説明

翻訳情報セグメント

【課題】ネットワーク環境における通信のシームレス翻訳を提供する翻訳情報セグメントを使用するための方法や装置に関する。
【解決手段】通信は第一言語から目的言語に通信の翻訳を取得するためのグローバル翻訳パラメータを有する読取可能な翻訳方法セグメントを含む。翻訳情報は通信を翻訳するために使用される翻訳パラメータを取得すべく分析される。翻訳情報は好ましくは通信の翻訳に対するポインタ、通信を翻訳するための翻訳エンジンに対するポインタ、通信を翻訳する熟練翻訳者に対するポインタの少なくとも一つを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は翻訳の分野一般に関する。より詳細には通信の継ぎ目のない(シームレス)翻訳を促進する翻訳情報セグメントに関する。
また本発明はネットワーク環境における通信のシームレス翻訳を提供すべく翻訳情報セグメントを使用するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある言語から他の言語への通信の機械翻訳は個人や企業の通信の障壁を取り除いた。過去20年間以上、機械翻訳の品質の着実な改善が行われてきた。一語ごとよりもむしろ句による翻訳の様々な技術が開発されてきた。他の技術は辞書や文全体を翻訳するために翻訳メモリを使用する。その結果、翻訳された通信の文法が改善され、従って可読性が改善された。最良の翻訳プログラムの一部は一般的な言語や特定の目的において人間による翻訳の品質に近づきつつある。
【0003】
機械翻訳ソフトウェアの技術的能力が急激に改善されたのに対し、使い易さの改善は余りされていない。文書、電子メール又は他の通信を翻訳するため、一般的に翻訳サイトに接続し、翻訳プログラムを実行する必要がある。原言語や出力言語、優先辞書、特別な単語、などのプログラムのパラメータはユーザによって入力されなければならない。
【0004】
出願人による米国特許第6,857,022号では、通信の翻訳を取得するために必要なユーザ
の入力の多数を排除するワンクリック翻訳システムを記述している。ワンクリック翻訳システムはユーザがワンクリックコンポーネントをひとたびクリックすることによって、ほぼシームレスな翻訳を提供すべく結合するワンクリック翻訳コンポーネント及び翻訳管理プログラムからなる。ワンクリック翻訳システムは翻訳の品質を対象としていない。
【0005】
ワンクリックシステムは従来技術を越えた大幅な進歩であるが、依然として通信の受信者によるいくつかの行動を必要とする。通信の翻訳として広く受容されるためには、完全にシームレスとなる必要がある。受信者の優先言語で自動的に通信を送信するシステムに対する需要がある。またシステムは現状入手可能なものよりも質の高い翻訳を送信する必要がある。
【0006】
一部の現在の技術がこの理想について試みたが、到達できていない。AT&T コーポレーション(AT&T Corp)に譲渡された米国特許第6161082号では、翻訳を実行するネットワークの処理能力を使用することにより、ローカルマシン以上の機械翻訳に改良することを目的としたネットワークに基づく翻訳システムを開示している。しかし、この特許はどのように使用言語の検索を行うかを明確にしていない。この特許は二者間の通信から原言語と目的言語が検索されることを、どのように実現されるかを明確にすることなく記載しているにすぎない。AT&Tの方法は翻訳の品質に対して本質的な改良を提供しておらず、ネットワーク環境内の使用可能な処理能力を増加することにより改良を実現しただけである。
【0007】
富士通株式会社に譲渡された米国特許第5548508号は、文脈情報を有する文書内にタグを組込むことにより機械翻訳の品質の改良を目的としている。例えば、<TITLE>...</TITLE>タグはその語句がタイトルであることを示し、それに応じて表示する。<MODIFY>...</MODIFY>タグは翻訳される単語の正しい順番を定義するために使用され得る。タグは文書の全体よりも小さな部分で実行する。効果的にするために、この発明は富士通の拡張タグセットにより支援される翻訳プログラムを
必要とする。富士通の発明は高い精度の機械翻訳を実現する目的を実現したが、翻訳を遅延する大量のプレ処理やポスト処理が起きてしまう。富士通の方法の使用では、継ぎ目のない方式による機械翻訳を実現することができない。
