説明

耐熱性マスキングテープ及びその使用方法

【課題】糊残りすることなく容易に剥離することができるマスキングテープを提供する。
【解決手段】(1)耐熱性バッキングフィルム層と、(2)前記耐熱性バッキング層の上に配置された粘着剤層とを含み、前記粘着剤層は、溶解性パラメータ(SP)値が25℃において20MPa0.5以下であるポリマーを含む、耐熱マスキングテープであり、粘着剤層は、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びグリシジル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物を重合して得られるポリマーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性マスキングテープ及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、アクリル系ポリマーを主成分とする粘着剤層をバッキング層の上に有する粘着テープは種々の用途で使用されている。アクリル系粘着剤は一般に耐候性に優れる。アクリル系粘着剤が架橋した場合は耐熱性も備えるようになる。
【0003】
架橋型アクリル系粘着剤の一例は特許文献1(米国特許第3,284,423号明細書)に開示されている。この架橋型アクリル系粘着剤は、(a)炭素数6〜15のアクリル酸エステル35〜75重量%、(b)メチルアクリレート又はエチルアクリレート10〜60重量%、(c)(メタ)アクリル酸、イタコン酸又はクロトン酸のような酸成分0.1〜10重量%、及び(d)グリシジル(メタ)アクリレート0.1〜10重量%を含み、室温又は加熱により自己架橋している。その結果、架橋型アクリル系粘着剤は、高温での凝集力・保持力と十分高い接着力とを両立することができる。また、好適には、グリシジル(メタ)アクリレートが1〜3重量%含まれて、上記架橋型アクリル系粘着剤に所望の凝集力を与えている。
【0004】
また、特許文献2(特許第2955095号公報)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーにカルボキシル基含有共重合性モノマーを共重合させてなる共重合体を、ポリグリシジルエーテル又はポリグリシジルアミンなどの1分子あたりエポキシ基を2個以上有するエポキシ系化合物で架橋してなり、架橋後の粘着剤の10%モジュラスが0.8〜4.0kgf/cmである表面保護フィルム用粘着剤を開示している。この粘着剤は樹脂板の表面の保護に用いられるものである。この粘着剤を用いた保護フィルムは0.8kgf/cm以上に調整されることで、樹脂板からの高速剥離が可能になることが記載されている。
【0005】
特許文献3は、(a)炭素数4〜12のアルキルアクリレート、85〜99.95重量部、(b)二重結合以外に反応性基を1つ以上有する共重合性単量体0.05〜15重量部、よりなる低分子量の共重合体に少量の触媒及び/又は多官能性化合物が添加された材料を基材上に塗布し、加熱硬化させた自己粘着テープが開示されている。この文献によると、この粘着テープは良好な粘着性と耐熱性を有することが記載されている。反応性基を有する単量体として、メタクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸を使用し、触媒として、オクチル燐酸又はp−トルエンスルホン酸のような酸、塩化亜鉛又はジラウリン酸ジブチルスズのような金属化合物を使用している。
【0006】
特許文献4は(1)耐熱性バッキングフィルム層と、(2)前記耐熱バッキング層の上に配置された粘着剤層を含む耐熱マスキンングテープであって、前記粘着剤層は、アルキル基の炭素数が4〜15であるアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸を含み、前記グリシジル(メタ)アクリレートがモノマーの合計質量を基準に2〜13質量%であり、前記(メタ)アクリル酸がモノマーの合計質量を基準に1〜7質量%であるモノマー混合物を重合しかつ架橋して得られるポリマーを含む、耐熱マスキングテープを開示している。具体的には、アルキル(メタ)アクリレートとしてn−ブチルアクリレートを主として使用している。
【0007】
しかし、上述の特許文献に記載された粘着剤を有する粘着テープをマスキングテープとして用い、リードフレームを使用したチップスケールパッケージング(CSP)の製造工程においてエポキシモールディングコンパウンド(EMC)でパッケージングを行なおうとすると以下の使用想定外の条件の場合に、使用上の不都合を生じることがある。上記の粘着剤はCSPにおいて遭遇する150℃を超える温度にさらされることは想定されておらず、高温での接着力が十分でない。また、上記の粘着剤とEMCとの親和性が高く、EMCの加熱硬化工程後に、マスキングテープを剥離することが困難になってしまう。マスキングテープのEMCからの剥離が困難なことにより、パッケージ上に粘着剤の糊残りが生じる。このような場合には、パッケージを溶剤によって洗浄する工程が必要となり、製造コストが高くなってしまう。
