説明

置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法及び分散液

【課題】
本発明は、耐水性が優れ、エマルションの安定性に優れ、使用時に汚れの発生を起こし難い置換環状ジカルボン酸無水物分散液の調製方法及びその分散液を提供することを課題とする。
【解決手段】
置換環状ジカルボン酸無水物を水性高分子分散剤で連続的に高せん断型乳化機を用いて分散させて分散液を得る第一分散工程と、次いで第一分散工程で得られた分散液を水性高分子分散剤で分散させる第二分散工程を有する置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法であり、好ましくは、第一分散工程において置換環状ジカルボン酸無水物と水性高分子分散剤に加えてさらに界面活性剤を用いる置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法及び分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
置換環状ジカルボン酸無水物は疎水性物質であり、パルプやコンクリート、ガラス繊維、合成繊維などの耐水性付与剤としての性能が知られている。しかし、実際の使用においては耐水性を付与する素材が水を含む分散工程を経て加工されるため、置換環状ジカルボン酸無水物を水媒体中に乳化分散しエマルションとしたものを添加する必要がある。置換環状ジカルボン酸無水物は常温あるいは加温状態で油状物質であるので、乳化剤および高速攪拌機を用いた従来公知の乳化方法により乳化することができる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかし、置換環状ジカルボン酸無水物のエマルションは、分散媒である水成分と置換環状ジカルボン酸無水物が反応して加水分解物となって性能が低下するため、乳化直後のエマルションを使用すべく、対象物質の生産量に連動して連続的に置換環状ジカルボン酸無水物の乳化を行いながら添加を行う方法が確立されてきた(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
置換環状ジカルボン酸無水物の乳化には、イオン性のあるいはノニオン性の界面活性剤および水溶性の各種天然・合成高分子などの水性高分子がそれぞれ単独あるいは両方が用いられる。水性高分子は主にエマルションにイオン性や保護コロイド性を付与する目的で使用され、上記界面活性剤と併用して乳化に使用される。例えば、カチオン化澱粉糊液を使用する方法(例えば特許文献1、2参照)、ビニル系や(メタ)アクリルアミド系のカチオン性ポリマーを使用する方法(例えば、特許文献4,5参照)、(メタ)アクリルアミドを含むモノマー類をカチオン化澱粉にグラフト重合させたグラフト化カチオン化澱粉を使用する方法(例えば、特許文献6参照)、両性アクリルアミド系ポリマーを使用する方法(例えば、特許文献7,8参照)が開示されている。
【0005】
置換環状ジカルボン酸無水物を乳化する方法のうち、カチオン化澱粉糊液を使用する方法として一般的なものは、5〜10%の界面活性剤を溶解させた置換環状ジカルボン酸無水物に対し、カチオン化澱粉糊液を固形分比で1〜4倍量使用して乳化に用いる方法であり、乳化装置としては可動部をもたないベンチュリー式の乳化装置を使用する方法や、高速回転するタービンを循環させて乳化する方法や、その他の方法による乳化が行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
また、両性/カチオン性(メタ)アクリルアミド系水性高分子分散剤を使用する方法として一般的なものは、界面活性剤を含まないか、あるいは上記カチオン化澱粉等で乳化する場合よりは少量の界面活性剤を含む置換環状ジカルボン酸無水物に対し、上記水性高分子分散剤を固形分比で0.1〜2倍量使用して乳化するもので、乳化装置としては高速回転型乳化機やホモジナイザー等が使用される(例えば、特許文献5,9,11参照)。
【0007】
上記カチオン化澱粉を用いた置換環状ジカルボン酸無水物の乳化方法において、ベンチュリー乳化装置は乳化力が強くないために、置換環状ジカルボン酸無水物に5〜10%の界面活性剤を混合する必要があるが、この界面活性剤が置換環状ジカルボン酸無水物の耐水性を低下させるばかりでなく、空気中の水分による置換環状ジカルボン酸無水物の加水分解を促進させるため、保存管理が困難になる問題があった。さらには、ベンチュリー乳化装置は構造上静的な混合装置であるため、乳化のための応力を制御することが困難であり、得られた分散液粒子の粒度分布が広く、2μmを越える粗大粒子を多く含むため、耐水性能が低下し、また、使用時に汚れの発生を起こしやすいという問題があった(例えば、特許文献10参照)。また、高圧タービンポンプを用いて循環乳化する方法では上記ベンチュリー式に比べて粒度分布は狭くなるものの、循環中に加水分解物が増加して品質の低下がおきる問題があった。
【0008】
一方、両性/カチオン性(メタ)アクリルアミド系水性高分子分散剤を用いて、界面活性剤を含まない置換環状ジカルボン酸無水物を乳化する場合、界面活性剤のサイズ性能への悪影響は回避できるものの、この場合に使用される水性高分子分散剤には、分子量に制約があり、たとえば高分子量のポリマーは粘度が高くなるために分散液の粘度も高くなりすぎ、攪拌にトルクを必要とし、分散不良となる問題があり、分子量や粘度が限定されたポリマーを使用せざるを得なかった(例えば、特許文献11参照)。
【0009】
【非特許文献1】紙パルプ技術タイムス2003年7月号7〜10頁
【特許文献1】米国特許3821069号公報
【特許文献2】特公昭39−002305号公報
【特許文献3】特公昭53−36044号公報
【特許文献4】特開昭60−246893号公報
【特許文献5】特公平6−33597号公報
【特許文献6】特開平9−111692号公報
【特許文献7】特公平3−4247号公報
【特許文献8】特開昭58−45731号公報
【特許文献9】特公平6−72395号公報
【特許文献10】特開2000−265389号公報
【特許文献11】特開2001−140190号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、耐水性が優れ、エマルションの安定性に優れ、使用時に汚れの発生を起こし難い置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法及びその分散液を提供することを課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の分散工程を設け、特定の乳化機を用いることで耐水性が優れ、エマルションの安定性に優れる置換環状ジカルボン酸無水物の分散液が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、
(1)置換環状ジカルボン酸無水物と水性高分子分散剤とを連続的に分散させて分散液を得る第一分散工程と、次いで第一分散工程で得られた分散液を水性高分子分散剤で分散させる第二分散工程を有することを特徴とする置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法、
(2)第一分散工程において置換環状ジカルボン酸無水物と水性高分子分散剤に加えてさらに界面活性剤を用いる前記(1)の置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法、
(3)界面活性剤のイオン性が、アニオン性及び/又はノニオン性であり、置換環状ジカルボン酸無水物に予め0.3〜3重量%の界面活性剤を混合したものを用いる前記(2)の分散液の調製方法、
