説明

肥料散布機における肥料繰出装置

【課題】本発明において解決しようとする課題は、散布量を変更するため繰出穴の開口度を変更調整した際に、アジテータの攪拌羽根により肥料を攪拌する攪拌部位の位置と、繰出穴の開口部分の位置との相対位置関係のズレに起因して生じてくる繰出穴からの肥料の排出のバラツキによる散布精度の低下、散布量のバラツキを、解消させる点にある。
【解決手段】アジテータ軸に設ける攪拌羽根を、繰出穴の開口度の調整の際の繰出穴の開口部分の変位方向に移動可能とし、その攪拌羽根の位置を、小量散布時と大量散布時のそれぞれの状態時における繰出穴の開口部分の位置に対応させて移動させ、それぞれの状態時に適した位置を占めるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタの機体の前方または後方に装架する肥料ホッパ内に投入した粉体状又は粒状の化成肥料を、肥料ホッパの底板に設けた繰出穴から散布するライムソワーと呼ばれる形態の肥料散布機において、肥料ホッパ内の化成肥料を、繰出穴から繰り出す繰出装置についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ライムソワーと呼ばれる形態の肥料散布機Aは、通常、図1に示しているように、前面側(図において左面側)にトラクタ(図示省略)に対し連結装架するための連結ヒッチ部10を装備せしめた機体フレーム1の後面側に、左右方向に横長に形成した肥料ホッパ2を装架し、その肥料ホッパ2の底部に、内部に投入した化成肥料を繰り出す繰出穴3と、その繰出穴3の開口度を調整するシャッタ穴40を具備するシャッタ板4とを設け、肥料ホッパ2の内部には、その内部に投入した化成肥料を攪拌流動させるアジテータ5を設けて構成してある。
【0003】
そして、この肥料散布機の肥料繰出装置は、肥料ホッパ2の底部に、前後巾を狭くして左右に長く連続する形状としてある底板20に、図2にあるように、繰出穴3を、所定のピッチ間隔で、左右方向に並列させて開設し、この底板20の下面側に、その底板20と略同形に形成したシャッタ板4を、それの左右の側縁と前記底板20の左右の両側部に装設したガイドとのスライド自在の嵌合により、左右方向に抜き差し自在に嵌挿し、かつ、このシャッタ板4には、前述の底板20に設けた繰出穴3に重合したときに、その繰出穴3をそっくり囲い込むようになる広さのシャッタ穴40を、四角な角穴状に形成して開設し、かつ、前述の繰出穴3の間隔ピッチに対応する間隔ピッチで開設しておいて、このシャッタ板4の左右方向のスライドにより、各シャッタ穴40と各繰出穴3との重合度を変化させることで、各繰出穴3の開口度が調整されるようにしておき、そして、肥料ホッパ2内部の、前記底板20の少し上方部位に、肥料ホッパ2を左右に横切るアジテータ軸50を軸架し、この軸50の周面に、放射方向に突出する攪拌羽根51を、前述の繰出穴3の間隔ピッチに対応する間隔ピッチで、並列させて装設しておき、アジテータ軸50の一端側を、肥料ホッパ2の一方の側端部に設けたミッション部Mの出力軸60に連繋し、ミッション部Mの入力軸61に、トラクタのPTO軸から回転動力を導いて、アジテータ軸50を駆動することで、攪拌羽根51を羽根先端の回動軌跡の下縁がホッパ底板20内面に略摺接するように近接して回動するようにして、肥料ホッパ2内に投入した化成肥料の繰出穴3の上方部位の肥料を攪拌させるようにしておく。
【0004】
また、前述した繰出穴3は、シャッタ板4の引き出し作動によりシャッタ穴40が、繰出穴3の下面側に重合していく方向における前端側(図2において右端側)が、平面視において前後の巾を狭くした細巾部30で、後半側が前記角穴状のシャッタ穴40の前後巾に対応する巾の拡巾部31となる形状に形成しておき、シャッタ板4を、図3に示しているように、シャッタ穴40が繰出穴3の下面からそっくりずれた位置まで引き出したときは、この繰出穴3は、シャッタ板4により全閉された状態となるが、シャッタ板4をこの全閉状態位置から少し挿し込んで、図4にあるように、角穴のシャッタ穴40の奥側の辺縁が、繰出穴3の細巾部30の基端に位置する状態としたときは、この繰出穴3は、細巾部30だけが開口した状態となって、化成肥料の繰り出しを小量に絞り、小量散布とし、また、シャッタ板4を、さらに押し込