説明

置換ヒドロカルビル官能性シロキサン−シリコーン樹脂組成物

ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンを含有する、化粧用、家庭用及び医療用組成物が開示される。ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、少なくとも1つの、式−ROCHCHOH(式中、Rは2〜6個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基である)のシロキシ単位を含有する。ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンを含有させることにより、改善された性能及び/又は安定性を有する、パーソナルケア組成物、医療用組成物、自動車ケア組成物及び家庭用ケア組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンと、オルガノポリシロキサン樹脂とを含有する組成物に関する。ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、少なくとも1つの、式−ROCHCHOH(式中、Rは、2〜6個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基である)のシロキシ単位を含有する。ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンとオルガノポリシロキサン樹脂との組み合わせにより、様々なパーソナルケア組成物、医療用組成物、自動車ケア組成物(automotive care composition)及び家庭用ケア組成物(household care composition)で用いられ得る、膜特性を改善したベース組成物(base composition)を提供する。
【背景技術】
【0002】
[本発明の背景]
成功した色化粧品組成物(color cosmetic composition)は、最終製品の性能を最適化するために、3つの重要な要素を通常含む。これらの要素は、皮膚上に形成される色膜(color film)、製品を製造するのに使用される顔料、及び選択された色化粧品の構造又は質感(texture)であると言われている。これらの要素のそれぞれは、各々が相互作用して異なる性質をもたらし、最終色製品において製造者(formulator)が予期したものから性能の欠陥又は低下をもたらすことがあるので、その基本的な性質について特定の注意を要する。
【0003】
おそらく、色化粧品についての最も重大な要件の1つは膜形成である。もし膜が均一でなければ、最終製品の最適な着色が生じず、膜の光沢が影響を受け、最終的な色化粧品が低下した性能を示すであろう。
【0004】
膜はいくつかの方法で形成され得る。最も簡単な方法としては、1つの溶媒又は複数の溶媒中に全ての成分を溶解して所望の適用粘度とした後、皮膚上に製品を適用し、次いで溶媒を蒸発させることである。しかしながら、特に、濡れ性(wet-ability)、相容性(compatibility)、レオロジー、顔料含有量、基体特性及び溶媒系特性等の多くの因子が、膜形成に影響を及ぼす。これら因子の制御は、製造者が、滑り易さ、軽度の摩耗(mild abrasion)に対する耐久性、レベリング、良好な展着性(spread-ability)、耐水性、接着性及び光沢等の良好な特性を有する膜を製造できるようにするであろう。
【0005】
良好な膜は、3つの重要な配合因子(formulating factor)である相容性、粘度及び濡れ(wetting)にしばしば依存する。
【0006】
(相容性)
相容性とは、様々な構成成分が、如何なる相互作用もすることなく1つの配合物中に存在することである。系の構成成分は、所定の比率で均一(1相)の混合物を形成すべきである(熱力学的相容性)。系は、如何なる成分の分離(2つ以上の相)や、如何なる懸濁化剤の沈殿又は存在(粒状性、塊等)があってはならない。系は、澄んだ若しくは透明(可溶性)、又は濁った若しくは不透明であり得るが、全ての成分は1相中に共存すべきである。コーティングの場合において、系は、基体上に均一の膜を形成すべきである。組成物で用いられる成分が一部分だけ適合する(すなわち、混和性限界を有する)場合、組成物の均一状態を維持するのに相容剤(compatibilizer)を必要とする。
【0007】
(粘度)
また、コーティングの粘度は、濡れ及び表面欠陥形成に影響を及ぼし、濡れの度合は、粘度及び表面張力に依存する。他の条件(表面張力、接触角等)が良好であるとしても、粘度があまりにも高すぎると自発的な展着又はディウェッテイング(dewetting)が生じないことがある。粘度によって、表面欠陥が形成されたり、形成されなかったりする。
【0008】
(濡れ)
濡れは、液体と固体との相互作用を伴う。かかる相互作用は、表面上での液体の展着、多孔質媒体中への液体の浸透、又は1つの液体の他の液体による置換であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、化粧品組成物においてベースとして用いられ得る、改善された膜特性を有する組成物の必要性がある。特に、色化粧品で用いられる共通の成分と相容性があり、適用の際に化粧品膜の粘度の調節を可能にし、且つ適用の際の皮膚表面の適切な濡れを提供する、化粧品で使用するためのベース組成物の必要性がある。さらに、かかるベース組成物は、美的品質を有し、消費者向けの魅力的な化粧品製品の処方を可能にすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンとオルガノポリシロキサン樹脂とを含有する、かかるベース組成物を見出した。
【0011】
(本発明の要約)
本発明は、
(i)式RSiO(3−i)/2(式中、Rは一価の炭化水素基であり、Rは式−ROCHCHOHを有するヒドロカルビル基であり、Rは2〜6個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基であり、iは0〜2である)のシロキシ単位を含むヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンと、
(ii)オルガノポリシロキサン樹脂と
を含む組成物を提供する。
【0012】
また、本発明は、本発明の組成物を含む、化粧用、家庭用又は医療用配合物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(本発明の詳細な説明)