(4)水性高分子分散剤が、澱粉類、アクリルアミド系ポリマー類、澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール類から選ばれる少なくとも1種である前記(1)〜(3)のいずれかの分散液の調製方法、
(5)第一分散工程で得られる分散液中に置換環状ジカルボン酸無水物が1〜50重量%存在する前記(1)〜(4)の分散液の調製方法、
(6)以下の分散工程で製造される前記(1)〜(5)の分散液の調製方法

(7)前記(1)〜(6)の分散液の調製方法によって得られ、分散液の平均粒子径が0.3〜1.5μmである置換環状ジカルボン酸無水物の分散液、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の分散液の調製方法を用いることで、耐水性が優れ、エマルションの安定性に優れる置換環状ジカルボン酸無水物の分散液を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
前記置換環状ジカルボン酸無水物としては、下記一般式
【化1】

(但し、前記式中、R は炭素数5以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、またはアラルケニル基、nは2〜3の整数を表わす。)の基本構造を有する置換環状ジカルボン酸無水物である。
【0015】
具体的にはヘキサデシルコハク酸無水物、オクタデシルコハク酸無水物等のアルキルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物等のアルケニルコハク酸無水物、ヘキサデシルグルタル酸無水物、オクタデシルグルタル酸無水物等のアルキルグルタル酸無水物、及びヘキサデセニルグルタル酸無水物、オクタデセニルグルタル酸無水物等のアルケニルグルタル酸無水物などが挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、複数混合して使用しても良い。
【0016】
これらの置換環状ジカルボン酸無水物は、通常の有機合成法により合成することができ、又、市販品として容易に得ることができるものもある。例えばオクタデシルコハク酸無水物は、1−オクタデセンに無水マレイン酸を付加させることで合成される。また、オクタデセンの炭素−炭素二重結合を内部異性化した後、無水マレイン酸を付加させることで合成される。
【0017】
本発明で用いる水性高分子分散剤は、水溶性の各種合成高分子、天然高分子が挙げられ、具体的には、澱粉類、アクリルアミド系ポリマー類、澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー、ポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロース類、ガム類、カゼインなどが挙げられる。これらの中でも澱粉類、アクリルアミド系ポリマー、澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール類が好ましい。
【0018】
上記澱粉類とは、例えばトウモロコシ、小麦、馬鈴薯、米、タピオカ等の生澱粉およびそれらの澱粉に、一級、二級、第三級の各アミノ基及び四級アンモニウム基からなる群から選ばれる少なくとも一種の塩基性窒素を含有させたカチオン性澱粉が挙げられる。また上記カチオン性澱粉にアニオン性基(例えば、リン酸エステル基等)を導入した両イオン性澱粉も使用可能である。その他、酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉、アルキルエーテル化澱粉、リン酸澱粉、尿素リン酸澱粉、疎水変性澱粉等が挙げられる。
【0019】
上記アクリルアミド系ポリマー類としては、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド、即ち(メタ)アクリルアミドを50モル%以上を含有し、カチオン性基及び/又はアニオン性基を有しても良い水溶性ポリマーである。このアクリルアミド系ポリマーは、例えば、(メタ)アクリルアミドを主成分とする水溶性ポリマーを変性することによってイオン性基を導入する変性方法により、あるいは(メタ)アクリルアミドと必要に応じてカチオン性モノマー、アニオン性モノマー及び他のビニル系モノマーとを含有するモノマー混合物を従来公知の方法で重合せしめる共重合方法により、更にはこれら両方の方法の組み合わせ等によって得ることができる。
【0020】
前記変性方法による場合、カチオン性基の導入には、ホフマン変成反応、マンニッヒ反応及びポリアミンによるアミド交換反応が利用され、他方アニオン性基の導入には、加水分解反応等が利用できる。
【0021】
前記カチオン性モノマーとしては、モノ−あるいはジ−アルキルアミノアルキルアクリレート、モノ−あるいはジ−アルキルアミノアルキルメタクリレート、モノ−あるいはジ−アルキルアミノアルキルメタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、モノ−あるいはジ−アリルアミン及びそれらの混合物、更にはこれらの4級アンモニウム塩などを例示することができる。
【0022】
アニオン性モノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸類、あるいはこのほかスルホン酸基やリン酸基を有する公知の各種重合性モノマー類を例示することができる。
【0023】
他のビニル系モノマーとしては、(メタ)アクリルアミドなどと共重合可能なN−メチロールアクリルアミド、メチレン(ビス)アクリルアミド、2官能性モノマー、3官能性モノマー、4官能性モノマーなどの架橋性ビニルモノマー、や(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルなどのノニオン性ビニルモノマーも併用可能である。
【0024】
本発明で用いるアクリルアミド系ポリマー類の製造法としては、従来公知の各種方法により行うことができる。例えば、攪拌機、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に構成成分であるビニルモノマーと水とを仕込み、重合開始剤として過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、アンモニウムハイドロパーオキサイドなどの過酸化物、或はこれらの過酸化物と重亜硫酸ソーダなどの還元剤との組み合わせからなる任意のレドックス開始剤、更には2−2´アゾビス(アミノプロパン)塩酸類のような水溶性アゾ系開始剤などを使用し、反応温度40〜80℃で1〜5時間反応させてアクリルアミド系ポリマー類を得ることができる。
【0025】
本発明で用いる澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマーは、澱粉類の存在下に前記アクリルアミド系ポリマー類を形成し得るモノマー類をグラフト重合させて調製される。
【0026】
例えば、カチオン性澱粉水溶液中において、(a)カチオン性基含有モノマー、(b)アニオン性基含有モノマーおよび(c)(メタ)アクリルアミドを含有するモノマー混合物を共重合して得ることができる。
【0027】
前記カチオン性モノマー(a)の具体例としては、モノ−或いはジーアルキルアミノアルキルアクリレート、モノ−或いはジーアルキルアミノアルキルメタアクリレート、モノ−或いはジーアルキルアミノアルキルアクリルアミド、モノ−或いはジーアルキルアミノアルキルメタアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、モノ−或いはジーアリールアミン及びそれらの混合物、更にそれらの第4級アンモニウム塩等を例示することができる。また前記アニオン性モノマー(b)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸類のほか、スルホン酸基やリン酸基を有する公知の各種重合性モノマー類等が使用可能である。上記の変性や共重合の反応は、公知の反応操作に従うもので、適当な反応条件を任意に選択できる。
