耐圧包装容器の底部構造
【課題】耐圧包装容器の脚部に発生するしわをより効果的に抑制することができる耐圧包装容器の底部構造を提供する。
【解決手段】耐圧包装容器10の全高HTに対する耐圧包装容器10の最大胴直径Dの比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、耐圧包装容器10の全高HTに対する耐圧包装容器10の接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBの比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、脚部30の内部側へ凹となる第1溝部40が耐圧包装容器10の円周方向に沿うとともに脚側面部31の長さ分にわたり脚側面部31に形成され、耐圧包装容器10の接地部32から第1溝部40における最深部41位置までの第1溝部高さH1と耐圧包装容器10の接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBとの間において接地部32から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に第1溝部40が形成されている。
【解決手段】耐圧包装容器10の全高HTに対する耐圧包装容器10の最大胴直径Dの比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、耐圧包装容器10の全高HTに対する耐圧包装容器10の接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBの比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、脚部30の内部側へ凹となる第1溝部40が耐圧包装容器10の円周方向に沿うとともに脚側面部31の長さ分にわたり脚側面部31に形成され、耐圧包装容器10の接地部32から第1溝部40における最深部41位置までの第1溝部高さH1と耐圧包装容器10の接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBとの間において接地部32から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に第1溝部40が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐圧包装容器の底部構造に関し、特に、樹脂製の自立型の耐圧包装容器における底部の構造を改良したことに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に炭酸ガスが溶け込んだ清涼飲料水等のための耐圧包装容器としてポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂からなる樹脂製容器が多用される。とりわけ、耐圧性能を高めるため、容器は全体に丸みを帯びた形状に成形される。従来、耐圧性能の点から容器の底部は半球状に形成され、この底部にベースカップと称される部材が別途接着され、容器の自立が確保されていた。その後、部品数の削減や製造工程の簡素化から、前述の様式の耐圧包装容器は減少した。
【0003】
これに代わって、底部に突起状の脚部を放射状に備えた耐圧包装容器、いわゆるペタロイド状の脚部130を備えた耐圧包装容器100が圧倒的に主流となった(図8,9参照)。ペタロイド状の脚部130は、自立性を有するとともに炭酸飲料等が充填された際に発生する内圧を分散させる耐圧性能を有する。なお、図において、符号111は容器胴部、112は容器口部、120はペタロイド状の脚部130を有する底部、131は脚部130の脚側面部、132は脚部130の接地部である。
【0004】
前出の耐圧包装容器100に炭酸飲料等の内圧が加わる内容物を充填した場合、図10に示すように、容器表面101(図中の実線参照)が内容物に起因する内圧P10を常時受けることにより、引っ張り力P11が作用して膨張する(101A:図中の二点鎖線参照)。この引っ張り力P11は、容器の構造上、脚部130の接地部132に集中する。そのため、ペタロイド状の脚部130によって内圧P10を分散させても、時間の経過や内圧の高さにより、図11に示すように、容器100の底部120、特に脚部130に「しわW」等の変形、形状不良が発生することがある。これら底部120、脚部120のしわWは、包装容器としての外観を悪くし、商品の魅力を著しく損なわせてしまうため問題視されている。また、しわにより包装容器の安定性が悪化し、店頭等の陳列時に直立させることが難しくなる問題も指摘されている。
【0005】
このような内圧によるしわ発生の問題点への対策として、図12に示すように、容器の脚部130の接地部132より上方の脚側面部131の下端部に容器の内方に陥没する溝部140を容器の周方向及び/または容器の高さ方向に配設した耐圧容器が提案されている(特許文献1参照)。なお、この図において図8,9と同一の符号は同一の構成を表すものとして、その説明を省略する。
【0006】
しかるに、現在では、図8,9に図示のペタロイド形状の脚部130を有する底部120を備えた耐圧包装容器100において軽量化、省資源化の流れが加速していることにより、耐圧包装容器100自体に使用する樹脂の量の削減が求められている。樹脂使用量の抑制は、容器の軽量化を図る一方で容器全体の厚みが薄くなるため、必然的に容器底部120の脚部130における容器100と床との接地部132の厚みも薄くなり、容器底部120の強度が低下する問題が発生する。
【0007】
特許文献1の耐圧容器によると、従来の容器において脚側面部132の下端部に溝部140を形成することの有効性を示すことまでは指摘している。しかしながら、容器の軽量化に伴って樹脂使用量を抑制して接地部132の強度が低下していると、単に脚側面部131の下端部に溝部140を配設しただけでは、しわの発生を抑制するためには十分でないことが明らかとなった。そこで、耐圧包装容器において、より効果的にしわの発生を抑えることができる底部構造が新たに求められるに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2595865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、耐圧包装容器の脚部に発生するしわをより効果的に抑制することができる耐圧包装容器の底部構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、請求項1の発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、前記脚部の内部側へ凹となる第1溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部に形成され、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において前記接地部から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に前記第1溝部が形成されていることを特徴とする耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0011】
請求項2の発明は、前記第1溝部に加え、前記脚部の内部側へ凹となる第2溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部において形成されており、前記第2溝部は、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と、前記第1溝部における最深部位置から前記第2溝部における最深部位置までの第2溝部高さ(H2)と、前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において0.4HB≦(H1+H2)≦HBであることを満たし、かつ、前記第2溝部は、前記第1溝部の第1溝部高さから前記底部の高さ方向に上昇する前記脚側面部であって、前記第1溝部高さ(H1)と第2溝部高さ前記垂直長さ(H2)との間において0.75H1≦H2≦1.25H1であることを満たす間隔となる位置に形成されている請求項1に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0012】
請求項3の発明は、前記第1溝部及び前記第2溝部の最深部位置が、前記脚側面部の表面から0.2〜0.7mmの深さに形成されている請求項2に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0013】
請求項4の発明は、前記第1溝部及び前記第2溝部が、4〜8mmの幅に形成されている請求項2または3に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0014】
請求項5の発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、前記脚部の脚側面部に内部側へ凹となる凹部が形成されていることを特徴とする耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0015】
