耕耘爪
【課題】耕耘性能(細土性能や残耕を少なくする性能)を容易に高めることができ、かつコストを抑えることができる耕耘爪を提供する。
【解決手段】耕耘爪25は、右耕耘軸23に取り付けられ、右耕耘軸23を回転することにより耕耘作業をおこなう爪である。この耕耘爪25は、右耕耘軸23の回転方向に対して平行に配置された支持部32と、支持部32の先端32aから右耕耘軸23の回転方向に向けて延出された切削部34とを有する。切削部34は、半径方向外側に向けて折り曲げられた屈曲部35と、屈曲部35の屈曲回転軌跡45より内側に位置する後切削部36と、屈曲回転軌跡45より外側に位置する前切削部37とを有する。
【解決手段】耕耘爪25は、右耕耘軸23に取り付けられ、右耕耘軸23を回転することにより耕耘作業をおこなう爪である。この耕耘爪25は、右耕耘軸23の回転方向に対して平行に配置された支持部32と、支持部32の先端32aから右耕耘軸23の回転方向に向けて延出された切削部34とを有する。切削部34は、半径方向外側に向けて折り曲げられた屈曲部35と、屈曲部35の屈曲回転軌跡45より内側に位置する後切削部36と、屈曲回転軌跡45より外側に位置する前切削部37とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘機に備えた耕耘軸に取り付けられ、耕耘軸を回転することにより耕耘作業をおこなう耕耘爪に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘機は、耕耘軸に複数の耕耘爪が取り付けられ、この状態で耕耘軸を回転することにより複数の耕耘爪を回転させ、回転する耕耘爪で土壌を耕耘するように構成されている。
耕耘機に備える耕耘爪は、通常、帯状の部材が折り曲げられて形成されている。
この耕耘爪のなかには、耕耘軸から帯状の支持部が外方に向けて略放射状に突出され、支持部の先端から耕耘軸の回転方向に向けて帯状の切削部が延出されたものが知られている。
支持部および切削部で耕耘爪が側面視略L字状に形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−65403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、耕耘爪で土壌を耕耘する際に、土壌をある程度細かく耕耘し、かつ土壌の残耕を少なくするように耕耘性能を高めることが好ましい。
耕耘性能を高める対策として、一般に、耕耘軸、耕耘軸に取り付けられた耕耘爪、および耕耘軸に回転力を伝える動力伝達部(動力伝達ケース)などの各構成部材を耕耘性能を高めるように組み合わせる方法が知られている。
【0005】
しかし、この方法は、耕耘性能を高めるために各構成部材の組合わせを最良となるように導き出す必要があり、各構成部材の組合わせを決めることが難しい。
さらに、この方法は、各構成部材(すなわち、複数の構成部材)を新たに形成する必要があり、コストを抑えることが難しい。
【0006】
本発明は、耕耘性能(すなわち、土壌を細かく耕耘する細土性能や、土壌の残耕を少なくする性能)を容易に高めることができ、かつコストを抑えることができる耕耘爪を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、耕耘機に設けられた耕耘軸に取り付けられ、該耕耘軸を回転することにより耕耘作業をおこなう耕耘爪であって、前記耕耘爪は、前記耕耘軸の回転方向に対して平行に配置され、かつ前記耕耘軸から半径方向に沿って外方に突出された支持部と、前記支持部の先端から前記耕耘軸側に折り曲げられ、かつ、前記耕耘軸の回転方向に向けて延出された切削部と、を有し、前記切削部は、根元および先端間に半径方向外側に向けて突出するように折り曲げられた屈曲部と、前記屈曲部および前記根元間を形成し、前記屈曲部の回転軌跡より内側に位置する後切削部と、前記屈曲部および前記先端間を形成し、前記屈曲部の回転軌跡上、または前記回転軌跡より外側に位置する前切削部と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2は、前記切削部は帯状に形成され、前記後切削部が、前記耕耘軸の軸方向に対して外面が略平行に配置され、前記前切削部は、前記屈曲部から前記後切削部に対してねじられることにより、前記耕耘軸の軸方向に対して外面が傾いて配置されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3は、前記耕耘軸は、前記耕耘機に備えられた動力伝達部から突出され、前記前切削部は、内面が前記動力伝達部に対向するように配置されたことを特徴とする。
【0010】
請求項4は、前記前切削部は、先端が先細状に形成され、先細状の先端が前記耕耘爪の最大回転軌跡上で、かつ前記支持部に対して前記耕耘軸の軸方向に最も離れた前記耕耘爪の外側位置に設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項5は、前記前切削部は、前記支持部に対して略平行に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、切削部の根元および先端間に備えた屈曲部を半径方向外側に向けて突出するように折り曲げた。さらに、この屈曲部の回転軌跡上、または回転軌跡より外側に前切削部を配置した。
よって、耕耘爪を回転させた際に、前切削部が土壌に接触する面積を大きく確保できるので前切削部で土壌を崩しやすくできる。
【0013】
このように、土壌を前切削部で崩しやすくすることで、崩した土壌を細かく耕耘する細土性能を高め、さらに土壌の残耕を少なく抑えることができる。
これにより、耕耘爪を変えるだけで、土壌を細かく耕耘する細土性能や、土壌の残耕を少なくする性能、すなわち耕耘性能を容易に高めることができる。
さらに、耕耘性能を耕耘爪を変えるだけで容易に高めることができるので、従来のように耕耘軸や動力伝達部(動力伝達ケース)などの各構成部材を新たに形成する必要がなく、コストを抑えることができる。
【0014】
ここで、耕耘機の振動を抑えるために、土壌から耕耘爪に作用する反力を小さく抑えることが好ましい。
そこで、請求項1において、屈曲部の回転軌跡より内側に後切削部を配置した。
よって、耕耘爪を回転させた際に後切削部が、耕耘前の土壌(未耕耘土壌)に接触しないようにできる。これにより、土壌から後切削部に作用する反力を小さく抑えることができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、前切削部を屈曲部からねじることにより、前切削部の外面を耕耘軸の軸方向に対して傾かせることができる。
このように、前切削部の外面を傾かせることで、耕耘爪を回転させた際に、土壌から前切削部の外面に作用する反力を、「耕耘爪の回転軌跡で形成する面(以下、回転軌跡面という)」に対して傾かせることができる。
土壌から前切削部の外面に作用する反力を回転軌跡面に対して傾かせることで、前切削部の外面に作用する反力のうち、回転軌跡面に沿った方向の反力を小さく抑えることができる。
【0016】
加えて、前切削部の外面に作用する反力のうち、回転軌跡面に沿った方向の反力を小さく抑えることで、前切削部が回転軌跡面に沿った方向(すなわち、回転軌跡の半径方向)に振動することを抑えることができる。
これにより、前切削部の先端で土壌に大きな打込力を与えることができるので、前切削部で土壌をさらに崩しやすくして土壌を一層細かく耕耘することができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、前切削部の内面を動力伝達部に対向させて配置した。
前切削部の内面を動力伝達部に対向させて配置した理由はつぎの通りである。
すなわち、耕耘軸は動力伝達部から左右側にそれぞれ突出され、耕耘軸に耕耘爪が取り付けられている。
よって、耕耘爪は動力伝達部を回避させて取り付けられる。このため、動力伝達部近傍(耕耘機の幅方向中央)の土壌を耕耘爪で耕耘することが難しく、動力伝達部近傍の土壌を耕耘するための工夫が必要とされている。
【0018】
そこで、請求項3において、前切削部の内面を動力伝達部に対向させて配置した。
このように、前切削部の内面を動力伝達部に対向させることで、前切削部で土壌に打込力を与えて土壌を耕耘する際に、打込力を動力伝達部に向けて作用させることができる。
よって、前切削部および動力伝達部間の土壌、すなわち動力伝達部近傍(耕耘機の幅方向中央)の土壌を好適に耕耘することができる。
これにより、土壌の残耕を一層少なく抑えて耕耘性能をさらに高めることができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、前切削部の先端を先細状に形成し、この先端を、耕耘爪の最大回転軌跡上で、かつ耕耘爪の外側位置に設けた。
ここで、耕耘爪の最大回転軌跡上で、かつ耕耘爪の外側位置は、耕耘爪を回転させた際に最大回転軌跡で、かつ外側位置となる位置である。
よって、最大回転軌跡上で、かつ耕耘爪の外側位置の土壌を耕耘爪で確実に耕耘することができる。これにより、耕耘爪による土壌を細かく耕耘する細土性能を一層高めることができ、さらに土壌の残耕を一層少なく抑えることができる。
【0020】
請求項5に係る発明では、前切削部を支持部に対して略平行に設けた。
よって、前切削部の先端を土壌に打ち込む際に、土壌から先端に作用する反力を前切削部で良好に支えることができる。
これにより、前切削部の先端で土壌に大きな打込力を与えることができるので、前切削部で土壌をさらに崩しやすくして土壌を一層細かく耕耘することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る耕耘爪を備えた耕耘機を示す斜視図である。
【図2】図1の右耕耘爪ユニットを前方から見た状態を示す正面図である。