本発明のヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、式RSiO(3−i)/2のシロキシ単位を含む。式中、Rは、任意の一価の炭化水素基であるが、典型的には、1〜20個の炭素原子を含有する、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル又はアリール基であり、Rは−ROCHCHOHを有するヒドロカルビル基であり、Rは2〜6個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基であり、iは0〜2である。
【0014】
オルガノポリシロキサンは、当該技術分野において公知であり、M単位(RSiO0.5)、D単位(RSiO)、T単位(RSiO1.5)又はQ単位(SiO)をいくつも含むものとしてしばしば表される。式中、Rは独立して任意の一価の炭化水素基である。本発明において、オルガノポリシロキサンは、少なくとも1つの、式−ROCHCHOH(Rとして表される)のヒドロカルビル置換基を有する。ヒドロカルビル置換基におけるR基は、2〜6個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基である。二価の炭化水素基Rは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン又はヘキシレンにより表される。典型的に、二価の炭化水素は、プロピレン基−CHCHCH−である。
【0015】
ヒドロカルビル置換基は、Si−C結合を介してオルガノポリシロキサンに結合されている。ヒドロカルビル置換基は、任意のオルガノシロキシ単位に、結合を介してオルガノポリシロキサン中に存在し得る。すなわち、ヒドロカルビル置換基は、任意のM、D又はTシロキシ単位上に存在してもよい。言い換えると、ヒドロカルビル官能性シロキシ単位は、M単位(RSiO0.5)、D単位(RRSiO)、T単位(RSiO1.5)又はこれらのあらゆる混合物であり得る。また、ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンが、Rが存在する状態で少なくとも1つのシロキシ単位を有するという条件で、一般式(RSiO0.5)、(RSiO)、(RSiO1.5)又は(SiO)の追加のM、D、T又はQシロキシ単位をいくつも含有し得る。
【0016】
ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量(M)又は数平均分子量(M)は、変えることができ、限定されない。ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンの形態は、液体又は固体のいずれでもよいが、一般に液体である。
【0017】
本発明のオルガノポリシロキサンにおけるヒドロカルビル官能性基の量は、変えることができるが、典型的に、オルガノポリシロキサンの全質量の1〜40質量%、あるいは5〜30質量%、あるいは10〜20質量%の範囲である。
【0018】
一つの実施形態において、ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、次の群:
SiO(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)SiR
SiO(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)SiR
SiO(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)(RRSiO)SiR、及び
式−(MeSiO)(MeRSiO)−の環状シロキサン
から選択される式を有する。
【0019】
これらの式において、Rは、1〜20個の炭素原子を含有する、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル又はアリール基であり;Rは、上記で定義されたようなヒドロカルビル基であり;xは1〜500であり、yは1〜40であり、zは1〜40であり、mは1〜6であり、nは1〜6であり、m+nの合計は3〜12である。
【0020】
代わりの実施形態において、ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、次の式:
(SiO(RSiO3/2(RSiO)(RSiO1/2{O1/2SiR
を有する樹脂である。式中、Rは、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、アラルキル基又はアリール基であり;Rは、上記Rと同じ、すなわち、式(i)〜(iv)の1つであり;gは1〜15,000である。かかる樹脂において、c、d、e及びfは、c<100、c+d>0、及びc+d+e+f=100というようなモル百分率を表す。この種類のオルガノシロキサン樹脂は、約0.01〜15重量%のシラノールを典型的に含有する。
【0021】
好ましい実施形態において、ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、次の式:
MeSiO(MeSiO)SiMe
を有する。式中、Rは−(CHOCHCHOH、及びxは1〜100、あるいは5〜50、あるいは10〜20である。
【0022】
本発明のヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、オルガノ水素シロキサンとオレフィン置換ポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化のような標準的な方法により製造され得る。ヒドロシリル化反応は、反応物質の取扱いを助けるため、発熱反応を抑制するため、又は反応物質の溶解性を促進させるために、ベンゼン、トルエン、キシレン又はイソプロパノール等の低分子量揮発性炭化水素溶媒中で典型的に行われる。かかる方法は、例えば、上記した’218特許に記載されており、参照により本発明に組み込まれる。
【0023】
また、当該技術分野において周知であり、また本明細書中でM、D、T及びQ単位としてそれぞれ用いられている(i)(RSiO1/2、(ii)(RSiO2/2、(iii)(RSiO3/2、又は(iv)(SiO4/2単位等の様々なシロキシ単位を含む(ii)オルガノポリシロキサン樹脂を本発明の組成物は含有する。オルガノポリシロキサン樹脂中に存在する各シロキシ単位の量は、オルガノポリシロキサン樹脂中に存在する全てのシロキシ単位の総モル数のモル分率として表すことができる。従って、本発明で有用なオルガノポリシロキサン樹脂は、次の単位:
(i)(RSiO1/2
(ii)(RSiO2/2
(iii)(RSiO3/2、及び
(iv)(SiO4/2