請求項6の発明は、前記凹部は、前記底部高さ(HB)に対する当該耐圧包装容器の高さ方向の最長部の長さ(HR)の比率が0.65≦(HR/HB)≦0.80、高さ方向の最長部の長さ(HR)に対する当該耐圧包装容器の円周方向の最長部の長さ(CR)の比率が0.70≦(CR/HR)≦0.90、最深部の深さが1.0〜1.5mmである請求項5に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0016】
請求項7の発明は、前記脚部の個数が4ないし7個である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0017】
請求項8の発明は、前記耐圧包装容器が300〜600mLの内容量用の容器である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明に係る耐圧包装容器の底部構造は、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、前記脚部の内部側へ凹となる第1溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部に形成され、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において前記接地部から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に前記第1溝部が形成されているため、従来に比して耐圧包装容器の脚部に発生するしわを効果的に抑制することができる。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1溝部に加え、前記脚部の内部側へ凹となる第2溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部において形成されており、前記第2溝部は、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と、前記第1溝部における最深部位置から前記第2溝部における最深部位置までの第2溝部高さ(H2)と、前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において0.4HB≦(H1+H2)≦HBであることを満たし、かつ、前記第2溝部は、前記第1溝部の第1溝部高さから前記底部の高さ方向に上昇する前記脚側面部であって、前記第1溝部高さ(H1)と第2溝部高さ前記垂直長さ(H2)との間において0.75H1≦H2≦1.25H1であることを満たす間隔となる位置に形成されているため、しわの抑制効果をより向上させることができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2において、前記第1溝部及び前記第2溝部の最深部位置が、前記脚側面部の表面から0.2〜0.7mmの深さに形成されているため、しわの抑制効果を十分に得ることができ、成形時の離型性を損なうことがない。
【0021】
請求項4の発明は、請求項2又は3において、前記第1溝部及び前記第2溝部が、4〜8mmの幅に形成されているため、しわの抑制効果を十分に得ることができ、成形時の離型性を損なうことがない。
【0022】
請求項5の発明に係る耐圧包装容器の底部構造は、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、前記脚部の脚側面部に内部側へ凹となる凹部が形成されているため、従来に比して耐圧包装容器の脚部に発生するしわを効果的に抑制することができる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項5において、前記凹部は、前記底部高さ(HB)に対する当該耐圧包装容器の高さ方向の最長部の長さ(HR)の比率が0.65≦(HR/HB)≦0.75、高さ方向の最長部の長さ(HR)に対する当該耐圧包装容器の円周方向の最長部の長さ(CR)の比率が0.70≦(CR/HR)≦0.90、最深部の深さが1.0〜1.5mmであるため、しわの抑制効果を十分に得ることができ、成形時の離型性を損なうことがない。
【0024】
請求項7の発明は、請求項1ないし6において、前記脚部の個数が4ないし7個であるため、十分な耐久性を得ることができ、成形も容易である。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1ないし7において、前記耐圧包装容器が300〜600mLの内容量用の容器であるため、市場規格の代替となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例に係る耐圧包装容器の斜視図である。
【図2】図1の耐圧包装容器の底部の平面図である。
【図3】脚部に第1溝部が形成された耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図4】脚部に第1溝部及び第2溝部が形成された耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図5】図3の底部の概略側面図である。
【図6】脚部に凹部が形成された耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図7】脚部に3つの凹溝部が形成された耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図8】従来の耐圧包装容器の斜視図である。
【図9】従来の耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図10】耐圧包装容器の接地部に内圧がかかった状態を表す模式図である。
【図11】しわが発生した耐圧包装容器の底部の平面図である。
【図12】脚側面部の下端部に溝部が形成された従来の耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施例に係る耐圧包装容器10であって、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により底部20と脚部30を一体に備えて形成される。容器10を構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物としては、ポリエチレンテレフタレート等の公知のペットボトルを構成する材料が好適に使用される。なお、図中の符号11は容器胴部、12は容器口部である。
【0028】
底部20は、図1,2に示すように、底部半球面部25として形成され、後述する脚部30を含む。図において、符号21は、当該容器10の容器胴部11との境界となる起点部を表す。
【0029】
脚部30は、当該容器10の自立性確保のために底部20に設けられ、容器胴面部11Aから底部20に向けて連続する脚側面部31と接地部32を含む湾曲面状の角錐台形からなる。この脚部30は、図2,3に示すように、底部半球面部25の中心から当該耐圧包装容器10の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器10の接地方向に複数個突出して配置される。これら複数の脚部30は、脚部同士が谷部33を介し隣接して配置される。実施例の各脚部30は、いわゆるペタロイド形状である。なお、谷部33は底部20の底部半球面部25を兼ねる。
【0030】
脚部30の個数としては、当該容器10の自立性を確保することが可能であれば特に限定されるものではないが、耐久性、成形容易性等の観点から4ないし7個であることが好ましい。脚部30が4個より少ない場合、一の脚部30の脚側面部が大きくなりすぎて十分な耐久性が得られない問題がある。脚部30が7個より多い場合、極端に脚部30が小さくなり、成形が困難となる。実施例の脚部30の個数は5個である。
【0031】
次に、耐圧包装容器10の好適なサイズは、炭酸ガスが溶け込んだ清涼飲料水(炭酸飲料)が内容物として充填されて市場に流通される一般的なものである。すなわち、表1に示す市販容器A〜Lから理解されるように、容器10の容器口部12から接地部32までの全高HTに対する最大胴直径Dの比率が0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、全高HTに対する接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBの比率が0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たす。特に、耐圧包装容器10は、300〜600mLの内容量用の容器であることが好ましい。
【0032】
【表1】
【0033】
(D/HT)が0.30より小さい場合、全高HTが高くなりすぎて当該容器10が従来品の規格から外れて販売店等の陳列棚に入らなくなる等の市場流通性に問題が生じる。(D/HT)が0.41より大きい場合、最大胴直径Dが大きくなりすぎて従来品の規格から外れて販売店等の陳列棚に入らなくなる等の市場流通性に問題が生じる。(HB/HT)が0.13より小さい場合、底部20の高さが低くなりすぎて脚部30による自立性の確保が困難になるとともに、内容物による内圧の分散効果が低下して耐久性に問題が生じる。(HB/HT)が0.18より大きい場合、底部20の高さが高くなりすぎて成形時の離型性に問題が生じる。また、本発明の容器10では、容量を300〜600mLとしている。この容量は市場で広く普及している容器であり、市場規格の代替となり得る。
【0034】