【0008】
【特許文献1】米国特許第3,284,423号明細書
【特許文献2】特許第2955095号公報
【特許文献3】米国特許第3,729,338号明細書
【特許文献4】特開2005−53975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
チップスケールパッケージなどの製造において使用されるリードフレームのマスキングテープなどの用途では、益々過酷な条件に耐えることができる粘着シートが求められている。例えば、被着体に対する十分な初期接着性と貼り直しが可能な凝集力を有するともに、高温で長時間の熱処理やプラズマ処理時にも接着力が安定しており、その後に、糊残りすることなく容易に剥離することができるマスキングテープが要求されている。本発明の目的はこのような要求を満たすマスキングテープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、その1つの態様によると、(1)耐熱性バッキングフィルム層と、(2)前記耐熱性バッキング層の上に配置された粘着剤層とを含み、前記粘着剤層は、溶解性パラメータ(SP)値が25℃において20MPa0.5以下であるポリマーを含む、耐熱マスキングテープを提供する。
【0011】
本発明は、別の態様によると、(1)耐熱性バッキングフィルム層と、(2)前記耐熱性バッキング層の上に配置された粘着剤層とを含み、前記粘着剤層は、
アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びグリシジル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物を重合して得られるポリマーを含み、
アルキル(メタ)アクリレートのホモポリマーの溶解性パラメータ(SP)値が25℃において19MPa0.5以下であり、
アルキル(メタ)アクリレートの量が、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との合計100質量部に対して90〜99質量部であり、
(メタ)アクリル酸の量が、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との合計100質量部に対して1〜10質量部であり、
グリシジル(メタ)アクリレートの量が、(メタ)アクリル酸1モルに対して0.25〜2.5モルである、耐熱マスキングテープを提供する。
【0012】
本発明は、別の態様によると、マスキングテープとリードフレームを積層し、リードフレームに半導体チップを取り付け、該チップを電気的に導通させ、オーバーモールディングコンパウンドを用いてパッケージを樹脂封止するパッケージの製造方法において、前記マスキングテープが上記の耐熱マスキングテープであり、前記オーバーモールディングコンパウンドがエポキシモールディングコンパウンド(EMC)である、チップスケールパッケージの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明による粘着剤層を有する耐熱マスキングテープは、貼り直しが可能であり、貼り付け後は十分な接着力を有し、熱・プラズマなどの作用によって剥離したり、接着力が上昇したりすることがない。
特に、リードフレームを使用したチップスケールパッケージング(以下において、「CSP」とも呼ぶ)の製造工程においてエポキシモールディングコンパウンド(以下において、「EMC」とも呼ぶ)でパッケージングする際にリードフレームに対するマスキングテープとして用いる場合に、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)に対して粘着剤が糊残りすることが仮にあったとしてもほとんどないので、パッケージの洗浄工程を要しない。
【0014】
なお、本明細書中に使用される用語「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味する。また、用語「耐熱マスキングテープ」はフィルム、シート、テープなどを含めた広義に解釈される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の耐熱マスキングテープを好適な実施形態にしたがって説明する。ただし、本発明は特に記載された態様に限定されないことは当業者ならば容易に想到される。
