説明

繊維機械システム及び繊維機械

【課題】同じ工場内の機台の稼働データをより正確に分析可能な繊維機械システムを提供する。
【解決手段】繊維機械システムは、複数の繊維機械を備え、各繊維機械は、少なくとも1つの繊維処理ユニットと、前記繊維処理ユニットの稼働データを収集及び管理する管理装置と、を備え、前記各管理装置は、繊維処理ユニットの稼働データを表示する表示部と、他の繊維機械の管理装置と前記稼働データを送受信する通信部と、を有し、前記表示部は、複数の繊維機械の繊維処理ユニットの稼働データを、同時に表示可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主要には、複数の繊維機械間で情報の通信を行う繊維機械システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の繊維処理ユニットと、前記繊維処理ユニットの動作を制御する管理装置と、を備えた繊維機械が知られている。この繊維機械の管理装置は、各繊維処理ユニットの現在の稼動状態のモニタ及び各種の糸処理条件の設定可能に構成されている。
【0003】
通常、工場内では前記のような構成の繊維機械を多数台設置して稼動させている。この場合において、複数の繊維機械に同じ糸処理条件で作動させたいときや糸処理条件を一括して変更したい場合などに、オペレータがそれぞれの糸巻き取り機のところまで行って1台ずつ設定値の変更を行うことが必要であると、効率が悪くなり、オペレータにとっても負担である。
【0004】
この点に関し、特許文献1は、巻取ユニット(繊維処理ユニット)を備えた繊維機械を複数台設置して相互に巻き取り情報(糸処理条件)を通信可能とした繊維機械システムが開示されている。また、特許文献1に記載の繊維機械システムが備える機台制御装置(管理装置)は、各々の繊維機械を構成する複数の巻取ユニット(繊維処理ユニット)の巻き取り情報を一括して設定又は閲覧出来る為、機台の管理を効率良く行うことが出来る。
【特許文献1】特開2009−242029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の繊維機械システムが備える機台管理装置は、繊維機械システムが備える複数の繊維機械の巻き取り情報や機台の稼働効率といった稼動データを一括して閲覧することが出来ない。その為、特許文献1に記載の繊維機械システムにおいては、同じ機台の過去の稼動データと現在の稼動データを比較することによって、稼動データの分析が行われていた。この場合、例えば、同じ工場内の他の繊維機械に比べると該機台の稼動効率が芳しくない機台に対しても、過去の該機台の稼動効率に比較すると稼動効率が良好な場合には、稼動データをチェックしたオペレータは、更なる保全作業が不要と判断してしまうことがあった。
【0006】
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、同じ工場の繊維機械の稼働データをより正確に分析可能な繊維機械システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の観点によれば、以下の構成の、複数の繊維機械を備えた繊維機械システムが提供される。各繊維機械は、少なくとも1つの繊維処理ユニットと、前記繊維処理ユニットの稼働データを収集及び管理する管理装置と、を備える。前記各管理装置は、繊維処理ユニットの稼働データを表示する表示部と、他の繊維機械の管理装置と前記稼働データを送受信する通信部62と、を有する。前記表示部は、複数の繊維機械の繊維処理ユニットの稼働データを、同時に表示可能である。
【0009】
この構成により、本発明の繊維機械システムが設置された工場においては、複数の繊維機械が備える繊維処理ユニットの稼働データが比較可能となる。これにより、オペレータは、複数の機台の稼動データの比較に基づいて、該繊維機械の稼働状況を分析した上で、該繊維機械へのオペレーションを決定することが出来る。よって、オペレータの保全作業の精度と効率が向上し、本発明の繊維機械システムの生産効率は向上する。
【0010】
さらに、本発明の繊維機械システムは、以下のように構成される。前記各管理装置の前記表示部は、該管理装置が備えられた繊維機械が備える繊維処理ユニットの稼働データと、他の繊維機械が備える繊維処理ユニットの稼働データをと、同時に表示可能である。
【0011】
この構成により、本発明の繊維機械システムを構成する繊維機械では、管理装置の表示部を確認することで、自機台と他機台との稼働データが比較可能となる。これにより、オペレータは、該繊維処理ユニットの最寄りの管理画面で稼動データを確認可能となる。また、オペレータは、自機台の管理画面に表示された稼動データと、該繊維処理ユニットの実際の動作を比較しながら保全作業にあたることで、保全作業の精度と効率をより向上させることが出来る。
【0012】
さらに、本発明の繊維機械システムは、以下のように構成される。前記管理装置が収集及び管理する稼働データは、前記繊維処理ユニットの稼働効率に関するデータを含む。前記表示部は、複数の繊維機械の繊維処理ユニットの稼働効率に関するデータを同時に表示可能である。
【0013】