本発明の耐圧包装容器10は、後記の実施例から把握されるように、脚部30に発生するしわを抑制するために、脚部30の内部側へ凹となる第1溝部40が容器円周方向に沿うとともに脚側面部31の長さ分にわたり脚側面部31に形成される(図3参照)。第1溝部40は、脚部30の内部側へ凹となるように形成されることにより、脚部30の接地部32に集中する内容物の内圧による引っ張り力を分散させる緩衝構造として作用すると推測される。
【0035】
また、しわの発生をより効果的に抑制するために、前記第1溝部40に加え、脚部30の内部側へ凹となる第2溝部50が容器円周方向に沿うとともに脚側面部31の長さ分にわたり脚側面部31において形成される(図4参照)。第2溝部50は、第1溝部40と同様に緩衝構造として作用することによって、第1溝部40とともに脚部30の接地部32に集中する内容物の内圧による引っ張り力をさらに分散させて、しわの抑制効果を向上させていると推測される。
【0036】
第1溝部40は、しわの発生を効果的に抑制する条件として、図5に示すように、耐圧包装容器10の接地部32から第1溝部40における最深部位置41までの第1溝部高さH1と耐圧包装容器10の接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBとの間において接地部32から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に形成されている。第1溝部高さH1が0.2HB以下である場合、脚部30に発生するしわの抑制効果を十分に得ることができない。第1溝部高さH1がHB以上である場合、脚部30に第1溝部40を形成することが不可能となり、しわの抑制効果を得ることができない。
【0037】
第2溝部50は、しわの抑制効果をより向上させる条件として、図5に示すように、耐圧包装容器10の接地部32から第1溝部40における最深部位置41までの第1溝部高さH1と、第1溝部40における最深部位置41から第2溝部50における最深部位置51までの第2溝部高さH2と、耐圧包装容器10の接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBとの間において0.4HB≦(H1+H2)≦HBであることを満たし、かつ、第1溝部40の第1溝部高さH1から底部20の高さ方向に上昇する脚側面部31であって、第1溝部高さH1と第2溝部高さH2との間において0.75H1≦H2≦1.25H1であることを満たす間隔となる位置に形成されている。
【0038】
第1溝部高さH1と第2溝部高さH2との和(H1+H2)が0.4HBより小さい場合、脚部30に発生するしわの抑制効果を十分に得ることができない。第1溝部高さH1と第2溝部高さH2との和(H1+H2)がHBより大きい場合、脚部30に第2溝部50を形成することが不可能となり、しわの抑制効果を十分に得ることができない。第2溝部高さH2が0.75H1より小さい場合、第1溝部40と第2溝部50との間隔が狭くなりすぎて、しわの抑制効果を向上させることができない。第2溝部高さH2が1.25H1より大きい場合、第1溝部40と第2溝部50との間隔が広くなりすぎて、しわの抑制効果を向上させることができない。
【0039】
また、第1溝部40及び第2溝部50では、しわの抑制効果と成形時の離型性の観点から、最深部41,51位置が脚側面部31の表面から0.2〜0.7mmの深さに形成されている。最深部41,51位置の深さが0.2mmより浅い場合、各溝部40,50が浅すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。最深部41,51位置の深さが0.7mmより深い場合、脚側面部31表面との差が大きくなりすぎて成形時の離型性に問題が生じる。
【0040】
さらに、第1溝部40及び第2溝部50は、しわの抑制効果と成形時の離型性の観点から、4〜8mmの幅に形成される。第1溝部40及び第2溝部50の幅が4mmより狭い場合、各溝部40,50の幅が狭すぎて成形時の離型性に問題が生じる。第1溝部40及び第2溝部50の幅が8mmより広い場合、各溝部40,50の幅が広すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。
【0041】
また、本発明の耐圧包装容器10では、図6に示すように、脚部30の脚側面部31に内部側へ凹となる凹部60を形成することによって、しわの発生を抑制することも可能である。この凹部60においても、第1溝部40と同様に緩衝構造として作用すると推測される。凹部60は、しわの発生を効果的に抑制する条件として、底部高さHBに対する当該耐圧包装容器10の高さ方向の最長部の長さHRの比率が0.65≦(HR/HB)≦0.80、高さ方向の最長部の長さHRに対する当該耐圧包装容器10の円周方向の最長部の長さCRの比率が0.70≦(CR/HR)≦0.90、最深部61の深さが1.0〜1.5mmであることを満たして形成されている。凹部60の形状は特に限定されないが、図示の例では涙滴形状である。
【0042】
(HR/HB)が0.65より小さい場合、凹部60の高さ方向の長さが短すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。(HR/HB)が0.75より大きい場合、凹部60の高さ方向の長さが長すぎて脚部30の脚側面部31内に凹部60を形成することが困難となる。(CR/HR)が0.70より小さい場合、円周方向の長さが短すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。(CR/HR)が0.90より大きい場合、凹部60の円周方向の長さが長すぎて脚部30の脚側面部31内に凹部60を形成することが困難となる。最深部61の深さが1.0mmより浅い場合、凹部60が浅すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。最深部61の深さが1.5mmより深い場合、脚側面部31表面との差が大きくなりすぎて成形時の離型性に問題が生じる。
【0043】
さらに、本発明の耐圧包装容器10では、図7に示すように、脚部30の脚側面部31に内部側へ凹となるとともに容器円周方向に沿った横溝状の3つの凹溝部(下凹溝部70,中凹溝部71,上凹溝部72)を脚側面部31内に形成してもよい。この凹溝部70,71,72においても、第1溝部40及び第2溝部50と同様に緩衝構造として作用すると推測される。各凹溝部70,71,72は、しわの発生を効果的に抑制する条件として、最大部分の幅が4〜8mm、最深部75,76,77位置の深さが脚側面部31の表面から0.2〜0.7mm、下凹溝部70と上凹溝部72との間隔が底部高さHBに対して0.55〜0.75の割合であることを満たして形成される。各凹溝部70,71,72の形状は特に限定されないが、図示の例では楕円形状である。
【0044】
各凹溝部70,71,72の最大部分の幅が4mmより狭い場合、各凹溝部70,71,72の幅が狭すぎて成形時の離型性に問題が生じる。各凹溝部70,71,72の最大部分の幅が8mmより広い場合、各凹溝部70,71,72の幅が広すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。最深部75,76,77位置の深さが0.2mmより浅い場合、各凹溝部70,71,72が浅すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。最深部75,76,77位置の深さが0.7mmより深い場合、脚側面部31表面との差が大きくなりすぎて成形時の離型性に問題が生じる。底部高さHBに対する下凹溝部70と上凹溝部72との間隔の割合が0.65より小さい場合、各凹溝部70,71,72の間隔が狭くなりすぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。底部高さHBに対する下凹溝部70と上凹溝部72との間隔の割合が0.75より大きい場合、各凹溝部70,71,72の間隔が広すぎて脚部30の脚側面部31内に各凹溝部70,71,72を形成することが困難となる。
【実施例】
【0045】
発明者らは、従来公知のポリエチレンテレフタレートを延伸ブロー成形することにより、ペタロイド状に配置された脚部を有する底部の構造を異ならせて、成形後の容器重量が24gとなる500mL用の耐圧包装容器を試作した。なお、以下の試作例1〜6の耐圧包装容器において、全高HTは220mm、最大胴直径Dは69mm、底部高さHBは29mmである。
【0046】
試作例1の耐圧包装容器は、図9に示すように、脚部130の脚側面部131が略平滑に形成された従来の底部構造を有する。
【0047】
試作例2の耐圧包装容器は、図12に示すように、脚部130の脚側面部131の下端部に溝部140が形成された従来の底部構造を有する。試作例2において、溝部140は、幅が4mm、深さが0.7mm、接地部132からの高さが4.8mmである。
【0048】
試作例3の耐圧包装容器は、図3に示すように、脚部30の脚側面部31に第1溝部40が形成された底部構造を有する。試作例3において、第1溝部40は、幅が4mm、深さが0.21mm、接地部32からの高さ(第1溝部高さH1)が12.5mmである。
【0049】
試作例4の耐圧包装容器は、図4に示すように、脚部30の脚側面部31に第1溝部40及び第2溝部50が形成された底部構造を有する。試作例4において、第1溝部40は、幅が4mm、深さが0.25mm、接地部32からの高さ(第1溝部高さH1)が8.5mmであり、第2溝部50は、幅が4mm、深さが0.25mm、接地部32からの高さが16.5mm(第2溝部高さH2が8mm)である。
