説明

肉をベースにした半生の飼料製品および該飼料製品を製造ずるための方法

【課題】食品生理学的に適切な、天然の飼料用肉に類似の、非常に肉含有量が高くて、食用動物における良好な受容性および魅力的な構造を有する半生の飼料を提供する。
【解決手段】半生の飼料製品は、穀物含有量、穀物製品および結合剤なしで、調理用押出によって製造し、押出機10には、少なくとも以下の材料、すなわち、a)乾燥肉、肉粉、乾燥魚、魚粉のグループの少なくとも1つの要素、b)肉および/または魚、c)a)またはb)によってあるいはa)またはb)と共に投入されない限りでは、必要な場合に、水または蒸気が供給し、材料a),b)およびc)は、共に、材料の生地の少なくとも80重量%とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肉をベースにした、穀物を含まない半生の飼料製品を押出によって製造するための方法と、生のまたは予め加工された肉の少なくとも80重量%の含有量を含んだ、前記方法によって得られた半生の(セミモイスト)飼料製品と、ネコ、イヌおよび他の肉食系の家畜のための飼料の、完全飼料またはスナックとしての使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
半生の飼料は、ドライ飼料とウェット飼料との間の水分を有する飼料を意味する。ドライ飼料は、通常、6ないし10重量%の水分(残留水分6ないし10重量%)を含む。これに対し、半生の製品は、15ないし50重量%の水分を含む。
【0003】
ネコおよびイヌは、自然の中では主として肉すなわち胃の中味を含めた被捕食動物を食べて生きている肉食動物である。肉および魚も、すなわち、動物性タンパク質は、更に、動物の摂食行動に関して高い受容媒体(Akzeptanztraeger)である。従って、場合によっては魚で濃縮された高い肉含有量を有し、従ってまた、動物性タンパク質の高い含有量を有する飼料を開発することは、栄養生理学的に有用である。この飼料は、同時に、穀物または穀物製品なしで間に合い、従ってまた、炭水化物の非常に少ない含有量を有する。
【0004】
これに対し、通常の家畜用飼料(ペットフード)は、ドライ製品および半生製品の場合には、穀物または穀物材料、特にデンプンの相当な割合を有する。但し、これらの成分は、大部分、このようにして飼料が与えられた動物の自然食品には属さない。更に、今日では、食肉動物にとって、肉だけの食事が健康にとって重要であることが認識された。従って、生飼料および缶詰飼料のほかに、非常に高い肉含有量を有するが、穀物製品を含まず、かつ好ましくは砂糖も含まない完全飼料およびスナックに対する要求がある。
【0005】
半生の飼料製品は、しばしば、調理用押出によって得られる。このような方法は、長い間、種々の食品のために用いられている。それ故に、プロセス技術的に完成した押出法および装置が用いられる。調理用押出法の例は、特許文献1に記載されている。
【0006】
押し出された製品の口当たり、弾性および外観は、内容物および押出条件に依存している。押出機によって、熱エネルギおよび機械エネルギが投入される。せん断力は、押し出される物に作用する。該押し出される物は、1つの段階で混合され、捏ねられ、かつ搬送される。調理用押出の場合には、しばしば、膨張が生じる。しかしながら、該膨張を、押出機中の圧縮圧力の発生によって妨げることができる。
【0007】
半生の飼料製品は、押出機の出口では、ノズルによって押し出されて、ストランドが形成される。該ストランドを、その後、カットし、必要な場合には乾燥することができる。望ましいコンシステンシーでは、製品は、十分な結合を有しており、余りに硬くなく、脆くなく、乾燥しておらず、壊れ易くない。軟らかな、ウェットな、弾性的な、しかし、硬い、非潮解性または非分解性の製品が試みられる。該製品のコンシステンシーは、天然の鮮肉部分のコンシステンシーに近い。
【0008】
特許文献2は、肉に類似の材料からなり、かつ調理用押出法によって製造される、軟らかく弾性的な飼料製品を開示している。所望の口当たりを調整するために、穀物粉が、可塑化ポリオールと共に用いられる。
【0009】
特許文献3は、製品内の結合がカゼインナトリウムのようなカゼイン接着剤によって保証されるときに、デンプンを省略することができる調理用押出法を記載している。しかしながら、肉食動物のための自然に近い飼料製品にとって、カゼインおよび他の結合剤の存在は望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】DE 36 36 867
