缶蓋及び缶
【課題】飲料用の缶から容器内に発泡性飲料を注ぐ場合、最初に泡抽出用孔から泡のみを抽出させ、しかる後に飲料自体を注ぐことができる飲料用缶の缶蓋を提供する。
【解決手段】開封用タブ3により開封される抽出口6を有する缶蓋1であり、缶蓋1において、前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部20を備え、前記切り込み部が直径0.1mmないし5mmのほぼ円形になっている。
【解決手段】開封用タブ3により開封される抽出口6を有する缶蓋1であり、缶蓋1において、前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部20を備え、前記切り込み部が直径0.1mmないし5mmのほぼ円形になっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料用の缶の缶蓋に関し、詳細には、抽出の際に泡立てすることが望まれる飲料用の缶に適した、泡抽出用孔付き缶蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるプルタブのような開封タブを操作して開封する開封部を有する飲料缶において、缶内の飲料である液体を抽出するための開封部とは別に小さな開封可能な孔を設けた缶蓋が、例えば下記特許文献1ないし特許文献4に示されるように提供されている。この内特許文献1に記載された金属用缶蓋は、缶蓋の周縁に隣接して設けられた開封部とは缶蓋の直径方向反対の位置で周縁に隣接して設けられた空気口を有している。この特許文献1の缶蓋において空気口を設けた目的は、開封部を開封して液体を抽出するとき缶内に空気が流入して液体の抽出を円滑に行わせるためだけのものである。このため、空気口は大きさ及び形状に特に限りがなく、泡を発生させるのに必ずしも適していない。
また、特許文献2に記載の押込開封缶の蓋体は、開封タブを備えた種類の缶蓋ではないが、前記特許文献1と同様に液体抽出用の抽出口と、その抽出口と缶蓋の直径方向反対の位置に配置された空気口とを備えている。この空気口も抽出口からの液体の抽出時に缶内に空気を流すためのものであるから、その大きさ及び形状に限りがなく、泡を発生させるのに必ずしも適していない。
更に、特許文献3に記載の缶蓋も、缶内の液体の抽出用抽出口(開封部)と、空気導入孔とを、缶蓋の中心の直径方向反対の位置に配置し、空気導入孔を抽出口開封用タブで開封できるようにしたものである。この空気導入孔も抽出口からの液体の抽出時に空気を缶内に導入させるためのものであるから、その大きさ及び形状に制限がなく、泡を発生させるのに必ずしも適していない。
【0003】
一方、缶から発泡性液体の抽出時に泡立ちを促進させるための手段を設けたいわゆるプルタブ式の缶蓋が、特許文献4に示されるように既に提供されている。この手段は、注ぎ口を塞ぐ蓋片部を並列に配置した細長い複数個として開封時に複数の蓋片部をプルタブで押して開いて複数の注ぎ口を形成するようになっている。このような構造でも、単一の抽出口しか有しない従来の缶蓋に比較して缶からの液体の抽出時に泡立ちを促進させることは可能であるが、必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
【特許文献1】実公昭54−20063号公報
【特許文献2】実公昭55−20588号公報
【特許文献3】特開平7−132936号公報
【特許文献4】特開2003−335338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プルタブ式の開封部によって開封される主抽出口の他に、泡抽出用孔を有する缶蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が直径0.1mmないし5mmのほぼ円形である缶蓋が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が幅0.1mmないし5mmで高さhが0.1mmないし5mmの略U形である缶蓋が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が幅0.1mmないし5mmで高さhが0.1mmないし5mmの略V形である缶蓋が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の缶蓋において、前記泡抽出用孔の開封用の切り込み部が缶蓋の中心に向かって形成され、切り込み部の不連続な部分が半径方向外側に配置されている缶蓋が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する、中心から放射状に伸びる少なくとも3本の凹部を備え、各凹部の幅が0.05mmないし1.5mm、長さが0.1mmないし5mmである缶蓋が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかに記載の缶蓋において、前記泡抽出用孔の開封後、折り曲げられた切り込み部が缶内に突出して、液体を注ぐ際に液体と接触し、それによって液体に泡を発生させる缶蓋が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体に形成されていて、閉鎖部材により閉鎖された泡抽出用孔を備えた缶蓋が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1ないし7のいずれかに記載の缶蓋が缶本体に巻き締められてなる缶が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、次のような効果を奏することが可能である。
(イ)缶から容器内に発泡性飲料を注ぐ場合、最初に泡抽出用孔から泡のみを抽出させ、しかる後に飲料自体を注ぐことができる。
(ロ)指で直接押圧して泡周出用孔を開口することはできず、従って、開口の際、指が裂傷等を負うことを防ぐことができる。
(ハ)開口するとの積極的に意図がない限り、泡抽出用孔を開口することができないので、泡抽出用孔の使用を希望しない者が誤って、泡抽出用孔を開口する事態を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面を参照して本発明の缶蓋の実施形態について説明する。
図1において本発明の缶蓋の平面図が全体を1で示されている。同図において、2は缶蓋本体、3は缶蓋本体の略中心においてリベット4で取りつけられた開封用タブすなわちプルタブ、5は主抽出口6を形成するように缶蓋本体に形成された切り込み線、7は、切り込み線5により缶蓋本体に画定されていて未開封時には切り込み線5の部分で缶蓋本体の他の部分と一体的に接続されている開封片、8はプルタブ3の一端(主抽出口6側)に設けられた開封部であり、プルタブ3を缶蓋本体に対して起こして開封片7を押して切り込み5に沿って缶蓋本体を破断させて主抽出口6を開封する。9は缶蓋本体2の周縁すなわち缶縁である。上記缶蓋本体2のうち、前記プルタブ3、切り込み線5等が設けられた領域が開封領域10であり、切り込み線によって確定される主抽出口6はその開封領域の一端側(図1において下側)に配置されている。この缶蓋本体が、図示しない缶本体に巻き締められて缶が形成される。上記構造は公知であるから、それ以上の詳細な説明は省略する。
【0009】
本実施形態においては、開封領域10から外れた領域11内であって、その開封領域内の主抽出口6とは缶蓋本体の中心Oに関して直径方向反対の側(図1において上側)に近い位置に泡抽出用孔を画定する切り込み部20が形成されている。これは、後述するように、泡抽出口から泡をコップ、グラスに抽出した後、主抽出口から缶内の飲料である液体をコップ、グラスに抽出する際に、この泡抽出口から抽出される泡で手を汚さないようにするためである。この切り込み部20は、缶蓋本体2の外側表面(缶として組み付けられた場合に缶の外側になる面)に形成された円弧状の切り込み線21によって画定されるようになっている。この切り込み部20を画定する切り込み線21は、その開封を開封補助用具を用いて行うのに適したように、缶蓋の周縁9から所望の位置、好ましくは0.8mmないし1.8mmの位置に配置される。円弧状、好ましくは一部で不連続な略円形の切り込み線21は、図1に示されるように、不連続部分22が缶蓋本体の周縁側に配置されている。略円形の切り込み線21の内側の区域、したがって泡抽出用孔となる区域には、図2に示されるように、くぼみ23が形成されている。これは、開封用具で泡抽出用孔を開封する際に開封用具を位置決めし易くするためである。
【0010】
切り込み部を画定する切り込み線の形状は、上記のような略円形の形状だけでなく、図3[A]に示されるように、略U字形の切り込み線21aにしても、或いは図3[B]に示されるようにいは略V字形の切り込み線21bとしてもよい。略U字形の切り込み線21a及び略V字形の切り込み線21bは、図3に示されるように、缶蓋本体の中心に向かって(したがってU字又はV字の上側が缶蓋本体の周縁に向かって)形成されるのが好ましい。切り込み部20を画定する略円形の切り込み線21は、直径dが好ましくは0.1 mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。また、略U字形の切り込み線21aは、幅wが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmで、高さhが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。また、略V字形の切り込み線21bも、幅hが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmで、高さhが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。その理由は、この範囲の大きさの場合が泡が最も良く発生し、指で押圧することにより開封することのできない大きさだからである。