【0050】
試作例5の耐圧包装容器は、図6に示すように、脚部30の脚側面部31に凹部60が形成された底部構造を有する。試作例5において、凹部60は、高さ方向の最長部の長さが22mm、円周方向の最長部の長さが19mm、深さが1.3mmである。
【0051】
試作例6の耐圧包装容器は、図7に示すように、脚部30の脚側面部31に3つの凹溝部70,71,72が形成された底部構造を有する。試作例6において、下凹溝部70は、幅が4mm、深さが0.45mm、接地部32からの高さが6.5mmであり、中凹溝部71は、幅が6mm、深さが0.5mm、接地部32からの高さが14mmであり、上凹溝部72は、幅が8mm、深さが0.5mm、接地部32からの高さが23mm(下凹溝部70との間隔が16.5mm)である。
【0052】
次に、試作例1〜6の各耐圧包装容器をそれぞれ5本ずつ用意し、各容器にクエン酸(東海製薬株式会社製、純度99.5%)を8.25g入れた後、20℃の純水を容器の入り味線まで充填し、重曹(東海製薬株式会社製、第三種医薬品)を10.56g加えて蓋を閉め、よく振り混ぜて反応を完了させた。各容器に充填された内容物のガスボリュームは、通常の炭酸飲料(2〜3.5)よりも高い5.0である。
【0053】
このようにして得られた各容器を22℃の恒温室にて直立させた状態で保管し、一定時間ごとに各容器の底部におけるしわの有無を、目視及び指で触れた感触により観察し、下記の基準で評価した。なお、表2は各容器の評価結果である。
○ ・・・ しわなし(目視及び指で触れても、しわが確認されない)。
△ ・・・ しわの兆候(目視でしわが確認されないが、指で触れるとしわが確認される)。
× ・・・ しわあり(目視でしわが確認される)。
【0054】
【表2】
【0055】
試作例1(従来品)において、容器1aは、2日目にしわの兆候が現れ、7日目に目視でしわが確認された。容器1b及び容器1cは、1日目にしわの兆候が現れ、4日目に目視でしわが確認された。容器1dは、2日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。容器1eは、2日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。
【0056】
試作例2(従来品)において、容器2aは、4日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。容器2b〜容器2dは、2日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。容器2eは、1日目にしわの兆候が現れ、4日目に目視でしわが確認された。
【0057】
試作例3において、容器3a及び容器3cは、4日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。容器3b及び容器3eは、14日経過してもしわの発生がまったく確認されなかった。容器3dは、7日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。
【0058】
試作例4において、容器4a〜容器4eは、すべて14日経過してもしわの発生がまったく確認されなかった。
【0059】
試作例5において、容器5aは、2日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。容器5bは、10日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。容器5c〜容器5eは、14日経過してもしわの発生がまったく確認されなかった。
【0060】
試作例6において、容器6aは、4日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。容器6b及び容器6eは、14日経過してもしわの発生がまったく確認されなかった。容器6cは、4日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。容器6dは、2日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。
【0061】
表2の評価結果から理解されるように、試作例1(従来品)及び試作例2(従来品)では、早い段階からしわの兆候が現れ、最終的にほとんどの容器において目視で確認できるほどのしわが発生した。特に、試作例2では、試作例1と比較して目視で確認できるほどのしわの発生を若干遅らせる程度の効果があるものの、しわの発生を抑制する効果としては十分ではないことが明らかとなった。
【0062】
これに対し、第1溝部40を有する試作例3及び3つの凹部70,71,72を有する試作例6では、それぞれ2つの容器(3b,3e,6b,6e)でしわがまったく発生しなかった。一方、しわが発生したとしても長時間保管した場合にまれに目視で確認できるほどのしわが発生する程度に留まり、試作例2(従来品)と比較してしわの兆候が現れるのも遅かった。また、凹部60を有する試作例5では、3つの容器(5c〜5e)でしわがまったく発生せず、試作例3,6よりもさらにしわの発生が効果的に抑制されていた。これら試作例3,5,6では、通常の炭酸飲料(ガスボリューム2〜3.5)を充填して市場に流通させる場合において、しわの抑制効果を十分に得られることが明らかとなった。
【0063】
特に、第1溝部40及び第2溝部50を有する試作例4では、全ての容器(4a〜3e)においてしわがまったく発生せず、試作例3,5,6よりもさらに優れたしわの抑制効果が得られることが明らかとなった。
【符号の説明】
【0064】
10 耐圧包装容器
20 底部
30 脚部
31 脚側面部
32 接地部
40 第1溝部
50 第2溝部
D 耐圧包装容器の最大胴直径
HB 耐圧包装容器の底部高さ
HT 耐圧包装容器の全高
H1 第1溝部高さ
H2 第2溝部高さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐圧包装容器の底部構造に関し、特に、樹脂製の自立型の耐圧包装容器における底部の構造を改良したことに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に炭酸ガスが溶け込んだ清涼飲料水等のための耐圧包装容器としてポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂からなる樹脂製容器が多用される。とりわけ、耐圧性能を高めるため、容器は全体に丸みを帯びた形状に成形される。従来、耐圧性能の点から容器の底部は半球状に形成され、この底部にベースカップと称される部材が別途接着され、容器の自立が確保されていた。その後、部品数の削減や製造工程の簡素化から、前述の様式の耐圧包装容器は減少した。
【0003】
これに代わって、底部に突起状の脚部を放射状に備えた耐圧包装容器、いわゆるペタロイド状の脚部130を備えた耐圧包装容器100が圧倒的に主流となった(図8,9参照)。ペタロイド状の脚部130は、自立性を有するとともに炭酸飲料等が充填された際に発生する内圧を分散させる耐圧性能を有する。なお、図において、符号111は容器胴部、112は容器口部、120はペタロイド状の脚部130を有する底部、131は脚部130の脚側面部、132は脚部130の接地部である。
【0004】
前出の耐圧包装容器100に炭酸飲料等の内圧が加わる内容物を充填した場合、図10に示すように、容器表面101(図中の実線参照)が内容物に起因する内圧P10を常時受けることにより、引っ張り力P11が作用して膨張する(101A:図中の二点鎖線参照)。この引っ張り力P11は、容器の構造上、脚部130の接地部132に集中する。そのため、ペタロイド状の脚部130によって内圧P10を分散させても、時間の経過や内圧の高さにより、図11に示すように、容器100の底部120、特に脚部130に「しわW」等の変形、形状不良が発生することがある。これら底部120、脚部120のしわWは、包装容器としての外観を悪くし、商品の魅力を著しく損なわせてしまうため問題視されている。また、しわにより包装容器の安定性が悪化し、店頭等の陳列時に直立させることが難しくなる問題も指摘されている。
【0005】
このような内圧によるしわ発生の問題点への対策として、図12に示すように、容器の脚部130の接地部132より上方の脚側面部131の下端部に容器の内方に陥没する溝部140を容器の周方向及び/または容器の高さ方向に配設した耐圧容器が提案されている(特許文献1参照)。なお、この図において図8,9と同一の符号は同一の構成を表すものとして、その説明を省略する。
【0006】
しかるに、現在では、図8,9に図示のペタロイド形状の脚部130を有する底部120を備えた耐圧包装容器100において軽量化、省資源化の流れが加速していることにより、耐圧包装容器100自体に使用する樹脂の量の削減が求められている。樹脂使用量の抑制は、容器の軽量化を図る一方で容器全体の厚みが薄くなるため、必然的に容器底部120の脚部130における容器100と床との接地部132の厚みも薄くなり、容器底部120の強度が低下する問題が発生する。
【0007】
