説明

肥満及び骨粗鬆症を有すFRZB遺伝子における多型の関連性

FRZB遺伝子座で存在する配列変異体を決定するための方法及び試薬であって、個体の肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクの同定を容易にすることを提供する。特に個体由来の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の少なくとも1つの多型(例えば、少なくとも一つの一塩基多型)を検出することによる、個体の肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを検出するための方法を提供する。関連するキット、アレイ及びシステムも発表する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを検出するための方法及び試薬に関する。より詳細には、FRZB遺伝子中の少なくとも1つの多型の存在を同定することによる個体の増加した又は減少した肥満、及び/又は骨粗鬆症のリスクを検出するための方法及び試薬に関する。
【背景技術】
【0002】
Spemann及びMangold(1924,Arch.Mikroskopische Anat.Entwicklungsmechanik.100:599-638)による移植実験は、脊椎動物の胚の中の体軸の発達のパターンを制御する、解剖的に別個の領域、シュペーマンオーガナイザー又は背唇の存在を確立した。この領域から発散する、異なる発達過程に関与する、拡散因子が見出された。定められた両極性中のショウジョウバエ毛小皮の配置は、大きな細胞外システインリッチドメインを有する7-膜貫通受容体、'縮れ(frizzled)'(FZD1)により遺伝的に制御されていることが見出された。
【0003】
FZD1のウシ及びヒトホモログがRT-PCRにより、並びにウシ関節軟骨及びヒト胎盤cDNAライブラリーのスクリーニングによりクローン化され、FZD1の哺乳動物アナログのFRZBをコードするcDNAsが同定された(Hoang等.,1996,J.Biol.Chem.271:26131-26137)。推定された325-アミノ酸ウシ及びヒトFRZBタンパク質は、94%アミノ酸同一性を共有する。配列分析では、FRZBは25-アミノ酸シグナルペプチド、N-末端N-グリコシル化サイト、24-アミノ酸推定の膜貫通セグメント、複合的な潜在的なSer/Thrリン酸化サイトを有する領域、及びセリンリッチC-末端ドメインを含むことを予測した。FRZBのN-末端領域では、縮れを有す、10個のシステイン残基の保存を含む50%のアミノ酸同一性を共有する。イムノブロット解析では、FRZBがおよそ36-kDのタンパク質として表されることが決定された。発達の異なる段階を表すヒト胚のIn situハイブリダイゼーション解析では、発達中の四肢の骨格、並びにいくつかの頭蓋顔面骨及び胸郭の骨端を除き、6週から13週の発現の検出はなかった。免疫化学的解析では、骨格構造の発達においてFRZBの発現を確認した。
【0004】
ノーザンブロット解析では、FRZBが胎盤及び心臓中で強く、脳、骨格筋、腎臓、及び膵臓中で中レベル、並びに肺及び肝臓中で低いレベルで発現したことを示した(Leyns 等.,1997,Cell 88:747-756)。SDS-PAGE解析では、ショウジョウバエ及び脊椎動物の縮れた遺伝子ファミリーにおいて見出されたFRZBの7膜貫通ドメインの欠如と一致する、おそらくタンパク質分解開裂の後のFRZBの分泌を検出した。アフリカツメガエル胚の機能解析では、FRZBはWNT8シグナル伝達の早発及び遅発効果を拮抗できることを示した。哺乳動物のWNT遺伝子は、哺乳動物の腫瘍を導く腫瘍遺伝子を含む。FRZBの更なる特徴は、例えば、Dann等.,2001,Nature 412:86-90;Rattner等.,1997,Proc.Nat.Acad.Sci.94:2859-2863;及びSchumann等.,2000,Cardiovasc.Res.45:720-728を参照。
【0005】
Leyns等.(上記参照)がヒトFRZB遺伝子を2q31-q33へマッピングした。彼等は2qアームの1つのコピーの欠損は、肺及び結腸直腸癌腫中、並びに神経芽細胞腫中に高く出現することに注目し、そしてFRZBが腫瘍抑制遺伝子として機能し得ることを示唆した。Hoang等.(上記参照)は、FRZBが骨格の形態形成中で役割を果たし得ることを示唆した。しかしながら、ヒト疾患及びヒト発達におけるFRZB遺伝子の直接の役割は、未だ同定されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
他の観点の中でも、特に本発明は、増加した又は減少した肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクに関与する、1つ以上の素因多型(predisposing polymorphism)又は保存的多型(protective polymorphism)の存在により同定されたFRZBの対立遺伝子を提供する。本発明の完全な理解は、以下の検討をもとに得られるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明は、個体の増加した又は減少した肥満及び/又は骨粗鬆症性疾患並びに関連した疾患のリスクを検出するための方法、試薬、及びキットを提供する。特定の態様では、当該方法は、個体の肥満及び関連疾患のリスクを決定するために使用される。他の態様では、当該方法は、個体の骨粗鬆症及び関連疾患のリスクを決定するために使用される。更なる態様では、当該リスクを決定する方法は、骨粗鬆症又は肥満を診断するための公知の臨床的方法と組み合わされる。
【0008】
態様の第1の一般的分類は、個体の肥満のリスクを決定するための方法を提供する。本発明では、個体の核酸サンプルにおける縮れ関連タンパク質(FRZB)遺伝子中の、少なくとも1つの肥満関連多型の存在が検出される。少なくとも1つの多型の存在は、個体の肥満のリスクの指標を提供する。肥満の個体のリスクは、例えば、少なくとも1つの多型を有しない個体(例えば、多型サイトで異なる対立遺伝子を有す個体)と比較して、増加したリスク、又は減少したリスクのいずれかであることができる。従って、少なくとも1つの多型は、FRZB遺伝子中に素因多型又は保存的多型を含むことができる。
【0009】
少なくとも1つの多型は、制限されずに制限断片長多型、ランダム増幅多型DNA、不定の断片長多型、単純配列反復、単鎖立体構造多型、及び増幅した可変配列を含む本質的に任意の適した多型類を含むことができる。態様の好適な分類では、少なくとも1つの多型は、少なくとも1つの一塩基多型(SNP)を含む。例えば、当該多型はT2303723C、C18679T、G19524A、T19575G、T22242A、G23043A、G23415A、T23549C、A24791G、C26794G、又はG27014Aのいずれかの対立遺伝子であることができる。態様の1つの分類では、少なくとも1つの多型は:T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、及びA24791GのG対立遺伝子から成る群から選定される。
【0010】
態様の1つの分類では、2つ以上の多型の存在を検出する(例えば、単一多型サイト、及び/又は種々の多型サイトでの2つ以上の多型、例えばハプロタイプ)。少なくとも2つ以上の多型(例えば、多型の全て)のうちの一つは:T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、及びA24791GのG対立遺伝子から成る群から任意に選定される。
【0011】
核酸サンプルは、典型的にDNA又はRNAを含む。核酸サンプル中の少なくとも1つの多型の存在は、当業界において公知の多様な任意の方法により検出することができる。例えば、少なくとも1つの多型は、シーケンシング(例えば、多型サイトを含むFRZB遺伝子の領域のシーケンシング)により検出することができる。FRZBの領域は、任意にシーケンシングステップの前に増幅する。他の例として、少なくとも1つの多型は、例えば、多型サイトを含むFRZB遺伝子の領域の増幅により検出する。増幅は、例えば、対立遺伝子特異的増幅であることができる。当該増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(例えば、速度論的(kinetic)PCR)、リガーゼ連鎖反応等を含むことができる。更に他の例として、当該多型は核酸プローブのハイブリダイゼーションにより検出することができる。従って、態様の1つの分類では、多型を検出するための核酸サンプルを、核酸サンプルへ少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの結合を許容する条件下で(例えば、ストリンジェント条件)、少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触させる。当該少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドは、ストリンジェント条件下で、少なくとも1つの肥満関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする。その後、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出する。関連する分類の態様では、多型を含むFRZB領域を、プローブハイブリダイゼーションの前に増幅する。従って、本分類の態様では、核酸サンプルを、増幅した核酸サンプルを提供するために増幅する。増幅した核酸サンプルを、増幅した核酸サンプルへのオリゴヌクレオチドの結合を許容する条件下で(例えば、ストリンジェント条件)、少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触させる。ストリンジェント条件下で、少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの肥満関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする。少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドの、増幅した核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出する。少なくとも1つの肥満関連多型の存在を、例えば定性的に、又は定量的に検出することができる。
