説明

美顔育毛器

【課題】従来のハロゲンランプと光学フィルターに比べて、光の波長帯域を狭め、所望の波長帯域のスループットを高め、さらに異なる波長帯域の光を照射可能とする。
【解決手段】単色LED光源、単色レーザーダイオード光源又はレーザー光源から出射された単色光であって、半値幅が所定の波長幅以内の超狭帯域の単色光のピーク波長を可変とした波長可変単色光照射光源を備える。具体的には、LED光源を用いる場合は、光源から出射された各光の波長帯域を絞るバンドバスフィルターと、概フィルターを透過した半値幅が1〜10nmの超狭帯域の光を拡散する拡散レンズとからなる。また、レーザーダイオード光源を用いる場合は、光源と光を拡散する拡散手段とからなる。一方、レーザー光源を用いる場合は、レーザー光源から出射された光の波長を可変にする波長可変ユニットと、波長可変ユニットから出力されるレーザー光を拡散する拡散手段とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌、皮膚に光を照射する美顔育毛器であって、所望の波長帯の光を照射することのできる美顔育毛器に関するもので、特に、超狭帯域の単色光を照射し、そのピーク波長を究極的に無段階に近い調節可能な美顔育毛器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外および紫外の波長域を除く可視光域の光を顔の皮膚に照射する光美顔器では、ハロゲンランプに特定波長光だけを透過させるフィルターをつけることによって、可視光域の光を照射するものであった。また、他の光美顔器においては、単色LEDと光学フィルターとを併用して所望の波長帯域の励起光を皮膚に照射するものが知られている(特許文献1)。
【0003】
本発明者は、上記の光美顔器の効能を確かめる中で、照射光の波長幅が狭く単色性に優れたものが美顔育毛に優れた効能を有するのではないかと考えた。そして、実際に照射光の波長幅が狭く単色性に優れた単色光の照射装置を複数準備し、その効能を確かめることとした。最終目標としては、美顔育毛効果には個人差があることに鑑み、最適な波長帯の単色光を照射できるように、波長幅が狭く単色性に優れた単色光のピーク波長を無段階に調節することが可能な美顔育毛器を製作することである。
【0004】
先ず、ランプ光源の光をフィルターで波長をカットし波長幅が狭い単色光を取り出す手段について検討を行った。これは、キセノンランプやハロゲンランプなど、紫外光域から赤外光域までブロードな波長成分を含んだ白色光を、バンドパスフィルターなどで必要な波長だけ透過させて照射させるものである。しかし、この手段は次に述べる問題がある。すなわち、単色性は使用するフィルター特性に依存すること、単色性を良くするため透過し得るバンド幅の狭いフィルターを選択するほど透過率が低下すること、必要な波長分だけフィルターが必要なこと、が問題として挙げられる。
【0005】
また、ランプ光源の光を分光器で分光する手段について検討を行った。これは、キセノンランプやハロゲンランプなど、紫外光域から赤外光域までブロードな波長成分を含んだ白色光を、分光器内蔵のグレーティングで分光する方法である。グレーティングの角度を変化させることにより、プリズムの如く光が分けられるものである。単色光の切替は、分光器のスリット幅の調整で行え、また、単色性を下げることにより光量を得るなどの調整も可能である。しかし、グレーティングで分光するため、グレーティングで分光されて分光器スリットを通過して出る単色光は、非常に弱くなる。
【0006】
以上の様々な検討を行い、以下に述べるような構成の装置を製作し、その効能を確認したものである。
【0007】
【特許文献1】特開2005−000276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の単色LEDと光学フィルターとの併用に比べて、照射する光の波長帯域を正確に限定でき、所望の波長帯域のスループットが高く、あるいは、任意の狭波長帯域の1乃至は複数の可視光を照射できる美顔育毛器を提供することを目的とする。
また、超狭帯域の単色光を照射し、そのピーク波長を究極的に無段階に近い調節を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、様々な試作を行って、また、実際に自己の経営する美容クリニックにおいて実際にその効果を確認し、本発明を完成するに至ったのである。
【0010】
