説明

肌評価装置、肌評価方法、及び肌評価プログラム

【課題】肌表面の画像を分割したときの色情報の標準偏差の差分を指標として、肌の滑らかさにより肌を評価する。
【解決手段】肌の表面を撮影した画像に基づいて、前記肌を評価する肌評価装置であって、前記画像の画像領域を段階的に分割する画像分割手段と、前記画像分割手段によって分割された画像領域を基準として前記画像全体の色情報の標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて、前記段階的に分割された画像間の前記標準偏差の差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段により得られた差分情報を指標として、前記肌を評価する評価手段とを備えることにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌評価装置、肌評価方法、及び肌評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、肌の美しさを評価するための方法として、肌の表面を撮影した画像を画像処理して、肌の表面のしみ、そばかす、毛穴等を抽出する方法が知られている。また、皮膚表面の色調等における肌の状態値のばらつき、すなわち不均一性を算出するため、肌の表面を撮影した画像を所定のマトリクスに分割し、分割した領域における肌色の測定値の不均一性を算出し、算出した不均一性を指標として、肌の美しさを評価する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3426052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した肌の美しさは、肌の滑らかさに大きく影響される。そのため、肌が滑らかに見えるように、例えばファンデーション等の化粧料を用いて、しみ、そばかす、毛穴等の悩みをカバーすることが行われている。したがって、例えば肌の滑らかさをしみ、そばかす、毛穴の凹凸等によって生じるノイズの量によって評価することができれば、肌の美しさを評価できるとともに、例えばファンデーション等の化粧料のカバー力を評価することも可能となる。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の手法では、単に肌の表面の画像を所定のマトリクスに分割して、分割した領域におけるL表色系のパラメータのうちL値のばらつきを求め、これを不均一性値として肌を評価しているだけであり、肌の滑らかさを評価する基準となるしみ、そばかす、毛穴の凹凸等のノイズを高精度に抽出して、肌の美しさを評価することができなかった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、肌表面の画像を分割したときの色情報の標準偏差の差分を指標として、肌の滑らかさにより肌を評価する肌評価装置、肌評価方法、及び肌評価プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、肌の表面を撮影した画像に基づいて、前記肌を評価する肌評価装置であって、前記画像の画像領域を段階的に分割する画像分割手段と、前記画像分割手段によって分割された画像領域を基準として前記画像全体の色情報の標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて、前記段階的に分割された画像間の前記標準偏差の差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段により得られた差分情報を指標として、前記肌を評価する評価手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、肌の表面を撮影した画像に基づいて、前記肌を評価する肌評価装置により実行される肌評価方法であって、前記画像の画像領域を段階的に分割する画像分割手順と、前記画像分割手順によって分割された画像領域を基準として前記画像全体の色情報の標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて、前記段階的に分割された画像間の前記標準偏差の差分を算出する差分算出手順と、前記差分算出手段により得られた差分情報を指標として、前記肌を評価する評価手順とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、肌の表面を撮影した画像に基づいて、前記肌を評価する肌評価プログラムであって、コンピュータを、前記画像の画像領域を段階的に分割する画像分割手段、前記画像分割手段によって分割された画像領域を基準として前記画像全体の色情報の標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて、前記段階的に分割された画像間の前記標準偏差の差分を算出する差分算出手段、前記差分算出手段により得られた差分情報を指標として、前記肌を評価する評価手段として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、肌表面の画像を分割したときの色情報の標準偏差の差分を指標として、肌の滑らかさにより肌を評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態における肌評価装置の機能構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態における肌評価処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本実施形態における肌評価処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】肌評価処理における明るさの標準偏差の差分を算出する流れを説明するための図である。
