説明

耐風ヒータ

本発明は、ガス供給配管からガスを受容するための1つ以上のガス入口105と、1つ以上の空気入口110と、1つ以上の空気入口110を通じて導入される空気を利用することによって1つ以上のガス入口105からのガスを燃焼するための1つ以上のガスバーナー120A〜120Eと、1つ以上のガスバーナー120A〜120Eによって発生されるエネルギを利用することによって赤外線を放射する1つ以上の放熱要素125A〜125Eと、炎が存在するか否かを検出するために複数の放熱要素125A〜125Eの近傍に設けられている1つ以上のイオン化プローブ130Aと、1つ以上のガスバーナーと1つ以上の放熱要素125A〜125Eと1つ以上のイオン化プローブ130Aとを収容するハウジングと、イオン化プローブ130A及び1つ以上のガス入口105と電気通信している1つ以上の制御ユニットであって、1つ以上のイオン化プローブ130Aが、炎が存在するか否かを検出した場合に、ガスの供給を停止するように動作する1つ以上の制御ユニットと、を備えている放射ガスヒータを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射ガスヒータ(radiant gas heater)に関し、より具体的には風が強い状態であっても動作可能な屋外用放射ガスヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の嗜好の変化及び規則の変化(すなわち禁煙)によって、屋外領域の商業的及び家庭的な利用が食事及び娯楽のために高まっている。その結果として、放射ガスヒータ又は屋外用ヒータの利用が高まっている。
【0003】
輻射ガスヒータは、屋外での利用に不可欠な放射熱の効率的な熱源を提供する。セラミック製タイルを有している放射ガスヒータは、特に効果的である。しかしながら、このタイプの放射ガスヒータは、風が強い状態では放射ガスヒータが十分に機能しないという課題を有している。放射ガスヒータは、正常に機能及び燃焼するために低速且つ一定の空気流を必要とするからである。風の乱れに起因して、バーナーの機能が停止するだろう。
【0004】
このような問題を低減するために、電気制御式ガス弁が利用される。これにより、炎が消えた場合に、放射ガスヒータの運転が、バーナーを手動で点火、再点火、及び消火することなく停止される。
【0005】
電子制御式ガス弁は、一般に、熱電対と点火用バーナー装置とを備えている。熱電対は、炎の存在を検出するために利用され、(風から隔離するようにメインバーナーから離隔している)点火用バーナーと共に動作する。点火用バーナーは、一般に、一定の炎を維持するように筐体内に収容されている。
【0006】
このような配置の問題は、風の中においてメインバーナーの点灯状態を維持するために点火用バーナーを利用することに関する信頼性が乏しいことである。メインバーナーが依然として消えており、メインバーナーが吹き消される度に点火用バーナーから再点火する必要があるからである。従って、再点火前にガス制御のロックアウトが発生する場合があるので、矛盾した結果となる。ロックアウトが発生した場合には、完全な手作業による再設定が必要とされる。電力を供給停止して再接続する必要がある場合があるからである。
【0007】
イオン化検出器を利用することによって、点火用バーナーを利用しないで済む。イオン化検出器は、メインバーナーに直接設けられている場合があり、これにより炎が消えた場合には、急速に点火すること及び急速に運転停止することを可能とする。しかしながら、イオン化検出器に関する問題は、イオン化検出器が屋内での利用に適しているにすぎないことである。イオン化検出器の設備は、イオン化検出器の応答速度が速いことに鑑みて、強風に曝されているバーナーで利用する必要が無いので、屋外での利用に適していない。このような設備は、風を避けることができないので、屋外で利用することができない。イオン化システムを利用することによって、結果として、バーナーの断続的な“吹き消し(blow out)”(消火)が問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、上述の欠点を低減する又は少なくとも改善する、改良された放射ガスヒータを提供することが望ましい。
【0009】
