説明

耐摩耗性微粒子複合材及びその製造方法

【課題】耐摩耗性が要求されるような状況下でも撥水性や親水性を長期間持続できる耐摩耗性微粒子複合材及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】基材と、この基材中に分散された微粒子とから成り、微粒子は基材より硬く、基材表面から微粒子の一部が突出している耐摩耗性微粒子複合材である。微粒子の最大粒径が10nm〜20μmである。微粒子の水接触角が90°以上である。基材の水接触角が90°以上である。微粒子の水接触角が90°未満である。基材の水接触角が90°未満である。テーバー摩耗試験機による耐擦傷性試験ASTM1044(1000回転)において、微粒子が基材よりも10%以上傷付きにくい。
溶融基材中に微粒子を分散させた後に冷却し、基材の表面を研磨して微粒子を突出させて耐摩耗性微粒子複合材を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐摩耗性微粒子複合材及びその製造方法に係り、更に詳細には、表面に微細構造を形成し、表面に撥水性や親水性を発現させると同時に、摩耗後においても撥水性や親水性が低減しにくい耐摩耗性微粒子複合材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、材料の表面に撥水性を発現させるために、水接触角が90°以上である基材の表面を微細凹凸形状にする方法が提案されている。
しかし、これらの微細凹凸形状は、ブレードゴムや洗浄ブラシや人の手や衣服との摩耗によって、摩滅し、撥水性が長続きしないことがあった。
【0003】
このため、例えば、水接触角90°以上の撥水性コーティング材中に微粒子を分散させた「撥水性コーティング用組成物及び撥水性コーティング用組成物を塗布した熱交換器」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術では、塗布乾燥後、表面に分布する微粒子によって形成される微細凹凸の表面に撥水性コーティング材が薄く塗布されるので、撥水性を付与できる。
【特許文献1】特開平4−178472号公報
【0004】
しかしながら、この撥水性コーティング材は、耐摩耗性が要求されるような状況下で使用する場合には、摩耗によって微粒子の表面の撥水層が摩滅したり、微細凹凸自体が平滑化することによって撥水性が劣化するという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐摩耗性が要求されるような状況下でも撥水性や親水性を長期間持続できる耐摩耗性微粒子複合材及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材よりも硬い微粒子を基材に分散させ、基材表層近傍の微粒子の一端が基材表面から突き出した構成とすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の耐摩耗性微粒子複合材は、基材と、この基材中に分散された微粒子とから成る耐摩耗性微粒子複合材であって、
上記微粒子は、上記基材より硬く、基材表面から該微粒子の一部が突出していることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の耐摩耗性微粒子複合材の好適形態は、上記微粒子の最大粒径が10nm〜20μmであることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明の耐摩耗性微粒子複合材の他の好適形態は、テーバー摩耗試験機による耐擦傷性試験ASTM1044(1000回転)において、上記微粒子が、上記基材よりも10%以上傷付きにくいことを特徴とする。
【0010】
更にまた、本発明の耐摩耗性微粒子複合材の製造方法は、上記耐摩耗性微粒子複合材を製造するに当たり、
基材を溶融し、その溶融基材中に微粒子を分散させた後に冷却し、基材の表面を研磨して微粒子を突出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基材よりも硬い微粒子を基材に分散させ、基材表層近傍の微粒子の一端が基材表面から突き出した構成とすることとしたため、耐摩耗性が要求されるような状況下でも撥水性や親水性を長期間持続できる耐摩耗性微粒子複合材及びその製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の耐摩耗性微粒子複合材について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
【0013】
上述の如く、本発明の耐摩耗性微粒子複合材は、基材と、この基材中に分散された微粒子とから成る。
また、微粒子は、上記基材より硬く、基材表面からその一部が突出している。
【0014】
このような構成により、本発明の耐摩耗性微粒子複合材は、基材表面が摩耗すると下から新しい微細凹凸が出現して、撥水性や親水性が長期間持続するようになり、これまで実際には使用することができなかった状況、例えばブレードゴムや洗浄ブラシや人手や衣服との摩耗に暴露されるような部位に撥水性や親水性を付与することができる。
