説明

缶の蓋を開ける機械および缶を空にする方法

缶を開ける本機械は、缶の上部をガイドして中央に配置する下部リング(30)を含み、それは単一構造であり、斜めの中央配置面(32)および上部限界面(33)の双方を含む。缶の蓋を切り取るツール(14、15)の中に位置するピストン(18)が、スプリング(21)により押し下げられ、切り取った蓋をツール(15)から外すのに十分な下方まで延びる。反転して中身を空にする操作の間、蓋は箱の中に留まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶の蓋を開ける機械および缶を空にする方法に関し、特に、核燃料粉末の処理に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、缶が支持部に置かれ、蓋を缶の残りの部分から外す歯状の円環を下げることで缶が開けられる、特許文献1の改良版である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この方法には、不都合がある。缶を空にするプロセスの間、外された蓋が機械に固定されたままとなり、この間、蓋を開ける機械は、機能停止してしまった。製造過程で必要な大きな許容誤差、または、缶に加えられた衝撃により生じた変形が原因で、多数の缶が機械に詰まってしまうことがあった。最終的に、缶が効果的に開けられるかどうかについての不確実性が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、これらの不都合を解消する。その最も一般的な形態では、本発明は、特に缶の支持部と、支持部に対向し支持部に対して自由に移動する移動ツール本体を含む押圧機とを含み、押圧機が缶の蓋を切り取るツールを含む、缶の蓋を開ける機械であって、蓋に対向し、蓋に向かって押圧機に対して自由に動き、ツールから蓋を分離し缶の中にそれを押し戻すことが可能な装置を、押圧機が含むこと、を特徴とする缶の蓋を開ける機械に関連する。特に、この方策は、蓋が切り取られた後に機械から直ちに外され、プロセスの残りの部分の間、蓋が缶の残りの部分に付随することを保証することにより、前述した第一の不都合を解消する。そして、機械は、この間、機能停止することなく、他の缶を自由に開けることができる。
【0005】
他の実施形態によれば、押圧機は、ツールに対して自由に動き缶を定位置に保持するアセンブリを備え、移動するアセンブリは、少なくとも一つのスプリングにより缶に向かって動き、蓋を囲む缶の上端に対する平面支持面を含み、移動するアセンブリは、缶をガイドし中央に配置する円錐面をも含むこと、を特徴とする。これらの方策は、機械における缶詰まりの危険性の多くを低減することが分かっている。
【0006】
他の実施形態によれば、本機械は、ツールが缶に押しこまれた際の検出用センサーを備え、センサーは、押圧機が自由に移動する方向において独立して位置調整可能な検出ヘッドに配置される。本配置で可能な細かい位置調整は、ツールの位置を正確に規定し、従って、蓋を開ける工程が良好に行われることを保証する。
【0007】
本発明は、以下の図を参照して、以降に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】特許文献1に記載の機械と類似する初期の機械を示す。
【図2】本発明の断面図を示す。
【図3】本発明に関連する機器を示す。
【図4】本発明の透視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、特許文献1の機器と類似し、操作、幾つかの一般的側面、および、本発明とは関連のない機械のある機器についてのさらなる詳細が必要な場合に参照される、従来機器の説明を行う。核燃料粉末を含み得る缶1が、支持部に置かれる。缶は、蓋より上に僅かに突出するリム4で囲まれた、上蓋3を有する。缶1を開ける機械は、フレーム6に取り付けられたツール本体5を有し、押圧機7により、缶に対して垂直方向に自由に動く。ツール本体5は、フレーム6に設けられたスライド8において本体の一部を形成するリブ9の位置調整により、ガイドされる。
【0010】