【0008】
三洋電機株式会社に譲渡された米国特許第6073143号は、文書内の各ハイパーリンクに翻訳命令を加えることによりHTML文書の翻訳を改良する処理を開示している。この発明は翻訳時に起きるハイパーリンクの喪失の問題を解決することを目的としている。しかし実際の文書の翻訳の改良を目的として解決していない。
【0009】
株式会社リコーに譲渡された米国特許第584386号は、文書の異なる部分の翻訳のための辞書のデータベースや規則のデータベースなど、異なる翻訳資源を使用する自動翻訳システムを開示している。翻訳処理に使用される辞書や規則を選択すべく、翻訳される文書の構造を定義するためにタグが文書内に組込まれる。しかし、システムは翻訳される各文書のために作成される“文書種類の定義”を必要とする。
【0010】
これが唯一又は最も広い形態である必要はないが、本発明は、一形態において電子通信に関連付けられた翻訳情報セグメントに関する。翻訳情報セグメントは原言語から一つ以上の目的言語に電子通信やその一部の翻訳を実行するグローバルパラメータを含む。この翻訳情報セグメントは原言語から一つ以上の目的言語による電子通信の翻訳を取得するための翻訳パラメータを生成すべく電子通信を読み取るアプリケーションにより認識され及び作動される。
【0011】
翻訳情報セグメントは電子通信に組込まれ、または電子通信に添付され得る。別の方法では、翻訳情報セグメントがアクセス可能なデータベース内に格納され、1つ以上のポインタが翻訳可能な電子通信に組込まれまたは添付され得る。
【0012】
グローバルパラメータは原言語と、コード化と、時制と、利用可能な翻訳と、翻訳エンジンと、辞書と、用語集と、内容と、翻訳サービスと、独立した翻訳機構と、HTMLタグなどタグを処理する規則と、写真、画像、音声、アニメーション、ビデオ、ソフトウェア、プログラム可能なルーチンなどの電子通信内のコンポーネントを処理する規則と、翻訳を実行するための規則と、既存の翻訳の位置と、写真、画像、音声、アニメーション、ビデオ、ソフトウェア、プログラム可能なルーチンなどの既存の前記電子通信内に地域化されたコンポーネントの位置と、翻訳メモリと、等から選択される。
【0013】
翻訳情報セグメントを作動させるアプリケーションは好適にはウェブページ用のウェブブラウザや、電子メール用の電子メールプログラム、又はテキスト文書用のワードプロセッサからなる。別の方法では、使用される個別のアプリケーションは翻訳情報セグメントを検出及び作動させ得る。
【0014】
電子通信に関連づけられた翻訳情報セグメントは2つ以上あってもよい。各翻訳情報セグメントは翻訳情報セグメントに関連する電子通信の一部を翻訳するためのパラメータを有する。
【0015】
他の実施形態において、本発明は、電子通信に関連付けられた翻訳情報セグメントに関する。翻訳情報セグメントは電気通信を読み取るアプリケーションにより識別され及び作動されるとともに、電子通信の翻訳に対するポインタと、既存の翻訳の位置に対するポインタと、写真、画像、音声、アニメーション、ビデオ、ソフトウェア、プログラム可能なルーチンなど電子通信の既存の地域化されたコンポーネントの位置に対するポインタと、写真、画像、音声、アニメーション、ビデオ、ソフトウェア、プログラム可能なルーチンなど電子通信内部のコンポーネントを処理するための規則に対するポインタと、電子通信
の翻訳用の翻訳エンジンに対するポインタと、辞書、用語集、術語データベースに対するポインタと、熟練翻訳者による電子通信の翻訳に対するポインタとのうちの少なくとも一つからなる。
【0016】
電子通信の翻訳に対するポインタは適切な汎用資源ロケーターであり、好ましくはポインタのリストが翻訳のための異なる言語を示している。
また、翻訳情報セグメントは翻訳パラメータのリストや翻訳パラメータリストを含むファイルに対するポインタを有する。翻訳パラメータは翻訳の質を改善するために翻訳エンジンや翻訳者により読取可能である。
【0017】
本発明の更なる実施形態は、外国語通信の受信者に翻訳済みの通信を提供する方法に関する。
同方法は、
外国語通信及び翻訳情報セグメントを関連付ける工程と、
受信側に外国語通信及び翻訳情報セグメントを送信する工程と、
翻訳情報セグメントを識別し及び分析するため外国語通信を解析する工程と、