【図5】ノイズが付加されたグラデーション画像を段階的に分割し、分割された画像の各領域における色を平均化したときの画像の一例を示す図である。
【図6】明るさの標準偏差の差分に基づき抽出されるノイズの例を説明するための図である。
【図7】ノイズに対応した適切な分割数等の一例を示す図である。
【図8】異なるファンデーション塗布方法による肌評価処理の一例を示す図である。
【図9】スポンジ、ブラシ等を用いてファンデーションを塗布したときの化粧肌の画像を示す図である。
【図10】図9に示す画像を、しみサイズ及び毛穴サイズに対応した分割数で分割したときのそれぞれの画像間における明るさの標準偏差の差分値(ΔSD)を示す図である。
【図11】しみが目立たなくなった肌評価の一例を示す図である。
【図12】毛穴が目立たなくなった肌評価の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
<肌評価装置:機能構成例>
図1は、本実施形態における肌評価装置の機能構成の一例を示している。図1に示すように、本実施形態における肌評価装置10は、入力手段11と、出力手段12と、記録手段13と、画像取得手段14と、設定手段15と、画像分割手段16と、差分算出手段17と、評価手段18と、制御手段19とを有するように構成される。
【0014】
また、肌評価装置10は、例えば撮影された肌表面の画像の画像領域を段階的に分割し、分割した画像領域を基準として画像全体の色情報の標準偏差を算出し、段階的に分割された画像間の標準偏差の差分を算出して、算出された標準偏差の差分情報を指標として、肌の滑らかさにより肌の評価を行う。
【0015】
上述した色情報の標準偏差は、肌の表面におけるしみ、そばかす、毛穴の凹凸等によって変化する。また、色情報の標準偏差の差分情報は、しみ、そばかす、毛穴の凹凸等によって生じるノイズの量によって影響され、ノイズの量が少ない程、肌が滑らかで、肌が美しいと評価することができる。すなわち、肌の表面におけるしみ、そばかす、毛穴の凹凸等によって生じるノイズの量が少ない程、肌は滑らかであると評価される。
【0016】
なお、本発明における色情報とは、例えば、明るさ、色相、彩度、メラニン量、ヘモグロビン量等を示す。以下の実施形態では、本発明における色情報の例として「明るさ」を用いて説明するものとする。
【0017】
入力手段11は、例えばキーボードや、マウス等のポインティングデバイス等からなり、ユーザ等からの画像取得指示、ノイズ情報入力指示、肌評価指示等の各種指示の開始、終了等の入力を受け付ける。
【0018】
出力手段12は、例えばディスプレイ等からなり、入力手段11により入力された内容や、入力内容に基づいて実行された内容等の表示・出力を行う。
【0019】
記録手段13は、画像取得手段14により取得された画像、設定手段15によって設定されたノイズ情報、画像分割手段16によって分割された画像、差分算出手段17によって算出された画像全体の明るさの標準偏差、及び、段階的に分割された画像間の標準偏差の差分、評価手段18によって評価された結果等の各種データを記録する。また、記録手段13は、必要に応じて記録されている各種データを読み出すことができる。
【0020】
画像取得手段14は、例えばカメラ等によって評価対象者のしみ、そばかす、毛穴等の肌の悩みが集中する頬部位の肌の表面を撮影した画像(肌画像)を取得する。
【0021】
設定手段15は、ユーザからの入力指示に基づき、明るさの標準偏差に変化を与えるしみ、そばかす、毛穴等のノイズ情報を設定する。
【0022】
画像分割手段16は、画像取得手段14によって取得された肌表面の画像の画像領域を、上述したノイズの内容に対応して予め設定された分割数、画素(ピクセル)数、所定のサイズ等ごとに段階的に分割する。
【0023】
例えば、画像分割手段16は、設定手段15によりノイズ情報が「しみ、そばかす」と設定された場合、例えば「しみ、そばかす」に対応する分割数として設定された1024分割、及びその前段階の分割数である256分割により、取得された肌表面の画像の画像領域を分割する。
【0024】
また、画像分割手段16は、ユーザによってノイズ情報が設定されなかった場合でも、任意に設定された所定の分割数により、取得した肌画像を分割することができる。なお、画像を段階的に分割する具体的な手法については後述する。
【0025】
差分算出手段17は、画像分割手段16によって分割された画像領域を基準として取得した肌画像全体の明るさの標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて、段階的に分割された画像間の標準偏差の差分を算出する。
【0026】
具体的には、差分算出手段17は、例えば取得した肌画像全体の明るさの標準偏差を、分割された画像の各領域内における色の平均を求めることにより算出する。ここで、差分算出手段17は、例えば各領域内のRGB画像信号から輝度や明度といった明るさ情報の平均値を求めることにより、肌画像全体の明るさ情報の標準偏差を算出しても良い。なお、上述した明るさ情報以外にも、上述した他の色情報(例えば色相、彩度、メラニン量、ヘモグロビン量)を用いて、肌画像全体の色情報の標準偏差を算出しても良い。
【0027】