んで、図5にあるように、シャッタ穴40の奥側の辺縁が、繰出穴3の奥側の口縁と重なる位置を占めるようにしたときは、繰出穴3は、全体がシャッタ穴40下面に重合して、繰出穴3を全開の状態とし、化成肥料の繰り出しを大量にし、大量散布が行えるようにしておき、さらにまた、前述のアジテータ軸50に、前述の底板20に所定の間隔ピッチで設けられる繰出穴3に対応させて設ける攪拌羽根51を、前述の図3・図4・図5の展開した説明図において、破線で示しているように、攪拌羽根51による攪拌部分が、繰出穴3の細巾部30に対応するように設定して設けておいて、これにより、肥料繰出装置を構成するようにしている。
【0005】
このように構成される肥料散布機の肥料繰出装置は、肥料ホッパ2内に横架軸支せるアジテータ軸50に、軸方向に所定の間隔ピッチで並列させて設けた各攪拌羽根51による肥料ホッパ2内の化成肥料の攪拌部分が、繰出穴3の細巾部30の上方に位置するように設定してあることで、シャッタ板4の作動で、繰出穴3の開口度を絞り、化成肥料を小量ずつ散布していくときにも、散布量を均一にした肥料の散布が行えるようになるが、繰出穴3の開口度を拡げて、肥料を大量散布していくときに、肥料の繰出穴3からの排出にバラツキが生じて、散布精度を低下させ、結果として、散布量にバラツキを生ぜしめている問題が起きている。
【0006】
これは、化成肥料を攪拌する攪拌羽根51が、アジテータ軸50に固着装設されて、その位置が固定されていることで、該攪拌羽根51の回動により攪拌を受ける化成肥料の攪拌部分が、一定の位置を占めているのに対し、繰出穴3の開口部分の位置は、小量散布時と大量散布時とで、アジテータ軸50の軸方向に変位してくるので、攪拌羽根51による肥料の攪拌部分と、繰出穴3の開口部分との位置関係にズレが生じ、攪拌羽根51による攪拌部分が、最適位置にあるといえない状態となっていることによるものと考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明において解決しようとする課題は、散布量を変更するため繰出穴の開口度を変更調整した際に、アジテータの攪拌羽根により肥料を攪拌する攪拌部位の位置と、繰出穴の開口部分の位置との相対位置関係のズレに起因して生じてくる繰出穴からの肥料の排出のバラツキによる散布精度の低下、散布量のバラツキを、解消させる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するため、アジテータ軸に設ける攪拌羽根を、繰出穴の開口度の調整の際の繰出穴の開口部分の変位方向に移動可能とし、その攪拌羽根の位置を、小量散布時と大量散布時のそれぞれの状態時における繰出穴の開口部分の位置に対応させて移動させ、それぞれの状態時に適した位置を占めるようにしたことを特徴とする手段を提起するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による肥料散布機における肥料繰出装置は、繰出穴の上方に配位して肥料ホッパ内に設けるアジテータの攪拌羽根の位置を、繰出穴の開口度を変更調整したときの、繰出穴の開口部分の変位方向に移動できるようにしているのだから、この攪拌羽根の位置の移動により、肥料の散布状態を、小量散布と大量散布とに切り替えたときに、それぞれの状態時における繰出穴の開口部分に適応する位置に、攪拌羽根による肥料の攪拌部分を位置させ得るようになって、散布量にバラツキのない散布精度のよい状態として散布できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ライムソワーと呼ばれる形態の肥料散布機の、側面図である。
【図2】同上肥料散布機の、肥料ホッパ内の底部に設けられている繰出穴及びシャッタ板とを含む部分の展開した説明図である。
【図3】同上部分の一部を拡大した図で、繰出穴が全閉した状態時におけるアジテータの攪拌羽根と肥料ホッパの底板に設けた繰出穴及びシャッタ板に設けたシャッタ穴との、位置関係を示す説明図である。
【図4】同上部分の、シャッタ板を少し押し込んで、繰出穴の開口度を小量散布に設定した状態時における攪拌羽根と、繰出穴の開口部分との位置関係を示す説明図である。
【図5】同上部分の、シャッタ板をさらに押し込んで、繰出穴の開口度を全開とし、大量散布に設定した状態時における攪拌羽根と繰出穴の開口部分との位置関係を示す説明図である。