本発明の耐熱マスキングテープは、耐熱性バッキングフィルム層と、前記耐熱バッキング層の上に配置された粘着剤層を含む。粘着剤層は耐熱バッキングフィルム層の少なくとも片面の少なくとも一部に配置される。耐熱性バッキングフィルム層は粘着剤層を支持するものである。耐熱性バッキングフィルム層は片面の全体に又は一部にだけアクリル系粘着剤層を支持しても、或いは、その両面の全体に又は一部に粘着剤層を支持してもよい。耐熱性バッキングフィルム層の材料は、通常、マスキンングテープとして使用したときに遭遇する温度に応じて適宜選択されるべきである。例えば、プロセスで遭遇する温度が約170℃未満であれば、望ましい耐熱性バッキングフィルム層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを選択することができる。また、プロセス温度が170〜200℃であれば、耐熱性バッキンフフィルム層はポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンナフタレート又はポリフェニレンサルファイドのフィルムが好ましい。さらに、プロセス温度が約200℃以上であれば、望ましい耐熱性バッキングフィルム層はポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド又はポリイミドのフィルムである。特に、入手の容易さ及び化学的安定性を特に考慮すると、PET、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド及びポリイミドは高い汎用性を有し望ましい。また、取り扱い及び入手のし易さを考慮すると、耐熱性バッキングフィルム層は好適には約1〜約250μmの厚さを有する。
【0016】
粘着剤層は、溶解性パラメータ(SP)値が25℃において20MPa0.5以下であるポリマーを含む。
【0017】
粘着剤層は、たとえば、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びグリシジル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物を重合しそして架橋して得られるポリマーを含み、アルキル(メタ)アクリレートのホモポリマーの溶解性パラメータ(SP)値が25℃において19MPa0.5以下であり、アルキル(メタ)アクリレートの量が、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との合計100質量部に対して90〜99質量部であり、(メタ)アクリル酸の量が、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との合計100質量部に対して1〜10質量部であり、グリシジル(メタ)アクリレートの量が、(メタ)アクリル酸1モルに対して0.25〜2.5モルである。
【0018】
ホモポリマーの25℃における溶解性パラメータ(SP)値が19MPa0.5以下であるアルキル(メタ)アクリレートを90〜99質量部で含むと、粘着剤層を構成するポリマーの25℃における溶解性パラメータ(SP)値が20.0MPa0.5以下となる。一方、EMCの25℃における溶解性パラメータ(SP)値は、通常、20.0MPa0.5を超え、26.0MPa0.5以下である。一般に、SP値が近いポリマー同士は親和性が高く、一方、SP値が離れたポリマー同士は親和性が低い。今回、粘着剤層を構成するポリマーのSP値を低くすることで、粘着剤のEMCからの剥離性を良好にすることが可能になった。粘着剤層中のポリマーは、SP値が20MPa0.5以下となるようにモノマー組成を選択すると、熱処理後にEMCからの粘着剤層の剥離性を十分に発揮することができる。本明細書中、単にSP値と記載した場合には25℃におけるSP値を意味するものとする。
なお、「25℃における溶解性パラメータ(SP)値(δ)」は
δ=(ΔEv/V)0.5
(式中、ΔEvは液体のモル蒸発エネルギーであり、Vはモル体積である)によって定義される。Fedorsの方法によると、SP値は化学構造のみから計算することができる(たとえば、R.F. Fedors, A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids, Polym. Eng. Sci., 14(2), p.147, 1974を参照されたい)。具体的には実施例にて計算例を示す。
【0019】
ホモポリマーの25℃における溶解性パラメータ(SP)値が19MPa0.5以下であるアルキル(メタ)アクリレート(a)は、たとえば、2−エチルヘキシルアクリレート(ホモポリマーのSP=18.9MPa0.5)、イソオクチルアクリレート(ホモポリマーのSP=18.9MPa0.5)、ラウリルアクリレート(ホモポリマーのSP=18.7MPa0.5)、tert-ブチルアクリレート(ホモポリマーのSP=18.5MPa0.5)、イソボルニルアクリレート(ホモポリマーのSP=18.6MPa0.5)などである。ここで、n−ブチルアクリレートはSPが20.0MPa0.5であり、適さない。
【0020】
(メタ)アクリル酸(b)はアルキル(メタ)アクリレート(a)と(メタ)アクリル酸(b)との合計100質量部に対して、1〜10質量部の量で存在する。たとえば、アクリル酸のSP値は26.4であり、モノマー(b)が10質量部を超えると、ポリマーのSP値が高くなってしまう。また、被着体への初期接着性が乏しくなり、使用中にはがれを起こす可能性がある。一方、モノマー(b)が1.0質量部未満であると、(メタ)アクリル酸(b)のカルボキシル基とグリシジル(メタ)アクリレート(c)のグリシジル基(エポキシ基)との反応による架橋が少なくなり、耐熱性が低くなり、また、凝集力不足から、使用後の糊残りを生じることになる。