【0012】
ある態様では、個体の片親から遺伝した多型の存在は、個体の肥満のリスクの指標を提供する(例えば、優性効果を発現するFRZB対立遺伝子に関連する場合、片親からの当該多型の遺伝が十分に予測される)。他の態様では、個体の両親から遺伝した多型の存在は、個体の肥満のリスクの指標を提供する。
【0013】
留意すべきは、当該方法は、任意に公知の臨床方法、例えば肥満を診断する方法と組合される。従って当該方法は、任意に少なくとも1つの肥満のための臨床検査(例えば個体の 体格指数(BMI)を決定する)を実行することを含んで成る。
【0014】
態様の第2の一般的分類は、個体の骨粗鬆症のリスクを決定するための方法を提供する。当該方法では、個体の核酸サンプル中の縮れ関連タンパク質(FRZB)遺伝子における少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在を検出する。少なくとも1つの多型の存在は、個体の骨粗鬆症のリスクの指標を提供する。個体の骨粗鬆症のリスクは、例えば、少なくとも1つの多型が存在しない個体(例えば、多型サイトで異なる対立遺伝子を有す個体)と比較して、増加したリスク、又は減少したリスクのいずれかであることができる。従って、少なくとも1つの多型は、FRZB遺伝子中に素因多型又は保存的多型を含むことができる。
【0015】
少なくとも1つ多型は、制限されずに、制限断片長多型、ランダム増幅多型DNA、不定の断片長多型、単純配列反復、単鎖立体構造多型、及び増幅した可変配列を含む本質的に任意の適した多型類を含むことができる。態様の好適な分類では、少なくとも1つの多型は、少なくとも1つの一塩基多型(SNP)を含む。例えば、当該多型は、T2303723C、C18679T、G19524A、T19575G、T22242A、G23043A、G23415A、T23549C、A24791G、C26794G、又はG27014Aのいずれかの対立遺伝子であることができる。態様の1つの分類では、少なくとも1つの多型は:C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される。
【0016】
態様の1つの分類では、2つ以上の多型の存在を検出する(例えば、単一多型サイト、及び/又は種々の多型サイトでの2つ以上の多型、例えばハプロタイプ)。2つ以上の多型の少なくとも1つは(例えば多型の全て)、任意に:C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される。
【0017】
核酸サンプルは、典型的にDNA又はRNAを含む。核酸サンプル中の少なくとも1つの多型の存在を、当業界において公知の任意の多様な方法により検出できる。例えば、少なくとも1つの多型をシーケンシング(例えば、多型サイトを含むFRZB遺伝子の領域のシーケンシング)により検出することができる。FRZBの領域をシーケンシングステップ前に任意に増幅する。他の例として、少なくとも1つの多型の増幅(例えば、多型サイトを含むFRZB遺伝子の領域)により検出する。当該増幅は、例えば、対立遺伝子特異的増幅することができる。当該増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(例えば、速度論的(kinetic)PCR)、リガーゼ連鎖反応等を含む。更に他の例として、当該多型は核酸プローブのハイブリダイゼーションにより検出することができる。従って、多型を検出するための態様の1つの分類において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの核酸サンプルへの結合を許容するような条件下(例えばストリンジェント条件)で、核酸サンプルを少なくとも1つの配列-特異的オリゴヌクレオチドと接触させる。少なくとも1つの配列-特異的オリゴヌクレオチドを、少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へ、ストリンジェント条件下でハイブリダイズさせる。その後、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの、核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出する。態様に関連した分類では、多型類を含むFRZB領域を、プローブハイブリダイゼーションに先立ち増幅する。従って、本態様の分類では、核酸サンプルを、増幅した核酸サンプルを提供するために増幅する。増幅した核酸サンプルを、オリゴヌクレオチドの増幅した核酸サンプルへの結合を許容する条件下(例えば、ストリンジェント条件)で、少なくとも1つの配列-特異的オリゴヌクレオチドと接触させる。少なくとも1つの配列-特異的オリゴヌクレオチドは、ストリンジェント条件下で、少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする。少なくとも1つの配列-特異的オリゴヌクレオチドの、増幅した核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出する。少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在は、例えば、定性的又は定量的に検出することができる。
【0018】
一定の態様では、個体の片親から遺伝した多型の存在は、個体の骨粗鬆症のリスクの指標を提供する(例えば、関連したFRZB対立遺伝子が優性効果を発揮した場合、かかる片親由来の多型の遺伝的形質は十分に予測できる)。他の態様では、個体の両親から遺伝した多型の存在は、個体の骨粗鬆症のリスクの指標を提供する。
【0019】
留意すべきは、当該方法は、例えば骨粗鬆症を診断するための公知の臨床方法と組み合わされる。従って、当該方法は任意に少なくとも1つの骨粗鬆症のための臨床検査(例えば、骨代謝アッセイ又は骨スキャン)を実施することを含む。
【0020】
態様の一般的な更なる分類は、個体の肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを決定するための方法を提供する。当該方法では、FRZB遺伝子中の1つ以上の多型サイトでの個体の遺伝子型を決定する。1つ以上の多型サイトでの第1の遺伝子型は、1つ以上の多型サイトでの第2の遺伝子型と比較して、増加した肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクと統計学的に相関する。従って、例えば個体の遺伝子型が第1の遺伝子型に対応するならば、当該個体の肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクは、第2の遺伝子型を有する他の個体よりも大きい。
【0021】
個々の多型サイトは、1つ以上のヌクレオチドを含むことができる。態様の好適な分類において、1つ以上の多型サイトの少なくとも1つは、1つのヌクレオチド部位から成る(即ち、個体は、1つ以上のSNPs、例えば多数及び/又はハプロタイプのSNPs、のために遺伝子型決定される)。特定の態様では、多数の多型サイトは、それぞれ1つのヌクレオチド部位(例えば、SEQ ID NO:1の2628、18679、19524、19575、22242、23043、23415、23549、24791、26794、又は27014部位)から成る。例えば、1つ以上の多型サイトのうちの少なくとも1つは、SEQ ID NO:1のヌクレオチド部位2628、ヌクレトチド部位18679、ヌクレオチド部位19524、ヌクレオチド部位22242、ヌクレオチド部位24791、ヌクレオチド部位26794、及びヌクレオチド部位27014から成る群から選定することができる。
【0022】
いくつかの態様では、特定の単一対立遺伝子の存在は、個体の肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクが増加したか、減少したかにかかわらず、示唆するに十分である。他の態様では、特定の多型の対立遺伝子の2つのコピーは、肥満及び/又は多型の減少した、又は増加したリスクを示唆するために存在しなければならない(例えば、その効果が劣性である場合、両相同染色体は、対立遺伝子を運搬しなければばらない)。従って、態様の1つの分類では、第1の遺伝子型は、第2の遺伝子型と比べて増加した肥満のリスクと統計的に相関する。実施例の態様の分類の1つでは、T2303723Cの第1の遺伝子型は2つのT対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのC対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP C18679Tの第1の遺伝子型は2つのT対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのC対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP G19524Aの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;SNP T22242Aの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのT対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのT対立遺伝子を含み;並びに/或いはSNP A24791Gの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含む。態様に関連した分類では、第1の遺伝子型は、統計学的に第2の遺伝子型と比べて増加した骨粗鬆症のリスクと相関する。SNP C18679Tの第1の遺伝子型は2つのC対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのT対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP G19524Aの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;SNP A24791Gの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含み;SNP C26794Gの第1の遺伝子型は2つのC対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのC対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;並びに/或いはSNP G27014Aの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含む。