【図6】本発明手段を実施せる肥料散布機における肥料繰出装置の、アジテータ部分の分解した斜視図である。
【図7】同上のアジテータ部分の、攪拌羽根の位置を、アジテータ軸の一端側(右端側)に移動させ、小量散布時に適応する位置としてアジテータ軸を組み付けた状態時の正面図である。
【図8】同上アジテータ部分の、攪拌羽根の位置をアジテータ軸の他端側に向け移動させ、大量散布に適応する位置として、アジテータ軸を組み付けた状態時の正面図である。
【図9】アジテータ軸の端部の拡大した正面図である。
【図10】アジテータを、それに設ける攪拌羽根を小量散布に適応する位置に設定して、肥料散布機の機体に組み付け軸架する工程を説明する説明図である。
【図11】アジテータに装設する攪拌羽根を、大量散布に適応する位置に移動させるために、アジテータを組み換える工程の説明図である。
【図12】同上の攪拌羽根を、大量散布に適応する位置に設定してアジテータを組み付ける工程の説明図である。
【図13】本発明手段の肥料繰出装置の、繰出穴を全閉した状態時における攪拌羽根と、繰出穴に開口部分との位置関係を示す説明図である。
【図14】同上の、シャッタ板を少し押し込んで、繰出穴の開口度を小量散布とした状態時における攪拌羽根と繰出穴の開口部分との位置関係を示す説明図である。
【図15】同上の、シャッタ板をさらに押し込んで、繰出穴の開口度を全開として大量散布とした状態時における攪拌羽根と繰出穴の開口部分との位置関係の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0012】
この実施例は、アジテータの攪拌羽根51を、繰出穴3の開口部分と対応する位置に移動させるのに、攪拌羽根51を周面に取り付けたアジテータ軸50ごと移動させることで、そのアジテータ軸50の周面に所定の間隔ピッチをもって並列装架してある多数の攪拌羽根51のそれぞれが、肥料ホッパ2の底板20に所定の間隔ピッチをもって並列させて開設してある多数の繰出穴3の開口部分のそれぞれと対応する位置に一せいに移動するようにしている例である。
【0013】
図6において、2は、図においては一部だけを示して大半を省略しているが、ライムソワーの形態に造られている肥料散布機Aの肥料ホッパを示し、5は、この肥料ホッパ2内の底部に、アジテータ軸50により横架軸支するアジテータで、肥料ホッパ2の内部から引き出した状態を示している。
【0014】
このアジテータ5は、肥料ホッパ2の左右の一側の機壁2aにノブボルト21により組み付けられる軸受支持鈑2bに支持せしめた軸受22と、肥料ホッパ2の左右の他側に組み付けられる減速機構を収蔵したミッション部Mの出力軸60(図7・図8参照)と、の間に渡架軸支するアジテータ軸50の周面に、放射方向に突出する4枚一組の攪拌羽根51を、所定の間隔ピッチをもって並列装架せしめてなる通常の形態のものであり、このアジテータ軸50上に並列装架せる多数の攪拌羽根51は、アジテータ軸50の軸方向において、三群に分け、各群ごとに攪拌羽根51の突出方向に、アジテータ軸50の周方向において差異のある形態としている。
【0015】
アジテータ軸50は、中空の鋼管により形成してあるが、前述の図6にあるように、アジテータ5を抜き出したときの、抜き出し方向における先端側(図6で左端側)の部分は丸棒50aに形成してあり、基端側の部分は、外径を拡径した拡径部50bに形成してある。
【0016】
そして、先端側の丸棒部分50aを、軸受支持鈑2bに支持せしめた軸受22に嵌挿して軸支し、この丸棒部分50aの先端側が軸受22を貫通して外部に突出したところで、この丸棒部分50aの先端側に形設してあるピン穴52に、リンチピン53を嵌挿することによりアジテータ軸50の先端側を軸支状態に保持せしめるようにしている。また、基端側の拡径部50bには、図9の拡大図にあるように、アジテータ軸50の軸方向に沿う長穴状のガイド溝aと、この溝aの奥側に寄る部位と拡径部50bの端部に寄る部位との2個所に、この溝aと直交する方向に分岐する枝状の係止溝b・cとが形設してあって、拡径部50bを、肥料ホッパ2の機体フレームに装架してあるミッション部Mの出力軸60に嵌挿して連結し、アジテータ軸50の基端側を前記出力軸60を介しミッション部Mに軸支せしめたとき、出力軸60の周面に係止ピンPを植設しておいて、その係止ピンPを、前述の係止溝b・cの何れかに係止することで、出力軸60との連結を保持せしめる。