また、差分算出手段17は、例えば段階的に分割された画像間における標準偏差の差分について、例えば4分割された画像と16分割された画像等、分割数を異ならせて、段階的に分割された画像間での明るさの標準偏差の差分を算出する。
【0028】
評価手段18は、差分算出手段17により得られた差分情報を指標として、肌の評価を行う。例えば、評価手段18は、しみ、そばかす等のノイズ情報に対応して分割された画像間において、化粧料が塗布された肌画像の標準偏差の差分が、素肌の肌画像の標準偏差の差分よりも小さい場合、化粧料が塗布された肌は、しみ・そばかす等がカバーされてノイズが減少し、肌の滑らかさが向上していると評価することができる。
【0029】
また、評価手段18は、段階的に分割された画像間における明るさの標準偏差の差分が急に大きく変化した場合、評価対象者の肌に対して、画像の分割サイズに対応したノイズがあると判断することもできる。
【0030】
制御手段19は、肌評価装置10の各構成部全体の制御を行う。例えば、制御手段19は、例えばユーザ等による入力手段11からの指示等に基づいて、画像取得手段14により評価対象者の頬部位の肌画像を取得し、画像分割手段16により画像の画像領域を段階的に分割し、差分算出手段17によって、段階的に分割された画像間の明るさの標準偏差の差分を算出して、評価手段18により肌の評価を行う等の各制御を行う。
【0031】
<肌評価装置:ハードウェア構成>
上述した化粧肌評価装置10では、各機能をコンピュータに実行させることができる肌評価プログラム等の実行プログラムを生成し、例えば汎用のパーソナルコンピュータ、サーバ等に実行プログラムをインストールすることにより、本発明における肌評価処理等を実行することができる。
【0032】
次に、図2を用いて、本実施形態における肌評価処理が実行可能なコンピュータのハードウェア構成例について説明する。図2は、本実施形態における肌評価処理が実現可能なハードウェア構成の一例を示している。
【0033】
図2のコンピュータ本体には、入力装置21と、出力装置22と、ドライブ装置23と、補助記憶装置24と、メモリ装置25と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)26と、ネットワーク接続装置27とを有するように構成され、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
【0034】
入力装置21は、ユーザ等が操作するキーボード、マウス等のポインティングデバイスを有しており、ユーザ等からのプログラムの実行等、各種操作信号を入力する、また、入力装置21は、例えばカメラ等によって撮影された評価対象者の肌画像を入力する入力ユニットを有している。
【0035】
出力装置22は、本発明の処理を行うためのコンピュータ本体を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイを有し、CPU26が有する制御プログラムにより実行経過や結果等を表示することができる。
【0036】
ここで、本発明においてコンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやCD−ROM等の可搬型の記録媒体28等により提供される。プログラムを記録した記録媒体28は、ドライブ装置23にセット可能であり、記録媒体28に含まれる実行プログラムが、記録媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。
【0037】
補助記憶装置24は、ハードディスク等のストレージ手段であり、本発明における実行プログラムや、コンピュータに設けられた制御プログラム等を記憶し、必要に応じて入出力を行うことができる。
【0038】
メモリ装置25は、CPU26により補助記憶装置24から読み出された実行プログラム等を格納する。なお、メモリ装置25は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなる。
【0039】
CPU26は、OS(Operating System)等の制御プログラム、及びメモリ装置25に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して、肌評価処理等の各処理を実現することができる。
【0040】
なお、プログラム実行中に必要な各種情報等は、補助記憶装置24から取得することができ、また実行結果等を格納することもできる。
【0041】
ネットワーク接続装置27は、通信ネットワーク等と接続することにより、実行プログラムを通信ネットワークに接続されている他の端末装置等から取得したり、プログラムを実行することで得られた実行結果又は本発明における実行プログラム自体を他の端末装置等に提供したりすることができる。
【0042】
上述したハードウェア構成により、本発明における肌評価処理を実行することができる。また、プログラムをインストールすることにより、汎用のパーソナルコンピュータ等で本発明における肌評価処理を容易に実現することができる。
【0043】
<本実施形態における肌評価処理手順>
次に、図3を用いて、本実施形態における肌評価処理手順について説明する。図3は、本実施形態における肌評価処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0044】
図3に示す化粧肌評価処理において、画像取得手段14は、例えばカメラ等により撮影された評価対象者の頬部位における肌画像を取得する(S10)。ここで、画像取得手段14は、取得する画像の一例として頬部位における肌画像を取得するものとし、例えば256画素×256画素(約36mm×36mm)の画像を取得する。