【0028】
その他の水溶性ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール類、デキストリン類なども使用可能である。
【0029】
水性高分子分散剤の濃度、添加量は特に制限はなく、用途に応じて添加量、濃度を変更することができるが、置換環状ジカルボン酸無水物組成物に対する固形分比で0.1〜4倍を添加することが好ましい。
【0030】
本発明の分散液の調製方法においては界面活性剤を使用することが好ましい。特に、置換環状ジカルボン酸無水物に対して0.3〜3重量%を使用することにより乳化性、得られたエマルションの安定性が向上するため、好ましい。界面活性剤は予め置換環状ジカルボン酸無水物および/または水性高分子分散剤に混合してもよいし、また、乳化時に置換環状ジカルボン酸無水物および/または水性高分子分散剤に連続混合してもよいが、予め置換環状ジカルボン酸無水物に混合しておくことが最も好ましい。
【0031】
本発明で使用する界面活性剤の種類としては、従来公知のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤あるいはノニオン性界面活性剤が使用できる。これらは1種又は2種以上を使用しても良い。
【0032】
カチオン性界面活性剤としてはたとえば長鎖アルキルアミン塩、変性アミン塩、テトラアルキル4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノリウム塩、アルキルスルホニウム塩などが挙げられ、両性界面活性剤としては各種ベタイン系界面活性剤が挙げられる。
【0033】
アニオン性界面活性剤としてはたとえばアルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアラルキルアリール硫酸エステル塩、アルキル−アリールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル燐酸エステル塩および各種スルホコハク酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。
【0034】
ノニオン性界面活性剤としては脂肪酸ソルビタンエステルおよびそのポリアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸ポリグリコールエステル、各種ポリアルキレンオキサイド型ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪族アミン、ポリオキシエチレン脂肪族メルカプタン、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアラルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェノールエーテル燐酸エステル等)が挙げられる。
【0035】
これらの中でも、アニオン性界面活性剤が好ましく、具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル燐酸エステルまたはスルホコハク酸ジアルキルナトリウム塩が好ましい。
【0036】
上記置換環状ジカルボン酸無水物と水性高分子分散剤又は置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤と水性高分子分散剤は、一定の比率にて分散される第一分散工程と、引き続き連続的に水性高分子分散剤によって希釈される第二分散工程を経て良好な乳化性と保護コロイド性をもったエマルションとなる。第一分散工程において、置換環状ジカルボン酸無水物の濃度は1〜50%が好ましく、より好ましくは7〜20%である。50%より高いと、粘度が高すぎて混合不良となる場合がある。一方、1%未満であれば、抄紙系での汚れを発生する場合がある。すなわち、分散剤を2段添加にすることにより、第一分散工程の流量が下がり、滞留時間がふえることによって乳化性が良好となるものと考えられる。一方、第二分散工程において、第一分散工程の処理を終えた混合物はさらに水性高分子分散剤によって希釈されるが、第一分散工程のものと同じ水性高分子分散剤であっても、異なる水性高分子分散剤であってもよい。
【0037】
上記の分散工程は、例えば、図1のようにして行うことが好ましい。図中の矢印は、その成分の流れを表したものである。
【0038】
本発明の第一分散工程において分散を行うために用いる機械や装置は特に限定されるものではないが、高せん断をかけることにより乳化する機械や装置が好ましい。具体的には、高速回転型乳化機、各種高圧吐出型乳化機、高圧衝突型乳化機、超音波乳化機などの高せん断型乳化機を挙げることができる。本発明において、エマルション粒子は第一分散工程において形成されると考えられ、第一分散工程の処理物の重量平均粒子径が0.3〜1.5μmの範囲に入る乳化機および乳化条件を選択するのがよい。第一分散工程においては高速回転型の高せん断型乳化機であることが好ましい。第一分散工程の処理物は速やかに第二分散工程で処理されることが好ましく、第一分散工程処理物を第一分散工程処理前に戻して循環させ、繰り返し第一分散工程を経る方法は置換環状ジカルボン酸の加水分解が促進されるため性能の低下を招く場合がある。
【0039】
高速回転型高せん断型乳化機は、攪拌翼(ロータ)の外周部に近接させた固定環(ステータ)の中でロータの高速回転(1000〜30000rpm)を行い、その狭い間隙に流体を供給することにより剪断力を流体に与えることができる構造を有するものであって、ロータはステータと50μm〜30mmの一定間隔を保ちつつ回転できる構造となっており、また、ロータ及びステータが互いに接近する面にはロータ及び/又はステータに溝、細孔、長細孔又は櫛歯が設けてあり、ロータの回転によってキャビテーションや圧力波等の衝撃力を発生させ、より効果的にロータ及びステータの間の限定された領域に存在する流体に強力な剪断力を与えることができる構造となっているものが挙げられる。上記ロータ/ステータの対は乳化機内部に複数存在してもよく、例えば同一回転軸上に、複数のロータ/ステータの対が平面状あるいは垂直状に存在し、それぞれのロータ/ステータの対に順次流体を通過させる多段型の構造のものはその対が単独のものよりはより強力な剪断力が得られる。
【0040】
ただし、過剰の剪断は混合物の発熱の原因となるため、ロータの回転数は毎分1000〜25000回転(rpm)、ロータの最外側の周速は3〜100m/秒の範囲内であることが好ましく、ステータとロータの間隔は0.05〜10mmであることが好ましい。その間隔が0.05mm未満の場合は、間隔が狭いため両者が接触したり、また、その間隙に混合物を介在させてロータを回転させるその抵抗が高くなり過ぎ、発熱し過ぎ等の不都合を起こすことがあり、一方その間隙が10mmを越えると均一な混合物が得られず、その結果微細な粒径のエマルションが得られない場合がある。
【0041】
市販されている高剪断型回転式乳化機としては、インラインディスパージングミキサー(YSTRAL社製)、ボックボルトホモジナイザー(ボックボルト社製)、マイルダー(株式会社荏原製作所製)、ONLATOR(株式会社櫻製作所製)、ペンタックスミキサー(アルファ・ラバル社製)、SUPRATON(KRUPP社製)、キャビトロン(CAVITRON社製)、シャーポンプ(FRISTOM社製)等が例示できるほか、各種コロイドミル、タービンポンプも使用可能である。