翻訳情報セグメント内のパラメータに基づいて外国語通信の翻訳を取得する工程とからなる。
【0018】
翻訳がブラウザから要求され、及び翻訳情報セグメント情報が通信から生成され、かつ翻訳要求と共に翻訳管理プログラムに転送される。
別の実施形態では、ウェブサーバはユーザの優先言語を取得し、及びユーザの優先言語と翻訳情報セグメントを比較して、結果が一致しない場合には、ウェブサーバは通信を翻訳するよう要求し得、及び関連した詳細を翻訳情報セグメントから翻訳管理プログラムに提供し得る。
【0019】
さらに別の形態では、機械翻訳エンジンが翻訳情報セグメントを直接参照し、より良い翻訳を行うためにその情報を使用する。
翻訳情報セグメント情報がクライアント側やサーバ側のどちらで使用されるかは問題ではない。大切なことは翻訳情報セグメント内部の情報が翻訳管理プログラムが良い翻訳を取得するように使用されることである。
【0020】
一部の場合、翻訳管理プログラムが使用されない。翻訳が要求され、ブラウザが翻訳情報セグメントを参照し、求める翻訳が準備されているURLを確認した場合、ブラウザはそのURLから単純にその翻訳を要求する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1を参照すると、原言語から目的言語への通信のシームレス翻訳方法のフローチャートが示されている。記述を簡略化するために、方法は原言語から目的言語へのウェブページの単純な翻訳に関してのみ示している。複数の通信を複数の言語に翻訳するようにこの処理を拡張し得る。さらに、テキスト文書や電子メールやSMSメッセージや音楽ファイルやビデオなどを含む、どのような電子通信であっても、この方法より翻訳することが可能である。
【0022】
この方法の主要な要素は通信と共に翻訳情報セグメント(TIS)を有することにある。TISは送信側と受信側との通信にシームレス翻訳を可能にする。単純な形では、TISは通信の最良の翻訳の取得を補助する情報の一部を提供する。情報の一部は既に専門的に翻訳された通信が使用可能なURLや、既に多くの翻訳された句や文を有する翻訳メモリ等、この適用例で記載されるパラメータであり得る。
【0023】
TISはより良い機械翻訳を取得するだけではなく、最良の翻訳の取得を試みようとするものである。これは実際、専門家による翻訳が使用可能な場合、それを取得し得、可能な場所では既存の人による翻訳を利用する。人により翻訳された領域が翻訳メモリ内で使用可能なとき、それらは取得され得る。
【0024】
さらに複雑な形態(詳細は後述)では、TISは目的言語の通信のより良い翻訳を取得するため、トーン、主題、優先辞書、優先用語集、優先翻訳エンジン、除外する単語、無視するデータ、翻訳サービス、既存の翻訳の位置、写真、画像、音声、アニメーション、ビデオ、ソフトウェア、などの既存の地域化されたコンポーネントの位置、処理するタグ(HTMLタグ)の規則、画像、指針、プログラム可能なルーチン、支払い方法(商業翻
訳)などの通信コンポーネントを処理する規則等のパラメータを含む、全てのパラメータ
の十分なリストからなる。
【0025】
別の方法ではTISは上記にリストされたパラメータの一部や全てを含むファイルに対するポインタからなり得る。この実施形態は原則的に通信と共に組込まれた情報に相当し、翻訳管理プログラムが翻訳時にTIS識別子に基づいて検索された翻訳パラメータのデータベースを保守するネットワーク環境においてより効果的であろう。
【0026】
またシームレス翻訳システムはTISを含まない通信にも提供され得る。この処理は同時係属出願“シームレス翻訳システム”に開示されている。
通信の異なる部分に関連して異なるTISがあり得る。例えば、通信が通信の他の部分と比べ異なるトーンを有する引用された部分を含み得る。通信の品質を取得するため、大量の文書に対するTISは引用に関連するTISとは異なるパラメータの集合を有し得る。説明を簡略化するために、単一のTISが単一の通信に関連して記述され、本発明は各通信に複数のTISに拡張し得る。
【0027】
図1では、ユーザがウェブページを要求する時点より方法は開始する。ユーザのブラウザはTISについてウェブページを解析する。一般的なTISの例は以下のような構造を有する。
【0028】
【数1】