【特許文献2】US 4,190,679
【特許文献3】US 3,380,832
【特許文献4】DE 102006 031794 A1
【特許文献5】EP 0121813 A1
【特許文献6】US 2009/035419 A1
【特許文献7】US 3 622 353 A
【特許文献8】WO 93/05666 A1
【特許文献9】US 3 765 902 A
【特許文献10】GB 1 456 433 A
【特許文献11】US 6 238 726 81
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】DATABASE gnpd [Online], Mintel; Anonymous: "Beef Sticks for Dogs", XP002638582, www.gnpd.com, Database accession no. 1496752
【発明の概要】
【0012】
従って、本発明の課題は、非常に高い肉含有量と、良好な受容性と、魅力的な構造とを有するが、穀物成分または穀物製品を含まない、栄養生理学的に適切な、天然の飼料用肉に類似の、半生の飼料を提供することである。更に、半生の飼料が、出来る限り結合剤を含まないことが意図される。
【0013】
上記課題は、肉をベースにした半生の飼料製品を押出によって製造するための方法であって、押出機に、以下の材料、すなわち、
a)乾燥肉、肉粉、乾燥魚、魚粉のグループの少なくとも1つの要素
b)肉および/または魚
c)必要な場合には、肉および/または魚によっては十分な含水が準備されないときは、水または蒸気
を、穀物、穀物製品および濃縮した植物性タンパク質を除外して、供給し、但し、材料a),b)およびc)は、共に、材料の生地の少なくとも80重量%となること、および、材料を、熱的および機械的エネルギの供給の下で混合し、かつ、ノズルを通して、圧縮してストランドを形成し、押出機の少なくとも1つのゾーンで、20ないし40barの圧力を発生させ、かつ、生地を、食品技術的な要件を維持するために十分な時間に亘って、80ないし130℃の、好ましくは80ないし110℃の温度に晒す方法によって、解決される。
【0014】
押出は、ここでは、特にいわゆる「調理用押出」(Kochextrusion)である。この場合、通常は、加熱可能な押出機が用いられる。温度は、全体的に100℃を下回っていることがあるので、この方法は、低温調理用押出(Garextrusion)とも呼ばれる。温度分布に関して、押出物のための種々の押出法が考えられる。押出機に沿った時間および熱分布に従って、例えば全体的に穏やかな温度では、好ましくは、穏やかでない温度の場合よりも長い処理時間に亘って、押出物を押し出すことができる。押出物は、短時間でも、比較的高い温度で、かつ、他の場合では、該温度より低い温度で処理することもできる。好ましい処理形態では、少なくとも、押出機の1つの部分で、少なくとも90℃の押出物のコア温度が調整される。
【0015】
デンプン、他の処理された炭水化物または結合剤の存在なしにも、押出機による熱的および機械的のエネルギの投入が、生地を可塑化し、かつ、均等な、纏まった弾性的な製品を形成する。このことは、本発明によれば、押出条件下で、水および/または蒸気による乾燥したまたは生の肉部分同士の協働によって、達成される。
【0016】
肉および肉粉は、単独でかつ別々に、異なった動物種から由来することができる。肉および肉粉あるいは生の材料および乾燥材料夫々の複数の種類の混合物も用いることができる。
【0017】
適切な種類は、例えば、鶏肉、牛肉、ラム肉、猟獣肉および豚肉である。
【0018】
「肉」とは、ここでは、動物用飼料加工のために認められた、一般的には、温血動物の全部である。但し、毛皮、爪、毛髪、角、羽毛、歯、蹄、嘴、胃と腸の内容物、追加された脂肪、追加された血、追加された骨および骨粉は、除外される。
【0019】
「魚」は、ここでは、生のまたは乾燥したすべての魚または該魚の部分を意味する。
【0020】
グループb)の「肉」および「魚」という材料は、夫々、グループa)の乾燥食材よりも高い水分、好ましくはウェット飼料にとって典型的な水分、特に、自然のまたはほぼ自然の水分を有する。グループb)からの材料が、鮮肉および/または生魚(冷凍された状態でも)であることは好ましい。