を含む。式中、Rは一価の炭化水素基であり、aは0〜0.8であり、bは0〜0.4であり、cは0〜0.1.0であり、dは0〜0.8であり、但しc又はdのどちらかの値が0より大きく、及びa+b+c+dの値が1である。
【0024】
本発明の一つの実施形態において、オルガノポリシロキサン樹脂は、少なくとも80モル%の、(RSiO1/2及び(SiO4/2単位を含むMQ樹脂である。式中、Rは一価の炭化水素基であり、a及びdは0より大きな値を有し、及びa/dの比は0.5〜1.5である。
【0025】
構成成分ii)として使用するのに適切なMQ樹脂、及びそれらの調製方法は、当該技術分野において公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、カリー(Currie)等の米国特許第2,814,601号(1957年11月26日)は、酸を用いて水溶性ケイ酸塩をケイ酸モノマー又はケイ酸オリゴマーに変化させることによりMQ樹脂を調製し得ることを開示している。適切な重合が達成された場合、樹脂はトリメチルクロロシランで末端封鎖(end-capped)されてMQ樹脂を生じる。MQ樹脂の他の調製方法は、グッドウィン(Goodwin)の米国特許第2,857,356号(1958年10月21日)に開示されており、参照により本願明細書に組み込まれる。グッドウィンは、アルキルケイ酸塩と加水分解性トリアルキルシランオルガノポリシロキサンとの混合物を水で共加水分解(cohydrolysis)することによるMQ樹脂の調製方法を開示している。
【0026】
本発明における構成成分ii)として適切なMQ樹脂は、総シロキサン単位の少なくとも80モル%、あるいは90モル%がM及びQ単位であることを条件として、D及びT単位を含有してもよい。また、MQ樹脂は水酸基を含有する。典型的に、MQ樹脂は、2〜10重量%、あるいは2〜5重量%の総重量%水酸基含有量を有する。また、残りの水酸基がM基とさらに反応するように、MQ樹脂はさらに「封鎖(capped)」され得る。
【0027】
本発明による組成物は、上記で述べたような、ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサン構成成分とオルガノポリシロキサン樹脂構成成分とを、1:99〜99:1の重量比で混合することにより形成され得る。かかる組成物は、単純なプロペラミキサー、ブルックフィールド二重反転ミキサー(counter-rotating mixer)又は均質化ミキサーを用いて室温で一般に調製され得る。特別な装置又は加工条件は、典型的に要求されない。
【0028】
オルガノポリシロキサン樹脂は、そのまま(neat)で使用され得るか、あるいはオルガノポリシロキサン樹脂は、キャリアに溶解され得る。キャリアは、任意の有機又はシリコーン系溶媒であり、後でさらに説明される。
【0029】
典型的で限定されない、成分ii)としての使用に適切な市販製品の例としては、ダウコーニング(登録商標)749 Fluid、ダウコーニング(登録商標)593、ダウコーニング(登録商標)7−4405 Cosmetic Fluid,ダウコーニング(登録商標)2400 Resin(ダウコーニング社、ミシガン州ミッドランド)が挙げられる。
【0030】
本発明の組成物は、パーソナルケア成分、家庭用ケア成分又は医療用成分とさらに混合され得る。かかる組成物は、調製されるべき特定の種類の組成物、及びその意図される最終用途又は利用(application)に応じて、(i)0.1〜99.9%のヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサン流体又はヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサン樹脂;(ii)0.1〜99.9%の日焼け防止剤;任意に(iii)0.1〜40%の、化粧用活性物質、家庭用ケア活性物質又は医療用活性物質;及び(iv)100%までの残部の、水、有機溶媒、シリコーン溶媒又は一つ以上の任意成分を含有し得る。一般に、かかる組成物は、単純なプロペラミキサー、ブルックフィールド二重反転ミキサー又は均質化ミキサーを用いて室温で一般に調製され得る。特別な装置又は加工条件は、典型的に要求されない。
【0031】
本明細書中で使用されているように、パーソナルケア組成物、医療用組成物及び家庭用ケア組成物という用語は、商品として商業上利用可能である典型的な材料、又は消費者市場における活性成分及び不活性成分を含有する原料を意味することを意図している。
【0032】
ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、多数の異なる製品(例えば、ヘアスプレー、シャンプー、ムース(泡状整髪剤)、スタイリングジェル及びローション、クリームリンス/コンディショナー、ヘアトニック、毛髪染料及び着色剤、パーマ、並びに漂白剤等のヘアケア製品)において有用である。また、かかる製品としては、洗剤、保湿剤、コンディショナー、口紅、アイメイク、ファンデーション、マニキュア、日焼け製品、制汗剤/体臭防止剤製品、及び脱毛剤等のスキンケア製品も挙げられる。また、かかる製品としては、ワックス、磨き粉、重質及び軽質液体洗剤、柔軟剤、アイロン補助剤(ironing aid)、洗濯洗剤、並びに窓ガラス用洗剤等の家庭用品も挙げられる。さらに、かかる製品としては、ワックス、磨き粉、重質及び軽質洗剤、窓ガラス用洗剤、タイヤ用洗剤及び保護剤(protector)、ビニール製品用(vinyl)洗剤及び保護剤等の自動車部品も挙げられる。
【0033】
これらの製品で使用されるいくつかの典型的な成分は、界面活性剤、顔料、溶媒、皮膚軟化剤及びキャリアである。例えば、溶媒としては、エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル及びC12−15乳酸アルキル);水;シリコーン流体(例えば、シクロメチコーン、ジメチコーン);エタノール;イソプロパノール;8〜30個の炭素、特に12〜22個の炭素を有するゲルベ(guerbet)アルコール(例えば、イソラウリルアルコール、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコール)、脂肪アルコール(例えば、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール);並びにエトキシル化及びプロポキシル化アルコール(例えば、式CH(CH10CH(OCHCHOH[式中、rは4の平均値を有する]に適合する、ラウリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(ラウレス−4);PPG−14ブチルエーテル(ここで、「PEG−14」部分は、式H(OCHC(CH)H)OH[式中、sは14の平均値を有する]に一般に適合する、プロピレンオキシドのポリマーである);又は式CH(CH12CH(OCH(CH)CHOH[式中、tは3の平均値を有する]に適合する、ミリスチルアルコールのプロピレングリコールエーテルであるPPG−3ミリスチルエーテル)、又は炭化水素流体を挙げることができる。
