸フィーラ_H2フィーラによる停止回数のほか、経止まりとしてのより詳細な停止回数である、ドロッパ、耳組み糸であるレノ(右)、レノ(左)、キャッチコードあるいは手動停止の各停止回数を、ヨコ方向(行方向)に並べて表示し、また各機台番号、各シフト番号毎の上記した稼働情報を、縦方向(列方向)に順に並べて表示している。また、縦方向の最下端には、各機台からの上記稼働情報に基づいて算出した工場全体平均の稼働情報を、並べて表示している。
【0022】
これら稼働情報の数値列の最上端位置には、ヨコ方向に並べて表示される数値が何であるかを示す表記項目が、言語で表される情報としてタテ方向(列方向)の最前列位置に表示される。図示例は、表記項目が英語表記とされる例である。具体的には、記録事項の表記項目である、「日付」が「date」、「シフト番号」が「SHIFT No.」…、また稼働情報に対する表記項目としての「機台稼働率」が「Efficiency of loom」、「全停台」が「Total Stop」、「停台時間」が「minutes」…というように、それぞれ英語表記の形で並べて表示されている。従って、この実施例における上記列記した表記項目が、本件発明でいう「言語で表される情報」に対応する。また、これらの表記項目よりも上方の位置には、現在表示しているものがシフト報である旨の情報である「Report by shift」の表示が表示されている。
【0023】
また、シフト報以外の稼働情報表示画面に移るためのメニュー画面に移るためのアイコン「Return」が表示されており、入力器12としてのマウスでこのアイコンをクリックすることにより、初期画面にもどることが可能である。また同様に初期画面に戻りつつ、現在のシフト報内容を後日参照可能な形で記憶器14記憶させる際のアイコン「Save and Return」も表示されており、現在のシフト報を、図2に示すように集計結果保存ファイルとして記憶することができる。
【0024】
なお、このような稼働情報表示装置では、また、出力する稼働レポートについて、シフト毎に算出するもののみならず、日報、時間報、週報および月報な時間を単位とするもの、布報、ビーム報など、長さあるいは経糸の消尽を基準とするもの、作業担当者別などを基準とするものなどいずれも考えられ、これらは、織機側から送られる情報をもとに作成され出力される。また稼働レポートについて、単に数値を並べて表示させるほか、折れ線グラフや割合を示す棒グラフなどを用いてグラフィック表示によりこれらを表示させることも考えられる。
【0025】
さて、本発明の特徴点について、上記列記した表記項目を、処理プログラムとは別形態の言語表記データ群として構成し、言語表記データ群のみを編集プログラムを用いて編集可能に構成される。図4には、稼働情報集計装置10の処理プログラムAの実行時に参照される言語表記データ群の一部分を示している。言語表記データ群は、基本的には、言語で表される複数の表記項目がそれを読み出す際の識別子である読出ラベルに対応して記憶されてなり、そのような言語表記データ群は、さらに、互いに異なる複数種類の言語表記データ群で全体のデータ群を構成している。
【0026】
図4では、全体の言語表記データ群として、異なる言語とされる、複数種類に対応される言語表記データ群が対応する記憶領域に記憶される例を示している。具体的には、標準言語(STD)に対応する記憶領域には、織機メーカ側から提供される日本語および英語の各表記に対応する2種類の言語表記データ群が記憶され、また編集言語(EDIT)に対応する記憶領域には、編集プログラムを用いて異なる言語で編集した結果である言語表記データ群が3種類記憶可能にされている。なお、これら5種類の言語表記データ群にし、上記列記した順に、SD1,SD2およびEX1,EX2,EX3の種別ラベルC02がそれぞれ付与されており、後の稼働情報を表示する時に該当する言語表記テ゛ータ群を選択する際に利用される。そして5種類の言語表記データ群では、稼働情報とともに表示する表記項目の内容が、各読出ラベルC01(例えば「a0001」から「xzzzz」)毎にそれぞれ記憶されている。なお、図4には、現地ユーザが日本語および英語以外の言語である韓国語の表記項目を、種別ラベルC02のEX1に対応する各記憶領域に記憶した状態を示している。
【0027】