本明細書では、先行技術として付与される任意の事項に対する参照は、当該事項がオーストラリアや他の国において既知であることを認めるものとして、又は本明細書が含む情報が本明細書の一部分を形成している特許請求の範囲の優先日の時点において共通する一般知識の一部分であることを認めるものとして扱われるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このことを考慮して、本発明の一の実施態様では、放射ガスヒータは、ガス供給配管からガスを受容するための1つ以上のガス入口と、1つ以上の空気入口と、1つ以上の空気入口を通じて導入される空気を利用することによって1つ以上のガス入口からのガスを燃焼するための1つ以上のガスバーナーと、1つ以上のガスバーナーによって発生されるエネルギを利用することによって赤外線を放射する1つ以上の放熱要素と、炎が存在するか否かを検出するために複数の放熱要素の近傍に設けられている1つ以上のイオン化プローブと、1つ以上のガスバーナーと1つ以上の放熱要素と1つ以上のイオン化プローブとを収容するハウジングと、イオン化プローブ及び1つ以上のガス入口と電気通信している1つ以上の制御ユニットであって、1つ以上のイオン化プローブが、炎が存在するか否かを検出した場合に、ガスの供給を停止するように動作する1つ以上の制御ユニットと、を備えている。
【0011】
優位には、少なくとも1つの(又は複数の)イオン化プローブを利用することによって、1つ以上の放熱要素を消すことができる。しかしながら、イオン化プローブが放熱要素のうち一の放熱要素において炎を依然として検知している場合には、ガスの供給は停止されない。優位には、この結果として、放射ガスヒータは、強風状態のときでさえ、安全を維持しつつ運転し続ける。さらに優位には、複数の放熱要素を横断している単一のイオン化プローブを利用することによって、ガスの供給が不必要に停止されることを避けつつ、コストを低減することができる。
【0012】
好ましくは、1つ以上のイオン化プローブが、複数の放熱要素の長さ方向において横断して延在している。
【0013】
代替的には、複数のイオン化プローブが、炎が存在しないことを検出するために、1つ以上の放熱要素の近傍に配設されている。
【0014】
優位には、複数のイオン化プローブを利用することによって、1つ以上のガスバーナーが消されるが、イオン化プローブのうち少なくとも1つのイオン化プローブが依然として炎を検知している場合には、ガスの供給が停止されない。優位には、この結果として、放射ガスヒータは、強風状態のときであっても、安全を維持しつつ動作し続ける。
【0015】
複数のイオン化プローブが、1つの放熱要素の長さ方向において横断して延在している。
【0016】
好ましくは、複数のイオン化プローブが、複数の放熱要素の長さ方向で横断して延在している。
【0017】
好ましくは、1つ以上のイオン化プローブが、炎が放熱要素のうち少なくとも1つの放熱要素に存在することを検出した場合に、1つ以上の制御ユニットが、ガスの供給を維持するように動作する。
【0018】
優位には、1つ以上のイオン化プローブが、イオン化プローブを横断している(単一の放熱要素又は多数の放熱要素を横断している場合がある)任意の地点において炎が存在するか否かを検知した場合には、これにより、放射ガスヒータは、1つ以上の(しかしながら、すべてではない)ガスバーナーに炎が存在しない場合であっても維持される。炎は、制御ユニットに関する最小電流要求を満たすに十分なイオン化レベルを発生させるに十分な強さを有している必要がある。優位には、当該装置は、乱れた風を原因とする放熱要素の特定部分の周囲に発生する、低温地点に起因する吹き消しを防止することができる。さらに優位には、多数のイオン化プローブ(又は、多数の放熱要素を横断している単一のイオン化プローブ)を利用することによって、(炎が十分に強い場合には)放熱要素に沿った地点を横断している炎の存在を検出することができる。一定のガスが放熱要素を通じて流れることによって、交差照明が確実に発生し続けるので、トータルブローアウトを回避することができる。
【0019】
好ましくは、1つ以上のイオン化プローブが、炎が複数の放熱要素それぞれに存在しないことを検出した場合に、1つ以上の制御ユニットが、ガスの供給を停止するように動作する。優位には、トータルブローアウトが存在する場合(すなわち、すべてのガスバーナーが吹き消された場合)には、制御ユニットがガスの供給を停止させる。
【0020】
放熱要素が、セラミック製タイル、圧縮された金属製メッシュ、及び金属発泡体から選択される。
【0021】
好ましくは、1つ以上の前記イオン化プローブと1つ以上の前記放熱要素との間に位置決めされている1つ以上のスペーサ要素を含んでいる。
【0022】
優位には、スペーサ要素は、イオン化プローブが過剰な熱から保護されるようにイオン化プローブを位置決めすると同時に、イオン化プローブの位置と、イオン化プローブと放熱要素との距離とを固定する。
【0023】
好ましくは、1つ以上のスペーサ要素が、例えばセラミックのような非導電性材料から作られている。
【0024】
好ましくは、複数のイオン化プローブが、制御ユニットに取り付けるためにイオン化プローブの一端に固定されている取付部を含んでいる。
【0025】
優位には、取付部は、放射ガスヒータの長い利用期間に亘ってイオン化プローブが接地されることを防止する。
【0026】