【図3】図2の3矢視図である。
【図4】本発明に係る耕耘爪を示す斜視図である。
【図5】図4の耕耘爪を示す側面図である。
【図6】(a)は図4の耕耘爪を示す正面図、(b)は(a)の前切削部を示す断面図である。
【図7】図4の耕耘爪を示す平面図である。
【図8】(a)は図5の耕耘爪を比較例と比べた状態を示す側面図、(b)は図6(a)の耕耘爪を比較例と比べた状態を示す正面図である。
【図9】比較例の耕耘爪で土壌を耕耘する例を説明する平面図である。
【図10】実施例の耕耘爪で土壌を耕耘する例を説明する平面図である。
【図11】比較例の耕耘状態および実施例の耕耘状態を対比させながら説明する平面図である。
【図12】実施例の耕耘爪で動力伝達ケース近傍の土壌を耕耘する例を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は操作者から見た方向にしたがう。
【実施例】
【0023】
実施例に係る耕耘爪25について説明する。
図1に示すように、耕耘機10は、耕耘機本体11から後上方へ向けて延出されたハンドルコラム12と、ハンドルコラム12の上端部に設けられた操作ハンドル13と、耕耘機本体11の後端部11aに設けられた抵抗棒14とを備えている。
【0024】
さらに、図1、図2に示すように、耕耘機10は、耕耘機本体11の上端部に搭載されたエンジン16と、耕耘機本体11から下方に延びる動力伝達部(動力伝達ケースのみを図示する)17と、動力伝達ケース17の下端部17aから左右側に設けられた回転軸18と、回転軸18の右軸部18aに設けられた右耕耘爪ユニット21と、左軸部18bに設けられた左耕耘爪ユニット22とを備えている。
【0025】
右耕耘爪ユニット21は、回転軸18の右軸部18aに設けられた右耕耘軸(耕耘軸)23と、右耕耘軸23に設けられた複数の耕耘爪25とを備えている。
左耕耘爪ユニット22は、回転軸18の左軸部18bに設けられた左耕耘軸(耕耘軸)23と、左耕耘軸23に設けられた複数の耕耘爪25とを備えている。
【0026】
なお、左耕耘爪ユニット22は、右耕耘爪ユニット21と左右対称のユニットであり、左耕耘爪ユニット22の各構成部材に右耕耘爪ユニット21と同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
動力伝達ケース17内には動力伝達機構(図示せず)が収容されている。動力伝達ケース17内の動力伝達機構で、エンジン16の駆動力を回転軸18を介して左右の耕耘軸23に伝達させることができる。
右耕耘爪ユニット21および左耕耘爪ユニット22の上方にカバー26が設けられ、カバー26で複数の耕耘爪25の上方が覆われている。
【0028】
耕耘機10によれば、エンジン16の動力を動力伝達機構を介して回転軸18に伝え、回転軸18で左右の耕耘軸23を回転し、左右の耕耘軸23で複数の耕耘爪25を矢印方向に回転することができる。
複数の耕耘爪25を回転することにより、複数の耕耘爪25で耕耘機10を走行させながら、土壌54を耕耘することができる。
【0029】
すなわち、この耕耘機10は、操作者が操作ハンドル13を握った状態で、複数の耕耘爪25を矢印方向に回転させることにより、土壌54を耕耘しながら耕耘機10の後方から徒歩で追従する歩行型耕耘機である。
【0030】
図2、図3に示すように、右耕耘爪ユニット21は、回転軸18の右軸部18aに右耕耘軸23が同軸上に設けられている。
この右耕耘軸23に第1〜第7のホルダ27が右耕耘軸23の中央端部23aから外端部23bに向けて所定間隔をおいて順に設けられている。
以下、構成の理解を容易にするために、第1〜第7のホルダ27の符号を各々27A〜27Gとして説明する。
【0031】
具体的には、右耕耘軸23の中央端部23a近傍に第1ホルダ27Aが設けられている。
図4に示すように、第1ホルダ27Aに第1耕耘爪25が差し込まれた状態において、第1耕耘爪25が第1ホルダ27Aにボルト28、ナット29で取り付けられている。
【0032】
図2、図3に示すように、第2〜第7のホルダ27には、第1ホルダ27Aと同様に、第2〜第7の耕耘爪25が各々取り付けられている。
以下、構成の理解を容易にするために、第1〜第7の耕耘爪25の符号を各々25A〜25Gとして説明する。
なお、第1〜第7の耕耘爪25A〜25Gは同一形状なので、第2〜第7の耕耘爪25B〜25Gの各構成部に第1耕耘爪25Aと同じ符号を付して説明を省略する。
【0033】
第1ホルダ27Aから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置において、第1ホルダ27Aに対して時計回り方向に120°位相(角度)がずれた位置に第2ホルダ27Bが設けられている。
この第2ホルダ27Bに第2耕耘爪25Bが取り付けられている。
【0034】
また、第2ホルダ27Bから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置において、第2ホルダ27Bに対して時計回り方向に120°位相がずれた位置に第3ホルダ27Cが設けられている。
この第3ホルダ27Cに第3耕耘爪25Cが取り付けられている。
【0035】
さらに、第3ホルダ27Cから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置において、第3ホルダ27Cに対して時計回り方向に180°位相がずれた位置に第4ホルダ27Dが設けられている。
この第4ホルダ27Dに第4耕耘爪25Dが取り付けられている。
【0036】
また、第4ホルダ27Dから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置において、第4ホルダ27Dに対して時計回り方向に120°位相がずれた位置に第5ホルダ27Eが設けられている。
この第5ホルダ27Eに第5耕耘爪25Eが取り付けられている。
【0037】
さらに、第5ホルダ27Eから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置(すなわち、外端部23b)において、第5ホルダ27Eに対して時計回り方向に120°位相がずれた位置に第6ホルダ27Fが設けられている。
この第6ホルダ27Fに第6耕耘爪25Fが取り付けられている。
【0038】
また、第6ホルダ27Fと同じ位置(すなわち、外端部23b)において、第6ホルダ27Fに対して時計回り方向に180°位相がずれた位置に第7ホルダ27Gが設けられている。
この第7ホルダ27Gに第7耕耘爪25Gが取り付けられている。
【0039】
右耕耘軸23の外端部23bに第6耕耘爪25Fおよび第7耕耘爪25Gが180°位相をずらして設けられている。
第6耕耘爪25Fおよび第7耕耘爪25Gは、動力伝達ケース17側(耕耘機10の幅方向中央側)に折り曲げられている。
このように、右耕耘軸23の外端部23bに2本の耕耘爪25F,25Gを設けることで、外端部23bの近傍の土壌を好適に耕耘することができる。
【0040】
図4に示すように、第1耕耘爪25Aは、第1ホルダ27Aに取り付けられた帯状の支持部32と、支持部32の先端32aから折り曲げられた帯状の切削部34とを有する。
この第1耕耘爪25Aは、右耕耘軸23を回転することにより土壌54(図1参照)の耕耘作業をおこなう爪である。
【0041】
支持部32は、帯状に形成され、基部32bに取付孔41が形成されている。取付孔41はボルト28が差し込まれる孔である。
この支持部32は、右耕耘軸23の回転方向(矢印A方向)に対して平行に配置され、かつ右耕耘軸23から半径方向(矢印B方向)に沿って外方に突出されている。
【0042】
切削部34は、支持部32の先端32aから一体に延出された帯状の部材である。
切削部34は、支持部32の先端32aから動力伝達ケース17側(右耕耘軸23側)に折り曲げられ、かつ、右耕耘軸23の回転方向(矢印A方向)に向けて延出されている。
【0043】
図5に示すように、切削部34は、根元34aおよび先端34b間に設けられた屈曲部35と、根元34aおよび屈曲部35間を形成する後切削部36と、屈曲部35および先端34b間を形成する前切削部37とを有する。
【0044】
屈曲部35は、根元34aおよび先端34b間の略中央に設けられ、半径方向外側に向けて突出するように折り曲げられている。
屈曲部35を突出するように折り曲げることで、屈曲部35が支持部32の先端32a(すなわち、切削部34の根元34a)より半径方向外側に設けられている。
【0045】
具体的には、右耕耘軸23の中心43から屈曲部35までの距離が半径R1に設定されている。
また、右耕耘軸23の中心43から支持部32の先端32aまでの距離が半径R2に設定されている。
半径R1が半径R2より大きく設定されている。
【0046】
後切削部36は、屈曲部35および根元34a間を形成する部位で、屈曲部35の回転軌跡45より半径方向内側に位置するように形成されている。
屈曲部35の回転軌跡45は、右耕耘軸23を軸にして第1耕耘爪25Aを回転したときの回転軌跡である。
以下、屈曲部35の回転軌跡45を「屈曲回転軌跡45」として説明する。
【0047】
ここで、図1に示す耕耘機10の振動を抑えるために、土壌54(図1参照)から第1耕耘爪25Aに作用する反力を小さく抑えることが好ましい。
そこで、図5に示すように、屈曲回転軌跡45より内側に後切削部36を配置した。
よって、第1耕耘爪25Aを回転させた際に後切削部36が、耕耘前の土壌(未耕耘土壌)54に接触しないようにできる。
これにより、土壌54(図1参照)から後切削部36に作用する反力を小さく抑えることができる。
【0048】
図6に示すように、後切削部36は、正面視(図4に示す白抜き矢印方向から見た状態)において、右耕耘軸23の軸方向(矢印C方向)に対して外面36a(図4参照)および内面36bが略平行に配置されている。