なお、上記基材表面とは、本発明の耐摩耗性微粒子複合材において、微粒子の一部を突出させた面であって、その範囲は当該複合材の用途、形状等を考慮して適宜設計できる。また、上記微粒子において、基材より硬いとは、テーバー摩耗試験機による耐擦傷性試験ASTM1044(1000回転)において、基材樹脂のテーバー磨耗性[%]が微粒子のテーバー磨耗性[%]よりも10%以上大きいことを意味する。
【0015】
具体的には、図1a〜bに示すように、微細凹凸表面が摩耗されると、微粒子Rに比べて相対的に硬度の低い基材Bの表層近傍部位B1が先に削られる。このときは、微粒子Rはまだ残留しており、図1bに示すように微細凹凸構造が維持されるので、撥水性又は親水性が持続されている。
次に、図1b〜cに示すように、更に基材Bが摩耗されて表層近傍部位B2が削られると、表層に突き出ていた微粒子Rも一緒に剥がれ落ちる。このときは、下から新しい微粒子が頭を出すことで図1cのように微細凹凸構造が形成されるので、撥水性又は親水性が維持される。
【0016】
ここで、本発明の耐摩耗性微粒子複合材に、撥水性を付与するには、微粒子の水接触角が90°以上であれば良い。
微粒子自体の水接触角が90°以上であるときは、複合材上の水滴は微粒子によって形成される微細凹凸の凸部で支えられ、基材と接触することは少ない。しかし、水滴が落下着滴する場合には一時的に水滴が基材と接触する可能性があり、基材の接触角が90°より小さいと、微細凹凸の凹部に入り込んだ水が凸部頂点まで戻らず、水滴形状を維持できなくなり、表面に濡れ広がることがある。
【0017】
よって、微粒子の水接触角が90°以上であると同時に基材の水接触角が90°以上であることが好適である。
基材樹脂の水接触角が90°以上であると、摩耗によって微粒子が抜け落ちた基材表面にできる凹みによる微細凹凸部分が超撥水性を示すので、超撥水性の摩耗耐久性を更に向上することができる。
【0018】
一方、本発明の耐摩耗性微粒子複合材に、親水性を付与するには、微粒子の水接触角が90°未満であれば良い。更には、微粒子の水接触角が90°未満であると同時に基材の水接触角が90°未満であることが好適である。
親水性を示すには、微粒子によって形成される微細凹凸の凹部に水が入り込む必要があるが、基材の水接触角が90°より小さいと、凹部へ水が入り易くなる。
【0019】
また、上記微粒子は、球状、紡錘状又は円柱状、及びこれらの任意の組合わせに係る形状を有することが好適である。
このときは、基材中に分散し易く、基材表面から均等に突出させることができる。また、撥水性や親水性が長期間持続し得る。
【0020】
また、撥水性や親水性を良好にする観点からは、上記微粒子の最大粒径は、10nm〜20μmであることが好適である。より好ましくは、100nm〜3μm、特に好ましくは250nm〜1μmであることが良い。
なお、上記微粒子は、基材表面1cm3当たりに1.0×10〜1.0×10個程度存在していればよい。
【0021】
微粒子の水接触角が90°以上の場合に、撥水性が発現するには、微粒子が基材表面に形成する微細凹凸の凹部と、その上に存在する水滴との間に空気だけが存在する必要があるが、微粒子の最大粒径が20μmを超えると凹部内の空気が漏れ出して空気だけが存在できず、微細凹凸による撥水性の発現が低下することがある。
また、微粒子の水接触角が90°より小さい場合に、親水性が発現するには、微粒子が基材表面に形成する微細凹凸の凹部に水が入り込む必要があるが、微粒子の最大粒径が20μmを超えると、水だけでなく空気が混じるようになり、親水性が低下することがある。
【0022】
微粒子の最大粒径が10nm未満であると、凹部の空気が少なすぎて、微細凹凸による撥水性の発現が低下することがある。
また、微粒子の最大粒径が10nm未満であると、微細凹の凹部に水が入り難くなり、親水性が低下することがある。
【0023】
更に、テーバー摩耗試験機による耐擦傷性試験ASTM1044(1000回転)において、上記微粒子が、上記基材よりも10%以上傷付きにくいことが好適である。より好ましくは、上記微粒子が、上記基材よりも25%〜40%の範囲で傷付きにくいことが好適である。
10%未満であると、微粒子と基材が同様に摩滅してしまい、微細凹凸構造が維持されにくく、撥水性や親水性が持続できなくなるからである。
【0024】
更にまた、上記微粒子は、基材より硬ければ特に限定されることはなく、代表的には以下のような基材や微粒子を使用できる。より好ましくは、テーバー摩耗試験機による耐擦傷性試験ASTM1044(1000回転)において、微粒子は、0.1%〜20%の範囲、基材は10%〜60%の範囲であることが好適である。
【0025】