【0023】
個体の遺伝子型を決定することは、典型的に個体由来の核酸サンプルを得ることを含む。個体の遺伝子型を決定することは、核酸サンプル(1つ以上の多型サイトの少なくとも1つを含む部分)由来のFRZB遺伝子の少なくとも一部分を増幅することを含み得る。かかる増幅は、例えば追加のステップにより遺伝子型を直接決定し、又は1つ以上の多型の検出を促進することができる。態様の1つの分類では、個体の遺伝子型は、対立遺伝子特異的増幅又は対立遺伝子特異的伸長反応を実行することにより決定される。態様の他の分類では、個体の遺伝子型は核酸サンプル由来のFRZB遺伝子の少なくとも1部分の配列化により決定され、当該部分は1つ以上の多型サイトの少なくとも1つを含む。態様の更に他の分類では、個体の遺伝子型は、任意に少なくとも一部分のFRZB遺伝子の増幅後、核酸プローブのハイブリダイゼーションにより決定される。態様の実施例の一つの分類では、1つ以上の多型サイトの少なくとも1つは、一つのヌクレオチド部位から成る。これらの態様では、核酸サンプルは、ストリンジェント条件下で少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触する。オリゴヌクレオチドは、第2のヌクレオチドがヌクレオチド部位を占有する時ではなく、第1のヌクレオチドが多型サイトを限定しているヌクレオチド部位を占有する時、ストリンジェント条件下で核酸サンプルへハイブリダイズする。核酸サンプルへのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが検出される。
【0024】
本発明の1つの観点は、FRZB遺伝子中(例えば、評価される骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクを有す個体の核酸サンプル中)の第1の素因多型又は保存的多型の存在を検出するためのキットを提供する。従って、態様の1つの一般的な分類は、第一の多型を検出することができる1つ以上の第一のオリゴヌクレオチド、並びに1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドを有する第一の多型を検出するための、及び個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクに前記検出を相関付けるための仕様書を含むキットを、1つ以上の容器に包装して提供する。
【0025】
上記方法の態様のために留意される本質的に全ての特徴は、本態様及び関連事項に適用される。例えば、好適な態様の分類では、第1の多型は、一塩基多型である(例えば、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定されるSNP)。他の潜在的なSNPsは、制限されず、T19575G、G23043A、G23415A、及びT23549Cの対立遺伝子のいずれかを含む。
【0026】
1つの観点では、当該キットを、核酸プローブの多型へのハイブリダイゼーションにより第1の多型の存在を検出するために用いることができる。従って、態様の1つの分類では、1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのプローブを含んで成る。特定の態様では、第1のオリゴヌクレオチドは、第1の多型を含むFRZB遺伝子の領域へストリンジェント条件下でハイブリダイズする。態様の1つの分類では、第1の多型は、第1のヌクレオチド部位で、第1のヌクレオチドを含む第1の一塩基多型である。本態様の分類では、ストリンジェント条件下で、第1のオリゴヌクレオチドは、第1の一塩基多型(第1のヌクレオチド部位で第2のヌクレオチドを含むFRZB遺伝子の領域にハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチドのノイズ率へのシグナルの、少なくとも2倍(例えば、少なくとも5倍、又は少なくとも10倍)であるノイズ率へのシグナルを有す)を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする。第1のオリゴヌクレオチドは、典型的に第1の多型を含むFRZB遺伝子の領域へ十分に相補的であり、且つ典型的にFRZB遺伝子に対して、少なくとも約10個の連続している相補性ヌクレオチドを含む。
【0027】
多型の検出(例えば、1つ以上の第1のオリゴヌクレオチド、及び多型を含む核酸の間のハイブリダイゼーションの検出を通す)を促進するために、例えば1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドは、任意にラベル(例えば、同位元素性、蛍光性(fluorescent、fluorogenic)、発光性、又は比色分析のラベル)を含む。ある態様では、当該ラベル自体は、検出可能シグナル(例えば、蛍光ラベル)を直接産する。他の態様では、当該キットはラベルを検出する試薬(例えば、比色ラベル、結合部位等を開裂させる酵素)も含む。
【0028】
1つの観点では、1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドは1つ以上のプライマーを含む。当該プライマーを、例えば、対立遺伝子特異的増幅又は伸長反応において、多型を検出するために用いることができる。例えば、態様の1つの分類では、第1の多型は、第1のヌクレオチド部位で第1のヌクレオチドを含む第1の一塩基多型であり、且つ1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドの内の1つの3'ヌクレオチドは、第1のヌクレオチドに相補性である。
【0029】
プライマーは、例えば、ハイブリダイゼーション、配列化等による、その後の多型の検出のために、当該多型を含むFRZBの領域を増幅させるために使用できる。態様の1つの分類では、1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドは、増幅プライマーを含み、ここでの増幅プライマーは、第1の多型を含む核酸配列を増幅する。態様に関連する分類では、1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドは、第1の多型に隣接する配列化したプライマーを含む。
【0030】
1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドは、任意に基質上に固定される。当該基質は、例えば、平面基質、又は数珠つなぎされた基質であってよい。当該オリゴヌクレオチド類は、他の多型、例えばFRZB中の他の多型を検出するために使用される他のオリゴヌクレオチドのアレイ中に配備することができる。
【0031】
当該キットを、1を超える多型を検出するために任意に使用することができる(同時、又は連続的に)。従って、態様の1つの分類では、当該キットは、第2の多型を検出することができる1つ以上の第2のオリゴヌクレオチド(及び任意に第3、第4、第5等の多型を検出することができる第3、第4、第5等のオリゴヌクレオチド)も含む。当該第2の多型は、第1と同じ多型サイトに、又は異なる多型サイト(FRZB又は異なる遺伝子)にあることができ、そして保存的又は素因であることができる。
【0032】
態様の1つの一般的な分類では、FRZB遺伝子中(例えば、評価される骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクを有す個体の核酸サンプル中)の1つ以上の素因多型及び/又は保存的多型の存在を検出するためのアレイを提供する。態様の1つの分類において、当該アレイは、基質及び多数のオリゴヌクレオチド(それぞれが少なくとも1つの多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズするオリゴヌクレオチド)を含む。ハイブリダイゼーションは多型の存在を検出し、そしてこの検出は個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクの指標を提供する。多数のオリゴヌクレオチドは、基質上に固定される。典型的に、当該アレイは、多数の多型の存在を検出するために(例えば、単一多型サイト及び/又は異なる多型サイトでの多数のアレイで)使用される。
【0033】
上記方法及びキットの態様のために留意される本質的に全ての特徴は、本態様及び関連事項に適用される。例えば、1つ以上の多型は、好適には1つ以上の一塩基多型を含む。例えば、1つ以上の多型の少なくとも1つは、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定することができる。他の潜在的なSNPsは、制限されずに、T19575G、G23043A、G23415A、及びT23549Cのいずれかの対立遺伝子を含む。
【0034】
態様の1つの分類におけるアレイは、1つ以上のSNPsの存在を検出するために使用することができ、当該アレイ中の個々のオリゴヌクレオチドは、ストリンジェント条件下で、1つの一塩基多型(任意の残存一塩基多型含むFRZB遺伝子の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの、少なくとも2倍(例えば、少なくとも5倍、又は少なくとも10倍)でのノイズ率へのシグナルを有す)を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする。典型的に、1つのオリゴヌクレオチドは1つのSNPを検出するために使用され;即ち、個々のオリゴヌクレオチドは典型的に異なる一塩基多型にハイブリダイズする。