本発明に係る美顔育毛器は、上記目的を達成するため、単色LED(Light Emitting Diode)光源若しくは単色レーザーダイオード光源から出射された単色光であって、半値幅が所定の波長幅以内の超狭帯域の単色光のピーク波長を可変とした波長可変単色光照射光源を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、波長可変単色光照射光源は、異なるピーク波長を有する複数の単色LED光源と、前記単色LED光源から出射された各々の光の波長帯域を絞るバンドバスフィルターと、前記バンドバスフィルターを透過した半値幅が1〜10nmの超狭帯域の光を拡散する拡散レンズとからなる構成とされることが好ましい。単色LED光源の場合は、光量の減衰を最小限に抑える観点から拡散レンズが好適である。
また、波長可変単色光照射光源は、異なるピーク波長を有する複数の単色レーザーダイオード光源と、前記単色レーザーダイオード光源の光を拡散するシリンドリカルレンズ、拡散板若しくは拡散レンズの中から1つ或いは2つ以上用いた拡散手段とからなる構成とされることが好ましい。単色レーザーダイオード光源の場合は、指向性が強い光を大面積に拡散させるといった観点から、シリンドリカルレンズ、拡散板若しくは拡散レンズの中から1つ或いは2つ以上用いたものが好適である。
ここで、シリンドリカルレンズを拡散手段に用いる場合は、2枚のシリンドリカルレンズを各々のレンズが直交する方向に配置して使用する。一般に、シリンドリカルレンズは、一方向のみの倍率調整が必要な用途に使われ、一方向に結像するだけであるが球面レンズと同じ結像公式が成立するため、1枚目のシリンドリカルレンズでビームを一方向についてコリメートし、それから2枚目のシリンドリカルレンズでそれと直交する方向についてもコリメートして使用する。
なお、シリンドリカルレンズを拡散手段に用いて、さらに拡散レンズ、拡散板などを併用してもかまわない。
【0012】
特に、複数の単色LED光源が、赤色LED、青色LED、緑色LEDからなるものであり、前記赤色LEDを連続して中央に配置させ、その周囲を前記青色LEDおよび緑色LEDで取り囲むように配置させ、前記青色LEDおよび緑色LEDの光軸を中央へ傾けた構成がより好ましい。
【0013】
また、波長可変単色光照射光源は、異なるピーク波長を有する複数の単色LED光源若しくは単色レーザーダイオード光源と、前記単色LED光源若しくは単色レーザーダイオード光源から出射された光を一つの光路に集束させる導光路と、前記導光路の出口側に設けられ所定の波長帯の光のみを選択通過させる分光手段と、分光手段から透過された光を拡散させる拡散手段とからなる構成とされることが好ましい。ここで、例えば、分光手段は回折格子により構成することができる。
【0014】
また、波長可変単色光照射光源は、異なるピーク波長を有する複数の単色LED光源若しくは単色レーザーダイオード光源と、前記単色LED光源若しくは単色レーザーダイオード光源から出射された光のうち所定の波長成分の分散光のみを通過させるスリットとを備えてなる構成とされることが好ましい。
【0015】
ここでスリットは、該スリットの幅方向の位置を前記分散方向に移動可能に構成することができるし、スリット幅を変更可能に構成することもできるし、あるいは、スリットの位置を、該スリットを通過する分散光と同一方向に移動可能に構成することもできる。また、スリットを分散方向に移動可能に構成する代わりに、回折格子を分散光の進行方向を変化させるように回転可能に構成することもできる。
【0016】
次に、本発明の美顔育毛器は、超狭帯域の単色光照射し得るレーザー光源と、前記レーザー光源から出射された光の波長を可変にする波長可変ユニットと、前記波長可変ユニットから出力される光を拡散する拡散手段とからなることを特徴とする。
レーザー光源の場合は、光源から放射された光が狭帯域の光である。しかし、そのままでは指向性が強く、頭皮や顔などの大面積に照射することができない。よって、拡散手段により光源から出射された光を拡散して大面積の頭皮や顔などに照射する。特に、レーザー光源を用いた場合は、エネルギーが強く、そのまま皮膚に当てるとエネルギーの熱によって皮膚が損傷してしまうことがある。拡散させることにより充分にエネルギーを弱める。
【0017】