よって、前切削部37で耕耘した土壌54(図1参照)を後切削部36の内面36bで効率よく受けて、前切削部37で耕耘された土壌54を細かく耕耘することができる。
すなわち、後切削部36により第1耕耘爪25Aの細土性能を高めることができる。
【0049】
図5および図6(a)、(b)に示すように、前切削部37は、屈曲部35および先端34b間を形成する部位で、屈曲回転軌跡45より半径方向外側に位置するように形成されている。
具体的には、右耕耘軸23の中心43から前切削部37の先端(すなわち、切削部34の先端)34bまでの距離が半径R3に設定されている。
半径R3は、右耕耘軸23の中心43から屈曲部35までの距離(半径R1)より大きく設定されている。
【0050】
このように、前切削部37を屈曲回転軌跡45より半径方向外側に位置させることにより、第1耕耘爪25Aを回転させた際に、前切削部37が土壌54(図1参照)に接触する面積を大きく確保できる。
よって、第1耕耘爪25Aを回転させた際に、前切削部37で土壌54を崩しやすくできる。
【0051】
土壌54を前切削部37で崩しやすくすることで、崩した土壌54を細かく耕耘する細土性能を高め、さらに土壌54の残耕を少なく抑えることができる。
これにより、土壌54を細かく耕耘する細土性能や、土壌54の残耕を少なくする性能、すなわち耕耘性能を耕耘爪25を変えるだけで容易に高めることができる。
さらに、耕耘性能を耕耘爪25を変えるだけで容易に高めることができるので、コストを抑えることができる。
【0052】
また、前切削部37は、屈曲部35から後切削部36に対して矢印D方向にねじられている。
これにより、前切削部37は、正面視(図4に示す白抜き矢印方向から見た状態)において、右耕耘軸23の軸方向(矢印C方向)に対して外面37aおよび内面37bが傾斜角θだけ傾いて配置されている。
【0053】
このように、前切削部37の外面37aを傾かせることで、第1耕耘爪25Aを回転させた際に、土壌54(図1参照)から前切削部37の外面に作用する反力を回転軌跡面47(図5参照)に対して傾かせることができる。
回転軌跡面47は、第1耕耘爪25Aの回転軌跡で形成される面(すなわち、支持部32の外面32cに平行な面)である。
【0054】
土壌54から前切削部37の外面37aに作用する反力を回転軌跡面47に対して傾かせることで、前切削部37の外面37aに作用する反力のうち、回転軌跡面47に沿った方向の反力を小さく抑えることができる。
よって、前切削部37が回転軌跡面47に沿った方向(すなわち、回転軌跡の半径方向)に振動することを抑えることができる。
これにより、前切削部37の先端34bで土壌54(図1参照)に大きな打込力を与えることができるので、前切削部37で土壌54をさらに崩しやすくして土壌54を一層細かく耕耘することができる。
【0055】
また、前切削部37を斜角θだけ傾けることで、前切削部37の内面37bが動力伝達ケース17(図4参照)に対向するように配置されている。
以下、前切削部37の内面37bを動力伝達ケース17に対向させた理由について説明する。
【0056】
すなわち、右耕耘軸23は、図2に示すように、動力伝達ケース17から右側に幅方向に突出され、右耕耘軸23に第1耕耘爪25Aが取り付けられている。
よって、第1耕耘爪25Aは動力伝達ケース17を回避させて取り付けられる。
このため、動力伝達ケース17近傍(耕耘機10の幅方向中央)の土壌54(図1参照)を第1耕耘爪25Aで耕耘することが難しく、動力伝達ケース17近傍の土壌54を耕耘するための工夫が必要とされている。
【0057】
そこで、図5、図6(a)、(b)に示すように、前切削部37の内面37bを動力伝達ケース17(図2参照)に対向させるように配置した。
このように、前切削部37の内面37bを動力伝達ケース17に対向させることで、前切削部37で土壌54(図1参照)に打込力を与えて土壌54を耕耘する際に、打込力を動力伝達ケース17に向けて矢印E方向(図6(b)参照)に作用させることができる。
【0058】
よって、前切削部37および動力伝達ケース17間の土壌54、すなわち動力伝達ケース17近傍(耕耘機10(図1参照)の幅方向中央)の土壌54を好適に耕耘することができる。
これにより、土壌54の残耕を一層少なく抑えて耕耘性能をさらに高めることができる。
【0059】
さらに、前切削部37の外側辺37cにテーパ面37dが形成されている。
前切削部37の外側辺37cにテーパ面37dが形成されることで前切削部37の先端(切削部34の先端)34bが先細状に形成されている。
前切削部37の外側辺37cは、動力伝達ケース17(図2参照)から離れた側の辺である。
【0060】
一方、前切削部37のケース側辺37eにはテーパ面が形成されていない。
また、前切削部37のケース側辺37eは、動力伝達ケース17側の辺である。
前切削部37のケース側辺37eにテーパ面が形成されていない状態で、前切削部37がねじられている。
よって、前切削部37の先端(切削部34の先端)34bは、耕耘爪25の最大回転軌跡48上で、かつ第1耕耘爪25Aの外側位置P1に設けられている。
【0061】
最大回転軌跡48は、右耕耘軸23を軸にして第1耕耘爪25Aを回転したときの最大半径の回転軌跡である。
また、第1耕耘爪25Aの外側位置P1は、支持部32に対して右耕耘軸23の軸方向(矢印C方向)に最も離れた位置である。
【0062】
このように、前切削部37の先端34bが最大回転軌跡48上で、かつ外側位置P1に設けられることで、最大回転軌跡48上で、かつ第1耕耘爪25Aの外側位置P1の土壌54(図1参照)を第1耕耘爪25Aで確実に耕耘できる。
これにより、第1耕耘爪25Aによる土壌54を細かく耕耘する細土性能を一層高めることができ、さらに土壌54の残耕を一層少なく抑えることができる。
【0063】
加えて、第1耕耘爪25Aによれば、最大回転軌跡48および屈曲部35間の距離L1を小さく抑えて屈曲部35を最大回転軌跡48側に近づけることができる。
これにより、切削部34の先端34bで耕耘した土壌54(図1参照)を前切削部37でさらに細かく耕耘することが可能になる。
【0064】
また、前切削部37を斜角θだけ傾け、さらに、前切削部37の先端34bを外側位置P1に設けることで、外側位置P1の外側の土壌54を耕耘することが可能になる。
よって、第1耕耘爪25Aの耕耘幅を増すことができる。これにより、右耕耘爪ユニット21(図2参照)の耕耘幅(耕幅)を損なうことなく、第1耕耘爪25A(耕耘爪25)の本数を減らすことができる。
例えば、従来の耕耘爪を耕耘機に16本必要とする場合、実施例の耕耘爪25を用いることで14本に抑えることが可能である。
【0065】
さらに、図7に示すように、前切削部37は、平面視において支持部32の外面32c(詳しくは、外面32cの延長線49)に対して略平行に設けられている。
よって、前切削部37の先端(切削部34の先端)34bを土壌54に打ち込む際に、土壌54から先端34bに作用する反力を前切削部37で良好に支えることができる。
これにより、前切削部37の先端34bで土壌54に大きな打込力を与えることができる。したがって、前切削部37で土壌54をさらに崩しやすくして土壌54を一層細かく耕耘することができる。
【0066】
つぎに、右耕耘爪ユニット21(すなわち、耕耘爪25)で土壌54を耕耘する例を図8〜図12に基づいて説明する。
まず、実施例の第1耕耘爪25と比較例の耕耘爪102との形状を図8(a)、(b)に基づいて説明する。
【0067】
図8(a)、(b)において、実施例の第1耕耘爪25を実線で示し、比較例の耕耘爪102を想像線(二点鎖線)で説明する。
図8(a)、(b)に示すように、実施例の第1耕耘爪25Aは、切削部34に屈曲部35を備え、さらに、前切削部37が傾斜角θ(図6(b)参照)だけ傾くようにねじられている。
【0068】
実施例の第1耕耘爪25Aによれば、最大回転軌跡48および屈曲部35間の距離L1を小さく抑えて屈曲部35を最大回転軌跡48側に近づけることができる。
これにより、切削部34の先端34bで耕耘した土壌54(図1参照)を前切削部37でさらに細かく耕耘することが可能になる。
【0069】
一方、比較例の耕耘爪102は、切削部103に屈曲部を備えてなく、さらに、前切削部104が傾くようにねじられていない。
比較例の耕耘爪102によれば、切削部103に屈曲部を備えていないので、最大回転軌跡48および切削部103(前切削部104)間の距離L2が大きくなり、切削部103が最大回転軌跡48から半径方向内側に比較的大きく離れる。
このため、切削部103の先端103aで耕耘した土壌54(図1参照)を前切削部104でさらに細かく耕耘することが難しい。
【0070】
つぎに、比較例の耕耘爪102で土壌106を耕耘する例を図9に基づいて説明する。
なお、図9においては、複数の耕耘爪102のうち、右耕耘軸101の略中央に取り付けた耕耘爪102Aを代表例として説明する。
図9は複数の耕耘爪102を上方から見た状態を示す平面図である。
【0071】
図9(a)に示すように、耕耘爪102Aが矢印Fの如く回転することにより耕耘機100が矢印Gの如く前進する。
耕耘爪102Aの切削部103(前切削部104)の先端103aが土壌106に突き刺さる。
よって、前切削部104の先端103aで周囲の土壌106aが耕耘される。
【0072】
図9(b)に示すように、前切削部104の先端103a(図9(a)参照)が土壌106に突き刺さった後、前切削部104が土壌106に食い込む。
よって、前切削部104の周囲の土壌106aが前切削部104で耕耘される。
【0073】
図9(c)に示すように、前切削部104が土壌106に食い込んだ後、残りの切削部103が土壌106に食い込む。