【0029】

【0030】
実際のマーカーは前提状態により様々であり得、例示されたマーカーや図示されていない追加マーカーの部分集合を含み得る。

一般的にXML TISで示されるマーカーは以下のような機能を有する。
【0031】
【数2】

【0032】

【0033】
TISが識別されると、ブラウザは翻訳パラメータを抽出し、それに応じて処理が実行される。最初の処理はユーザの優先言語と原言語タグの照合である。ユーザの優先言語はオペレーションシステムの設定や、クッキーや、受信コンピュータ上や他のアクセス可能な場所に存在する設定ファイルや、適切なソフトウェアによって実行された分析により取得され得る。優先言語と原言語が一致した場合、翻訳の必要がなく、ページが表示される。
【0034】
TISは通信のシームレス翻訳を促進することだけではない。またTISは、上述した我々の同時係属出願に記載されたワンクリック翻訳システムなど、シームレスでないシステムにおける翻訳の品質を改良し得る。TISを使用するシームレスでない翻訳システムを図2に示す。
【0035】
図2に示される処理は、ユーザが電子メールを受信した時や、電子メールプログラムが電子メールを表示した時から開始する。電子メールが受信側の優先言語でない場合、ワンクリック翻訳コンポーネントをクリックするなどの処理が翻訳要求のために行われる。翻訳管理プログラムはTISに関して電子メールを解析する。TISの中身が分析され、TISに含まれる情報に基づいて翻訳が取得される。電子メールに対して翻訳エンジン用の翻訳パラメータを提供する通常の手段である。
【0036】
TISの利点は要求された通信の外国の対応する通信への転送を含み得る。多くの企業は複数の言語のミラーサイトを運営する。上記の一般的なサンプルのように、TISはそれらのサイトに対するポインタを有し得る。
【0037】
ある例ではこれは、各URLに対し地域化されたウェブページ名を指定する必要性をなくすため、ミラーページの位置を利用する規則を使用して行われる。例えば、TISは通信に対して利用可能なように地域化された全ての.htmlファイル(ウェブページ)を格納したサーバ上のディレクトリを示すポインタを有する。またTISは通信の一部の処理をする場合、.htmlファイルの処理方法の規則や規則の集合を示すポインタを有し得る。
【0038】
例えば、通信が日本語に翻訳される場合、規則はXまたはX_*(*はワイルドカードであり、どんな文字でも表すこと出来る。)をX_Japanese(日本語のもの)に置き換えることを定め得る。
【0039】
通信の部分が処理されるため、Homepage.htmlと呼ばれるウェブページが処理されるため、Homepage_japanese.htmlが指定された位置にある場合、TISはHomepage.htmlをHomepage_japanese.htmlに置き換える規則を示す。同様にTISは、可能な場合、tree_homepage_japanese.gifを指令された位置から取得し、tree_homepage.gifの位置の翻訳に組込むため、格納されている地域化された画像に対するポインタを提供し得る。
【0040】
上記のように、TISはウェブページに制限されない。TISは既知のVCARDの使用法と同様の手段で電子メールに加えられる。以下の例は、“text/x−tis”などカスタムMIME−Type(Content−Typeとも呼ばれる)を使用する電子メールに対してTISを添付したものである。
【0041】
【数3】

【0042】
前述したように、TISは電子メールの独立した部分に組込まれる。電子メールの独立した部分は共通方法であり、添付により一定の電子メール内容を表している。TISの添付の利点はインターネットを通じた送信による影響を受けないことであり、具体的なメールサーバのメール管理システムに依存しないことである。
【0043】
電子メールにTISを実装するための他の実施例では以下の形式のカスタムヘッダーを加える。
【0044】
【数4】