【0035】
留意すべきは、多数のオリゴヌクレオチドは、基質上(例えば平面基質、膜、ガラススライド等)に固定される。典型的に、多数のオリゴヌクレオチドは、それぞれ基質上の予め決められた公知の場所に固定される。
【0036】
オリゴヌクレオチドでの特異的なハイブリダイゼーションにより多型の検出を促進するために、それぞれ多数のオリゴヌクレオチドは、典型的に多型の1つを含むFRZB遺伝子の領域へ十分に相補的であり、且つそれぞれ多数のオリゴヌクレオチドは、典型的にFRZB遺伝子に対して、少なくとも約10個の連続する相補性ヌクレオチドを含む。それぞれ多数のオリゴヌクレオチドは、任意にラベル(例えば、オリゴヌクレオチド及び対応の多型との間のハイブリダイゼーションの検出を促進するラベル)を含む。
【0037】
当該アレイは、任意にシステムの部品である。従って、態様の1つの分類は、本発明のアレイ及びシステムの仕様書(個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクに対する1つ以上の素因多型又は保存的多型の存在の検出と相関する)を含むシステムを提供する。
【0038】
定義
前記の本発明の詳細な説明は、本発明が詳細な装置又は生物学的システムに制限させずに、当然改変することができると理解されるべきである。更に本明細書において使用される専門用語は、詳細な態様を説明する目的のためだけであり、制限される意図ではないと理解されるべきである。
【0039】
特に断わりのない限り、本明細書において使用される全ての技術的及び科学的用語は、当該発明にふさわしい、通常の当業者に一般的に理解されているものと同一の意味を有す。以下は当業者への捕捉を定義し、且つ現行への応用を示し、且つ任意の関連した、又は関連しないケース(例えば、任意の通常に所有された特許権又は特許出願)へ転嫁するべきでない。本明細書において発表されたものと類似又は同等である任意の方法及び材料は、本発明の検査のための実施において使用することができるが、好適な材料及び方法は、本明細書において発表する。本発明の発表、及び特許請求において、下記の技術用語は以下に設定された定義に従って使用されるだろう。
【0040】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数の形態は、特に明確な断わりがない限り、複数形の指示対象を含む。従って、例えば、"細胞(a cell)"とは、2つ以上の細胞の組合せを含み;"バクテリア"とは、バクテリア等の混合物を含む。
【0041】
本明細書において使用される用語"核酸"、"ポリヌクレオチド"及び"オリゴヌクレオチド"は、互いに共有的に結合した2つを超えるヌクレオチドのサブユニットを含む一重らせんまたは二重らせん化したヌクレオチドポリマーを言う。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)、リボヌクレオチド(D-リボースを含む)を含んでよく、及び/或いはプリン又はピリミジン塩基の任意の他のN-グリコシド、もしくは修飾したプリン又はピリミジン塩基類、もしくはそれらの任意の組合せを含んでよい。ヌクレオチドサブユニットの糖基は、O-メチルリボースのような修飾したリボース又はデオキシリボースの誘導体を含んでもよい。オリゴヌクレオチドのヌクレオチドのサブユニットは、制限されずに、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを妨げない、珍しい、又は非天然発生連鎖を含む、ホスホジエステル連鎖、ホスホロチオエート連鎖、メチルホスホネート連鎖又は他の連鎖により結合してよい。更に、オリゴヌクレオチドは、一般的でないヌクレオチド又は非ヌクレオチド部分を有してよい。固定された(locked)核酸(LNAs)としてかかるアナログの付加により、プライマー及びプローブのサイズを、8核酸まで小さく減少することができる。固定された核酸は、新規の分類の2環式DNAアナログであり、ここでフラノース環中の2'及び4'位は、0-メチレン(オキシ-LNA)、S-メチレン(チオ-LNA)、又はアミノメチレン(アミノ-LNA)部分を経由して結合する。
【0042】
限定した配列のオリゴヌクレオチドプローブ及び増幅オリゴヌクレオチドは、化学的又は生物学的合成のような通常の当業者に公知の技術により、及び組換え核酸分子由来のin vitro又はin vivo発現(例えば、バクテリア又はレトロウィルスベクター)により生産することができる。本明細書において使用されるようなオリゴヌクレオチドは、野生型染色体DNA又はそれらのin vivo転写産物から成るものではない。
【0043】
後述の通り、プライマー及び/又はプローブ配列であるオリゴヌクレオチドはDNA、RNA又は核酸アナログ(例えば、制限されずに国際特許出願WO 92/20702に開示されたペプチド核酸(PNAs)、又は米国特許No.5,185,444、5,034,506及び5,142,047中に開示されたモルホリノアナログ、それらの全体の中の参考文献により本明細書に組み入れられた全てを含む、未変化の核酸アナログ等)を含んでよい。かかる配列は、現在利用できる多様な技術を用いて規定通りに合成することができる。例えば、DNAの配列は、慣用的なヌクレオチドホスホラミジト(phosphoramidite)化学、及びApplied Biosystems,Inc.(Foster City, Calif.);DuPont(Wilmington,Del.);又はMilligen(Bedford,Mass.)から入手できる器具を用いて合成することができる。そして同様に、所望されるならば、当該配列は当業界において周知の方法論(例えば、米国特許No.5,464,746;5,424,414;及び4,948,882中に開示され、それらの全体の中の参考文献により本明細書に組み入れられた全て)を用いてラベルすることができる。オリゴヌクレオチド(例えばラベル化又は修飾されたオリゴ類を含む)は、当業者に公知の多様な商業筋から注文することもできる。本質的に任意の核酸は、任意の多様な商業筋(例えば、特にThe Midland Certified Reagent Company(www.mcrc.com)、The Great American Gene Company(www.genco.com)、ExpressGen Inc.(www.expressgen.com)、及びQIAGEN(http://oligos.qiagen.com))から特注することができる。
【0044】
核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、又はオリゴヌクレオチドは、5つの生物学的に発生する塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシン及びウラシル)及び/又は5つの生物学的に発生する以外の塩基を含むことができる。これらの塩基は、多くの目的(例えば、ハイブリダイゼ−ションの安定化又は脱安定化;プローブ分解の促進又は阻害;又は検出可能部分又はクエンチャー部分のための付着部位)を提供することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、1つ以上の修飾化、非標準化、又は誘導体化した塩基部分(制限されずに、N6-メチル-アデニン、N6-tert-ブチル-ベンジル-アデニン、イミダゾール、置換したイミダゾール、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルケオシン(galactosylqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-Dマンノシルケオシン(mannosylqueosine)、5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトシキウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、ケオシン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6-ジアミノプリン、及び5-プロピニルピリミジンを含む)を含むことができる。修飾化、非標準化、又は誘導化した塩基部分の他の例は、米国特許No.6,001,611、5,955,589、5,844,106、5,789,562、5,750,343、5,728,525、及び5,679,785、それらの全体の中の参考文献により本明細書に組み入れられたそれぞれの中で見出すことができる。
【0045】
更に、核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾化された糖部分(制限されずに、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロース、及びヘキソースを含む)を含むことができる。核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル連鎖、又は修飾化連鎖(制限されずに、ホスホトリエステル、ホスホラミデート(phosphoramidate)、シロキサン、カルボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート(acetamidate)、カルバメート、チオエーテル、架橋化ホスホラミデート(phosphoramidate)、架橋化メチレンホスホネート、ホスホロチオエート(phosphorothioate)、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート(phosphorodithioate)、架橋化ホスホロチオエート(phosphorothioate)又はスルホン連鎖、及びかかる連鎖の組合せを含む)を含むことができる。
【0046】