【0034】
炭化水素流体は、ハロゲン化炭化水素流体、脂肪族炭化水素流体、芳香族炭化水素流体、並びに芳香族及び脂肪族炭化水素流体の混合物のような有機炭化水素流体により例示される。炭化水素流体は、約6〜約12個の炭素原子を通常含有する。適切な炭化水素流体の例としては、ペルクロロエチレン、ベンゼン、キシレン、トルエン、鉱油留分(mineral oil fractions)、灯油、ナフサ、及び石油留分が挙げられる。特に好ましいのは、Isopar(登録商標)M Fluid(C13−C14イソパラフィン)、Isopar(登録商標)C Fluid(C−Cイソパラフィン)、Isopar(登録商標)E Fluid(C−Cイソパラフィン)、Isopar(登録商標)G Fluid(C10−11イソパラフィン)、Isopar(登録商標)L Fluid(C11−C13イソパラフィン)、Isopar(登録商標)H Fluid(C11−C12イソパラフィン)として販売されている、エクソンモービルケミカル社(米国、テキサス州、ヒューストン)から入手可能なイソパラフィン系流体、及びこれらの混合物により例示されるイソパラフィン系炭化水素流体である。また、溶媒の混合物も使用され得る。
【0035】
使用可能な他の成分は皮膚軟化剤である。かかる皮膚軟化剤としては、ゲルベアルコール(例えば、イソセチルアルコール又はイソステアリルアルコール);エステル(例えば、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、ラウリン酸ヘキシル及び乳酸イソステアリル);室温で液体の炭化水素の液体混合物(例えば、石油蒸留分及び軽油);エタノール;揮発性及び不揮発性シリコーン油、高度分枝炭化水素、並びに非極性カルボン酸等の組成物が挙げられる。皮膚軟化剤は、本発明の組成物において、組成物の総重量の0.01〜70重量%、好ましくは0.1〜25重量%の範囲の量で含まれ得る。
【0036】
キャリアは、種々のコンディショニング材料(例えば、炭化水素、シリコーン流体及び陽イオン性材料)を含み得る。キャリアは、界面活性剤、懸濁化剤、増粘剤等を含み得る。これらの組成物において有用である各種の追加の構成成分は、米国特許第4,387,090号(1983年6月7日)に記載されている。
【0037】
本発明による局所化粧品(topical cosmetic)及び医薬品組成物は、キャリアを含有し得るが、かかるキャリアは、美容上及び/又は薬学上許容可能なもの、すなわち、皮膚への局所適用に適切で、良好な美的特性を有し、本発明のシロキサンコポリマーと相容性があり、且つ如何なる安全性又は毒性に対する懸念をもたらさないものであるべきである。水中油型エマルション、油中水型エマルション、水中油中水型(water-in-oil-in-water)エマルション、又はシリコーン油中水中油型(oil-in-water-in-silicone oil)エマルション等のエマルションをキャリアとして含むように配合することができる。
【0038】
いくつかの他に適切な局所キャリアとしては、油類、アルコール類及びシリコーン類(例えば、鉱油、エタノール、イソプロパノール、ジメチコーン、シクロメチコーン等);水性単相溶媒(例えば、適切なゴム、樹脂、ワックス、ポリマー、塩等の添加によって溶媒の粘度が増加し、固形物又は半固形物を形成するもの)のような無水液体溶媒が挙げられる。しかしながら、美容上及び/薬学上許容可能な好ましい局所キャリアは、含水アルコール系(hydroalcoholic system)又は水中油型エマルションである。キャリアが水中油型エマルションである場合、キャリアはエマルションを調製するために一般に用いられる公知の成分を含むであろう。
【0039】
いくつかの局所活性成分が製品において使用される。かかる局所活性成分としては、抗にきび剤、虫歯予防剤、ふけ防止剤、抗真菌剤、抗菌剤、酸化防止剤、制汗剤及び体臭防止剤、化粧用殺生剤(cosmetic biocide)、外用鎮痛剤、口腔ケア剤(oral care agent)、口腔ケア薬(oral care drug)、酸化剤、還元剤、皮膚漂白剤(skin bleaching agent)、皮膚保護剤、日焼け防止剤、UV光吸収剤、酵素、蛍光増白剤、柔軟剤及び界面活性剤がある。
【0040】
抗にきび剤のいくつかの例は、サリチル酸及び硫黄である。虫歯予防剤のいくつかの例は、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム及びフッ化スズである。ふけ防止剤のいくつかの例は、コールタール、サリチル酸、硫化セレン、硫黄、及び亜鉛ピリチオンである。抗真菌剤のいくつかの例は、ウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛及びポビドンヨードである。抗菌剤のいくつかの例は、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、過酸化水素、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、ポロキサマー(Poloxamer)188、及びポビドンヨードである。
【0041】
酸化防止剤のいくつかの例は、アセチルシステイン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチン(Ascorbyl Methylsilanol Pectinate)、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p−ヒドロキシアニソール、BHT、t−ブチルヒドロキノン、コーヒー酸、カメリアシネンシス油、キトサンアスコルビン酸(Chitosan Ascorbate)、キトサングリコール酸(Chitosan Glycolate)、キトサンサリチル酸(Chitosan Salicylate)、クロロゲン酸、システイン、システインHCI、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリソルビン酸、ジアミルヒドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、ジセチルチオジプロピオネート、ジシクロペンタジエン/t−ブチルクレゾールコポリマー、三オレイン酸二ガロイル(Digalloyl