説明

美容用貼付材及びその貼付方法

【課題】皺やたるみ等を目立たなくし、貼付時に目立たず、肌の動きに追随し、自然な感じの化粧が可能な美容用貼付材及びその貼付方法を提供する。
【解決手段】基材層11と粘着剤層12を有し、基材層11は、ガラス転移温度が0℃以下のポリウレタンエラストマーを主成分とする層からなり且つ1〜10μmの厚みを有し、粘着剤層12は、炭素数8〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体単位を70重量%以上の割合で含有する共重合体からなるアクリル粘着剤を主成分とする層からなり且つ1〜15μmの厚みを有し、基材層11と粘着剤層12の厚さの合計が2〜20μmであり、平面視の形状が、略L字形、略V字状、略多角形、略弓形、略三日月形、略爪形、略滴形、略長円形、略円形、略楕円形、m/n円形、m/n楕円形の群から選択される(但し、m、nは整数)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容用貼付材及びその貼付方法に係り、特に、優れた美容効果及び化粧方法の新たな分野として注目されているリハビリテーション効果を得ることができる美容用貼付材及びその貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人は、外観を美しく整えることで、心が元気になり、豊かな気持ちになることができる。顔や身体の外観に悩みがある人にとっては勿論のこと、そのような悩みのない人にとっても、化粧によって外観を美しく整えることにより、心が元気になり、豊かな気持ちになることができる。したがって、化粧は、人が社会生活を送る上で重要な事項の一つである。化粧は、人が自分の中の元気を引き出す作業ともいえる。そのため、太古の昔から、様々な化粧料を用いた化粧が行われてきた。
【0003】
特に、皺やたるみ等のある肌は、実際の年齢よりも老けて見えたり、不健康そうに見えたりする傾向があり、このような肌を有する人にとって、皺やたるみ等を目立たなくすることは、美容やリハビリテーションの観点からも重要な課題となっている。
【0004】
美容の観点から、皺やたるみ等を目立たなくするための商品として、例えば、ストレッチ性のある基材に粘着材を35g/m2以上の厚塗りで塗布した構成を有し、皺の周辺に貼り、皺の周辺から引っ張って皺を伸ばした状態で固定するストレッチテープが紹介されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、美容の観点から、顔の筋肉の弛みの矯正、皺の伸展等を予防し改善する商品として、例えば、耳から下の表情筋を被覆し且つ通気性弾性構造体からなる被覆体を有し、当該被覆体の形状が、緩いV字状の帯状体で左右対称であり、前記耳から下の表情筋を被覆する被覆部と、該被覆部を顔に保持する保持部とからなり、該被覆部の中央部の幅が顎下部に当接する領域まで延びており、前記被覆体の幅が該中央部から保持部に向かって狭くなる構成を備えた美容補助具も紹介されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
そしてまた、裏面に粘着性を付与した透明性テープからなる皺取りパッチも提案されている。この皺取りパッチは、目の下部に貼り付けて、皺部を長時間押さえた状態にすることにより、皺を防止したり、皺を取り除くために用いられている。(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−313277号公報
【特許文献2】特開2009−112803号公報
【特許文献3】特開平10−194962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載されたストレッチテープは、就寝時に目元、瞼の上、頬等に皮膚の皺を該皺の周辺で引っ張って伸ばし固定して貼るためのものであり、ストレッチ性のある基材に粘着材を35g/m2以上の厚塗りで塗布した構成を有しているため、当該ストレッチテープを貼付した上からメイクをしたり、ストレッチテープを顔等に貼付した状態で外出をしたりすることが困難であり、使用する時間帯や使用場所等に制限がある。
【0009】
また、特許文献2に記載された美容補助具は、耳から下の表情筋を被覆する被覆部と、該被覆部を顔に保持する保持部とから構成され、口を覆った状態で適用(貼付)されるため、当該美容補助具を適用(貼付)した上からメイクをしたり、状態で外出をしたりすることが困難であり、使用する時間帯や使用場所等に制限がある。
【0010】
そしてまた、特許文献3に記載された皺取りパッチは、主として、顔の表情変化が少ない睡眠時等に使用されるものであり、前述した特許文献1及び2と同様に、皺取りパッチを貼付した上からメイクをしたり、皺取りパッチを顔に貼付した状態で外出をしたりすることが困難であり、使用する時間帯や使用場所等に制限がある。
【0011】
ここで、近年、リハビリテーションを兼ね備えた化粧方法として、様々な化粧料を用いた化粧技術が開発されているが、顔や身体の損傷等の程度によっては、化粧料の適用のみでは十分な効果を発揮できないことがある。リハビリテーションとして、肌の損傷の回復を目的とする場合にも、化粧料の適用のみの化粧方法では限界のある場合がある。特に、顔や首筋等にある皺やたるみは、その程度によっては、化粧料を用いた化粧方法のみで外観を整えることが困難な場合がある。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、顔や身体の所定位置に貼付することで、皺やたるみ等を確実に目立たなくすることができると共に、肌に貼付した状態であっても、目立つことがなく、貼付時の違和感もなく、肌の動きに追随することができ、カブレを生じることがなく、周囲の肌と同じような手触り感触があり、さらにその上、化粧料の適用が容易で、自然な感じの化粧が可能な美容用貼付材及びその貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するため本発明は、基材層と、当該基材層の片面側に配設された粘着剤層を有する美容用貼付材であって、前記基材層は、ガラス転移温度が0℃以下のポリウレタンエラストマーを主成分とする層からなると共に、1〜10μmの厚みを有し、前記粘着剤層は、炭素数8〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体単位を70重量%以上の割合で含有する共重合体からなるアクリル粘着剤を主成分とする層からなると共に、1〜15μmの厚みを有し、前記基材層及び粘着剤層の厚さの合計が2〜20μmであり、平面視の形状が、略L字形、略V字状、略多角形、略弓形、略三日月形、略爪形、略滴形、略長円形、略円形、略楕円形、m/n円形、m/n楕円形の群から選択される美容用貼付材(但し、m、nは整数)を提供するものである。
【0014】
なお、本発明では、美容用貼付材の平面視の形状に「略」という用語を記載しているが、この「略」は、例えば、角部にRが付いていたり、直線が若干湾曲している等、ある程度の変形はあるが、その形状を呈していると判断されるものを含むことを意味している。
【0015】
この構成を備えた美容用貼付材は、被適用者に貼付される部位に応じて、略L字形、略V字状、略多角形、略弓形、略三日月形、略爪形、略滴形、略長円形、略円形、略楕円形、m/n円形、m/n楕円形(但し、m、nは整数)の群から形状(平面視の形状)を選択することができるため、前記部位やその近傍にある皺やたるみ等を確実に目立たなくすることができる。
【0016】
また、本発明に係る美容用貼付材は、前記基材層及び粘着剤層の厚さの合計が2〜20μmであるため、皺や肌の細かな凹凸(微細な溝)にも適合し、貼付箇所が目立つことがなく、肌の動きに容易に追随することができ、カブレを発生し難く、化粧料や紫外線から肌を保護し、周囲の健常肌と同じような手触り感触があり、貼付状態で化粧料を適用することができる。したがって、美容用貼付材を貼付した状態で外出することが可能である等、TPOを考慮することなく、いつでも使用することができる。また、化粧をした状態で美容効果を得ることができる。なお、肌の細かな凹凸に適合するとは、本発明の美容用貼付材1が皮溝等を含む肌の細かな凹凸に入り込んで、肌と同様の外観を呈することを意味する。
【0017】
そしてまた、本発明に係る美容用貼付材は、当該美容用貼付材を貼付した上から化粧することで、化粧料が直接肌につかず、当該美容用貼付材を肌から剥がす際に、化粧料を除去することができ、簡便性や、肌への影響がない等の利点もある。
【0018】
また、本発明に係る美容用貼付材は、前記粘着剤層の前記基材層が配設されていない側の面に、セパレータ層を配設することができる。このように構成することで、前記利点に加え、前記粘着剤層を保護することができる。また、厚みが薄い美容用貼付材の取扱性をさらに向上させることができる。
【0019】
そしてまた、本発明に係る美容用貼付材は、前記基材層の前記粘着剤層が配設されていない側の面に、キャリア層を配設することができる。このように構成することで、前記利点に加え、厚みが薄い美容用貼付材の取扱性をさらに向上させることができる。
【0020】
なお、本発明に係る美容用貼付材が、キャリア層やセパレータ層等の付加的な層を有する場合には、その厚みが追加されることになるが、これらの付加的な層は、使用時に剥離されるため、貼付状態での美容用貼付材の厚みは、基材層の厚みと粘着剤層の厚みの合計厚み、あるいは、基材層の厚みと粘着剤層の厚みの合計厚みになる。