本明細書で使用される"単離した"核酸分子とは、通常核酸分子と隣接しているヌクレオチド配列から分離された一つであり、及び/又は通常核酸に連結している他の生物学的材料(例えばタンパク質)から、完全にもしくは部分的に精製された一つである。
【0047】
核酸分子は、他のコード又は調節配列と融合させることができ、そして更に単離されたと見なされ得る。従って、ベクター中に含まれる組換えDNAは、本明細書において使用される”単離した”の定義に含まれる。また、単離した核酸分子は、異種の宿主細胞中、及び溶液中の部分的又は実質的に精製されたDNA分子中に組換えDNA分子を含んで成る。”単離した”核酸分子は、本発明のDNA分子のin vivo及びin vitro RNA転写産物も包む。単離した核酸分子、又はヌクレオチド配列は、化学的に合成された又は組換え方法による核酸分子又はヌクレオチド配列を含むことができる。更に、単離したポリヌクレオチドは、異種有機体中に、及び溶液中の部分的に又は実質的に精製したDNA分子中に、組換えDNA分子を含む。また本発明のDNA分子のin vivo及びin vitro RNA転写産物は、"単離した"核酸配列に含まれる。かかるポリヌクレオチドは、例えば、プライマー及び/又はプローブとして多型を検出するために、コード化ポリペプチド(ノーザンブロット解析のように、異種配列を単離するため(例えば、他の哺乳動物種由来)、遺伝子マッピングのため(例えば、染色体のin situハイブリダイゼーションによる)、又は組織中の遺伝子の発現を検出するため(例えば、ヒト組織)のプローブとして)の製造において有用である。
【0048】
単離された核酸分子は、RNA、mRNA、DNA、又はcDNAであってよく、そして例えば、二重又は一重らせんであってよい。それらはセンス鎖、非コード領域、及び/又はアンチセンス鎖をコードしてよい。核酸分子は遺伝子のコード配列の全て又は一部を含むことができ、そして更に追加のイントロン並びに3'及び5'配列(例えば調節配列を含む)等の非コード領域を含むことができる。更に、核酸分子は、マーカー配列(例えば、核酸分子を精製するために用いることができる配列)と融合させることができる。
【0049】
本発明の核酸分子は、1つ以上の修飾化したヌクレオチド残基を含むことができる。当該修飾は、塩基、糖、及び/又はホスフェート部分であってよく、そして例えば、ハロゲン化、ヒドロキシル化、アルキル化、付着したリンカー及び/又はラベルを含む。当該修飾は、更に、例えば、非帯電連鎖(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート(phosphoamidates)、カルバメート)、帯電連鎖(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート)、張り出した部分(例えば、ポリペプチド)、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラーレン)、キレート化剤、アルキル化剤、及び修飾した連鎖(例えば、αアノマー核酸)等のラベリング、メチル化、内部ヌクレオチドの修飾を含むことができる。また、水素結合及び他の化学的相互反応を介して指定の配列に結合する能力において核酸分子を模倣した合成分子も含まれる。かかる分子は、例えば、分子の骨格中のホスフェート連鎖をペプチド連鎖が置換しているような分子を含む。
【0050】
特定の態様では、本発明の核酸分子は、制限されずに、FRZB mRNA、cDNA及び/又はゲノムDNA分子を含む。本発明の核酸分子は、例えば本明細書において発表される1つ以上のFRZB SNPsを含むオリゴヌクレオチド等のオリゴヌクレオチドも含む。
【0051】
本明細書において使用される用語"プライマー"とは、予め決められた条件下(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、配列決定の工程、逆転写法等のような増幅技術における)で酵素的重合の開始に十分であるハイブリダイゼーション特異性を有すオリゴヌクレオチドを言う。
【0052】
本明細書において使用される用語"プローブ"とは、予め決められた条件下(例えば、5'-ヌクレアーゼ反応のような増幅技術、サザン又はノーザンブロット等のようなハイブリダイゼーション依存性検出方法)で、限定された標的配列に結合するために十分であるハイブリダイゼーション特異性を有するオリゴヌクレオチドを言う。プライマー及びプローブを多様な方法において使用してよく、且つ特異的な使用に限定してよい。例えば、"捕捉プローブ"は、制限されずに:共有結合、吸着、疎水性及び/又は静電気性相互反応、又は固体支持体上で直接合成することを含む(特に特許出願WO9210092参照)任意の適切な手段により、固体支持体上に固定化され、又は固定化することができる。"検出プローブ"は、選定されたマーカー(例えば、放射活性同位元素、酵素、特に色原体上で作用することができる酵素、蛍光性又は発光性基質(特にペルオキシダーゼ、又はアルカリホスファターゼ)、色素体の化学物質、色原体、蛍光性(fluorigenic)又は発光性の化合物、ヌクレオチド塩基のアナログ、及びビオチンのようなリガンド由来)によってラベルされ得る。実例となる蛍光性化合物は、例えばフルオレセイン、カルボキシフルオレセイン、テトラクロロフルオレセイン、ヘキサクロロフルオレセイン、Cy3、テトラメチルローダミン、Cy3.5、カルボキシ-x-ローダミン、テキサスレッド、Cy5、及びCy5.5を含む。実例となる発光性化合物は、例えば、ルミノール等のルシフェリン及び2,3-ジヒドロフタラジンジオン(dihydrophthalazinediones)を含む。
【0053】
本発明のオリゴヌクレオチド、プライマー及びプローブの全てを、ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、増幅プライマー、又は他のオリゴヌクレオチドを問わず、それらの性能を増強するため、又は増幅産物の特性決定を促進するため、化学的官能基により修飾してよい。例えば、特定のポリメラーゼ、又はヌクレアーゼ酵素の核酸活性に耐性であるオリゴヌクレオチドを提供する、ホスホロチオエート又はメチルホスホネート基を有するオリゴヌクレオチド等の骨格を修飾したオリゴヌクレオチドは、増幅又は他の反応の中で、かかる酵素の使用を可能にする。修飾の他の例は、ハイブリダイゼーション又はプライマーの伸長を妨害することなく、核酸鎖中のヌクレオチド間に導入される非-ヌクレオチドリンカー(例えば、その全体が参考文献により本明細書に組み入れられた、Arnold,等.,"Non-Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide Probes"、EP0313219)を使用することを含む。増殖オリゴヌクレオチドは、所望されるヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、及び天然ヌクレオチドの混合物も含んでよい。
【0054】
本発明と共通の所有者を有し、且つその全体が参考文献により本明細書に組み入れられたMcDonough,等.,"Nucleic Acid Sequence Amplification"、W094/03472に発表された通り、増幅プライマーの3'末端、又はプローブは、任意にDNA合成の開始を妨げるために遮断してよい。多様な3'遮断された増幅オリゴヌクレオチド、又は3'遮断、及び未遮断オリゴヌクレオチドの混合物は、前記発表の通り、核酸増幅の効率を増加させ得る。オリゴヌクレオチドの5'末端は、いくつかの核酸ポリメラーゼに存在する5'-エキソヌクレアーゼ活性に耐性であるように修飾され得る。かかる修飾は、本明細書において参考文献として導入された、上記Arnold,等.,"Non-Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide Probes"により発表されたような技術を使用して、非-ヌクレオチド基をプライマーの末端の5'ヌクレオチドに付加することにより実施することができる。
【0055】
一度合成され、選定されたオリゴヌクレオチドプローブは、任意のいくつかの周知方法(例えば、後述のJ.Sambrook)によりラベルされ得る。有用なラベルは、放射性同位元素、及び非放射活性レポーティンググループを含む。同位元素的ラベルは、3H、35S、32P、125I、57Co及び14Cを含む。同位元素的ラベルは、例えばニックトランスレーション、エンドラベリング、第二らせん合成、逆転写の使用、及び化学的方法による当業界において公知の技術によりオリゴヌクレオチド中に導入することができる。放射ラベル化プローブハイブリダイゼーションを使用する場合、例えばオートラジオグラフィー、シンチレーションカウンティング、又はガンマカウンティングにより検出することができる。当該選定された検出方法は、特にラベリングのために使用される放射性同位元素に依存するであろう。
【0056】
非同位元素的材料もラベリングのために使用することができ、そして核酸配列の内部、又は核酸配列の末端に導入され得る。修飾されたヌクレオチドは、酵素的、又は化学的に導入され得る。プローブの化学的修飾は、プローブ合成の間、又はプローブ合成の後に実施され得る(例えば、本明細書において参考文献により導入された、上記Arnold,等.,"Non-Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide Probes,"により発表されたような非ヌクレオチドリンカー群の使用を通す)。非-同位元素的ラベルは、蛍光性分子、化学発光性分子、酵素、共同因子、酵素基質、ハプテン、又は他のリガンドを含む。
【0057】
1つの態様では、プローブはアクリジニウムエステルによりラベル化される。アクリジニウムエステルラベリングは、Arnold等.,米国特許No.5,185,439、"Acridinium Ester Labeling and Purification of Nucleotide Probes,"Feb.9,1993発行により発表され、且つ且つその全体が参考文献により本明細書に組み入れられた通りに実行してよい。
【0058】