この構成により、本発明の繊維機械システムでは、複数の繊維機械を構成する繊維処理ユニットの稼働効率を一覧で比較しつつ、確認することが可能となる。これによりオペレータは、各繊維機械が備える各管理装置を確認して稼動効率を把握する必要がなくなる。よって、オペレータは、稼働効率が低下している繊維処理ユニットをより正確かつ迅速に発見することが出来る。
【0014】
さらに、本発明の繊維機械システムは、以下のように構成される。前記管理装置が収集及び管理する稼働データは、前記繊維処理ユニットの動作不良に関するデータを含む。前記表示部は、動作不良が発生した繊維処理ユニットを一覧表示可能である。
【0015】
この構成により、本発明の繊維機械システムが設置された工場においては、工場内の動作不良が発生している繊維処理ユニットを一括表示することが出来る。これによりオペレータは、該工場内に設置された多数の繊維処理ユニットのいずれに対して、保全処理を行うべきかを迅速かつ正確に把握することが出来る。
【0016】
さらに、本発明の繊維機械システムは、以下のように構成される。前記管理装置は、前記繊維処理ユニットの動作不良に関するデータを動作不良の種類毎に分別し、動作不良が発生した前記繊維処理ユニットの数を動作不良の種類毎に集計して管理する。前記表示部は、前記動作不良の種類毎に、前記管理装置が集計した動作不良が発生した前記繊維処理ユニットの数を表示可能であることを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明の繊維機械システムでは、動作不良の種類毎に動作不良が発生した繊維処理ユニットの数を表示可能である。これにより、オペレータは動作不良の種類とその数を把握した上で、保全計画を立てて保全作業に臨むことが可能となる。よって、オペレータは、より効率的に保全作業を行うことが出来る。
【0018】
さらに、本発明の繊維機械システムは、以下のように構成される。前記管理装置が管理する稼働データは、前記繊維処理ユニットの糸処理条件設定データを含む。前記表示部は、複数の繊維機械の繊維処理ユニットの稼働の糸処理条件設定データを同時に表示可能である。
【0019】
この構成により、本発明の繊維機械システムが設置された工場においては、工場内の繊維機械で実施されている糸処理条件設定データを一括表示することが出来る。これによりオペレータは、該工場内で実施されている巻き取り作業を、正確かつ迅速に把握することが出来る。
【0020】
さらに、本発明の繊維機械システムは、以下のように構成される。前記管理装置は、複数の繊維機械のうち特定の繊維機械を選択し、該選択された特定の繊維機械に稼働データを送信する送信選択部を更に備える。
【0021】
この構成により、本発明の繊維機械システムが設置された工場においては、工場内の繊維の巻取条件データを統一することが出来る。また、工場内の繊維機械で実施されている糸処理条件設定データを比較した上で、設定変更が必要な繊維機械に糸処理条件設定データを送信する構成することで、該繊維機械システムでは、設定値変更漏れを防ぎ、意図しない巻取条件で繊維機械が稼動することを防止することが出来る。
【0022】
さらに、本発明の繊維機械システムは、以下のように構成される。前記繊維機械は自動ワインダである。
【0023】
これにより、複数の自動ワインダが設置された工場において、複数の自動ワインダの稼働データを効率的に比較することが可能となる。
【0024】
さらに、本発明の繊維機械システムは、以下のように構成される。前記繊維機械は空気精紡機である。
【0025】
これにより、複数の自動ワインダが設置された工場において、複数の空気精紡機の稼働データを効率的に比較することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の繊維機械システムが備える繊維機械の一実施形態に係る自動ワインダの正面概略図。
【図2】本発明の一実施形態に係る自動ワインダを備える繊維機械システムの概念図。
【図3】管理装置の設定画面を表示したタッチパネルディスプレイの正面図。
【図4】複数の繊維機械の稼動データを表示したタッチパネルディスプレイの正面図。
【図5】複数の繊維機械の稼動効率を表示したタッチパネルディスプレイの正面図。
【図6】動作不良が発生した巻取ユニット一覧を表示したタッチパネルディスプレイの正面図。
【図7】他の繊維機械の管理装置に、該繊維機械の糸処理条件設定データを送信する画面を表示したタッチパネルディスプレイの正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る繊維機械システムが備える繊維機械の一実施形態に係る自動ワインダの概略的な構成を示している。
【0028】
図1に示すように、自動ワインダ60は、管理装置11と、並べて配置された複数の巻取ユニット(繊維処理ユニット)16と、給糸ボビン供給装置52と、自動玉揚装置51と、を備えている。
【0029】
給糸ボビン供給装置52は、各巻取ユニット16に対し、給糸ボビン21を図略の供給経路に沿って搬送して供給するように構成されている。自動玉揚装置51は、各巻取ユニット16においてパッケージ30が満巻となった際に、当該巻取ユニット16の位置まで走行し、当該満巻パッケージを回収するとともに空ボビンを供給することが出来るように構成されている。また、前記給糸ボビン供給装置52と自動玉揚装置51の動作は、機台管理装置11によって制御されている。