一方処理プログラムである表示制御プログラムAには、数値で表される個別の稼働情報(例えば機台稼働率、停台回数など)、およびこれとともに表示する表記項目に対する読出ラベルの情報が含まれて作成されており、また表示制御プログラムには、上記記憶される複数種類の言語表記データ群の中から作業者が選択した言語に対応するデータ群を種別ラベルを介して選択する第1のステップと、各機台からの稼働情報を読み出す第2のステップと、稼働情報の表示要求を受けると、これから表示する稼働情報の表記項目の内容を上記選択した言語表記データ群の中から上記読出ラベルを順に検索して読み出す第3のステップと、予め織機メーカ側で画面表示設計された態様に従って、上記読み出した表記項目と数値の稼働情報とを、ともに並べて表示する第4のステップとを実行するように作成されている。これにより、ホストコンピュータ11は、ディスプレイ装置13の画面上に、例えば図3に示す稼働情報を表示出力することができる。なお、予め作業者が、上記編集した言語である韓国語表記を選択した場合には、表示制御部を構成するホストコンピュータ11は、上記表示制御プログラムAにおける第1のステップで韓国語表記の言語表記データ群が選択され、図3におけるシフト報は韓国語の表記項目が付されて出力されるが、説明の都合上、英語表記したものを代わりに示している。
【0028】
さて、このような稼働情報集計装置10についてコスト面を考えれば、ホストコンピュータ11を、近年急速に発展された市販のパーソナルコンピュータを用いることがより望ましい。例えば、そのような市販コンピュータを用いる場合、コンピュータ動作の基本となるオペレーティングシステムは、世界的に広く採用され、しかも各国の言語仕様に対応可能なもの(例えば、WINDOWS ただしWINDOWSは米国マイクロソフト社の登録商標である)を採用し、上記した稼働情報の集計を行うための処理プログラム(つまり本件発明でいう表示制御プログラム)は、このオペレーティングシステムで幅広く採用されている表計算ソフトをベースとする。この場合には、ホストコンピュータのほか、オペレーティングシステムや表計算ソフトについては、ユーザの側で用意することになり、織機メーカ側では、織機の稼働集計のためのマクロなどを複数組込み構成しかつ上記表計算ソフト上で動作する専用のソフトウエアを提供することになる。このシステムでは、言語表記データ群は表計算ソフトから少なくとも読出可能に、つまり表記項目は表計算ソフトの編集機能を用いて編集すればよい。換言すれば、異言語表記に編集可能な表計算ソフトおよび現地語の文字を表示する文字フォントやローマ字入力される情報を現地語に置き換えるフロントエンドプロセッサなどのソフトウエアは、上記編集プログラムに、またベースとなる表計算ソフト、メーカ側から提供される上記専用のソフトウエア、さらには現地語の文字を表示する文字フォントなどからなるソフトウエアは、上記表示制御プログラムに、それぞれ対応する。
【0029】
第1実施例の装置によれば、稼働情報集計装置10の表示機能の遂行する際のもとになる表示制御プログラムAは、言語表記データ群Cと分けられており、言語表記データC群は、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報が読出ラベルC01を介して読出可能にされ、ともに記憶器14に記憶される。また、表示制御プログラムAは、表示の要求にともなってこれに対応する言語で表される情報を、言語表記データ群Cから読出ラベルC01を介して読み出して、出力器13に表示可能にされている。これに対し、編集プログラムBを実行可能に設けられる稼働情報集計装置10が、上記した言語表記データ群Cに対する編集装置としての機能を備えている。このため、現地ユーザでは、編集プログラムBを起動させて、メーカ側から提供される言語表記データ群Cをもとに、入力器12を介し現場作業者が理解しやすい内容に編集し、その編集結果が反映された新たな言語表記データ群Cを前記言語表記データ群Cとして前記記憶器14の種別ラベルEX1〜EX3に該当する記憶領域に書き込む。そこで、表示制御部を構成するホストコンピュータ11は、表示制御プログラムAを実行して、現地ユーザ側で編集した結果が反映された言語表記データC群から対応する言語で表される情報を、読出ラベルC01を介して読み出して出力器13に表示する。これにより現地ユーザでは、機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、編集装置を介して各工場に適した言語表記内容に書き換えることにより、情報表示装置で言語表示される情報は、現場作業者にとってより親しみやすい表記になっているため、作業者は、その内容を迅速にかつ正確に理解できる。従って、現場で発生する問題に対し、停台原因の修復、機台の調整などの対処をより迅速に行える。
【0030】