よって、残りの切削部103の周囲の土壌106aが切削部103で耕耘される。
【0074】
図9(d)に示すように、右耕耘軸101が矢印Fの如く継続して回転することにより、耕耘爪102Aの外側に隣接する耕耘爪102Bが土壌106に食い込む。
ここで、図8(a)、(b)で説明したように、比較例の耕耘爪102は、切削部103に屈曲部を備えていないので、最大回転軌跡48および切削部103(前切削部104)間の距離L2が大きい。
【0075】
よって、図9(d)に示すように、耕耘爪102Aの切削部103で耕耘する位置と、耕耘爪102Bの切削部103で耕耘する位置間の距離が大きくなる。
このため、比較例の耕耘爪102では、切削部103および右耕耘軸101間の土壌106bが残耕状態や細かく耕耘できない状態になりやすい。
【0076】
ついで、実施例の耕耘爪25で土壌54を耕耘する例を図10に基づいて説明する。
なお、図10においては、複数の耕耘爪25のうち、右耕耘軸23の略中央に取り付けた第4耕耘25Dを代表例として説明する。
図10は複数の耕耘爪25を上方から見た状態を示す平面図である。
【0077】
図10(a)に示すように、第4耕耘爪25Dが矢印Hの如く回転することにより耕耘機10が矢印Iの如く前進する。
第4耕耘爪25D(切削部34)の先端34bが土壌54に突き刺さり、前切削部37の途中の部位37fまで土壌54に食い込む。
よって、前切削部37の途中の部位37fにおいて周囲の土壌54aが途中の部位37fで耕耘される。
【0078】
図10(b)に示すように、前切削部37の途中の部位37f(図10(a)参照)が土壌54に食い込んだ後、前切削部37の全体が土壌54に食い込む。
ここで、前切削部37が傾斜角θ(図6(b)参照)だけ傾くようにねじられている。
【0079】
よって、前切削部37および右耕耘軸23間の土壌54に、前切削部37から矢印Jの如く右耕耘軸23に向けて耕耘力(打込力)が発生する。
よって、前切削部37および右耕耘軸23間の土壌54bに矢印Jの如く割れが発生する。
これにより、前切削部37の周囲の土壌54aが前切削部37で耕耘されるとともに、前切削部37および右耕耘軸23間の略中央の土壌54bが前切削部37で耕耘される。
【0080】
図10(c)に示すように、前切削部37の全体が土壌54に食い込んだ後、第4耕耘爪25Dの後切削部36が土壌54に食い込むことにより、切削部34の全体が土壌54に食い込む。
この状態において、切削部34の周囲の土壌54aが切削部34で耕耘されるとともに、前切削部37および右耕耘軸23間の略中央の土壌54bが切削部34で大きく耕耘される。
【0081】
図10(d)に示すように、右耕耘軸23が矢印Hの如く継続して回転することにより、耕耘爪25Dの外側に隣接する耕耘爪25Eが土壌54に食い込む。
ここで、図8(a)、(b)で説明したように、実施例の第1耕耘爪25Aは、切削部34に屈曲部35を備えているので、最大回転軌跡48および屈曲部35間の距離L1を小さく抑えることができる。
【0082】
よって、図10(d)に示すように、耕耘爪25Dの切削部34で耕耘する位置と、耕耘爪25Eの切削部34で耕耘する位置間の距離を小さく抑えることができる。
これにより、実施例の耕耘爪25では、切削部34および右耕耘軸23間の土壌54cの残耕状態を小さく抑えて、細かく耕耘できる状態を確保できる。
【0083】
つぎに、図11において、図9(b)、(c)の比較例と図10(b)、(c)の実施例を対比させながら各々の耕耘状態を説明して、比較例の耕耘爪102と実施例の耕耘爪25(第4耕耘爪25D)との耕耘性能の相違を明確にする。
【0084】
図11(a)の比較例によれば、前切削部104が土壌106に食い込むことにより、前切削部104の周囲の土壌106aが前切削部104で耕耘される。
【0085】
これに対して、図11(b)の実施例によれば、前切削部37全体が土壌54に食い込むことにより、前切削部37および右耕耘軸23間の土壌54に、前切削部37から矢印Jの如く右耕耘軸23に向けて耕耘力(打込力)が発生する。
よって、前切削部37および右耕耘軸23間の土壌54bに矢印Jの如く割れが発生する。
これにより、前切削部37の周囲の土壌54aが前切削部37で耕耘されるとともに、前切削部37および右耕耘軸23間の略中央の土壌54bが前切削部37で耕耘される。
【0086】
図11(c)の比較例によれば、前切削部104が土壌106に食い込んだ後、残りの切削部103が土壌106に食い込むことにより、残りの切削部103の周囲の土壌106aが切削部103で耕耘される。
ここで、比較例の耕耘爪102は、切削部103に屈曲部を備えてなく、さらに、前切削部104が傾くようにねじられていない。
このため、切削部103および右耕耘軸101間の土壌106cを耕耘することが難しく、土壌106が残耕状態や細かく耕耘できない状態になりやすい。
【0087】
これに対して、図11(d)の実施例によれば、第4耕耘爪25Dの後切削部36が土壌54に食い込むことにより、切削部34の全体が土壌54に食い込む。
実施例の第4耕耘爪25Dは、前切削部37が傾斜角θだけ傾くようにねじられている。
【0088】
よって、切削部34の周囲の土壌54aが切削部34で耕耘されるとともに、切削部34および右耕耘軸23間の略中央の土壌54bが切削部34で大きく耕耘される。
これにより、切削部34(第4耕耘爪25D)で土壌54を細かく耕耘する細土性能や、土壌54の残耕を少なくする性能、すなわち耕耘性能を高めることができる。
【0089】
ついで、実施例の第1耕耘爪25Aで動力伝達ケース17近傍の土壌54を耕耘する例を図12に基づいて説明する。
なお、図12においては、複数の耕耘爪25のうち、右耕耘軸23の中央端部23a近傍に取り付けた第1耕耘爪25Aを代表例として説明する。
図12は第1耕耘爪25Aを上方から見た状態を示す平面図である。
【0090】
第1耕耘爪25Aの前切削部37がねじられることで、前切削部37の内面37b(図6(b)参照)が動力伝達ケース17に対向するように傾斜角θだけ傾いて配置されている。
よって、第1耕耘爪25Aの前切削部37で土壌54に打込力を与えて土壌を耕耘する際に、打込力Fを動力伝達ケース17に向けて作用させることができる。
【0091】
これにより、前切削部37および動力伝達ケース17間の土壌(すなわち、動力伝達ケース17近傍(耕耘機10の幅方向中央))の土壌54dに割れが発生し、土壌54dを好適に耕耘することができる。
したがって、動力伝達ケース17近傍の土壌54の残耕を少なく抑えて耕耘性能を高めることができる。
【0092】
なお、本発明に係る耕耘爪は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、前切削部37を屈曲回転軌跡45より半径方向外側に位置するように形成した例について説明したが、これに限らないで、前切削部37を屈曲回転軌跡45上に位置するように形成することも可能である。
このように、前切削部37を屈曲回転軌跡45上に位置させることで、実施例と同様の耕耘性能を得ることができる。
【0093】
また、前記実施例で示した耕耘機10、動力伝達ケース17、左右の耕耘軸23、耕耘爪(第1耕耘爪〜第7耕耘爪)25(25A〜25G)、支持部32、切削部34、屈曲部35、後切削部36および前切削部37などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、動力伝達部から幅方向に突出する耕耘軸に取り付けられ、耕耘軸を回転することにより耕耘作業をおこなう耕耘爪を備えた耕耘機への適用に好適である。
【符号の説明】
【0095】
10…耕耘機、17…動力伝達ケース(動力伝達部)、23…左右の耕耘軸(耕耘軸)、25(25A〜25G)…耕耘爪(第1耕耘爪〜第7耕耘爪)、32…支持部、32a…支持部の先端、34…切削部、34a…切削部の根元、34b…切削部の先端(前切削部の先端)、35…屈曲部、36…後切削部、37…前切削部、37a…前切削部の外面、37b…前切削部の内面、37c…前切削部の外側辺、37d…前切削部のテーパ面、45…回転軌跡、48…最大回転軌跡、P1…第1耕耘爪の外側位置(耕耘爪の外側位置)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘機に備えた耕耘軸に取り付けられ、耕耘軸を回転することにより耕耘作業をおこなう耕耘爪に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘機は、耕耘軸に複数の耕耘爪が取り付けられ、この状態で耕耘軸を回転することにより複数の耕耘爪を回転させ、回転する耕耘爪で土壌を耕耘するように構成されている。
耕耘機に備える耕耘爪は、通常、帯状の部材が折り曲げられて形成されている。
この耕耘爪のなかには、耕耘軸から帯状の支持部が外方に向けて略放射状に突出され、支持部の先端から耕耘軸の回転方向に向けて帯状の切削部が延出されたものが知られている。
支持部および切削部で耕耘爪が側面視略L字状に形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−65403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、耕耘爪で土壌を耕耘する際に、土壌をある程度細かく耕耘し、かつ土壌の残耕を少なくするように耕耘性能を高めることが好ましい。
耕耘性能を高める対策として、一般に、耕耘軸、耕耘軸に取り付けられた耕耘爪、および耕耘軸に回転力を伝える動力伝達部(動力伝達ケース)などの各構成部材を耕耘性能を高めるように組み合わせる方法が知られている。
【0005】