【0030】
それぞれの巻取ユニット16は、給糸ボビン21から解舒された糸20を綾振ドラム41によって綾振りしながらボビンに巻き取り、パッケージ30を形成出来るように構成されている。また、巻取ユニット16は、走行する糸20の太さ等を監視するクリアラ(糸品質測定器)42及び切れた糸を継ぎ合わせるスプライサ39を備える。巻取ユニット16は、クリアラ42が糸20の欠陥を検出したときは、糸の巻き取りを中断して糸20を切断して欠陥部分を除去しスプライサ39で糸端を継ぎ合わせた後に、糸の巻き取りを再開可能に構成されている。また、巻取ユニット16には、巻取ユニット16の動作不良時に点灯する発光部が設けられている。
【0031】
それぞれの前記巻取ユニット16はユニット制御部50を備えている。このユニット制御部50は、図略のCPU(中央演算処理装置)と、ROM(リードオンリーメモリ)と、を備えている。前記ROMには、巻取ユニット16の各構成(例えば綾振ドラム41等)を制御するための制御プログラムが記憶されている。前記CPUは、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、前記各構成を制御して適切に糸の巻き取りを行うことが出来るように構成されている。
【0032】
次に管理装置11の構成について、説明する。管理装置11は、タッチパネルディスプレイ13(表示部)と、入力キー14と、を備えている。また、管理装置11は、管理装置CPU63と、ROMと、通信部62と、時計部と、を備えている。
【0033】
前記タッチパネルディスプレイ13と入力キー14は、管理装置CPU63に接続されている。また、タッチパネルディスプレイ13は、ユニット制御部50より受信した稼働データを画面表示として出力する表示部と、オペレータの各種入力操作を受ける設定部と、の機能を兼ね備えている。
【0034】
管理装置11のROMは、給糸ボビン供給装置52と、自動玉揚装置51と、各巻取ユニット16との動作を制御するための制御プログラムが記憶されている。自動ワインダ60は、管理装置11のROMに記憶された制御プログラムを実行することで、前記巻取ユニット16と給糸ボビン管理装置52と自動玉揚装置51の動作を制御し、適切に糸の巻き取りを実行出来るように構成されている。
【0035】
管理装置11の通信部62は、給糸ボビン供給装置52と、自動玉揚装置51と、各ユニット制御部50とは、機台内通信路90を介して前記管理装置11に接続され、情報の送受信が可能に構成されている。この構成により、管理装置11は、給糸ボビン供給装置52と、自動玉揚装置51と、各ユニット制御部50との間で、給糸ボビン供給装置52と、自動玉揚装置51と巻取ユニット16の稼働データを送受することが出来る。つまり、この構成により管理装置11は、各巻取ユニット16の稼働データを収集し管理することが出来る。
【0036】
管理装置11の時計部は、自動ワインダ60の稼働時間及び自動ワインダ60を構成する各巻取ユニット16、給糸ボビン供給装置52及び自動玉揚機51の稼働時間及び停止時間を記憶している。
【0037】
機台管理装置11がユニット制御部50から収集する巻取ユニット16の稼働データの一種として、当該巻取ユニット16における現在の糸巻き取り状況に関するデータがある。前記の糸巻き取り状況データとしては、例えば、現在のパッケージ径、現在の巻き取り速度、糸切れの発生状況、糸欠陥の検知状況、巻取ユニットの動作不良を示す発光部の点灯率などがある。
【0038】
管理装置11の管理装置CPU63は、自動ワインダ60が備える各巻取ユニット16から収集した糸巻き取り状況データを集積して一定の演算をすることによって、自動ワインダ60全体の稼働状況に関するデータを演算する。管理装置11の管理装置CPU63が演算可能な自動ワインダ60全体の稼動値に関するデータとしては、各巻取ユニット16の稼動効率を平均することによって算出される、自動ワインダ60全体の稼動効率がある。
【0039】
管理装置11の時計部は、自動ワインダ60の稼働時間及び給糸ボビン供給装置52の停止時間を記憶している。そして、管理装置11の管理装置CPU63は、各巻取ユニット16から受信した巻き取り時間の平均巻き取り時間を算出する。更に、管理装置11の管理装置CPU63は、平均巻き取り時間を、稼働時間から給糸ボビン供給装置52の停止時間を減じた値で除し、100を乗じることで自動ワインダ60の稼働効率を算出する。
【0040】
上記では、自動ワインダ60の稼働効率を例に挙げて、管理装置11の管理装置CPU63が各巻取ユニット16から収集した糸巻き取り状況データから自動ワインダ60全体の稼働状況に関するデータを演算する方法を記載したが、演算可能な値はこれに限らない。管理装置11の管理装置CPU63が演算可能な値としては、例えば、スプライサ39の糸継ミス率、自動玉揚機51の玉揚作業成功率、給糸ボビン供給装置52の満玉排出率、給糸ボビン供給装置52の口出し成功率、テンション切れ率等がある。このように、管理装置11の管理装置CPU63は、自動ワインダ60を構成する各構成に関する稼働データから、自動ワインダ60全体の稼働状況に関するデータを演算可能に構成されている。
【0041】