このような表記項目に対する編集は、必要に応じて行われる。例えば、表記項目について、ユーザ(織布工場)によっては、数値で表される稼働情報に対し、メーカ側から提供される表記項目と異なる呼び名が使われている場合もある。このような場合には、メーカ側からの提供される標準的な表記項目をもとに上記異なる呼び名に対する編集を行った結果を、編集した言語表記データ群として、編集言語(EDIT)に対応する記憶領域に記憶すればよい。すなわち本件発明では、前記実施例のような異言語への編集に限らず、同一言語の編集も含まれる。なお仮にメーカ側から提供される言語表記データ群で支障のないユーザは、メーカ側から提供される標準的な言語表記データ群を、編集することなくそのまま用いればよい。
【0031】
[第2実施例]
図5には、織機に対して1対1にかつ織機上に設けられ、織機の設定値を入力したり織機の運転状況に関する情報を表示するための設定装置30、および設定装置における言語で表示される情報を編集する編集装置50のブロック図を示している。設定装置30は、大まかに言えば、マイクロコンピュータ31と、入力機能、および色彩的なグラフィック表示機能を有するタッチパネル32と、メモリカード56に対して情報を読み書きするためのカードインターフェイス(カードI/F)35と、マイクロコンピュータ31を介して設定装置30全体を制御して、上記設定機能および情報表示機能を実現するための処理プログラム、すなわち本件発明でいうところの表示制御プログラムおよび言語表記データ群を格納する記憶器34とを備え、また設定装置30は、前記第1実施例と同様に、織機を制御する制御器40に接続されている。
【0032】
これに対し、織機の設定装置30とは別個に設けられる編集装置50は、大まかに言えば、いわゆる市販のパーソナルコンピュータなどで構成される編集用コンピュータ51と、これに接続されるキーボードやポインティングデバイスとしてのマウスなどの入力器52,ディスプレイ装置などで構成される出力器53、記憶器54、メモリカード56に情報を書き込むカードインターフェイス(カードI/F)55のほか、CD−ROMなどの記憶媒体からソフトウエアを取り込むための図示しない読取器とを備える。
【0033】
図6には、編集装置50側に記憶されるプログラム、および設定装置30側に記憶されるプログラムの関連性について模式的に示している。なお、編集プログラムEは記憶器54に、表示制御プログラムDは記憶器34に、それぞれ実行可能に記憶されている。
【0034】
本実施例では、メーカ側から提供される標準的な言語表記データ群F1と、ユーザ側で適宜編集される編集的な言語表記データ群F2とからなる複数種類の言語表記データ群をそれぞれ独立的に作成されて記憶器34に記憶される。一方、ユーザ側では、例えば制御室に配置された編集装置50を使って、編集的な言語表記データ群F2を編集し、その編集結果をメモリカード56に書き込む。そして、作業者は設定装置30にメモリカード56の記憶内容を読み取らせ、記憶器34に編集的な言語表記データ群F2を格納する。そして設定装置30では、作業者がタッチパネル32を介して言語選択操作することにより、複数種類の中から対応する言語表記データ群を選択し、前記した第1の実施例と同様に、表示の要求に従って、選択した言語表記データ群の中から読出ラベルC01を検索して情報を読み出して表示することができる。
【0035】
なお、上記編集装置50から設定装置30側に上記編集的な言語表記データ群F2のデータを書き込む際に、このデータのみならず、表示に必要な文字フォントデータ等の設定装置30側で必要とされる新たな情報を同時に転送することもできる。また、このようなデータ転送を行うための具体的な方法について、上記メモリカードを用いる代わりに、編集装置50を直接設定装置に接続してデータ転送する(例えば第1実施例のように、各機台に接続されたホストコンピュータを用いる)などが考えられる。
【0036】
さて、前記した第1の実施例に対し、各言語表記データ群F1,F2に格納される複数の言語で表される情報は、いずれも織機に対する設定値の入力、機台運転状況に関する情報や機台運転の支援に関する情報である点で相違するが、読出ラベルC01および種別ラベルC02を介して読出可能に複数記憶される点では同じであり、説明の都合上、図示省略する。また設定装置30を制御する処理プログラムDについて、前記した第1の実施例の場合に比べ、機能面、具体的には設定値を表示したり機台の運転状況に関する情報や機台運転の支援に関する情報を表示する点で相違するが、作業者の画面操作による表示の要求にともなって、第1実施例にて述べたような第1から第4のステップからなる各処理ステップを実行し対応するデータ群の中から対応する情報を読出ラベルC01を介して読み出しすとともに予め設計された画面の表示態様に従ってタッチパネル32上に画面表示する点では同じである。