基材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ガラス強化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、ポリアレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン共重合樹脂等のフッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、及びこれらを2種以上ブレンドした材料、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミドビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール等の熱硬化性樹脂、及びこれらを2種以上ブレンドした材料、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート樹脂等の光硬化性樹脂、及びゾルゲル法で作製した酸化チタン等のセラミック薄膜、ガラス等を用いることが可能である。
【0026】
特に撥水性を付与する場合には、水接触角が90°以上の材質、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン共重合樹脂等のフッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、撥水ゾルゲルガラス等を使用できる。
また、親水性を付与する場合には、水接触角が90°未満の材質、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ハイドロシルセスキオキサン等のポリシロキサン、アルカリガラス等を使用できる。
【0027】
微粒子としては、例えば、基材よりも耐擦傷性試験ASTM1044(1000回転)テーバー摩耗性で10%以上傷付きにくいものであれば、上記基材と同様の材料を使用することができる。
【0028】
特に撥水性を付与する場合には、例えば、フルオロアルキル基を有するシルセスキオキサン等のポリシロキサン、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニル等を使用できる。
また、親水性を付与する場合には、水接触角が90°未満の材質、例えば、ハイドロシルセスキオキサン等のポリシロキサン、アルカリガラス、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等を使用できる。
【0029】
以上に説明した、本発明の耐摩耗性微粒子複合材の形態としては、ガラスや樹脂板等へのコーティング材としての適用や、本複合材の構成を有する樹脂板としての適用が考えられる。
具体的には、耐摩耗性撥水複合材の適用例として、自動車のフロントウインドウ、サイドウインドウ、リアウインドウ、サンルーフガラス、リアランプ、ヘッドランプ等が考えられる。
【0030】
次に、本発明の耐摩耗性微粒子複合材の製造方法について説明する。
本発明では、まず、基材を溶融し、その溶融基材中に微粒子を分散させる。その後に冷却し、基材の表面を研磨して微粒子を突出させることにより、上述した耐摩耗性微粒子複合材を製造する。
【0031】
ここで、基材を溶融し微粒子を分散させる工程では、上記基材の融点より10℃以上高い融点を有する微粒子を用いることが好適である。このときは、基材が溶融するのと同時期に微粒子を投入して分散させることができる。
【0032】
また、基材の表面を研磨して微粒子を突出させる工程では、公知の研磨方法、例えば、流動式バレル研磨法、振動式バレル研磨法、回転式バレル研磨法、ラッピング研磨法などを適宜採用できる。
更に、研磨工程では、微粒子全体積に対して30%程度が基材外に突出するように研磨すればよい。
【実施例】
【0033】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
基材には、水接触角が59.0°のアクリル系樹脂を用いた。
微粒子には、水接触角が110.0°の含フッ素ポリシロキサンを用いた。
また、微粒子が基材より硬いことを、以下のように、基材と微粒子のテーバー摩耗性の差28.6%より確認した。
テーバー摩耗性の差は、(基材樹脂のテーバー摩耗性)−(微粒子の材料のテーバー摩耗性)より求めた。テーバー摩耗性は、耐擦傷性試験ASTM1044に準拠し、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で1,000回転後の曇価を測定し、(試験後の曇価)−(試験前の曇価)より求めた。
【0035】
直径1.0μmで球状の含フッ素ポリシロキサンを、複合材総量に対して5.0%になるよう、溶融したアクリル系樹脂中に分散させた。その後、基材表面を研磨して微粒子を露出させ、本例の耐摩耗性微粒子複合材を得た。
【0036】
<性能評価>
(1)初期の水接触角
純水の液滴3μLを水平にした複合材上に静置したときの接触角を計測したところ、157.0°であった。
(2)摩耗耐久後の水接触角
耐擦傷性試験ASTM1044に準拠し、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で1,000回転後に、(1)と同様に水接触角を計測したところ、140.0°であった。
これらの結果を表1に示す。
【0037】
(実施例2)
基材に水接触角が91.0°のポリスチレン樹脂を用い、基材と微粒子のテーバー摩耗性の差を35.0%とした以外は、実施例1と同様な操作を繰返して、本例の耐摩耗性微粒子複合材を得た。