用語"配列特異的オリゴヌクレオチド"とは、標的でない核酸にハイブリダイズするノイズ率へのシグナルより、少なくとも2倍高いノイズ率へのシグナルを有する標的核酸へハイブリダイズする(制限された条件下)オリゴヌクレオチドを言う。例えば、配列特異的オリゴヌクレオチドは、ストリンジェント条件下で、SNP(標的核酸)の第一の対立遺伝子を含むFRZBの領域へ、SNPの第二の対立遺伝子を含むFRZBの領域へハイブリダイズするオリゴヌクレオチドでのノイズ率へのシグナルよりも少なくとも2倍(例えば、少なくとも5倍又は10倍)高いノイズ率へのシグナルで、ハイブリダイズすることができる。
【0059】
用語"FRZB遺伝子"又は"FRZB遺伝子座"とは、FRZBタンパク質をコードするゲノムの核酸配列を言う。本明細書において使用される遺伝子のヌクレオチド配列は、エクソンとして言及されるコード領域、イントロンとして言及される中断している非コード領域、並びに上流及び/又は下流領域を包含する。上流又は下流領域は、イントロン又はエクソンの部分、或いは例えば遺伝子転写を調節する因子の結合部位を含む遺伝子の領域以外で、転写される遺伝子領域を含むことができる。ヒトFRZBゲノム配列のための配列は、GenBankアクセス番号NT 005100.3、NT 005265、及びNT 005403で提供され、並びに配列の一部分はSEQ ID NO:1として本明細書に提供する。ヒトFRZB mRNAのための配列はGenBankアクセス番号NM 001463で提供され、並びにSEQ ID NO:2として本明細書に提供する。
【0060】
本明細書において使用される用語"対立遺伝子"とは、遺伝子配列変異体及び/又は多型を言う。対立遺伝子は、1つ以上の多型位置に関して非特異的な残りの遺伝子配列により、典型的に同定される。例えば、FRZB対立遺伝子は、一つのSNPで存在するヌクレオチドにより、又は多数のSNPsで存在するヌクレオチドにより、限定され得る。かかるFRZB SNPsの例を、後述の表1に提供する。
【0061】
利便性のために、個体群中で比較的高く又は最も高い頻度で存在する対立遺伝子は、野生型対立遺伝子として言及され、そして低い頻度の対立遺伝子は突然変異体対立遺伝子として言及されるだろう(しかしながら、注目すべきは、1つの個体群においてより頻度が高い対立遺伝子は、多くの個体群の中ではより頻度が小さい)。突然変異体としての対立遺伝子のこの表記は、野生型の対立遺伝子から当該対立遺伝子を区別するためにのみ意味するものであり、機能の変化又は欠損を示す意味ではない。
【0062】
本明細書において使用される用語"多型(polymorphic及びpolymorphism)"は、2つ以上の特異的ゲノム配列、又はコードされたアミノ酸配列の変異体をある個体群において見出すことができる状態を言う。当該用語は、核酸配列、又はコードされたアミノ酸配列のいずれかを言い;当該使用は、本明細書から明らかにされるであろう。用語"多型領域"又は"多型サイト"とは、発生する変異体を区別するヌクレオチドの相違がある核酸領域、或いはアミノ酸配列については、発生するタンパク質変異体を区別するアミノ酸の相違があるアミノ酸配列の領域を言う。本明細書において使用される用語"一塩基多型"、又はSNPとは、1つのヌクレオチド部位から成る多型サイトでの多型を言う。本明細書から明らかにされるように、用語多型は、多型サイトで特異的な変異体配列について言うことができ;例えば、用語SNPは、一つのヌクレオチド部位から成る多型サイトを占める特異的ヌクレオチド(例えば、A、C、G、又はT)について言うことができる。
【0063】
配列中の個々のアミノ酸は、本明細書においてAN又はNAとして表され、ここでAは配列中のアミノ酸であり、そしてNは配列中の部位である。部位Nが多型である場合、一方の変異体を(例えば、より頻度が高い変異体)A1Nとして、そして他方の変異体を(例えば、より頻度が低い変異体)NA2として、表記するのが便利である。或いは、多型サイト、N、は、AlNA2として表され、ここでA1は一方の変異体中のアミノ酸であり、そしてA2は他方の変異体中のアミノ酸である。注目すべきは、1つの個体群の中でより頻度の高い対立遺伝子は、多くの個体群においてより頻度が低いことである。1つの文字(one-letter)又は3つの文字(three-letter)のいずれかのコードは、アミノ酸を表記するために使用される(参考文献により本明細書に組入れられたLehninger,BioChemistry 2nd ed.,1975,Worth Publishers,Inc.New York,NY:ページ73-75,参照)。アミノ酸部位は、成熟FRZBタンパク質の配列に基づき数えられる。
【0064】
DNA配列におけるヌクレオチド類及び1つのヌクレオチド変異体の表示は、アミノ酸の表示に似ている。例えば、C18679Tは、ヌクレオチド部位18679での一塩基多型を表し、ここでのシトシンは、個体群中のより高い頻度の対立遺伝子(野生型)中に存在し、そしてチミジンは、より低い頻度の対立遺伝子(突然変異体)中に存在する。一般的に、SNPはA1NA2として表すことができ、ここでAlは一方の変異体の中で存在するヌクレオチドであり、そしてA2は他方の変異体中のヌクレオチドである。ヌクレオチドのための1つの文字コード、即ち、Cはシトシン;Aはアデニン;Tはチミジン、Gはグアニン、Iはイノシン、及びUはウラシルであることは、当業界において周知である。二重らせん形態において、それぞれの対立遺伝子の相補鎖が多型部位で相補的な塩基を含むであろうことが明確さにされ;それ故にSNP(又は他の多型)は、いずれかの鎖上で多型サイトを占めるヌクレオチドを参照することにより説明及び/又は検出することができる。
【0065】
本明細書において使用される用語"素因多型"とは、例えば、肥満及び/又は骨粗鬆症等の状態に肯定的に関連する多型を言う。個体中の素因多型の存在は、当該個体が多型を有さない個体と比較して、増大した疾患のリスクを有す指標となり得る。用語"保存的多型"とは、状態に否定的に関連する多型を言う。個体中の保存的多型の存在は、当該個体が多型を有さない個体と比較して、減少した疾患のリスクを有す指標となり得る。
【0066】
用語"肥満関連多型(obesity-associated polymorphism又はobesity-related polymorphism)"とは、肯定的に、又は否定的に肥満(例えば、高い体格指数を有する)に関連した多型を言う。
【0067】
用語"骨粗鬆症関連多型(osteoporosis-associated polymorphism又はosteoporosis-related polymorphism)"とは、肯定的に、又は否定的に骨粗鬆症に関連した多型を言う(例えば、増加した股関節骨折及び/又は脊椎骨折の発症、並びに/或いは減少した骨ミネラル密度を有する)。
【0068】
本発明の明細書中の用語"関連"又は"関連した"とは、1つ以上の特異的遺伝子中に1つ以上の特異的対立遺伝子又は多型を有す個体における疾患又は表現型形質の存在を言う。
【0069】
本明細書において使用される用語"オッズ率"(OR)とは、マーカー(対立遺伝子又は多型)を有さない個体における疾患の頻度に対する、特定のマーカー(対立遺伝子又は多型)を有する個体における疾患の頻度率を言う。
【0070】
本明細書において使用される用語"連鎖不均衡"(LD)とは、無作為の関連性のない(即ち、それらの頻度に対する比率に関連しない)多様な遺伝子座での対立遺伝子を言う。当該対立遺伝子が肯定的な連鎖不均衡にある場合、その後当該対立遺伝子は、統計学的独立性を仮定する予測よりも高い頻度で同時に発生する。反対に、当該対立遺伝子が否定的な連鎖不均衡にある場合、その後当該対立遺伝子は、統計学的独立性を仮定する予測よりも低い頻度で同時に発生する。
【0071】
本明細書において使用される用語"遺伝子型"とは、個体又はサンプル中に含まれる1つの遺伝子又は複数の遺伝子の対立遺伝子の描写を言う。本明細書において使用される、差異なし(no distinction)とは、個体の遺伝子型ともとの当該個体由来のサンプルの遺伝子型の間で作り出される。典型的に遺伝子型は、2倍体細胞のサンプルから決定されるが、遺伝子型は、精細胞のような1倍体細胞のサンプルから決定することができる。同様に、個体の"1つ以上の多型サイトでの遺伝子型"とは、個体又はサンプル中に含まれる1つ以上の多型の対立遺伝子の描写を言う。例えば、SNPの個体の遺伝子型は、その多型サイトに存在するヌクレオチドにより限定される。
【0072】
本明細書において使用される用語"ハプロタイプ"とは、1つの染色体上に含まれる1つの遺伝子又は複数の遺伝子の変異体(即ち、1つの染色体の遺伝子型)の描写を言う。ハプロタイプは、母親方から遺伝された対立遺伝子の一式、又は任意の遺伝子座で部分的に遺伝された対立遺伝子の一式である。ハプロタイプは互いにグループ化された2つ以上のSNPsについても言うことができる。
【0073】
本明細書において使用される用語"標的領域"とは、分析され、且つ通常少なくとも1つの多型領域を含む核酸領域を言う。
【0074】
本明細書において使用される用語"ストリンジェント"とは、例えば塩濃度及びオリゴヌクレオチドの長さ及び塩基組成等を考慮に入れた、詳細な配列のためのTm、又はTm付近でのハイブリダイゼーション及び洗浄条件を言う。一般的に、ストリンジェント条件とは、限定したイオン強度及びpHで、特異的配列の融点温度(Tm)より約5℃から15℃低く選定される。より高いストリンジェント条件、例えば、Tmと等しい、又はTmより5℃以上高いTmが任意に選定される。Tmは、標的配列の50%が完全に対であるプローブとハイブリダイズする温度である(限定されたイオン強度及びpH下)。典型的に、ストリンジェント条件は、塩濃度がpH7で少なくとも約0.02モル濃度であり、且つ当該温度が、約55-65℃のTmを有す配列のために少なくとも約50℃であるような条件であるだろう。他の要因は、特に塩基組成、核酸らせん構造の長さ、有機溶媒の存在、及び塩基不適合の範囲を含むハイブリダイゼーションのストリンジェントに著しく影響を及ぼし得るので、パラメーターの組合せは、任意の1つの絶対的な手段よりも重要である。
【0075】