管理装置11は巻取ユニット16に対して、稼働データの一種である各種の糸処理条件設定データを送信し、当該巻取条件を設定することが出来る。前記の糸処理条件設定データとしては、例えば、巻き取り速度、番手、巻き取り張力、巻き取りパッケージの巻き取り量、パッケージ重量、糸欠陥に関する項目などがある。
【0042】
オペレータは適宜の操作によってタッチパネルディスプレイ13に巻取条件設定メニューを表示させ、入力キー14により数値入力を行うことによって巻取条件を設定することが出来る。なお、糸処理条件設定データは、各巻取ユニット16を個別に指定して送信することも出来るし、全ての巻取ユニット16に対し一括して送信することも出来る。
【0043】
機台管理装置11は前記タッチパネルディスプレイ13に、刻々と変化する前記糸巻き取り状況情報をリアルタイムで表示出来るように構成されている。また、機台管理装置11は糸巻き取り状況情報の過去の履歴を記憶可能に構成されており、例えば糸欠陥の発生頻度を時間軸に沿ってプロットしたグラフをタッチパネルディスプレイ13に表示することが出来る。更に、機台管理装置11は糸巻き取り状況情報の履歴を解析して統計情報を算出出来るように構成されており、例えば各巻取ユニット16の巻き取り効率や、一定期間内の糸切れ発生回数等を算出してタッチパネルディスプレイ13に表示させることが出来る。
【0044】
なお、以下の説明では、以上に説明した糸処理条件設定データ、糸巻き取り状況情報、過去の履歴、及び統計情報をまとめて「稼働データ」と称することがある。このように、オペレータは複数の巻取ユニット16の稼働データを機台管理装置11によって一括して設定又は閲覧出来るので、自動ワインダ60の管理を効率良く行うことが出来る。
【0045】
次に、本発明の一実施形態に係る自動ワインダシステムについて説明する。図2は、前述の自動ワインダ60を複数備えて構成される自動ワインダシステム(繊維機械システム)70の概念図である。尚、紙面の都合上、繊維機械の数は4つとしているが、これに限るものではない。一般的には、繊維機械工場には、50台あまりの繊維機械が設置される。一般的に、一つの機台管理装置11は60錐から80錐程度の巻取ユニットを備える。
【0046】
図2の矢印で示すように、この自動ワインダシステム70では、複数の自動ワインダ60によって、自動ワインダの稼働データの送受信が可能なネットワークが形成されている。この自動ワインダの稼働データの送受信は、複数の自動ワインダ60を接続する機台外通信路96によって実現されている。なお、図2で示す複数の自動ワインダ60には、それぞれの自動ワインダを特定して示すために符号60(1), 60(2), 60(3),・・・ 60(50)が付されており、以降では、この符号に従って自動ワインダを特定して説明することがある。また、図4から図7に示す機台番号とは、自動ワインダを特定して示す為の番号であり、以下では、自動ワインダ1号機を60(1)、自動ワインダ2号機を60(2)、自動ワインダ3号機を60(3),・・・自動ワインダ50号機を60(50)の符号を付して示すことがある。
【0047】
自動ワインダの管理装置11は、機台外通信路96を通じて他の自動ワインダ60の管理装置11と通信可能に接続されている。この構成により、複数の自動ワインダ60は相互に通信可能であり、他の自動ワインダ60に記憶された稼働データを取得可能に構成されている。
【0048】
実際の繊維工場内においては、図2に示すように、複数の自動ワインダ60(機台)が並列に配置されるのが通常である。また、数十台の機台を備えた規模の工場では、例えば機台間の距離を約2mとした場合、図2の紙面縦方向における機台設置スペースの距離が100mを超えることもある。この点、本実施形態の自動ワインダは、工場内に設置された自動ワインダ60同士が相互に通信可能に構成されている為、自動ワインダ60の動作状態の確認及び設定変更する作業を行う際にオペレータは、各ワインダ60の前に移動する必要がない。
【0049】
また、複数の自動ワインダは、相互に通信可能に構成されていることで、特定のホストコンピュータやアクセスポイントを設置する必要が無く、直接的に相互通信可能な(いわゆるアドホックな)ネットワークを構築することが出来る。従って、本実施形態の各自動ワインダ60同士は、稼働データの送受信を直接的に行うことが出来る。
【0050】
更に、管理装置11のタッチパネルディスプレイ13は適宜の操作をされることにより、他の自動ワインダ60の管理装置11に記憶された他の自動ワインダの稼働データを表示可能に構成されている。以下では、自動ワインダ61(1)の管理装置11(1)に、複数の繊維機械60(1), 60(2), 60(3),・・・ 60(50)の巻取ユニットの稼働データを同時に表示するモード(以下、複数機台比較モード)について図3から図7を用いて説明する。
【0051】