【0021】
また、本発明に係る美容用貼付材は、前記ポリウレタンエラストマーとして、例えば、ポリエーテル型ポリウレタンエラストマーを使用することができる。また、前記アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、及びイソノニルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種のアクリル酸アルキルエステルを使用することができる。
【0022】
そしてまた、本発明に係る美容用貼付材は、前記基材層の粘着剤層が設けられていない側の面にエンボス加工が施され、当該エンボス加工が施された面は、角度60度で測定した光沢度が、0.5〜7.5の範囲内に調整することができる。
【0023】
さらにまた、前記基材層及び粘着剤層の少なくとも一方を、着色剤によって黄色系またはオレンジ色系の色調に着色することもできる。
【0024】
また、本発明の一実施態様としては、前記平面視の形状が略L字形であり、当該略L字形の角部を挟んだ一端が、被適用者の耳朶の下に貼付される第1の部位を構成し、当該L字形の角部を挟んだ他端が、当該被適用者の耳朶の下よりも上方に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、口角下のたるみを解消し、肌のハリをアップさせると共に、ほうれい線を目立たなくすることができる。また、口の周りの皺、毛穴を目立たなくすることができ、肌のくすみを解消することもできる。さらに、QOL(Quality of Life:一般に人の生活の質、即ち、人がどれだけ人間らしい望み通りの生活を送ることができているかを計るための尺度として働く概念)を向上させることもできる。
【0025】
そしてまた、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略三角形であり、当該略三角形の底辺が、被適用者の上瞼の縁に貼付される第1の部位を構成し、当該底辺に対向する角部が、当該被適用者の上瞼の二重を構成する溝を形成すべき位置に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、眼瞼下垂症を解消することができると共に、二重をくっきりさせることができる。また、QOLを向上させることもできる。
【0026】
さらにまた、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の首の後ろ且つ頸椎よりも右側に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の首の後ろ且つ頸椎よりも左側に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、首の皺を目立たなくすることができると共に、首のたるみを解消することができる。また、首の肌質を向上させ、QOLを向上させることもできる。
【0027】
また、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略弓形であり、当該略弓形の長手方向の一端が、被適用者のフェースラインの目尻横に貼付される第1の部位を構成し、当該略弓形の長手方向の他端が、当該被適用者の目尻横よりも上方に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、目の下のたるみや、目の下のくまを解消することができ、目の周りの皺や眉間の皺を目立たなくすることができる。また、QOLを向上させることもできる。
【0028】
そしてまた、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略弓形であり、当該略弓形の長手方向の一端が、被適用者のフェースラインの耳朶近傍に貼付される第1の部位を構成し、当該略弓形の長手方向の他端が、当該被適用者の耳の上部裏側に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、目の周りの皺や毛穴を目立たなくすることができる。また、肌のくすみを解消し、肌質を改善することができる。そしてまた、QOLを向上させることもできる。
【0029】
また、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の鼻孔に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の鼻孔から延出して鼻の下に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、例えば、花粉等のアレルギーを引き起こす物質が鼻孔の表面に付着することを防止することができる。
【0030】
さらにまた、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者のフェースラインの首の付け根近傍に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の首の付け根よりも下方に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、フェースラインのたるみを解消することができると共に、肌の凹凸を均一に整えることができる。また、QOLを向上させることもできる。
【0031】
また、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の手首の甲側に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の手首の掌側に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、手首周辺の皺を目立たなくすることができると共に、QOLを向上させることもできる。
【0032】
そしてまた、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の脇の乳房近傍に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の鎖骨近傍に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、バストアップを行うことができると共に、QOLを向上させることもできる。
【0033】
また、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の後部大腿の付け根近傍に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の腰部に貼付される第2の部位を構成する美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、前記第1の部位及び第2の部位を、被適用者の所定の位置に貼付することで、ヒップアップを行うことができると共に、QOLを向上させることもできる。
【0034】
さらにまた、本発明の別の一実施態様としては、前記平面視の形状が略爪形であり、被適用者の爪に貼付される美容用貼付材を挙げることができる。この構成を備えた美容用貼付材は、被適用者の爪に貼付することで、美容用貼付材の上からネイルカラーをムラなく施すことができると共に、ネイルカラーを除去したい際には、美容用貼付材を剥がすことができるため、除光液を使用せずにネイルカラーを除去することができ、爪の健康を損なうこともない。また、ネイルアートも簡単に施すことができ且つ簡単に取り除くこともできる。
【0035】
また、本発明に係る美容用貼付材は、日本工業規格JIS Z 0237に基づく10%引張荷重が、縦方向及び横方向共に0.01N/cm以上、1.2N/cm以下の範囲であるよう構成することができる。このように引張荷重を設定することで、前記利点に加え、美容用貼付材を肌に貼付した際に、当該美容用貼付材が肌の動きに追従し、違和感を覚えることがない。なお、この引張荷重は、縦方向及び横方向共に、0.01〜1.2N/cmが好ましく、0.01〜1.0N/cmであることがより好ましく、0.01〜0.5N/cmであることがさらに好ましく、0.01〜0.3N/cmであることが特に好ましい。
【0036】
そしてまた、本発明は、前述した美容用貼付材の粘着剤層を肌に接触させて貼付する美容用貼付材の貼付方法を提供するものである。この貼付方法によれば、皺やたるみ等を確実に目立たなくすることができると共に、肌に貼付した状態であっても、目立つことがなく、貼付時の違和感もなく、肌の動きに追随することができ、カブレを生じることがなく、周囲の肌と同じような手触り感触があり、さらにその上、化粧料の適用が容易で、自然な感じの化粧を行うことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る美容用貼付材によれば、被適用者に貼付される部位に応じて、略L字形、略V字状、略多角形、略弓形、略三日月形、略爪形、略滴形、略長円形、略円形、略楕円形、m/n円形、m/n楕円形(但し、m、nは整数)の群から形状(平面視の形状)を選択することができるため、前記部位やその近傍にある皺やたるみ等を確実に目立たなくすることができると共に、肌に貼付した状態であっても、目立つことがなく、貼付時の違和感もなく、肌の動きに追随することができ、カブレを生じることがなく、周囲の肌と同じような手触り感触があり、さらにその上、化粧料の適用が容易で、自然な感じの化粧を行うことができる。