【0021】
グリシジル(メタ)アクリレート(c)は(メタ)アクリル酸(b)1モルあたりに0.25〜2.5モルの量で含まれる。少量でありすぎると、粘着剤の耐熱性が低くなり、熱処理時に被着体に糊残りを起こす可能性がある。一方、グリシジル(メタ)アクリレートの量が多すぎ、かつ、(メタ)アクリル酸(b)の量が多すぎると、被着体に対する接着性が低く、使用中に剥がれを起こす可能性がある。粘着剤層の凝集力と被着体に対する接着性の良好なバランスを考慮すると、グリシジル(メタ)アクリレートは上述のとおりである。
【0022】
粘着剤を構成するポリマーのためのモノマー混合物は、本発明の効果に悪影響を及ぼさないかぎり、上述のモノマー(a)、(b)及び(c)以外に他のモノマーを含むことができる。たとえば、他のモノマーとしては、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−オクチルアクリレートなどのC2−8アルキルアクリレート、及び、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート及び/又はn−オクチルメタクリレートなどのC8−15アルキルメタクリレートなどであることができる。さらなる例は、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N―ビニルピロリドン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等の極性モノマーである。
【0023】
ポリマーの耐熱性及び糊残り防止は十分な架橋による高い凝集力よって発揮される。したがって、モノマー混合物は、モノマー(b)のカルボキシル基とモノマー(c)のグリシジル基と反応を十分に行う必要がある。通常、重合の際に、グリシジル基は開環してカルボキシル基と架橋を形成する。また、重合後に、ポリマーの架橋度を高めるためにポストキュアを行ってもよい。ポストキュア工程は、たとえば、60〜100℃の温度で数時間から3日間程度行なうことができる。また、モノマー混合物に硬化促進剤を含ませることでポストキュア工程を省略することも可能である。硬化促進剤としてはリン系硬化促進剤を用いることができ、通常、モノマーの合計質量を基準として0.05〜5.0質量%の量で使用される。有用なリン系硬化促進剤としてはトリフェニルホスフィン(TPP)を挙げることができる。
【0024】
さらに、粘着剤層を構成するポリマーは、被着体への十分な初期接着性、使用の後の被着体から剥離性を発揮するために、25℃及び80℃での弾性率がそれぞれ0.1×10〜10.0×10(Pa)であることが好適である。弾性率が高すぎると、被着体への初期接着性が不十分となり、一方、弾性率が小さすぎると、凝集力が低下し、剥離時に被着体上に糊残りを生じる恐れがある。具体的には、(メタ)アクリル酸の量の増加及び/又は(メタ)アクリル酸1モルに対するグリシジル(メタ)アクリレートの比を大きくすれば、弾性率は上がるということを考慮して弾性率を調節することができる。また、好ましくは、80℃での損失正接(tanδ)は好ましくは0.5未満である。このような数値であれば、一般に、架橋が十分であり、すなわち、凝集力が高く、糊残りを生じない。
なお、「弾性率」は動的粘弾性装置を用いて、剪断モードで周波数1.0Hzで−80℃〜100℃の温度範囲にわたって5℃/分の温度上昇速度で測定した際の貯蔵弾性率(G’)を意味する。また、損失正接(tanδ)はかかる測定において得られる損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)である。
【0025】
また、粘着剤層の厚さは好ましくは0.5〜100μmである。0.5μm未満では、被着体への密着追従性が十分でなく、使用中に剥がれてしまうことがあり、100μmを超えると、粘着剤の塗工時に溶剤の除去が不十分になり、熱処理時に発泡したりすることがある。
【0026】
また、耐熱性バッキングフィルム層と粘着剤層との接着性(投錨性)が悪い場合には、耐熱マスキングテープを被着体から剥離する際に、耐熱性バッキングフィルム層と粘着剤層の間で剥離してしまうことがある。そのような場合、耐熱性バッキングフィルム層の片面に、周知・慣用の技法で易接着のための表面処理を施してもよい。このような表面処理の好適な例はコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理又は紫外線照射処理等の物理的処理法やウエットケミカル処理法を含む。特に、コロナ処理はより好ましい。コロナ処理を施された耐熱性バッキングフィルム層は市販され容易に入手可能だからである。
【0027】