【0021】
「乾燥肉」は、脱水によって、熱の中でも、または空気に触れて乾燥された肉(小片状)を意味する。「乾燥魚」も、このような意味である。乾燥肉および乾燥魚は、必要な場合には、複数の準備の段階で破砕される。このことは、材料が押出機へ搬送および供給の際に、十分に崩れるほどに、該材料が非常に脆いときには、不要である。
【0022】
「肉粉」および「魚粉」は、細砕された乾燥肉製品および乾燥魚製品である。
【0023】
「穀物」は、ここでは、穀物植物、特に穀粒の、飼料に適したすべての部分を意味する。
【0024】
「穀物製品」は、ここでは、碾かれた、粗く砕かれた、加工された穀物(デンプンおよびデンプン製品を含む)、例えば、粗びき粉、ぬか、粉およびこれらの穀物の全種類のエキスを意味する。
【0025】
「濃縮された植物性タンパク質」は、乾物における約40%より高いタンパク質含有量を有する、すべての植物性添加物、特に、豆、豆タンパク質、他の分離したタンパク質加水分解物を含む。
【0026】
材料a)および/またはb)を、本発明の実施形態では、水と予め混合し、あるいは、蒸気で予備調整することができる。他の準備処置は排除されていない。用いられる肉または魚を、まずは、小片にカットし、水と混合し、乳化し、および/または予め可塑化することができる。出発材料に応じて、この代わりに、水を取り出すことができる。
【0027】
肉、これに対応して、魚または魚肉を完全にまたは部分的に冷凍した状態で用いることができる。すなわち、冷凍した肉および生肉を、冷凍した混合物が生じるように、混合してもよい。しかしながら、冷凍した肉でのみ、または冷凍しない肉でのみ作業をすることもできる。
【0028】
a)対b)の重量比率は、追加された水を考慮しなければ、好ましくは0.8より大きく、更に好ましくは1より大きく、更に好ましくは3:1ないし1:1、特に好ましくは2.5:1ないし1.5:1である。魚を含んだ飼料製品には、好くなくとも4%の魚が含まれていることは好ましい。
【0029】
更に、飼料産業には、通常の添加物、特に、香料、天然のまたは合成の色素、不活性酵素または酵素エキス、植物エキスおよび/または植物濃縮物、特に野菜エキス、例えばピーマンエキス、赤カブエキス、セロリエキス、ニンジンエキス、トマトエキス等、トマト果心、野菜ジュースである。
【0030】
保存料を加えることができる。
【0031】
方法を、この代わりに、保存料なしで実行することができる。(調理用)押出によって、押出機を出ていく製品が、まず、衛生的に完全であり、食品技術的に完璧に小分けにパックされることが、このことを目指した製品条件下で、可能である。より長い保存を達成するために、続いて、製品のパッキング中にガスが注入される。
【0032】
材料の生地または押出物に、砂糖を加えてもよい。現在では、この代わりに、砂糖を全然加えないことが好ましい。更に、甘味料も砂糖代用物も加えないほうが好ましい。
【0033】
他の好ましい実施形態では、機能添加物、例えば、プロバイオティクスを加えてもよい。これらの添加物は、特に、ビタミン、ミネラル、オメガ−3−脂肪酸、プロバイオティック安定剤およびプロバイオティック微生物を意味する。
【0034】
更には、カラゲーナン、ゼラチン、寒天、カゼイネート、またはカゼインをベースにした製造助剤またはペクチンのような結合剤を用いないことは好ましい。
【0035】
本発明の他の実施形態によれば、添加物として、分離したセルロースおよび微生物の多糖類を用いない。
【0036】
乳製品および乳タンパク質を加えないことは好ましい。
【0037】
更に、半生の飼料製品には、乳化剤を加えないほうがよい。乳化剤は、本方法では、不要である。同様に、発酵作用する発酵剤を省略することは好ましい。何故ならば、発酵剤は、構造、つまりは製品の構造を変えるからである。
【0038】
生で製造された半生の製品は、15ないし45重量%の水分を含むことが好ましい。
【0039】
半生の飼料製品は、押出機から出る際に、成形することができる。特殊な形状のノズル(ノズルプレート)によって、特別なストランド横断面を実現することができる。
【0040】
製品を、押出機を出た後に、更に加工することができる。押し出された飼料製品ストランドをたたき切り、またはカットすることが意図されていることは好ましい。かくして得られたストランド部分を、直ちに小分けにパックすることができる。乾燥を省略してもよい。
