羽ばたき装置
【課題】構成要素が少ない小型軽量の羽ばたき装置を提供すること。
【解決手段】基部1と、基部1の左側及び右側に設けられた少なくとも一対の翼部10a、10bとを有する羽ばたき装置であって、一対の翼部10a、10bの少なくともいずれか一方について、一端部が基部1に関節4aを介して回動可能に設けられた翼軸3aと、翼軸3aの他端部に配設された羽2aと、一方端側が翼軸3aの外周に接続され他方端側が基部1に接続されている、伸縮可能な複数のリニアアクチュエータ5a、5bと、を有し、リニアアクチュエータ5a、5bの少なくとも一つは翼軸3aを軸回りに回動させる回動用リニアアクチュエータである。
【解決手段】基部1と、基部1の左側及び右側に設けられた少なくとも一対の翼部10a、10bとを有する羽ばたき装置であって、一対の翼部10a、10bの少なくともいずれか一方について、一端部が基部1に関節4aを介して回動可能に設けられた翼軸3aと、翼軸3aの他端部に配設された羽2aと、一方端側が翼軸3aの外周に接続され他方端側が基部1に接続されている、伸縮可能な複数のリニアアクチュエータ5a、5bと、を有し、リニアアクチュエータ5a、5bの少なくとも一つは翼軸3aを軸回りに回動させる回動用リニアアクチュエータである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の前後方向に対する左側および右側のそれぞれに設けられた対をなす一対以上の翼部を有し、実際の鳥のようにフラッピング運動(翼の打ち上げと打ち下しの往復運動)とフェザリング運動(翼の捩じりに関する往復運動)をする羽ばたき装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の羽ばたき装置は、回転駆動源によって回転駆動され、回転軸が胴体部に対して左右方向を向いて該胴体部内に配置されるクランク部材、及び該クランク部材に連結されて前後動すると共に上下動するクランクロッドを有するクランク機構と、前記胴体部の軸心の直上にあって、前記クランクロッドの上端部にその前端部が一定角度で連結された背骨材と、前記背骨材の前端部に内側端部が回動可能に連結された左右の翼前支持材と、前記背骨材を中心にして左右の前記翼前支持材の間に張られかつ中央部で前記背骨材に固定されて折れ曲がり可能な翼シートとを有する左右対となる翼体と、前記胴体部に揺動可能に取付けられて、前記左右の翼前支持材の中間部をそれぞれ支持する左右の揺動支持部材とを有し、前記クランク部材の回転によって前記クランクロッドを昇降し、前記対となる翼体を上下に動かすフラッピング運動と、前記対となる翼体に捩じり動作を与えるフェザリング運動とを同時に与え、しかも、前記左右の揺動支持部材は、それぞれ前記胴体部に下端部が連結される前側斜め部材と後側斜め部材とを有する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4150799号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
羽ばたきによる飛行技術は、エネルギー損失が少ないので省エネ飛行に有用な技術であるが、従来の羽ばたき装置は、羽ばたきを行うのに二つの駆動源及び2種類のクランク機構と対になるシャフトを必要とするため、重量が大きくなり、動力源が大きくなってしまう。また、多数の構成要素が複雑に関連しているので、故障し易い。
【0005】
また、従来の羽ばたき装置は、クランク機構によって羽ばたきに必要な動力を得るため、翼関節部の自由度に制約が発生し、実際の鳥のような羽ばたき動作をさせることができない。
【0006】
なお、実際の鳥のような羽ばたきとは、主に、飛行パターンに応じた羽ばたき運動方向の変更、翼打ち上げ時の翼折りたたんでの引き上げ(羽ばたき効率を上げるため)、飛行軌跡・胴体の急旋回・外乱に対する姿勢制御を行うための左右翼羽ばたき速度の変更、などを意味する。
【0007】
本発明は、上記従来の羽ばたき装置の問題に鑑みてなされたものであり、構成要素が少ない小型軽量の羽ばたき装置を提供することを課題とする。
【0008】
また、実際の鳥に近い羽ばたき運動ができる羽ばたき装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するためになされた本発明の羽ばたき装置は、基部と、前記基部の左側及び右側に設けられた少なくとも一対の翼部とを有する羽ばたき装置であって、前記羽ばたき装置は、前記一対の翼部の少なくともいずれか一方について、一端部が前記基部に関節を介して回動可能に設けられた翼軸と、前記翼軸の他端部に配設された羽と、一方端側が前記翼軸の外周に接続され他方端側が前記基部に接続されている、伸縮可能な複数のリニアアクチュエータと、を有し、前記複数のリニアアクチュエータの少なくとも一つは前記翼軸を軸回りに回動させる回動用リニアアクチュエータであることを特徴とする。
【0010】
複数のリニアアクチュエータで直接翼部を動かすので構成要素が少なく、小型軽量化が図られる。
【0011】
上記の羽ばたき装置において、前記回動用アクチュエータは前記翼軸の外周にらせん状に巻き付いているとよい。
【0012】
らせん状に巻き付いているので、フラッピング運動とフェザリング運動とを行わせることができる。
【0013】
また、前記複数のリニアアクチュエータは、前記翼部をフラッピング運動させるフラッピング用伸縮動タイプアクチュエータと、前記翼部をフェザリング運動させるフェザリング用伸縮動タイプアクチュエータとを含むものとするとよい。
【0014】
二つのリニアアクチュエータで実際の鳥に近い羽ばたき運動をさせることができる。
【0015】
また、前記複数のリニアアクチュエータは、一方端側が前記翼軸の外周に固定され他方端側が前記基部に固定され前記翼部をフラッピング運動させる少なくとも2つのフラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータ及び前記翼軸の外周の前記フラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータが固定された位置と異なる位置に一方端側が固定され他方端側が前記基部に固定され前記翼部をフェザリング運動させる少なくとも2つのフェザリング用縮動タイプリニアアクチュエータとを含むものとしてもよい。
【0016】
縮動タイプリニアアクチュエータは伸縮動タイプリニアアクチュエータより制御が容易であり、高速駆動が可能である。
【0017】
また、前記複数のリニアアクチュエータは、水平方向を向いた前記翼軸の縦断面及び前記基部の前記縦断面に平行な前記側面における前記翼軸の軸心を原点としX軸方向を水平方向、Y軸方向を垂直方向とする直交座標において、Y軸と前記翼軸の外周円との交点を基点として約60度、約180度、約300度変角した前記外周円の位置にそれぞれ一方端側が固定され、他方端側がそれぞれ時計回りに約120度変角した前記外周円の前記側面への射影円と同心で前記射影円より大径の前記側面上の同心円の位置に固定された3つの縮動タイプリニアアクチュエータ及びY軸と前記翼軸の前記外周円との交点を基点として約0度、約120度、約240度変角した前記外周円の位置にそれぞれ一方端側が固定され、他方端側がそれぞれ反時計回りに120度変角した前記同心円の位置に固定された3つの縮動タイプリニアアクチュエータとを含むものとしてもよい。
【0018】
時計回りに駆動力が作用する3つの縮動タイプリニアアクチュエータと反時計回りに駆動力が作用する3つの縮動タイプリニアアクチュエータとを有するので、6つのアクチュエータを適当に制御駆動することにより一層実際の鳥に近い羽ばたき運動をさせることができる。
【0019】
また、前記関節は、ボールジョイントであるとよい。
【0020】
翼軸が基部の側面任意外方に低摩擦抵抗で向くことができ且つ軸の回りに回転できるのでアクチュエータの低パワー化が図れる。
【0021】
また、前記リニアアクチュエータの前記他方端側は前記翼軸の外周にロッドエンドベアリングを介して取り付けられるとよい。
【0022】
リニアアクチュエータの他方端側が翼軸の外周円の接線を含む面内の任意方向に低摩擦抵抗で向くことができるので、アクチュエータの力を翼軸に効率よく作用させることができる。
【0023】