図3は、自動ワインダ60の管理装置11の設定画面を表示したタッチパネルディスプレイ13である。以下では、図3から図7に記載のタッチパネルディスプレイ13を、自動ワインダ60(1)の管理画面11(1)と想定して説明を行う。設定画面を表示したタッチパネルディスプレイ13には、設定部206と、画面切替タブ212と、が表示される。設定部206は、自動ワインダの識別番号を設定する機台番号設定部200と、ネットワークアドレスであるIPアドレスを設定するIPアドレス設定部202と、サブネットマスク設定部204を有する。設定部206は、この他にも、使用言語、年月日、時刻、使用工場名、ゲートウェイ等、一般的な値を設定可能に構成されている。画面切替タブ212は、設定画面タブ208と複数機台比較タブ210と、で構成される。設定画面タブ208は、図3に示す管理装置11の設定画面が、複数機台比較タブ210は、図4から図7に示す、複数の繊維機械の稼働データを同時に表示する管理装置11の画面が、割り当てられている。
【0052】
オペレータは、入力キー14若しくはタッチパネルディスプレイ13に対して適宜の操作を行うことにより、画面切替タブ212のうち設定画面タブ208を選択し、更に、タッチパネルディスプレイ13の設定部206に、使用言語、年月日、時刻、使用工場名、機台番号、IPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ等の値を入力する。この画面において、機台番号200とIPアドレス202とを、繊維工場内に設置された他の自動ワインダ60(2), 60(3),・・・ 60(50)とは異なる値とし、かつ、サブネットマスク204を繊維工場内に設置された他の自動ワインダ60(2), 60(3),・・・ 60(50)と共通の値とすることにより、自動ワインダ60(1)の管理装置11(1)は他の自動ワインダ60(2), 60(3),・・・ 60(50)の管理装置11(2), 11(3), ・・・ 11(50)と稼働データを送受信可能に設定される。
【0053】
上記設定を行なった後、オペレータは、画面切替タブ212のうち複数機台比較タブ210を選択する。これにより、タッチパネルディスプレイ13は、図4から図7に示すように該自動ワインダシステム70が備える複数の自動ワインダ60の稼働データを比較表示する複数機台比較モードへと移行する。尚、複数機台比較モードは、複数の自動ワインダ60の稼働データを比較表示するデータ閲覧モードと、特定の自動ワインダ60の巻取条件(糸処理条件)を他の自動ワインダ60へとコピーする巻取条件コピーモードとがある。
【0054】
図4から図7に示す複数機台比較モードの画面には、いずれも、データ閲覧タブ220と巻取条件コピータブ222とが設けられている。データ閲覧タブ220は、複数の自動ワインダ60の稼働データを比較表示する画面に割り付けられている。巻取条件コピータブ222は、特定の自動ワインダ60の巻取条件を他の自動ワインダ60へとコピーする巻取条件コピーモード画面に割り付けられている。オペレータは、データ閲覧タブ220と巻取条件コピータブ222とを切替えることで、閲覧モードと巻取条件コピーモードとを切替えることが出来る。図4から図6を用いて、データ閲覧モードについて説明する。
【0055】
図4は、複数の自動ワインダ60の稼働データを比較表示する画面の一例である。複数の自動ワインダ60の稼働データを比較表示する画面は、稼働データ一覧エリア224と、スクロールエリア218と、比較機台入力部214と、稼働データ抽出エリア217と、データ取得/更新ボタン216と、データ閲覧モード切替えボタン220と、で構成される。
【0056】
稼働データ一覧エリア224には、該自動ワインダシステム70を構成する複数の自動ワインダ60の稼働データが一覧表示される。稼働データ一覧エリア224には、機台番号と、各機台の稼働データがリストアップされる。
【0057】
スクロールエリア218は、稼働データ一覧エリア224の複数の機台番号が並べられた方向(図面4の上下方向)及び、複数の稼働データが並べられた方向(図面4の左右方向)に設けられている。図4の稼働データ一覧エリア224には、自動ワインダ1号機60(1)から自動ワインダ5号機までの稼働データが表示されているが、オペレータは、スクロールエリア218を上下方向にスクロール操作することによって、例えば、自動ワインダ50号機60(50)等、これら以外の自動ワインダの稼働データを閲覧することが出来る。また、図4には、稼働データとして、巻き取り速度と糸継ミス率と玉揚動作成功率とが表示されているが、オペレータは、スクロールエリア218を左右方向にスクロール操作することによって、他の種類の稼働データを閲覧することが出来る。他の種類の稼働データとは、例えば、自動ワインダ60の生産効率、給糸ボビン供給装置52に糸が巻かれた給糸ボビンが戻ってきた割合、給糸ボビン供給装置52が給糸ボビンの糸端を給糸ボビン上端部に配置させる口出し作業の成功率等の値がある。
【0058】
比較機台入力部214は、該自動ワインダシステム70を構成する複数の自動ワインダ60(1)から60(50)のいずれかの機台番号を入力可能に構成されている。稼働データ抽出エリア217は、2台の自動ワインダ60の稼働データを並べて表示可能に構成されている。データ取得/更新ボタン216は、操作されることによって、操作された時点の自動ワインダ60の稼働データを取得可能に構成されている。データ閲覧モード切替えボタン220は、タッチパネルディスプレイ13の表示を、図5及び図6に示す他のデータ閲覧モードに切替える為のボタンである。
【0059】