【0037】
織機の設定装置30で表示される言語で表される情報について、以下図面、図7から図11を用いて具体的に説明する。なお、以下示す画面の表示は、多色緯入れ可能なエアージェット織機の場合を一例として示しており、詳しくは、エアージェット織機は、緯糸測長貯留装置に貯留された緯糸を1ピック分解舒しつつメインノズルや複数のサブノズルをリレー噴射して経糸開口内に緯入れする形式の織機であり、また反緯入れ側の緯糸飛走路に検知領域を有する光学式緯糸フィーラで緯糸の到達を検知して緯入れの正否を行い、運転中に緯入れミスが発生したときには、織機を直ちに停止させるとともに緯入れミス糸を織口から除去して再運転する自動補修装置(いわゆるAPR装置)を備えている織機の例である。また、以下に示す画面表示例について、作業者が行った言語の選択操作が、日本語、英語以外の言語である韓国語を選択した場合、言語で表される情報は、韓国語表記として表示されるのだが、第1実施例説明時と同様、説明の都合上日本語表記されたものを代用して説明する。
【0038】
図7に示す画面36の表示例は、織機の設定値の1つである緯入れ装置に対する緯入れ条件の設定値入力画面であり、言語で表示される情報として、表示領域G1には、現在の表示画面がメインノズルに対する通常回転状態用の画面である旨の[メイン・通常]と表示し、また表示領域G2には、2種類の緯糸に対して設けられる、緯糸測長貯留装置の係止ピン、緯入れノズルであるメインノズルおよび補助メインノズルに対し、各動作タイミングの現在設定値の表示欄を指す、「C1」、「C2」、「係止ピン」、「メイン」、「補助メイン」および「ON」、「OFF」を、各設定値を表す数値とともに並べて表示している。なお、これらの設定値を変更・入力する際には、該当する表示欄に触れることにより、画面上に図示しないテンキーが表示され、該当する数字キーを順に触れることにより設定値を入力可能に、上記表示制御プログラムが作成されている。また、画面下方には、織機起動時の過渡運転状態、いわゆる1STピックおよび2ndピックにおける同様の設定画面に切り換えるためのアイコン「1stピック」および「2ndピック」と、他の緯入れノズルであるサブノズルへの設定画面に切り換えるためのアイコン「サブノズル」と、この設定を画面を閉じて初期画面に戻るためのアイコンk0「閉じる」とが、同一画面上に表示されており、これらのアイコンに触れることにより、対応する設定画面に切り換わる。
【0039】
図8に示す画面36の表示例は、織機の制御状況の1つである緯糸飛走状況つまり緯糸到達タイミングの統計値を表示する表示画面である。緯糸到達タイミングとは、上記した緯糸フィーラが緯糸を検知した時の主軸角度のことであり、それの統計値には、緯入れ毎ピックごとに緯糸到達タイミングを記憶するとともに、所定のサンプリング数に達した時点で先に記憶したサンプリング数分の到達タイミング値をもとに算出した平均値、最大値と最小値、およびバラツキに尺度を示す標準偏差を挙げることができる。この画面36の表示領域G4では、これら各統計値を、互いに表示色彩を異ならせつつ過去100サンプリングピック数にわたり、折れ線グラフあるいは足チャートによりグラフィック表示している。この画面における表記項目としての「言語で表示される情報」は、グラフィック表示の縦軸の意味を示す「緯糸到達角度」および「標準偏差」、また表示領域G5における、統計値算出する際のサンプリング数を選択する際の入力欄であることを示す「サンプリング数」がそれに相当する。なお、画面下方には、図7と同様のアイコンk0「閉じる」が同一画面上に表示されている。
【0040】
図9に示す画面36の表示例は、織布生産量に関係する情報を表示する表示画面の例である。この画面36の表示領域G6では、現在の表示画面が織布の製織長カウンタの数値を表示する画面である旨の[カウンタ]と表示する一方、現在の日付、時刻および作業シフトの番号を表示する。また、表示領域G7では、現在の布織上長の数値情報が、表記項目「布織上長」とともに表示され、また表示領域G8では、その表示領域の下半分位置において、織布の切卸し長設定値が1反当たりの長さと切卸し反数の積の形式で表示される一方、現在の経糸ビームの残り長が、当初の経糸整経長さから既に消費された経糸長さの減算結果の形式で表示される。また、上記した各領域の表示における「言語で表される情報」として、「切卸し」、「ビーム」およびそれの単位を示す「反」、「メートル」が並べて表示されている。