【0042】
一方、第二分散工程においては、高せん断力は必要ではなく、上記高せん段型乳化機を用いることもできるが、低せん断型乳化機、例えば静止型のインラインミキサー(「スタテックミキサー」(ノリタケ・カンパニーリミテッド社製品の商品名)、「Hi−Mixier(Toray社製品の商品名)、「スケヤミキサー(櫻製作所社製品の商品名)))や、低せん断の回転型乳化分散機(プロペラミキサー、タービンミキサー、デゾルバー)や渦巻ポンプ等の使用が挙げられる。
【0043】
粘度が高い水性高分子分散剤の場合、適宜希釈して濃度を下げたものを添加し、上記第一分散工程において、1〜50%、より好ましくは3〜20%の置換環状ジカルボン酸無水物濃度で乳化を行った直後、必要量の残りを第二分散工程に添加し希釈に使用することにより、水性高分子分散剤濃度にかかわらず必要量を置換環状ジカルボン酸無水物に対し添加することができるため、良好な安定性が得られる。
【0044】
本発明によって得られる置換環状ジカルボン酸無水物の分散液は、特に紙の耐水性付与剤として使用することが効果的である。その紙としては、特に制限されないが、各種の紙、板紙が挙げられる。紙の種類としては、PPC用紙、インクジェット印刷用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、熱転写紙、感熱記録原紙、感圧記録原紙等の記録用紙、印画紙及びその原紙、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙、中質コート紙等のコート原紙、クラフト紙、純白ロール紙等の包装用紙、その他ノート用紙、書籍用紙、各種印刷用紙、新聞用紙等の各種紙(洋紙)、マニラボール、白ボール、チップボール等の紙器用板紙、ライナー、石膏ボード原紙等の板紙が挙げられる。
【0045】
紙あるいは板紙を製造するに当たって、パルプ原料としては、クラフトパルプあるいはサルファイトパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプなどの晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙などの古紙パルプのいずれも使用することができる。また、上記パルプ原料と石綿、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維との混合物も使用することができる。
【0046】
填料、染料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤などの添加物も、各々の紙種に要求される物性を発現するために、必要に応じて使用しても良い。填料としては、クレー、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられ、これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。乾燥紙力向上剤としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、両性澱粉等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。湿潤紙力向上剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、アニオン性ポリアクリルアミドを併用しても良い。歩留り向上剤としては、アニオン性又はカチオン性高分子量ポリアクリルアミド、シリカゾルとカチオン化澱粉の併用、ベントナイトとカチオン性高分子量ポリアクリルアミドの併用等が挙げられる。濾水性向上剤としては、ポリエチレンイミン、カチオン性又は両性又はアニオン性ポリアクリルアミド等が挙げられる。また、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、キャレンダーなどで、澱粉、ポリビニルアルコール、アクリルアミド系ポリマー等の表面紙力向上剤、染料、コーティングカラー、表面サイズ剤、防滑剤などを必要に応じて塗布しても良い。また、硫酸バン土は本発明のサイズ剤を添加する前、添加した後、あるいは同時に添加して使用しても良い。
【実施例】
【0047】
以下本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下実施例、比較例において%とあるのは、特に断りのない限り、固形分重量%を意味し、また部とあるのは重量部を意味する。
【0048】
調製例1<アクリルアミド系ポリマー類水溶液>
両性アクリルアミド系紙力剤DS4388(星光PMC株式会社製)の10部に、イオン交換水を90部加えて攪拌、希釈することにより、固形分2.0%のアクリルアミド系ポリマー類水溶液を得た。なお、この希釈操作により、粘度が6500mPa・sから10mPa・sに低下した。
【0049】
調製例2<澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー水溶液>
澱粉グラフトアクリルアミド系紙力剤DG4204(星光PMC株式会社製)の13.3部に、イオン換水を86.7部加えて攪拌、希釈することにより、固形分2.0%、粘度10mPa・sの澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。
【0050】
調製例3<アクリルアミド系ポリマー類水溶液>
ホフマン変成アクリルアミド系紙力剤DH4160(星光PMC株式会社製)の20部に、イオン換水を80部加えて攪拌、希釈することにより、固形分2.0%、粘度10mPa・sのアクリルアミド系ポリマー類水溶液を得た。
【0051】
調製例4<澱粉類糊液>
攪拌機、温度計、還流冷却管を付した反応容器に、カチオン化澱粉Cato304(日本エヌエスシー株式会社製、水分率実測値13%)23部を仕込み、次いで水977部を仕込み攪拌を開始し、分散させた。ついで95℃まで昇温し、20分攪拌を続け、その後40℃まで冷却し、固形分2.0%、粘度200mPas,pH7.5のカチオン化澱粉類糊液1000部を得た。
【0052】
調製例5<界面活性剤の混合>
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を付した反応容器に、オクタデセニル無水コハク酸として、AS1532(星光PMC株式会社製)を1000部仕込み、次いでアニオン性界面活性剤としてスルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩を50部仕込んで攪拌を開始し、60℃まで昇温し、1時間攪拌を続け、均一になったのを確認した後、25℃まで冷却し、界面活性剤を5%配合したオクタデセニル無水コハク酸を得た。
【0053】
調製例6<界面活性剤の混合>
界面活性剤の配合率が5%の配合率を3%に変える以外は調製例7と同様にして界面活性剤を配合したオクタデセニル無水コハク酸を得た。
【0054】
調製例7<界面活性剤の混合>
界面活性剤の剤配合率が5%の配合率を1.5%に変える以外は調製例5と同様にして界面活性剤を配合したオクタデセニル無水コハク酸を得た。
【0055】
調製例8<界面活性剤の混合>
界面活性剤の配合率が5%の配合率を1.0%に変える以外は調製例5と同様にして界面活性剤を配合したオクタデセニル無水コハク酸を得た。
【0056】
調製例9<界面活性剤の混合>
界面活性剤の配合率が5%の配合率を0.6%に変える以外は調製例5と同様にして界面活性剤を配合したオクタデセニル無水コハク酸を得た。
【0057】
調製例10<界面活性剤の混合>