好ましくは、取付部が、例えばセラミックのような非導電性材料から作られている。
【0027】
好ましくは、放射ガスヒータが、ハウジングに取付可能なカバーを含んでおり、カバーが、セラミックガラスから形成されている。優位には、カバーは、放射ガスヒータが風の影響を受けることを防止するように機能する。
【0028】
代替的には、放射ガスヒータが、ハウジングに取付可能なカバーを含んでおり、カバーが、赤外放射が通過する複数の開口部を含んでいる。
【0029】
優位には、カバーは、放射ガスヒータが風の影響を受けることを防止するように機能するが、フルカバーより少ない材料で作られているので、製造コストを低減することができる。
【0030】
好ましくは、カバーが、高い耐熱性を有していると共に赤外放射を透過する材料から形成されている。
【0031】
好ましくは、複数の開口部の合算した表面領域が、カバーの全表面の45%〜55%とされる。
【0032】
より好ましくは、複数の開口部の合算した表面領域が、カバーの全表面の49%〜51%とされる。
【0033】
優位には、熱が開口部を介して流れるが、風によってガスバーナーが消されることが防止される。カバーの全表面領域に対する開口部の上述の表面領域の比率が、熱の流れと耐風性とのバランスを提供する。
【0034】
本発明の様々な特徴及びステップについて、以下の説明で詳細に説明する。本発明の理解を容易にするために、本明細書において、本発明の好ましい実施例を図示している添付図面を参照する。しかしながら、本発明は、図示された好ましい実施例に限定される訳ではないことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1a】本発明の一の実施例における放射ガスヒータの斜視図である。
【図1b】図1aに表わす放射ガスヒータの前面図である。
【図2】図1a及び図1bに表わす放射ガスヒータと共に利用するためのカバーの前面図である。
【図3a】図1a及び図1bに表わす放射ガスヒータのイオン化プローブの配置を表わす配置図である。
【図3b】図1a及び図1bに表わす放射ガスヒータのイオン化プローブの配置を表わす配置図である。
【図3c】図1a及び図1bに表わす放射ガスヒータのイオン化プローブの配置を表わす配置図である。
【図3d】図1a及び図1bに表わす放射ガスヒータのイオン化プローブの配置を表わす配置図である。
【図3e】図1a及び図1bに表わす放射ガスヒータのイオン化プローブの配置を表わす配置図である。
【図3f】図1a及び図1bに表わす放射ガスヒータのイオン化プローブの配置を表わす配置図である。
【図3g】図1a及び図1bに表わす放射ガスヒータのイオン化プローブの配置を表わす配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に表わす放射ガスヒータ100は、ガス供給配管(図示しない)からガスを受容するためのガス入口105を含んでおり、空気を取り込むと共に余分なガスを逃がすための複数の空気入口110が、放射ガスヒータ100のハウジング115の下面に形成されている。また、ハウジング115は、複数のガスバーナー120A〜120Eを含んでおり、ガスバーナー120A〜120E内では、空気入口110を通じて取り込まれた空気中の酸素を利用することによって、ガス入口105からのガスが燃焼される。余分なガスは、同一の空気入口110を通じて、又は代替的には、別の排出口(図示しない)から、ハウジング115から流出する。言うまでもなく、任意の数量のガスバーナーが放射ガスヒータ100に設けられている。取付ブラケット160が、放射ガスヒータ100を表面に取り付けるためにハウジング115に取り付けられている。
【0037】
さらに、放射ガスヒータ100は、放熱要素125A〜125Eを含んでおり、放熱要素125A〜125Eそれぞれが、ガスバーナー120A〜120Eの前方に載置されている。言うまでもなく、放熱要素それぞれに対して一のガスバーナーが設けられているか、又は2つの放熱要素に対して一のガスバーナーが設けられている。放熱要素125A〜125Eは、ガスバーナー120A〜120Eが発生させるエネルギを利用することによって赤外放射を放出する。その後に、熱は、カバー(図2参照)を通じて、放熱要素125A〜125Eから離隔する方向に向かい、屋外領域に放たれる。放熱要素は、好ましくはセラミック製タイルであるが、任意の他の適切な材料(例えば圧縮された金属製メッシュや金属発泡体)から作られていても良い。代替的な実施例では、一方のハウジングがガスバーナーを収容すると共に他方のハウジングが放熱要素等を収容するように、ガスバーナー120A〜120Eと放熱要素125A〜125Eとを収容している複数のハウジング115が設けられている。