【0045】
この例は前述の通常のXML構造の例に示された可能なTISフィールドのほんの一部を示している。要求されるフィールドのみが特定の適用形態のためにTISに組込まれる必要がある。要求されないフィールドは既知の値や合理的なデフォルト値に置き換えられるか、単純に除外される。
【0046】
TISのヘッダーの実施形態はテキスト、RTFによる文書や、フォーマットの設定にも適用される。ほとんどの文書は文書の外観を指示するヘッダー情報を含む。TISはヘッダー情報に加えることが可能であり、文書が受信者により読まれる前にシームレスに翻訳されることができる。TISはMSワード(登録商標名MSWord)や他の商標名のワードプロセッサを使用して作成された文書の属性ダイアログボックスに加えることも可能である。
【0047】
TISは、以下のHTMLのコメントブロックのように、HTML文書の一部として組込まれることも可能である。
【0048】
【数5】

【0049】
HTML文書と共にTISを使用する別の方法としては以下に示すHTMLのメタタグがある。
【0050】
【数6】

【0051】
TISは文書のみへの適用に限られない。音声から文書、文書から音声、音声から音声への翻訳が利用可能な初歩的な翻訳エンジンがある。TISはトーンや、アクセントや、内容や、分野などのパラメータにより、初歩的な翻訳エンジンの実用性を改善する。
【0052】
ネットワーク環境でのTISの実装の概略図を図3に示す。ユーザ1はパーソナルコンピュータ3上でブラウザを使用してウェブページ2など、通信を要求または受信する。ブラウザはインターネット5経由でウェブサーバ4からページ2を要求し、パーソナルコンピュータ3上に表示される。
【0053】
ユーザにとって通信が外国語の場合、ユーザは翻訳を要求することがある。上記のように、この工程は我々の同時係属出願に記載された処理に基づいて自動的に起き得る。パー
ソナルコンピュータ上のブラウザはTISを求めて通信を解析し、TISから取得したパラメータを使用してインターネット5経由で翻訳を要求する。
【0054】
ウェブサーバ4は通信2の適切な翻訳2aを有する場合、翻訳2aが直接ユーザ1に提供される。適切な翻訳が利用可能ではない場合、翻訳要求がTISによるパラメータと共に翻訳管理プログラム6に受け渡される。翻訳管理プログラムは翻訳エンジン7から翻訳2bを取得する。
【0055】
説明を簡単にするために、翻訳管理プログラム6と翻訳エンジン7は別々に示している。これらの機能は単一のコンピュータで実行される単一のアプリケーションや別々のアプリケーションに組込まれ得る。適切なソフトウェアがインストールされた場合、翻訳機能はパーソナルコンピュータ3上でローカルに実行され得る。
【0056】
TISは通信を受信するアプリケーションにより読み取られ得るが、この態様のみに限定されない。翻訳エンジンが受信者側のコンピュータや、受信側が接続されているネットワーク上に存在する場合、翻訳エンジンは直接TISを解釈し得る。さらに相応しくは、ネットワーク上のサーバは、受信側への通信の配信前にTISを検出し、通信の翻訳を管理する翻訳管理プログラムとして構成され得る。翻訳管理プログラムは受信者側のコンピュータに存在し得る。
【0057】
特定事例に対するTISのアプリケーションは本発明の理解を補助するために記述される。
ほとんどの現存するオンラインビジネスは西側諸国で始まりそのウェブページや文書は英語で発達した。しかし、潜在顧客となり得、多数の人々にとって英語が第一言語ではなく、話すこともできない地域においても、急激にインターネット接続の成長が起こっている。潜在顧客の市場を作り出すため、ウェブページや文書は顧客の母国語で表示される必要がある。ほとんどの人々はわざわざ翻訳するページに行かないし、翻訳に対して対価を払わないだろう。これらの顧客に対する市場を作り出すため、翻訳はシームレスに行われる必要がある。
【0058】
翻訳は複数の方法で行われ得、これら全てがTISにより促進できる。第一に、受信側はコンピュータ上に機械翻訳のソフトウェアを有し得る。この場合、TISは全ての関連パレメータを提供し、結果としてシームレスに高品質の翻訳を表示する。第二に、受信側はインターネットに添付され得る。必要な翻訳を作成し、受信者にシームレスに翻訳を表示する翻訳管理プログラムに、TISはウェブページを送ることが可能である。第三に、作成者が既に関連言語でミラーサイトを製作し得、この場合、TISはシームレスにミラーサイトへ受信側のブラウザを誘導する。
【0059】
最大限の効率を達成するため、TISに含まれるパラメータは、採用される翻訳エンジンにとって適切且つ理解可能である必要がある。多様な翻訳エンジンがあるため、現在この要求は困難である。しかし、本発明はTISがパラメータの拡張可能な汎用セットを含むことを実現させた。TISを解釈し、汎用パラメータを特定のコマンドに変換することは機械翻訳エンジンにとって比較的単純な課題である。発明者はレガシー翻訳エンジンのために汎用変換プログラムが汎用TISパラメータを解釈することが可能であるものと推測している。
【0060】
本発明の重要な利点は柔軟性であり、通信の特定の箇所において実行される翻訳方法をユーザによりカスタマイズ可能にする。汎用及び広範囲な手法よりも、TISはユーザがより良い翻訳を取得可能にするための特定の情報、規則、指針、資源に対するポインタを提供する。