また、領域G8の上半分位置において、上記切卸し長設定値に対する上記布織上長の割合、および上記当初の経糸整経長さに対する経糸消費長さの割合が、それぞれ横軸を百分率としてグラフィック表示されている。また切卸し長、布織上長および織機の設定回転数などに基づいて算出した布切卸し発生までの予測時間、および同様の経糸ビーム揚がりが発生されるまでの予測時間が、上記グラフィック表示の右側位置に、それぞれ数値で表示される。それぞれの表示に対する「言語で表される情報」として、「布」、「ビーム」および予測時間の各数値に対する「日」、「時間」、「分」がそれぞれ表示されている。また、表示領域G9には、機台稼働率、織機設定回転数、および経糸ビームの巻径の数値情報が表示されるとともに、それぞれの表示に対する「言語で表される情報」として、「稼働率」、「織機回転数」および「巻径」がそれぞれ並べて表示されている。なお、画面下方には、図7と同様のアイコンk0「閉じる」が同一画面上に表示されている。以上のように、言語で表される情報としての表記項目には、数値に対するものに限らず、その大きさに対応するグラフィック表示するものに対する表記項目も、本件発明に含まれる。
【0041】
図10に示す画面36の表示例は、織機の制御状況の1つであるシフト報を表示する表示画面である。この画面36の表示領域G10では、現在の表示画面がシフト報を表示する画面である旨の[シフト報]と表示するとともに、現在の日付、時刻および作業シフトの番号を表示している。また表示領域G11では、この画面に表示されるシフト報がいずれの時点のものであるか、つまり日付、シフト番号およびその作業シフトの開始時刻と終了時刻を表示するとともに、いずれも数値で表される情報である、そのシフト時間における稼働率、織機回転数、織上長、およびシフト報算出のもとになるモニタ時間および織機の運転時間である稼働時間が、図示表記項目とともに並べて表示される。また、表示させるシフト報を切り換えるためのカーソルキーがK1、K2が設けられており、いずれかカーソルキーに触れることにより、自動的に蓄積された過去複数のシフト報のうちいずれかを選択的に表示することができる。
【0042】
また、表示領域G12,G13には、図3に示したシフト報に対し、表示の並べ方を異ならせて、表記項目とともに表示している。また、表示領域G14には、その作業シフトにおけるAPR装置の作動状況を、表記項目ととともにそれぞれ並べて表示している。
【0043】
図7から図10では、いずれも数値で表される織機の運転状況あるいは設定値に対する表記項目を、本件発明である「言語で表される情報」に対応する例として示している。しかし、設定装置で言語で表される情報は、そのような数値の位置づけ(意味)を示すものに限らない。具体的には、織機の停台原因、警報アラーム、トラブル表示、さらにはこれに対する復旧させるための診断・対処に関する支援情報などがある。
【0044】
図11に示す画面36の表示例は、織機の運転状況に関する情報として、停台原因を表示する例である。この画面36の表示領域G15では、現在の表示画面が停台原因を表示する画面である旨の[停台原因]と表示する一方、織機が停止してからの経過時間である「停台時間」を、表記項目とともに表示している。また表示領域G16では、停台原因の内容が経糸切れである旨の「ドロッパ停止」と表示する。この画面における「言語で表される情報」としては、「停台原因」、「停台時間」、「時間」、「分」、「秒」および「ドロッパ停止」がそれに対応する。
【0045】
図12に示す画面36の表示例は、織機のトラブルを復旧させる際の支援情報を表示する例である。この画面36の表示領域G17では、現在の表示画面がトラブルに対する保全のための情報を表示する画面である旨の[保全]、[トラブル]と表示している。これに対し、現在発生したトラブル内容およびこれ隣接する番号の3つのトラブルコードが表示されるとともに、符号M1が付されたコード「120」が反転表示されており、表示領域G18に表示されている情報がコード「120」に対する支援情報であることを示している。なお、作業者は他の「375」等の各欄に触れることにより、そのトラブルコードに対応される支援情報に切り換え表示可能にされている。
【0046】
また表示領域G18では、上から順に、トラブルコード120が発生した原因、およびこれに対する確認事項が、その詳細内容とともに表示されている。図示例では、2つの確認事項のうち1)を選択した状態(つまり下線が付いた状態)を示しており、表示領域G20には、1)に対応する対処指示内容が言語で表示されている。なお、表示領域G20の表示すなわち確認事項の選択状況は、カーソルキ−K5,K6を操作することにより、切り換え可能である。