界面活性剤の配合率が5%の配合率を0.3%に変える以外は調製例5と同様にして界面活性剤を配合したオクタデセニル無水コハク酸を得た。
【0058】
調製例11
調製例8の界面活性剤をノニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンジスチレン化フェノールエーテル燐酸エステルに変えた以外は同様にして調製した。
【0059】
調製例12
調製例9の界面活性剤をノニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンジスチレン化フェノールエーテル燐酸エステルに変えた以外は同様にして調製した。
【0060】
調製例13
調製例8の界面活性剤をノニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンジスチレン化フェノールエーテルに変えた以外は同様にして調製した。
【0061】
調製例14
調製例8の界面活性剤をノニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステルに変えた以外は同様にして調製した。
【0062】
実施例1
置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤との混合物である調製例8の置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物と、水性高分子分散剤である調製例4のカチオン化澱粉糊液をそれぞれを定量ポンプを用いて0.1kg/分、0.07Kg/分で供給して合流させ、その合流液を周速30m/秒に回転させたタービンポンプ内を通過させることにより分散する第一分散工程を行った後、引き続き、水性高分子分散剤である調製例4のカチオン化澱粉糊液を第一分散工程後の分散液に定量ポンプを用いて19.93Kg/分として供給して合流させ、その後静的な混合器「スタテックミキサー」(ノリタケ・カンパニーリミテッド社製)を用いて希釈及び分散する第二分散工程により、得られた濃度0.5%の分散液を得た。ここで、第一分散工程で得られる分散液中の置換環状ジカルボン酸無水物は、58.2重量%であることが、調製例8の組成および第一分散工程における調製例8と調製例4の流量比から計算できる(以下同様にして置換環状ジカルボン酸無水物の濃度を求め、単に濃度を略することがある)。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0063】
実施例2
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.10Kg/分として第一分散工程での濃度を50.0%にし、第二分散工程への水性高分子分散剤の供給量を19.90kg/分とする以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0064】
実施例3
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.2Kg/分として第一分散工程での濃度を33.3%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を19.8Kg/分とする以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0065】
実施例4
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.3Kg/分として第一分散工程での濃度を25.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を19.7Kg/分とする以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0066】
実施例5
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.4Kg/分として第一分散工程での濃度を20.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を19.6Kg/分とする以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0067】
実施例6
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.5Kg/分として第一分散工程での濃度を16.7%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を19.5Kg/分とする以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0068】
実施例7
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.9Kg/分として第一分散工程での濃度を10.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を19.1Kg/分とする以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0069】
実施例8
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を1.9Kg/分として第一分散工程での濃度を5.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を18.1Kg/分とする以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0070】
実施例9
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を3.2Kg/分として第一分散工程での濃度を3.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を16.8Kg/分とする以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0071】
実施例10
界面活性剤量の含有量が異なる調製例5の置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤との混合物を用いた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0072】
実施例11
界面活性剤量の含有量が異なる調製例6の置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤との混合物を用いた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0073】
実施例12
界面活性剤量の含有量が異なる調製例7の置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤との混合物を用いた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0074】
実施例13
界面活性剤量の含有量が異なる調製例9の置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤との混合物を用いた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性及びこの分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0075】
実施例14