また、上述の表面処理が行われず、又は、表面処理後においても投錨性が不足している場合にはさらに投錨性を改善させるために、プライマー処理を行ってもよい。プライマー処理とは、耐熱性バッキングフィルム層と粘着剤層と両方との接着性に優れたコーティング層(プライマー層)を耐熱性バッキングフィルム層上に設けた後、プライマー層上に粘着剤層を設けることである。その際、プライマー層の厚みは0.1〜2μmであることが好ましい。プライマー層の厚みが0.1μm以下では、効果が期待できず、2μm以上ではプライマー層に溶剤や薬品等がしみ込んで、耐熱マスキングテープの剥がれや被着体の汚染を招き易くなる恐れがあるためである。
【0028】
また、耐熱性バッキングフィルム層の粘着剤層を設けた側とは反対側の面には剥離処理がされてもよい。反対面が剥離処理されていると、本発明の耐熱マスキングテープはロール巻きされた状態で保存することができる。剥離処理を行なうためには、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル系剥離剤、長鎖アルキル基を有するビニルエーテル系剥離剤を用いることができる。
【0029】
さらに、本発明の目的や効果を損なわない限り、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤(例えば無機フィラー、導電性粒子又は顔料等)、ワックス等の滑剤、粘着付与剤、可塑剤、硬化促進剤及び/又は蛍光色素等の添加剤が粘着剤層に含まれてもよい。
【0030】
つぎに、上記の耐熱マスキングテープの製造方法の一例を説明する。
まず、上述のモノマー混合物の重合を行なう。モノマー混合物は、一般に、アゾ系化合物又は過酸化物をベースとする重合開始剤の下でラジカル重合することができる。重合法には、溶液重合法、エマルジョン重合法、懸濁重合法、塊状重合法又はその他の周知・慣用の重合方法を用いることができる。溶液重合法は、重合後に、ポリマーを含む溶液を耐熱性バッキングフィルム層に塗布し、そして乾燥することで粘着剤層を容易に設けることができる点で好ましい。溶液重合は、通常、窒素雰囲気下で、重合温度及び重合時間、それぞれ30〜80℃及び1〜24時間として行なわれる。上記のように作製したポリマーを有機溶媒に溶かしてコーティング溶液を調製する。有機溶媒には、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン又はそれらの混合物を通常、使用することができる。つぎに、耐熱性バッキングフィルム層にコーティング溶液を、ダイコーティング、ナイフコーティング、バーコーティング又はその他周知・慣用の塗布方法により均一に塗布する。コーティング溶液は本質的に上述のポリマーと溶媒のみからなるため、均一な塗布を容易に実現することができる。それから、コーティング溶液は耐熱性バッキングフィルム層と共に乾燥させて溶媒を除去する。次に、耐熱性バッキングフィルム層上のポリマーを加熱により架橋する。なお、乾燥工程では100℃以下の温度での加熱により架橋工程を兼ねることもできる。あるいは、乾燥工程で予備的に一部の架橋を行い、次いで、更なる加熱工程で追加的に架橋を進行させてもよい。架橋はポリマー中のグリシジル基とカルボキシル基との間での反応により起こるが、必ずしも完全に架橋反応を完了させる必要はない。例えば、60〜100℃の温度で数時間から3日間程度、反応を進行させることで、使用中の十分な接着性と、使用後の剥離性を確保することができる。リン系硬化促進剤などの硬化促進剤をモノマー混合物の重合後に含ませ、架橋を促進すると、上述の架橋工程(ポストキュア)を行なう必要がない。以上の要領で本発明の耐熱マスキングテープを製造することができる。
【0031】
本発明の耐熱マスキングテープは、半導体チップをリードフレーム上にモールディングする際に、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)の漏れを防止するために銅基板又はニッケルパラジウム合金基板に貼り付けられるマスキングテープとして特に有用である。図1は、クワッドフラットノンリード(QFN)チップスケールパッケージの製造工程図の1態様を示す。まず、耐熱性バッキングフィルム層2の粘着剤層3を有する本発明の耐熱マスキングテープ1を用意する。耐熱マスキングテープ1の粘着剤層3がリードフレーム11の裏面に接するように、マスキングテープ1とリードフレーム11を積層する(工程(a))。これにより、後の工程で、モールディングコンパウンドがリードフレーム11の開口部をとおして裏面側に流れ出るのを防止する。
【0032】
次に、リードフレーム11上に付着している汚染物を除去するために、アルゴンプラズマ、アルゴン/酸素プラズマ、アルゴン/水素プラズマ又はアルゴン/窒素プラズマなどのプラズマ処理で洗浄する(工程(b))。このとき、リードフレームの開口部をとおしてマスキングテープ1の粘着剤層3にプラズマが衝突するが、本発明のマスキングテープ1の粘着剤層3は剥離を起こしたり又は過度の接着力の上昇を招くことがない。