【0045】
次に、設定手段15は、ユーザからの入力指示に基づき肌画像から抽出するしみ、そばかす、毛穴等のノイズ情報を設定する(S11)。
【0046】
次に、画像分割手段16は、設定されたノイズ情報に応じて、取得された肌画像の画像領域を段階的に分割する(S12)。
【0047】
例えば、S11の処理において「しみ、そばかす」がノイズ情報として設定された場合には、画像分割手段16は、S10の処理で取得した肌画像の画像領域を、予め「しみ、そばかす」に対応して設定された分割数等に基づいて分割する。
【0048】
例えば、S10の処理で取得した肌画像が、上述した256画素×256画素(約36mm×36mm)の画像の場合、画像分割手段16は、取得した肌画像の画像領域を予めしみ、そばかすに対応して設定された分割数である256分割、次にその後段階の分割数である1024分割に段階的に分割する。
【0049】
これにより、画像分割手段16は、取得された肌画像の画像領域を256分割して、分割された画像領域の1領域を16画素×16画素(約2.24mm×2.24mm)とする。また、画像分割手段16は、取得された肌の画像領域を1024分割して、分割された画像領域の1領域を8画素×8画素(約1.12mm×1.12mm)とする。なお、このとき、分割された画像領域の1領域の大きさ(8画素×8画素)は、通常皮膚の表面に形成される「しみ、そばかす」のサイズと同程度の大きさとなる。
【0050】
次に、差分算出手段17は、分割された画像領域を基準として、取得した肌画像全体の明るさの標準偏差を算出する(S13)。例えば、差分算出手段17は、S12の処理で、段階的に分割した256分割した画像全体と1024分割した画像全体の明るさの標準偏差を算出する。
【0051】
すなわち、差分算出手段17は、256分割した画像の各領域における色の平均を求め、256分割した画像全体における明るさの標準偏差を算出する。
【0052】
例えば、差分算出手段17は、256分割した各領域のRGB画像信号から輝度平均値を求め、256分割した画像全体における輝度の標準偏差を算出する。また、例えば、差分算出手段17は、256分割した画像の各領域におけるRGB画像信号から明度平均値を求め、256分割した画像全体における明度の標準偏差を算出しても良い。
【0053】
同様に、差分算出手段17は、1024分割した画像の各領域における色の平均を求め、1024分割した画像全体の明るさの標準偏差を算出する。
【0054】
次に、差分算出手段17は、段階的に分割された画像間の標準偏差の差分を算出する(S14)。例えば、差分算出手段17は、256分割された画像全体の標準偏差と、1024分割された画像全体の標準偏差とを用いて、画像間の標準偏差の差分を算出する。
【0055】
次に、評価手段18は、S14の処理において算出された明るさの標準偏差の差分情報に基づいて、肌に対する評価を行い(S15)、処理を終了する。
【0056】
例えば、評価手段18は、評価対象者の素肌の肌画像における明るさの標準偏差の差分と、評価対象者に対してファンデーション等の化粧料が塗布された肌画像における明るさの標準偏差の差分とを比較して、化粧料が塗布された肌画像の標準偏差の差分が、素肌の肌画像の標準偏差の差分よりも小さい場合には、しみ、そばかす等がカバーされてノイズが減少し、肌の滑らかさが向上していると肌に対する評価を行うことができる。
【0057】
また、上述したS11の処理において、特にユーザによってノイズ情報が設定されなかった場合には、画像分割手段16は、任意に設定された所定の分割数等により、取得された画像を段階的に分割し、差分算出手段17は、段階的に分割された画像間における明るさの標準偏差の差分を算出する。
【0058】
ここで、評価手段18は、差分算出手段17により算出された標準偏差の差分が急に大きく変化した場合、評価対象者の肌に対して、標準偏差の差分が急に大きく変化したときの画像の分割サイズに対応したノイズがあると判断することもできる。
【0059】
上述したように、本実施形態によれば、段階的に分割された画像間における明るさの標準偏差の差分を算出し、算出した差分情報に基づいて、肌の表面におけるしみ、そばかす、毛穴の凹凸等のノイズを抽出することにより、肌に対する評価を行うことが可能となる。また、算出した差分情報を指標として、ファンデーションを塗布した肌において、どの程度、しみ、そばかす、毛穴等がカバーされてノイズが減少し、肌の滑らかさを向上したか、肌の滑らかさに基づく肌の評価を行うことが可能となる。
【0060】
<明るさの標準偏差の差分を算出する処理の流れ>
次に、図4を用いて、上述した肌評価処理における明るさの標準偏差の差分を算出する処理の流れについて説明する。図4は、肌評価処理における明るさの標準偏差の差分を算出する流れを説明するための図である。
【0061】
図4に示すように、画像取得手段14は、例えばカメラ等によって撮影された評価対象者の頬骨付近における256画素×256画素(約36mm×36mm)の画像を取得する。次に、画像分割手段16は、取得した評価対象者の肌画像の画像領域を、例えば16分割、64分割、128分割等、段階的に分割する。
【0062】
次に、差分算出手段17は、例えば16分割した画像の各領域の色を平均し、16分割した画像全体における明るさのばらつき(SD:標準偏差)を算出する。同様に、差分算出手段17は、64分割した画像全体における明るさの標準偏差(SD)、128分割した画像全体における明るさの標準偏差(SD)を算出していく。
【0063】