また、前記リニアアクチュエータは、圧縮気体を用いた人工筋肉であるとよい。
【0024】
駆動力が大きく、高速駆動が可能である。
【発明の効果】
【0025】
複数のリニアアクチュエータで直接翼部を動かすので構成要素が少なく、小型軽量化が図られる。リニア駆動する動力をそのまま翼部の往復運動に利用するのでエネルギー・ロスが少ない。複数のリニアアクチュエータを適当に制御駆動することでフラッピング、フェザリング、といった実際の鳥に近い羽ばたき運動をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態1に係る羽ばたき装置の概略斜視図である。
【図2】図1のA−A線端面視図である。
【図3】実施形態1に係る羽ばたき装置の伸縮動タイプリニアアクチュエータの断面図である。
【図4】実施形態2に係る羽ばたき装置の要部概略斜視図である。
【図5】図4のA−A線端面視図である。
【図6】実施形態2に係る羽ばたき装置の縮動タイプリニアアクチュエータの動作説明図である。
【図7】実施形態3に係る羽ばたき装置の要部概略斜視図である。
【図8】図7のA−A線端面視図である。
【図9】実施形態3に係る羽ばたき装置の縮動タイプリニアアクチュエータの翼軸への固定構造を説明する部分断面図である。
【図10】実施形態3に係る羽ばたき装置の打ち上げ動作、打ち下し動作を説明するための図7のA−A線端面視図である。
【図11】実施形態3に係る羽ばたき装置の右回転、左回転動作を説明するための図7のA−A線端面視図である。
【図12】実施形態3に係る羽ばたき装置の右斜め打ち上げ、左斜め打ち下し動作を説明するための図7のA−A線端面視図である。
【図13】実施形態3に係る羽ばたき装置の左斜め打ち上げ、右斜め打ち下し動作を説明するための図7のA−A線端面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)図1〜図3に示すように、本実施形態に係る羽ばたき装置は、基部1と基部1の前後方向に対する右側面11aおよび左側面11bのそれぞれに設けられた一対の翼部10a、10bを備えている。
【0028】
翼部10a、10bは、一端部が基部1に関節4a、4b(図示せず)を介して回動可能に設けられた翼軸3a、3bと、翼軸3a、3bの他端部に固定された羽2a、2bと、を備えている。
【0029】
関節4aはボールジョイントで、その外面には上下方向に長溝41aが形成され、翼軸3aが上下方向にのみ変角できるようになっている。
【0030】
羽ばたき装置は、水平方向を向いた翼軸3aの縦断面及び基部1の前記縦断面に平行な側面11aにおける前記翼軸3aの軸心Oを原点としX軸方向を水平方向、Y軸方向を垂直方向とする直交座標において、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点P1に一方端側が固定され、他方端側が外周円OCの側面11aへの射影円と同心で射影円より大径の側面11a上の同心円CCとY軸の交点Q1に固定されたフラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5aを備えている。
【0031】
また、羽ばたき装置は、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点を基点として約270度変角した外周円OC上の位置P2に一方端側が固定され、他方端側が反時計回りに約150度変角した同心円CC上の位置Q2に固定された、すなわち翼軸3aの外周にらせん状に巻き付いたフェザリング用(回動用)伸縮動タイプアクチュエータ6aを備えている。
【0032】
伸縮動タイプアクチュエータ5a、5bとしては、例えば図3に示すような可撓性を有するリニアモータからなる人工筋肉(特開2005-58351)を用いることができる。このリニアモータ式人工筋肉は、外側に配置された長尺チューブ状の第一要素9と、第一要素9の内周に挿入される長尺ロッド状の第二要素10とより主体に構成される。チューブ状の第一要素9は、樹脂やゴム等の可撓性材料からなる円筒部材91と、その外周の軸方向複数箇所に定ピッチδ1で同軸形成したコイル92とで構成される。各コイル92は連絡配線60で接続され、さらに制御装置70を介して三相交流等の電源80に接続されている。
【0033】
電源80から電流を供給すると、第一要素91側に各コイル92の作用で移動磁界が発生する。この移動磁界と第二要素10の界磁極との間に生じる電磁力により相対的な推力が発生し、両要素9、10が軸方向に相対スライドする結果、リニアモータ全体では伸縮運動が行われる。この際、制御装置70は、入力信号に基づき、電圧・電流制御や周波数制御を行って伸縮速度を制御し、さらには第一要素9と第二要素10間の相対位置を検出するセンサ(図示省略)からの位置情報に基づいて両要素9、10の相対位置を管理する。
【0034】
次に、本実施形態の羽ばたき装置の動作を説明する。例えば、羽ばたき装置が図1の状態、すなわち、翼軸3a、3bが水平方向を向き、羽2a、2bも水平面に平行である状態で、フラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5a、5bを縮動させると、翼軸3a、3bが打ち上げられる。フラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5a、5bを伸動させると、翼軸3a、3bが打ち下げられる。したがって、フラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5a、5bを交互に縮動-伸動させることによりフラッピング運動を行わせることができる。
【0035】
羽ばたき装置が図1の状態のとき、フェザリング用伸縮動タイプアクチュエータ6a、6b(図示せず)を縮動させると、斜め下向きの力がP2に作用する。斜め下向きの力はX方向の成分とY方向の成分からなり、Y成分で翼軸3aが反時計回り回転させられる。X成分は翼軸3aを右方向に曲げようとするが、ボールジョイント4aの長溝41aで右方向への曲がりが抑制される。フェザリング用伸縮動タイプアクチュエータ6a、6b(図示せず)を伸動させると、斜め上向きの力がP2に作用する。斜め上向きの力のY成分で翼軸3aが時計回り回転させられる。斜め上向きの力のX成分は翼軸3aを左方向に曲げようとするが、ボールジョイント4aの長溝41aで左方向への曲がりが抑制される。したがって、フェザリング用伸縮動タイプアクチュエータ6a、6b(図示せず)を交互に縮動-伸動させることによりフェザリング運動を行わせることができる。
【0036】
本実施形態の羽ばたき装置では、翼軸3a、3bがボールジョイント4a、4b(図示せず)を介して基部1の側面11a、11bに回動自在に取り付けられているので、翼軸3a、3bが上下方向に低摩擦抵抗で向くことができ、フラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5a、5b及びフェザリング用伸縮動タイプアクチュエータ6a、6b(図示せず)の低パワー化が図れる。
【0037】
(実施形態2)本実施形態に係る羽ばたき装置は、実施形態1の羽ばたき装置の伸縮動タイプアクチュエータを縮動タイプアクチュエータに変更した点が実施形態1の羽ばたき装置と大きく異なる。同じ構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の羽ばたき装置は、図4〜図6に示すように、水平方向を向いた翼軸3aの縦断面及び基部1の前記縦断面に平行な右側面11aにおける前記翼軸の軸心Oを原点としX軸方向を水平方向、Y軸方向を垂直方向とする直交座標において、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点P1に一方端側が固定され、他方端側が外周円OCの右側面11aへの射影円と同心で射影円より大径の右側面11a上の同心円CCとY軸の交点Q1に固定されたフラッピング用縮動タイプアクチュエータ71aを備えている。
【0038】
また、羽ばたき装置は、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点を基点として約180度変角した外周円OC上の位置P2に一方端側が固定され、他方端側がY軸と同心円CCとの交点を基点として約180変角した同心円CC上の位置Q2に固定されたフラッピング用縮動タイプアクチュエータ72aを備えている。