【0017】
この拡径部50bとミッション部Mの出力軸60との嵌合・連結は、実際には、拡径部50bに形設したガイド溝aを、出力軸60の周面に設けた係止ピンPにあわせ、係止ピンPがガイド溝a内をスライドしていくように拡径部50bを出力軸60に嵌合させていき、係止ピンPが枝状の係止溝b・cの何れかに臨む位置にきたところで、拡径部50bを回転させて、係止ピンPを何れかの係止溝b・c内に嵌入させて、拡径部50bの脱出を阻止するようにすることで行われる。
【0018】
この拡径部50bとミッション部Mの出力軸60とを嵌合・連結して、アジテータ軸50を肥料ホッパ2の機体フレームに軸支せしめる際、係止ピンPを、拡径部50bの端縁から離れた奥側の係止溝bに嵌入させた状態としてアジテータ軸50を軸支させたときは、アジテータ軸50は、図7にあるように、基端側がミッション部Mの内壁面に一杯に近接した状態で軸支され、これにより、アジテータ軸50の周面に設けた攪拌羽根51は、それの中心線がミッション部Mの中心線に対しLの距離を隔てた位置を占めることになり、また、係止ピンPを拡径部50bの端縁に近い側の係止溝cに嵌入させた出力軸60に連結したときは、図8にあるよう、アジテータ軸50は、拡径部50bの端縁がミッション部M内壁面に対し距離Dを隔てた位置に軸支され、この距離Dだけ軸方向に変位した位置に軸支されることになる。そして、これにより、アジテータ軸50に取り付けた攪拌羽根51は、前述の図7に示している位置から距離Dの分だけ変位した位置を占めるようになる。この距離Dは、並設した分枝状の係止溝b・cの間隔ピッチD’により設定される距離であり、この間隔ピッチD’と一致する。そして、係止ピンPを拡径部50bの端縁から離れた側の係止溝bに係止してアジテータ軸50を軸支した前述の図7に示す状態は、図2に示している従前の肥料散布機のアジテータ軸の軸支と同様に、アジテータ軸50の基端側の端部をミッション部Mの内面側の機壁に突き当て軸支しているアジテータ軸50を軸支するときの最も基本的な軸支状態である。
【0019】
このことから、攪拌羽根51は、この状態のアジテータ軸50に固着装設することで、取付位置が設定されることになる。そして、この攪拌羽根51の位置は、図13にあるように、肥料ホッパ2の底板20に開設してある繰出穴3に対して、その繰出穴3の細巾部30が、該攪拌羽根51により肥料を攪拌する作用巾の中心に位置してくるように設定してある。
【0020】
この攪拌羽根51の位置は、シャッタ板4が引き出されて、シャッタ穴が繰出穴3からずれている図13に示す全閉の状態から、少しシャッタ板4を押し込んで、シャッタ穴40を繰出穴3の細巾部30とだけ重合させた小量散布の状態としたときに、図14にあるように、攪拌羽根51による攪拌部分が、開口してきた繰出穴3の細巾部30を略中心にとり込むようになる位置であり、小量散布時に最も適応する位置である。
【0021】
図8は、前述の係止ピンPを、係止溝b・cのうちの、拡径部50bの端縁に近い側の係止溝cに嵌合させて、アジテータ軸50を、係止溝b・cの間隔ピッチに対応する距離Dだけ軸方向に変位させて、ミッション部Mの出力軸60に嵌合・連結させた状態を示しているが、この状態は、アジテータ軸50に固定している攪拌羽根51の取付位置を、前述の距離Dだけ変位させた状態も示している。
【0022】
この変位した攪拌羽根51の位置は、図15にあるように、攪拌部分が繰出穴3の拡巾部31に対応するようになる位置である。
【0023】
前述のアジテータ軸50を変位させた距離Dは、この攪拌羽根51を、攪拌部分が拡巾部31に対応する位置を占めるように変位させる距離であり、係止溝cの位置は、このように、攪拌羽根51が拡巾部31に対応する位置を占めるように設定している。
【0024】
従って、アジテータ軸50を、係止ピンPが係止溝bに嵌入した状態として、ミッション部Mの出力軸60に軸支させたときは、攪拌羽根51は大量散布時に最適となる位置に変位しその位置を占めるように設定されたことになる。
【0025】
