説明

織物、ロールブラインド用スクリーン、ロールブラインド

【課題】インテリアとして室内に設置された太陽電池パネルの意匠性を高める。
【解決手段】織物1は、縦糸2に横糸3が織り込まれた地組織と、地組織に縦糸2で織り込まれた箔または糸4とを備えている。箔または糸4は、太陽電池パネルで構成されている。箔または糸4は、幅1〜10mmの短冊状に形成されており、平織りで織り込まれている。横糸3は、幅0.2〜0.4mmの短冊状に形成された紙製の箔または糸であり、箔または糸4の前後に綴織りで織り込まれている。織物1の左右の耳には、縦糸2よりも太いこわ5で横糸3及び箔または糸4が織り込まれている。こわ5は、金属で形成されており、各箔または糸4の端部に電気的に接続されている。織物1では、箔または糸4及び横糸3の幅に合わせ、箔または糸4が地越3〜10本の地越で、横糸3が90〜150本の地越でそれぞれ織り込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールが織り込まれた織物、該織物を用いたロールブラインド用スクリーン、及びロールブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1では、太陽電池モジュールを透明プラスチックに取り付けてブラインドのスラットを形成することで、太陽電池パネルをインテリアとして屋内に設置することが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−32837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、太陽電池パネルは太陽光を反射しないことから黒色に見え、室内でインテリアとして使用するには意匠性が乏しかった。
【0005】
本発明は斯かる課題に鑑みてなされたもので、インテリアとして室内に設置された太陽電池パネルの意匠性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の織物は、縦糸に横糸が織り込まれた地組織と、太陽電池モジュールで構成され、前記地組織に前記縦糸で織り込まれた箔または糸とを備え、前記箔または糸同士がこわ(生地の耳)又は縦糸で電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記横糸は、前記箔の前後に綴織りで織り込まれていることを特徴とする。
また、本発明のロールブラインド用スクリーンは、上記織物で形成されたことを特徴とする。
また、本発明のロールブラインドは、上記織物をスクリーンとして用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、太陽電池モジュールで構成された箔または糸を織物の地組織に織り込むことで、インテリアとして室内に設置された太陽電池パネルの意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態の織物を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態の織物1を説明する。
本実施形態の織物1は、縦糸2に横糸3が織り込まれた地組織と、地組織に縦糸2で織り込まれた箔または糸4とを備えている。
【0010】
箔または糸4は、太陽電池パネルで構成されている。また、箔または糸4は、幅1〜10mmの短冊状に形成されており、平織りで織り込まれている。
【0011】
横糸3は、幅0.2〜0.4mmの短冊状に形成された紙製の箔または糸であり、箔または糸4の前後に綴織りで織り込まれている。織物1の左右の耳には、縦糸2よりも太いこわ5で横糸3及び箔または糸4が織り込まれている。こわ5は、金属で形成されており、各箔または糸4の端部に電気的に接続されている。
【0012】
織物1では、箔または糸4及び横糸3の幅に合わせ、箔または糸4が地越3〜10本の地越で、横糸3が90〜150本の地越でそれぞれ織り込まれている。織物1は、例えば、前端部にローラーパイプが、後端部にウエイトバーがそれぞれ固定され、ロールブラインド用スクリーンとして用いられる。
【0013】
本実施形態によれば、太陽電池パネルで構成された箔または糸4を織物1の地組織に縦糸2で織り込み、箔または糸4同士をこわ5で電気的に接続することで、インテリアとして室内に設置される織物1を太陽電池パネルとして用いることができる。このため、インテリアとして室内に設置された太陽電池パネルの意匠性を高めることができる。従って、ロールブライド用スクリーンとして織物1を用い、太陽電池パネルを窓側に向けて設置することで、ロールブラインドの意匠性を損なうことなく、太陽電池パネルとしての機能をスクリーンに持たせることができる。
【0014】
また、本実施形態によれば、箔または糸4の前後に横糸3を織り込むことで、箔または糸4の前後方向の移動を横糸3で規制でき、箔または糸4の前後方向の位置ずれを抑えることができる。しかも、横糸3を綴織りで織り込むことで、縦糸2に対し横糸3を強く固定でき、箔または糸4の位置ズレを効果的に抑えることができる。
【0015】
また、本実施形態によれば、箔または糸4及び横糸3の幅に合わせて織り込みの地越を変えることで、箔または糸4が前後方向に潰れるのを防止しつつ横糸3の織物密度を高め、箔または糸4や横糸3が前後に位置ずれするのを効果的に防止できる。
【0016】
なお、上記実施形態では、箔または糸4が平織りで織り込まれている場合について説明したが、地組織に対する箔または糸4の織込方法は任意であり、平織りには限定されない。また、横糸3の織込方法も任意であり、綴織りには限定されない。また、上記実施形態では、こわ5で箔または糸4同士を電気的に接続した場合について説明したが、金属製の縦糸2で箔または糸4同士を電気的に接続してもよい。
【0017】
また、横糸3を構成する箔または糸4の材質は紙には限定されず、例えば金属製でもよい。また、箔または糸4同士の間に織り込まれる横糸3の数も任意であり、箔または糸4の幅や横糸3で織り上げる柄に応じて定めることができる。箔または糸4や横糸3を編み込む地越の本数も、箔または糸4や横糸3の幅、縦糸2に対する織込方法、織り上げる柄等に応じて定めることができる。
【0018】
また、上記実施形態では、箔または糸4の前後に横糸3が織り込まれている場合につい説明したが、縦糸2に横糸3が織り込まれた地組織に、縦糸2で箔または糸4が織り込まれているのであれば、地組織の構成は任意である。また、箔または糸4を構成する太陽電池パネルの種類は、縦糸2に編み込むことができるのであれば任意であり、CIGS太陽電池や色素増感太陽電池等の太陽電池パネルを用いることができる。
【0019】
また、上記実施形態では、本発明の織物1をロールブラインド用スクリーンに適用した場合について説明したが、本発明は、インテリアとして室内に設置される他の織物にも適用できる。
【符号の説明】
【0020】
1 織物
2 縦糸
3 横糸
4 箔または糸
5 こわ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦糸に横糸が織り込まれた地組織と、
太陽電池モジュールで構成され、前記地組織に前記縦糸で織り込まれた箔または糸とを備え、
前記箔または糸同士がこわ又は縦糸で電気的に接続されていることを特徴とする織物。
【請求項2】
前記横糸は、前記箔または糸の前後に綴織りで織り込まれていることを特徴とする請求項1に記載の織物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の織物からなることを特徴とするロールブラインド用スクリーン。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の織物をスクリーンとして用いたことを特徴とするロールブラインド。

【図1】
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【公開番号】特開2013−7127(P2013−7127A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139407(P2011−139407)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(500357301)株式会社山石 (1)
【Fターム(参考)】