以上の構成でオペレータが、比較機台番号入力部214に任意の機台番号を入力すると、該機台番号が、稼働データ抽出エリアの上段に表示される。そして、稼働データ一覧エリア224に表示されているリスト一覧のうち、比較機台番号入力部214に機台番号を入力した自動ワインダと稼働デ−タを比較したい自動ワインダ60の機台番号を、選択する。そして、データ取得/更新ボタン216を操作することで、稼働データ抽出エリア217に、これら2台の自動ワインダ60の稼働データが並べて表示される。尚、図4では、自動ワインダ2号機の稼働データに対して、自動ワインダ3号機と自動ワインダ15号機の稼働データが比較表示されている。
【0060】
上記のように、本発明の自動ワインダシステム70の管理装置11の表示部13では、複数の自動ワインダ60の稼働データを同時に表示可能である。よって、本発明の自動ワインダシステム70が設置された工場においては、複数の繊維機械の稼働データが比較可能となる。これにより、オペレータは、複数の自動ワインダ70の稼動データの比較に基づいて、該自動ワインダの稼働状況を分析した上で、自動ワインダ70へのオペレーションを決定することが出来る。よって、オペレータの保全作業の精度と効率が向上し、本発明の自動ワインダシステム70の生産効率は向上する。
【0061】
また、図4の比較機台番号入力部214に、自機台の機台番号を入力することで、自機台の稼働データと他機台の稼働データとを比較することができる。これによって、本発明の自動ワインダシステム70を構成する自動ワインダ60では、管理装置11の表示部13を確認することで、自機台と他機台との稼働データが比較可能となる。これにより、オペレータは、該巻取ユニット16の最寄りの管理画面で稼動データを確認可能となる。また、オペレータは、自機台の管理画面11に表示された稼動データと、該巻取ユニット16の実際の動作を比較しながら保全作業にあたることで、保全作業の精度と効率をより向上させることが出来る。
【0062】
また、稼働データ一覧エリア224及びに表示される稼働データは、例えば、2分周期等、定期的に自動更新されるが、オペレータは、データ取得/更新ボタン216を操作することによって、稼働データが自動更新されるのを待つことなく、最新の稼働データを閲覧することが出来る。図4に示す複数の自動ワインダ60の稼働データを比較表示する画面から、データ閲覧モード切替えボタン220を操作することで、タッチパネルディスプレイの表示は図5又は図6に示す画面へと移行する。
【0063】
図5は、自動ワインダシステム70を構成する複数の自動ワインダのうち、自動ワインダ1号機60(1)から自動ワインダ20号機の稼働効率一覧表示画面である。稼働効率一覧表示画面は、稼働効率一覧エリア226を備える。オペレータが、データ閲覧モード切替えボタン220を選択することで、管理装置11の管理装置CPU63は、自動ワインダシステム70を構成する全ての自動ワインダ60の管理装置11から、稼働効率に関する稼働データを収集し、グラフ化して一覧表示する。尚、紙面の都合上、図5では自動ワインダ1号機から20号機までの稼働効率を一覧表示しているが、自動ワインダの機台数はこれに限らない。例えば、多数の自動ワインダを備える自動ワインダシステムを対象とする表示画面の場合等、画面構成状、全ての自動ワインダの稼働状況を一画面で表示することが難しい場合には、機台番号の並んでいる方向にスクロールエリアを設け、該スクロールエリアをスクロールすることで自動ワインダシステム70を構成する全ての自動ワインダの稼働データを閲覧可能としてもよい。
【0064】
上記の構成により、オペレータは、自動ワインダシステム70を構成する自動ワインダ60のうち、いずれの自動ワインダ60の稼働効率が低下しているのか、視覚的に比較可能となる。その為、自動ワインダシステム70を構成する自動ワインダ60の状況をより明確かつ迅速に把握可能となり、早期に自動ワインダシステム70の生産効率向上の為に必要なオペレーションに移行することが出来る。
【0065】
図6は、動作不良巻取ユニットの一覧表示画面である。オペレータは、データ閲覧モード切替えボタン220を操作することで、自動ワインダシステムを構成する繊維機械の管理装置から、該管理装置が統括する巻取ユニットのうち、動作不良のアラームが発生している巻取ユニットのユニット番号に関するデータを収集し表示する。図6では、自動ワインダ1号機の巻取ユニット10番と50番と24番、及び自動ワインダ6号機の巻取ユニット40番、自動ワインダ11号機の巻取ユニット13番と60番に、動作不良が発生していることを表示している。
【0066】
上記の構成により、オペレータは、自動ワインダシステムを構成する巻取ユニットのうち、いずれの巻取ユニットで動作不良が発生しているのかを、一画面を確認することで把握することが出来る。その為、オペレータは、繊維機械向上のレイアウトを考慮した上で、優先順位をつけて保全の道筋を計画することが出来るので、効率的に保全作業を実施することが出来る。よって、本実施形態の自動ワインダシステムでは、生産効率が向上する。
【0067】
図7は、繊維機械で実行されている糸処理条件設定データの一覧表示画面である。オペレータがデータ閲覧モード切替えボタン220を操作することで、管理装置11の管理装置CPU63は、他の繊維機械の管理装置11に対して、該繊維機械の管理装置11が記憶している糸処理条件設定データの送信を要求する要求信号を送信する。該要求信号を受信した管理装置11は、該管理装置のROMに記憶された現在実施している巻取条件を、要求信号を発信した管理装置11に対して発信する。該要求信号を発信した自動ワインダの管理装置は、他の繊維機械管理装置11から受信した巻取条件を表として一覧表示する。