【0039】
また、羽ばたき装置は、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点を基点として約90度変角した外周円OC上の位置P3に一方端側が固定され、他方端側が時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q3に固定されたフラッピング用縮動タイプアクチュエータ73aを備えている。フラッピング用(回動用)縮動タイプアクチュエータ73aの他方端側が一方端側が固定された位置から120度変角した位置に固定されているので、一方端側が翼軸3aにらせん状に巻き付いている。
【0040】
また、羽ばたき装置は、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点を基点として約270度変角した外周円OC上の位置P4に一方端側が固定され、他方端側が反時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q4に固定されたフラッピング用縮動タイプアクチュエータ74aを備えている。フラッピング用(回動用)縮動タイプアクチュエータ74aの他方端側が一方端側が固定された位置から120度変角した位置に固定されているので、一方端側が翼軸3aにらせん状に巻き付いている。
【0041】
なお、説明を省略したが、左側面11b(図1参照)にも同様の翼部10b(図示せず)が設けられている。
【0042】
縮動タイプアクチュエータ71a、72a、73a、74aとしては、例えば図6に示すような可撓性を有する圧縮空気式人工筋肉(特開2010-279689)を用いることができる。この人工筋肉は、ゴムチューブ51と組紐レース52を一体成型した膨張体50と膨張体50の外側を覆うように取り付けられた組紐レース(収縮体)60からなっている。
【0043】
図6aに示す状態から圧縮空気で加圧すると、膨張体50が膨張して図6bに示す縮んだ状態になる。
【0044】
圧縮空気式人工筋肉として、必要に応じた駆動周波数の人工筋肉を用いることが好ましい。
【0045】
次に、本実施形態の羽ばたき装置の動作を右側について説明する。例えば、羽ばたき装置が図4の状態、すなわち、翼軸3aが水平方向を向き、図示しない翼部2aも水平面に平行である状態で、フラッピング用縮動タイプアクチュエータ71aを縮動させると、翼軸3aが打ち上げられる。フラッピング用縮動タイプアクチュエータ72a縮動させると、翼軸3aが打ち下される。したがって、フラッピング用縮動タイプアクチュエータ71a、72aを交互に縮動させることによりフラッピング運動を行わせることができる。
【0046】
羽ばたき装置が図4の状態のとき、フェザリング用縮動タイプアクチュエータ73aを縮動させると、左斜め下向きの力がP3に作用する。左斜め下向きの力はX方向の成分とY方向の成分からなり、Y成分で翼軸3aが時計回り回転させられる。X成分は翼軸3aを左方向に曲げようとするが、ボールジョイント4aの長溝41aで左方向への曲がりが抑制される。フェザリング用縮動タイプアクチュエータ74aを縮動させると、右斜め下向きの力がP4に作用する。右斜め下向きの力のY成分で翼軸3aが反時計回り回転させられる。右斜め下向きの力のX成分は翼軸3aを右方向に曲げようとするが、ボールジョイント4aの長溝41aで左方向への曲がりが抑制される。したがって、フェザリング用縮動タイプアクチュエータ73a、74aを交互に縮動させることによりフェザリング運動を行わせることができる。
【0047】
本実施形態の羽ばたき装置は、縮動タイプアクチュエータに圧縮空気式人工筋肉を用いたが、所謂フライバイワイヤ機構(飛行機のフラップや操舵をワイヤで操作する機構)を用いても良い。すなわち、P1、P2、P3、P4に固定された4本のワイヤを基部1に組み込んだアクチュエータ(巻き取り機)で巻き取ることで、フラッピング運動やフェザリング運動を行わせることができる。
【0048】
(実施形態3)図7〜図9に示す本実施形態に係る羽ばたき装置は、翼軸3aが側面11aにユニバーサルボールジョイント4Aを介して取り付けられている。実施形態2の羽ばたき装置では4つの縮動タイプアクチュエータを備えていたが、本実施形態に係る羽ばたき装置は、6つの縮動タイプアクチュエータを備えている。
縮動タイプアクチュエータ81aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約60度変角した外周円OC上の位置P1に一端部側がロッドエンドベアリング91a(図9参照)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP1から時計回りに約120度変角した外周円OCの側面11aへの射影円と同心で射影円より大径の側面11a上の同心円CC上の位置Q1に固定されている。
【0049】
縮動タイプアクチュエータ82aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約180度変角した外周円OC上の位置P2に一端部側がロッドエンドベアリング92a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP2から時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q2に固定されている。
【0050】
縮動タイプアクチュエータ83aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約300度変角した外周円OC上の位置P3に一端部側がロッドエンドベアリング93a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP3から時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q3に固定されている。
【0051】
縮動タイプアクチュエータ84aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約0度変角した外周円OC上の位置P4に一端部側がロッドエンドベアリング94a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP4から反時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q4に固定されている。
【0052】
縮動タイプアクチュエータ85aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約120度変角した外周円OC上の位置P5に一端部側がロッドエンドベアリング95a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP5から反時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q5に固定されている。
【0053】
縮動タイプアクチュエータ86aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約240度変角した外周円OC上の位置P6に一端部側がロッドエンドベアリング96a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP6から反時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q6に固定されている。
【0054】
本実施形態の羽ばたき装置では、縮動タイプアクチュエータ81a〜86aがロッドエンドベアリング91a〜96aを介して、翼軸3aに連結されているので、各縮動タイプアクチュエータ81a〜86aは、低摩擦で縮動する方向に向くことができる。その結果、アクチュエータのエネルギ・ロスを減らすことができる。
【0055】
なお、説明を省略したが、左側面11b(図1参照)にも同様の翼部10b(図示せず)が設けられている。
【0056】