Trioleate)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、イソクエルシトリン、ジオスミン(Diosmine)、アスコルビン酸硫酸二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム(Disodium Rutinyl Disulfate)、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル(Ethyl Ferulate)、フェルラ酸、ヒドロキノン、ヒドロキシアミンHCI、硫酸ヒドロキシアミン、チオグリコール酸イソオクチル、コジック酸、マデカシコシド(Madecassicoside)、アスコルビン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムアスコルビル、メラトニン、ルチニルコハク酸メトキシ−PEG−7(Methoxy-PEG-7 Rutinyl Succinate)、メチレンジ−t−ブチルクレゾール、アスコルビン酸メチルシラノール、ノルジヒドログアヤレト酸、没食子塩オクチル、フェニルチオグリコール酸、フロログルシノール、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、チオジグリコールアミド、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ロスマリン酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリルリン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ二硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール(Sorbityl Furfural)、ティーツリー(メラルーカアルテルニフォーリア)油、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン、リノール酸/オレイン酸トコフェロール、チオジグリコール、コハク酸トコフェロール、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス−5(Tocophereth-5)、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50、トコフェロール、トコフェルソラン、リノール酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、トコキノン、o−トリルビグアニド、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ユビキノン、及びジブチルジチオカルバミン酸亜鉛である。
【0042】
制汗剤及び体臭防止剤のいくつかの例は、塩化アルミニウム、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスGLY、ジクロロ−m−キシレノール、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスPEG、アルミニウムクロロハイドレックス、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスPG、アルミニウムクロロハイドレックスPEG、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、臭化ドミフェン、アルミニウムクロロハイドレックスPG、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスGLY、ヘキサクロロフェン、アルミニウムジクロロハイドレート、フェノールスルホン酸アンモニウム、ケトグルタル酸、アルミニウムジクロロハイドレックスPEG、臭化ベンザルコニウム、臭化ラウリルイソキノリニウム、アルミニウムジクロロハイドレックスPG、セチルリン酸ベンザルコニウム、塩化ラウリルピリジニウム、乳酸アルミニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化メチルベンゼトニウム、フェノールスルホン酸アルミニウム、サッカリン酸ベンザルコニウム(Benzalkonium Saccharinate)、フェノール、アルミニウムセスキクロロハイドレート、塩化ベンゼトニウム、重炭酸ナトリウム、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG(Aluminum Sesquichlorohydrex PEG)、ブロモクロロフェン(Bromochlorophene)、フェノールスルホン酸ナトリウム、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG、塩化セチルピリジニウム、トリクロバン(Tricloban)、硫酸アルミニウム、クロロフィリン−銅錯体、トリクロサン、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、クロロチモール、ゼオライト、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレックスGLY、乳酸亜鉛、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、クロフルカルバン(Cloflucarban)、フェノールスルホン酸亜鉛、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレックスGLY、塩化デカリニウム、リシノール酸亜鉛、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、及びジクロロフェンである。
【0043】