ツール本体5は、下向きに配向される周辺柱11のグループを支持し、下端にガイドリング12がねじ込まれる下部を備えた板10を含んでいる。可動端板13が、板10とガイドリング12との間で、周辺柱11上をスライドする。有効部分が下向きの歯状リング15であるツール14が、ガイドリング12および可動端板13により囲まれ、取り付けネジ16を介して、板10により、定位置に保持される。スプリング17は、周辺柱11の周りに嵌め込まれ、可動端板13を下方に付勢する。ピストン18は、装置の中心で、ツール14の下まで伸び、その底部には磁石19がある。ピストン18は、ベアリング20が取り付けられたプレート10の拡孔の中を、下方停止位置に至るまで自由に動く。ベアリング20と磁石19との間の圧縮スプリング21は、ピストン18を下方位置に至らせるが、板10に向かうピストンの上昇には抵抗しない。ピン22も、板10の拡孔の中をスライドし、下方停止位置に至った際に、磁石19の下まで延びる。そして、その上端は、板10の上面に取り付けられた誘導センサー23の下方に留まる。ツール本体5の上部に取り付けられた電磁石25により作動するもう一つのピン24が存在し、ピストン18を通じて垂直方向に延びるが、通常位置では磁石19の下方には至らない。
【0011】
缶1が支持部2に置かれると、ツール本体5が押圧機7によって下降する。下方に先細る面取り内面26を介して、ガイドリング12が缶1の上部端4に嵌り、ツール本体5に対して缶1を中央に配置する。上部端4は、最終的に缶1を定位置に保持する可動端板13の底部面26に接触し、ツール本体5の下降動作の残りは、スプリング17の圧縮を伴い、上部端4に接触して停止する可動端板13は、ツール本体5の残りが下方に動き続ける間、同じ上昇が続く。歯状リング15は、蓋3に達し、蓋に孔を開けて切り取る。磁石19が切り取られた蓋3に接触し、蓋をつかむ。磁石19に付着した蓋3の存在が分かるように、ピン22が、その上端が誘導センサー23の範囲に至るまで、蓋3により持ち上げられる。
【0012】
ツール本体5の上昇が缶1の残りから蓋3を離し、缶が開く。そして、缶1は、その中身が流出するように、缶回転設備に移送される。そして、缶は戻り、ピン24が下降して蓋3を磁石19から離すように、電磁石25のスイッチが入る。蓋3は缶1の中に落下し、片付けられる。
【0013】
蓋3を回収するために缶1を戻すのは、不必要に時間がかかる。また、缶1は、ガイドリングに設けられた大きい許容誤差が原因で、ガイドリング12内で詰まり易い。可動端板13は、ツール14の周囲で容易にはスライドせず、固着し易い。
【0014】
本発明は、上述した機械を改良するものである。ツール本体が変更されている。図2に示すように、不変である板10、周辺柱11、スプリング17、およびツール14とは別に、新しいガイドリング30を含み、この場合、周辺柱11の端部の下方停止部の一端と板10との間を自由に移動する。その内面は、缶1の上端4を中央に配置する底部付近で先細る、面取り円錐面32と、下方に向き、缶が定位置に保持され得るように上端4が達する必要のある、停止面33の、双方を含む。ガイドリング30は、周辺柱11に取り付けられたローラー部品と、滑らかなベアリング35とを備えたベアリングによりガイドされる。この場合、ツール14と可動端板13のとの間の高いガイド面は省略され、ツール14と下部のガイドリング30との間には大きなクリアランスがある。ツール本体は、可動ピストン18、および、可動ピストンを下方に動かすスプリング21をも含む。しかしながら、この場合、磁石19は存在せず、ピストン18は、磁気特性を備えない単一の下部環36を支持する。最後に、図は、板10およびピストン18を垂直に貫通する押し出しピン37を示している。
【0015】
この装置は、以下のように作動する。缶1が、前と同じように、支持部2に置かれる。押圧機は、従来機械で用いられた押圧機と同様であり、ツール本体を下降させる。下部のガイドリング30は、面取り面32を介して缶1を中央に配置し、下端4が停止面33に達するまで上に移動するが、ツール14は下降し続け、蓋3を切断する。また、ピストン18は下方に移動し続け、スプリング21のたわみに反して、缶1の底部に向かって切り取った蓋3を押す。ツール本体が上昇すると、図2に示す位置に戻り、ツール14およびピストン18の下方に突出したピン37は、蓋が定位置にある場合、蓋3を缶から分離する。
【0016】