【0011】
上記図1ないし3に示される実施形態の缶蓋1を使用して飲料缶、特に発泡性飲料の入った缶を製造した場合、まず、開封補助具(図示せず)の先端をくぼみ23(略U字形の場合くぼみ23aで、略V字形の場合くぼみ23b)内に位置決めした後、その開封補助具の先端でくぼみを強く押し込むと、缶蓋本体2は切り込み線21(略U字形の場合切り込み線21aで、略V字形の場合切り込み線21b)の部分で破断し、破断によって形成されたタブ(略U字形の場合タブ24aで、略V字形の場合タブ24b)が、図4に示されるように、不連続部分22(略U字形の場合不連続部分22aで、略V字形の場合不連続部分22b)を中心に缶の内側に曲がり、泡抽出口27が形成される。この状態で、図5に示されるように、主抽出口6を開封することなく、泡抽出口27が下側になるようにして缶をコップ、グラスに向けて傾け、缶を握り、或いは缶を振る等して缶に内圧を加えると、缶内の液体(発泡性液体)が泡抽出口27を介して外に流れ出ようとする。このとき液体が缶の内側に曲げられたタブに当たって泡を発生し、泡抽出口から泡がコップ、グラスに抽出される。そして、その後、主抽出口6を開封し、コップ、グラスに缶内の飲料である液体を抽出する。なお、図示しない開封補助具は、鋲や缶切り等、くぼみ23を直接押圧できるものであれば良い。また、開封補助具は、缶蓋と別体ではなく、リベット等で、缶蓋に取り付けられていても良い。
【0012】
図6及び図7において、本発明の他の実施形態が示されている。この実施形態の缶蓋1cの開封領域10内の構造及び機能は前記実施形態のものと同じであるから、同じ参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施形態においては、前記実施形態と同様に開封領域10から外れた領域11内であって、その開封領域内の主抽出口6とは缶蓋本体の中心Oに関して直径方向反対の側(図6において上側)に近い位置に泡抽出用孔を画定する切り込み部20cが形成されている。この切り込み部20cは、中心点26から放射方向(中心点26を中心とする半径方向)に伸びていて缶蓋本体2の表面に形成された複数の凹部25により画定されるようになっている。この切り込み部20を画定する切り込み線21aも、その開封を開封補助具を用いて行うのに適したように、缶蓋の周縁9から所望の位置、好ましくは0.8mmないし1.8mmの位置に配置される。この放射方向に伸びる凹部の数は少なくとも3個円周方向(中心点26を中心と円の円周方向)に等間隔に配置するのがよい。凹部の数は、3個以上ならば、図6に示されるように4個でも、或いは5個、6個等でも良い。凹部26の幅wが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmで、長さlが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。
【0013】
図6及び図7に示される実施形態の缶蓋1cを使用して飲料缶、特に発泡性飲料の入った缶を製造した場合、まず、開封補助具(図示せず)の先端を複数の凹部の交点となる中心点26又はその近傍に位置決めした後、その開封補助具の先端で中心点又はその近傍を強く押し込むと、缶蓋本体2は凹部に沿ってかつ中心点26を中心に破断した泡抽出口27cが形成される。この実施形態でも破断して形成されたタブ24cが缶の内側に曲がり、泡抽出口27cが形成される。この状態で前記実施形態で説明したのと同様にして泡抽出口27cが下側になるようにして缶を傾けると、缶内の液体(発泡性液体)が泡抽出口27cを介して外に流れでようとする。このとき液体が缶の内側に曲げられたタブ24cに当たって泡を発生し、泡抽出口から泡が抽出される。
【0014】
図8及び図9において、本発明の他の実施形態が示されている。この実施形態の缶蓋1dの開封領域10内の構造及び機能は前記実施形態のものと同じであるから、同じ参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施形態においては、前記実施形態と同様に開封領域10から外れた領域11内であって、その開封領域内の主抽出口6とは缶蓋本体の中心Oに関して直径方向反対の側(図8において上側)に近い位置に泡抽出用孔27dが形成されている。この泡抽出用孔27dは、缶蓋本体2に貫通して形成されていて、閉鎖部材31、例えば缶蓋本体2の表面に貼り付けられたシール部材で密封されている。泡抽出用孔27dはほぼ円形で、その直径dは、好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。これは泡の発生を促進させるためである。この実施形態の泡抽出口から泡を抽出させるためには、シール部材を手で外して泡抽出口を解放すればよい。なお、閉鎖部材31は、キャップでも良い。また、泡抽出用孔27dは多角形であっても良い。