【0068】
この構成により、オペレータは、該自動ワインダシステムで実施されている巻き取り作業の内容を一覧で把握することが出来る。これにより、オペレータは、該自動ワインダシステムで意図した内容で巻き取り作業が行われているのか否かを容易に把握することが出来るとともに、不適切な巻き取り作業を行なっている自動ワインダを早期に発見し、是正処置を取ることが出来る。
【0069】
次に、図7を用いて、他の繊維機械の管理装置に設定値を送信する手順を説明する。図7は、他の繊維機器の管理装置に、該繊維機械の設定値を送信する画面である。設定画面は、送信データ設定エリア230と受信機台番号設定エリア234と、コピーボタン232と、が設けられている。送信データ設定エリア230には、該管理装置11の管理装置CPU63に記録されている巻取条件が一覧表示されている。受信機台番号設定エリア234には、該自動ワインダシステム70を構成する自動ワインダ60の機台番号が一覧表示されている。前記巻取条件の一覧及び繊維機械番号一覧の横には適宜のチェックボックスが設けられている。
【0070】
まず、オペレータは巻取条件コピーボタン222を操作することで、図7に示す設定画面を呼び出す。次に、送信データ設定エリア200に表示された巻取条件一覧のうち、他の自動ワインダ60にコピーを実施したい巻取条件を選択する。次に、受信データ設定エリア202に表示された自動ワインダ60の機台番号一覧から、コピーを実施したい自動ワインダを選択し、コピーボタン232を選択することで、巻き取り設定値を送信することが出来る。
【0071】
図7では、送信したい設定値として設定値「綿40」と「綿50」が、該設定値を受信したい機台として自動ワインダ1号機と自動ワインダ2号機と自動ワインダ8号機とが選択されている。尚、全選択ボタン236(b)により、該管理装置11の管理装置CPU63に記録されている巻取条件を全て送信することも可能である。また、一括選択ボタン236(a)により、該自動ワインダシステム70を構成する全ての自動ワインダ60が巻取条件設定値を受信することも可能である。
【0072】
この構成により、オペレータは、自動ワインダシステム70を構成する自動ワインダ60一台一台に対して、巻き取り設定値を設定する必要がなくなる。更に、同じ設定値名で他の巻き取り作業内容が実施されるということを防止することが出来る。
【0073】
また、本実施形態の自動ワインダシステム70では、自動ワインダ60の間で稼働データを累積的に送信することが可能であるように構成されている。具体的には、ある自動ワインダ60が隣接する他の自動ワインダ60の稼働データを受信した後、更に他の隣接する自動ワインダ60に当該情報を送信する際に、自身が管理している稼働データを前記稼働データに付加して送信することが出来る。
【0074】
従って、各自動ワインダ60の間で送受信するたびに最新の情報が付加されるので、自動的に情報の収集/更新が行われ、互いに最新の情報を共有することが出来る。これにより、例えば中央サーバのような装置を設けて情報を一元管理する必要なく、自動ワインダシステム70に含まれる自動ワインダ60間で稼働データの共有を効率良く実現することが出来る。但し、少なくとも1以上の自動ワインダ60を集中管理装置として、通信可能に接続された自動ワインダ60の情報を特定箇所にて集中管理することも可能である。
【0075】
具体的には、例えば、複数の自動ワインダ60に同一の巻取条件を送信することにより、当該巻取条件を一括して設定することが可能である。また、上記の稼働データの送受信により、全ての機台の糸巻き取り状況情報や統計情報を、任意の自動ワインダ60のタッチパネルディスプレイ13で適宜モニタすることが出来る。そのため、例えば、自動ワインダ60(2)に備えられたX番目の巻取ユニット16のパッケージ生成効率が悪い、といった情報を、オペレータは当該自動ワインダ60(2)の設置場所まで行くことなく、最寄りの自動ワインダ60のタッチパネルディスプレイ13に表示させて確認することが出来る。
【0076】
以上に本発明の好適な実施形態について説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することが出来る。
【0077】
上記で説明した稼働データは一例であって、上記以外の情報を自動ワインダ間で通信しても良いことは勿論である。また、稼働データの一部のみ通信を行い、他の情報は通信しないという構成でも良い。例えば、巻取条件のみ自動ワインダ60間で通信を行う、という構成に変更出来る。
【0078】
給糸ボビン供給装置52及び自動玉揚装置51は、省略又は変更することが出来る。例えば、給糸ボビン供給装置52によって給糸ボビン21を供給する構成に代えて、各巻取ユニット16の前面にマガジン式のボビン供給装置を設ける構成に変更出来る。
【0079】
図3のフローは情報を送信する際に実行する構成に代えて、例えば定期的に実行する構成に変更することが出来る。
【0080】