【0033】
次に、ダイボンディング用接着剤12をリードフレーム11上に塗布し、その上に半導体チップ13を載せ、加熱によりダイボンディング用接着剤12を硬化させる(工程(c))。ダイボンディング用接着剤12は、通常、エポキシ系の熱硬化性接着剤であり、例えば、180〜240℃程度の温度で数分〜1時間程度、処理することで硬化される。
【0034】
さらに、工程(b)で行なったようなプラズマ洗浄を行ってから、ワイヤボンディングを施す(工程(d))。ワイヤボンディングは、通常、チップ上の電極パッドから金などの金属細線でリードを電気的に導通させるものである。ワイヤボンディングは、通常、金などの金属細線をスパークなどで溶融させ、それをチップ上の電極上に加熱圧着することで行なわれ、典型的には180から210℃、場合により、200〜240℃にまで加熱されることもある。
【0035】
その後、オーバーモールディングコンパウンドを用いて全体を樹脂封止する(工程(e))。オーバーモールディングコンパウンドは、通常、エポキシ系熱硬化性樹脂、すなわち、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)である。流動化した樹脂を、例えば、160〜240℃程度に加熱することで封止樹脂14へと硬化される。
【0036】
次いで、リードフレーム11に貼り付けられていたマスキングテープ1を剥離する(工程(f))。本発明のマスキングテープ1は、上記のような高温熱処理及びプラズマ処理によってもその性能を低下させることなく、安定的な接着力を有し、剥離を生じたり、接着力が過度の上昇することはない。剥離のために十分に低い接着力と、高い凝集性のために、剥離時にリードフレーム11側に糊残りを起こすことはない。
なお、マスキングテープ1の剥離後は、通常のハンダメッキを行い、次いで、ダイシングテープに固定して、個々のパッケージへとダイシングされるなどの通常の処理がなされてよい。
【実施例】
【0037】
つぎに、本発明を実施例にしたがって説明する。ただし、本発明はこれらに限定されないことは当業者ならば容易に想到される。
【0038】
実施例1〜29(Ex.1〜29)及び比較例1〜7(Comp.1〜7)
アクリル系ポリマーの合成
下記の表1及び2に示すとおりの組成比のアクリル系ポリマーを、酢酸エチル溶媒中50質量%のモノマー濃度の溶液で重合を行なった。モノマーの質量に対して0.25質量%のアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬株式会社製のV−65(商品名))を開始剤として用いて重合した。重合は、反応器を窒素で置換した後に、反応器を55℃の湯浴に置き、そこで24時間かけて行なった。
【0039】
【表1】

【表2】

【0040】
溶解性パラメータ
Fedorsの方法により、SP値を化学構造のみから計算した(R.F. Fedors, A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids, Polym. Eng. Sci., 14(2), p.147, 1974を参照されたい)。具体的には、粘着剤層を構成するポリマーのSP値は以下の表3及び4に示す手順に従って求めた。
【0041】
【表3】

【表4】

【0042】
なお、表4中、架橋剤後のSP値の比較を示したが、両者の値はほぼ同一となることが確認される。
【0043】
分子量の測定
下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、多分散度Mw/Mnを測定した。
装置:HP−1090 SERIES II
希釈剤:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:PLgel MIXED-Ax2(300mm×7.5mm,内径(i.d.)5mm)
オーブン温度:室温(25℃)
流速:1.0mL/分
ディテクタ:屈折率
サンプル濃度:0.1%(w/w)
インジェクション体積:50マイクロリットル
検量標準:ポリスチレン
【0044】
マスキングテープの製造
下記の表5に示すように、上述のポリマーの固形分100質量部に対して、トリフェニルホスフィン(TPP)を所定量配合し、粘着剤溶液を作成した。また、全ての溶液はトルエン中で固形分30質量%の濃度に調整した。膜厚25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン100V)にコーティングし、65℃のオーブンに5分間入れて乾燥させ、50μmのシリコーン処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人・デュポン株式会社製、ピューレックスA50)にラミネートした。粘着剤の厚さは、5μmとなるように調整した。また、表5に示すとおり、幾つかのテープについては、粘着剤層の架橋反応を進めるために65℃のオーブン中で3日間ポストキュアを行なった。
【0045】