次に、差分算出手段17は、段階的に分割された画像間、例えば16分割された画像と64分割された画像、又は64分割された画像と128分割された画像の標準偏差の差分(ΔSD)を算出する。
【0064】
ここで、図4に示す分割された画像間における明るさの標準偏差の差分値(ΔSD)を算出していくときに、差分値が大きく変化する場合がある。
【0065】
例えば、肌画像をしみ、そばかす等のノイズサイズと同程度の大きさの画像領域に分割し、分割した肌画像における明るさの標準偏差と、その前段階、例えばしみ、そばかす等のノイズサイズよりも大きいサイズの画像領域に分割した肌画像における明るさの標準偏差との間では、急に差分値が大きく変化する(ΔSDが大きくなる)。
【0066】
本実施形態の肌評価装置10では、このように算出された明るさの標準偏差の差分情報を用いてしみ、そばかす、毛穴の凹凸等によって生じるノイズを抽出し、肌に対する評価を行う。
【0067】
<各領域の色を平均化したときの画像例>
次に、図5を用いて、ノイズがある肌を想定した画像として、ノイズが付加されたグラデーション画像を段階的に分割し、分割された画像の各領域における色を平均化したときの画像の一例について説明する。図5は、ノイズが付加されたグラデーション画像を段階的に分割し、分割された画像の各領域における色を平均化したときの画像の一例を示している。
【0068】
図5(A)は、例えば256画素×256画素のグラデーション画像に8画素×8画素(8px×8px)のノイズを付加した画像を示している。また、図5(B)〜図5(I)は、本実施形態の画像分割手段16により、図5(A)に示す画像の画像領域を、例えば4分割、16分割、64分割、256分割、1024分割、4096分割、16384分割、65536分割し、差分算出手段17により、分割した画像の各領域内における色を平均化したときの画像を示している。
【0069】
例えば、図5(B)には、図5(A)に示す画像の画像領域が4分割されて、分割された画像の各領域に、各領域の平均化された色が示されている。同様に、図5(C)には、図5(A)に示す画像の画像領域が16分割されて、分割された画像の各領域に、各領域の平均化された色が示されている。
【0070】
上述したように、本実施形態の差分算出手段17は、段階的に分割した画像の各領域における色を平均化する。また、差分算出手段17は、このように分割された画像領域を基準として画像全体の明るさの標準偏差を算出する。
【0071】
<明るさの標準偏差の差分に基づき抽出されるノイズの例>
次に、図6を用いて、明るさの標準偏差の差分に基づき抽出されるノイズの例について説明する。図6は、明るさの標準偏差の差分に基づき抽出されるノイズの例を説明するための図である。
【0072】
図6(A)は、グラデーションのみにより表された画像Aを示し、図6(B)は、図6(A)に示すグラデーション画像Aの中に4画素×4画素(4px×4px)のノイズを付加した画像Bを示し、図6(C)は、図6(A)に示すグラデーション画像Aの中に2画素×2画素(2px×2px)のノイズを付加した画像Cを示している。
【0073】
ここで、図6(A)〜図6(C)に示される画像A〜Cを用いて、本実施形態の差分算出手段17により、それぞれの画像の画像領域を段階的に分割し、段階的に分割された画像間における明るさの標準偏差の差分を算出する。図6(D)は、段階的に分割された画像間における明るさの標準偏差の差分値を示す。
【0074】
図6(D)に示すように、図6(B)に示す画像Bは、画像Bを8画素×8画素(8px×8px)の画像領域に分割したときの明るさの標準偏差と、4画素×4画素(4px×4px)の画像領域に分割したときの明るさ標準偏差との差分を算出したとき(ΔSD=SD(4px)−SD(8px))に、差分値(ΔSD)が最も大きくなっている。
【0075】
また、図6(C)に示す画像Cは、画像Cを4画素×4画素(4px×4px)の画像領域に分割したときの明るさの標準偏差と、2画素×2画素(2px×2px)の画像領域に分割したときの明るさの標準偏差との差分を算出したとき(ΔSD=SD(2px)−SD(4px))に、差分値(ΔSD)が最も大きくなっている。
【0076】
したがって、画像中に含まれるノイズと同程度の画像領域に分割したときの画像の明るさの標準偏差と、画像中に含まれるノイズよりも大きいサイズの画像領域に分割したときの画像の明るさの標準偏差との差分を算出して得られた差分情報を用いて、画像中に含まれるノイズを抽出できることが分かる。
【0077】
一方、図6(E)は、図6(A)〜図6(C)に示される画像A〜Cをそれぞれ段階的に分割し(例えば16px×16px、8px×8px、4px×4px等)、段階的に分割された画像ごとに算出した明るさの標準偏差値を示している。
【0078】
図6(E)に示すように、画像領域をどのように分割したとしても、単に分割して明るさの標準偏差を算出しただけでは、図6(A)〜図6(C)に示される画像A〜Cの標準偏差の値はほとんど変化がなく、画像A〜Cを区別することができない。
【0079】
例えば、図6(E)において、図6(A)に示す画像Aのように、グラデーションのみの画像であってもばらつき(SD)が生じており、また、図6(B)に示す画像B、図6(C)に示す画像Cのそれぞれの大きさのノイズが付加された場合でも、分割された画像ごとに算出される明るさの標準偏差値にほとんど変化がない。
【0080】
したがって、画像中に含まれるノイズを抽出する際には、単に画像を分割して明るさの標準偏差の値を算出するだけでは、的確にノイズを抽出することができないが、ノイズサイズと同程度の大きさに画像を分割して、段階的に分割した画像間の明るさの標準偏差の差分を算出することにより、的確にノイズを抽出することが可能である。