界面活性剤量の含有量が異なる調製例10の置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤との混合物を用いた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0076】
実施例15
界面活性剤量の含有量が含まれていない置換環状ジカルボン酸無水物 AS1532を用いた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0077】
実施例16
置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例8を置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例11に代えた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0078】
実施例17
置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例8を置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例13に代えた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0079】
実施例18
置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例8を置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例12に代えた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0080】
実施例19
置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例8を置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例14に代えた以外は実施例7と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0081】
実施例20
置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤との混合物である調製例8の置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物と、水性高分子分散剤である調製例2の澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー水溶液をそれぞれを定量ポンプを用いて0.1kg/分、0.9Kg/分で供給して合流させ、その合流液を周速30m/秒に回転させたタービンポンプ内を通過させることにより分散する第一分散工程を行った後、引き続き、水性高分子分散剤である調製例2の澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー水溶液を第一分散工程後の分散液に定量ポンプを用いて4.1Kg/分として供給して合流させ、その後静的な混合器「スタテックミキサー」(ノリタケ・カンパニーリミテッド社製)を用いて希釈及び分散する第二分散工程により、得られた濃度2.0%の分散液を得た。ここで、第一分散工程で得られる分散液中の置換環状ジカルボン酸無水物は、10.0重量%であることが、調製例8の組成および第一分散工程における調製例8と調製例2の流量比から計算できる(以下同様にして置換環状ジカルボン酸無水物の濃度を求め、単に濃度を略することがある)。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0082】
実施例21
水性高分子分散剤である調製例2の澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー水溶液を調製例3のホフマン変成反応によるカチオン変性アクリルアミド系ポリマー水溶液に変えた以外は、実施例20と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0083】
実施例22
置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤との混合物である調製例11の置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物と、水性高分子分散剤である調製例1のアクリルアミド系ポリマー水溶液をそれぞれを定量ポンプを用いて0.1kg/分、0.07Kg/分で供給して合流させ、その合流液を周速30m/秒に回転させたタービンポンプ内を通過させることにより分散する第一分散工程を行った後、引き続き、水性高分子分散剤である調製例2の澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー水溶液を第一分散工程後の分散液に定量ポンプを用いて4.93Kg/分として供給して合流させ、その後静的な混合器「スタテックミキサー」(ノリタケ・カンパニーリミテッド社製)を用いて希釈及び分散する第二分散工程により、得られた濃度2.0%の分散液を得た。ここで、第一分散工程で得られる分散液中の置換環状ジカルボン酸無水物は、58.2重量%であることが、調製例11の組成および第一分散工程における調製例11と調製例1の流量比から計算できる(以下同様にして置換環状ジカルボン酸無水物の濃度を求め、単に濃度を略することがある)。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0084】
実施例23
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.10Kg/分として第一分散工程での濃度を50.0%にし、第二分散工程への水性高分子分散剤の供給量を4.90kg/分とする以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0085】
実施例24
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.2Kg/分として第一分散工程での濃度を33.3%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を4.8Kg/分とする以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0086】
実施例25
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.3Kg/分として第一分散工程での濃度を25.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を4.7Kg/分とする以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0087】
実施例26
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.4Kg/分として第一分散工程での濃度を20.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を4.6Kg/分とする以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0088】
実施例27
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.5Kg/分として第一分散工程での濃度を16.7%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を4.5Kg/分とする以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0089】