次に、本実施形態の羽ばたき装置の動作を右側について説明する。例えば、羽ばたき装置が図7の状態、すなわち、翼軸3aが水平方向を向き、図示しない羽2aも水平面に平行である状態で、縮動タイプアクチュエータ82a、83a、85aを縮動させると、P2、P3、P5には図10aに示すようなXY面内の力F2、F3、F5が作用する。
F2は、−X方向を向き、X方向に平行であるので、Y成分がゼロである。F3はX方向の力F3XとY方向の力F3Yに分解される。同様に、F5はX方向の力F5XとY方向の力F5Yに分解される。F3X+F5X=F2となるように縮動タイプアクチュエータ82a、83a、85aを縮動させることにより、翼軸3aがX方向(左右方向)へ曲がることがない。一方、(F3Y+F5Y)が+Y方向に作用するため、翼軸3aが+Y方向に曲げられ、打ち上げられる。
【0057】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ81a、84a、86aを縮動させると、P1、P4、P6には図10bに示すようなXY面内の力F1、F4、F6が作用する。
【0058】
F4は、−X方向を向き、X方向に平行であるので、Y成分がゼロである。F1はX方向の力F1XとY方向の力F1Yに分解される。同様に、F6はX方向の力F6XとY方向の力F6Yに分解される。F1X+F6X=F4となるように縮動タイプアクチュエータ81a、84a、86aを縮動させることにより、翼軸3aがX方向(左右方向)へ曲がることがない。一方、(F1Y+F6Y)が−Y方向に作用するため、翼軸3aが−Y方向に曲げられ、打ち下される。
【0059】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ81a、82a、83aを縮動させると、P1、P2、P3には図11aに示すようなXY面内の力F1、F2、F3が作用する。したがって、翼軸3aが右回転(時計回り)する。
【0060】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ84a、85a、86aを縮動させると、P4、P5、P6には図11bに示すようなXY面内の力F4、F5、F6が作用する。したがって、翼軸3aが左回転(反時計回り)する。
【0061】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ81a、83a、85aを縮動させると、P1、P3、P5には図12aに示すようなXY面内の力F1、F3、F5が作用する。力F1、F3、F5はベクトル量であるので、ベクトル和を求めると点線矢印で示すようなFgの力、すなわち右斜め上方向の力が翼軸3aに作用することがわかる。したがって、縮動タイプアクチュエータ81a、83a、85aを縮動させると、翼軸3aが右斜めに打ち上げられる。
【0062】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ82a、84a、86aを縮動させると、P2、P4、P6に図12bに示すようなXY面内の力F2、F4、F6が作用する。3つの力のベクトル和を求めると点線矢印で示すようなFgの力、すなわち左斜め下向きの力が翼軸3aに作用することがわかる。したがって、縮動タイプアクチュエータ81a、83a、85aを縮動させると、翼軸3aが左斜めに打ち下される。
【0063】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ82a、83a、84aを縮動させると、P2、P3、P4に図13aに示すようなXY面内の力F2、F3、F4が作用する。3つの力のベクトル和を求めると点線矢印で示すようなFgの力、すなわち左斜め上向きの力が翼軸3aに作用することがわかる。したがって、縮動タイプアクチュエータ82a、83a、84aを縮動させると、翼軸3aが左斜めに打ち上げられる。
【0064】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ81a、85a、86aを縮動させると、P1、P5、P6に図13bに示すようなXY面内の力F1、F5、F6が作用する。3つの力のベクトル和を求めると点線矢印で示すようなFgの力、すなわち右斜め下向きの力が翼軸3aに作用することがわかる。したがって、縮動タイプアクチュエータ81a、85a、86aを縮動させると、翼軸3aが右斜めに打ち下される。
【0065】
本実施形態の羽ばたき装置は、時計回りに駆動力が作用する3つの縮動タイプリニアアクチュエータと反時計回りに駆動力が作用する3つの縮動タイプリニアアクチュエータとを有するので、6つのアクチュエータを適当に制御駆動することで、フラッピング(打ち上げ、打ち下し)、フェザリング(右回転、左回転)、右斜め打ち上げ・打ち下し、左斜め打ち上げ・打ち下しを行うことができる。
【符号の説明】
【0066】
1・ ・・・・・・・・ ・基部
11a・・・・・・・右側面
11b・・・・・・・左側面
2a、2b・・・・・・・羽
3a、3b・・・・・・・翼軸
4a、4A・・・・・・・関節(ボールジョイント)
5a、5b・・・・・・・フラッピング用伸縮動タイプリニアアクチュエータ
6a・・・・・・・・・・フェザリング用(回動用)伸縮動タイプリニアアクチュエータ
10a、10b・・・・・翼部
71a、72a・・・・・フラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータ
73a、73b・・・・・フェザリング用(回動用)縮動タイプリニアアクチュエータ
81a〜86a・・・・・縮動タイプリニアアクチュエータ
91a・・・・・・・・・ロッドエンドベアリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の前後方向に対する左側および右側のそれぞれに設けられた対をなす一対以上の翼部を有し、実際の鳥のようにフラッピング運動(翼の打ち上げと打ち下しの往復運動)とフェザリング運動(翼の捩じりに関する往復運動)をする羽ばたき装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の羽ばたき装置は、回転駆動源によって回転駆動され、回転軸が胴体部に対して左右方向を向いて該胴体部内に配置されるクランク部材、及び該クランク部材に連結されて前後動すると共に上下動するクランクロッドを有するクランク機構と、前記胴体部の軸心の直上にあって、前記クランクロッドの上端部にその前端部が一定角度で連結された背骨材と、前記背骨材の前端部に内側端部が回動可能に連結された左右の翼前支持材と、前記背骨材を中心にして左右の前記翼前支持材の間に張られかつ中央部で前記背骨材に固定されて折れ曲がり可能な翼シートとを有する左右対となる翼体と、前記胴体部に揺動可能に取付けられて、前記左右の翼前支持材の中間部をそれぞれ支持する左右の揺動支持部材とを有し、前記クランク部材の回転によって前記クランクロッドを昇降し、前記対となる翼体を上下に動かすフラッピング運動と、前記対となる翼体に捩じり動作を与えるフェザリング運動とを同時に与え、しかも、前記左右の揺動支持部材は、それぞれ前記胴体部に下端部が連結される前側斜め部材と後側斜め部材とを有する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4150799号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
羽ばたきによる飛行技術は、エネルギー損失が少ないので省エネ飛行に有用な技術であるが、従来の羽ばたき装置は、羽ばたきを行うのに二つの駆動源及び2種類のクランク機構と対になるシャフトを必要とするため、重量が大きくなり、動力源が大きくなってしまう。また、多数の構成要素が複雑に関連しているので、故障し易い。
【0005】
また、従来の羽ばたき装置は、クランク機構によって羽ばたきに必要な動力を得るため、翼関節部の自由度に制約が発生し、実際の鳥のような羽ばたき動作をさせることができない。
【0006】
なお、実際の鳥のような羽ばたきとは、主に、飛行パターンに応じた羽ばたき運動方向の変更、翼打ち上げ時の翼折りたたんでの引き上げ(羽ばたき効率を上げるため)、飛行軌跡・胴体の急旋回・外乱に対する姿勢制御を行うための左右翼羽ばたき速度の変更、などを意味する。
【0007】
本発明は、上記従来の羽ばたき装置の問題に鑑みてなされたものであり、構成要素が少ない小型軽量の羽ばたき装置を提供することを課題とする。