【0081】
<ノイズに対応した適切な分割数等の例>
次に、図7を用いて、ノイズに対応した適切な分割数等の一例について説明する。図7は、ノイズに対応した適切な分割数等の一例を示す図である。
【0082】
図7(A)は、例えば評価対象者の頬骨付近の256画素×256画素(約36mm×36mm)からなる肌画像Dを示している。
【0083】
また、図7(B)は、図7(A)に示す肌画像Dを分割するときの数を示す「分割数」、その分割数で肌画像Dを分割したときの1領域のサイズを示す「サイズ」、そのサイズに対応するノイズの内容を示す「対応」、肌画像Dを分割して各領域の色を平均したときの画像である「画像例」を示している。
【0084】
図7(B)に示すように、肌画像Dを分割する分割数を「4分割」又は「16分割」した場合、分割した肌画像Dの画像領域における1領域のサイズは「128画素(px)×128画素(約18mm×18mm)」又は「64画素(px)×64画素(約9mm×9mm)」となり、このサイズに対応したノイズには例えば「陰影」がある。したがって、例えば算出された明るさの標準偏差の差分情報に基づいて、肌画像Dの陰影を抽出することにより、肌画像Dの肌のツヤ等の状態を評価することも可能である。
【0085】
また、図7(B)に示すように、肌画像Dを分割する分割数を「64分割」又は「256分割」した場合、分割した肌画像Dの画像領域における1領域のサイズは「32画素×32画素(約4.5mm×4.5mm)」又は「16画素×16画素(約2.24mm×2.24mm)」となり、このサイズに対応したノイズには例えば「大きなしみ」がある。
【0086】
また、図7(B)に示すように、肌画像Dを分割する分割数を「1024分割」した場合、分割した肌画像Dの画像領域における1領域のサイズは「8画素×8画素(約1.12mm×1.12mm)」となり、このサイズに対応したノイズには例えば「しみ・そばかす」がある。
【0087】
また、図7(B)に示すように、肌画像Dを分割する分割数を「4096分割」した場合、分割した肌画像Dの画像領域における1領域のサイズは「4画素×4画素(約0.56mm×0.56mm)」となり、このサイズに対応したノイズには例えば「毛穴」がある。
【0088】
なお、ここで算出される明るさの標準偏差の差分情報に基づいて、毛穴の凹凸等のノイズを抽出して肌の評価を行うことが可能であるが、毛穴の凹凸等を抽出するには、肌画像を撮影するときに、不均一な照明の下で撮影されることが望ましい。
【0089】
更に、図7(B)に示すように、肌画像Dを分割する分割数を「16384分割」又は「65536分割」した場合、分割した肌画像Dの1領域のサイズは「2画素×2画素(0.28mm×0.28mm)」又は「1画素×1画素(0.14mm×0.14mm)」となり、このサイズに対応するノイズには例えば「きめ」等がある。
【0090】
上述したように、本実施形態では、予め様々なノイズを抽出するのに適切な分割数、分割サイズ等を設定しておくことにより、画像分割手段16は、上述した分割数、分割サイズ等を参照して、設定手段15により設定されたノイズ情報に対応して肌画像を分割することが可能となる。
【0091】
なお、上述したノイズを抽出するための分割数、分割サイズ等は、通常用いられる適切な分割数、分割サイズ等の一例であり、評価対象者によって異なる場合がある。したがって、本実施形態では、上述したように、分割した画像間で算出される明るさの標準偏差の差分値に基づいて、ノイズを抽出し、抽出したノイズに基づいて、肌に対する評価を行っても良い。
【0092】
また、評価手段18は、上述したノイズに対応する分割数、分割サイズ等において分割された画像間における明るさの標準偏差の差分値を指標として、以下に説明するように、ファンデーションを施した化粧肌に対する評価を行うことも可能となる。
【0093】
<異なるファンデーション塗布方法による肌評価例>
次に、図8を用いて、異なるファンデーション塗布方法による肌評価処理の一例について説明する。図8は、異なるファンデーション塗布方法による肌評価処理の一例を示す図である。
【0094】
図8(A)は、評価対象者の素肌Eを撮影した画像を示し、図8(B)は、図8(A)に示す素肌Eに塗布方法1によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Fの画像を示し、図8(C)は、図8(A)に示す素肌Eに塗布方法2によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Gの画像を示している。
【0095】
図8(C)に示すように、化粧肌Gは、しみ、そばかす、毛穴等が隠れて、肌全体が均一な仕上がりとなっている。
【0096】
ここで、図8(D)は、図8(A)〜図8(C)の画像を、しみサイズに対応した分割数で分割したとき(例えば画像領域を16px×16pxのサイズと、8px×8pxのサイズに分割したとき)の画像間における明るさの標準偏差の差分値(ΔSD)を示すとともに、毛穴サイズに対応した分割数で分割したとき(例えば画像領域を8px×8pxのサイズと、4px×4pxのサイズで分割したとき)の画像間における明るさの標準偏差の差分値(ΔSD)を示したものである。
【0097】
図8(D)に示すように、しみサイズに対応した分割数で分割したとき、ΔSDの値は、素肌E、化粧肌F、化粧肌Gの順に小さくなっている。このことから、化粧肌Fよりも化粧肌Gの方が、素肌Eのしみがカバーされてノイズが減少し、肌の滑らかさが向上していることが分かる。