【0015】
本発明による缶蓋の泡抽出用孔から抽出された泡と従来のプルタブ式開封部から抽出された泡のきめ細かさを比較すれば、図10及び図11に示されるようになる。図10は、従来のプルタブ式開封部を有する缶から、発泡性飲料を、テーブルに固定された透明ガラスのグラスに、グラスの最上部から2cmの部分に缶の注ぎ口が来るようにして注いだ場合に発生した泡の状態を倍率を50倍にして撮影したもので、図11は本発明による缶蓋を使用した飲料缶内に収容された発泡飲料を泡抽出用孔(孔径0.3mm)から最初に50ccほど注ぎ、残る発泡性飲料を、テーブルに固定された透明ガラスのグラスに、グラスの最上部から2cmの部分に缶の注ぎ口が来るようにして注いだ場合に発生した泡の状態を倍率を50倍にして撮影したものである。両写真の比較から明らかなように、本発明の缶蓋の泡抽出用孔を通して抽出された飲料は、極端に大きな泡が含まれることがなく、クリーミーな泡立ちが実現される。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の缶蓋は飲料用の缶、特に発泡性を有する飲料を入れる缶に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】[A]本発明による泡抽出用孔を画定する切り込み部を有する缶蓋の一実施形態の平面図で、[B]はその切り込み部の拡大図である。
【図2】図1[A]の線A−Aに沿って見た拡大断面図である。
【図3】切り込み部の変形例を示す拡大平面図である。
【図4】泡抽出用孔の開封状態を示す拡大断面である。
【図5】図1ないし図3に示す実施例の缶蓋を有する飲料缶から泡を出す状態を示す図である。
【図6】[A]は本発明による泡抽出用孔を画定する切り込み部を有する缶蓋の他の実施形態の平面図で、[B]はその切り込み部の拡大図である。
【図7】図6[A]の線B−Bに沿って見た拡大断面図である。
【図8】本発明による泡抽出用孔を有する缶蓋の他の実施形態の平面図である。
【図9】図1の線C−Cに沿って見た拡大断面図である。
【図10】従来のプルタブ式開封部を有する缶から、発泡性飲料を、テーブルに固定された透明ガラスのグラスに、グラスの最上部から2cmの部分に缶の注ぎ口が来るようにして注いだ場合に発生した泡の状態を倍率を50倍にして撮影した写真である。
【図11】本発明による缶蓋を使用した飲料缶内に収容された発泡飲料を泡抽出用孔(孔径0.3mm)から最初に50ccほど注ぎ、残る発泡性飲料を、テーブルに固定された透明ガラスのグラスに、グラスの最上部から2cmの部分に缶の注ぎ口が来るようにして注いだ場合に発生した泡の状態を倍率を50倍にして撮影した写真である。
【符号の説明】
【0018】
1、1c、1d 泡抽出用孔付き缶蓋
2 缶蓋本体 3 解放タブ
5、切り込み部 6 主抽出口
20、20c、 切り込み部 21、21a、21b 切り込み線
25 凹部 27、27c、27d 泡抽出口
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料用の缶の缶蓋に関し、詳細には、抽出の際に泡立てすることが望まれる飲料用の缶に適した、泡抽出用孔付き缶蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるプルタブのような開封タブを操作して開封する開封部を有する飲料缶において、缶内の飲料である液体を抽出するための開封部とは別に小さな開封可能な孔を設けた缶蓋が、例えば下記特許文献1ないし特許文献4に示されるように提供されている。この内特許文献1に記載された金属用缶蓋は、缶蓋の周縁に隣接して設けられた開封部とは缶蓋の直径方向反対の位置で周縁に隣接して設けられた空気口を有している。この特許文献1の缶蓋において空気口を設けた目的は、開封部を開封して液体を抽出するとき缶内に空気が流入して液体の抽出を円滑に行わせるためだけのものである。このため、空気口は大きさ及び形状に特に限りがなく、泡を発生させるのに必ずしも適していない。
また、特許文献2に記載の押込開封缶の蓋体は、開封タブを備えた種類の缶蓋ではないが、前記特許文献1と同様に液体抽出用の抽出口と、その抽出口と缶蓋の直径方向反対の位置に配置された空気口とを備えている。この空気口も抽出口からの液体の抽出時に缶内に空気を流すためのものであるから、その大きさ及び形状に限りがなく、泡を発生させるのに必ずしも適していない。
更に、特許文献3に記載の缶蓋も、缶内の液体の抽出用抽出口(開封部)と、空気導入孔とを、缶蓋の中心の直径方向反対の位置に配置し、空気導入孔を抽出口開封用タブで開封できるようにしたものである。この空気導入孔も抽出口からの液体の抽出時に空気を缶内に導入させるためのものであるから、その大きさ及び形状に制限がなく、泡を発生させるのに必ずしも適していない。