実施例28
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を0.9Kg/分として第一分散工程での濃度を10.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を4.1Kg/分とする以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0090】
実施例29
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を1.9Kg/分として第一分散工程での濃度を5.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を3.1Kg/分とする以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0091】
実施例30
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を3.2Kg/分として第一分散工程での濃度を3.0%にし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給量を1.8Kg/分とする以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0092】
実施例31
置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例11を置換環状ジカルボン酸無水物と界面活性剤の混合物である調製例14に代えた以外は実施例28と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0093】
実施例32
水性高分子分散剤である調製例1のアクリルアミド系ポリマー水溶液を調製例3のホフマン変成反応によるカチオン変性アクリルアミド系ポリマー水溶液に変えた以外は、実施例28と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0094】
実施例33
水性高分子分散剤である調製例1のアクリルアミド系ポリマー水溶液を調製例2の澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー水溶液に変えた以外は、実施例28と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0095】
実施例34
実施例18で得られた濃度2.0%の分散液を用いて耐水性試験2で評価した。結果を表2に示す。
【0096】
比較例1
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を20.0Kg/分として第一分散工程での濃度を0.5%とし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例1と同様にして行い、濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0097】
比較例2
周速30m/秒に回転させたタービンポンプ内を通過させることにより高せん断力を与えて分散する代わりに、ベンチュリー管の直径3〜5mmのオリフィス部を通過させることによって流速を高めて乱流を発生させる低せん断力を与えて分散させるベンチュリー方式を第一分散工程に用い、第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を20.0Kg/分として第一分散工程での濃度を0.5%とし、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例1と同様にして行い、得られた濃度0.5%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1で評価した結果を表1に示す。
【0098】
比較例3
第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例5と同様にして行い、濃度20.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1の方法で評価した結果を表1に示す。
【0099】
比較例4
周速30m/秒に回転させたタービンポンプ内を通過させることにより高せん断力を与えて分散する代わりに、ベンチュリー管の直径3〜5mmのオリフィス部を通過させることによって流速を高めて乱流を発生させる低せん断力を与えて分散させるベンチュリー方式を第一分散工程に用い、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例5と同様にして行い、濃度20.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験1の方法で評価した結果を表1に示す。
【0100】
比較例5
第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を5.0Kg/分、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2の方法で評価した結果を表2に示す。
【0101】
比較例6
周速30m/秒に回転させたタービンポンプ内を通過させることにより高せん断力を与えて分散する代わりに、ベンチュリー管の直径3〜5mmのオリフィス部を通過させることによって流速を高めて乱流を発生させる低せん断力を与えて分散させるベンチュリー方式を第一分散工程に用い、第一分散工程への水性高分子分散剤の供給量を5.0Kg/分、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例22と同様にして行い、濃度2.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2の方法で評価した結果を表2に示す。
【0102】
比較例7
第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例14と同様にして行い、濃度20.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2の方法で評価した結果を表2に示す。
【0103】
比較例8
周速30m/秒に回転させたタービンポンプ内を通過させることにより高せん断力を与えて分散する代わりに、ベンチュリー管という管内の直径3〜5mmのオリフィス部を通過させることによって流速を高めて乱流を発生させる低せん断力を与えて分散させるベンチュリー方式を第一分散工程に用い、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例26と同様にして行い、濃度20.0%の分散液を得た。得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いて耐水性試験2で評価した結果を表2に示す。
【0104】
比較例9
水性高分子分散剤の固形分量と同じ量になるように、濃度が調製例1の10倍である、両性アクリルアミド系紙力剤DS4388(星光PMC株式会社製)を2.0kg/分の流量で第一分散工程に添加し、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例26と同様にして乳化を試みたが、乳化機内の混合物の粘度が高くなりすぎ、乳化機が過負荷で停止したため、乳化ができなかった。このため、得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いた耐水性試験について評価できなかった。