放射ガスヒータ100は、放熱要素125A〜125Eを点火又は再点火するための点火装置165と、第1の端部135A,135Bそれぞれ及び第2の端部140A,140Bそれぞれを有している2つのイオン化プローブ130A,130Bとを含んでいる。イオン化プローブ130A,130Bは、放熱要素125A〜125Eの近傍に位置決めされている。イオン化プローブ130A,130Bの第1の端部135A,135Bは、ハウジング115に取り付けられている制御ユニット150A,150Bに固定されている、取付部145A,145Bを含んでいる。取付部145A,145Bは、放射ガスヒータ100の長い使用期間に亘ってイオン化プローブが接地されることを防止するために利用される。イオン化プローブが真導体(最も単純な構造を有しているワイヤ)であるので、ワイヤの表面が、熱及び外部環境に対する曝露を通じて徐々に酸化し、これにより、ワイヤの表面には絶縁層が形成される。電気信号は、地面に対する最短経路を発見するだろう。そして、取付部145A,145Bが利用されていない場合には、電気信号は、地面に向かって流れ、消失されるだろう(これによって炎が消される。安全上の理由でイオン化回路が接地されるからである)。取付部が金属製である場合、又は金属製ホルダを介して金属製ホルダ同士の間に(ガスバーナー同士の間に)保持されているセラミック製リングが利用される場合には、このような状況が発生する。イオン化プローブ130A,130Bは、取付部145A,145Bによって第1の端部135A,135Bに固定されており、また、スペーサ要素155を介して放熱要素125A〜125Eに固定されている。スペーサ要素155は、好ましくはイオン化プローブ130A,130Bの第2の端部140A,140Bに、及び、イオン化プローブの第1の端部と第2の端部との間の地点に配置されている。好ましくは、スペーサ要素155は、放熱要素125A〜125Eから3mm〜4mm離隔して、イオン化プローブを配置させている。スペーサ要素155は、好ましくは、例えばセラミックのような非導電性材料から作られている。
【0038】
制御ユニット150A,150Bは、ガスバーナー120A〜120Eに対するガスの動作を制御するために、ガス入口及びガス弁(図示しない)と電気通信している。動作中において、イオン化プローブ130A,130Bは、1つ以上の放熱要素125A〜125Eのうち1つ以上の放熱要素の近傍に配置されている。イオン化プローブ130A,130Bは、短い応答時間で炎の存在を検出するので、短時間での点火、及び消炎した場合における短時間での運転停止を実現する。一般に、消炎は、1つ以上のガスバーナーを吹き消すような強風に起因する。当業者にとっては明白であるので、イオン化プローブの動作について詳述しない。イオン化プローブの動作原理は、小さな電流がイオン化プローブと地面との間に流れ、炎がイオン化プローブと地面との間にイオン化された経路を生成することにある。炎が(例えば強風に起因して揺らいでいるような)不安定な状態にある場合には、イオン化された経路が乱され、電流信号に干渉が生じる。この場合、制御ユニットは、ガスの供給を停止し、暫く後にシステムの再起動を試みる。イオン化プローブが、微小電流がロッドと地面との間に流れることに基づいて動作するからである。炎はイオン化経路として機能するので、両方のセンサによって炎が存在しないことを検知された場合には、放射ガスヒータはほとんど間を置かずに(数マイクロ秒後に)停止する。
【0039】
本発明では、放熱要素125A〜125Eに沿って延在している複数のイオン化プローブが設けられているので、一定且つ連続的な信号が、イオン化プローブによって放熱要素125A〜125Eの比較的大きな領域に亘って確実に検出される。このようにして、放熱要素125A,125Bが、左から右に吹き抜ける風の影響を受けている場合には、イオン化プローブ130Aが、不安定な状態を検出し、制御ユニット150Aを介してガスバーナー120A〜120Eの運転停止を試みる。しかしながら、放熱要素125C,125D,125Eが消えていないか、又は不安定な状態でない場合がある。このことは、イオン化プローブ130Bによって決定される。イオン化プローブ130Bが、不安定状態が存在しないと判定した場合には、その後に、ガスバーナー120A〜120Eは運転停止しないだろう。放熱要素125A,125Bに関連するガスバーナー120A及び/又は120Bが消火され、ガスを漏出している場合であっても、放熱要素120C,125D,125Eが、(近くに設けられているので)直ちに放熱要素125B,125Aを安全に再点火可能なためである。優位には、この結果として、放射ガスヒータ100は、強風状態であっても、安全を維持しつつ運転し続けることができる。
【0040】
イオン化プローブ130A,130Bの両方が、ガスバーナー120A〜120Eが消えていることを検出した場合には、その後に、制御ユニット150A,150Bはガスの供給を停止する。
【0041】