【0003】
一方、缶から発泡性液体の抽出時に泡立ちを促進させるための手段を設けたいわゆるプルタブ式の缶蓋が、特許文献4に示されるように既に提供されている。この手段は、注ぎ口を塞ぐ蓋片部を並列に配置した細長い複数個として開封時に複数の蓋片部をプルタブで押して開いて複数の注ぎ口を形成するようになっている。このような構造でも、単一の抽出口しか有しない従来の缶蓋に比較して缶からの液体の抽出時に泡立ちを促進させることは可能であるが、必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
【特許文献1】実公昭54−20063号公報
【特許文献2】実公昭55−20588号公報
【特許文献3】特開平7−132936号公報
【特許文献4】特開2003−335338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、プルタブ式の開封部によって開封される主抽出口の他に、泡抽出用孔を有する缶蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が直径0.1mmないし5mmのほぼ円形である缶蓋が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が幅0.1mmないし5mmで高さhが0.1mmないし5mmの略U形である缶蓋が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が幅0.1mmないし5mmで高さhが0.1mmないし5mmの略V形である缶蓋が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の缶蓋において、前記泡抽出用孔の開封用の切り込み部が缶蓋の中心に向かって形成され、切り込み部の不連続な部分が半径方向外側に配置されている缶蓋が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する、中心から放射状に伸びる少なくとも3本の凹部を備え、各凹部の幅が0.05mmないし1.5mm、長さが0.1mmないし5mmである缶蓋が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかに記載の缶蓋において、前記泡抽出用孔の開封後、折り曲げられた切り込み部が缶内に突出して、液体を注ぐ際に液体と接触し、それによって液体に泡を発生させる缶蓋が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体に形成されていて、閉鎖部材により閉鎖された泡抽出用孔を備えた缶蓋が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1ないし7のいずれかに記載の缶蓋が缶本体に巻き締められてなる缶が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、次のような効果を奏することが可能である。
(イ)缶から容器内に発泡性飲料を注ぐ場合、最初に泡抽出用孔から泡のみを抽出させ、しかる後に飲料自体を注ぐことができる。
(ロ)指で直接押圧して泡周出用孔を開口することはできず、従って、開口の際、指が裂傷等を負うことを防ぐことができる。
(ハ)開口するとの積極的に意図がない限り、泡抽出用孔を開口することができないので、泡抽出用孔の使用を希望しない者が誤って、泡抽出用孔を開口する事態を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面を参照して本発明の缶蓋の実施形態について説明する。
図1において本発明の缶蓋の平面図が全体を1で示されている。同図において、2は缶蓋本体、3は缶蓋本体の略中心においてリベット4で取りつけられた開封用タブすなわちプルタブ、5は主抽出口6を形成するように缶蓋本体に形成された切り込み線、7は、切り込み線5により缶蓋本体に画定されていて未開封時には切り込み線5の部分で缶蓋本体の他の部分と一体的に接続されている開封片、8はプルタブ3の一端(主抽出口6側)に設けられた開封部であり、プルタブ3を缶蓋本体に対して起こして開封片7を押して切り込み5に沿って缶蓋本体を破断させて主抽出口6を開封する。9は缶蓋本体2の周縁すなわち缶縁である。上記缶蓋本体2のうち、前記プルタブ3、切り込み線5等が設けられた領域が開封領域10であり、切り込み線によって確定される主抽出口6はその開封領域の一端側(図1において下側)に配置されている。この缶蓋本体が、図示しない缶本体に巻き締められて缶が形成される。上記構造は公知であるから、それ以上の詳細な説明は省略する。
【0009】