【0041】
更に、カットされた弾性的にウェットな製品を、所望ならば、熱で再形成することができる。このようにして、適切な成形ツールによって、変形された部分、例えばクッション状の物を得ることができる。実際また、ストランド部分から複数の形状を打ち抜くことができる。
【0042】
特に好ましい方法によれば、2軸押出機またはダブルスクリュー押出機(2重スクリュー押出機と呼ばれる)によって押し出しを実行する。複数のスクリューは、互いに噛み合うように形成されており、同一方向に回転するように、または反転するように、形成されていてもよい。
【0043】
プロセスを、押出中に異なる温度に達して維持される複数のゾーンが設定されている押出機によって、操作させることは好ましい。少なくとも1つの作業ゾーンおよび少なくとも1つの圧縮ゾーンがあることは更に好ましい。
【0044】
押出機からは、蒸気または水を、特に好ましくは端部ゾーンでまたは端部ゾーンの直前で(圧縮ゾーンがある場合には)取り出すことができる。実際また、必要な場合には、押出機に沿った1つまたは複数の供給箇所で、蒸気を供給することができる。2つの処置は、所望の水分を調整するために役立つ。
【0045】
特殊な機械的なエネルギ入力(SME)が、押出中に、10ないし150Wh/kg、更に好ましくは30ないし80Wh/kgにあることは、現在、特に有利であると見なされる。SMEは、製品の構造および口当たりへの押出要件による影響のための良い尺度である。
【0046】
特に前記方法によって、新たな半生の飼料製品が得られる。該飼料製品は、肉部分、つまり、生のまたは湿った状態で保存された(例えば冷凍された)および乾燥された、必要な場合には粉末に碾かれた肉(必要な場合には、魚を含む)と、水と、ほぼ両者からのみなる。好ましい実施形態では、飼料製品は、押出機から得られるように、あるいは、再処理直後に、肉の部分の少なくとも80重量%の含有量、すなわち、生のまたは予め処理された肉を有する。特に好ましい実施形態では、製品は、肉部分の少なくとも90重量%を含む。生魚の部分の各々は、肉の含有量に計算される。飼料製品は、小片の形で、例えば食べるのに適切な小片で存在し、または製造されることができる。
【0047】
半生の飼料製品は、天然の色素によって一色または多色に染色されていることができる。飼料製品が、フィルムパッケージ、特に、筒状の袋のパッケージ、トラス状トレーパッケージに封入されていることは、好ましく、更に好ましくは、飼料製品にガスが注入されている。
【0048】
新規な半生の飼料製品を、更に、販売単位では、他の飼料製品と結合するか、あるいは、混合した飼料の形で提供することができる。
【0049】
本発明に係わる半生の飼料製品を、ネコの飼料、イヌの飼料、あるいは、他の肉食家畜用の飼料として、他の完全飼料またはスナックの形態で用いることができることは特に有利である。
【0050】
本発明は、更に、半生の飼料製品のほかに、飼料の入った包装体積の中で、あるいは、パッケージの追加の仕切り部分において、別個にソース(グレービー)を有する包装単位を備える。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は本発明による押出成形法の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の適用範囲および可能な実施形態を詳細に示す方法および調合物の例を参照して、本発明を詳述する。前記実施形態に基づいて、通常の当業者は、自分の専門知識により、他の実施形態の可能性も見つけることができる。
【0053】
調合物の例(単位;重量%)
【表1】

【表2】

【表3】

【0054】
図1は本発明による押出成形法の概略図を示す。
【0055】
半生の飼料製品は、駆動装置12および出口に設けられたノズルプレート14を有する2軸式の低温調理用の押出機(2-Wallen-Garextruder)10により製造される。2軸低温調理用押出機は、異なる温度に達して維持される複数のゾーンを有するが、ここでは詳細に示さない。搬送方向は、図1では、左から右に延びている。作業行程に沿って、まず、肉の部分が供給される。鮮肉材料は、容器20にあって、そこから、押出機10に供給される。搬送は、詳細には示されないポンプ22(チューブポンプまたは蠕動ポン)によってなされる。容器20の代わりに、コンディショナ、例えば切断兼用撹拌機または乳化装置も設けられていてもよい。この場合、生の肉が、冷凍された鮮肉とともに、細かく砕かれかつ事前に乳化される。その目的は、粒子の大きさを減少させ、かつ、特に、骨の残りおよび軟骨があるときは、コンステンシーを均等化するためである。容器20またはコンディショナを冷却することができる。しかしながら、このことが不必要であることがあるのは、鮮肉に、冷凍した肉が加えられる場合であり、あるいは、冷凍した肉のみが用いられる場合である。