図10乃至図12は、アジテータ軸50が、係止ピンPと係止溝bとの嵌合により、攪拌羽根51の位置が小量散布に適応する状態となるように設定して軸支されている状態から、攪拌羽根51が大量散布に適応する位置を占めるように、アジテータ軸50を組み換えるときの工程の説明図である。
【0026】
アジテータ5は、ノブボルト21を抜きとって、軸受支持鈑2bとともに肥料ホッパ2から引き出し、リンチピン53を外して軸受支持鈑2bに設けた軸受22からアジテータ軸50の丸棒部分50aを抜き出すが、このとき、丸棒部分50aに嵌挿しておく前述の間隔Dに対応する巾のリング54を抜き取る。そして、この状態から丸棒部分50aを再び軸受支持鈑2bの軸受22に挿通し、このとき、取り外しておいたリング54を、軸受支持鈑2bから外側に突出してきた丸棒部分50aの突出端部に嵌め、この状態でリンチピン53をピン穴52に挿通して、アジテータ5を軸受支持鈑2bと一体に組み立て、この状態で肥料ホッパ2の底部内に挿入し、アジテータ軸50の拡径部50bに設けたガイド溝aに出力軸60に設けてある係止ピンPを嵌入させ、その係止ピンPが係止溝cに臨む位置にきたところで、アジテータ軸50を、出力軸60の駆動により回転する方向と逆方向に回転させて係止ピンPを係止溝cに嵌合係止させ、この状態において、ノブボルト21の締結で組み付けセットする。
【0027】
これによりアジテータ5は、それの攪拌羽根51が大量散布に適応する位置に設定されて組み付けられる。
【符号の説明】
【0028】
A 肥料散布機
D 距離
D’ 間隔ピッチ
L 距離
M ミッション部
P 係止ピン
a ガイド溝
b c 係止溝
1 機体フレーム
10 連結ヒッチ部
2 肥料ホッパ
2a 機壁
2b 軸受支持鈑
20 底板
21 ノブボルト
22 軸受
3 繰出穴
30 細巾部
31 拡巾部
4 シャッタ板
40 シャッタ穴
5 アジテータ
50 アジテータ軸
50a 丸棒
50b 拡径部
51 攪拌羽根
52 ピン穴
53 リンチピン
54 リング
60 出力軸
61 入力軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アジテータ軸に設ける攪拌羽根を、繰出穴の開口度の調整の際の繰出穴の開口部分の変位方向に移動可能とし、その攪拌羽根の位置を、小量散布時と大量散布時のそれぞれの状態時における繰出穴の開口部分の位置に対応させて移動させ、それぞれの状態時に適した位置を占めるようにしたことを特徴とする肥料散布機における肥料繰出装置。
【請求項2】
肥料ホッパ(2)内部の底部に、左右に横切るよう配したアジテータ軸(50)の一端側を、肥料ホッパ(2)の一端側の機壁(2a)に装脱自在に組み付けた軸受支持鈑(2b)に、装設した軸受(22)に抜き差し自在に軸架し、アジテータ軸(50)の他端側を、肥料ホッパ(2)の他端側に組み付けたミッション部(M)の出力軸(60)に嵌合して連結し、該アジテータ軸(50)の周面に、攪拌羽根(51)を、肥料ホッパ(2)の底板(20)に左右方向に多連に並列して開設せる繰出穴(3)のそれぞれに対応するよう配置して装設してなる肥料散布機の肥料散布装置において、アジテータ軸(50)のミッション部(M)の出力軸(60)と嵌合して連結する側の端部に、出力軸(60)に設ける係止ピン(P)を嵌入させて導入するアジテータ軸(50)の軸方向に沿うガイド溝(a)を設けるとともに、係止ピン(P)を係止せしめてアジテータ軸(50)を出力軸(60)に連結するよう前記ガイド溝(a)から鍵の手状に分枝する係止溝(b)・(c)を、前記軸方向に一対に並列させて設け、かつ、端縁に近い側の係止溝(c)に係止ピン(P)を係止してアジテータ軸(50)を出力軸(60)に連結したときには、攪拌羽根(51)が繰出穴(3)の細巾部(30)に対応する位置を占め、端縁から離れる側の係止溝(b)に係止したときには、攪拌羽根(51)が繰出穴(3)の拡巾部(31)に対応する位置を占めるように、これら係止溝(b)・(c)を位置せしめてアジテータ軸(50)に装設したことを特徴とする肥料散布機における肥料繰出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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