【0098】
また、図8(D)に示すように、毛穴サイズに対応した分割数で分割したとき、ΔSDの値は、素肌E、化粧肌F、化粧肌Gの順に小さくなっている。このことから、化粧肌Fよりも化粧肌Gの方が、素肌Eの毛穴がカバーされてノイズが減少し、肌の滑らかさが向上していることが分かる。
【0099】
<スポンジ、ブラシ等を用いてファンデーションを塗布したときの肌評価例>
次に、図9及び図10を用いて、スポンジ、ブラシ等を用いてファンデーションを塗布したときの肌評価の一例について説明する。
【0100】
図9は、スポンジ、ブラシ等を用いてファンデーションを塗布したときの化粧肌の画像を示している。また、図10は、図9に示す画像を、しみサイズ及び毛穴サイズに対応した分割数で分割したときのそれぞれの画像間における明るさの標準偏差の差分値(ΔSD)を示したものである。
【0101】
図9(A)は、評価対象者の素肌Hを撮影した画像を示し、図9(B)は、図9(A)に示す素肌Hにスポンジを用いた塗布方法1によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Iの画像を示し、図9(C)は、図9(A)に示す素肌Hにスポンジを用いた塗布方法2によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Jの画像を示している。
【0102】
また、図9(D)は、図9(A)に示す素肌Hにスポンジとブラシ仕上げによりファンデーションを塗布したときの化粧肌Kの画像を示し、図9(E)は、図9(A)に示す素肌Hにスポンジとブラシを用いてファンデーションを塗布したときの化粧肌Lの画像を示し、図9(F)は、図9(A)に示す素肌Hにブラシのみを用いてファンデーションを塗布したときの化粧肌Mの画像を示している。
【0103】
図10(A)に示すリキッドファンデーションの場合、及び図10(B)に示すパウダリーファンデーションの場合のいずれも、しみサイズに対応した分割数で分割したとき(例えば画像領域を16px×16pxのサイズと、8px×8pxのサイズに分割したとき)、化粧肌MのΔSDの値が最も小さくなっていることから、化粧肌Mが、素肌Hに対して最もしみがカバーされてノイズが減少し、肌の滑らかさが向上していることが分かる。
【0104】
また、図10(A)に示すリキッドファンデーションの場合、及び図10(B)に示すパウダリーファンデーションの場合のいずれも、毛穴サイズに対応した分割数で分割したとき(例えば画像領域を8px×8pxのサイズと、4px×4pxのサイズで分割したとき)、化粧肌J〜化粧肌MのそれぞれのΔSDの値がほぼ同程度の値となっていることから、化粧肌J〜化粧肌Mは、素肌Hに対して毛穴が同程度カバーされてノイズも減少し、肌の滑らかさが向上していることが分かる。
【0105】
<しみが目立たなくなった肌評価例>
次に、図11を用いて、しみが目立たなくなった肌評価の一例について説明する。図11は、しみが目立たなくなった肌評価の一例を示している。
【0106】
図11(A)は、評価対象者の素肌Nを撮影した画像を示し、図11(B)は、図11(A)に示す素肌Nに塗布方法1によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Oの画像を示し、図11(C)は、図11(A)に示す素肌Nに塗布方法2によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Pの画像を示し、図11(D)は、図11(A)に示す素肌Nに塗布方法3によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Qの画像を示している。
【0107】
また、図11(E)は、図11(A)〜図11(D)に示す画像を、しみサイズ及び毛穴サイズに対応した分割数で分割したときのそれぞれの画像間における明るさの標準偏差の差分値(ΔSD)を示したものである。
【0108】
図11(E)に示すように、しみサイズに対応した分割数で分割したとき(例えば画像領域を16px×16pxのサイズと、8px×8pxのサイズに分割したとき)、化粧肌QのΔSDの値が最も小さくなっていることから、化粧肌Qが、素肌Nに対して最もしみがカバーされてノイズが減少し、肌の滑らかさが向上していることが分かる。また、このことから塗布方法3を用いることにより素肌Nに対して最もしみをカバーできることが分かる。
【0109】
<毛穴が目立たなくなった肌評価例>
次に、図12を用いて、毛穴が目立たなくなった肌評価の一例について説明する。図12は、毛穴が目立たなくなった肌評価の一例を示している。
【0110】
図12(A)は、評価対象者の素肌Rを撮影した素肌画像を示し、図12(B)は、図12(A)に示す素肌Rに塗布方法1によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Sの画像を示し、図12(C)は、図12(A)に示す素肌Rに塗布方法2によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Tの画像を示し、図12(D)は、図12(A)に示す素肌Rに塗布方法3によりファンデーションを塗布したときの化粧肌Uの画像を示している。
【0111】
また、図12(E)は、図12(A)〜図12(D)に示す画像を、しみサイズ及び毛穴サイズに対応した分割数で分割したときのそれぞれの画像間における明るさの標準偏差の差分値(ΔSD)を示したものである。
【0112】