特許文献1の耐圧容器によると、従来の容器において脚側面部132の下端部に溝部140を形成することの有効性を示すことまでは指摘している。しかしながら、容器の軽量化に伴って樹脂使用量を抑制して接地部132の強度が低下していると、単に脚側面部131の下端部に溝部140を配設しただけでは、しわの発生を抑制するためには十分でないことが明らかとなった。そこで、耐圧包装容器において、より効果的にしわの発生を抑えることができる底部構造が新たに求められるに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2595865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、耐圧包装容器の脚部に発生するしわをより効果的に抑制することができる耐圧包装容器の底部構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、請求項1の発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、前記脚部の内部側へ凹となる第1溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部に形成され、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において前記接地部から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に前記第1溝部が形成されていることを特徴とする耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0011】
請求項2の発明は、前記第1溝部に加え、前記脚部の内部側へ凹となる第2溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部において形成されており、前記第2溝部は、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と、前記第1溝部における最深部位置から前記第2溝部における最深部位置までの第2溝部高さ(H2)と、前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において0.4HB≦(H1+H2)≦HBであることを満たし、かつ、前記第2溝部は、前記第1溝部の第1溝部高さから前記底部の高さ方向に上昇する前記脚側面部であって、前記第1溝部高さ(H1)と第2溝部高さ前記垂直長さ(H2)との間において0.75H1≦H2≦1.25H1であることを満たす間隔となる位置に形成されている請求項1に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0012】
請求項3の発明は、前記第1溝部及び前記第2溝部の最深部位置が、前記脚側面部の表面から0.2〜0.7mmの深さに形成されている請求項2に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0013】
請求項4の発明は、前記第1溝部及び前記第2溝部が、4〜8mmの幅に形成されている請求項2または3に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0014】
請求項5の発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、前記脚部の脚側面部に内部側へ凹となる凹部が形成されていることを特徴とする耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0015】
請求項6の発明は、前記凹部は、前記底部高さ(HB)に対する当該耐圧包装容器の高さ方向の最長部の長さ(HR)の比率が0.65≦(HR/HB)≦0.80、高さ方向の最長部の長さ(HR)に対する当該耐圧包装容器の円周方向の最長部の長さ(CR)の比率が0.70≦(CR/HR)≦0.90、最深部の深さが1.0〜1.5mmである請求項5に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0016】
請求項7の発明は、前記脚部の個数が4ないし7個である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【0017】
請求項8の発明は、前記耐圧包装容器が300〜600mLの内容量用の容器である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の耐圧包装容器の底部構造に係る。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明に係る耐圧包装容器の底部構造は、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、前記脚部の内部側へ凹となる第1溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部に形成され、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において前記接地部から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に前記第1溝部が形成されているため、従来に比して耐圧包装容器の脚部に発生するしわを効果的に抑制することができる。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1溝部に加え、前記脚部の内部側へ凹となる第2溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部において形成されており、前記第2溝部は、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と、前記第1溝部における最深部位置から前記第2溝部における最深部位置までの第2溝部高さ(H2)と、前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において0.4HB≦(H1+H2)≦HBであることを満たし、かつ、前記第2溝部は、前記第1溝部の第1溝部高さから前記底部の高さ方向に上昇する前記脚側面部であって、前記第1溝部高さ(H1)と第2溝部高さ前記垂直長さ(H2)との間において0.75H1≦H2≦1.25H1であることを満たす間隔となる位置に形成されているため、しわの抑制効果をより向上させることができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2において、前記第1溝部及び前記第2溝部の最深部位置が、前記脚側面部の表面から0.2〜0.7mmの深さに形成されているため、しわの抑制効果を十分に得ることができ、成形時の離型性を損なうことがない。
【0021】
請求項4の発明は、請求項2又は3において、前記第1溝部及び前記第2溝部が、4〜8mmの幅に形成されているため、しわの抑制効果を十分に得ることができ、成形時の離型性を損なうことがない。
【0022】
請求項5の発明に係る耐圧包装容器の底部構造は、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、前記脚部の脚側面部に内部側へ凹となる凹部が形成されているため、従来に比して耐圧包装容器の脚部に発生するしわを効果的に抑制することができる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項5において、前記凹部は、前記底部高さ(HB)に対する当該耐圧包装容器の高さ方向の最長部の長さ(HR)の比率が0.65≦(HR/HB)≦0.75、高さ方向の最長部の長さ(HR)に対する当該耐圧包装容器の円周方向の最長部の長さ(CR)の比率が0.70≦(CR/HR)≦0.90、最深部の深さが1.0〜1.5mmであるため、しわの抑制効果を十分に得ることができ、成形時の離型性を損なうことがない。
【0024】
請求項7の発明は、請求項1ないし6において、前記脚部の個数が4ないし7個であるため、十分な耐久性を得ることができ、成形も容易である。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1ないし7において、前記耐圧包装容器が300〜600mLの内容量用の容器であるため、市場規格の代替となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例に係る耐圧包装容器の斜視図である。
【図2】図1の耐圧包装容器の底部の平面図である。
【図3】脚部に第1溝部が形成された耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図4】脚部に第1溝部及び第2溝部が形成された耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図5】図3の底部の概略側面図である。
【図6】脚部に凹部が形成された耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図7】脚部に3つの凹溝部が形成された耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図8】従来の耐圧包装容器の斜視図である。
【図9】従来の耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【図10】耐圧包装容器の接地部に内圧がかかった状態を表す模式図である。
【図11】しわが発生した耐圧包装容器の底部の平面図である。