しかし、この方法は、耕耘性能を高めるために各構成部材の組合わせを最良となるように導き出す必要があり、各構成部材の組合わせを決めることが難しい。
さらに、この方法は、各構成部材(すなわち、複数の構成部材)を新たに形成する必要があり、コストを抑えることが難しい。
【0006】
本発明は、耕耘性能(すなわち、土壌を細かく耕耘する細土性能や、土壌の残耕を少なくする性能)を容易に高めることができ、かつコストを抑えることができる耕耘爪を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、耕耘機に設けられた耕耘軸に取り付けられ、該耕耘軸を回転することにより耕耘作業をおこなう耕耘爪であって、前記耕耘爪は、前記耕耘軸の回転方向に対して平行に配置され、かつ前記耕耘軸から半径方向に沿って外方に突出された支持部と、前記支持部の先端から前記耕耘軸側に折り曲げられ、かつ、前記耕耘軸の回転方向に向けて延出された切削部と、を有し、前記切削部は、根元および先端間に半径方向外側に向けて突出するように折り曲げられた屈曲部と、前記屈曲部および前記根元間を形成し、前記屈曲部の回転軌跡より内側に位置する後切削部と、前記屈曲部および前記先端間を形成し、前記屈曲部の回転軌跡上、または前記回転軌跡より外側に位置する前切削部と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2は、前記切削部は帯状に形成され、前記後切削部が、前記耕耘軸の軸方向に対して外面が略平行に配置され、前記前切削部は、前記屈曲部から前記後切削部に対してねじられることにより、前記耕耘軸の軸方向に対して外面が傾いて配置されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3は、前記耕耘軸は、前記耕耘機に備えられた動力伝達部から突出され、前記前切削部は、内面が前記動力伝達部に対向するように配置されたことを特徴とする。
【0010】
請求項4は、前記前切削部は、先端が先細状に形成され、先細状の先端が前記耕耘爪の最大回転軌跡上で、かつ前記支持部に対して前記耕耘軸の軸方向に最も離れた前記耕耘爪の外側位置に設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項5は、前記前切削部は、前記支持部に対して略平行に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、切削部の根元および先端間に備えた屈曲部を半径方向外側に向けて突出するように折り曲げた。さらに、この屈曲部の回転軌跡上、または回転軌跡より外側に前切削部を配置した。
よって、耕耘爪を回転させた際に、前切削部が土壌に接触する面積を大きく確保できるので前切削部で土壌を崩しやすくできる。
【0013】
このように、土壌を前切削部で崩しやすくすることで、崩した土壌を細かく耕耘する細土性能を高め、さらに土壌の残耕を少なく抑えることができる。
これにより、耕耘爪を変えるだけで、土壌を細かく耕耘する細土性能や、土壌の残耕を少なくする性能、すなわち耕耘性能を容易に高めることができる。
さらに、耕耘性能を耕耘爪を変えるだけで容易に高めることができるので、従来のように耕耘軸や動力伝達部(動力伝達ケース)などの各構成部材を新たに形成する必要がなく、コストを抑えることができる。
【0014】
ここで、耕耘機の振動を抑えるために、土壌から耕耘爪に作用する反力を小さく抑えることが好ましい。
そこで、請求項1において、屈曲部の回転軌跡より内側に後切削部を配置した。
よって、耕耘爪を回転させた際に後切削部が、耕耘前の土壌(未耕耘土壌)に接触しないようにできる。これにより、土壌から後切削部に作用する反力を小さく抑えることができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、前切削部を屈曲部からねじることにより、前切削部の外面を耕耘軸の軸方向に対して傾かせることができる。
このように、前切削部の外面を傾かせることで、耕耘爪を回転させた際に、土壌から前切削部の外面に作用する反力を、「耕耘爪の回転軌跡で形成する面(以下、回転軌跡面という)」に対して傾かせることができる。
土壌から前切削部の外面に作用する反力を回転軌跡面に対して傾かせることで、前切削部の外面に作用する反力のうち、回転軌跡面に沿った方向の反力を小さく抑えることができる。
【0016】
加えて、前切削部の外面に作用する反力のうち、回転軌跡面に沿った方向の反力を小さく抑えることで、前切削部が回転軌跡面に沿った方向(すなわち、回転軌跡の半径方向)に振動することを抑えることができる。
これにより、前切削部の先端で土壌に大きな打込力を与えることができるので、前切削部で土壌をさらに崩しやすくして土壌を一層細かく耕耘することができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、前切削部の内面を動力伝達部に対向させて配置した。
前切削部の内面を動力伝達部に対向させて配置した理由はつぎの通りである。
すなわち、耕耘軸は動力伝達部から左右側にそれぞれ突出され、耕耘軸に耕耘爪が取り付けられている。
よって、耕耘爪は動力伝達部を回避させて取り付けられる。このため、動力伝達部近傍(耕耘機の幅方向中央)の土壌を耕耘爪で耕耘することが難しく、動力伝達部近傍の土壌を耕耘するための工夫が必要とされている。
【0018】
そこで、請求項3において、前切削部の内面を動力伝達部に対向させて配置した。
このように、前切削部の内面を動力伝達部に対向させることで、前切削部で土壌に打込力を与えて土壌を耕耘する際に、打込力を動力伝達部に向けて作用させることができる。
よって、前切削部および動力伝達部間の土壌、すなわち動力伝達部近傍(耕耘機の幅方向中央)の土壌を好適に耕耘することができる。
これにより、土壌の残耕を一層少なく抑えて耕耘性能をさらに高めることができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、前切削部の先端を先細状に形成し、この先端を、耕耘爪の最大回転軌跡上で、かつ耕耘爪の外側位置に設けた。
ここで、耕耘爪の最大回転軌跡上で、かつ耕耘爪の外側位置は、耕耘爪を回転させた際に最大回転軌跡で、かつ外側位置となる位置である。
よって、最大回転軌跡上で、かつ耕耘爪の外側位置の土壌を耕耘爪で確実に耕耘することができる。これにより、耕耘爪による土壌を細かく耕耘する細土性能を一層高めることができ、さらに土壌の残耕を一層少なく抑えることができる。
【0020】
請求項5に係る発明では、前切削部を支持部に対して略平行に設けた。
よって、前切削部の先端を土壌に打ち込む際に、土壌から先端に作用する反力を前切削部で良好に支えることができる。
これにより、前切削部の先端で土壌に大きな打込力を与えることができるので、前切削部で土壌をさらに崩しやすくして土壌を一層細かく耕耘することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る耕耘爪を備えた耕耘機を示す斜視図である。
【図2】図1の右耕耘爪ユニットを前方から見た状態を示す正面図である。
【図3】図2の3矢視図である。
【図4】本発明に係る耕耘爪を示す斜視図である。
【図5】図4の耕耘爪を示す側面図である。
【図6】(a)は図4の耕耘爪を示す正面図、(b)は(a)の前切削部を示す断面図である。
【図7】図4の耕耘爪を示す平面図である。
【図8】(a)は図5の耕耘爪を比較例と比べた状態を示す側面図、(b)は図6(a)の耕耘爪を比較例と比べた状態を示す正面図である。
【図9】比較例の耕耘爪で土壌を耕耘する例を説明する平面図である。
【図10】実施例の耕耘爪で土壌を耕耘する例を説明する平面図である。
【図11】比較例の耕耘状態および実施例の耕耘状態を対比させながら説明する平面図である。
【図12】実施例の耕耘爪で動力伝達ケース近傍の土壌を耕耘する例を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は操作者から見た方向にしたがう。
【実施例】
【0023】
実施例に係る耕耘爪25について説明する。
図1に示すように、耕耘機10は、耕耘機本体11から後上方へ向けて延出されたハンドルコラム12と、ハンドルコラム12の上端部に設けられた操作ハンドル13と、耕耘機本体11の後端部11aに設けられた抵抗棒14とを備えている。
【0024】
さらに、図1、図2に示すように、耕耘機10は、耕耘機本体11の上端部に搭載されたエンジン16と、耕耘機本体11から下方に延びる動力伝達部(動力伝達ケースのみを図示する)17と、動力伝達ケース17の下端部17aから左右側に設けられた回転軸18と、回転軸18の右軸部18aに設けられた右耕耘爪ユニット21と、左軸部18bに設けられた左耕耘爪ユニット22とを備えている。
【0025】
右耕耘爪ユニット21は、回転軸18の右軸部18aに設けられた右耕耘軸(耕耘軸)23と、右耕耘軸23に設けられた複数の耕耘爪25とを備えている。
左耕耘爪ユニット22は、回転軸18の左軸部18bに設けられた左耕耘軸(耕耘軸)23と、左耕耘軸23に設けられた複数の耕耘爪25とを備えている。
【0026】
なお、左耕耘爪ユニット22は、右耕耘爪ユニット21と左右対称のユニットであり、左耕耘爪ユニット22の各構成部材に右耕耘爪ユニット21と同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
動力伝達ケース17内には動力伝達機構(図示せず)が収容されている。動力伝達ケース17内の動力伝達機構で、エンジン16の駆動力を回転軸18を介して左右の耕耘軸23に伝達させることができる。
右耕耘爪ユニット21および左耕耘爪ユニット22の上方にカバー26が設けられ、カバー26で複数の耕耘爪25の上方が覆われている。
【0028】