【0038】
また、本発明に係る美容用貼付材の貼付方法によれば、皺やたるみ等を確実に目立たなくすることができると共に、肌に貼付した状態であっても、目立つことがなく、貼付時の違和感もなく、肌の動きに追随することができ、カブレを生じることがなく、周囲の肌と同じような手触り感触があり、さらにその上、化粧料の適用が容易で、自然な感じの化粧を行うことができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態1に係る美容用貼付材の平面図である。
【図2】図1に示す美容用貼付材の断面図である。
【図3】図1に示す美容用貼付材を貼付した状態を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態2に係る美容用貼付材の平面図である。
【図5】図4に示す美容用貼付材を貼付した状態を示す模式図である。
【図6】本発明の実施形態3に係る美容用貼付材の平面図である。
【図7】図6に示す美容用貼付材を首の後ろに貼付した状態を示す模式図である。
【図8】図6に示す美容用貼付材をフェースラインから首にかけて貼付した状態を示す模式図である。
【図9】図6に示す美容用貼付材を手首に貼付した状態を示す模式図である。
【図10】図6に示す美容用貼付材を鼻に貼付した状態を示す模式図である。
【図11】図6に示す美容用貼付材を脇から鎖骨近傍にかけて貼付した状態を示す模式図である。
【図12】図6に示す美容用貼付材を後部大腿の付け根から腰部にかけて貼付した状態を示す模式図である。
【図13】本発明の実施形態4に係る美容用貼付材の平面図である。
【図14】図13に示す美容用貼付材を目尻から額にかけて貼付した状態を示す模式図である。
【図15】図13に示す美容用貼付材を耳の近傍に貼付した状態を示す模式図である。
【図16】図13に示す美容用貼付材を目の周りに貼付した状態を示す模式図である。
【図17】本発明の実施形態5に係る美容用貼付材の平面図である。
【図18】図17に示す美容用貼付材を爪に貼付した状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明の実施形態に係る美容用貼付材及びその貼付方法について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0041】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る美容用貼付材の平面図、図2は、図1に示す美容用貼付材の断面図、図3は、図1に示す美容用貼付材を貼付した状態を示す模式図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0042】
図1及び図2に示す美容用貼付材1は平面視の形状が略L字形を有し、基材層11と、基材層11の片面側に配設された粘着剤層12と、基材層11の粘着剤層12が配設されている面とは反対側の面に配設されたキャリア層13と、粘着剤層12の基材層11が配設されている面とは反対側の面に配設されたセパレータ層14と、を備えて構成されている。
【0043】
この美容用貼付材1は、図1に示すように、略L字形の角部15を挟んだ一端部が、被適用者の耳朶の下に貼付される第1の部位16となっており、角部15を挟んだ他端部が、当該被適用者の耳朶の下よりも上方に貼付される第2の部位17となっている。
【0044】
基材層11は、厚さが1〜10μmであり、ガラス転移温度が0℃以下のポリウレタンエラストマーを主成分とした層から構成されている。このポリウレタンエラストマーは、分子中にウレタン基を持つエラストマーであり、ポリオール成分とジイソシアネート成分との重付加反応によって生成する。ポリオール成分としては、長鎖ジオールが用いられるが、それに加えて、鎖延長剤として短鎖ジオールが併用されることがある。この他、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトールのような単分子ポリオール等の架橋剤が用いられることがある。ポリウレタンエラストマーの製造技術は、当業界で周知技術である。
【0045】
ポリウレタンエラストマーは、ソフトセグメントを構成するポリオール成分の種類がその性質に大きく影響するため、ポリオール成分の種類によって分類されている。具体的には、ポリウレタンエラストマーは、(1)カプロラクトンを開環重合して得られるポリラクトンエステルポリオールとジイソシアネートとの重付加反応により合成したカプロラクトン型ポリウレタンエラストマー、(2)アジピン酸とグリコールとのアジピン酸エステルポリオールとジイソシアネートとの重付加反応により合成したアジピン酸エステル型ポリウレタンエラストマー、及び(3)テトラヒドロフランの開環重合で得られたポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとジイソシアネートとの重付加反応により合成したポリエーテル型ポリウレタンエラストマーに大別される。
【0046】
ポリウレタンエラストマーは、引張強さや引裂強さ等の機械的特性、耐摩耗性、低温特性、柔軟性等に優れることに加え、その薄膜は、紫外線吸収性、吸水性、透湿性等に優れている。ポリウレタンエラストマーを主成分とする薄膜を基材層11とする美容用貼付材1は、皺や肌の溝等の細かい凹凸にも良く適合し、肌に貼付した場合に違和感を覚えることがない。
【0047】
ポリウレタンエラストマーの薄膜を基材層11とする美容用貼付材1は、基材層11が吸水性と透湿性を有するため、肌の貼付部位に汗が溜まったり、蒸れを生じることが少ない。そのため、美容用貼付材1は、貼付部位にカブレや痒みを生じさせることが極めて少ない。また、ポリウレタンエラストマーの薄膜は、吸水性があり、水となじみやすいため、化粧料の適用も容易である。これらのポリウレタンエラストマーの中でも、美容用貼付材1の基材層11として優れた総合的機能を発揮し得る点で、ポリエーテル型ポリウレタンエラストマーが好ましい。
【0048】
ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
前記カプロラクトン型ポリウレタンエラストマーは、ポリオール成分として、カプロラクトンを開環重合して得られるポリラクトンエステルポリオールを使用する。アジピン酸エステル型ポリウレタンエラストマーは、ポリオール成分として、アジピン酸とグリコールとのアジピン酸エステルポリオールを使用する。ポリエーテル型ポリウレタンエラストマーは、ポリオール成分として、ポリ(オキシプロピレン)グリコール(PPG)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)等の二官能ポリエーテルポリオールを使用する。
【0050】
本発明に適したポリエーテル型ポリウレタンエラストマーとしては、市販品では、BASFジャパン株式会社のエラストラン(登録商標)(1180A、1190ATR、1195ATR、1198ATR、1154D、1164D、ET385、ET880、ET885、ET890、ET858D、ET860D、ET864D、NY90A、NY97A、ET370)、日本ミラクトラン株式会社のミラクトラン(登録商標)(E300シリーズ、P300シリーズ)、大日精化工業株式会社のレザミン(登録商標)(P−2000シリーズ)、DIC Bayer Polymer Ltd(ディーアイシーバイエルポリマー株式会社)のパンデックス(登録商標)(T8175、T8180、T8185、T8190、T8195、DP9370A、5377A、588、KU2−8659、DP5094A)等を挙げることができる。
【0051】
前記ポリウレタンエラストマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であり、好ましくは−10℃以下である。ガラス転移温度の下限値は、約−70℃である。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。美容用貼付材1を、平均体温が36.5℃の肌面に貼付した場合、基材層11のガラス転移温度が低いことによって、美容用貼付材1の柔軟性を確保することができる。肌に美容用貼付材1を貼付した際に、基材層11の柔軟性が優れていると、化粧料の適用が容易である(化粧の乗りが良好である)。化粧料を適用する前に、貼付中の美容用貼付材1の基材層11の表面に水を施すと、ポリウレタンエラストマーからなる基材層11が柔らかくなり、肌面によりなじみ易くなる上、化粧料の乗りが良好になる。ポリウレタンエラストマーは、ガラス転移温度が低いため、体温付近の温度で柔軟性に優れており、肌面への適合性、化粧料の適用性等に優れている。
【0052】
基材層11の厚みは、1〜10μmの範囲内であり、好ましくは1〜8μm、より好ましくは1〜6μm、さらに好ましくは1〜5μmの範囲内である。基材層11の厚みが1〜10μmの範囲内であると、美容用貼付材1が肌の微小な凹凸に適合し、肌の動きに容易に追随し、かつ、貼付箇所が目立たなくなる。基材層11の厚みが1μmに満たない場合には、基材層11の強度が十分ではなく、貼付中あるいは美容用貼付材1を肌から剥がす際に基材層11が切れてしまう場合がある。一方、基材層11の厚みが10μmを超えると、貼付箇所が目立ちやすくなることに加えて、肌の表面への適合性や肌の動きに対する追随性が低下する。
【0053】