【図12】脚側面部の下端部に溝部が形成された従来の耐圧包装容器の底部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施例に係る耐圧包装容器10であって、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により底部20と脚部30を一体に備えて形成される。容器10を構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物としては、ポリエチレンテレフタレート等の公知のペットボトルを構成する材料が好適に使用される。なお、図中の符号11は容器胴部、12は容器口部である。
【0028】
底部20は、図1,2に示すように、底部半球面部25として形成され、後述する脚部30を含む。図において、符号21は、当該容器10の容器胴部11との境界となる起点部を表す。
【0029】
脚部30は、当該容器10の自立性確保のために底部20に設けられ、容器胴面部11Aから底部20に向けて連続する脚側面部31と接地部32を含む湾曲面状の角錐台形からなる。この脚部30は、図2,3に示すように、底部半球面部25の中心から当該耐圧包装容器10の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器10の接地方向に複数個突出して配置される。これら複数の脚部30は、脚部同士が谷部33を介し隣接して配置される。実施例の各脚部30は、いわゆるペタロイド形状である。なお、谷部33は底部20の底部半球面部25を兼ねる。
【0030】
脚部30の個数としては、当該容器10の自立性を確保することが可能であれば特に限定されるものではないが、耐久性、成形容易性等の観点から4ないし7個であることが好ましい。脚部30が4個より少ない場合、一の脚部30の脚側面部が大きくなりすぎて十分な耐久性が得られない問題がある。脚部30が7個より多い場合、極端に脚部30が小さくなり、成形が困難となる。実施例の脚部30の個数は5個である。
【0031】
次に、耐圧包装容器10の好適なサイズは、炭酸ガスが溶け込んだ清涼飲料水(炭酸飲料)が内容物として充填されて市場に流通される一般的なものである。すなわち、表1に示す市販容器A〜Lから理解されるように、容器10の容器口部12から接地部32までの全高HTに対する最大胴直径Dの比率が0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、全高HTに対する接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBの比率が0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たす。特に、耐圧包装容器10は、300〜600mLの内容量用の容器であることが好ましい。
【0032】
【表1】
【0033】
(D/HT)が0.30より小さい場合、全高HTが高くなりすぎて当該容器10が従来品の規格から外れて販売店等の陳列棚に入らなくなる等の市場流通性に問題が生じる。(D/HT)が0.41より大きい場合、最大胴直径Dが大きくなりすぎて従来品の規格から外れて販売店等の陳列棚に入らなくなる等の市場流通性に問題が生じる。(HB/HT)が0.13より小さい場合、底部20の高さが低くなりすぎて脚部30による自立性の確保が困難になるとともに、内容物による内圧の分散効果が低下して耐久性に問題が生じる。(HB/HT)が0.18より大きい場合、底部20の高さが高くなりすぎて成形時の離型性に問題が生じる。また、本発明の容器10では、容量を300〜600mLとしている。この容量は市場で広く普及している容器であり、市場規格の代替となり得る。
【0034】
本発明の耐圧包装容器10は、後記の実施例から把握されるように、脚部30に発生するしわを抑制するために、脚部30の内部側へ凹となる第1溝部40が容器円周方向に沿うとともに脚側面部31の長さ分にわたり脚側面部31に形成される(図3参照)。第1溝部40は、脚部30の内部側へ凹となるように形成されることにより、脚部30の接地部32に集中する内容物の内圧による引っ張り力を分散させる緩衝構造として作用すると推測される。
【0035】
また、しわの発生をより効果的に抑制するために、前記第1溝部40に加え、脚部30の内部側へ凹となる第2溝部50が容器円周方向に沿うとともに脚側面部31の長さ分にわたり脚側面部31において形成される(図4参照)。第2溝部50は、第1溝部40と同様に緩衝構造として作用することによって、第1溝部40とともに脚部30の接地部32に集中する内容物の内圧による引っ張り力をさらに分散させて、しわの抑制効果を向上させていると推測される。
【0036】
第1溝部40は、しわの発生を効果的に抑制する条件として、図5に示すように、耐圧包装容器10の接地部32から第1溝部40における最深部位置41までの第1溝部高さH1と耐圧包装容器10の接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBとの間において接地部32から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に形成されている。第1溝部高さH1が0.2HB以下である場合、脚部30に発生するしわの抑制効果を十分に得ることができない。第1溝部高さH1がHB以上である場合、脚部30に第1溝部40を形成することが不可能となり、しわの抑制効果を得ることができない。
【0037】
第2溝部50は、しわの抑制効果をより向上させる条件として、図5に示すように、耐圧包装容器10の接地部32から第1溝部40における最深部位置41までの第1溝部高さH1と、第1溝部40における最深部位置41から第2溝部50における最深部位置51までの第2溝部高さH2と、耐圧包装容器10の接地部32から底部20の起点部21までの底部高さHBとの間において0.4HB≦(H1+H2)≦HBであることを満たし、かつ、第1溝部40の第1溝部高さH1から底部20の高さ方向に上昇する脚側面部31であって、第1溝部高さH1と第2溝部高さH2との間において0.75H1≦H2≦1.25H1であることを満たす間隔となる位置に形成されている。
【0038】
第1溝部高さH1と第2溝部高さH2との和(H1+H2)が0.4HBより小さい場合、脚部30に発生するしわの抑制効果を十分に得ることができない。第1溝部高さH1と第2溝部高さH2との和(H1+H2)がHBより大きい場合、脚部30に第2溝部50を形成することが不可能となり、しわの抑制効果を十分に得ることができない。第2溝部高さH2が0.75H1より小さい場合、第1溝部40と第2溝部50との間隔が狭くなりすぎて、しわの抑制効果を向上させることができない。第2溝部高さH2が1.25H1より大きい場合、第1溝部40と第2溝部50との間隔が広くなりすぎて、しわの抑制効果を向上させることができない。
【0039】
また、第1溝部40及び第2溝部50では、しわの抑制効果と成形時の離型性の観点から、最深部41,51位置が脚側面部31の表面から0.2〜0.7mmの深さに形成されている。最深部41,51位置の深さが0.2mmより浅い場合、各溝部40,50が浅すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。最深部41,51位置の深さが0.7mmより深い場合、脚側面部31表面との差が大きくなりすぎて成形時の離型性に問題が生じる。
【0040】
さらに、第1溝部40及び第2溝部50は、しわの抑制効果と成形時の離型性の観点から、4〜8mmの幅に形成される。第1溝部40及び第2溝部50の幅が4mmより狭い場合、各溝部40,50の幅が狭すぎて成形時の離型性に問題が生じる。第1溝部40及び第2溝部50の幅が8mmより広い場合、各溝部40,50の幅が広すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。
【0041】
また、本発明の耐圧包装容器10では、図6に示すように、脚部30の脚側面部31に内部側へ凹となる凹部60を形成することによって、しわの発生を抑制することも可能である。この凹部60においても、第1溝部40と同様に緩衝構造として作用すると推測される。凹部60は、しわの発生を効果的に抑制する条件として、底部高さHBに対する当該耐圧包装容器10の高さ方向の最長部の長さHRの比率が0.65≦(HR/HB)≦0.80、高さ方向の最長部の長さHRに対する当該耐圧包装容器10の円周方向の最長部の長さCRの比率が0.70≦(CR/HR)≦0.90、最深部61の深さが1.0〜1.5mmであることを満たして形成されている。凹部60の形状は特に限定されないが、図示の例では涙滴形状である。
【0042】
(HR/HB)が0.65より小さい場合、凹部60の高さ方向の長さが短すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。(HR/HB)が0.75より大きい場合、凹部60の高さ方向の長さが長すぎて脚部30の脚側面部31内に凹部60を形成することが困難となる。(CR/HR)が0.70より小さい場合、円周方向の長さが短すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。(CR/HR)が0.90より大きい場合、凹部60の円周方向の長さが長すぎて脚部30の脚側面部31内に凹部60を形成することが困難となる。最深部61の深さが1.0mmより浅い場合、凹部60が浅すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。最深部61の深さが1.5mmより深い場合、脚側面部31表面との差が大きくなりすぎて成形時の離型性に問題が生じる。