また、性能評価の結果は、初期の水接触角が159.0°であり、摩耗耐久後の水接触角が145.0°であった。
【0038】
(実施例3)
基材に水接触角が63.0°のポリカーボネート系樹脂を用い、基材と微粒子のテーバー摩耗性の差を10.0%とした以外は、実施例1と同様な操作を繰返して、本例の耐摩耗性微粒子複合材を得た。
また、性能評価の結果は、初期の水接触角が158.0°であり、摩耗耐久後の水接触角が135.0°であった。
【0039】
(実施例4)
微粒子の最大粒径を10.0μmとした以外は、実施例1と同様な操作を繰返して、本例の耐摩耗性微粒子複合材を得た。
また、性能評価の結果は、初期の水接触角が155.0°であり、摩耗耐久後の水接触角が138.0°であった。
【0040】
(実施例5)
微粒子に最大粒径10.0μm、水接触角5.0°のアルカリガラスを用い、基材と微粒子のテーバー摩耗性の差を28.8%とした以外は、実施例1と同様な操作を繰返して、本例の耐摩耗性微粒子複合材を得た。
また、性能評価の結果は、初期の水接触角、摩耗耐久後の水接触角の双方とも限りなく0°に近く測定不可能であり、水滴が完全に濡れ広がった完全濡れの状態であった。
【0041】
(比較例1)
微粒子に水接触角59.0°のアクリル樹脂を用い、基材に水接触角が91.0°のポリスチレン樹脂を用い、基材と微粒子のテーバー摩耗性の差を6.4%とした以外は、実施例1と同様な操作を繰返して、本例の微粒子複合材を得た。
また、性能評価の結果は、初期の水接触角が137.0°であり、摩耗耐久後の水接触角が58.5°であった。
【0042】
【表1】

【0043】
表1より、実施例1〜4で得られた耐摩耗性微粒子複合材は、摩耗後も表面の撥水性が良好であるので、撥水性部材に適用できる。また、実施例5で得られた耐摩耗性微粒子複合材は、摩耗後も表面の親水性が良好であるので、親水性部材に適用できる。
一方、比較例1で得られた微粒子複合材は、初期の撥水性が摩耗後まで持続せず、磨耗によって表面の微細凹凸が摩滅される状況にある撥水性部材には適用できない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】耐摩耗性微粒子複合材の断面の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0045】
R :基材よりも硬い微粒子
B :基材
B1:aからbにかけて削られる基材Bの表層近傍部位
B2:bからcにかけて削られる基材Bの表層近傍部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、この基材中に分散された微粒子とから成る耐摩耗性微粒子複合材であって、
上記微粒子は、上記基材より硬く、基材表面から該微粒子の一部が突出していることを特徴とする耐摩耗性微粒子複合材。
【請求項2】
上記微粒子が、球状、紡錘状及び円柱状から成る群より選ばれた少なくとも1種の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性微粒子複合材。
【請求項3】
上記微粒子の最大粒径が10nm〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐摩耗性微粒子複合材。
【請求項4】
上記微粒子の水接触角が90°以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の耐摩耗性微粒子複合材。
【請求項5】
上記基材の水接触角が90°以上であることを特徴とする請求項4に記載の耐摩耗性微粒子複合材。
【請求項6】
上記微粒子の水接触角が90°未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の耐摩耗性微粒子複合材。
【請求項7】
上記基材の水接触角が90°未満であることを特徴とする請求項6に記載の耐摩耗性微粒子複合材
【請求項8】
テーバー摩耗試験機による耐擦傷性試験ASTM1044(1000回転)において、上記微粒子が、上記基材よりも10%以上傷付きにくいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の耐摩耗性微粒子複合材。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の耐摩耗性微粒子複合材を製造するに当たり、
基材を溶融し、その溶融基材中に微粒子を分散させた後に冷却し、基材の表面を研磨して微粒子を突出させることを特徴とする耐摩耗性微粒子複合材の製造方法。
【請求項10】
上記基材の融点より10℃以上高い融点を有する微粒子を用いることを特徴とする請求項9に記載の耐摩耗性微粒子複合材の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−246774(P2007−246774A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−73886(P2006−73886)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】