耕耘機10によれば、エンジン16の動力を動力伝達機構を介して回転軸18に伝え、回転軸18で左右の耕耘軸23を回転し、左右の耕耘軸23で複数の耕耘爪25を矢印方向に回転することができる。
複数の耕耘爪25を回転することにより、複数の耕耘爪25で耕耘機10を走行させながら、土壌54を耕耘することができる。
【0029】
すなわち、この耕耘機10は、操作者が操作ハンドル13を握った状態で、複数の耕耘爪25を矢印方向に回転させることにより、土壌54を耕耘しながら耕耘機10の後方から徒歩で追従する歩行型耕耘機である。
【0030】
図2、図3に示すように、右耕耘爪ユニット21は、回転軸18の右軸部18aに右耕耘軸23が同軸上に設けられている。
この右耕耘軸23に第1〜第7のホルダ27が右耕耘軸23の中央端部23aから外端部23bに向けて所定間隔をおいて順に設けられている。
以下、構成の理解を容易にするために、第1〜第7のホルダ27の符号を各々27A〜27Gとして説明する。
【0031】
具体的には、右耕耘軸23の中央端部23a近傍に第1ホルダ27Aが設けられている。
図4に示すように、第1ホルダ27Aに第1耕耘爪25が差し込まれた状態において、第1耕耘爪25が第1ホルダ27Aにボルト28、ナット29で取り付けられている。
【0032】
図2、図3に示すように、第2〜第7のホルダ27には、第1ホルダ27Aと同様に、第2〜第7の耕耘爪25が各々取り付けられている。
以下、構成の理解を容易にするために、第1〜第7の耕耘爪25の符号を各々25A〜25Gとして説明する。
なお、第1〜第7の耕耘爪25A〜25Gは同一形状なので、第2〜第7の耕耘爪25B〜25Gの各構成部に第1耕耘爪25Aと同じ符号を付して説明を省略する。
【0033】
第1ホルダ27Aから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置において、第1ホルダ27Aに対して時計回り方向に120°位相(角度)がずれた位置に第2ホルダ27Bが設けられている。
この第2ホルダ27Bに第2耕耘爪25Bが取り付けられている。
【0034】
また、第2ホルダ27Bから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置において、第2ホルダ27Bに対して時計回り方向に120°位相がずれた位置に第3ホルダ27Cが設けられている。
この第3ホルダ27Cに第3耕耘爪25Cが取り付けられている。
【0035】
さらに、第3ホルダ27Cから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置において、第3ホルダ27Cに対して時計回り方向に180°位相がずれた位置に第4ホルダ27Dが設けられている。
この第4ホルダ27Dに第4耕耘爪25Dが取り付けられている。
【0036】
また、第4ホルダ27Dから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置において、第4ホルダ27Dに対して時計回り方向に120°位相がずれた位置に第5ホルダ27Eが設けられている。
この第5ホルダ27Eに第5耕耘爪25Eが取り付けられている。
【0037】
さらに、第5ホルダ27Eから外端部23bに向けて所定距離だけ離れた位置(すなわち、外端部23b)において、第5ホルダ27Eに対して時計回り方向に120°位相がずれた位置に第6ホルダ27Fが設けられている。
この第6ホルダ27Fに第6耕耘爪25Fが取り付けられている。
【0038】
また、第6ホルダ27Fと同じ位置(すなわち、外端部23b)において、第6ホルダ27Fに対して時計回り方向に180°位相がずれた位置に第7ホルダ27Gが設けられている。
この第7ホルダ27Gに第7耕耘爪25Gが取り付けられている。
【0039】
右耕耘軸23の外端部23bに第6耕耘爪25Fおよび第7耕耘爪25Gが180°位相をずらして設けられている。
第6耕耘爪25Fおよび第7耕耘爪25Gは、動力伝達ケース17側(耕耘機10の幅方向中央側)に折り曲げられている。
このように、右耕耘軸23の外端部23bに2本の耕耘爪25F,25Gを設けることで、外端部23bの近傍の土壌を好適に耕耘することができる。
【0040】
図4に示すように、第1耕耘爪25Aは、第1ホルダ27Aに取り付けられた帯状の支持部32と、支持部32の先端32aから折り曲げられた帯状の切削部34とを有する。
この第1耕耘爪25Aは、右耕耘軸23を回転することにより土壌54(図1参照)の耕耘作業をおこなう爪である。
【0041】
支持部32は、帯状に形成され、基部32bに取付孔41が形成されている。取付孔41はボルト28が差し込まれる孔である。
この支持部32は、右耕耘軸23の回転方向(矢印A方向)に対して平行に配置され、かつ右耕耘軸23から半径方向(矢印B方向)に沿って外方に突出されている。
【0042】
切削部34は、支持部32の先端32aから一体に延出された帯状の部材である。
切削部34は、支持部32の先端32aから動力伝達ケース17側(右耕耘軸23側)に折り曲げられ、かつ、右耕耘軸23の回転方向(矢印A方向)に向けて延出されている。
【0043】
図5に示すように、切削部34は、根元34aおよび先端34b間に設けられた屈曲部35と、根元34aおよび屈曲部35間を形成する後切削部36と、屈曲部35および先端34b間を形成する前切削部37とを有する。
【0044】
屈曲部35は、根元34aおよび先端34b間の略中央に設けられ、半径方向外側に向けて突出するように折り曲げられている。
屈曲部35を突出するように折り曲げることで、屈曲部35が支持部32の先端32a(すなわち、切削部34の根元34a)より半径方向外側に設けられている。
【0045】
具体的には、右耕耘軸23の中心43から屈曲部35までの距離が半径R1に設定されている。
また、右耕耘軸23の中心43から支持部32の先端32aまでの距離が半径R2に設定されている。
半径R1が半径R2より大きく設定されている。
【0046】
後切削部36は、屈曲部35および根元34a間を形成する部位で、屈曲部35の回転軌跡45より半径方向内側に位置するように形成されている。
屈曲部35の回転軌跡45は、右耕耘軸23を軸にして第1耕耘爪25Aを回転したときの回転軌跡である。
以下、屈曲部35の回転軌跡45を「屈曲回転軌跡45」として説明する。
【0047】
ここで、図1に示す耕耘機10の振動を抑えるために、土壌54(図1参照)から第1耕耘爪25Aに作用する反力を小さく抑えることが好ましい。
そこで、図5に示すように、屈曲回転軌跡45より内側に後切削部36を配置した。
よって、第1耕耘爪25Aを回転させた際に後切削部36が、耕耘前の土壌(未耕耘土壌)54に接触しないようにできる。
これにより、土壌54(図1参照)から後切削部36に作用する反力を小さく抑えることができる。
【0048】
図6に示すように、後切削部36は、正面視(図4に示す白抜き矢印方向から見た状態)において、右耕耘軸23の軸方向(矢印C方向)に対して外面36a(図4参照)および内面36bが略平行に配置されている。
よって、前切削部37で耕耘した土壌54(図1参照)を後切削部36の内面36bで効率よく受けて、前切削部37で耕耘された土壌54を細かく耕耘することができる。
すなわち、後切削部36により第1耕耘爪25Aの細土性能を高めることができる。
【0049】
図5および図6(a)、(b)に示すように、前切削部37は、屈曲部35および先端34b間を形成する部位で、屈曲回転軌跡45より半径方向外側に位置するように形成されている。
具体的には、右耕耘軸23の中心43から前切削部37の先端(すなわち、切削部34の先端)34bまでの距離が半径R3に設定されている。
半径R3は、右耕耘軸23の中心43から屈曲部35までの距離(半径R1)より大きく設定されている。
【0050】
このように、前切削部37を屈曲回転軌跡45より半径方向外側に位置させることにより、第1耕耘爪25Aを回転させた際に、前切削部37が土壌54(図1参照)に接触する面積を大きく確保できる。
よって、第1耕耘爪25Aを回転させた際に、前切削部37で土壌54を崩しやすくできる。
【0051】
土壌54を前切削部37で崩しやすくすることで、崩した土壌54を細かく耕耘する細土性能を高め、さらに土壌54の残耕を少なく抑えることができる。
これにより、土壌54を細かく耕耘する細土性能や、土壌54の残耕を少なくする性能、すなわち耕耘性能を耕耘爪25を変えるだけで容易に高めることができる。
さらに、耕耘性能を耕耘爪25を変えるだけで容易に高めることができるので、コストを抑えることができる。
【0052】
また、前切削部37は、屈曲部35から後切削部36に対して矢印D方向にねじられている。
これにより、前切削部37は、正面視(図4に示す白抜き矢印方向から見た状態)において、右耕耘軸23の軸方向(矢印C方向)に対して外面37aおよび内面37bが傾斜角θだけ傾いて配置されている。
【0053】
このように、前切削部37の外面37aを傾かせることで、第1耕耘爪25Aを回転させた際に、土壌54(図1参照)から前切削部37の外面に作用する反力を回転軌跡面47(図5参照)に対して傾かせることができる。
回転軌跡面47は、第1耕耘爪25Aの回転軌跡で形成される面(すなわち、支持部32の外面32cに平行な面)である。
【0054】
土壌54から前切削部37の外面37aに作用する反力を回転軌跡面47に対して傾かせることで、前切削部37の外面37aに作用する反力のうち、回転軌跡面47に沿った方向の反力を小さく抑えることができる。
よって、前切削部37が回転軌跡面47に沿った方向(すなわち、回転軌跡の半径方向)に振動することを抑えることができる。