【0047】
第2実施例の装置によれば、設定装置30の表示機能の遂行する際のもとになる表示制御プログラムDは、言語表記データ群と分けられて記憶され、また言語表記データ群は、繊維機械メーカ側から提供される第1の言語表記データ群F1として、種別ラベルSD1,SD2が付けられた日本語および英語でそれぞれ表記される2つのデータ群と、前記提供されたデータ群をもとに作業者が編集した編集結果である第2の言語表記データ群F2として、種別ラベルEX1〜EX3が付けられたこれ以外の言語でそれぞれ表記されるデータ群とを複数種類の言語表記データ群として記憶される。
【0048】
これに対し、編集プログラムEを実行可能に設けられる編集用コンピュータ51が、上記した言語表記データ群F2に対する編集装置としての機能する。このため、現地ユーザでは、編集プログラムEを起動させ、メーカ側から提供される言語表記データ群F1をもとに入力器52を介し現場作業者が理解しやすい内容に編集し、その編集結果が反映された新たな言語表記データ群F2を、前記言語表記データ群F2としてメモリカード56に記憶器34に書き込むとともに、さらにこれを設定装置30に読み取らせて記憶器34に書き込む。
【0049】
一方、前記表示制御プログラムDは、前記複数種類のデータ群のうちいずれかを選択可能に予め作成されるとともに、予め作業者がタッチパネル32を介して表示させる言語種別の選択情報が入力されている。このため設定装置30における表示制御部として機能するマイクロコンピュータ31は、表示制御プログラムDを実行して、言語種別の選択情報(例えば韓国語)に対応する言語表記データ群(種別ラベルEX1が付された言語表記データ群)を選択するとともに、選択されたデータ群から読出ラベルC01を介して読み出した前記情報を出力器として機能するタッチパネル32に表示する。従って、例えば現地ユーザの作業者は、先に自ら編集したデータ群を選択することにより、上記した第1実施例の時と同様、現場作業者にとってより親しみやすい表記になっているため、作業性を損なわずに済む。また、仮に機台にトラブル等が発生しメーカ側に支援要請があったとき、メーカ側の作業者は、現地ユーザ側の編集結果の如何に関わらず、言語の選択情報を(例えば日本語に)切り換えて、メーカ側が先に提供したデータ群(種別ラベルSD1が付された言語表記データ群)に基づく表示に切り換えることで、機台の状況を正確に理解でき、機台調整などの支援を迅速に行うことができる。
【0050】
上記した2つの実施例に対し、以下変形することができる。
【0051】
言語表記データ群の種類について、上記2つの実施例では5種類としたが、これに限らない。メーカ側より提供される言語表記データ群の数およびユーザが編集する言語表記データ群はいずれも1種類以上であればよい。あるいは、メーカ側から提供される1種類の言語表記データ群に対し、ユーザ側ではこれを編集して言語表記データ群を書き換えることも考えられる。
【0052】
また、言語表記データ群から情報を読み出す際に用いる読出ラベルC01について、文字の形式で記録されるものに限らず、例えば記憶器における記憶アドレスと読み替えた実施形態も考えられる。
【0053】
上記2つの実施例では、稼働情報集計装置、および設定装置のいずれも織機を前提として説明したが、これに限らない。例えば、織機に供給する経糸を準備する経糸整経機や糊付装置などの経糸準備機械、緯糸あるいは経糸を製造する紡績機械や撚糸機械などの糸準備装置などが考えられ、繊維機械に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本件発明は、織機に限らず、例えば、織機に供給する経糸を準備する経糸整経機や糊付装置などの経糸準備機械、緯糸あるいは経糸を製造する紡績機械や撚糸機械などの糸準備装置などが考えられ、繊維機械に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の情報表示装置の1つである、第1実施例の織機稼働情報集計装置の全体構成図である。
【図2】第1実施例の稼働情報集計装置の記憶器に格納されるソフトウエアの関連性を示す模式図である。
【図3】第1実施例における稼働情報集計装置が出力するシフト報を示す図である。
【図4】第1実施例の言語表記データ群の態様を示す図である。
【図5】本発明の情報表示装置の1つである、第2実施例の織機設定装置の全体構成図である。