基材層11の厚みが極めて薄いことによって、透湿性を向上させることもできる。極めて薄いポリウレタンエラストマー層は、吸水性と透湿性に優れるため、美容用貼付材1の貼付箇所に汗や水分が溜まって、カブレや痒みを生じさせることや、損傷部の保護を阻害することが極めて少ない。
【0054】
本発明の美容用貼付材1は、ポリウレタンエラストマーからなる基材層11の厚みが薄く、且つ、柔軟性に優れているため、皺またはたるみのある肌の部位を引っ張って貼付すると、肌に密着し、引っ張りを解くと、皮溝や皺等の内部に入り込む状態になる。そのため、美容用貼付材1が皺等のある肌の表面で折り畳まれたような状態となり、貼付部位が平坦に見え、その結果、皺またはたるみが少なくなるように見える効果を奏することができる。
【0055】
基材層11の背面(基材層11の粘着剤層12が設けられていない側の表面)は、エンボス加工することが望ましい。エンボス加工は、ポリウレタンエラストマーのフィルムをエンボスロールに通すことによって行うことができる。ポリウレタンエラストマー層を溶液キャスティング法により成形する場合には、表面に微細な凹凸を設けたキャリア層(溶液を塗布する支持体)上にキャスティングする方法によってエンボス加工を行うことができる。キャリア層表面の微細な凹凸は、ポリウレタンエラストマー層に転写される。したがって、本発明において、エンボス加工とは、エンボスロールを用いた機械的な処理だけではなく、ポリウレタンエラストマー層の表面に微細な凹凸を形成することができる他の方法をも包含するものである。
【0056】
エンボス加工処理の程度は、角度60度で測定した基材層背面の光沢度によって定量的に評価することができる。日本工業規格(JIS規格)では、光沢度の基準として、屈折率1.567のガラス表面における入射角60度で測定した反射率10%を光沢度100%として用いている。本発明では、光沢度計としてmicro−TRI−gross(東洋精機社製)を用い、角度60度で光沢度を測定する。
【0057】
基材層11の背面の光沢度は、0.5〜7.5、好ましくは1〜6の範囲内である。ポリウレタンエラストマーからなる基材層11の光沢度が前記範囲内となるように、該基材層をエンボス加工することによって、美容用貼付材1の貼付状態が外観上より不自然に感じられないようにすることができることに加えて、化粧料の適用がさらに容易となる。
【0058】
本発明の美容用貼付材1は、基材層11の材質がポリウレタンエラストマーであることにより、健常肌と同じような手触りの感触がある。傷跡やケロイド等の肌は、健常肌のキメが失われて、プラスチックフィルム表面のようにつるつるしていることが多い。肌の疾患の種類によっては、肌に過度な凹凸、キメの乱れ、乾燥等が生じて、ガサガサとした荒れた手触りとなる場合もある。本発明の美容用貼付材1は、上記の如き損傷等のある肌の部位に貼付すると、周囲の健常肌と同じような手触り感触を得ることができる。基材層11の背面をエンボス加工することによって、貼付時において、周囲の健常肌と同じような手触り感触をさらに良好にすることができる。手触り感触の改善によって、被適用者の心の満足度を向上させるという、心理的なリハビリテーション効果をさらに高めることもできる。
【0059】
ポリウレタンエラストマーは、例えば、押出成形法、溶液キャスティング法、カレンダー法等、一般的なフィルムまたはシートの成形方法を採用することにより、薄い基材層11に成形することができる。ポリウレタンエラストマーの有機溶剤溶液を支持体上にキャスティングし、有機溶剤を揮散させる溶液キャスティング法は、均一な厚みの薄いポリウレタンエラストマー層を容易に形成できる点で好ましい製膜法である。支持体の表面に微細な凹凸を設けておくと、形成したポリウレタンエラストマー層の表面に微細な凹凸を転写することができる。支持体としてキャリア材を用いると、ポリウレタンエラストマーからなる支持体層の背面にキャリア層を有する美容用貼付材1が得られる。
【0060】
基材層11は、貼付中の違和感(肌が伸びた時等に感じる美容用貼付材1の抵抗感)の観点から、物性の方向による差(異方性)が殆どないことが好ましい。この観点からは、製膜方法として、物性の方向による差が表れない溶液キャスティング法やカレンダー法が好ましく、溶液キャスティング法がより好ましい。
【0061】
ポリウレタンエラストマーには、顔料や染料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、軟化剤等の各種添加剤を、所望により含有させることができる。着色剤は、美容用貼付材1の色調を肌色に合わせるのに利用することができるが、損傷等のある肌の貼付部位の外観が目立たないようにするために、着色剤は、黄色系、オレンジ色系等が好ましい。
【0062】
また、ポリウレタンエラストマーからなる基材層11は、紫外線吸収性に優れており、波長280〜400nmの範囲で測定した時、該波長域内で20%以下、好ましくは15%以下の紫外線透過率を示す。波長280〜360nmの領域では、14%以下の紫外線透過率を示す。特に、波長が300nm以下の領域では、紫外線透過率が10%以下にまで急激に低下する。紫外線透過率は、日本分光株式会社製の紫外可視分光光度計(Ubest−V530)を用いて測定した。
【0063】
粘着剤層12は、厚さが1〜15μmであり、炭素数8〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体単位を70重量%以上の割合で含有する共重合体からなるアクリル粘着剤を主成分とする層から構成されている。
【0064】
粘着剤層12を構成する主成分であるアクリル粘着剤は、肌に貼付した際に、カブレが生じ難く、透明感があり、粘着特性の調整がし易いという特徴を有している。前記単量体の中でも、アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より具体的には、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、及びイソノニルアクリレートがより好ましい。また、前記アクリル酸エステル共重合体は、前記単量体単位を80重量%以上の割合で含有することがより好ましい。そしてまた、前記アクリル酸エステル共重合体は、前記の一種以上の単量体の共重合体であってもよいが、他のコモノマーとの共重合体であることがより好ましい。
【0065】
他のコモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を有するモノマー;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するモノマー;等の官能基を含有するモノマーが挙げられる。他のコモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、ビニルピロリドン、アクリルアミド等の各種モノマーも使用することができる。さらに、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等、炭素数8〜12のアルキル基以外のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルをコモノマーとして用いることもできる。
【0066】
好ましいアクリル酸エステル共重合体としては、炭素数8〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体70〜95重量%、官能基を有するコモノマー1〜10重量%、その他のコモノマー0〜25重量%を共重合して得られる共重合体を挙げることができる。
【0067】
アクリル粘着剤は、前記モノマー成分を、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル等の有機溶媒中で、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ系化合物を開始剤として、窒素雰囲気下で溶液重合することにより調製することができる。アクリル粘着剤は、モノマー成分を水中で乳化剤にて乳化分散した後、乳化重合することによっても調製することができる。アクリル粘着剤に、エポキシ樹脂等の架橋剤を加えて、粘着剤層の形成工程で架橋させてもよい。
【0068】
粘着剤層12の厚みは、1〜15μm、好ましくは1〜12μm、より好ましくは1〜8μm、特に好ましくは1〜6μmである。粘着剤層12は、基材層11に比べて引張抵抗力が小さく、伸縮性が高いため、基材層11の厚み範囲よりも広い範囲とすることができる。しかし、粘着剤層12の厚みが大きくなり過ぎると、皺や肌の細かな凹凸に適合することが困難となる傾向があり、貼付状態が目立ち易くなる。粘着剤層12の厚みが薄過ぎると、均一な粘着剤層12の形成が困難となる傾向があることに加えて、肌への貼付性が不十分となり易い。
【0069】
粘着剤層12を極めて薄くすると、肌上に見られる極小の溝である皮溝のような、肌の細かな凹凸への適合性に優れるものの、肌に対する粘着力が低下することがある。本発明では、基材層11の厚みが1〜10μm、粘着剤層の厚みが1〜15μm、且つ、基材層11と粘着剤層12との合計厚みが2〜20μmの範囲にある美容用貼付材1において、粘着剤層12が、JIS Z 0237に準じてクロスヘッドの移動速度が毎分300±30mmの速さで測定される対ベークライト板の90度剥離力が0.1N/10mm以上を示すように、粘着剤の粘着性を調整することが好ましい。この剥離力は、粘着剤層12の粘着力に相当する特性である。
【0070】