ここで、波長可変ユニットとは、レーザー光源から出射された光の波長を可変にするものである。例えば、フラッシュランプ励起のNd:YAGレーザー光源から照射された光を、光パラメトリック発信器(例えば、LOTIS TII社のブロードバンドOPOのLT−2214型を使用)結晶に入射させることにより、波長を連続で可変させることができる。また、波長可変ユニットとして、例えば、株式会社正興電機製作所製のRainbow Laserを用いて、波長を連続で可変させることができる。この他、DRIEL社の製品LUMINATOR(登録商標)が波長可変ユニットとして使用できる。
【0018】
レーザー光源を用いた場合は、照射光が超狭帯域に絞ることが可能となるため、究極的には、1nm毎にピーク波長をシフト可能な無段階調節することが可能な美顔育毛器を提供することが可能となるのである。
【0019】
ここで拡散手段は、シリンドリカルレンズ、拡散板若しくは拡散レンズの中から1つ或いは2つ以上用いたものである。指向性が強いレーザー光を大面積に拡散させるといった観点から、単色レーザーダイオード光源の拡散手段と同様である。
【0020】
また、単色LED光源は、複数の単色LEDをリング状、アレイ状、若しくはマトリックス状に配列してなるものを用いることができる。この単色LED光源としては青色LED、青緑色LED、緑色LED、檸檬色LED、黄色LED、橙色LED、赤色LEDを含むものを用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の美顔育毛器は、光源の光が干渉することなく、単色LED光源そのものの波長域でピーク波長付近の狭帯域の光のみを取り出し利用することで、同じ光量でも似た波長域の光よりも強い作用を得られることができるといった効果がある。すなわち、選択した狭帯域の光本来の特質をそのまま美容に活用することができるのである。エネルギーの強いレーザー光を皮膚に照射するのではなく、エネルギーを弱い単色光を照射することで、波長に由来する効果が現れるのである。
【0022】
また、スリットを用いて所望の波長帯域の光を選択するので、所望の波長帯域だけでなくその周辺波長の光もある程度透過させてしまう従来の光学フィルターを用いる場合に比して、不要波長を確実に除去して所望の波長帯域の光のみを高精度で選択して通過させることができるといった効果を有する。
【0023】
光源として単色LED光源を複数用いることにより、単色LED光源毎の波長帯域の光を任意に選択して照射させることができるといった効果を有する。この単色LED光源の種類の個数を増やして、各々の単色LED光源のピーク波長が少しずつずれるようにすることにより、可視光帯域で多段階の切替えが可能な構成としている。
また、単色LED光源に流す電流量を調整することで、単色LED光源のピーク波長の微調整を可能としている。
【0024】
少しずつピーク波長がずれた単色LED光源を備えることによって、切替えの段数は増えていくことになる。つまり、可視光帯域でピーク波長があるところに切替えた場合には、光の強度は十分に確保できるため、選択可能な狭帯域の種類が増え、各々の狭帯域での可視光線の特質を最大限に利用できる。
【0025】
将来、他の波長域のLEDが開発された場合には、それら他の波長域のLEDを本美顔育毛器に組み込むことによって、狭帯域の可視光について、究極的に無段階に近い調節を可能とするのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る美顔育毛器の具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明していく。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明に係る美顔育毛器の使用イメージ図を示している。図1は顔に美顔育毛器1を使用する場合であるが、頭皮に使用する場合は、頭皮に特定波長帯の可視光線20を照射させる。
【0028】
図2は、実施例1の形態による美顔育毛器の全体構成図を示している。実施例1の美顔育毛器は、基板に配設された複数の単色LED光源を有する単色LED光源ユニット2と、その各々の単色LED光源から出射される単色光を一つに束ねるように光を導く導光路3(具体的には、光ファイバーを束ねたものを使用している)と、導光路3から出射する光を分光する分光器4と、分光器4の前方に配置された拡散レンズ5で構成されている。
拡散レンズ5は、凹レンズなどで構成され、顔などの照射部位に適度な大きさで照射するために、光を拡散させるものである。
【0029】
ここで、単色LED光源ユニット2で用いている単色LED光源の詳細を下記表1に示す。
【0030】