本実施形態においては、開封領域10から外れた領域11内であって、その開封領域内の主抽出口6とは缶蓋本体の中心Oに関して直径方向反対の側(図1において上側)に近い位置に泡抽出用孔を画定する切り込み部20が形成されている。これは、後述するように、泡抽出口から泡をコップ、グラスに抽出した後、主抽出口から缶内の飲料である液体をコップ、グラスに抽出する際に、この泡抽出口から抽出される泡で手を汚さないようにするためである。この切り込み部20は、缶蓋本体2の外側表面(缶として組み付けられた場合に缶の外側になる面)に形成された円弧状の切り込み線21によって画定されるようになっている。この切り込み部20を画定する切り込み線21は、その開封を開封補助用具を用いて行うのに適したように、缶蓋の周縁9から所望の位置、好ましくは0.8mmないし1.8mmの位置に配置される。円弧状、好ましくは一部で不連続な略円形の切り込み線21は、図1に示されるように、不連続部分22が缶蓋本体の周縁側に配置されている。略円形の切り込み線21の内側の区域、したがって泡抽出用孔となる区域には、図2に示されるように、くぼみ23が形成されている。これは、開封用具で泡抽出用孔を開封する際に開封用具を位置決めし易くするためである。
【0010】
切り込み部を画定する切り込み線の形状は、上記のような略円形の形状だけでなく、図3[A]に示されるように、略U字形の切り込み線21aにしても、或いは図3[B]に示されるようにいは略V字形の切り込み線21bとしてもよい。略U字形の切り込み線21a及び略V字形の切り込み線21bは、図3に示されるように、缶蓋本体の中心に向かって(したがってU字又はV字の上側が缶蓋本体の周縁に向かって)形成されるのが好ましい。切り込み部20を画定する略円形の切り込み線21は、直径dが好ましくは0.1 mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。また、略U字形の切り込み線21aは、幅wが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmで、高さhが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。また、略V字形の切り込み線21bも、幅hが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmで、高さhが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。その理由は、この範囲の大きさの場合が泡が最も良く発生し、指で押圧することにより開封することのできない大きさだからである。
【0011】
上記図1ないし3に示される実施形態の缶蓋1を使用して飲料缶、特に発泡性飲料の入った缶を製造した場合、まず、開封補助具(図示せず)の先端をくぼみ23(略U字形の場合くぼみ23aで、略V字形の場合くぼみ23b)内に位置決めした後、その開封補助具の先端でくぼみを強く押し込むと、缶蓋本体2は切り込み線21(略U字形の場合切り込み線21aで、略V字形の場合切り込み線21b)の部分で破断し、破断によって形成されたタブ(略U字形の場合タブ24aで、略V字形の場合タブ24b)が、図4に示されるように、不連続部分22(略U字形の場合不連続部分22aで、略V字形の場合不連続部分22b)を中心に缶の内側に曲がり、泡抽出口27が形成される。この状態で、図5に示されるように、主抽出口6を開封することなく、泡抽出口27が下側になるようにして缶をコップ、グラスに向けて傾け、缶を握り、或いは缶を振る等して缶に内圧を加えると、缶内の液体(発泡性液体)が泡抽出口27を介して外に流れ出ようとする。このとき液体が缶の内側に曲げられたタブに当たって泡を発生し、泡抽出口から泡がコップ、グラスに抽出される。そして、その後、主抽出口6を開封し、コップ、グラスに缶内の飲料である液体を抽出する。なお、図示しない開封補助具は、鋲や缶切り等、くぼみ23を直接押圧できるものであれば良い。また、開封補助具は、缶蓋と別体ではなく、リベット等で、缶蓋に取り付けられていても良い。
【0012】
図6及び図7において、本発明の他の実施形態が示されている。この実施形態の缶蓋1cの開封領域10内の構造及び機能は前記実施形態のものと同じであるから、同じ参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施形態においては、前記実施形態と同様に開封領域10から外れた領域11内であって、その開封領域内の主抽出口6とは缶蓋本体の中心Oに関して直径方向反対の側(図6において上側)に近い位置に泡抽出用孔を画定する切り込み部20cが形成されている。この切り込み部20cは、中心点26から放射方向(中心点26を中心とする半径方向)に伸びていて缶蓋本体2の表面に形成された複数の凹部25により画定されるようになっている。この切り込み部20を画定する切り込み線21aも、その開封を開封補助具を用いて行うのに適したように、缶蓋の周縁9から所望の位置、好ましくは0.8mmないし1.8mmの位置に配置される。この放射方向に伸びる凹部の数は少なくとも3個円周方向(中心点26を中心と円の円周方向)に等間隔に配置するのがよい。凹部の数は、3個以上ならば、図6に示されるように4個でも、或いは5個、6個等でも良い。凹部26の幅wが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmで、長さlが好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。