化粧用殺生剤のいくつかの例は、フェノールスルホン酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アンモニウム、バクチオール(Bakuchiol)、臭化ベンザルコニウム、セチルリン酸ベンザルコニウム(Benzalkonium Cetyl Phosphate)、塩化ベンザルコニウム、サッカリン酸ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ポタシウムフェノキシド(Potassium Phenoxide)、ベンゾキシキン、塩化ベンゾキソニウム(Benzoxonium Chloride)、ビスピリチオン(Bispyrithione)、ホウ酸、ブロモクロロフェン(Bromochlorophene)、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート(Camphor Benzalkonium Methosulfate)、キャプタン、塩化セタルコニウム、臭化セテアラルコニウム(Cetearalkonium Bromide)、臭化セテチルジモニウム(Cetethyldimonium Bromide)、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、セトリモニウムメトサルフェート、サッカリン酸セトリモニウム、トシル酸セトリモニウム(Cetrimonium Tosylate)、塩化セチルピリジニウム、クロラミンT、クロルヘキシジン、二酢酸クロルヘキシジン、ジグルコン酸クロルヘキシジン、二塩酸クロルヘキシジン、p−クロロ−m−クレゾール、クロロフェン、p−クロロフェノール、クロロチモール、クロロキシレノール、クロルフェネシン、シクロピロックスオラミン、クリンバゾール(Climbazole)、クロフルカルバン(Cloflucarban)、クロトリマゾール、コールタール、コロイド硫黄、o−シメン−5−オール、酢酸デクアリニウム、塩化デクアリニウム、ジイセチオン酸ジブロモプロパミジン(Dibromopropamidine Diisethionate)、ジクロロベンジルアルコール、ジクロロフェン、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、ジクロロ−m−キシレノール、ジヨートメチルトリルスルホン(Diiodomethyltolylsulfone)、ジメチロールエチレンチオ尿素、ジフェニルメチルピペラジニルベンズイミダゾール、臭化ドミフェン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、フルオロサラン(Fluorosalan)、ホルムアルデヒド、グルタラール、ヘキサクロロフェン、ヘキサミジン、ジイセチオン酸ヘキサミジン、ヘキサミジンジパラベン(Hexamidine Diparaben)、ヘキサミジンパラベン、ヘキセチジン(Hexetidine)、過酸化水素、ヒドロキシメチルジオキソアザビシクロオクタン、イクタモール、イソプロピルクレゾール、塩化ラピリウム(Lapyrium Chloride)、臭化ラウルアルコニウム(Lauralkonium Bromide)、塩化ラウルアルコニウム、臭化ラウルトリモニウム(Laurtrimonium Bromide)、塩化ラウルトリモニウム、ラウルトリモニウムトリクロロフェノキシド(Laurtrimonium Trichlorophenoxide)、臭化ラウリルイソキノリニウム、サッカリン酸ラウリルイソキノリニウム、塩化ラウリルピリジニウム、酸化第二水銀、メテナミン、塩化メテンアンモニウム(Methenammonium Chloride)、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ミリスタルコニウム(Myristalkonium Chloride)、サッカリン酸ミリスタルコニウム、臭化ミルトリモニウム(Myrtrimonium Bromide)、ノノキシノール−9ヨード、ノノキシノール−12ヨード、塩化オレアルコニウム、オキシキノリン、安息香酸オキシキノリン、硫酸オキシキノリン、PEG−2塩化ココベンゾニウム(PEG-2 Coco-Benzonium Chloride)、PEG−10塩化ココベンゾニウム、PEG−6ウンデシレネート(PEG-6 Undecylenate)、PEG−8ウンデシレネート、フェノール、o−フェニルフェノール、フェニルサリチレート、ピロクトンオラミン、スルホスクシニルウンデシレネート(Sulfosuccinylundecylenate)、o−フェニルフェノールカリウム(Potassium o-Phenylphenate)、サリチル酸カリウム、トロクロセンカリウム、プロピオン酸、PVP−ヨード、クオタニウム−8、クオタニウム−14、クオタニウム−24、フェノールスルホン酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシド、o−フェニルフェノールナトリウム、スルホン酸ナトリウムシェール油(Sodium Shale Oil Sulfonate)、ウスニン酸ナトリウム、チアベンダゾール、2,2’−チオビス(4−クロロフェノール)、チラム、トリアセチン、トリクロカルバン、トリクロサン、トリオクチルドデシルボレート(Trioctyldodecyl Borate)、ウンデシレナミドプロピルアミンオキシド(Undecylenamidopropylamine Oxide)、ウンデシレネス−6(Undecyleneth-6)、ウンデシレン酸、酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、システイン酸亜鉛(Zinc Cysteinate)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、乳酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、亜鉛ピリチオン、硫酸亜鉛、及びウンデシレン酸亜鉛である。
【0044】
外用鎮痛剤のいくつかの例は、ベンジルアルコール、含油樹脂唐辛子(含油樹脂キダチ唐辛子(Capsicum Frutescens Oleoresin))、サリチル酸メチル、ショウノウ、フェノール、カプサイシン、杜松タール(プリックリージュニパー(Juniperus Oxycedrus)タール)、フェノールナトリウム(Phenolate Sodium)(ナトリウムフェノキシド)、唐辛子(キダチ唐辛子)、メントール、レゾルシノール、ニコチン酸メチル、及びテレビン油(Turpentine)である。
【0045】