【図6】第2実施例の設定装置および編集装置の各記憶器に格納されるソフトウエアの関連性を示す模式図である。
【図7】第2実施例の設定装置の1表示例を示す図である。
【図8】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【図9】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【図10】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【図11】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【図12】第2実施例の設定装置の他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10 稼働情報集計装置
11 ホストコンピュータ
12 入力器
13 出力器(ディスプレイ装置)
14 記憶器
20 織機
30 設定装置
31 マイクロコンピュータ
32 タッチパネル
34 記憶器
35 カードインターフェース(カードI/F)
36 画面
40 制御器
50 編集装置
51 編集用コンピュータ
52 入力器
53 出力器
54 記憶器
55 カードインターフェース(カードI/F)
56 メモリカード
A 表示制御プログラム
B 編集プログラム
C 言語表記データ
C01 読出ラベル
C02 種類ラベル
D 表示制御プログラム
E 編集プログラム
SD1〜SD2,EX1〜EX3 種別ラベル
F,F1,F2 言語表記データ群
G1〜G20 表示領域
k0 アイコン
K1〜K6 カーソルキー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、記憶器に格納された表示制御プログラムを実行することにより、出力器に表示させる表示制御部を含む、繊維機械の情報表示装置において、
前記記憶器には、前記言語で表される情報がこれに対応される読出ラベルとともに複数蓄積されて言語表記データ群を構成するとともに、前記表示制御プログラムは、前記言語表記データ群から読出ラベルを介して対応する前記言語で表される情報を読み出して前記出力器に表示させるべく予め作成されて記憶されており、
前記情報表示装置には、前記言語表記データ群に対し、編集プログラムの実行により、作業者が操作する入力器を介して前記言語で表される情報を編集し、その編集結果である新たな言語表記データ群を前記言語表記データ群として前記記憶器に書き込む編集手段を備えており、
前記表示制御部は、前記書き込まれた言語表記データ群から読出ラベルを介して読み出した前記言語で表される情報を前記出力器に表示することを特徴とする、繊維機械の情報表示装置。
【請求項2】
前記記憶器には、繊維機械メーカ側から提供される第1の言語表記データ群と、前記提供されたデータ群をもとに作業者が編集した編集結果である第2の言語表記データ群とを含む複数種類の言語表記データ群が記憶され、
前記編集プログラムは、前記複数種類のうち第2の言語表記データ群における前記言語で表される情報に対して編集可能にされるとともに、前記表示制御プログラムは、前記複数種類のデータ群のうちいずれかを選択可能に予め作成されており、
前記表示制御部は、選択情報にしたがって、対応する種類の言語表記データ群を選択するとともに、選択されたデータ群から読出ラベルを介して読み出した前記情報を前記出力器に表示することを特徴とする、請求項1に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項3】
前記編集プログラムは、前記第1の言語表記データ群の言語で表される情報に対し、異なる種類の言語に編集してその編集結果を前記第2の言語表記データ群として出力する機能を有することを特徴とする、請求項2に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項4】
前記言語表記データ群に記憶される言語で表される情報は、繊維機械の運転状況に関する情報に対する表記項目を含むことを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項5】
前記言語表記データ群に記憶される言語で表される情報は、繊維機械の設定情報に対する表記項目を含むことを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項6】