【0008】
また、実際の鳥に近い羽ばたき運動ができる羽ばたき装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するためになされた本発明の羽ばたき装置は、基部と、前記基部の左側及び右側に設けられた少なくとも一対の翼部とを有する羽ばたき装置であって、前記羽ばたき装置は、前記一対の翼部の少なくともいずれか一方について、一端部が前記基部に関節を介して回動可能に設けられた翼軸と、前記翼軸の他端部に配設された羽と、一方端側が前記翼軸の外周に接続され他方端側が前記基部に接続されている、伸縮可能な複数のリニアアクチュエータと、を有し、前記複数のリニアアクチュエータの少なくとも一つは前記翼軸を軸回りに回動させる回動用リニアアクチュエータであることを特徴とする。
【0010】
複数のリニアアクチュエータで直接翼部を動かすので構成要素が少なく、小型軽量化が図られる。
【0011】
上記の羽ばたき装置において、前記回動用アクチュエータは前記翼軸の外周にらせん状に巻き付いているとよい。
【0012】
らせん状に巻き付いているので、フラッピング運動とフェザリング運動とを行わせることができる。
【0013】
また、前記複数のリニアアクチュエータは、前記翼部をフラッピング運動させるフラッピング用伸縮動タイプアクチュエータと、前記翼部をフェザリング運動させるフェザリング用伸縮動タイプアクチュエータとを含むものとするとよい。
【0014】
二つのリニアアクチュエータで実際の鳥に近い羽ばたき運動をさせることができる。
【0015】
また、前記複数のリニアアクチュエータは、一方端側が前記翼軸の外周に固定され他方端側が前記基部に固定され前記翼部をフラッピング運動させる少なくとも2つのフラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータ及び前記翼軸の外周の前記フラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータが固定された位置と異なる位置に一方端側が固定され他方端側が前記基部に固定され前記翼部をフェザリング運動させる少なくとも2つのフェザリング用縮動タイプリニアアクチュエータとを含むものとしてもよい。
【0016】
縮動タイプリニアアクチュエータは伸縮動タイプリニアアクチュエータより制御が容易であり、高速駆動が可能である。
【0017】
また、前記複数のリニアアクチュエータは、水平方向を向いた前記翼軸の縦断面及び前記基部の前記縦断面に平行な前記側面における前記翼軸の軸心を原点としX軸方向を水平方向、Y軸方向を垂直方向とする直交座標において、Y軸と前記翼軸の外周円との交点を基点として約60度、約180度、約300度変角した前記外周円の位置にそれぞれ一方端側が固定され、他方端側がそれぞれ時計回りに約120度変角した前記外周円の前記側面への射影円と同心で前記射影円より大径の前記側面上の同心円の位置に固定された3つの縮動タイプリニアアクチュエータ及びY軸と前記翼軸の前記外周円との交点を基点として約0度、約120度、約240度変角した前記外周円の位置にそれぞれ一方端側が固定され、他方端側がそれぞれ反時計回りに120度変角した前記同心円の位置に固定された3つの縮動タイプリニアアクチュエータとを含むものとしてもよい。
【0018】
時計回りに駆動力が作用する3つの縮動タイプリニアアクチュエータと反時計回りに駆動力が作用する3つの縮動タイプリニアアクチュエータとを有するので、6つのアクチュエータを適当に制御駆動することにより一層実際の鳥に近い羽ばたき運動をさせることができる。
【0019】
また、前記関節は、ボールジョイントであるとよい。
【0020】
翼軸が基部の側面任意外方に低摩擦抵抗で向くことができ且つ軸の回りに回転できるのでアクチュエータの低パワー化が図れる。
【0021】
また、前記リニアアクチュエータの前記他方端側は前記翼軸の外周にロッドエンドベアリングを介して取り付けられるとよい。
【0022】
リニアアクチュエータの他方端側が翼軸の外周円の接線を含む面内の任意方向に低摩擦抵抗で向くことができるので、アクチュエータの力を翼軸に効率よく作用させることができる。
【0023】
また、前記リニアアクチュエータは、圧縮気体を用いた人工筋肉であるとよい。
【0024】
駆動力が大きく、高速駆動が可能である。
【発明の効果】
【0025】
複数のリニアアクチュエータで直接翼部を動かすので構成要素が少なく、小型軽量化が図られる。リニア駆動する動力をそのまま翼部の往復運動に利用するのでエネルギー・ロスが少ない。複数のリニアアクチュエータを適当に制御駆動することでフラッピング、フェザリング、といった実際の鳥に近い羽ばたき運動をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態1に係る羽ばたき装置の概略斜視図である。
【図2】図1のA−A線端面視図である。
【図3】実施形態1に係る羽ばたき装置の伸縮動タイプリニアアクチュエータの断面図である。
【図4】実施形態2に係る羽ばたき装置の要部概略斜視図である。
【図5】図4のA−A線端面視図である。
【図6】実施形態2に係る羽ばたき装置の縮動タイプリニアアクチュエータの動作説明図である。
【図7】実施形態3に係る羽ばたき装置の要部概略斜視図である。
【図8】図7のA−A線端面視図である。
【図9】実施形態3に係る羽ばたき装置の縮動タイプリニアアクチュエータの翼軸への固定構造を説明する部分断面図である。
【図10】実施形態3に係る羽ばたき装置の打ち上げ動作、打ち下し動作を説明するための図7のA−A線端面視図である。
【図11】実施形態3に係る羽ばたき装置の右回転、左回転動作を説明するための図7のA−A線端面視図である。
【図12】実施形態3に係る羽ばたき装置の右斜め打ち上げ、左斜め打ち下し動作を説明するための図7のA−A線端面視図である。
【図13】実施形態3に係る羽ばたき装置の左斜め打ち上げ、右斜め打ち下し動作を説明するための図7のA−A線端面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)図1〜図3に示すように、本実施形態に係る羽ばたき装置は、基部1と基部1の前後方向に対する右側面11aおよび左側面11bのそれぞれに設けられた一対の翼部10a、10bを備えている。
【0028】
翼部10a、10bは、一端部が基部1に関節4a、4b(図示せず)を介して回動可能に設けられた翼軸3a、3bと、翼軸3a、3bの他端部に固定された羽2a、2bと、を備えている。
【0029】
関節4aはボールジョイントで、その外面には上下方向に長溝41aが形成され、翼軸3aが上下方向にのみ変角できるようになっている。
【0030】
羽ばたき装置は、水平方向を向いた翼軸3aの縦断面及び基部1の前記縦断面に平行な側面11aにおける前記翼軸3aの軸心Oを原点としX軸方向を水平方向、Y軸方向を垂直方向とする直交座標において、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点P1に一方端側が固定され、他方端側が外周円OCの側面11aへの射影円と同心で射影円より大径の側面11a上の同心円CCとY軸の交点Q1に固定されたフラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5aを備えている。
【0031】
また、羽ばたき装置は、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点を基点として約270度変角した外周円OC上の位置P2に一方端側が固定され、他方端側が反時計回りに約150度変角した同心円CC上の位置Q2に固定された、すなわち翼軸3aの外周にらせん状に巻き付いたフェザリング用(回動用)伸縮動タイプアクチュエータ6aを備えている。
【0032】
伸縮動タイプアクチュエータ5a、5bとしては、例えば図3に示すような可撓性を有するリニアモータからなる人工筋肉(特開2005-58351)を用いることができる。このリニアモータ式人工筋肉は、外側に配置された長尺チューブ状の第一要素9と、第一要素9の内周に挿入される長尺ロッド状の第二要素10とより主体に構成される。チューブ状の第一要素9は、樹脂やゴム等の可撓性材料からなる円筒部材91と、その外周の軸方向複数箇所に定ピッチδ1で同軸形成したコイル92とで構成される。各コイル92は連絡配線60で接続され、さらに制御装置70を介して三相交流等の電源80に接続されている。