口腔ケア剤のいくつかの例は、フッ化アルミニウム、リン酸二カルシウム二水和物、重炭酸ナトリウム、フッ化アンモニウム、臭化ドミフェン、塩化ナトリウム、ケイフッ化アンモニウム、グリセロリン酸鉄(Ferric Glycerophosphate)、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム、グリセリン、ケイフッ化ナトリウム、リン酸アンモニウム、ヘキセチジン(Hexetidine)、グリセロリン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水和シリカ(Hydrated Silica)、メタリン酸ナトリウム、フッ化カルシウム、水添でんぷん加水分解物(Hydrogenated Starch Hydrolysate)、モノフルオロリン酸ナトリウム、グリセロリン酸カルシウム、過酸化水素、フィチン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ナトリウムスチレン(Sodium Styrene)/アクリレート/ジビニルベンゼン、リン酸カルシウム、フッ化マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ケイフッ化マグネシウム、フッ化スズ、フッ化水素酸セチルアミン(Cetylamine Hydrofluoride)、グリセロリン酸マグネシウム、ピロリン酸スズ、塩化セチルピリジニウム、グリセロリン酸マンガン、酢酸ストロンチウム、クロロヘキシジン(Chlorohexidine)、オラフルル(Olaflur)、塩化ストロンチウム、二酢酸クロロヘキシジン(Chlorohexidine Diacetate)、フィチン酸、ピロリン酸四カリウム、二グルコン酸クロロヘキシジン(Chlorohexidine Digluconate)、ポリエチレン、ピロリン酸四ナトリウム、二塩酸クロロヘキシジン(Chlorohexidine Dihydrochloride)、フッ化カリウム、リン酸三カルシウム、クロロチモール、ケイフッ化カリウム、塩化亜鉛、塩化デカリニウム、グリセロリン酸カリウム、クエン酸亜鉛、リン酸二アンモニウム、モノフルオロリン酸カリウム、硫酸亜鉛、及びリン酸二カルシウムである。
【0046】
口腔ケア薬のいくつかの例は、アンモニウムミョウバン、カリウムミョウバン、ベンジルアルコール、過酸化カルバミド、アカニレ樹皮抽出物(Elm Bark Extract)、ゼラチン、グリセリン、過酸化水素、メントール、ペクチン、フェノール、重炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、及び塩化亜鉛である。
【0047】
酸化剤のいくつかの例は、過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、過酸化メラミン(Melamine Peroxide)、臭素酸カリウム、カロ酸カリウム(Potassium Caroate)、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、過酸化炭酸ナトリウム(Sodium Carbonate Peroxide)、塩素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、過酸化尿素、及び過酸化亜鉛である。
【0048】
還元剤のいくつかの例は、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、システマインHCl(Cystemaine HCl)、システイン、システインHCl、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒドロキノン、p−ヒドロキシアニソール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパーオキシドジスムターゼ、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、及びホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛である。
【0049】
皮膚漂白剤の例は、ヒドロキノンである。
【0050】
皮膚保護剤のいくつかの例は、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、ココアバター、肝油、コロイダルオートミール(Colloidal Oatmeal)、ジメチコーン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱油、ペトロラタム、サメ肝油、重炭酸ナトリウム、タルク、マンサク(Witch Hazel)、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛である。
【0051】
本発明により調製される組成物は、店頭(OTC)用の様々なパーソナルケア組成物、医療用組成物及び家庭用ケア組成物で使用され得るが、特にパーソナルケア分野で使用され得る。従って、それらは、制汗剤、体臭防止剤、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、にきび又はしわ除去剤等の顔用トリートメント、身体用及び顔用洗浄剤、浴剤、香料、オーデコロン、におい袋(sachet)、日焼け止め剤、プレシェーブ及びアフターシェーブローション、液体石鹸、ひげそり用石鹸、ひげそり用フォーム(shaving lather)、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアスプレー、ムース、パーマ(permanent)、脱毛剤、ヘアキューティクルコート(hair cuticle coat)、化粧品、色化粧品、ファンデーション、ほお紅、口紅、リップクリーム、アイライナー、マスカラ、油除去剤(oil remover)、色化粧品除去剤、マニキュア液、並びに粉剤(powder)で使用され得る。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は、本発明の組成物及び方法をさらに説明するために示すが、本発明を制限すると解釈されない。他で示さない限り、実施例における全ての部及び比率は重量基準であり、全ての測定は約23℃で得られた。
【0053】
後に続く代表例において、「カルビノール流体」として記載された成分は、ダウコーニング(登録商標)5562カルビノール流体(ダウコーニング社、ミシガン州ミッドランド)、式RMeSiO(MeSiO)SiMe(式中、Rは−(CHOCHCHOHであり、xは23℃で約50cS(mm/s)の粘度を有する製品を与えるような値である)を有するヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンである。
【0054】
(実施例1)