複数のイオン化プローブが、放熱要素125A〜125Eのうち1つ以上の放熱要素の表面領域を横断して任意の方向に延在して配置されていることに留意すべきである。このことは図3A〜図3Fに表わされている。
【0042】
さらに、図3Gに表わすように、一のイオン化プローブが、放熱要素125A〜125Eのうち複数の放熱要素の表面領域を横断して任意の方向に延在して配置されている場合がある。優位には、例えばイオン化プローブを利用することによって、放熱要素125Aを消火することができるが、イオン化プローブが他の放熱要素125Bにおいて炎を依然として検出している場合には、ガスの供給は停止されない。優位には、この結果として、放射ガスヒータは、強風状態であっても、安全を維持しつつ運転し続けることができる。さらに優位には、複数の放熱要素を横断している一のイオン化プローブのみを利用することによって、ガスの供給が不必要に停止されることを防止しつつコストを低減することができる。
【0043】
図2は、ハウジング115を覆っているカバー200を表わす。カバー200は、複数の開口部205を含んでおり、好ましくは、開口部205それぞれの形状が略円状とされる。代替的には、開口部の形状は四角状又は楕円状とされる。連続的な(すなわち円状又は楕円状の)縁部を有している開口部は、多数の様々な方向から放熱要素に(すなわち、異なる平面X及び平面Yに)風を受けた場合に、ウインドディフューザとして最良に機能する。優位には、ハウジング115を覆っているカバー200が、放射ガスヒータ100が風を受け易くすることをさらに補助するように機能する。開口部205は、熱を流通させるが、風がガスバーナー120A〜120Eを吹き消すことを防止するようにも機能する。カバー200の全表面領域に対する開口部205の配置、特に開口部205の表面領域の配置が、熱の流れと耐風とのバランスをもたらす。
【0044】
好ましくは、複数の開口部の合算した表面領域が、カバーの全表面領域の45%〜55%とされる。より好ましくは、複数の開口部の合算した表面領域が、カバーの全表面領域の49%〜51%とされる。また、45%〜55%の領域が、開口部205の大きさ及び配列に影響を与える。好ましい直径の大きさは、約7mm〜約12mmとされる。
【0045】
図3A〜図3Fは、本発明における複数のイオン化プローブの実施可能な構成の概略図である。図3Gは、一のイオン化プローブが放熱要素125A〜125Eのうち複数の放熱要素を横断して任意の方向に延在して配置されている、一の実施可能な構成を表わす概略図である。図3Aは、3つの放熱要素125A,125B,125Cを有している放射ガスヒータ100を表わす。放熱要素125A,125B,125Cそれぞれが、放熱要素125A,125B,125Cにおいて炎が存在するか否かを検出するための、2つのイオン化プローブ305,310;315,320;325,330を有している。イオン化プローブ305,310;315,320;325,330が放熱要素125A,125B,125Cにおいて不安定状態を検出した場合には、当該イオン化プローブは、制御ユニット150Aを介して放熱要素125A,125B,125Cに関連するガスバーナーの運転を停止する。しかしながら、放熱要素125A,125B,125Cのうち1つの放熱要素が(又は2つの放熱要素でさえ)消火されていないか、又は不安定状態でない場合がある。このことは、イオン化プローブ305,310;315,320;325,330によって判定される。イオン化プローブ305,310;315,320;325,330が、不安定状態が存在しないと判定した場合には、その後に、放熱要素125A,125B,125Cに関連するガスバーナーの運転は停止されないだろう。例えば放熱要素125A,125Bに関連するガスガーナ―が消火され、ガスを漏出させている場合であっても、放熱要素125Cは放熱要素125B,125Aを安全に且つ直ちに再点火可能なためである。優位には、この結果として、放射ガスヒータ100は、強風状態の場合であっても、安全を維持しつつ運転を維持し続けることができる。
【0046】
図3Bは、3つの放熱要素125A,125B,125Cを有している放射ガスヒータ100を表わす。放熱要素125A,125Cは、イオン化プローブ335,340を有している。炎が存在するか否かを検出するために、イオン化プローブ335が放熱要素125A,125Bを横断して延在している一方、イオンプローブ340は放熱要素125C,125Bを横断して延在している。
【0047】
図3Cは、3つの放熱要素125A,125B,125Cを有している放射ガスヒータ100を表わす。放熱要素125A,125B,125Cそれぞれが、炎が存在するか否かを検出するために傾斜した状態で位置決めされている、2つのイオン化プローブ345,350;355,360;365,370を有している。
【0048】