"ラベル"は、分子の検出を促進する部分である。本発明の明細書中の通常のラベルは、蛍光、発光、及び/又は比色分析ラベルを含む。適切なラベルは、放射性ヌクレオチド、酵素、基質、共同因子、阻害剤、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子等を含む。かかるラベルの使用を教示する特許は、米国特許No.3,817,837;3,850,752;3,939,350;3,996,345;4,277,437;4,275,149;及び4,366,241を含む。多くのラベルは商業的に入手することができ、そして本発明の状況において使用することができる。
【0076】
"ポリヌクレオチド配列"、"ヌクレオチド配列"、又は"核酸配列"は、状況によって、ヌクレオチド(オリゴヌクレオチド、DNA、核酸等)のポリマー、又はヌクレオチドポリマーを表す文字列である。任意の特異的なポリヌクレオチド配列由来の所定の核酸又は相補的ポリヌクレオチド配列(例えば、相補的核酸)のいずれかを決定することができる。
【0077】
多くの更なる用語は、本明細書において定義され、或いは特徴付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
発明の詳細な説明
観察からの本発明の軸となる特定の態様では、FRZB遺伝子中の少なくとも1つの多型は、肥満及び/又は骨粗鬆症の個体のリスクに相関する。更に、態様は個体の増加した又は減少した肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを検出するための方法を提供する。更に、態様は、個体の肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを検出するために有用であるキット、試薬、及びアレイを提供する。
【0079】
1つの観点では、本発明は、個体の核酸サンプル中のFRZB遺伝子座における少なくとも1つの肥満関連多型の存在を検出することにより、個体の増加した、又は減少した肥満のリスクを検出するための方法を提供し、ここで前記少なくとも1つの多型の存在は、個体の増加した、又は減少した肥満のリスクを示す。
【0080】
更なる観点では、本発明は、個体の核酸サンプル中のFRZB遺伝子座における少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在を検出することにより個体の増加した、又は減少した骨粗鬆症のリスクを検出するための方法を提供し、ここで前記少なくとも1つの多型の存在は、個体の増加した、又は減少した骨粗鬆症のリスクを示す。
【0081】
更なる態様では、本発明は、素因(predisposition)のための診断検査と少なくとも1つの骨粗鬆症のための他の臨床検査の組合せにより、個体中の骨粗鬆症の存在を検出するための方法(制限されずに:骨代謝アッセイ及び任意のタイプの骨スキャンを含む)を提供する。素因となり得る、又は上記に追加して使用される、他の疾患、条件、又は規準は、制限されずに、甲状腺機能亢進症、移植手術後、吸収不良、副甲状腺機能亢進症、アルコール依存症、及び家族歴を含む。
【0082】
1つの態様では、FRZB多型は、表1に載せたFRZB多型から選定される。更なる態様では、1つを超える多型は、表1に載せた多型から選定される少なくとも1つの核酸サンプル中で検出される。更なる態様では、表1に載せた多型から選定される少なくとも2つの多型を検出する。使用することができるFRZB中の多型の例は、制限されずに:T2303723C、C18679T、G19524A、T19575G、T22242A、G23043A、G23415A、T23549C、A24791G、C26794G、及びG27014Aを含む。
【0083】
個体は、ヒト、及び任意の種又は個体群に属する個体を含む、任意の哺乳動物であってよい。個体は雄性又は雌性であってよい。しかしながら、本明細書において発表された方法、キット及び組成物は、50歳以上の女性、及び/又は閉経後の女性における骨粗鬆症の分析のためにふさわしいと理解される。更に本明細書において発表された当該方法、キット及び組成物は35歳から77歳の男性又は女性における骨粗鬆症の分析にふさわしいであろう。より詳細には、40歳を以上の男性及び女性の分析にふさわしいであろう。
【0084】
更なる態様では、誕生から約75歳までの間の男性及び女性、より詳細には5歳から55歳までの男性及び女性を肥満への素因のスクリーニングにかけてよい。重要なことは、肥満が起こる前に体重増加を予防するために、若齢及び/又は出生前で肥満にかかりやすい個体を特定することである。更なる態様では、生存期間中の特定の高いリスク時期、又は状況で個体が同定される。かかる時期は、制限されずに:青年期、更年期、老年期、鬱の時期、肥満を起こしやすくする病気、及び/又は急速な生活の変化を含む。更に、食事療法開始前は、肥満に対する患者の素因(選定されたプログラムのタイプ、体重減少の速度、及び様々な体重レベルを維持するための患者の能力に影響を及ぼし得る)を決定するために重要である。
【0085】
核酸サンプルは、制限されずに:髪、皮膚、爪、組織(例えば、臓器もしくは腫瘍)、又は体液(例えば、唾液、血液、血漿、血清、髄液、リンパ液、滑液、精液(semen、seminal fluid)、細気管支肺胞洗浄(bronchio-alveolar lavage)、尿、又は涙、及び単離した血液もしくは組織細胞、又はin vitro細胞培養構成物質のサンプル(制限されずに、細胞培養培地中の成長細胞から得られた調整済みの培地、組換え細胞、及び細胞成分を含む)を含む、個体の身体の任意の部分から得ることができる。核酸サンプルは、必要ないものを除き、制限されずにポリメラーゼ連鎖反応("PCR")を含む任意の増幅方法により増幅することができる。
【0086】
多型は、FRZB遺伝子座における任意の素因多型、又は保存的多型であることができる。本発明の1つの態様では、多型は本明細書において教示された方法により素因的、又は保存的として同定された任意の多型であることができる。1つの態様では、多型はFRZB遺伝子座において一塩基多型(SNP)であることができる。他の態様では、FRZB遺伝子座における特異的なハプロタイプ、及び特異的な組合せ、並びにこの遺伝子座でのSNPs間の相互作用は、肥満及び/又は骨粗鬆症の増加した又は減少したリスクの指標であることができる。
【0087】
更なる態様では、片親のみから由来する多型の存在は、十分に予測される。更なる態様では、両親由来の多型の存在は、十分に予測される。
【0088】
多型は、核酸サンプル中の特異的な多型の存在を検出するために、当業界における任意の公知方法により検出することができる。これらの方法は、制限されずに、核酸サンプルを少なくとも1つのFRZB多型へ、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする1つ以上の核酸分子と接触させること、並びに当該ハイブリダイゼーションを検出すること(例えばPCRでの核酸サンプル増幅による検出、及び核酸配列の直接的な配列化による検出)を含む。
【0089】
特定の態様では、骨粗鬆症又は肥満に関連した疾患の個体のリスクは、個体のFRZB遺伝子型から診断される。多型を有さない個体と比較して、増加した又は減少したリスクのいずれかに寄与する因子を保持する、少なくとも1つの多型を有す個体は、統計学的に骨粗鬆症及び/又は肥満に関連する。肥満及び/又は骨粗鬆症を有する多様なFRZB多型(配列変異体)の統計学的関連性を実施例に示す。
【0090】
遺伝子型は、ヌクレオチドの変異を同定することができる、任意の方法(例えば、一塩基多型サイトから成るヌクレオチド変異)を用いて決定することができる。使用される詳細な方法は、本発明の重要な観点ではない。多くの適する方法は、後述する。
【0091】
本発明の1つの態様では、遺伝子型決定は、変異体FRZB配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いて実施する。1つの態様では、重要な数個の多型サイトを含むFRZB遺伝子の領域を、かかるサイトへ導かれたプローブのハイブリダイゼーションにより、前もって又は同時に増幅する。配列変異体の検出のためのプローブに基づくアッセイは、当業界において周知である。
【0092】
或いは、遺伝子型決定は、対立遺伝子特異的増幅、又は伸長反応を用いて実施され、ここでの対立遺伝子特異的プライマーは、標的とされる対立遺伝子が存在する場合のみ用いられ、プライマー伸長を支援する。典型的に、対立遺伝子特異的プライマーは、3'末端ヌクレオチドが多型部位に整列するように、FRZB遺伝子にハイブリダイズする。対立遺伝子特異的増幅反応、及び対立遺伝子特異的伸長反応は、当業界において周知である。
【0093】
本発明の他の観点では、アッセイされる骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクを有す個体の核酸サンプル中のFRZB遺伝子座における素因多型、又は保存的多型の存在を検出するために有用なキットに関する。キットは、FRZB遺伝子座において素因多型、又は保存的多型を検出することができる1つ以上のオリゴヌクレオチド、並びに肥満及び/又は骨粗鬆症への感受性を検出するためのキットを使用するための仕様書を含むことができる。好適な態様では、当該1つのオリゴヌクレオチド又は複数のオリゴヌクレオチドは、それぞれ個々にストリンジェントハイブリダイゼ−ション条件下で、少なくとも1つのFRZB多型へハイブリダイズする配列を含む。いくつかの態様において、当該1つのオリゴヌクレオチド又は複数のオリゴヌクレオチドは、個々にFRZB多型を含む核酸配列に十分に相補性である配列を含む。
【0094】
いくつかの態様では、当該オリゴヌクレオチドは、ストリンジェントハイブリダイズ条件下において多型へハイブリダイズすることにより、FRZB多型の存在を検出するために使用することができる。いくつかの態様では、当該オリゴヌクレオチドは、PCR又は配列化反応のようないずれかの増幅反応において伸長プライマーとして使用することができ、ここでFRZB多型は、増幅又は配列化のいずれかにより検出される。
【0095】
特定の態様では、当該キットは更に、必要ないものを除き、配列特異的であることができる増幅又は配列化プライマーを含むことができる。キットは、また1つ以上のオリゴヌクレオチドをラベル化する試薬を含むことができ、又はラベル化オリゴヌクレオチドを含むことができる。任意に、当該キットは、ラベルを検出するための試薬を含むことができる。