【0043】
さらに、本発明の耐圧包装容器10では、図7に示すように、脚部30の脚側面部31に内部側へ凹となるとともに容器円周方向に沿った横溝状の3つの凹溝部(下凹溝部70,中凹溝部71,上凹溝部72)を脚側面部31内に形成してもよい。この凹溝部70,71,72においても、第1溝部40及び第2溝部50と同様に緩衝構造として作用すると推測される。各凹溝部70,71,72は、しわの発生を効果的に抑制する条件として、最大部分の幅が4〜8mm、最深部75,76,77位置の深さが脚側面部31の表面から0.2〜0.7mm、下凹溝部70と上凹溝部72との間隔が底部高さHBに対して0.55〜0.75の割合であることを満たして形成される。各凹溝部70,71,72の形状は特に限定されないが、図示の例では楕円形状である。
【0044】
各凹溝部70,71,72の最大部分の幅が4mmより狭い場合、各凹溝部70,71,72の幅が狭すぎて成形時の離型性に問題が生じる。各凹溝部70,71,72の最大部分の幅が8mmより広い場合、各凹溝部70,71,72の幅が広すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。最深部75,76,77位置の深さが0.2mmより浅い場合、各凹溝部70,71,72が浅すぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。最深部75,76,77位置の深さが0.7mmより深い場合、脚側面部31表面との差が大きくなりすぎて成形時の離型性に問題が生じる。底部高さHBに対する下凹溝部70と上凹溝部72との間隔の割合が0.65より小さい場合、各凹溝部70,71,72の間隔が狭くなりすぎてしわの抑制効果を十分に得ることができない。底部高さHBに対する下凹溝部70と上凹溝部72との間隔の割合が0.75より大きい場合、各凹溝部70,71,72の間隔が広すぎて脚部30の脚側面部31内に各凹溝部70,71,72を形成することが困難となる。
【実施例】
【0045】
発明者らは、従来公知のポリエチレンテレフタレートを延伸ブロー成形することにより、ペタロイド状に配置された脚部を有する底部の構造を異ならせて、成形後の容器重量が24gとなる500mL用の耐圧包装容器を試作した。なお、以下の試作例1〜6の耐圧包装容器において、全高HTは220mm、最大胴直径Dは69mm、底部高さHBは29mmである。
【0046】
試作例1の耐圧包装容器は、図9に示すように、脚部130の脚側面部131が略平滑に形成された従来の底部構造を有する。
【0047】
試作例2の耐圧包装容器は、図12に示すように、脚部130の脚側面部131の下端部に溝部140が形成された従来の底部構造を有する。試作例2において、溝部140は、幅が4mm、深さが0.7mm、接地部132からの高さが4.8mmである。
【0048】
試作例3の耐圧包装容器は、図3に示すように、脚部30の脚側面部31に第1溝部40が形成された底部構造を有する。試作例3において、第1溝部40は、幅が4mm、深さが0.21mm、接地部32からの高さ(第1溝部高さH1)が12.5mmである。
【0049】
試作例4の耐圧包装容器は、図4に示すように、脚部30の脚側面部31に第1溝部40及び第2溝部50が形成された底部構造を有する。試作例4において、第1溝部40は、幅が4mm、深さが0.25mm、接地部32からの高さ(第1溝部高さH1)が8.5mmであり、第2溝部50は、幅が4mm、深さが0.25mm、接地部32からの高さが16.5mm(第2溝部高さH2が8mm)である。
【0050】
試作例5の耐圧包装容器は、図6に示すように、脚部30の脚側面部31に凹部60が形成された底部構造を有する。試作例5において、凹部60は、高さ方向の最長部の長さが22mm、円周方向の最長部の長さが19mm、深さが1.3mmである。
【0051】
試作例6の耐圧包装容器は、図7に示すように、脚部30の脚側面部31に3つの凹溝部70,71,72が形成された底部構造を有する。試作例6において、下凹溝部70は、幅が4mm、深さが0.45mm、接地部32からの高さが6.5mmであり、中凹溝部71は、幅が6mm、深さが0.5mm、接地部32からの高さが14mmであり、上凹溝部72は、幅が8mm、深さが0.5mm、接地部32からの高さが23mm(下凹溝部70との間隔が16.5mm)である。
【0052】
次に、試作例1〜6の各耐圧包装容器をそれぞれ5本ずつ用意し、各容器にクエン酸(東海製薬株式会社製、純度99.5%)を8.25g入れた後、20℃の純水を容器の入り味線まで充填し、重曹(東海製薬株式会社製、第三種医薬品)を10.56g加えて蓋を閉め、よく振り混ぜて反応を完了させた。各容器に充填された内容物のガスボリュームは、通常の炭酸飲料(2〜3.5)よりも高い5.0である。
【0053】
このようにして得られた各容器を22℃の恒温室にて直立させた状態で保管し、一定時間ごとに各容器の底部におけるしわの有無を、目視及び指で触れた感触により観察し、下記の基準で評価した。なお、表2は各容器の評価結果である。
○ ・・・ しわなし(目視及び指で触れても、しわが確認されない)。
△ ・・・ しわの兆候(目視でしわが確認されないが、指で触れるとしわが確認される)。
× ・・・ しわあり(目視でしわが確認される)。
【0054】
【表2】
【0055】
試作例1(従来品)において、容器1aは、2日目にしわの兆候が現れ、7日目に目視でしわが確認された。容器1b及び容器1cは、1日目にしわの兆候が現れ、4日目に目視でしわが確認された。容器1dは、2日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。容器1eは、2日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。
【0056】
試作例2(従来品)において、容器2aは、4日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。容器2b〜容器2dは、2日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。容器2eは、1日目にしわの兆候が現れ、4日目に目視でしわが確認された。
【0057】
試作例3において、容器3a及び容器3cは、4日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。容器3b及び容器3eは、14日経過してもしわの発生がまったく確認されなかった。容器3dは、7日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。
【0058】
試作例4において、容器4a〜容器4eは、すべて14日経過してもしわの発生がまったく確認されなかった。
【0059】
試作例5において、容器5aは、2日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。容器5bは、10日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。容器5c〜容器5eは、14日経過してもしわの発生がまったく確認されなかった。
【0060】
試作例6において、容器6aは、4日目にしわの兆候が現れたが、14日経過しても目視でしわが確認されなかった。容器6b及び容器6eは、14日経過してもしわの発生がまったく確認されなかった。容器6cは、4日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。容器6dは、2日目にしわの兆候が現れ、10日目に目視でしわが確認された。
【0061】
表2の評価結果から理解されるように、試作例1(従来品)及び試作例2(従来品)では、早い段階からしわの兆候が現れ、最終的にほとんどの容器において目視で確認できるほどのしわが発生した。特に、試作例2では、試作例1と比較して目視で確認できるほどのしわの発生を若干遅らせる程度の効果があるものの、しわの発生を抑制する効果としては十分ではないことが明らかとなった。
【0062】
これに対し、第1溝部40を有する試作例3及び3つの凹部70,71,72を有する試作例6では、それぞれ2つの容器(3b,3e,6b,6e)でしわがまったく発生しなかった。一方、しわが発生したとしても長時間保管した場合にまれに目視で確認できるほどのしわが発生する程度に留まり、試作例2(従来品)と比較してしわの兆候が現れるのも遅かった。また、凹部60を有する試作例5では、3つの容器(5c〜5e)でしわがまったく発生せず、試作例3,6よりもさらにしわの発生が効果的に抑制されていた。これら試作例3,5,6では、通常の炭酸飲料(ガスボリューム2〜3.5)を充填して市場に流通させる場合において、しわの抑制効果を十分に得られることが明らかとなった。
【0063】
特に、第1溝部40及び第2溝部50を有する試作例4では、全ての容器(4a〜3e)においてしわがまったく発生せず、試作例3,5,6よりもさらに優れたしわの抑制効果が得られることが明らかとなった。
【符号の説明】
【0064】
10 耐圧包装容器
20 底部
30 脚部
31 脚側面部
32 接地部
40 第1溝部
50 第2溝部
D 耐圧包装容器の最大胴直径
HB 耐圧包装容器の底部高さ
HT 耐圧包装容器の全高
