説明

繊維用洗浄剤組成物

【課題】 ダストコントロール製品等の繊維製品に対して、優れた洗浄性と再汚染防止性を発揮する繊維用洗浄剤を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表されるアミノ基含有量が0.40〜3.30mmol/gである非イオン界面活性剤(A)と、カルボキシル基含有量が10〜14mmol/gのカルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)を必須成分とする繊維用洗浄剤であり、さらに(A)のアミノ基/(B)のカルボキシル基との当量比を40/60〜60/40とする。
【化1】
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基もしくはアルケニル基;AOとA2Oはそれぞれ独立にオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基を表す。mとnは、m+nが4〜50となる正の数である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品用洗浄剤に関し、特に、エアコン用または空気清浄機用フィルター、フロアクリーニング用モップ、フロアマットなどに代表されるダストコントロール製品に付着したダスト、泥汚れ、糸くず、無機汚れ、油汚れなどの洗浄に好適な洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダストコントロール製品などの繊維製品のための洗浄剤において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン界面活性剤が用いられる。
ここでダストコントロール製品とは、一般に、ダストコントロール業者から顧客に貸し出され、使用後に顧客から回収され、洗浄した後に再び新品として貸し出される、モップ、マット、エアコンフィルターなどの製品である。
【0003】
モップやマットに代表されるダストコントロール製品は、吸着剤としての油剤が付与された製品表面の払拭部で、ホコリや汚れを捕捉するものであり、上記の洗浄後に、オイルを付着させて製品化される。そのため、回収後の洗浄時には、使用時に捕集保持された汚れと製品化時、吸着剤として付与した油剤の両方を除去することが求められている。
【0004】
例えば、ダストコントロール製品に用いられる洗浄剤として、無機アルカリ剤とオキシエチレン基とオキシプロピレン基を含有する非イオン界面活性剤の組合せ(特許文献1)、スチレン化フェノールのエチレンオキサイド付加物と非イオン界面活性剤の組合せ洗浄剤(特許文献2)が提案されている。
【0005】
このように従来、ダストコントロール製品などの繊維製品の洗浄剤に用いられるエチレンオキサイド付加型のエーテル系非イオン界面活性剤としては、アルキル基又はアルケニル基を有するアルコールをベースとしたもの、および芳香族環を有するスチレン化フェノールをベースとしたものが繊維製品の洗浄には用いられてきた。しかし、これら非イオン界面活性剤ではダストコントロール製品に付着したダスト、泥汚れ、糸くず、無機汚れ、油汚れの洗浄性、および再汚染の防止に関して、いずれも満足できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−244591号公報
【特許文献2】特開2008−75211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ダストコントロール製品等の繊維製品に対して、優れた洗浄性と再汚染防止性を発揮する繊維用洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のポリオキシアルキレンアミンと特定のカルボキシル基含有オリゴマーの金属塩を特定の比率で配合した洗浄剤組成物がこれらの課題に対し有効であることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアミノ基含有量が0.40〜3.30mmol/gである非イオン界面活性剤(A)と、カルボキシル基含有量が10〜14mmol/gのカルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)を必須成分とし、(A)/のアミノ基/(B)のカルボキシル基との当量比が40/60〜60/40であることを特徴とする繊維用洗浄剤組成物である。
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基もしくはアルケニル基;AOとA2Oはそれぞれ独立にオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基を表す。mとnは、m+nが4〜50となる正の数である。]
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ダストコントロール製品等の繊維製品に対して、優れた洗浄性、再汚染防止性を発揮する繊維用洗浄剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の繊維用洗浄剤組成物は、下記一般式(1)で表されるアミノ基含有量が0.40〜3.30mmol/gである非イオン界面活性剤(A)と、カルボキシル基含有量が10〜14mmol/gのカルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)を必須成分とする。さらに組成物中の(A)のアミノ基/(B)のカルボキシル基との当量比が40/60〜60/40である。
【0014】
【化2】

【0015】
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基もしくはアルケニル基であり、またAOおよびA2Oはそれぞれ独立にオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基、さらにmおよびnは、m+nが4〜50となる正の数である。]