【0061】
このカスタマイズの柔軟性は、文章や通信の部分を最初から最後まで読む必要がないが、検索するインターネット上で特に、重要であるが、これに限定されない。さらに、ナビゲーションが実行される方法は、ウェブマスターがカスタムJavaScript(登録商標)を書くこと等により、個別のウェブマスターにより設計されまたは定義され得る。そのため汎用的な手法では全ての場合に対応できない。カスタマイズの柔軟性は、通信の文書やその部分を通じてユーザをナビゲートするように、翻訳が適切に実行されるために不可欠である。
【0062】
更なる実施形態では、2つ(2)以上のTISパラメータがより良い翻訳を提供するために互いに利用され得る。例えば、TISが通信の一部に利用可能な全ての地域化された画像を格納したサーバのディレクトリに対するポインタを有し得る。またTISは通信の一部が処理される時の画像処理方法の規則や規則の集合に対する別のポインタを有し得る。
【0063】
上記の例を参照すると、通信が日本語に翻訳される場合、規則が提示され得、規則はXまたはX_*(*はワイルドカードであり、どんな文字でも表すこと出来る。)をX_Japanese(日本語のもの)に置き換え得る。従って、通信の一部が処理され、tree.gifと呼ばれる画像が処理される場合、TISはtree.gifをtree_japanese.gifに置き換えろという規則を示し、TISは、記憶域にtree_japanese.gifがある場合、tree_japanese.gifが取得され得、翻訳に組込まれ得るため、地域化された画像が格納された場所に対するポインタを提供する。
【0064】
本発明のTISの利点は、あるTISパラメータが他のパラメータを利用して、翻訳システムの実行、管理、保守、及び翻訳を実行するために使用する資源を簡易にする能力である。これはユーザが画像のように地域化されたコンポーネントに対して命名規則を定義可能にする。例えば、目的言語ごとに画像名に“_Language(言語)”を加えて、上記の例では、“_Language”が“_japanese(日本語)”であるなどである。個別の画像ごとに個別の規則を書かずに、上記のように一般化された規則を記載できる。
【0065】
別のTISパラメータによるパラメータの使用は、文書や異なるファイル形式の内部の広範囲のコンポーネントに適用可能である。
インターネットは組織が制御し得ない、何を翻訳するかという決定を行いつづけてきた。ユーザが翻訳を望む場合、安価のもしくは無料の様々なオンライン翻訳サイトを通じて簡単に取得することが可能である。組織にとっての課題は、それらのオンライン翻訳サイトから取得される翻訳の表現する組織や商品やサービスが好ましいものか確認することである。TISは組織が望むメッセージにより近い表示をし、より正確な翻訳をユーザが取得可能とするため、翻訳資産や資源を提示する道筋を提供する。
【0066】
明細書を通じて、これは本発明の実施形態を記載することを目的としている。別の形態どんな組合せに対しても本発明は限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】シームレス翻訳処理のフローチャート。
【図2】シームレスでない翻訳処理のフローチャート。
【図3】翻訳情報セグメントを使用した翻訳処理のシステムの概要。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外国語通信の受信者に、当該外国語から翻訳された通信を提供するための方法であって、
前記外国語通信の執筆者によって組込まれ又は添付された翻訳情報セグメントを有した外国語通信を受信者において受信するステップであって、前記翻訳情報セグメントは前記外国語通信の翻訳に使用されるための言語に依存するパラメータを規定する、外国語通信を受信者において受信するステップと、
前記外国語通信を翻訳のために選択するステップと、
翻訳情報セグメントを取り出すために、前記受信者からの入力をせずに外国語通信を解析するステップと、
前記外国語通信を前記言語に依存するパラメータに従って翻訳する翻訳リソースに前記外国語通信を送信し、及び、翻訳された前記外国語通信を前記受信者に返信するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記外国語通信を解析するアプリケーションには、ウェブページのためのウェブブラウザ、電子メールのための電子メールプログラム、又はテキスト文書のためのワードプロセッサが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外国語通信は、複数の翻訳情報セグメントを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の翻訳情報セグメントのうちの各翻訳情報セグメントは、前記外国語通信の一部の翻訳のためのパラメータからなる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
外国語通信の受信者に、当該外国語から翻訳された通信を提供するための方法であって、
前記外国語通信及び翻訳情報セグメントを受信するステップであって、前記翻訳情報セグメントは前記外国語通信の既存の翻訳へのポインタを識別する、前記外国語通信及び翻訳情報セグメントを受信するステップと、