図3Dは、3つの放熱要素125A,125B,125Cを有している放射ガスヒータ100を表わす。放熱要素125A,125Cはイオン化プローブ375,380を有している。炎が存在するか否かを検出するために、イオン化プローブ375が傾斜した状態で放熱要素125A,125Bを横断して延在している一方、イオン化プローブ340は傾斜した状態で放熱要素125C,125Bを横断して延在している。
【0049】
図3Eは、3つの放熱要素125A,125B,125Cを有している放射ガスヒータ100を表わす。放熱要素125A,125Cはイオン化プローブ385,390を有している。炎が存在するか否かを検出するために、イオン化プローブ385が放熱要素125A,125B,125Cを横断して延在している一方、イオン化プローブ390が放熱要素125C,125B,125Aを横断して延在している。
【0050】
図3Fは、3つの放熱要素125A,125B,125Cを有している放射ガスヒータ100を表わす。放熱要素125A,125B,125Cそれぞれが、炎が存在するか否かを検出するために、3つのイオン化プローブ395,400,405;410,415,420;425,430,435;を有している。
【0051】
図3Gは、3つの放熱要素125A,125B,125Cを有している放射ガスヒータ100を表わす。放熱要素125Aはイオン化プローブ440を有している。イオン化プローブ440は、炎が放熱要素125A,125B,125Cに存在するか否かを検出するために、放熱要素125A,125B,125Cを横断して延在している。イオン化プローブ440が、放熱要素125A,125B,125Cについて不安定な状態にあることを検出した場合には、その後に、イオン化プローブ440は、制御ユニット150Aを介して、放熱要素125A,125B,125Cに関連するガスバーナーを運転停止させるだろう。しかしながら、放熱要素125A,125B,125Cのうち1つの放熱要素が(又は2つの放熱要素でさえ)消化されていないか、又は不安定状態でない場合がある。このことは、イオン化プローブ440によって判定される。イオン化プローブ440が不安定状態は存在しないと判定した場合には、その後に、放熱要素125A,125B,125Cに関連するガスバーナーは運転停止されないだろう。放熱要素125A,125Bに関連するガスバーナーが消され、ガスを漏出している場合であっても、放熱要素125Cは(近くに設けられているので)直ちに放熱要素125B,125Aを安全に再点火可能なためである。優位には、この結果として、放射ガスヒータ100は、強風状態であっても、安全を維持しつつ運転し続けることができる。
【0052】
本発明の典型的な実施例について説明することを目的として開示したが、当業者であれば、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、様々な改良、追加、及び代替を想到することができるだろう。従って、本発明は、上述の実施例に限定される訳ではなく、特許請求の範囲によって定義されるものである。
【符号の説明】
【0053】
100 放射ガスヒータ
105 ガス入口
110 空気入口
115 ハウジング
120A ガスバーナー
120B ガスバーナー
120C ガスバーナー
120D ガスバーナー
120E ガスバーナー
125A 放熱要素
125B 放熱要素
125C 放熱要素
125D 放熱要素
125E 放熱要素
135A 第1の端部
135B 第1の端部
140A 第2の端部
140B 第2の端部
145A 取付部
145B 取付部
150A 制御ユニット
150B 制御ユニット
155 スペーサ要素
160 取付ブラケット
165 点火装置
200 カバー
205 開口部
335 イオン化プローブ
340 イオン化プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給配管からガスを受容するための1つ以上のガス入口と、
1つ以上の空気入口と、
1つ以上の前記空気入口を通じて導入される酸素を利用することによって1つ以上の前記ガス入口からのガスを燃焼するための1つ以上のガスバーナーと、
1つ以上の前記ガスバーナーによって発生されるエネルギを利用することによって赤外線放射を放出する1つ以上の放熱要素と、
炎が存在するか否かを検出するために複数の前記放熱要素の近傍に設けられている1つ以上のイオン化プローブと、
1つ以上の前記ガスバーナーと1つ以上の前記放熱要素と1つ以上の前記イオン化プローブとを収容するハウジングと、
前記イオン化プローブ及び1つ以上の前記ガス入口と電気通信している1つ以上の制御ユニットであって、1つ以上の前記イオン化プローブによって、炎が存在しないことが検出された場合に、ガスの供給を停止するように動作する1つ以上の前記制御ユニットと、
を備えていることを特徴とする放射ガスヒータ。