前述した0.1N/10mmという剥離力(粘着力)の下限値は、必ずしも大きい値ではないが、基材層11が薄く柔軟であるため、基材層11の厚みと剥離力が適切な範囲を満たしていれば、美容用貼付材1として十分な機能を発揮できるため好ましい。粘着剤層12の剥離力は、好ましくは0.1〜3N/10mm、より好ましくは0.2〜3N/10mmである。剥離力(粘着力)が高過ぎると、貼付部にカブレが生じ易くなったり、使用後の肌からの美容用貼付材1の剥離が困難になり易くなる。
【0071】
粘着剤層12には、必要に応じて、顔料や染料等の着色剤等の各種添加剤を添加することができる。着色剤は、美容用貼付材1の色調を肌色に合わせるのに利用することができるが、損傷等のある肌の貼付部位の外観が目立たないようにするために、着色剤は、黄色系、オレンジ色系等が好ましい。この他、例えば、抗菌剤、保湿剤、美白剤、抗皺剤、抗たるみ剤、抗くすみ剤、育毛剤、美爪剤、ビタミン類、香料等を配合して付加的な機能を付与することもできる。
【0072】
基材層11と粘着剤層12の厚さの合計は、2〜20μmの範囲であり、好ましくは2〜15μm、より好ましくは2〜10μm、特に好ましくは2〜7μmの範囲内である。この合計厚みが2〜20μmの時は、基材層11の厚みが1〜10μmであり、粘着剤層12の厚みが1〜15μmであることが好ましい。また、前記合計厚みが2〜15μmの時は、基材層11の厚みが1〜8μmであり、粘着剤層12の厚みが1〜12μmであることが好ましい。さらにまた、前記合計厚みが2〜10μmの時は、基材層11の厚みが1〜6μmであり、粘着剤層12の厚みが1〜8μmであることが好ましい。そしてまた、前記合計厚みが2〜7μmの時は、基材層11の厚みが1〜5μmで、粘着剤層12の厚みが1〜6μmであることが好ましい。基材層11、粘着剤層12、両者の合計厚みは、ダイヤルゲージにより測定することができる。
【0073】
また、基材層11と粘着剤層12との間には、両層との密着性に優れた他の弾性体層(図示せず)を配置したり、後述するキャリア層13と基材層11との間に他の粘着剤層(図示せず)を配置したりすることもできる。
【0074】
キャリア層13は、基材層11に皺が入るのを防止すると共に、美容用貼付材1の腰を強くして、貼付部位への貼付作業を容易にすることができる。このキャリア層13は、美容用貼付材1を肌に貼付する際に、基材層11から剥離されるようになっている。このキャリア層13が配設された美容用貼付材1は、キャリア層13を支持体層として用いて、溶液キャスティング法によってポリウレタンエラストマーからなる基材層11をその上に形成することができる。
【0075】
キャリア層13は、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン等の各種熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いて形成することが好ましい。環境保全を目的として、キャリア層13は、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレート樹脂、ポリヒドロキシアルカノエート、マルトトリオース、ポリ乳酸、ポリ乳酸系樹脂、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、デンプン脂肪酸エステル、デンプン加工樹脂、デンプンポリエステル、酢酸セルロース、キトサン等に代表される生分解性を有する各種プラスチックからなるフィルムを用いて形成することもできる。各種フィルムは、紙にラミネートされた状態のものでもよい。これらのキャリア層は、ポリウレタンエラストマー層に比べて、厚みが厚いか、腰の強いものとすることが望ましい。
【0076】
セパレータ層14は、粘着テープの技術分野において、一般に、離型紙、剥離紙、剥離ライナー等と呼ばれているものを用いる。セパレータ層14としては、例えば、表面をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、表面をシリコーン処理したポリエチレンと紙との積層体等が挙げられる。このセパレータ層14の存在により、美容用貼付材1は、個々の製品に分割して製造販売し、使用することができる。
【0077】
この構成を備えた美容用貼付材1は、セパレータ層14上に粘着剤層12を形成する一方、キャリア層13上に基材層11を形成し、次いで、セパレータ層14の粘着剤層12とキャリア層13の基材層11とを貼り合わせて製造する方法により作製することが好ましい。また、美容用貼付材1は、キャリア層13とフィルム状の基材層11とを積層する工程を含む方法によって作製してもよい。
【0078】
基材層11の背面に、エンボス加工により微小な凹凸を形成する方法としては、例えば、キャリア層13上に基材層11を形成する方法を採用する場合には、キャリア層13を構成するキャリア材の表面に微細な凹凸を設けておき、その微細な凹凸を基材層11に転写することが挙げられる。キャリア材に微細な凹凸を形成するには、エンボスロールを用いた公知のエンボス加工法を採用することができる。別の方法として、キャリア材の表面をサンドブラスト処理したり、キャリア材にフィラーを含ませたりして、微細な凹凸を形成してもよい。
【0079】
一方、セパレータ層14の上に粘着剤層12を形成するには、セパレータ材上に溶液キャスティング法によってアクリル粘着剤溶液を塗布し、乾燥する方法を採用することが好ましい。
【0080】
また、本発明の美容用貼付材1は、日本工業規格JIS Z 0237に従って、10%引張荷重を測定したとき、縦方向及び横方向共に0.01〜1.2N/cmの範囲内の引張荷重を示すように形成されている。このため、美容用貼付材1は、肌の動きに追従して貼付中に違和感を覚えることが殆どない。なお、実施形態1では、前記引張荷重を0.01〜0.3N/cmの範囲で設定した。
【0081】
次に、実施形態1に係る美容用貼付材1の貼付方法について図3を参照して説明する。先ず、美容用貼付材1からセパレータ層14を剥がした後、図3に示すように、美容用貼付材1の第1の部位16を、被適用者100の耳朶101の下に位置させて押さえる。次に、第1の部位16を押さえた状態で、美容用貼付材1を後ろ側(図3の矢印X方向)に引き、角部15を被適用者100の耳の後ろで押さえる。次に、角部15を押さえた状態で、被適用者100の顔全体を引き上げるように美容用貼付材1を上方に向けて引き上げ、その位置で第2の部位17を押さえ、被適用者100に貼付する。
【0082】
このように美容用貼付材1を被適用者100に貼付することで、被適用者100の口角付近が引き上げられ、口角下のたるみを解消し、肌のハリをアップさせると共に、ほうれい線を目立たなくすることができる。さらに、口の周りの皺、毛穴を目立たなくすることができ、肌のくすみを解消することもできる。この結果、QOLを向上させることができる。
【0083】
ここで、美容用貼付材1は、貼付箇所が目立つことがなく、肌と同様の外観を呈すると共に、肌の動きに容易に追随することができるため、美容用貼付材1により前記美容上の利点を得ていることを第三者に気づかれることがない。また、粘着剤層12が薄く、かつ、基材層11が吸水性及び透湿性に優れるため、汗が溜まったり、蒸れたりして、カブレや痒みを引き起こすことが少ない。化粧料を適用するに際し、基材層11の背面から水を施すと、ポリウレタンエラストマーからなる基材層11が柔らかくなり、肌面によりなじみ易くなる上、化粧料の乗りが良好になる。ポリウレタンエラストマーは、ガラス転移温度が低いため、体温付近の温度で柔軟性に優れており、肌面への適合性、化粧料の適用性等に優れている。
【0084】
なお、本発明の美容用貼付材1の目立ちにくさや違和感を少なくする上で、美容用貼付材1の厚み、基材層11の厚み、及び美容用貼付材1の伸び易さが特定の関係にあることが好ましいことが見出された。例えば、美容用貼付材1または基材層11の厚みが厚ければ、人の肌の動きへの追随性が十分ではない。その一方で、美容用貼付材1が伸び易ければ、肌の動きへの追随性がよいから、美容用貼付材1または基材層11が多少厚くてもよいというように、美容用貼付材1もしくは基材層11の厚みと伸び易さとには相互関係がある。
【0085】
本発明の美容用貼付材1は、日本工業規格JIS Z 0208に従って、温度40℃及び相対湿度90%の条件下で測定したとき、1,000g/m2・24hr以上の透湿度を示すものであることが望ましい。この透湿度は、好ましくは3,000〜10,000g/m2・24hrである。
【0086】
目標とする透湿度は、美容用貼付材1を構成する基材層11や粘着剤層12の種類や厚み等を選択することにより達成することができる。この他、美容用貼付材1に微小な孔を設けることによって、透湿度を高める方法も採用することができる。
【0087】
本発明の美容用貼付材1は、基材層11、粘着剤層12、またはこれら両層が、着色剤によって黄色系の色調に着色されていることが好ましい。黄色系では、測色計によるL*a*b*表色系の測定値が、下記式1〜3
45<L*<90 ・・・1
−8<a*<12 ・・・2
20<b*<50 ・・・3
で表わされる関係を満足するように、着色剤によって黄色系の色調に着色されていることが好ましい。測色計でのL*a*b*表色系で表した測定値は、55<L*<80、−4<a*<8、及び30<b*<50の関係を満足するものであることがより好ましい。
【0088】