繊維機械は自動ワインダに限らず、例えば、少なくとも1つの紡績ユニットを備えた紡績機としても良い。この場合は、各紡績ユニットに関する紡績情報を他の紡績機との間で送受信することになる。
【0081】
また、同じ種類の機台同士の通信に限らず、例えば、複数の自動ワインダと複数の紡績機とを含んだ繊維機械システムとして構築しても良い。このように構成すれば、糸の紡績からパッケージ生成まで、一貫して情報を管理することが出来る。
【0082】
また、上記実施例では、各自動ワインダ60を有線の機台外通信路96によって接続することで通信可能としているが、例えば特開2009−242029号公報に記載の繊維機械システムのように、各繊維機械を無線通信で接続する構成としてもよい。
【0083】
また、上記実施例では、自動ワインダ60が備える各巻取ユニット16と管理装置11とを有線の機台内通信路90によって接続することで通信可能としているが、繊維処理ユニットを管理装置とを無線通信で接続する構成としてもよい。
【0084】
また、上記実施例では、巻取ユニット16の稼働時間及び停止時間を、管理装置11の時計部が記憶しているが、巻取ユニット16の時間を計測する主体はこれに限らない。例えば、各巻取ユニット制御部50が時計部を備え、各巻取ユニット16が自身の稼働時間及び停止時願を計測し、該計測結果を管理装置11に送信する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0085】
11 機台管理装置(管理装置)
13 タッチパネルディスプレイ
14 入力キー
16 巻取ユニット(繊維処理ユニット)
60 自動ワインダ(繊維機械)
70 自動ワインダシステム(繊維機械システム)
62 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維機械を備え、
各繊維機械は、
少なくとも1つの繊維処理ユニットと、
前記繊維処理ユニットの稼働データを収集及び管理する管理装置と、を備え、
前記各管理装置は、
繊維処理ユニットの稼働データを表示する表示部と、
他の繊維機械の管理装置と前記稼働データを送受信する通信部と、を有し、
前記表示部は、複数の繊維機械の繊維処理ユニットの稼働データを、同時に表示可能であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項2】
請求項1に記載の繊維機械システムであって、
前記各管理装置の前記表示部は、該管理装置が備えられた繊維機械が備える繊維処理ユニットの稼働データと、他の繊維機械が備える繊維処理ユニットの稼働データをと、同時に表示可能であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項3】
請求項1記載の繊維機械システムであって、
前記管理装置が収集及び管理する稼働データは、前記繊維処理ユニットの稼働効率に関するデータを含み、
前記表示部は、複数の繊維機械の繊維処理ユニットの稼働効率に関するデータを同時に表示可能であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項4】
請求項1記載の繊維機械システムであって、
前記管理装置が収集及び管理する稼働データは、前記繊維処理ユニットの動作不良に関するデータを含み、
前記表示部は、動作不良が発生した繊維処理ユニットを一覧表示可能であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項5】
請求項4に記載の繊維機械システムであって、
前記管理装置は、前記繊維処理ユニットの動作不良に関するデータを動作不良の種類毎に分別し、動作不良が発生した前記繊維処理ユニットの数を動作不良の種類毎に集計して管理し、
前記表示部は、前記動作不良の種類毎に、前記管理装置が集計した動作不良が発生した前記繊維処理ユニットの数を表示可能であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項6】
請求項1に記載の繊維機械システムであって、
前記管理装置が管理する稼働データは、前記繊維処理ユニットの糸処理条件設定データを含み、
前記表示部は、複数の繊維機械の繊維処理ユニットの稼働の糸処理条件設定データを同時に表示可能であることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の繊維機械システムであって、
前記管理装置は、
複数の繊維機械のうち特定の繊維機械を選択し、該選択された特定の繊維機械に稼働データを送信する送信選択部を更に備えることを特徴とする繊維機械システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の繊維機械システムであって、
前記繊維機械は自動ワインダであることを特徴とする。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかの記載の繊維機械システムであって、
前記繊維機械は空気精紡機であることを特徴とする繊維機械システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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