図12(E)に示すように、毛穴サイズに対応した分割数で分割したとき(例えば画像領域を8px×8pxのサイズと、4px×4pxのサイズで分割したとき)、化粧肌UのΔSDの値が最も小さくなっていることから、化粧肌Uが、素肌Rに対して最も毛穴がカバーされてノイズが減少し、肌の滑らかさが向上していることが分かる。また、このことから塗布方法3を用いることにより素肌Rに対して最も毛穴をカバーできることが分かる。
【0113】
上述したように、本実施形態によれば、肌表面の画像を分割したときの色情報の標準偏差の差分を指標として、肌の滑らかさにより肌を評価することが可能となる。また、肌の滑らかさを、しみ、そばかす、毛穴の凹凸等によって生じるノイズの量によって評価することにより、肌の美しさを評価し、ファンデーション等の化粧料のカバー力を評価することも可能となる。
【0114】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本
発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0115】
10 肌評価装置
11 入力手段
12 出力手段
13 記録手段
14 画像取得手段
15 設定手段
16 画像分割手段
17 差分算出手段
18 評価手段
19 制御手段
21 入力装置
22 出力装置
23 ドライブ装置
24 補助記憶装置
25 メモリ装置
26 CPU
27 ネットワーク接続装置
28 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌の表面を撮影した画像に基づいて、前記肌を評価する肌評価装置であって、
前記画像の画像領域を段階的に分割する画像分割手段と、
前記画像分割手段によって分割された画像領域を基準として前記画像全体の色情報の標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて、前記段階的に分割された画像間の前記標準偏差の差分を算出する差分算出手段と、
前記差分算出手段により得られた差分情報を指標として、前記肌を評価する評価手段とを備えることを特徴とする肌評価装置。
【請求項2】
前記色情報の標準偏差に変化を与えるノイズ情報を設定する設定手段を備え、
前記画像分割手段は、前記設定手段により設定されたノイズ情報に応じて前記画像の画像領域を段階的に分割することを特徴とする請求項1に記載の肌評価装置。
【請求項3】
前記ノイズ情報は、前記肌の表面におけるしみ、そばかす、及び毛穴を含むことを特徴とする請求項2に記載の肌評価装置。
【請求項4】
前記色情報は、明るさを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の肌評価装置。
【請求項5】
肌の表面を撮影した画像に基づいて、前記肌を評価する肌評価装置により実行される肌評価方法であって、
前記画像の画像領域を段階的に分割する画像分割手順と、
前記画像分割手順によって分割された画像領域を基準として前記画像全体の色情報の標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて、前記段階的に分割された画像間の前記標準偏差の差分を算出する差分算出手順と、
前記差分算出手段により得られた差分情報を指標として、前記肌を評価する評価手順とを備えることを特徴とする肌評価方法。
【請求項6】
前記色情報の標準偏差に変化を与えるノイズ情報を設定する設定手順を備え、
前記画像分割手順は、前記設定手順により設定されたノイズ情報に応じて前記画像の画像領域を段階的に分割することを特徴とする請求項5に記載の肌評価方法。
【請求項7】
前記ノイズ情報は、前記肌の表面におけるしみ、そばかす、及び毛穴を含むことを特徴とする請求項6に記載の肌評価方法。
【請求項8】
前記色情報は、明るさを含むことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の肌評価方法。
【請求項9】
肌の表面を撮影した画像に基づいて、前記肌を評価する肌評価プログラムであって、
コンピュータを、
前記画像の画像領域を段階的に分割する画像分割手段、
前記画像分割手段によって分割された画像領域を基準として前記画像全体の色情報の標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて、前記段階的に分割された画像間の前記標準偏差の差分を算出する差分算出手段、
前記差分算出手段により得られた差分情報を指標として、前記肌を評価する評価手段として機能させる肌評価プログラム。
【請求項10】
前記色情報の標準偏差に変化を与えるノイズ情報を設定する設定手段を備え、
前記画像分割手段は、前記設定手段により設定されたノイズ情報に応じて前記画像の画像領域を段階的に分割することを特徴とする請求項9に記載の肌評価プログラム。
【請求項11】
前記ノイズ情報は、前記肌の表面におけるしみ、そばかす、及び毛穴を含むことを特徴とする請求項10に記載の肌評価プログラム。
【請求項12】
前記色情報は、明るさを含むことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の肌評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−212308(P2011−212308A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84362(P2010−84362)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】