【0056】
挽いて粉にされた肉粉は、ばら荷用容器30または袋から、搬送路32を通って、押出機10に供給される。肉粉は、別個に、押出機に供給されることができるか、あるいは、まず第1に、鮮肉部分と混合される。このことは、点線で示された接続線34によって示されている。
【0057】
複数の鮮肉材料および/または複数の肉粉または魚粉が用いられるときは、夫々平行に、複数の容器20および30が設けられていてもよい。
【0058】
供給箇所40を介して、水を押出機の内部に供給することができる。この代わりに、水を、追加的に供給された水と共に製造することができる鮮肉用乳濁液を通して、プロセスすなわち押出機10に導入する。飼料用の出発混合物の材料a),b)およびc)は、複数の互いに近くに設けられた供給箇所を通って、または既に事前に混合された状態で押出機に供給される。これらの材料は、次に、共に押出機10の作業区間を通過して、混合される。発生する塊には、スクリューまたはダブルスクリューを用いた加工によって、せん断応力を用いて、機械エネルギが供給される。供給箇所の下流には、押出機の、ある温度に達して維持される1つまたは複数のゾーンがある。そこでは、追加的に、熱エネルギが投入される。押出物は、混合および機械的加工中に調理される。この最中に、タンパク質は変質される。香料および他の添加物が、共に、鮮肉容器20へ供給されなかった間は、香料および添加物を、容器50からの主要材料の供給の下流で、押出機に供給することができる。温度分布によっては、このことは、例えば、香料を損なわないためには、好都合である。押出機10の圧縮領域16では、圧縮が行なわれ、圧力は、出口ノズルプレートすなわちノズルプレート14の直前で上昇する。この例では、押出機の端部ゾーンでは、押出物が出る直前まで、25ないし35barの圧力が調整される。圧力制御のためには、圧縮領域16では、または該圧縮領域の直前では、蒸気弁60が設けられていてもよい。水蒸気は除去される。製品の膨張は起こらない。
【0059】
ノズルプレート14の選択によって、例えばハート形または星形の横断面が生じるように、押出ストランドの形成が可能である。ノズルプレート14に続いて、複数の回転型のカッターが設けられている。該カッターは、押し出された製品ストランドをカットして、任意の長さの飼料基体(Futterkoerper)を形成する。飼料基体の大きさは、該大きさが、動物によって最適に摂取されることができるように、調整される。
【0060】
最終製品、すなわち、半生の飼料は、押出機から出た後に後処理ユニットおよび/または小分けパックユニットに供給される(ここでは一括して符号70が付されている)。
【0061】
処理パラメータ:
スクリュー駆動:500rpm
混合段階中の圧力:20ないし30bar
圧縮段階中の圧力:25ないし35bar
端部近くのゾーンの処理温度:80ないし95℃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肉をベースにした半生の飼料製品を押出によって製造する方法において、
押出機に、少なくとも以下の材料、すなわち、
a)乾燥肉、肉粉、乾燥魚、魚粉のグループの少なくとも1つの要素
b)肉および/または魚
c)a)またはb)によってあるいはa)またはb)と共に投入されない限りでは、必要な場合には、水または蒸気