H1 第1溝部高さ
H2 第2溝部高さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、
前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、
前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、
当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、
前記脚部の内部側へ凹となる第1溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部に形成され、
前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において前記接地部から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に前記第1溝部が形成されている
ことを特徴とする耐圧包装容器の底部構造。
【請求項2】
前記第1溝部に加え、前記脚部の内部側へ凹となる第2溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部において形成されており、
前記第2溝部は、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と、前記第1溝部における最深部位置から前記第2溝部における最深部位置までの第2溝部高さ(H2)と、前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において0.4HB≦(H1+H2)≦HBであることを満たし、
かつ、前記第2溝部は、前記第1溝部の第1溝部高さから前記底部の高さ方向に上昇する前記脚側面部であって、前記第1溝部高さ(H1)と第2溝部高さ前記垂直長さ(H2)との間において0.75H1≦H2≦1.25H1であることを満たす間隔となる位置に形成されている請求項1に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項3】
前記第1溝部及び前記第2溝部の最深部位置が、前記脚側面部の表面から0.2〜0.7mmの深さに形成されている請求項2に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項4】
前記第1溝部及び前記第2溝部が、4〜8mmの幅に形成されている請求項2または3に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項5】
熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、
前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、
前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、
当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、
前記脚部の脚側面部に内部側へ凹となる凹部が形成されていることを特徴とする耐圧包装容器の底部構造。
【請求項6】
前記凹部は、前記底部高さ(HB)に対する当該耐圧包装容器の高さ方向の最長部の長さ(HR)の比率が0.65≦(HR/HB)≦0.80、高さ方向の最長部の長さ(HR)に対する当該耐圧包装容器の円周方向の最長部の長さ(CR)の比率が0.70≦(CR/HR)≦0.90、最深部の深さが1.0〜1.5mmである請求項5に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項7】
前記脚部の個数が4ないし7個である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項8】
前記耐圧包装容器が300〜600mLの内容量用の容器である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項1】
熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、
前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、
前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、
当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、
前記脚部の内部側へ凹となる第1溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部に形成され、
前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において前記接地部から0.2HB<H1<HBであることを満たす位置に前記第1溝部が形成されている
ことを特徴とする耐圧包装容器の底部構造。
【請求項2】
前記第1溝部に加え、前記脚部の内部側へ凹となる第2溝部が当該耐圧包装容器の円周方向に沿うとともに当該脚側面部の長さ分にわたり前記脚側面部において形成されており、
前記第2溝部は、前記耐圧包装容器の接地部から前記第1溝部における最深部位置までの第1溝部高さ(H1)と、前記第1溝部における最深部位置から前記第2溝部における最深部位置までの第2溝部高さ(H2)と、前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)との間において0.4HB≦(H1+H2)≦HBであることを満たし、
かつ、前記第2溝部は、前記第1溝部の第1溝部高さから前記底部の高さ方向に上昇する前記脚側面部であって、前記第1溝部高さ(H1)と第2溝部高さ前記垂直長さ(H2)との間において0.75H1≦H2≦1.25H1であることを満たす間隔となる位置に形成されている請求項1に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項3】
前記第1溝部及び前記第2溝部の最深部位置が、前記脚側面部の表面から0.2〜0.7mmの深さに形成されている請求項2に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項4】
前記第1溝部及び前記第2溝部が、4〜8mmの幅に形成されている請求項2または3に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項5】
熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を延伸ブロー成形により容器の自立性確保のための脚部と底部とを一体に備えて形成した耐圧包装容器において前記底部は底部半球面部として形成され、
前記脚部は容器胴面部から前記底部に向けて連続する脚側面部と接地部を含む湾曲面状の角錐台形からなるとともに、前記脚部は前記底部半球面部の中心から当該耐圧包装容器の円周方向に中心角を等分割して所定間隔ずつ離して放射状に当該耐圧包装容器の接地方向に複数個突出して配置され、
前記脚部同士は谷部を介し隣接して配置されている耐圧包装容器の底部構造において、
当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する当該耐圧包装容器の最大胴直径(D)の比率は0.30≦(D/HT)≦0.41、かつ、当該耐圧包装容器の全高(HT)に対する前記耐圧包装容器の接地部から前記底部の起点部までの底部高さ(HB)の比率は0.13≦(HB/HT)≦0.18であることを満たし、
前記脚部の脚側面部に内部側へ凹となる凹部が形成されていることを特徴とする耐圧包装容器の底部構造。
【請求項6】
前記凹部は、前記底部高さ(HB)に対する当該耐圧包装容器の高さ方向の最長部の長さ(HR)の比率が0.65≦(HR/HB)≦0.80、高さ方向の最長部の長さ(HR)に対する当該耐圧包装容器の円周方向の最長部の長さ(CR)の比率が0.70≦(CR/HR)≦0.90、最深部の深さが1.0〜1.5mmである請求項5に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項7】
前記脚部の個数が4ないし7個である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【請求項8】
前記耐圧包装容器が300〜600mLの内容量用の容器である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の耐圧包装容器の底部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−57263(P2011−57263A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209568(P2009−209568)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000198477)石塚硝子株式会社 (77)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000198477)石塚硝子株式会社 (77)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]