従って、蓋3は、缶1内に残る。図3を参照して説明するように、缶を空にする操作が行われる。缶1は、下部フランジ40と呼ばれる一つのフランジに取り付けられる。リム41が、上端4の上に置かれ、環42でその周囲に広がる。下部フランジ40の残りは、リム41を越えて延びるスタッド51を含む棒状の開放格子43である。スタッド51は、周辺位置にあり、その位置で、その位置を押し下げることにより、切り取った蓋3を傾けることができる。缶1と下部フランジ40とは、詳細は図示しない缶回転機械の一部を形成する顎部51および45により、互いに強制的に接触状態が保たれる。また一方、アセンブリは、下部フランジ40が缶1の下方に来るように、傾く。粉末は、蓋3を押し戻し、蓋はスタッド51に接触すると傾き、従って缶1は大きく開く。蓋3の傾きは、形成された開口を通じて、缶1に含まれる粉末を容易に流出可能とする。蓋は、開放格子43により、定位置に保持される。
【0017】
本発明の他の外観を図4に示す。押圧機の下方の缶1の存在は、押し込まれる下部ガイドリング30により検出される。この押し込みは、誘導センサー46により測定される。この場合、これらのセンサーは、板10に対して堅固に取り付けられてはおらず、板10にねじ止めされた固定ヘッド48に連結された調整ヘッド47に、キャリブレーションに依存してセンサーの高さを独立して調整する微調整ネジ49を介して取り付けられている。ヘッド47と48との間で圧縮されるスプリング50は、それらの間隔を、調整値に保つ。従って、より確実な検出が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】FR 2 845 371

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に缶の支持部と、前記支持部に向かって自由に動き、前記支持部に対向する押圧機(7)とを含み、前記押圧機が缶の蓋(3)を切り取るツール(14)を含む、缶(1)の蓋を開ける機械であって、
前記蓋に対向し、前記蓋に向かって前記押圧機に対して自由に動き、前記ツールから前記蓋を分離し前記缶の中にそれを押し戻すことが可能な装置を、前記押圧機が含むこと、
を特徴とする缶の蓋を開ける機械。
【請求項2】
前記装置が、前記押圧機(7)の中をスライドし、スプリング(21)により前記蓋(3)に対して押し戻されるピストン(18)であること、
を特徴とする請求項1に記載の缶の蓋を開ける機械。
【請求項3】
前記押圧機が、前記ツールに対して自由に動き前記缶を定位置に保持するアセンブリを備え、移動する前記アセンブリ(30)は、少なくとも一つのスプリング(17)により前記缶に向かって動き、前記蓋を囲む前記缶の上端(4)に対する平面支持面(33)を含み、
移動する前記アセンブリは、前記缶をガイドし中央に配置する円錐面(32)をも含むこと、
を特徴とする請求項1または2に記載の缶の蓋を開ける機械。
【請求項4】
前記ツールが前記缶に押しこまれた際の検出用センサー(46)を含み、
前記センサーが、前記押圧機が自由に移動する方向において独立して位置調整可能なヘッド(47)に配置されること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の缶の蓋を開ける機械。
【請求項5】
缶の蓋を切り取り、前記蓋を前記缶に押し戻すための、請求項1〜4のいずれか1項に従う機械を用いた前記缶の開封と、
前記缶がフランジに嵌り、スタッドが前記蓋(3)を前記缶(1)に押し戻して前記缶から傾くように、上に向いたスタッド(44)を備えたフランジ(40)上での前記缶の回転と、
から成ることを特徴とする缶を空にする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−505800(P2012−505800A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531465(P2011−531465)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063313
【国際公開番号】WO2010/043600
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(508313895)アレヴァ・エヌセー (32)
【氏名又は名称原語表記】AREVA NC
【住所又は居所原語表記】33, rue La Fayette, 75009 Paris, France
【Fターム(参考)】