シリコーン樹脂及びキャリアを含有する無着色コーティング組成物において、カルビノール流体を湿潤剤として評価した。比較のために、他の一般に用いられている湿潤剤も評価した。これらは、ミシガン州ミッドランドのダウコーニング社からのダウコーニング(登録商標)5211(ジメチコーンコポリオール)、シリコーンポリエーテル湿潤剤、ニュージャージー州エディソンのクローダインコーポレイテッド(クローダインターナショナルピーエルシー(Croda International Plc)の米国部門)からのクロダモルPTIS(ペンタエリスリチルテトライソステアレート)、及びヒマシ油を含んでいた。コーティング組成物は、10重量%の湿潤剤と、20重量%固形分のシリコーン樹脂と、70重量%のキャリアとを含有していた。使用したキャリアは、シクロメチコーン(D5)及びイソドデカンであった。コーティング組成物で使用したシリコーン樹脂は、ダウコーニング社(ミシガン州ミッドランド)のダウコーニング(登録商標)SR2400、ダウコーニング(登録商標)749流体、ダウコーニング(登録商標)7−4405化粧用流体であった。コーティングは、メイラードコーティングロッド(Maylard coating rod)No8を用いるレネッタチャート(Lenetta chart)上に適用した。その結果として得られた膜は、目視観察、及びガードナー光沢計(Gardner Tri-Gloss meter)を用いる60°光沢の測定により特徴付けられた。均一の膜は、「可」として記載された。配合及び結果を表1にまとめる。
【0055】
【表1】

【0056】
かかる結果は、カルビノール流体が湿潤剤として使用された場合に、系内でより良好な相容性を示す。カルビノール流体に基づく膜は、均一で、最も高い光沢度を有していた。
【0057】
本発明の本質的な特徴を逸脱することなく、本明細書中に記載する化合物、組成物及び方法において、他の変更がなされてもよい。本明細書中で具体的に示した本発明の実施形態は、単なる例示的なものであり、添付の特許請求の範囲で規定する場合を除いて、本発明の範囲に対する限定とは意図されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)式RSiO(3−i)/2(式中、Rは一価の炭化水素基であり、Rは式−ROCHCHOHを有するヒドロカルビル基であり、Rは2〜6個の炭素原子を含有する二価の炭化水素基であり、iは0〜2である)のシロキシ単位を含むヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンと、
(ii)オルガノポリシロキサン樹脂と
を含む組成物。
【請求項2】
前記ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンが、10〜20質量%のRヒドロカルビル基を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンが、次の群:
SiO(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)SiR
SiO(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)SiR
SiO(RRSiO)SiR
SiO(RSiO)(RRSiO)SiR、及び
式−(MeSiO)(MeRSiO)−の環状シロキサン
(式中、Rは、1〜20個の炭素原子を含有する、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル又はアリール基であり;Rは、−(CHOCHCHOHであり;xは1〜500であり、yは1〜40であり、zは1〜40であり、mは1〜6であり、nは1〜6であり、m+nの合計は3〜12である)から選択される式を有するポリジオルガノシロキサンである請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
Rがメチルである請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリジオルガノシロキサンが、式RMeSiO(MeSiO)SiMe(式中、Rは−(CHOCHCHOH、及びxは1〜100である)を有する請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
xが5〜50である請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
xが10〜20である請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記オルガノポリシロキサン樹脂が、次の単位:
(i)(RSiO1/2
(ii)(RSiO2/2
(iii)(RSiO3/2、及び
(iv)(SiO4/2
(式中、Rは一価の炭化水素基であり、aは0〜0.8であり、bは0〜0.4であり、cは0〜01.0であり、dは0〜0.8であり、但しc又はdのどちらかの値が0より大きく、及びa+b+c+dの値が1である)を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記オルガノポリシロキサン樹脂が、少なくとも80モル%の、(RSiO1/2及び(SiO4/2単位(式中、Rは一価の炭化水素基であり、a及びdは0より大きな値を有し、及びa/dの比は0.5〜1.5である)を含むMQ樹脂である請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
有機又はシリコーン溶媒から選択されるキャリアをさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
(iii)抗にきび剤、虫歯予防剤、ふけ防止剤、抗真菌剤、抗菌剤、酸化防止剤、制汗剤、化粧用殺生剤、体臭防止剤、外用鎮痛剤、口腔ケア剤、口腔ケア薬、酸化剤、還元剤、皮膚漂白剤、皮膚保護剤、日焼け防止剤、UV光吸収剤、顔料、保湿剤、ビタミン、酵素、蛍光増白剤、柔軟剤、及び界面活性剤からなる群から選択される、少なくとも1つの、化粧用活性成分、家庭用ケア活性成分又は医療用活性成分をさらに含む請求項1又は10に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1又は10に記載の組成物を含む化粧品。
【請求項13】
前記化粧品が口紅である請求項12に記載の化粧品。
【請求項14】
請求項1又は10に記載の組成物を毛髪又は皮膚に適用することを含む毛髪又は皮膚の処理方法。

【公表番号】特表2007−533823(P2007−533823A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509484(P2007−509484)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/010860
【国際公開番号】WO2005/105925
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】