を、穀物、穀物製品および濃縮した植物性タンパク質を除外して、供給し、但し、前記材料a),b)およびc)は、共に、材料の生地の少なくとも80重量%となること、および、前記材料を、熱的および機械的エネルギの供給の下で混合し、かつ、ノズルを通して、圧縮してストランドを形成し、前記押出機の少なくとも1つのゾーンで、20ないし40barの圧力を発生させ、かつ、前記生地を、食品技術的な要件を維持するために十分な時間に亘って、80と130℃の間の温度に晒すことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記材料a)および/またはb)を水と予め混合し、あるいは、蒸気で予備調整することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記肉を完全にまたは部分的に凍結状態で用いることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
a)対b)の重量比率は、追加された水を考慮しなければ、0.8よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
飼料産業では、通常の食品添加物、特に香料、天然または合成の色素、不活性の酵母、酵母エキス、植物エキスおよび/または植物濃縮物、保存料、砂糖、機能性食材を添加するが、カラゲーナン、ゼラチン、寒天、ペクチンのような結合剤を添加しないし、および乳化剤を添加しないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
最終製品は、15ないし45重量%の水分を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記抽出された飼料製品ストランドをカットすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記カットされた弾性的に湿った製品を、熱で再成形することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
押出中の前記押出機に、異なる温度に達して維持される複数のゾーンを設定すること、および、少なくとも1つの作業ゾーンおよび少なくとも1つの圧縮ゾーンがあることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
押出中に投入される特殊な機械的なエネルギ入力(SME)は、10ないし150Wh/kgであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
穀物、穀物製品および濃縮された植物性タンパク質を除いて、少なくとも80重量%の肉部分の含有量を有する、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法によって得られる半生の飼料製品。
【請求項12】
前記飼料製品は、天然の色素によって一色または多色に染色されていることを特徴とする請求項11に記載の半生の飼料製品。
【請求項13】
前記飼料製品は、フィルムパッケージ、特に、筒状の袋のパッケージ、トラフ状トレーパッケージまたは缶に封入されていることを特徴とする請求項11または12に記載の半生の飼料製品。
【請求項14】
ネコの飼料、イヌの飼料(完全飼料またはスナック)、あるいは、他の肉食家畜用の飼料としての、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の半生の飼料製品の使用。
【請求項15】
請求項11ないし13のいずれか1項に記載の半生の飼料製品のためのパッケージユニットであって、該半生の飼料製品は請求項14に記載のように用いられ、
前記パッケージユニットは、前記半生の飼料の入った包装体積内で、あるいは、前記パッケージの追加の仕切り部分の中で、ソース(グレービー)を含むことを特徴とするパッケージユニット。

【図1】
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【公開番号】特開2012−191934(P2012−191934A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−57292(P2012−57292)
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(512065720)ビタクラフト−ベルケ・ビュールマン・ウント・ゾーン・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (1)
【氏名又は名称原語表記】Vitakraft−Werke Wuehrmann & Sohn GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】