【0033】
電源80から電流を供給すると、第一要素91側に各コイル92の作用で移動磁界が発生する。この移動磁界と第二要素10の界磁極との間に生じる電磁力により相対的な推力が発生し、両要素9、10が軸方向に相対スライドする結果、リニアモータ全体では伸縮運動が行われる。この際、制御装置70は、入力信号に基づき、電圧・電流制御や周波数制御を行って伸縮速度を制御し、さらには第一要素9と第二要素10間の相対位置を検出するセンサ(図示省略)からの位置情報に基づいて両要素9、10の相対位置を管理する。
【0034】
次に、本実施形態の羽ばたき装置の動作を説明する。例えば、羽ばたき装置が図1の状態、すなわち、翼軸3a、3bが水平方向を向き、羽2a、2bも水平面に平行である状態で、フラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5a、5bを縮動させると、翼軸3a、3bが打ち上げられる。フラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5a、5bを伸動させると、翼軸3a、3bが打ち下げられる。したがって、フラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5a、5bを交互に縮動-伸動させることによりフラッピング運動を行わせることができる。
【0035】
羽ばたき装置が図1の状態のとき、フェザリング用伸縮動タイプアクチュエータ6a、6b(図示せず)を縮動させると、斜め下向きの力がP2に作用する。斜め下向きの力はX方向の成分とY方向の成分からなり、Y成分で翼軸3aが反時計回り回転させられる。X成分は翼軸3aを右方向に曲げようとするが、ボールジョイント4aの長溝41aで右方向への曲がりが抑制される。フェザリング用伸縮動タイプアクチュエータ6a、6b(図示せず)を伸動させると、斜め上向きの力がP2に作用する。斜め上向きの力のY成分で翼軸3aが時計回り回転させられる。斜め上向きの力のX成分は翼軸3aを左方向に曲げようとするが、ボールジョイント4aの長溝41aで左方向への曲がりが抑制される。したがって、フェザリング用伸縮動タイプアクチュエータ6a、6b(図示せず)を交互に縮動-伸動させることによりフェザリング運動を行わせることができる。
【0036】
本実施形態の羽ばたき装置では、翼軸3a、3bがボールジョイント4a、4b(図示せず)を介して基部1の側面11a、11bに回動自在に取り付けられているので、翼軸3a、3bが上下方向に低摩擦抵抗で向くことができ、フラッピング用伸縮動タイプアクチュエータ5a、5b及びフェザリング用伸縮動タイプアクチュエータ6a、6b(図示せず)の低パワー化が図れる。
【0037】
(実施形態2)本実施形態に係る羽ばたき装置は、実施形態1の羽ばたき装置の伸縮動タイプアクチュエータを縮動タイプアクチュエータに変更した点が実施形態1の羽ばたき装置と大きく異なる。同じ構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の羽ばたき装置は、図4〜図6に示すように、水平方向を向いた翼軸3aの縦断面及び基部1の前記縦断面に平行な右側面11aにおける前記翼軸の軸心Oを原点としX軸方向を水平方向、Y軸方向を垂直方向とする直交座標において、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点P1に一方端側が固定され、他方端側が外周円OCの右側面11aへの射影円と同心で射影円より大径の右側面11a上の同心円CCとY軸の交点Q1に固定されたフラッピング用縮動タイプアクチュエータ71aを備えている。
【0038】
また、羽ばたき装置は、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点を基点として約180度変角した外周円OC上の位置P2に一方端側が固定され、他方端側がY軸と同心円CCとの交点を基点として約180変角した同心円CC上の位置Q2に固定されたフラッピング用縮動タイプアクチュエータ72aを備えている。
【0039】
また、羽ばたき装置は、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点を基点として約90度変角した外周円OC上の位置P3に一方端側が固定され、他方端側が時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q3に固定されたフラッピング用縮動タイプアクチュエータ73aを備えている。フラッピング用(回動用)縮動タイプアクチュエータ73aの他方端側が一方端側が固定された位置から120度変角した位置に固定されているので、一方端側が翼軸3aにらせん状に巻き付いている。
【0040】
また、羽ばたき装置は、Y軸と翼軸3aの外周円OCとの交点を基点として約270度変角した外周円OC上の位置P4に一方端側が固定され、他方端側が反時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q4に固定されたフラッピング用縮動タイプアクチュエータ74aを備えている。フラッピング用(回動用)縮動タイプアクチュエータ74aの他方端側が一方端側が固定された位置から120度変角した位置に固定されているので、一方端側が翼軸3aにらせん状に巻き付いている。
【0041】
なお、説明を省略したが、左側面11b(図1参照)にも同様の翼部10b(図示せず)が設けられている。
【0042】
縮動タイプアクチュエータ71a、72a、73a、74aとしては、例えば図6に示すような可撓性を有する圧縮空気式人工筋肉(特開2010-279689)を用いることができる。この人工筋肉は、ゴムチューブ51と組紐レース52を一体成型した膨張体50と膨張体50の外側を覆うように取り付けられた組紐レース(収縮体)60からなっている。
【0043】
図6aに示す状態から圧縮空気で加圧すると、膨張体50が膨張して図6bに示す縮んだ状態になる。
【0044】
圧縮空気式人工筋肉として、必要に応じた駆動周波数の人工筋肉を用いることが好ましい。
【0045】
次に、本実施形態の羽ばたき装置の動作を右側について説明する。例えば、羽ばたき装置が図4の状態、すなわち、翼軸3aが水平方向を向き、図示しない翼部2aも水平面に平行である状態で、フラッピング用縮動タイプアクチュエータ71aを縮動させると、翼軸3aが打ち上げられる。フラッピング用縮動タイプアクチュエータ72a縮動させると、翼軸3aが打ち下される。したがって、フラッピング用縮動タイプアクチュエータ71a、72aを交互に縮動させることによりフラッピング運動を行わせることができる。
【0046】
羽ばたき装置が図4の状態のとき、フェザリング用縮動タイプアクチュエータ73aを縮動させると、左斜め下向きの力がP3に作用する。左斜め下向きの力はX方向の成分とY方向の成分からなり、Y成分で翼軸3aが時計回り回転させられる。X成分は翼軸3aを左方向に曲げようとするが、ボールジョイント4aの長溝41aで左方向への曲がりが抑制される。フェザリング用縮動タイプアクチュエータ74aを縮動させると、右斜め下向きの力がP4に作用する。右斜め下向きの力のY成分で翼軸3aが反時計回り回転させられる。右斜め下向きの力のX成分は翼軸3aを右方向に曲げようとするが、ボールジョイント4aの長溝41aで左方向への曲がりが抑制される。したがって、フェザリング用縮動タイプアクチュエータ73a、74aを交互に縮動させることによりフェザリング運動を行わせることができる。
【0047】
本実施形態の羽ばたき装置は、縮動タイプアクチュエータに圧縮空気式人工筋肉を用いたが、所謂フライバイワイヤ機構(飛行機のフラップや操舵をワイヤで操作する機構)を用いても良い。すなわち、P1、P2、P3、P4に固定された4本のワイヤを基部1に組み込んだアクチュエータ(巻き取り機)で巻き取ることで、フラッピング運動やフェザリング運動を行わせることができる。
【0048】