L*a*b*表色系では、L*値は、明るさを表す明度の程度を表す。a*値は、数値が高くなると赤色、低くなると緑色の程度を表す。b*値は、数値が高くなると黄色、低くなると青色の程度を表す。表色系の測定は、測色計(CM−3500d、ミノルタ製)を使用し、標準白板によって、基準のL*a*b*を定め、表面色を、L*a*b*表色系で表す方法によって行う。
【0089】
本発明の美容用貼付材1の各層を着色するには、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等の各色の顔料または染料を、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することにより、所望の色調となるようにすればよい。これらの着色剤は、各層に混合して用いることができる。あるいは、これらの着色剤を含有する塗布液を、基材層に塗布して着色する方法を採用してもよい。前記L*a*b*表色系の測定値を得るには、例えば、シアン着色剤3/マゼンタ着色剤3/イエロー着色剤47(重量比)の混合物を用いる方法が挙げられる。このような混合物は、各色のインクを混合して調製してもよい。
【0090】
本発明の美容用貼付材1は、基材層11、粘着剤層12、またはこれら両層が、黄色またはオレンジ色に着色されていてもよい。また、測色計によるL*a*b*表色系の測定値が前記式1〜3で表わされる関係を満足するように、着色剤によって黄色(オレンジ色も含む)の色調に着色されていてもよい。
【0091】
なお、角部15から第1の部位16の先端までの長さ、角部15から第2の部位17の先端までの長さ、幅等は、所望により適宜変更することができる。また、角部15、第1の部位16の先端、第2の部位17の先端にRがついていてもよい。さらにまた、角部15から第1の部位16の先端にかけて若干湾曲していたり、角部15から第2の部位17の先端にかけて若干湾曲する等があっても、平面視でほぼL字状を呈していればこれらの形状も含むものとする。
【0092】
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係る美容用貼付材及びその貼付方法について図面を参照して説明する。
【0093】
図4は、本発明の実施形態2に係る美容用貼付材の平面図、図5(1)は、図4に示す美容用貼付材を貼付する工程(目を閉じた状態)を示す模式図であり、図5(2)は、図4に示す美容用貼付材を貼付する工程(目を開いた状態)を示す模式図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0094】
図4及び図5に示すように、実施形態2に係る美容用貼付材2は、平面視の形状が略三角形を有しており、略三角形の底辺が、被適用者100の上瞼の縁102に貼付される第1の部位26となっており、略三角形の底辺に対向する角部が、被適用者100の上瞼の二重を構成する溝103を形成すべき位置に貼付される第2の部位27となっている。
【0095】
この美容用貼付材2は、実施形態1に係る美容用貼付材1と同様に、基材層11と、基材層11の片面側に配設された粘着剤層12と、基材層11の粘着剤層12が配設されている面とは反対側の面に配設されたキャリア層13と、粘着剤層12の基材層11が配設されている面とは反対側の面に配設されたセパレータ層14と、を備えて構成されている。
【0096】
次に、実施形態2に係る美容用貼付材2の貼付方法について図5を参照して説明する。先ず、美容用貼付材2からセパレータ層14を剥がした後、図5(1)に示すように、美容用貼付材2の第1の部位26を、被適用者100の上瞼の縁102(目の際)に位置させ、第2の部位27を被適用者100の上瞼の二重を構成する溝103に位置させて美容用貼付材2を貼付する。
【0097】
このように美容用貼付材2を被適用者100に貼付することで、図5(2)に示すように、目を開いた際に、目の二重をくっきりさせることができる。また、眼瞼下垂症を解消することができる。この結果、QOLを向上させることができる。
【0098】
なお、略三角形の各辺の長さや各角部の角度等は、所望により適宜変更することができる。また、各々の角部には、Rがついていてもよい。さらにまた、各辺は、若干湾曲していてもよく、平面視でほぼ三角形を呈していればこれらの形状も含むものとする。
【0099】
[実施形態3]
次に、本発明の実施形態3に係る美容用貼付材及びその貼付方法について図面を参照して説明する。
【0100】
図6は、本発明の実施形態3に係る美容用貼付材の平面図、図7は、図6に示す美容用貼付材を首の後ろに貼付した状態を示す模式図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0101】
図6及び図7に示すように、実施形態3に係る美容用貼付材3は、平面視の形状が略長方形を有しており、略長方形の長手方向の一端部が、被適用者100の首104の後ろ且つ頸椎105よりも右側に貼付される第1の部位36となっており、略長方形の長手方向の他端部が、首104の後ろ且つ頸椎105よりも左側に貼付される第2の部位37となっている。
【0102】
この美容用貼付材3は、実施形態1に係る美容用貼付材1と同様に、基材層11と、基材層11の片面側に配設された粘着剤層12と、基材層11の粘着剤層12が配設されている面とは反対側の面に配設されたキャリア層13と、粘着剤層12の基材層11が配設されている面とは反対側の面に配設されたセパレータ層14と、を備えて構成されている。
【0103】
次に、実施形態3に係る美容用貼付材3の貼付方法について図7を参照して説明する。先ず、美容用貼付材3からセパレータ層14を剥がした後、図7に示すように、首104の皺を後ろに引き上げながら、美容用貼付材3の第1の部位36を、首104の後ろの頸椎105よりも右側に位置させて押さえ、第2の部位37を頸椎105よりも左側に位置させて、美容用貼付材3を貼付する。
【0104】
このように美容用貼付材3を被適用者100に貼付することで、首104の皺を目立たなくすることができると共に、首104のたるみを解消することができる。また、首104の肌質を向上させ、QOLを向上させることもできる。
【0105】
なお、略長方形の各辺の長さ等は、所望により適宜変更することができる。また、各々の角部には、Rがついていてもよい。さらにまた、略長方形には、平行四辺形や正方形も含むものとする。また、各辺は、若干湾曲していてもよく、平面視でほぼ長方形を呈していればこれらの形状も含むものとする。
【0106】
また、実施形態3に係る平面視の形状が略長方形の美容用貼付材3は、サイズを適宜変更することにより、例えば、図8に示すように、略長方形の長手方向の一端部が、被適用者100のフェースライン106の首104の付け根近傍に貼付される第1の部位38となっており、略長方形の長手方向の他端部が、首104の付け根よりも下方に貼付される第2の部位39となっていてもよい。
【0107】
図8に示す美容用貼付材3の場合、美容用貼付材3からセパレータ層14を剥がした後、被適用者100のフェースライン106の首104の付け根近傍に第1の部位38を位置させて押さえ、肌の凹凸を均一に整えながら肌を下に向かって引っ張りながら第2の部位39を首104に押しつけることで、美容用貼付材3を貼付する。このように美容用貼付材3を被適用者100に貼付することで、フェースライン106のたるみを解消することができると共に、肌の凹凸を均一に整えることができる。この結果、QOLを向上させることができる。
【0108】
そしてまた、実施形態3に係る平面視の形状が略長方形の美容用貼付材3は、サイズを適宜変更することにより、例えば、図9(1)及び図9(2)に示すように、略長方形の長手方向の一端部が、被適用者100の手首107の甲側に貼付される第1の部位32となっており、略長方形の長手方向の他端部が、手首107の掌側に貼付される第2の部位33となっていてもよい。
【0109】
図9(1)及び図9(2)に示す美容用貼付材3の場合、美容用貼付材3からセパレータ層14を剥がした後、手首107の皺を伸ばすように肌を引っ張りながら、手首107の甲側に第1の部位32を位置させて押さえ(図9(1))、第2の部位33を手首107の掌側に押しつける(図9(2))ことで、美容用貼付材3を貼付する。なお、図9(1)及び図9(2)に示すように、美容用貼付材3は手首107の両側に貼付する。このように美容用貼付材3を被適用者100に貼付することで、手首107周辺の皺を目立たなくすることができる。この結果、QOLを向上させることができる。
【0110】
さらにまた、実施形態3に係る平面視の形状が略長方形の美容用貼付材3は、サイズを適宜変更することにより、例えば、図10に示すように、略長方形の長手方向の一端部が、被適用者100の鼻孔108に貼付される第1の部位34となっており、略長方形の長手方向の他端部が、鼻孔108から延出して鼻の下109に貼付される第2の部位35となっていてもよい。
【0111】
図10に示す美容用貼付材3の場合、美容用貼付材3からセパレータ層14を剥がした後、第1の部位34を鼻孔108に挿入して押さえ、第2の部位35を鼻の下109に位置させて押さえることで、美容用貼付材3を貼付する。この場合、第1の部位34が、美容用貼付材3の長手方向の2/3程度を構成し、第2の部位35が美容用貼付材3の長手方向の1/3程度を構成することが好ましい。このように美容用貼付材3を被適用者100に貼付することで、例えば、花粉等のアレルギーを引き起こす物質が鼻孔108の表面に付着することを防止することができる。
【0112】