これにより、前切削部37の先端34bで土壌54(図1参照)に大きな打込力を与えることができるので、前切削部37で土壌54をさらに崩しやすくして土壌54を一層細かく耕耘することができる。
【0055】
また、前切削部37を斜角θだけ傾けることで、前切削部37の内面37bが動力伝達ケース17(図4参照)に対向するように配置されている。
以下、前切削部37の内面37bを動力伝達ケース17に対向させた理由について説明する。
【0056】
すなわち、右耕耘軸23は、図2に示すように、動力伝達ケース17から右側に幅方向に突出され、右耕耘軸23に第1耕耘爪25Aが取り付けられている。
よって、第1耕耘爪25Aは動力伝達ケース17を回避させて取り付けられる。
このため、動力伝達ケース17近傍(耕耘機10の幅方向中央)の土壌54(図1参照)を第1耕耘爪25Aで耕耘することが難しく、動力伝達ケース17近傍の土壌54を耕耘するための工夫が必要とされている。
【0057】
そこで、図5、図6(a)、(b)に示すように、前切削部37の内面37bを動力伝達ケース17(図2参照)に対向させるように配置した。
このように、前切削部37の内面37bを動力伝達ケース17に対向させることで、前切削部37で土壌54(図1参照)に打込力を与えて土壌54を耕耘する際に、打込力を動力伝達ケース17に向けて矢印E方向(図6(b)参照)に作用させることができる。
【0058】
よって、前切削部37および動力伝達ケース17間の土壌54、すなわち動力伝達ケース17近傍(耕耘機10(図1参照)の幅方向中央)の土壌54を好適に耕耘することができる。
これにより、土壌54の残耕を一層少なく抑えて耕耘性能をさらに高めることができる。
【0059】
さらに、前切削部37の外側辺37cにテーパ面37dが形成されている。
前切削部37の外側辺37cにテーパ面37dが形成されることで前切削部37の先端(切削部34の先端)34bが先細状に形成されている。
前切削部37の外側辺37cは、動力伝達ケース17(図2参照)から離れた側の辺である。
【0060】
一方、前切削部37のケース側辺37eにはテーパ面が形成されていない。
また、前切削部37のケース側辺37eは、動力伝達ケース17側の辺である。
前切削部37のケース側辺37eにテーパ面が形成されていない状態で、前切削部37がねじられている。
よって、前切削部37の先端(切削部34の先端)34bは、耕耘爪25の最大回転軌跡48上で、かつ第1耕耘爪25Aの外側位置P1に設けられている。
【0061】
最大回転軌跡48は、右耕耘軸23を軸にして第1耕耘爪25Aを回転したときの最大半径の回転軌跡である。
また、第1耕耘爪25Aの外側位置P1は、支持部32に対して右耕耘軸23の軸方向(矢印C方向)に最も離れた位置である。
【0062】
このように、前切削部37の先端34bが最大回転軌跡48上で、かつ外側位置P1に設けられることで、最大回転軌跡48上で、かつ第1耕耘爪25Aの外側位置P1の土壌54(図1参照)を第1耕耘爪25Aで確実に耕耘できる。
これにより、第1耕耘爪25Aによる土壌54を細かく耕耘する細土性能を一層高めることができ、さらに土壌54の残耕を一層少なく抑えることができる。
【0063】
加えて、第1耕耘爪25Aによれば、最大回転軌跡48および屈曲部35間の距離L1を小さく抑えて屈曲部35を最大回転軌跡48側に近づけることができる。
これにより、切削部34の先端34bで耕耘した土壌54(図1参照)を前切削部37でさらに細かく耕耘することが可能になる。
【0064】
また、前切削部37を斜角θだけ傾け、さらに、前切削部37の先端34bを外側位置P1に設けることで、外側位置P1の外側の土壌54を耕耘することが可能になる。
よって、第1耕耘爪25Aの耕耘幅を増すことができる。これにより、右耕耘爪ユニット21(図2参照)の耕耘幅(耕幅)を損なうことなく、第1耕耘爪25A(耕耘爪25)の本数を減らすことができる。
例えば、従来の耕耘爪を耕耘機に16本必要とする場合、実施例の耕耘爪25を用いることで14本に抑えることが可能である。
【0065】
さらに、図7に示すように、前切削部37は、平面視において支持部32の外面32c(詳しくは、外面32cの延長線49)に対して略平行に設けられている。
よって、前切削部37の先端(切削部34の先端)34bを土壌54に打ち込む際に、土壌54から先端34bに作用する反力を前切削部37で良好に支えることができる。
これにより、前切削部37の先端34bで土壌54に大きな打込力を与えることができる。したがって、前切削部37で土壌54をさらに崩しやすくして土壌54を一層細かく耕耘することができる。
【0066】
つぎに、右耕耘爪ユニット21(すなわち、耕耘爪25)で土壌54を耕耘する例を図8〜図12に基づいて説明する。
まず、実施例の第1耕耘爪25と比較例の耕耘爪102との形状を図8(a)、(b)に基づいて説明する。
【0067】
図8(a)、(b)において、実施例の第1耕耘爪25を実線で示し、比較例の耕耘爪102を想像線(二点鎖線)で説明する。
図8(a)、(b)に示すように、実施例の第1耕耘爪25Aは、切削部34に屈曲部35を備え、さらに、前切削部37が傾斜角θ(図6(b)参照)だけ傾くようにねじられている。
【0068】
実施例の第1耕耘爪25Aによれば、最大回転軌跡48および屈曲部35間の距離L1を小さく抑えて屈曲部35を最大回転軌跡48側に近づけることができる。
これにより、切削部34の先端34bで耕耘した土壌54(図1参照)を前切削部37でさらに細かく耕耘することが可能になる。
【0069】
一方、比較例の耕耘爪102は、切削部103に屈曲部を備えてなく、さらに、前切削部104が傾くようにねじられていない。
比較例の耕耘爪102によれば、切削部103に屈曲部を備えていないので、最大回転軌跡48および切削部103(前切削部104)間の距離L2が大きくなり、切削部103が最大回転軌跡48から半径方向内側に比較的大きく離れる。
このため、切削部103の先端103aで耕耘した土壌54(図1参照)を前切削部104でさらに細かく耕耘することが難しい。
【0070】
つぎに、比較例の耕耘爪102で土壌106を耕耘する例を図9に基づいて説明する。
なお、図9においては、複数の耕耘爪102のうち、右耕耘軸101の略中央に取り付けた耕耘爪102Aを代表例として説明する。
図9は複数の耕耘爪102を上方から見た状態を示す平面図である。
【0071】
図9(a)に示すように、耕耘爪102Aが矢印Fの如く回転することにより耕耘機100が矢印Gの如く前進する。
耕耘爪102Aの切削部103(前切削部104)の先端103aが土壌106に突き刺さる。
よって、前切削部104の先端103aで周囲の土壌106aが耕耘される。
【0072】
図9(b)に示すように、前切削部104の先端103a(図9(a)参照)が土壌106に突き刺さった後、前切削部104が土壌106に食い込む。
よって、前切削部104の周囲の土壌106aが前切削部104で耕耘される。
【0073】
図9(c)に示すように、前切削部104が土壌106に食い込んだ後、残りの切削部103が土壌106に食い込む。
よって、残りの切削部103の周囲の土壌106aが切削部103で耕耘される。
【0074】
図9(d)に示すように、右耕耘軸101が矢印Fの如く継続して回転することにより、耕耘爪102Aの外側に隣接する耕耘爪102Bが土壌106に食い込む。
ここで、図8(a)、(b)で説明したように、比較例の耕耘爪102は、切削部103に屈曲部を備えていないので、最大回転軌跡48および切削部103(前切削部104)間の距離L2が大きい。
【0075】
よって、図9(d)に示すように、耕耘爪102Aの切削部103で耕耘する位置と、耕耘爪102Bの切削部103で耕耘する位置間の距離が大きくなる。
このため、比較例の耕耘爪102では、切削部103および右耕耘軸101間の土壌106bが残耕状態や細かく耕耘できない状態になりやすい。
【0076】
ついで、実施例の耕耘爪25で土壌54を耕耘する例を図10に基づいて説明する。
なお、図10においては、複数の耕耘爪25のうち、右耕耘軸23の略中央に取り付けた第4耕耘25Dを代表例として説明する。
図10は複数の耕耘爪25を上方から見た状態を示す平面図である。
【0077】
図10(a)に示すように、第4耕耘爪25Dが矢印Hの如く回転することにより耕耘機10が矢印Iの如く前進する。
第4耕耘爪25D(切削部34)の先端34bが土壌54に突き刺さり、前切削部37の途中の部位37fまで土壌54に食い込む。
よって、前切削部37の途中の部位37fにおいて周囲の土壌54aが途中の部位37fで耕耘される。
【0078】
図10(b)に示すように、前切削部37の途中の部位37f(図10(a)参照)が土壌54に食い込んだ後、前切削部37の全体が土壌54に食い込む。
ここで、前切削部37が傾斜角θ(図6(b)参照)だけ傾くようにねじられている。
【0079】
よって、前切削部37および右耕耘軸23間の土壌54に、前切削部37から矢印Jの如く右耕耘軸23に向けて耕耘力(打込力)が発生する。
よって、前切削部37および右耕耘軸23間の土壌54bに矢印Jの如く割れが発生する。
これにより、前切削部37の周囲の土壌54aが前切削部37で耕耘されるとともに、前切削部37および右耕耘軸23間の略中央の土壌54bが前切削部37で耕耘される。
【0080】
図10(c)に示すように、前切削部37の全体が土壌54に食い込んだ後、第4耕耘爪25Dの後切削部36が土壌54に食い込むことにより、切削部34の全体が土壌54に食い込む。
この状態において、切削部34の周囲の土壌54aが切削部34で耕耘されるとともに、前切削部37および右耕耘軸23間の略中央の土壌54bが切削部34で大きく耕耘される。
【0081】
図10(d)に示すように、右耕耘軸23が矢印Hの如く継続して回転することにより、耕耘爪25Dの外側に隣接する耕耘爪25Eが土壌54に食い込む。