(実施形態3)図7〜図9に示す本実施形態に係る羽ばたき装置は、翼軸3aが側面11aにユニバーサルボールジョイント4Aを介して取り付けられている。実施形態2の羽ばたき装置では4つの縮動タイプアクチュエータを備えていたが、本実施形態に係る羽ばたき装置は、6つの縮動タイプアクチュエータを備えている。
縮動タイプアクチュエータ81aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約60度変角した外周円OC上の位置P1に一端部側がロッドエンドベアリング91a(図9参照)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP1から時計回りに約120度変角した外周円OCの側面11aへの射影円と同心で射影円より大径の側面11a上の同心円CC上の位置Q1に固定されている。
【0049】
縮動タイプアクチュエータ82aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約180度変角した外周円OC上の位置P2に一端部側がロッドエンドベアリング92a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP2から時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q2に固定されている。
【0050】
縮動タイプアクチュエータ83aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約300度変角した外周円OC上の位置P3に一端部側がロッドエンドベアリング93a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP3から時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q3に固定されている。
【0051】
縮動タイプアクチュエータ84aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約0度変角した外周円OC上の位置P4に一端部側がロッドエンドベアリング94a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP4から反時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q4に固定されている。
【0052】
縮動タイプアクチュエータ85aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約120度変角した外周円OC上の位置P5に一端部側がロッドエンドベアリング95a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP5から反時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q5に固定されている。
【0053】
縮動タイプアクチュエータ86aは、Y軸と翼軸3の外周円OCとの交点を基点として約240度変角した外周円OC上の位置P6に一端部側がロッドエンドベアリング96a(図示せず)を介して回動自在に取り付けられ、他端部側がP6から反時計回りに約120度変角した同心円CC上の位置Q6に固定されている。
【0054】
本実施形態の羽ばたき装置では、縮動タイプアクチュエータ81a〜86aがロッドエンドベアリング91a〜96aを介して、翼軸3aに連結されているので、各縮動タイプアクチュエータ81a〜86aは、低摩擦で縮動する方向に向くことができる。その結果、アクチュエータのエネルギ・ロスを減らすことができる。
【0055】
なお、説明を省略したが、左側面11b(図1参照)にも同様の翼部10b(図示せず)が設けられている。
【0056】
次に、本実施形態の羽ばたき装置の動作を右側について説明する。例えば、羽ばたき装置が図7の状態、すなわち、翼軸3aが水平方向を向き、図示しない羽2aも水平面に平行である状態で、縮動タイプアクチュエータ82a、83a、85aを縮動させると、P2、P3、P5には図10aに示すようなXY面内の力F2、F3、F5が作用する。
F2は、−X方向を向き、X方向に平行であるので、Y成分がゼロである。F3はX方向の力F3XとY方向の力F3Yに分解される。同様に、F5はX方向の力F5XとY方向の力F5Yに分解される。F3X+F5X=F2となるように縮動タイプアクチュエータ82a、83a、85aを縮動させることにより、翼軸3aがX方向(左右方向)へ曲がることがない。一方、(F3Y+F5Y)が+Y方向に作用するため、翼軸3aが+Y方向に曲げられ、打ち上げられる。
【0057】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ81a、84a、86aを縮動させると、P1、P4、P6には図10bに示すようなXY面内の力F1、F4、F6が作用する。
【0058】
F4は、−X方向を向き、X方向に平行であるので、Y成分がゼロである。F1はX方向の力F1XとY方向の力F1Yに分解される。同様に、F6はX方向の力F6XとY方向の力F6Yに分解される。F1X+F6X=F4となるように縮動タイプアクチュエータ81a、84a、86aを縮動させることにより、翼軸3aがX方向(左右方向)へ曲がることがない。一方、(F1Y+F6Y)が−Y方向に作用するため、翼軸3aが−Y方向に曲げられ、打ち下される。
【0059】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ81a、82a、83aを縮動させると、P1、P2、P3には図11aに示すようなXY面内の力F1、F2、F3が作用する。したがって、翼軸3aが右回転(時計回り)する。
【0060】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ84a、85a、86aを縮動させると、P4、P5、P6には図11bに示すようなXY面内の力F4、F5、F6が作用する。したがって、翼軸3aが左回転(反時計回り)する。
【0061】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ81a、83a、85aを縮動させると、P1、P3、P5には図12aに示すようなXY面内の力F1、F3、F5が作用する。力F1、F3、F5はベクトル量であるので、ベクトル和を求めると点線矢印で示すようなFgの力、すなわち右斜め上方向の力が翼軸3aに作用することがわかる。したがって、縮動タイプアクチュエータ81a、83a、85aを縮動させると、翼軸3aが右斜めに打ち上げられる。
【0062】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ82a、84a、86aを縮動させると、P2、P4、P6に図12bに示すようなXY面内の力F2、F4、F6が作用する。3つの力のベクトル和を求めると点線矢印で示すようなFgの力、すなわち左斜め下向きの力が翼軸3aに作用することがわかる。したがって、縮動タイプアクチュエータ81a、83a、85aを縮動させると、翼軸3aが左斜めに打ち下される。
【0063】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ82a、83a、84aを縮動させると、P2、P3、P4に図13aに示すようなXY面内の力F2、F3、F4が作用する。3つの力のベクトル和を求めると点線矢印で示すようなFgの力、すなわち左斜め上向きの力が翼軸3aに作用することがわかる。したがって、縮動タイプアクチュエータ82a、83a、84aを縮動させると、翼軸3aが左斜めに打ち上げられる。
【0064】
羽ばたき装置が図7の状態で、縮動タイプアクチュエータ81a、85a、86aを縮動させると、P1、P5、P6に図13bに示すようなXY面内の力F1、F5、F6が作用する。3つの力のベクトル和を求めると点線矢印で示すようなFgの力、すなわち右斜め下向きの力が翼軸3aに作用することがわかる。したがって、縮動タイプアクチュエータ81a、85a、86aを縮動させると、翼軸3aが右斜めに打ち下される。
【0065】