また、実施形態3に係る平面視の形状が略長方形の美容用貼付材3は、サイズを適宜変更することにより、例えば、図11に示すように、略長方形の長手方向の一端部が、被適用者100の脇の乳房近傍110に貼付される第1の部位132となっており、略長方形の長手方向の他端部が、鎖骨近傍111に貼付される第2の部位133となっていてもよい。
【0113】
図11に示す美容用貼付材3の場合、美容用貼付材3からセパレータ層14を剥がした後、被適用者100の脇の乳房近傍110に第1の部位132を位置させて押さえ、バストを引き上げながら第2の部位133を鎖骨近傍111に位置させて押さえることで、美容用貼付材3を貼付する。このように美容用貼付材3を被適用者100に貼付することで、バストアップを行うことができる。この結果、QOLを向上させることができる。
【0114】
そしてまた、実施形態3に係る平面視の形状が略長方形の美容用貼付材3は、サイズを適宜変更することにより、例えば、図12に示すように、略長方形の長手方向の一端部が、被適用者100の後部大腿の付け根近傍112に貼付される第1の部位134となっており、略長方形の長手方向の他端部が、腰部113に貼付される第2の部位135となっていてもよい。
【0115】
図12に示す美容用貼付材3の場合、美容用貼付材3からセパレータ層14を剥がした後、被適用者100の後部大腿の付け根近傍112に第1の部位134を位置させて押さえ、ヒップを引き上げながら、第2の部位135を腰部113に位置させて押さえることで、美容用貼付材3を貼付する。このように美容用貼付材3を被適用者100に貼付することで、ヒップアップを行うことができる。この結果、QOLを向上させることができる。
【0116】
[実施形態4]
次に、本発明の実施形態4に係る美容用貼付材及びその貼付方法について図面を参照して説明する。
【0117】
図13は、本発明の実施形態4に係る美容用貼付材の平面図、図14は、図13に示す美容用貼付材を目尻から額にかけて貼付した状態を示す模式図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0118】
図13及び図14に示すように、実施形態4に係る美容用貼付材4は、平面視の形状が略弓形を有しており、略弓形の長手方向の一端部が、被適用者100のフェースライン106の目尻横114に貼付される第1の部位46となっており、略弓形の長手方向の他端部が、目尻横114よりも上方に貼付される第2の部位47となっている。
【0119】
この美容用貼付材4は、実施形態1に係る美容用貼付材1と同様に、基材層11と、基材層11の片面側に配設された粘着剤層12と、基材層11の粘着剤層12が配設されている面とは反対側の面に配設されたキャリア層13と、粘着剤層12の基材層11が配設されている面とは反対側の面に配設されたセパレータ層14と、を備えて構成されている。
【0120】
次に、実施形態4に係る美容用貼付材4の貼付方法について図14を参照して説明する。先ず、美容用貼付材4からセパレータ層14を剥がした後、図14に示すように、被適用者100のフェースライン106の目尻横114に第1の部位46を位置させて押さえ、目の下の皺やたるみを伸ばすように頭部に向けて肌を引き上げながら、第2の部位47を目尻横114よりも上方に位置させて押さえ、美容用貼付材4を貼付する。
【0121】
このように美容用貼付材4を被適用者100に貼付することで、目の下のたるみや、目の下のくまを解消することができ、目の周りの皺や眉間の皺を目立たなくすることができる。この結果、QOLを向上させることもできる。
【0122】
なお、略弓形の長さや幅等は、所望により適宜変更することができる。また、各々の角部には、Rがついていてもよく、平面視でほぼ弓形を呈していればよいものとする。
【0123】
また、実施形態4に係る平面視の形状が略弓形の美容用貼付材4は、サイズを適宜変更することにより、例えば、図15に示すように、略弓形の長手方向の一端部が、被適用者100のフェースライン106の耳朶近傍115に貼付される第1の部位48となっており、略弓形の長手方向の他端部が、耳の上部裏側116に貼付される第2の部位49となっていてもよい。
【0124】
図15に示す美容用貼付材4の場合、美容用貼付材4からセパレータ層14を剥がした後、被適用者100のフェースライン106の耳朶近傍115に第1の部位48を位置させて押さえ、目の周りの皺を伸ばしながら肌を引き上げながら、美容用貼付材4を耳の上に引っ掛けて、耳の上部裏側116に第2の部位49を位置させて押さえ、美容用貼付材4を貼付する。このように美容用貼付材4を被適用者100に貼付することで、目の周りの皺や毛穴を目立たなくすることができる。また、肌のくすみを解消し、肌質を改善することができる。この結果、QOLを向上させることができる。
【0125】
また、実施形態4に係る平面視の形状が略弓形の美容用貼付材4は、サイズを適宜変更することにより、例えば、図16に示すように、被適用者100の目の上縁117及び下縁118に貼付することもできる。目の上縁117に貼付される美容用貼付材4は、略弓形の長手方向の一端部が、被適用者100の目頭119に位置される第1の部位42となっており、略弓形の長手方向の他端部が、目尻120に位置される第2の部位43となっている。また、目の下縁118に貼付される美容用貼付材4は、略弓形の長手方向の一端部が、被適用者100の目頭119に位置される第1の部位44となっており、略弓形の長手方向の他端部が、目尻120に位置される第2の部位45となっている。
【0126】
図16に示す美容用貼付材4の場合、例えば、上まつげ用の付けまつげ131を目の上縁117に、下まつげ用のまつげ132を目の下端118に固定するために使用することができる。具体的には、先ず、上縁117に付けまつげ131を位置させ、美容用貼付材4からセパレータ層14を剥がし、美容用貼付材4が付けまつげ131の糊代部分に重なるようにして、第1の部位42を目頭119に位置させて押さえ、美容用貼付材4を目の上縁117に沿って位置させて第2の部位43を目尻120に位置させて押さえ、美容用貼付材4を貼付する。また、付けまつげ132の場合も同様に、美容用貼付材4が付けまつげ132の糊代部分に重なるようにして、第1の部位44を目頭119に位置させて押さえ、美容用貼付材4を目の下縁118に沿って位置させて第2の部位45を目尻120に位置させて押さえ、美容用貼付材4を貼付する。
【0127】
このようにすることで、専用の糊(接着剤)を使用することなく、付けまつげ131及び132を簡単且つ確実に固定することができる。このため、例えば、専用の糊が付けまつげ131及び132の糊代からはみ出したり、付けまつげ131及び132を取り外した際に、専用の糊が肌に残ったりする等の不具合が生じることがない。
【0128】
[実施形態5]
次に、本発明の実施形態5に係る美容用貼付材及びその貼付方法について図面を参照して説明する。
【0129】
図17は、本発明の実施形態5に係る美容用貼付材の平面図、図18は、図17に示す美容用貼付材を爪に貼付した状態を示す模式図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0130】
図18及び図19に示すように、実施形態5に係る美容用貼付材5は、平面視の形状が被適用者100の爪121の形状とほぼ同じ形状である略爪形を有しており、略爪形の下端が、爪上皮122に位置される第1の部位56となっており、略爪形の上端が、爪先123に位置される第2の部位57となっている。
【0131】
この美容用貼付材5は、実施形態1に係る美容用貼付材1と同様に、基材層11と、基材層11の片面側に配設された粘着剤層12と、基材層11の粘着剤層12が配設されている面とは反対側の面に配設されたキャリア層13と、粘着剤層12の基材層11が配設されている面とは反対側の面に配設されたセパレータ層14と、を備えて構成されている。
【0132】
次に、実施形態5に係る美容用貼付材5の貼付方法について図18を参照して説明する。
先ず、美容用貼付材5からセパレータ層14を剥がした後、図18に示すように、被適用者100の爪121の爪上皮122に第1の部位56を位置させて押さえ、美容用貼付材5の両側端58A及び58Bを爪121の爪溝124A及び124Bに沿わせ、爪先123に第2の部位57を位置させて押さえ、美容用貼付材5を爪121に貼付する。
【0133】
このように美容用貼付材5を被適用者100の爪121に貼付することで、美容用貼付材5の上からネイルカラーをムラなく施すことができると共に、ネイルカラーを除去したい際には、美容用貼付材5を剥がすことができるため、除光液を使用せずにネイルカラーを除去することができ、爪の健康を損なうこともない。また、ネイルアートも簡単に施すことができ且つ簡単に取り除くこともできる。
【0134】
なお、略爪形の長さや幅等は、被適用者100の爪121の形状に合わせて適宜変更することができるものとする。即ち、被適用者100の爪121の形状に合わせて美容用貼付材をカットしてもよい。
【0135】
また、本発明に係る美容用貼付材は、前述した形状の他、平面視の形状が略滴形であってもよい。この美容用貼付材は、例えば、眼鏡の鼻当て(パッド)が当たる部位や、眼鏡のテンプルやモダンが当たる部位等に貼付することで、眼鏡による肌のトラブルを解消することもできる。
【0136】