【0013】
図6及び図7に示される実施形態の缶蓋1cを使用して飲料缶、特に発泡性飲料の入った缶を製造した場合、まず、開封補助具(図示せず)の先端を複数の凹部の交点となる中心点26又はその近傍に位置決めした後、その開封補助具の先端で中心点又はその近傍を強く押し込むと、缶蓋本体2は凹部に沿ってかつ中心点26を中心に破断した泡抽出口27cが形成される。この実施形態でも破断して形成されたタブ24cが缶の内側に曲がり、泡抽出口27cが形成される。この状態で前記実施形態で説明したのと同様にして泡抽出口27cが下側になるようにして缶を傾けると、缶内の液体(発泡性液体)が泡抽出口27cを介して外に流れでようとする。このとき液体が缶の内側に曲げられたタブ24cに当たって泡を発生し、泡抽出口から泡が抽出される。
【0014】
図8及び図9において、本発明の他の実施形態が示されている。この実施形態の缶蓋1dの開封領域10内の構造及び機能は前記実施形態のものと同じであるから、同じ参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施形態においては、前記実施形態と同様に開封領域10から外れた領域11内であって、その開封領域内の主抽出口6とは缶蓋本体の中心Oに関して直径方向反対の側(図8において上側)に近い位置に泡抽出用孔27dが形成されている。この泡抽出用孔27dは、缶蓋本体2に貫通して形成されていて、閉鎖部材31、例えば缶蓋本体2の表面に貼り付けられたシール部材で密封されている。泡抽出用孔27dはほぼ円形で、その直径dは、好ましくは0.1mmないし5mm、より好ましくは0.3mmないし1mmである。これは泡の発生を促進させるためである。この実施形態の泡抽出口から泡を抽出させるためには、シール部材を手で外して泡抽出口を解放すればよい。なお、閉鎖部材31は、キャップでも良い。また、泡抽出用孔27dは多角形であっても良い。
【0015】
本発明による缶蓋の泡抽出用孔から抽出された泡と従来のプルタブ式開封部から抽出された泡のきめ細かさを比較すれば、図10及び図11に示されるようになる。図10は、従来のプルタブ式開封部を有する缶から、発泡性飲料を、テーブルに固定された透明ガラスのグラスに、グラスの最上部から2cmの部分に缶の注ぎ口が来るようにして注いだ場合に発生した泡の状態を倍率を50倍にして撮影したもので、図11は本発明による缶蓋を使用した飲料缶内に収容された発泡飲料を泡抽出用孔(孔径0.3mm)から最初に50ccほど注ぎ、残る発泡性飲料を、テーブルに固定された透明ガラスのグラスに、グラスの最上部から2cmの部分に缶の注ぎ口が来るようにして注いだ場合に発生した泡の状態を倍率を50倍にして撮影したものである。両写真の比較から明らかなように、本発明の缶蓋の泡抽出用孔を通して抽出された飲料は、極端に大きな泡が含まれることがなく、クリーミーな泡立ちが実現される。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の缶蓋は飲料用の缶、特に発泡性を有する飲料を入れる缶に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】[A]本発明による泡抽出用孔を画定する切り込み部を有する缶蓋の一実施形態の平面図で、[B]はその切り込み部の拡大図である。
【図2】図1[A]の線A−Aに沿って見た拡大断面図である。
【図3】切り込み部の変形例を示す拡大平面図である。
【図4】泡抽出用孔の開封状態を示す拡大断面である。
【図5】図1ないし図3に示す実施例の缶蓋を有する飲料缶から泡を出す状態を示す図である。
【図6】[A]は本発明による泡抽出用孔を画定する切り込み部を有する缶蓋の他の実施形態の平面図で、[B]はその切り込み部の拡大図である。
【図7】図6[A]の線B−Bに沿って見た拡大断面図である。
【図8】本発明による泡抽出用孔を有する缶蓋の他の実施形態の平面図である。
【図9】図1の線C−Cに沿って見た拡大断面図である。
【図10】従来のプルタブ式開封部を有する缶から、発泡性飲料を、テーブルに固定された透明ガラスのグラスに、グラスの最上部から2cmの部分に缶の注ぎ口が来るようにして注いだ場合に発生した泡の状態を倍率を50倍にして撮影した写真である。