本実施形態の羽ばたき装置は、時計回りに駆動力が作用する3つの縮動タイプリニアアクチュエータと反時計回りに駆動力が作用する3つの縮動タイプリニアアクチュエータとを有するので、6つのアクチュエータを適当に制御駆動することで、フラッピング(打ち上げ、打ち下し)、フェザリング(右回転、左回転)、右斜め打ち上げ・打ち下し、左斜め打ち上げ・打ち下しを行うことができる。
【符号の説明】
【0066】
1・ ・・・・・・・・ ・基部
11a・・・・・・・右側面
11b・・・・・・・左側面
2a、2b・・・・・・・羽
3a、3b・・・・・・・翼軸
4a、4A・・・・・・・関節(ボールジョイント)
5a、5b・・・・・・・フラッピング用伸縮動タイプリニアアクチュエータ
6a・・・・・・・・・・フェザリング用(回動用)伸縮動タイプリニアアクチュエータ
10a、10b・・・・・翼部
71a、72a・・・・・フラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータ
73a、73b・・・・・フェザリング用(回動用)縮動タイプリニアアクチュエータ
81a〜86a・・・・・縮動タイプリニアアクチュエータ
91a・・・・・・・・・ロッドエンドベアリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部の左側及び右側に設けられた少なくとも一対の翼部とを有する羽ばたき装置であって、
前記羽ばたき装置は、前記一対の翼部の少なくともいずれか一方について、
一端部が前記基部に関節を介して回動可能に設けられた翼軸と、
前記翼軸の他端部に配設された羽と、
一方端側が前記翼軸の外周に接続され他方端側が前記基部に接続されている、伸縮可能な複数のリニアアクチュエータと、
を有し、
前記複数のリニアアクチュエータの少なくとも一つは前記翼軸を軸回りに回動させる回動用リニアアクチュエータであることを特徴とする羽ばたき装置。
【請求項2】
前記回動用アクチュエータは前記翼軸の外周にらせん状に巻き付いている請求項1に記載の羽ばたき装置。
【請求項3】
前記複数のリニアアクチュエータは、前記翼部をフラッピング運動させるフラッピング用伸縮動タイプアクチュエータと、前記翼部をフェザリング運動させるフェザリング用伸縮動タイプアクチュエータとを含む請求項1に記載の羽ばたき装置。
【請求項4】
前記複数のリニアアクチュエータは、一方端側が前記翼軸の外周に固定され他方端側が前記基部に固定され前記翼部をフラッピング運動させる少なくとも2つのフラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータ及び前記翼軸の外周の前記フラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータが固定された位置と異なる位置に一方端側が固定され他方端側が前記基部に固定され前記翼部をフェザリング運動させる少なくとも2つのフェザリング用縮動タイプリニアアクチュエータとを含む請求項1に記載の羽ばたき装置。
【請求項5】
前記複数のリニアアクチュエータは、水平方向を向いた前記翼軸の縦断面及び前記基部の前記縦断面に平行な前記側面における前記翼軸の軸心を原点としX軸方向を水平方向、Y軸方向を垂直方向とする直交座標において、Y軸と前記翼軸の外周円との交点を基点として約60度、約180度、約300度変角した前記外周円の位置にそれぞれ一方端側が固定され、他方端側がそれぞれ時計回りに約120度変角した前記外周円の前記側面への射影円と同心で前記射影円より大径の前記側面上の同心円の位置に固定された3つの縮動タイプリニアアクチュエータ及びY軸と前記翼軸の前記外周円との交点を基点として約0度、約120度、約240度変角した前記外周円の位置にそれぞれ一方端側が固定され、他方端側がそれぞれ反時計回りに120度変角した前記同心円の位置に固定された3つの縮動タイプリニアアクチュエータとを含む請求項1に記載の羽ばたき装置。
【請求項6】
前記関節は、ボールジョイントである請求項1〜5のいずれか1項に記載の羽ばたき装置。
【請求項7】
前記リニアアクチュエータの前記他方端側は前記翼軸の外周にロッドエンドベアリングを介して取り付けられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の羽ばたき装置。
【請求項8】
前記リニアアクチュエータは、圧縮気体を用いた人工筋肉である請求項1〜7のいずれか1項に記載の羽ばたき装置。
【請求項1】
基部と、前記基部の左側及び右側に設けられた少なくとも一対の翼部とを有する羽ばたき装置であって、
前記羽ばたき装置は、前記一対の翼部の少なくともいずれか一方について、
一端部が前記基部に関節を介して回動可能に設けられた翼軸と、
前記翼軸の他端部に配設された羽と、
一方端側が前記翼軸の外周に接続され他方端側が前記基部に接続されている、伸縮可能な複数のリニアアクチュエータと、
を有し、
前記複数のリニアアクチュエータの少なくとも一つは前記翼軸を軸回りに回動させる回動用リニアアクチュエータであることを特徴とする羽ばたき装置。
【請求項2】
前記回動用アクチュエータは前記翼軸の外周にらせん状に巻き付いている請求項1に記載の羽ばたき装置。
【請求項3】
前記複数のリニアアクチュエータは、前記翼部をフラッピング運動させるフラッピング用伸縮動タイプアクチュエータと、前記翼部をフェザリング運動させるフェザリング用伸縮動タイプアクチュエータとを含む請求項1に記載の羽ばたき装置。
【請求項4】
前記複数のリニアアクチュエータは、一方端側が前記翼軸の外周に固定され他方端側が前記基部に固定され前記翼部をフラッピング運動させる少なくとも2つのフラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータ及び前記翼軸の外周の前記フラッピング用縮動タイプリニアアクチュエータが固定された位置と異なる位置に一方端側が固定され他方端側が前記基部に固定され前記翼部をフェザリング運動させる少なくとも2つのフェザリング用縮動タイプリニアアクチュエータとを含む請求項1に記載の羽ばたき装置。
【請求項5】
前記複数のリニアアクチュエータは、水平方向を向いた前記翼軸の縦断面及び前記基部の前記縦断面に平行な前記側面における前記翼軸の軸心を原点としX軸方向を水平方向、Y軸方向を垂直方向とする直交座標において、Y軸と前記翼軸の外周円との交点を基点として約60度、約180度、約300度変角した前記外周円の位置にそれぞれ一方端側が固定され、他方端側がそれぞれ時計回りに約120度変角した前記外周円の前記側面への射影円と同心で前記射影円より大径の前記側面上の同心円の位置に固定された3つの縮動タイプリニアアクチュエータ及びY軸と前記翼軸の前記外周円との交点を基点として約0度、約120度、約240度変角した前記外周円の位置にそれぞれ一方端側が固定され、他方端側がそれぞれ反時計回りに120度変角した前記同心円の位置に固定された3つの縮動タイプリニアアクチュエータとを含む請求項1に記載の羽ばたき装置。
【請求項6】
前記関節は、ボールジョイントである請求項1〜5のいずれか1項に記載の羽ばたき装置。
【請求項7】
前記リニアアクチュエータの前記他方端側は前記翼軸の外周にロッドエンドベアリングを介して取り付けられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の羽ばたき装置。
【請求項8】
前記リニアアクチュエータは、圧縮気体を用いた人工筋肉である請求項1〜7のいずれか1項に記載の羽ばたき装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−206646(P2012−206646A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74881(P2011−74881)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(501220008)アイシン・エンジニアリング株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(501220008)アイシン・エンジニアリング株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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