さらにまた、本発明に係る美容用貼付材は、サイズや形状を適宜選択することにより、例えば、肌のアクセサリーや時計等の金属製品が接触する部位に貼付することで、美容用貼付材3が肌を守るため、被適用者100が金属アレルギーであっても金属製品を着用することができる。また、靴擦れや傷等を保護する絆創膏等の上から貼付することで、絆創膏等のずれを防止することもできる。そしてまた、足の所望位置に予め貼付しておくことで、靴擦れが生じることを防止することもできる。そしてまた、美容用貼付材に所望の絵柄を描く、あるいは印刷することで、フェイスペインティング、ボディーペインティング、タトゥー等の代わりにすることもできる。
【0137】
なお、本発明に係る美容用貼付材は、皺やたるみのある肌の部位を引っ張って皺若しくはたるみを伸ばした状態で貼付すると該部位に密着し、引っ張りを解くと、美容用貼付材が皮溝や皺等の内部に入り込む状態になると推定される。その結果、美容用貼付材は、当該肌の表面で折り畳まれたような状態となって存在し、全体の外観が平坦状に見える。このような機構によって、美容用貼付材を皺またはたるみのある部位に貼付するだけで、皺またはたるみが少なくなるような外観が形成されると推定される。貼付後、基材層11の上から水を施すと、基材層11が吸水によって膨らむため、皺またはたるみを伸ばす効果がより大きくなる。ポリウレタンエラストマーからなる基材層11は、吸水性があるため、貼付後、水を施さなくても、経時によって体内から蒸散した水分を吸水して膨らむため、皺またはたるみを伸ばす効果が増大することが期待される。このポリウレタンエラストマーからなる基材層11の膨潤度は、厚さ75μm、大きさ100mm×100mmのポリウレタンエラストマーを水に24時間浸漬して、浸漬前後の長さを測定して、(増分の長さ)/(100mm)で、算出する。膨潤度は、1〜20%、好ましくは2〜10%である。
【符号の説明】
【0138】
1、2、3、4、5…美容用貼付材、 11…基材層 12…粘着剤層、 13…キャリア層、 14…セパレータ層、 15…角部、 16、26、32、34、36、38、42、44、46、48、56、132、134…第1の部位、 17、27、33、35、37、39、43、45、47、49、57、133、135…第2の部位、 100…被適用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、当該基材層の片面側に配設された粘着剤層を有する美容用貼付材であって、
前記基材層は、ガラス転移温度が0℃以下のポリウレタンエラストマーを主成分とする層からなると共に、1〜10μmの厚みを有し、
前記粘着剤層は、炭素数8〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体単位を70重量%以上の割合で含有する共重合体からなるアクリル粘着剤を主成分とする層からなると共に、1〜15μmの厚みを有し、
前記基材層及び粘着剤層の厚さの合計が2〜20μmであり、
平面視の形状が、略L字形、略V字状、略多角形、略弓形、略三日月形、略爪形、略滴形、略長円形、略円形、略楕円形、m/n円形、m/n楕円形の群から選択される美容用貼付材。
但し、m、nは整数
【請求項2】
前記粘着剤層の前記基材層が配設されている面とは反対側の面に、セパレータ層が配設されてなる請求項1記載の美容用貼付材。
【請求項3】
前記基材層の前記粘着剤層が配設されている面とは反対側の面に、キャリア層が配設されてなる請求項1または請求項2記載の美容用貼付材。
【請求項4】
前記ポリウレタンエラストマーは、ポリエーテル型ポリウレタンエラストマーである請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項5】
前記アクリル酸アルキルエステルは、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、及びイソノニルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種のアクリル酸アルキルエステルである請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項6】
前記基材層は、前記粘着剤層が設けられていない側の面にエンボス加工が施されてなり、当該エンボス加工が施された面は、角度60度で測定した光沢度が、0.5〜7.5の範囲内に調整されてなる請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項7】
前記基材層及び粘着剤層の少なくとも一方が、着色剤によって黄色系またはオレンジ色系の色調に着色されてなる請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項8】
前記平面視の形状が略L字形であり、当該略L字形の角部を挟んだ一端が、被適用者の耳朶の下に貼付される第1の部位を構成し、当該略L字形の角部を挟んだ他端が、当該被適用者の耳朶の下よりも上方に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項9】
前記平面視の形状が略三角形であり、当該略三角形の底辺が、被適用者の上瞼の縁に貼付される第1の部位を構成し、当該底辺に対向する角部が、当該被適用者の上瞼の二重を構成する溝を形成すべき位置に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項10】
前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の首の後ろ且つ頸椎よりも右側に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の首の後ろ且つ頸椎よりも左側に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項11】
前記平面視の形状が略弓形であり、当該略弓形の長手方向の一端が、被適用者のフェースラインの目尻横に貼付される第1の部位を構成し、当該略弓形の長手方向の他端が、当該被適用者の目尻横よりも上方に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項12】
前記平面視の形状が略弓形であり、当該略弓形の長手方向の一端が、被適用者のフェースラインの耳朶近傍に貼付される第1の部位を構成し、当該略弓形の長手方向の他端が、当該被適用者の耳の上部裏側に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項13】
前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の鼻孔に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の鼻孔から延出して鼻の下に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項14】
前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者のフェースラインの首の付け根近傍に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の首の付け根よりも下方に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項15】
前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の手首の甲側に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の手首の掌側に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項16】
前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の脇の乳房近傍に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の鎖骨近傍に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項17】
前記平面視の形状が略長方形であり、当該略長方形の長手方向の一端が、被適用者の後部大腿の付け根近傍に貼付される第1の部位を構成し、当該略長方形の長手方向の他端が、当該被適用者の腰部に貼付される第2の部位を構成する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項18】
前記平面視の形状が略爪形であり、被適用者の爪に貼付される請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項19】
日本工業規格JIS Z 0237に基づく10%引張荷重が、縦方向及び横方向共に0.01N/cm以上、1.2N/cm以下の範囲である請求項1ないし請求項18のいずれか一項に記載の美容用貼付材。
【請求項20】
請求項1ないし請求項19のいずれか一項に記載の美容用貼付材の粘着剤層を肌に接触させて貼付する美容用貼付材の貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−172831(P2011−172831A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40829(P2010−40829)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(510052768)有限会社KAZKIインターナショナル (2)
【Fターム(参考)】