前記情報表示装置は、機台に対する設定情報を入力する機能あるいは運転状況を表示する機能のうち少なくともいずれかを実現すべく、機台に取り付けられる設定装置で構成される、請求項1から5のうちいずれか1項に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項7】
前記情報表示装置は、1以上の繊維機械に対して通信可能に接続され、前記1以上の機台の稼働情報を集計するための稼働情報集計装置で構成される、請求項4に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項1】
機械の稼働または稼働支援を行うべく言語で表される情報を、記憶器に格納された表示制御プログラムを実行することにより、出力器に表示させる表示制御部を含む、繊維機械の情報表示装置において、
前記記憶器には、前記言語で表される情報がこれに対応される読出ラベルとともに複数蓄積されて言語表記データ群を構成するとともに、前記表示制御プログラムは、前記言語表記データ群から読出ラベルを介して対応する前記言語で表される情報を読み出して前記出力器に表示させるべく予め作成されて記憶されており、
前記情報表示装置には、前記言語表記データ群に対し、編集プログラムの実行により、作業者が操作する入力器を介して前記言語で表される情報を編集し、その編集結果である新たな言語表記データ群を前記言語表記データ群として前記記憶器に書き込む編集手段を備えており、
前記表示制御部は、前記書き込まれた言語表記データ群から読出ラベルを介して読み出した前記言語で表される情報を前記出力器に表示することを特徴とする、繊維機械の情報表示装置。
【請求項2】
前記記憶器には、繊維機械メーカ側から提供される第1の言語表記データ群と、前記提供されたデータ群をもとに作業者が編集した編集結果である第2の言語表記データ群とを含む複数種類の言語表記データ群が記憶され、
前記編集プログラムは、前記複数種類のうち第2の言語表記データ群における前記言語で表される情報に対して編集可能にされるとともに、前記表示制御プログラムは、前記複数種類のデータ群のうちいずれかを選択可能に予め作成されており、
前記表示制御部は、選択情報にしたがって、対応する種類の言語表記データ群を選択するとともに、選択されたデータ群から読出ラベルを介して読み出した前記情報を前記出力器に表示することを特徴とする、請求項1に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項3】
前記編集プログラムは、前記第1の言語表記データ群の言語で表される情報に対し、異なる種類の言語に編集してその編集結果を前記第2の言語表記データ群として出力する機能を有することを特徴とする、請求項2に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項4】
前記言語表記データ群に記憶される言語で表される情報は、繊維機械の運転状況に関する情報に対する表記項目を含むことを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項5】
前記言語表記データ群に記憶される言語で表される情報は、繊維機械の設定情報に対する表記項目を含むことを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項6】
前記情報表示装置は、機台に対する設定情報を入力する機能あるいは運転状況を表示する機能のうち少なくともいずれかを実現すべく、機台に取り付けられる設定装置で構成される、請求項1から5のうちいずれか1項に記載の繊維機械の情報表示装置。
【請求項7】
前記情報表示装置は、1以上の繊維機械に対して通信可能に接続され、前記1以上の機台の稼働情報を集計するための稼働情報集計装置で構成される、請求項4に記載の繊維機械の情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−249593(P2006−249593A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65344(P2005−65344)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000215109)津田駒工業株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000215109)津田駒工業株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
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