粘弾性測定
上記で得られた溶液サンプルを50μmのシリコーン処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人・デュポン株式会社製、ピューレックスA50)にコーティングし、65℃のオーブンに5分間入れて乾燥させて、5μmの厚さの粘着剤層を形成した。得られたポリマーを、レオメトリックス社製のARESを用い、剪断モードで周波数1.0Hzで−80℃〜100℃の温度範囲にわたって5℃/分の温度上昇速度で貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)及び損失正接(tanδ)(損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’))を測定した。また、ガラス転移温度(Tg)を損失正接(tanδ)のピーク温度として求めた。また、25℃及び80℃における貯蔵弾性率と、80℃におけるtanδの値を比較した。架橋が十分である場合にはtanδの値が0.5未満である。
【0046】
【表5】

【0047】
上記の表において、比較例1〜4(comp.1〜4)はSP値が20.0のn−ブチルモノマーを用いているので、ポリマー組成の点で本発明の範囲に含まれない。また、比較例5〜7(comp.5〜7)はポストキュアも、硬化促進剤の添加を行なっていないので、アクリル系ポリマーが架橋されていない点で本発明の範囲に含まれない。このことは後述するtanδが0.64以上であり、架橋されたポリマーである実施例1〜25(Ex.1〜25)のtanδが0.5未満であることと対照的である。
【0048】
Tgが25℃以下、25℃及び80℃における弾性率が0.1×105〜10×105(Pa)であるからいずれのサンプルも(実施例及び比較例)、初期接着力が十分に発揮できていると認められる。tanδが0.5を超えるものは架橋が不十分であることになり、結果として糊残りが発生することが認められる。tanδが0.5以下であると架橋が十分で糊残りを生じない。
【0049】
接着力測定(対銅板)(初期接着力及び熱処理後の接着力)
上記で得られたテープサンプルを25mm幅にスリットし、銅板(C1100 1.0mm厚さ、日本タクト株式会社製)に2kgローラーで1往復圧着した。圧着したサンプルを室温に放置し、20分後にテンシロンにて90°ピール接着力(N/25mm)を測定した。測定は25℃雰囲気中で測定速度300mm/分で行なった。これを初期接着力とする。また、室温で圧着した後、200°のオーブン中で45分間放置し、さらに室温で1時間放置した後にテンシロンにて90°ピール接着力(N/25mm)を測定した。これを熱処理後の接着力とする。結果を表6に示す。
【0050】
接着力測定(対EMC)
上記で得られたテープサンプル上に、EMC(日立化成工業株式会社製CEL−9200−HF10)を圧力2.0kgf/cm、185℃/90秒でヒートプレスした。プレスされたサンプルを室温で1時間放置した後に25mm幅にスリットし、25℃雰囲気中、測定速度300mm/分で90°ピール接着力(N/25mm)を測定した。結果を表6に示す。
【0051】
貼付テスト
クワッドフラットノンリード(QFN)チップスケールパッケージ(CSP)などを製造する際に使用されるリードフレームのマスキング用途に関するシミュレーションを行った。以下の工程1〜5の方法を実施し、EMCの漏れと、テープ剥離時の糊残りの有無を確認した。リードフレームとしては、ニッケルパラジウムメッキされた銅フレームを使用した。
工程1:上記で得られたマスキングテープを、テープとリードフレームとの間に気泡が入らないようにリードフレームにラミネートした。
工程2:ダイアタッチエポキシ接着剤の硬化及びワイヤボンディングのシミュレーションとして、200℃で10分間の熱処理を行なった。
工程3:EMC(日立化成工業株式会社製CEL−9200−HF10)の溶融モールディング・硬化を185℃で90秒間行った。
工程4:テープを剥離した。
工程5:顕微鏡でテープの剥離面を観察した。
結果を表6に示す。
【0052】
【表6】

【0053】
全てのマスキングテープにおいて、工程中に剥がれることなく、また、EMCの漏れについても確認されなかった。また、全てのマスキングテープについて、銅フレームからのテープの剥離性は良好で、糊残りなどの汚染は確認されなかった。
しかし、比較例1〜4のように、粘着剤層を構成するポリマーのSP値が高い場合、すなわち、SP値が20.0MPa0.5のn−ブチルアクリレートを用いた場合(ポリマー全体としては20.0MPa0.5を超える)、EMCに対する親和性が高いので、EMCが溶融接着しやすく、その結果、テープを剥離するときに、EMC表面を著しく荒らしてしまった。この現象はポストキュアをしないサンプルで顕著であり、比較例1では糊残りを起こした。これは粘着剤層の凝集力が足りない、つまり、架橋反応が十分に起こっていないことを表している。
【0054】