【0105】
比較例10
水性高分子分散剤として、両アクリルアミド系紙力剤DS4388(星光PMC株式会社製)を2.0kg/分の流量で第一分散工程に添加し、周速30m/秒に回転させたタービンポンプ内を通過させることにより高せん断力を与えて分散する代わりに、ベンチュリー管の管内の直径3〜5mmのオリフィス部を通過させることによって流速を高めて乱流を発生させる低せん断力を与えて分散させるベンチュリー方式を第一分散工程に用い、第二分散工程での水性高分子分散剤の供給を行わなかった以外は実施例26と同様にして行い、乳化を試みたが、乳化機内の混合物の粘度が高くなりすぎ、ベンチュリー管が閉塞したため乳化ができなかった。このため、得られた分散液の粒子径及び保存安定性、並びに得られた分散液を用いた耐水性試験について評価できなかった。
【0106】
なお、粒子径測定、安定性試験、耐水性試験は以下のように行った。
【0107】
<粒子径測定>
乳化により得られたエマルションについて、レーザー光散乱式粒度分布計LA−910(堀場製作所製)を用いて重量平均粒子径を測定した。
【0108】
<安定性試験>
乳化により得られたエマルションをpH8、硬度500ppmの硬水にて1%に希釈し、24時間後の状態を観察、5段階評価を行った。エマルションの安定性が悪いほど、分離、沈降しやすい。また、この評価において、沈殿物は粘着性を帯びており、実際の使用条件において汚れの原因となる。評価の基準は以下の通りである。
◎;安定
○;僅かに沈殿が認められるが、ふり混ぜることにより容易に均一となる
△;少量の沈殿が認められる
×;多量の沈殿が見られる
××;沈殿と分離が認められる
【0109】
<耐水性試験1>
晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹のパルプ比が1対9である混合パルプ)をパルプ濃度が2.5%になるように電導度35mS/m希釈用水で希釈し、ビーターを用いてカナディアンスタンダードフリーネス400まで叩解した。次いで、得られたパルプスラリー1.2リットルを離解機に秤取し、攪拌下、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業株式会社製タマパール121)を対パルプ3.0%加え、硫酸バンドを対パルプ1.0%、カチオン性澱粉Cato304(日本エヌエスシー株式会社製)を対パルプ0.2%添加した後、置換環状ジカルボン酸無水物の分散液を対パルプ0.1%添加した。その後pH8、電導度35mS/mの希釈水でこの得られたパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈し、上記軽質炭酸カルシウムをさらに対パルプ5%、カチオン性歩留まり剤(ハイモ株式会社製歩留まり剤NR12MLS)を対パルプ0.01%添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で坪量65g/mとなるよう手抄きを行い、ドラムドライヤー100℃、80秒の条件で乾燥した。得られた紙を23℃、50RH%の恒温恒湿室中で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度をJIS P−8122に準じて測定することにより耐水性性能を評価した。この測定値が大きいほど耐水性付与が優れることを意味する。なお、本抄紙条件は上質紙に該当する。
【0110】
<耐水性試験2>
段ボール古紙パルプをパルプ濃度が2.5%になるように電導度180mS/mの希釈用水で希釈し、ビーターを用いてカナディアンスタンダードフリーネス347まで叩解した。得られたパルプの灰分は9.5%であった。次いで、得られたパルプスラリー1.2リットルを離解機に秤取し、攪拌下、硫酸バンドを対パルプ1.2%、凝結剤(星光PMC株式会社製AC7314)を0.05%添加し、カチオン性ポリアクリルアミド(星光PMC株式会社製紙力剤DS4344)を対パルプ0.2%添加した後、置換環状ジカルボン酸無水物の分散液を対パルプ0.1%添加した。その後、pH7、電導度180mS/mの希釈水でこの得られたパルプスラリーを濃度0.8%まで希釈し、紙力剤DH4160(星光PMC株式会社製)を対パルプ0.1%添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で坪量80g/mとなるよう手抄きを行い、ドラムドライヤー110℃、90秒の条件で乾燥した。得られた紙を23℃、50RH%の恒温恒湿室中で24時間調湿した後、60秒のコブサイズ度をJIS P−8140に準じて測定することにより耐水性性能を評価した。この測定値が小さいほど耐水性性能が優れることを意味する。なお、本抄紙条件は板紙に該当する。
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】置換環状ジカルボン酸無水物分散液の調製方法を示した説明図である。矢印は、液の流れを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
置換環状ジカルボン酸無水物を水性高分子分散剤で連続的に分散させて分散液を得る第一分散工程と、次いで第一分散工程で得られた分散液を水性高分子分散剤で分散させる第二分散工程を有することを特徴とする置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法。
【請求項2】
第一分散工程において置換環状ジカルボン酸無水物と水性高分子分散剤に加えてさらに界面活性剤を用いることを特徴とする請求項1に記載の置換環状ジカルボン酸無水物の分散液の調製方法。
【請求項3】
界面活性剤のイオン性が、アニオン性及び/又はノニオン性であり、置換環状ジカルボン酸無水物に予め0.3〜3重量%の界面活性剤を混合したものを用いることを特徴とする請求項2に記載の分散液の調製方法。
【請求項4】
水性高分子分散剤が、澱粉類、アクリルアミド系ポリマー類、澱粉グラフトアクリルアミド系ポリマー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール類から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分散液の調製方法。
【請求項5】
第一分散工程で得られる分散液中に置換環状ジカルボン酸無水物が1〜50重量%存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分散液の調製方法。
【請求項6】
以下の分散工程で製造されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分散液の調製方法。

【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の分散液の調製方法によって得られ、分散液の重量平均粒子径が0.3〜1.5μmであることを特徴とする置換環状ジカルボン酸無水物の分散液。

【図1】
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【公開番号】特開2007−301532(P2007−301532A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135563(P2006−135563)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(000109635)星光PMC株式会社 (102)
【Fターム(参考)】