【表1】

【実施例2】
【0031】
図3は、実施例2の形態による美顔育毛器の全体構成図を示している。実施例2の美顔育毛器は、基板に配設された複数の単色LED光源を有する単色LED光源ユニット2と、各単色LED2の前方(光照射方向)に配置された集束レンズ10と、集束レンズ10の前方に配置されたスリット11と、スリット11の前方に配置された拡散レンズ12を備えている。
ここで、集束レンズ10は、凸レンズを組み合わせて構成され、前方のスリット11に入射する光を集束させるためのものである。また、拡散レンズ12は、凹レンズなどで構成され、顔などの照射部位に適度な大きさで照射するために、光を拡散させるものである。
【0032】
単色LED2は、図3中、マトリックス状に、左右方向および紙面に垂直な方向に二次元状に所定ピッチで複数個配設されると共に、それらはいずれも互いに平行に図中左方向に光を出射しうるように配置されている。
【0033】
スリット11は、単色LED光源と同一ピッチで形成されており、各スリット11のスリット幅(上記分散方向の幅)は同一とされている。その結果、すべてのスリット11を同一の波長帯域の光が通過する。
【0034】
スリット11は、駆動手段(図示しない)により照射方向および照射方向に垂直な方向に移動可能に構成されている。そして、スリット11を照射方向に移動させると、該移動に伴いスリット11の対応するスペクトル位置が変化するため、中心波長の異なる波長帯域の分散光がスリット11を通過することになり、これによって照射する光の波長帯域(中心波長)を更にシャープに選択することができる。
【実施例3】
【0035】
図4は、実施例3の形態による美顔育毛器の全体構成図を示している。実施例3の美顔育毛器は、波長可変単色光照射光源が、下表2に示すピーク波長と半値幅特性を有する3つの単色LED光源7(赤色LED光源,青色LED光源,緑色LED光源のいずれか)と、単色LED光源7から出射された各々の光の波長帯域を絞るバンドバスフィルター13と、バンドバスフィルター13を透過した半値幅が10nmの超狭帯域の光を拡散する拡散レンズ12から構成されている。
ここで、単色LED光源7としては、株式会社イマック製の超遠投LED光源IBF−LSを用いている。赤色LED光源,青色LED光源,緑色LED光源の型番名称は、それぞれ、IBF-LS40R-3W,IBF-LS40G-3W,IBF-LS40B-3Wである。単色LED光源7から照射される光は、超遠投な指向性のある光である。光径としては略4cmで、この光を拡散レンズ12を介して拡散させている。
【0036】
【表2】

【0037】
これらの光源を表2に示す使用個数分を組み合わせ、実施例3の美顔育毛器の照射ユニットを構成する。図5に実施例3の美顔育毛器の照射ユニットのLED光源の配置構成図を示す。
図5に示されるように、赤色LED、青色LED、緑色LEDの各種類の光源が配置されており、3個の赤色LEDが連続して中央に配置され、その周囲を4個の青色LEDおよび4個の緑色LEDで取り囲むように配置されている。具体的には、中央の3個の赤色LEDを挟んで、左右にそれぞれ2個の青色LEDおよび緑色LEDがあり、青色LEDおよび緑色LEDが互いに対向するように、かつ、交互に配置されている。また、青色LEDおよび緑色LEDの光軸は、それぞれ中央へ傾けており、全LEDがある領域に照射されるように調整している。
【0038】
実施例3の美顔育毛器を用いて、実際に美顔効果について実験を行った。
実験は、51才の男性の左顔側に対して、実施例3の美顔育毛器を使用した。
使用前と使用後の顔写真を図6−1〜図6−8に示す。なお、図6−2,図6−4,図6−6,図6−8は、美顔育毛器の効果を示すために、写真の両眼の目じりの外側の先端2点を結ぶ直線と、口唇の外側の先端2点を結ぶ直線を図中に描いている。
また、図7は、顔の左顔側に対して実施例3の美顔育毛器を使用している様子を示すものである。
【0039】
実験の手順とその経過を示す写真との対応は以下の通りである。
(1)1日目(2007年1月6日)
1回目LED照射前に、顔の写真を撮影したものを図6−1と図6−2に示す。図6−2を観察すると、写真の両眼の目じりの外側の先端2点を結ぶ直線と、口唇の外側の先端2点を結ぶ直線が、平行直線となっていることから、左顔側と右顔側に差が見られていないことが確認できる。
1日目は、以下の手順で実施例3の美顔育毛器を使用した。
・顔左側のみを赤色LED光源で10分間照射した。