【図11】本発明による缶蓋を使用した飲料缶内に収容された発泡飲料を泡抽出用孔(孔径0.3mm)から最初に50ccほど注ぎ、残る発泡性飲料を、テーブルに固定された透明ガラスのグラスに、グラスの最上部から2cmの部分に缶の注ぎ口が来るようにして注いだ場合に発生した泡の状態を倍率を50倍にして撮影した写真である。
【符号の説明】
【0018】
1、1c、1d 泡抽出用孔付き缶蓋
2 缶蓋本体 3 解放タブ
5、切り込み部 6 主抽出口
20、20c、 切り込み部 21、21a、21b 切り込み線
25 凹部 27、27c、27d 泡抽出口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が直径0.1mmないし5mmのほぼ円形である缶蓋。
【請求項2】
開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が幅0.1mmないし5mmで高さhが0.1mmないし5mmの略U形である缶蓋。
【請求項3】
開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が幅0.1mmないし5mmで高さhが0.1mmないし5mmの略V形である缶蓋。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の缶蓋において、前記泡抽出用孔の開封用の切り込み部が缶蓋の中心に向かって形成され、切り込み部の不連続な部分が半径方向外側に配置されている缶蓋。
【請求項5】
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する、中心から放射状に伸びる少なくとも3本の凹部を備え、各凹部の幅が0.05mmないし1.5mm、長さが0.1mmないし5mmである缶蓋。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の缶蓋において、前記泡抽出用孔の開封後、折り曲げられた切り込み部が缶内に突出して、液体を注ぐ際に液体と接触し、それによって液体に泡を発生させる缶蓋。
【請求項7】
開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体に形成されていて、閉鎖部材により閉鎖された泡抽出用孔を備えた缶蓋。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の缶蓋が缶本体に巻き締められてなる缶。
【請求項1】
開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が直径0.1mmないし5mmのほぼ円形である缶蓋。
【請求項2】
開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が幅0.1mmないし5mmで高さhが0.1mmないし5mmの略U形である缶蓋。
【請求項3】
開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する切り込み部を備え、前記切り込み部が幅0.1mmないし5mmで高さhが0.1mmないし5mmの略V形である缶蓋。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の缶蓋において、前記泡抽出用孔の開封用の切り込み部が缶蓋の中心に向かって形成され、切り込み部の不連続な部分が半径方向外側に配置されている缶蓋。
【請求項5】
前記抽出口とは別に缶蓋本体の表面に形成されていて、開封補助具により開封される泡抽出用孔を画定する、中心から放射状に伸びる少なくとも3本の凹部を備え、各凹部の幅が0.05mmないし1.5mm、長さが0.1mmないし5mmである缶蓋。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の缶蓋において、前記泡抽出用孔の開封後、折り曲げられた切り込み部が缶内に突出して、液体を注ぐ際に液体と接触し、それによって液体に泡を発生させる缶蓋。
【請求項7】
開封用タブにより開封される抽出口を有する缶蓋において、
前記抽出口とは別に缶蓋本体に形成されていて、閉鎖部材により閉鎖された泡抽出用孔を備えた缶蓋。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の缶蓋が缶本体に巻き締められてなる缶。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−232366(P2006−232366A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52864(P2005−52864)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)
【Fターム(参考)】
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