【0016】
本発明における非イオン界面活性剤(A)のアミン基含有量は、以下のように測定されるものである。
【0017】
<アミン基含有量の測定方法>
非イオン界面活性剤(A)を0.2〜3.0gとり、酢酸50mLに溶解させる。その後、1/10N過塩素酸‐酢酸溶液で電位差自動滴定装置を使用し電位差滴定して、終点の滴定量をもとに、以下の算出式でアミノ基含有量を算出する。
アミノ基含有量(mmol/g)=(A×f)/(10×S)
ただし、A:滴定量(ml)
f:1/10N過塩素酸‐酢酸溶液の力価
S:試料採取(g)
【0018】
非イオン界面活性剤(A)のアミノ基含有量は、通常0.40〜3.30mmol/g、好ましくは0.50〜3.00mmol/g、さらに好ましくは0.60〜2.50mmol/gである。0.40mmol/g未満では水溶性が高くなり、洗浄性が低下する。一方、3.30mmol/gを超えると水溶性が低くなり水に不溶性となる。
【0019】
一般式(1)中のRは、炭素数8〜24のアルキル基もしくはアルケニル基であり、好ましくは炭素数8〜20、さらに好ましくは炭素数8〜18のアルキル基もしくはアルケニル基である。
具体的には、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基などである。
天然物由来の原料アミンを用いる場合は、これらは二種以上の炭素数に分布を有する混合アルキル基でもよい。
【0020】
式(1)中のAO、A2Oは、それぞれ独立にオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基を表し、具体的には、オキシエチレン基単独、またはオキシエチレン基とオキシプロピレン基の併用である。
これらは、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)の付加、またはEOとプロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)をブロック状またはランダム状に付加して得られる。
【0021】
式(1)中のm、nは、EOとPOの合計付加モル数であり、m+n は、通常4〜50、好ましくは6〜40、さらに好ましくは8〜30である。
m+n が多いと洗浄性が低下し、少ないと水溶性が低くなり過ぎるため水に不溶性となる。
【0022】
非イオン界面活性剤(A)のオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン基の含有量は、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、最も好ましくは100重量%(オキシエチレン基単独)である。
オキシエチレン基の含有量が50重量%未満になると、水溶性が低くなり過ぎ、水に不溶性となる。
【0023】
本発明においておける非イオン界面活性剤(A)のオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン基の含有量は、H−NMR法により測定し算出されるものである。
<オキシエチレン基含有量の測定、算出方法>
使用するH−NMRの装置は、周波数300MHzのものを用いる。
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料菅に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。重水素化溶媒としては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化アセトン、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることの出来る溶媒を適宜選択する。
調製した試料を通常の条件でH−NMRを測定すると、ポリプロピレングリコール(PPG)のメチレン基由来の信号は1.0〜1.5ppmに観測され、PPGもしくはポリエチレングリコール(PEG)のメチレン基およびメチン基由来の信号が3.0〜4.0ppmに観測される。測定試料中におけるEOの含有量(%)は、次の計算式によって算出される。
オキシエチレン基含有量(%)=〔11×(E−P)〕/〔11×E+8×P〕×100
ただし、式中Eは3.0〜4.0ppmに観測されるメチン基由来の信号の積分値、Pは1.0〜1.5ppmに観測されるメチレン基由来の信号の積分値である。
【0024】
本発明におけるカルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)のカルボキシル基含有量は、以下のように測定されるものである。
<カルボキシル基含有量の測定方法>
カルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)を0.3g〜0.5gとり、水50mlで溶解させ、1/2Nの塩酸水溶液を滴下して、系内のpHを約3として、系中に存在するイオン型のカルボキシル基を全て分子型にする。
その後、1/10N水酸化カリウム‐メタノール溶液を用いて電位差滴定を行ない、第1変曲点から第2変曲点までの滴定量をもとに、以下の算出式でカルボキシル基含有量を算出する。
カルボキシル基含有量(mmol/g)=(A×f)/(10×S)
ただし、A:第1変曲点から第2変曲点までの滴定量(mL)
f:1/10N水酸化カリウムーメタノール溶液の力価
S:試料採取(g)
【0025】
カルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)のカルボキシル基含有量は、通常10〜14mmol/g、好ましくは12〜14mmol/gである。10mmol/g未満では汚れへの吸着性が低くなり、洗浄性が低下する、14mmol/gを超えると、再汚染防止性が低下する。
【0026】
本発明における繊維用洗浄剤組成物中の(A)のアミノ基/(B)のカルボキシル基との当量比は、通常40/60〜60/40、好ましくは45/55〜55/45、さらに好ましくは50/50((A)と(B)が当量)である。