・顔左側のみを緑色LED光源で10分間照射した。
【0040】
1回目のLED照射後に、顔の写真を撮影したものを図6−3と図6−4に示す。残念ながら少しピンボケ状態となっているものの、図6−3と図6−4から1回目のLED照射後の顔写真は、1回目LED照射前と比べて、左眼外側はやや下方へ下垂し、口唇左側はやや挙上していることがわかる。このことは、図6−4を観察すると、写真の両眼の目じりの外側の先端2点を結ぶ直線が右下がりの直線となっており、口唇の外側の先端2点を結ぶ直線が右上がりの直線となっていることからもわかる。従って、上記照射により、顔左側のみ強いひきしめ効果が現れていることが理解できる。
【0041】
(2)2日目(2007年1月7日)
1日目の照射後、24時間経過後の2回目LED照射前に、顔の写真を撮影したものを図6−5と図6−6に示す。図6−5と図6−6から1日目のひきしめ効果が残っていることが理解できる。
2日目は、以下の手順で実施例3の美顔育毛器を使用した。
・顔左側のみ赤色LED光源で10分間照射した。
・顔左側のみ緑色LED光源で10分間照射した。
【0042】
2回目のLED照射後に、顔の写真を撮影したものを図6−7と図6−8に示す。図6−7と図6−8から2回目LED照射後は、左眼外側は、さらに下方へ下垂し、口唇左側は挙上していることがわかる。このことは、図6−8を観察すると、写真の両眼の目じりの外側の先端2点を結ぶ直線が右下がりの直線となっており、口唇の外側の先端2点を結ぶ直線が右上がりの直線となっていることからもわかる。従って、上記照射により、顔左側のみ非常に強いひきしめ効果が現れていることが理解できる。
【0043】
また、別の実験として、56才の男性の頭皮に対して、頭部の脱毛が著しいため、実施例3の美顔育毛器を使用した治療を行った。
使用前と7回使用した後の頭皮写真をそれぞれ図8−1と図8−2に示す。また、図8−3に、頭皮を斜めから撮影した写真を示す。
使用頻度としては、1回の照射では、赤色LED照射を7分、緑色LED照射を7分、青色LED照射を7分行う。12月15日から使用を開始し、1月9日まで3〜5日おきに照射を行った。
図8−1と図8−2や図8−3を比較すると、頭部中央から細かい毛が生えてきていることが確認できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る美顔育毛器は、種々の化粧水や美容液と組み合わせて使用したり、イオン導入法や超音波導入法と組み合わせて使用したり、また、遠赤外線照射やマイナスイオン照射と組み合わせて使用したり、また、パルス静電磁場と併用することとしたりして、頭部の育毛促進、美肌、美顔など医療やエステティック産業に利用できる。
また、本発明に係る美顔育毛器による効能を、植物などの農産物成長促進や家畜などの生体成長に利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る美顔育毛器の使用イメージ図
【図2】実施例1にかかる美顔育毛器の概略構成図
【図3】実施例2にかかる美顔育毛器の概略構成図
【図4】実施例3にかかる美顔育毛器の概略構成図で、(a)は側面断面図で、(b)は正面図である。
【図5】実施例3の美顔育毛器の照射ユニットのLED光源の配置構成図
【図6−1】1回目のLED照射前に撮影した顔写真
【図6−2】1回目のLED照射前に撮影した顔写真(線を描いたもの)
【図6−3】1回目のLED照射後に撮影した顔写真
【図6−4】1回目のLED照射後に撮影した顔写真(線を描いたもの)
【図6−5】2回目のLED照射前に撮影した顔写真
【図6−6】2回目のLED照射前に撮影した顔写真(線を描いたもの)
【図6−7】2回目のLED照射後に撮影した顔写真
【図6−8】2回目のLED照射後に撮影した顔写真(線を描いたもの)
【図7】実施例3にかかる美顔育毛器の使用状態を示す写真
【図8−1】使用前に撮影した頭皮写真
【図8−2】使用後に撮影した頭皮写真
【図8−3】使用後に撮影した頭皮写真(斜めから撮影)
【符号の説明】
【0046】
1 美顔育毛器
2 単色LED光源ユニット
3 導光路
4 分光器
5 レンズ
6 回折格子
7 LED光源
10 集束レンズ
11 スリット
12 拡散レンズ
13 バンドパスフィルター
14 信号・電源ケーブル
15 筐体フレーム
16 赤色LED光源
17 青色LED光源
18 緑色LED光源
20 特定波長帯の可視光線