前記外国語通信を翻訳のために選択するステップと、
翻訳情報セグメントを取り出すために、前記受信者からの入力をせずに外国語通信を解析するステップと、

前記受信者のために翻訳された前記外国語通信を取得し、及び提供すべく、前記ポインタを利用するステップとを備える、方法。
【請求項6】
前記外国語通信を解析するアプリケーションには、ウェブページのためのウェブブラウザ、電子メールのための電子メールプログラム、又はテキスト文書のためのワードプロセッサが含まれる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記外国語通信は、複数の翻訳情報セグメントを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の翻訳情報セグメントのうちの各翻訳情報セグメントは、前記外国語通信の一部の翻訳のためのパラメータからなる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
外国語通信の受信者に、当該外国語から翻訳された通信を提供するための方法であって、
前記外国語通信の執筆者によって組込まれ又は添付された翻訳情報セグメントを有した外国語通信を受信者において受信するステップであって、前記翻訳情報セグメントは前記外国語通信の翻訳に使用されるための言語に依存するパラメータを規定する、外国語通信を受信者において受信するステップと、
前記外国語通信を翻訳のために選択するステップと、
翻訳情報セグメントを取り出すために、前記受信者からの入力をせずに外国語通信を解析するステップと、

前記パラメータが前記外国語通信の既存の翻訳へのポインタを含んでいるか否かを判定するステップと、

前記受信者のために翻訳された前記外国語通信を取得し、及び提供すべく、前記ポインタを利用し、又は、前記パラメータが前記外国語通信の既存の翻訳へのポインタを含んでいない場合には、前記外国語通信を前記言語に依存するパラメータに従って翻訳する翻訳リソースに前記外国語通信を送信し、及び、翻訳された前記外国語通信を前記受信者に返信するステップとを備える、方法。
【請求項10】
前記外国語通信を解析するアプリケーションには、ウェブページのためのウェブブラウザ、電子メールのための電子メールプログラム、又はテキスト文書のためのワードプロセッサが含まれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記外国語通信は、複数の翻訳情報セグメントを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の翻訳情報セグメントのうちの各翻訳情報セグメントは、前記外国語通信の一部の翻訳のためのパラメータからなる、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−140409(P2008−140409A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112(P2008−112)
【出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【分割の表示】特願2002−566795(P2002−566795)の分割
【原出願日】平成14年2月21日(2002.2.21)
【出願人】(505383143)ワールドリンゴ オートメイテッド トランスレーションズ エルエルシー (2)
【氏名又は名称原語表記】WorldLingo Automated Translations LLC
【Fターム(参考)】