ここで、図8(a)、(b)で説明したように、実施例の第1耕耘爪25Aは、切削部34に屈曲部35を備えているので、最大回転軌跡48および屈曲部35間の距離L1を小さく抑えることができる。
【0082】
よって、図10(d)に示すように、耕耘爪25Dの切削部34で耕耘する位置と、耕耘爪25Eの切削部34で耕耘する位置間の距離を小さく抑えることができる。
これにより、実施例の耕耘爪25では、切削部34および右耕耘軸23間の土壌54cの残耕状態を小さく抑えて、細かく耕耘できる状態を確保できる。
【0083】
つぎに、図11において、図9(b)、(c)の比較例と図10(b)、(c)の実施例を対比させながら各々の耕耘状態を説明して、比較例の耕耘爪102と実施例の耕耘爪25(第4耕耘爪25D)との耕耘性能の相違を明確にする。
【0084】
図11(a)の比較例によれば、前切削部104が土壌106に食い込むことにより、前切削部104の周囲の土壌106aが前切削部104で耕耘される。
【0085】
これに対して、図11(b)の実施例によれば、前切削部37全体が土壌54に食い込むことにより、前切削部37および右耕耘軸23間の土壌54に、前切削部37から矢印Jの如く右耕耘軸23に向けて耕耘力(打込力)が発生する。
よって、前切削部37および右耕耘軸23間の土壌54bに矢印Jの如く割れが発生する。
これにより、前切削部37の周囲の土壌54aが前切削部37で耕耘されるとともに、前切削部37および右耕耘軸23間の略中央の土壌54bが前切削部37で耕耘される。
【0086】
図11(c)の比較例によれば、前切削部104が土壌106に食い込んだ後、残りの切削部103が土壌106に食い込むことにより、残りの切削部103の周囲の土壌106aが切削部103で耕耘される。
ここで、比較例の耕耘爪102は、切削部103に屈曲部を備えてなく、さらに、前切削部104が傾くようにねじられていない。
このため、切削部103および右耕耘軸101間の土壌106cを耕耘することが難しく、土壌106が残耕状態や細かく耕耘できない状態になりやすい。
【0087】
これに対して、図11(d)の実施例によれば、第4耕耘爪25Dの後切削部36が土壌54に食い込むことにより、切削部34の全体が土壌54に食い込む。
実施例の第4耕耘爪25Dは、前切削部37が傾斜角θだけ傾くようにねじられている。
【0088】
よって、切削部34の周囲の土壌54aが切削部34で耕耘されるとともに、切削部34および右耕耘軸23間の略中央の土壌54bが切削部34で大きく耕耘される。
これにより、切削部34(第4耕耘爪25D)で土壌54を細かく耕耘する細土性能や、土壌54の残耕を少なくする性能、すなわち耕耘性能を高めることができる。
【0089】
ついで、実施例の第1耕耘爪25Aで動力伝達ケース17近傍の土壌54を耕耘する例を図12に基づいて説明する。
なお、図12においては、複数の耕耘爪25のうち、右耕耘軸23の中央端部23a近傍に取り付けた第1耕耘爪25Aを代表例として説明する。
図12は第1耕耘爪25Aを上方から見た状態を示す平面図である。
【0090】
第1耕耘爪25Aの前切削部37がねじられることで、前切削部37の内面37b(図6(b)参照)が動力伝達ケース17に対向するように傾斜角θだけ傾いて配置されている。
よって、第1耕耘爪25Aの前切削部37で土壌54に打込力を与えて土壌を耕耘する際に、打込力Fを動力伝達ケース17に向けて作用させることができる。
【0091】
これにより、前切削部37および動力伝達ケース17間の土壌(すなわち、動力伝達ケース17近傍(耕耘機10の幅方向中央))の土壌54dに割れが発生し、土壌54dを好適に耕耘することができる。
したがって、動力伝達ケース17近傍の土壌54の残耕を少なく抑えて耕耘性能を高めることができる。
【0092】
なお、本発明に係る耕耘爪は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、前切削部37を屈曲回転軌跡45より半径方向外側に位置するように形成した例について説明したが、これに限らないで、前切削部37を屈曲回転軌跡45上に位置するように形成することも可能である。
このように、前切削部37を屈曲回転軌跡45上に位置させることで、実施例と同様の耕耘性能を得ることができる。
【0093】
また、前記実施例で示した耕耘機10、動力伝達ケース17、左右の耕耘軸23、耕耘爪(第1耕耘爪〜第7耕耘爪)25(25A〜25G)、支持部32、切削部34、屈曲部35、後切削部36および前切削部37などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、動力伝達部から幅方向に突出する耕耘軸に取り付けられ、耕耘軸を回転することにより耕耘作業をおこなう耕耘爪を備えた耕耘機への適用に好適である。
【符号の説明】
【0095】
10…耕耘機、17…動力伝達ケース(動力伝達部)、23…左右の耕耘軸(耕耘軸)、25(25A〜25G)…耕耘爪(第1耕耘爪〜第7耕耘爪)、32…支持部、32a…支持部の先端、34…切削部、34a…切削部の根元、34b…切削部の先端(前切削部の先端)、35…屈曲部、36…後切削部、37…前切削部、37a…前切削部の外面、37b…前切削部の内面、37c…前切削部の外側辺、37d…前切削部のテーパ面、45…回転軌跡、48…最大回転軌跡、P1…第1耕耘爪の外側位置(耕耘爪の外側位置)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘機に設けられた耕耘軸に取り付けられ、該耕耘軸を回転することにより耕耘作業をおこなう耕耘爪であって、
前記耕耘爪は、
前記耕耘軸の回転方向に対して平行に配置され、かつ前記耕耘軸から半径方向に沿って外方に突出された支持部と、
前記支持部の先端から前記耕耘軸側に折り曲げられ、かつ、前記耕耘軸の回転方向に向けて延出された切削部と、を有し、
前記切削部は、
根元および先端間に半径方向外側に向けて突出するように折り曲げられた屈曲部と、
前記屈曲部および前記根元間を形成し、前記屈曲部の回転軌跡より内側に位置する後切削部と、
前記屈曲部および前記先端間を形成し、前記屈曲部の回転軌跡上、または前記回転軌跡より外側に位置する前切削部と、
を有することを特徴とする耕耘爪。
【請求項2】
前記切削部は帯状に形成され、
前記後切削部が、
前記耕耘軸の軸方向に対して外面が略平行に配置され、
前記前切削部は、
前記屈曲部から前記後切削部に対してねじられることにより、前記耕耘軸の軸方向に対して外面が傾いて配置されたことを特徴とする請求項1記載の耕耘爪。
【請求項3】
前記耕耘軸は、
前記耕耘機に備えられた動力伝達部から突出され、
前記前切削部は、
内面が前記動力伝達部に対向するように配置されたことを特徴とする請求項2記載の耕耘爪。
【請求項4】
前記前切削部は、
先端が先細状に形成され、
先細状の先端が前記耕耘爪の最大回転軌跡上で、かつ前記支持部に対して前記耕耘軸の軸方向に最も離れた前記耕耘爪の外側位置に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の耕耘爪。
【請求項5】
前記前切削部は、
前記支持部に対して略平行に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の耕耘爪。
【請求項1】
耕耘機に設けられた耕耘軸に取り付けられ、該耕耘軸を回転することにより耕耘作業をおこなう耕耘爪であって、
前記耕耘爪は、
前記耕耘軸の回転方向に対して平行に配置され、かつ前記耕耘軸から半径方向に沿って外方に突出された支持部と、
前記支持部の先端から前記耕耘軸側に折り曲げられ、かつ、前記耕耘軸の回転方向に向けて延出された切削部と、を有し、
前記切削部は、
根元および先端間に半径方向外側に向けて突出するように折り曲げられた屈曲部と、
前記屈曲部および前記根元間を形成し、前記屈曲部の回転軌跡より内側に位置する後切削部と、
前記屈曲部および前記先端間を形成し、前記屈曲部の回転軌跡上、または前記回転軌跡より外側に位置する前切削部と、
を有することを特徴とする耕耘爪。
【請求項2】
前記切削部は帯状に形成され、
前記後切削部が、
前記耕耘軸の軸方向に対して外面が略平行に配置され、
前記前切削部は、
前記屈曲部から前記後切削部に対してねじられることにより、前記耕耘軸の軸方向に対して外面が傾いて配置されたことを特徴とする請求項1記載の耕耘爪。
【請求項3】
前記耕耘軸は、
前記耕耘機に備えられた動力伝達部から突出され、
前記前切削部は、
内面が前記動力伝達部に対向するように配置されたことを特徴とする請求項2記載の耕耘爪。
【請求項4】
前記前切削部は、
先端が先細状に形成され、
先細状の先端が前記耕耘爪の最大回転軌跡上で、かつ前記支持部に対して前記耕耘軸の軸方向に最も離れた前記耕耘爪の外側位置に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の耕耘爪。
【請求項5】
前記前切削部は、
前記支持部に対して略平行に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の耕耘爪。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−102740(P2013−102740A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249630(P2011−249630)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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