21 人の顔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単色LED(Light Emitting Diode)光源若しくは単色レーザーダイオード光源から出射された単色光であって、半値幅が所定の波長幅以内の超狭帯域の単色光のピーク波長を可変とした波長可変単色光照射光源を備えたことを特徴とする美顔育毛器。
【請求項2】
前記波長可変単色光照射光源が、異なるピーク波長を有する複数の単色LED光源と、前記単色LED光源から出射された各々の光の波長帯域を絞るバンドバスフィルターと、前記バンドバスフィルターを透過した半値幅が1〜10nmの超狭帯域の光を拡散する拡散レンズとからなることを特徴とする請求項1に記載の美顔育毛器。
【請求項3】
前記波長可変単色光照射光源が、異なるピーク波長を有する複数の単色レーザーダイオード光源と、前記単色レーザーダイオード光源の光を拡散するシリンドリカルレンズ、拡散板若しくは拡散レンズの中から1つ或いは2つ以上用いた拡散手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の美顔育毛器。
【請求項4】
前記波長可変単色光照射光源が、異なるピーク波長を有する複数の単色LED光源若しくは単色レーザーダイオード光源と、前記単色LED光源若しくは単色レーザーダイオード光源から出射された光を一つの光路に集束させる導光路と、前記導光路の出口側に設けられ所定の波長帯の光のみを選択通過させる分光手段と、前記分光手段から透過された光を拡散させる拡散手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の美顔育毛器。
【請求項5】
前記波長可変単色光照射光源が、異なるピーク波長を有する複数の単色LED光源若しくは単色レーザーダイオード光源と、前記単色LED光源若しくは単色レーザーダイオード光源から出射された光のうち所定の波長帯の分散光のみを通過させるスリットとを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の美顔育毛器。
【請求項6】
前記複数の単色LED光源が、赤色LED、青色LED、緑色LEDからなるものであり、前記赤色LEDを連続して中央に配置させ、その周囲を前記青色LEDおよび緑色LEDで取り囲むように配置させ、前記青色LEDおよび緑色LEDの光軸を中央へ傾けたことを特徴とする請求項2に記載の美顔育毛器。
【請求項7】
前記分光手段が回転機構を有する回折格子であることを特徴とする請求項5に記載の美顔育毛器。
【請求項8】
前記複数の単色LED光源が、青色LED、青緑色LED、緑色LED、檸檬色LED、黄色LED、橙色LED、赤色LEDからなるものであることを特徴とする請求項2,4,5のいずれか1項に記載の美顔育毛器。
【請求項9】
複数の単色LED光源を配列した基板が、光源の光軸と垂直な面で回転可能に構成されていることを特徴とする請求項2,4,5のいずれか1項に記載の美顔育毛器。
【請求項10】
超狭帯域の単色光を照射し得るレーザー光源と、前記レーザー光源から出射された光の波長を可変にする波長可変ユニットと、前記波長可変ユニットから出力されるレーザー光を拡散する拡散手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の美顔育毛器。
【請求項11】
前記拡散手段は、シリンドリカルレンズ、拡散板若しくは拡散レンズの中から1つ或いは2つ以上用いたものであることを特徴とする請求項10に記載の美顔育毛器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図6−6】
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【図6−7】
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【図6−8】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【公開番号】特開2007−203038(P2007−203038A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1539(P2007−1539)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(506008788)有限会社ミニョンベル (3)
【Fターム(参考)】