(A)のアミノ基/(B)のカルボキシル基との当量比が、40/60未満では、非イオン界面活性剤(A)の含有量が低くなり、洗浄性が大幅に低下する。
一方、当量比が、60/40を超えると、カルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)の含有量が低くなり、再汚染防止性が大幅に低下する。
【0027】
本発明におけるカルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)のゲルマーミエーションクロマトグラフ(GPC)による数平均分子量は、通常2,000〜20,000、好ましくは3,000〜15,000である。
数平均分子量が、2,000未満では洗浄性、再汚染防止性がともに低下し、20,000を超えると洗浄性が低下する。
【0028】
本発明に用いられるカルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)は、アクリル酸の重合物のアルカリ金属塩であり、具体的には、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウムなどである。好ましくはポリアクリル酸ナトリウムである。
【0029】
本発明の繊維用洗浄剤は、繊維製品、特にエアコン用または空気清浄機用フィルター、フロアクリーニング用モップ、フロアマットなどに代表されるダストコントロール製品の洗浄剤として好適に使用できる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0031】
本発明の非イオン界面活性剤(A−1)〜(A−5)と比較のための非イオン界面活性剤(A’−1)を以下のようにして製造した。
【0032】
製造例1:
硬化牛脂アミン(ファーミン86T、花王株式会社製)259g(1.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド83.6g(1.9モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならないようにして、徐々に滴下した。約2時間の誘導期間を経て90〜110℃の範囲で温度コントロールを行ない、計5時間で反応させた。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサイド1.9モル付加物に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液4.2gを添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイド356.4g(8.1モル)をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならないようにして、温度を70〜90℃に温度コントロールし、5時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。さらに、170℃で3時間減圧(3kPa)にすることにより触媒を分解除去した。
得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサイド10モル付加物(A−1)のアミン基含有量は1.43mmol/gであった。
【0033】
製造例2:
ラウリルアミン(ファーミン20D、花王株式会社製)185g(1.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置換してから140℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイド88g(2.0モル)を徐々に滴下した。約1時間の誘導期間を経て130〜160℃の範囲で計3時間反応させた。滴下終了後、140℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行なった。
得られたラウリルアミンのエチレンオキサイド2.0モル付加物に水酸化カリウム2.0gを空気が入らないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した。エチレンオキサイド176g(4.0モル)を温度150℃にコントロールし、5時間かけて滴下した。滴下終了後、150℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
得られたラウリルアミンのエチレンオキサイド6モル付加物(A−2)のアミン基含有量は2.23mmol/gであった。
【0034】
製造例3:
製造例1の前半で、硬化牛脂アミン259g(1.0モル)をオクチルアミン(ファーミン08D、花王株式会社製)258g(2.0モル)に、またエチレンオキサイド83.6g(1.9モル)を176g(4.0モル、アミンに対して2.0当量)に代えた以外は同様にしてオクチルアミンのエチレンオキサイド2モル付加物を得た。
また後半で、エチレンオキサイド356.4g(8.1モル)を440g(10.0モル、アミンに対して5.0当量)に代える以外は同様の製造法でオクチルアミンのエチレンオキサイド7モル付加物(A−3)を得た。
得られたオクチルアミンのエチレンオキサイド7モル付加物(A−3)のアミン基含有量は2.29mmol/gであった。
【0035】
製造例4:
製造例1の前半で、硬化牛脂アミン259g(1.0モル)をココナットアミン(ファーミンCS、花王株式会社製)191g(1.0モル)に、またエチレンオキサイド83.6g(1.9モル)を88.0g(2.0モル)に代えた以外は同様にしてココナットアミンのエチレンオキサイド2モル付加物を得た。
また後半で、エチレンオキサイド356.4g(8.1モル)を1144.0g(26モル)に代える以外は同様の製造法でココナットアミンのエチレンオキサイド28モル付加物(A−4)を得た。
得られたココナットアミンのエチレンオキサイド28モル付加物(A−4)のアミン基含有量は0.71mmol/gであった。
【0036】
製造例5:
製造例2の前半で、ラウリルアミン185g(1.0モル)をココナットアミン(ファーミンCS、花王株式会社製)191g(1.0モル)に代えた以外は同様にしてココナットアミンのエチレンオキサイド2モル付加物を得た。
また後半で、エチレンオキサイド176g(4.0モル)をエチレンオキサイド792g(18.0モル)とプロピレンオキサイド464g(8.0モル)の混合物に代える以外は同様の製造法でココナットアミンのエチレンオキサイド20モル/プロピレンオキサイド8モル付加物(A−5)を得た。
得られたココナットアミンのエチレンオキサイド20モル/プロピレンオキサイド8モル付加物(A−5)のアミン基含有量は0.66mmol/gであった。
【0037】
比較製造例1:
製造例2の後半でエチレンオキサイド176g(4.0モル)を2552g(58.0モル)に代える以外は同様の製造法でラウリルアミンのエチレンオキサイド60モル付加物(A’−1)を得た。
得られたラウリルアミンのエチレンオキサイド60モル付加物(A’−1)のアミン基含有量は0.35mmol/gであった。
【0038】
カルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)としては、下記ポリアクリル酸ナトリウム(B−1)を使用した。
(B−1):ポリアクリル酸ナトリウム[三洋化成工業製キャリボンL−400(数平均分子量:8,000)、有効成分:43重量%、カルボキシル基含有量13.9mmol/g]
【0039】
製造例1〜5と比較製造例1で得られた非イオン界面活性剤と上記ポリカルボン酸ナトリウム(B−1)を水道水で希釈して配合した実施例1〜5および比較例1〜4の繊維用洗浄剤組成物と、ブランクとして水道水のみを用いた場合の洗浄性と再汚染防止性を下記の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
<洗浄性の評価方法>
ビル空調用に実際に3ケ月間使用したエアコンフィルター(長さ100cm、幅100cm、厚み0.2cm)から試験片(長さ5cm、幅6cm)を必要枚数切り出し、これを試験用フィルターとして用いた。実施例1〜5、比較例1〜4の組成の洗浄液、および水道水のみのブランクを1Lビーカーに入れ、40℃に温調した。
その中に試験用フィルターを浸漬させ、長さ5cmのマグネテックスターラーを用い、150rpmの攪拌速度で5分間撹拌を行い、洗浄を行った。
洗浄終了後、各フィルターを取り出し、水道水で充分すすぎを行い、50℃の乾燥器で1時間乾燥した。
乾燥後、分光測色計(MSC−1型、スガ試験機(株)製)を用いL値を測定した。
【0042】
<再汚染防止性の評価方法>
上記の実施例1〜5および比較例1〜4の洗浄性評価後の洗浄液に、試験用フィルターとして未使用のエアコンフィルタ−(長さ5cm、幅6cm)を浸漬させ、5分間上記の条件で攪拌を行った。
その後、フィルターを取り出し、すすぎ、乾燥した後、L値を測定した。
L値は、白色度を示すものであり、測定サンプルの白色度が高くなればL値は高くなる。
【0043】
表1の結果からわかるように、実施例1〜5は洗浄性、再汚染防止性がいずれも優れることがわかる。
一方、アミノ基含有量が低い非イオン界面活性剤を使用した比較例1は、洗浄性が低いことがわかる。また、(A)/(B)の当量比が40/60未満である比較例2、4では再汚染防止性が低くなることに加え、洗浄性が大幅に低くなることがわかる。さらに、当量比が60/40を超える比較例3では、洗浄性が低くなり、再汚染防止性が大幅に低くなることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の繊維用洗浄剤は、洗浄性、再汚染防止性が優れていることから、繊維製品、特にエアコン用または空気清浄機用フィルター、フロアクリーニング用モップ、フロアマットなどに代表されるダストコントロール製品の洗浄剤として好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアミノ基含有量が0.40〜3.30mmol/gである非イオン界面活性剤(A)と、カルボキシル基含有量が10〜14mmol/gのカルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)を必須成分とし、(A)のアミノ基/(B)のカルボキシル基との当量比が40/60〜60/40であることを特徴とする繊維用洗浄剤組成物。
【化1】

[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基もしくはアルケニル基;AOとA2Oはそれぞれ独立にオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基を表す。mとnは、m+nが4〜50となる正の数である。]
【請求項2】
該非イオン界面活性剤(A)におけるオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン基の含有量が50重量%以上である請求項1記載の繊維用洗浄剤組成物。
【請求項3】
該カルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)の数平均分子量が、2,000〜20,000である請求項1または2記載の繊維用洗浄剤組成物。
【請求項4】
該カルボキシル基含有オリゴマーの金属塩(B)が、アクリル酸の重合物のアルカリ金属塩である請求項1〜3いずれか記載の繊維用洗浄剤組成物。
【請求項5】
清掃用繊維製品、フロアマット、エアコンフィルター用、または空気清浄機用フィルター用である請求項1〜4のいずれか記載の繊維用洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2010−275362(P2010−275362A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126727(P2009−126727)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】