【請求項2】
1つ以上の前記イオン化プローブが、複数の前記放熱要素の長さ方向において横断して延在していることを特徴とする請求項1に記載の放射ガスヒータ。
【請求項3】
複数の前記イオン化プローブが、炎が存在しないことを検出するために、1つ以上の前記放熱要素の近傍に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の放射ガスヒータ。
【請求項4】
複数の前記イオン化プローブが、1つの前記放熱要素の長さ方向において横断して延在していることを特徴とする請求項3に記載の放射ガスヒータ。
【請求項5】
複数の前記イオン化プローブが、複数の前記放熱要素の長さ方向において横断して延在していることを特徴とする請求項4に記載の放射ガスヒータ。
【請求項6】
1つ以上の前記イオン化プローブが、少なくとも1つの前記放熱要素について炎が存在することを検出した場合に、1つ以上の前記制御ユニットが、ガスの供給を維持するように動作することを特徴とする請求項1に記載の放射ガスヒータ。
【請求項7】
1つ以上の前記イオン化プローブが、複数の前記放熱要素それぞれについて炎が存在しないことを検出した場合に、1つ以上の前記制御ユニットが、ガスの供給を停止するように動作することを特徴とする請求項1に記載の放射ガスヒータ。
【請求項8】
前記放熱要素が、セラミック製タイル、圧縮された金属製メッシュ、及び金属発泡体から選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の放射ガスヒータ。
【請求項9】
1つ以上の前記イオン化プローブと1つ以上の前記放熱要素との間に位置決めされている1つ以上のスペーサ要素を含んでいることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の放射ガスヒータ。
【請求項10】
1つ以上のスペーサ要素が、例えばセラミックのような非導電性材料から作られていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の放射ガスヒータ。
【請求項11】
複数の前記イオン化プローブが、前記制御ユニットに取り付けるために前記イオン化プローブの一端に固定されている取付部を含んでいることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の放射ガスヒータ。
【請求項12】
前記取付部が、例えばセラミックのような非導電性材料から作られていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の放射ガスヒータ。
【請求項13】
前記放射ガスヒータが、前記ハウジングに取付可能なカバーを含んでおり、
前記カバーが、セラミックガラスから形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の放射ガスヒータ。
【請求項14】
前記放射ガスヒータが、前記ハウジングに取付可能なカバーを含んでおり、
前記カバーが、赤外放射が通過する複数の開口部を含んでいることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の放射ガスヒータ。
【請求項15】
前記カバーが、高い耐熱性を有していると共に赤外放射を透過する材料から形成されていることを特徴とする請求項14に記載の放射ガスヒータ。
【請求項16】
複数の前記開口部の合算した表面領域が、前記カバーの全表面の45%〜55%とされることを特徴とする請求項14又は15に記載の放射ガスヒータ。
【請求項17】
複数の前記開口部の合算した表面領域が、前記カバーの全表面の49%〜51%とされることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の放射ガスヒータ。
【請求項18】
本明細書において添付図面を参照して説明されていることを特徴とする放射ガスヒータ。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【公表番号】特表2013−521460(P2013−521460A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555255(P2012−555255)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/AU2011/000204
【国際公開番号】WO2011/106824
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512227111)ブロミック・ヒーティング・ピーティーワイ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】