本発明では、粘着剤層を構成するポリマーのSP値が低く、すなわち、SP値が19MPa0.5以下のホモポリマーSP値を有するモノマーを主成分として用いているので、(ポリマー全体としては20.0MPa0.5未満)、EMCに対する親和性が低く、EMCが溶融接着しにくい。結果として、テープを剥離した際に、EMC表面に糊残りを生じることがなく、また、EMC表面を荒らすことがないことが判った。
また、TPPを添加することで、粘着剤の架橋反応を劇的に促進し、粘着剤塗工時のマイルドな乾燥工程(65℃で5分)のみで必要な凝集力を与えることが判った。よって、通常に必要とされていた長時間のポストキュアは必要なくなった。TPP添加したサンプルをさらにポストキュアした場合に、被着体に対して十分な初期接着力を示し、熱処理後にも大きな接着力の変化がなく、剥離除去できた。本発明のマスキングテープを用いると、使用後にマスキングテープを剥離した際に洗浄工程を必要としないほど、EMCに対して汚染しないことが判った。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】クワッドフラットノンリード(QFN)チップスケールパッケージの製造工程図の1態様を示す。
【符号の説明】
【0056】
1 耐熱マスキングテープ
2 耐熱性バッキングフィルム層
3 粘着剤層
11 リードフレーム
12 ダイボンディング用接着剤
13 半導体チップ
14 封止用樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)耐熱性バッキングフィルム層と、(2)前記耐熱性バッキング層の上に配置された粘着剤層とを含み、前記粘着剤層は、溶解性パラメータ(SP)値が25℃において20MPa0.5以下であるポリマーを含む、耐熱マスキングテープ。
【請求項2】
(1)耐熱性バッキングフィルム層と、(2)前記耐熱性バッキング層の上に配置された粘着剤層とを含み、前記粘着剤層は、
アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びグリシジル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物を重合して得られるポリマーを含み、
アルキル(メタ)アクリレートのホモポリマーの溶解性パラメータ(SP)値が25℃において19MPa0.5以下であり、
アルキル(メタ)アクリレートの量が、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との合計100質量部に対して90〜99質量部であり、
(メタ)アクリル酸の量が、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との合計100質量部に対して1〜10質量部であり、
グリシジル(メタ)アクリレートの量が、(メタ)アクリル酸1モルに対して0.25〜2.5モルである、耐熱マスキングテープ。
【請求項3】
アルキル(メタ)アクリレートは、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、tert-ブチルアクリレート及びイソボルニルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2記載の耐熱マスキングテープ。
【請求項4】
耐熱性バッキンフフィルム層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンナフタレート又はポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリイミドからなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載の耐熱マスキングテープ。
【請求項5】
マスキングテープとリードフレームを積層し、リードフレームに半導体チップを取り付け、該チップを電気的に導通させ、オーバーモールディングコンパウンドを用いてパッケージを樹脂封止するチップスケールパッケージの製造方法において、前記マスキングテープが請求項1〜4のいずれか1項記載の耐熱マスキングテープであり、前記オーバーモールディングコンパウンドがエポキシモールディングコンパウンド(EMC)である、チップスケールパッケージの製造方法。
【請求項6】
前記エポキシモールディングコンパウンド(EMC)は25℃におけるSP値が20.0MPa0.5で超え26.0MPa0.5以下であり、前記粘着剤層を構成するポリマーはSP値が20.0MPa0.5以下である、請求項5記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−144047(P2008−144047A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333151(P2006−333151)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】