【0096】
いくつかの態様では、キットは、2つ以上の素因FRZB多型又は保存的FRZB多型、或いは素因多型、保存的多型の組合せ、又は両方の存在を検出するために使用することができる1つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことができる。
【0097】
本発明の他の観点では、アッセイされる肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを有する個体の核酸サンプル中の素因又は保存的FRZB多型の存在を検出するために有用なアレイを提供する。当該アッセイは、素因又は保存的FRZB多型を検出することができる1つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことができる。当該オリゴヌクレオチドを基質上(例えば、膜又はガラス)に固定化することができる。好適な態様では、1つのオリゴヌクレオチド又は複数のオリゴヌクレオチドは、それぞれ個々に、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、FRZB多型を含む核酸配列へハイブリダイズすることができる配列を含む。いくつかの態様では、当該1つのオリゴヌクレオチド又は複数のオリゴヌクレオチドは、それぞれ個々にFRZB多型を含む核酸配列へ十分に相補性である配列を含む。当該1つのオリゴヌクレオチド又は複数のオリゴヌクレオチドは、必要ないものを除き、ラベル化することができる。いくつかの態様では、アレイはマイクロアレイであってよい。
【0098】
いくつかの態様では、当該アレイは、2つ以上の素因又は保存的なFRZB多型、或いは素因多型、保存的多型の組合せ、又は両方の存在を検出するために使用される1つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことができる。
【0099】
本発明の1つの観点は、1つ以上のFRZB多型を検出するために有用である核酸(例えば、FRZB遺伝子及び/又は核酸中の1つ以上の新規多型を含む核酸)を提供する。従って本発明の1つの態様は、完全なFRZB遺伝子、及び/又はFRZB遺伝子の変異体の一部を含む核酸分子を単離することである。好適には、前記変異体は、本明細書で同定される少なくとも1つの多型を含む。更に好適には、前記変異体は、本明細書において同定される、少なくとも1つの肥満に関連する多型を含む。或いは、前記変異体は、本明細書において同定される、少なくとも1つの骨粗鬆症に関連する多型を含む。従って、1つの態様では、当該核酸分子は表1において提供される少なくとも1つのFRZB多型を含む。更なる態様では、当該核酸分子は、FRZB遺伝子中で同定される少なくとも1つの多型(例えば、肥満及び/又は骨粗鬆症に関連して本明細書において同定される)に特異的なプライマー及び/又はプローブを含んで成り、或いは当該特異的なプライマー及び/又はプローブから成る。
【0100】
SNPS
1つの観点では、本発明は、個体の核酸サンプル中の1つ以上のFRZB SNPsの存在を検出することにより、個体の増加した又は減少した肥満のリスクを検出するための方法を提供し、ここでの前記SNP(s)の存在は、増加した又は減少した肥満のリスクを示す。更なる観点では、本発明は、個体の核酸サンプル中の1つ以上のFRZB SNPsの存在を検出することにより、個体の増加した又は減少した骨粗鬆症のリスクを検出するための方法を提供し、ここでの前記SNP(s)の存在は、個体の増加した又は減少した骨粗鬆症のリスクを示す。SNPsはエクソン、イントロン並びに/或いは上流及び/又は下流領域中にSNPsを含む、FRZB遺伝子座における任意のSNPsであることができる。かかるSNPsの例は、制限されずに下記の表1に提供されたもの、及び実施例に詳細に検討されたものを含む。1つの態様では、FRZB遺伝子座に存在するSNPsは、FRZB SNPsの遺伝子型を決定することにより同定される。
【表1】

【0101】
特定の態様では、1つのFRZB SNPの遺伝子型は、肥満及び/又は骨粗鬆症疾患の個体のリスクを決定するために使用することができる。他の態様では、多数のFRZB SNPsの遺伝子型を使用することができる。他の態様では、同一又は異なる遺伝子座でのSNPsの組合せを使用することができる。増加した、又は減少した肥満のリスクに関連したいくつかのSNPsは、増加した、又は減少した骨粗鬆症のリスクに関連したSNPsと同様であると理解される。
【0102】
遺伝子型決定法
本発明の方法において、サンプル中に存在する対立遺伝子は、個体の核酸サンプル中の1つ以上の多型サイトで存在するヌクレオチドを同定することにより同定される。多型サイトで存在するヌクレオチドを同定するための多くの数の方法は、当業界において公知である。遺伝子型を同定するために使用される特定の方法は、本発明の重要な観点でない。動作、費用、及び利便性の検討事項は、他よりも所望される特別な方法を作るであろうが、遺伝子型を同定するために必要な情報を提供するヌクレオチドの存在を同定することができる任意の方法を明確にするだろう。好適な遺伝子型決定方法は、DNA配列、対立遺伝子特異的増幅、又は増幅した核酸のプローブを基礎とした検出を含む。
【0103】
FRZB対立遺伝子は、当業界において周知である連鎖停止方法(参考文献により本明細書に組み入れられたSanger等.,1977,Proc.Natl.Acad.Sci.,74:5463-5467)等のDNA配列化方法により同定することができる。1つの態様では、多型サイトを含む遺伝子の一部を増幅し、そして適したプラスミド中でクローン化しその後配列化するか、又は直接配列化する。PCR-に基づく配列化は、参考文献により本明細書中にそれぞれ組み入れられた米国特許No.5,075,216;Brow,in PCR Protocols,1990,(Innis等.,eds.,Academic Press,San Diego),chapter24;及びGyllensten,in PCR Technology,1989(Erlich,ed.,Stockton Press,New York),chapter5中に発表された。典型的に配列化は、例えばPE Biosystems(Foster City,CA)、Pharmacia(Piscataway,NJ)、Genomyx Corp.(Foster City,CA)、LI-COR Biotech(Lincoln,NE)、GeneSys technologies (Sauk City,WI)、及びVisible Genetics,Inc.(Toronto,Canada)から商業的に入手できる自動化したDNAシーケンサーを用いて実施される。
【0104】
FRZB対立遺伝子は、増幅を基礎とした遺伝子型決定方法を用いて同定することもできる。当業界において公知である多様な核酸増幅方法は、標的核酸中のヌクレオチドの変化を検出するために用いることができる。好適な方法は、当業界において周知であり、そして参考文献により本明細書において個々に組み入れられた米国特許No.4,683,195;4,683,202;及び4,965,188において発表されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。発行されたPCRの方法及び増幅を発表している多くの論文の例は、参考文献により本明細書中にそれぞれ組み入れられたPCR Applications, 1999,(Innis等.,eds.,Academic Press,San Diego)、PCR Strategies,1995,(Innis等.,eds.,Academic Press,San Diego);PCR Protocols,1990,(Innis等.,eds.,Academic Press,San Diego);及びPCR Technology,1989,(Erlich,ed.,Stockton Press,New York)中に見出される。PE Biosystems (Foster City, CA)等の販売人は、PCR試薬を市販し、そしてPCRプロトコールを発行する。
【0105】
他の適した増幅方法は、参考文献により本明細書に個々に組み入れられたリガーゼ連鎖反応(Wu及びWallace,1988,Genomics 4:560-569);鎖置換アッセイ(Walker等,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:392-396,Walker等.1992,Nucleic Acids Res.20:1691-1696,及び米国特許No.5,455,166);米国特許No.5,437,990;5,409,818;及び5,399,491中に発表された方法を含むいくつかの転写に基づく増幅システム;転写増幅システム(TAS)(Kwoh等.,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:1173-1177);並びに自己支持配列増幅(self-sustained sequence replication)(3SR)(Guatelli等.,1990,Proc.Natal Acad.Sci.USA,87:1874-1878及びWO92/08800)を含む。或いは、検出可能レベルへプローブを増幅する方法は、例えばQβ-レプリカーゼ増幅(参考文献により共に本明細書に組み入れられた、Kramer等.,1989,Nature,339:401-402、及びLomeli等.,1989,Clin.Chem.,35:1826-1831)を使用することができる。参考文献により本明細書に組み入れられた公知の増幅方法の検討は、Abramson等.,1993,Current Opinion in Biotechnology,4:41-47中に提供された。
【0106】
遺伝子型決定は、母系及び父系の両方の染色体が転写される時の条件下でFRZB mRNAを検出及び分析することにより実施することもできる。RNAの増幅は、それぞれ参考文献により本明細書に組み入れられた米国特許No.5,310,652;5,322,770;5,561,058;5,641,864;及び5,693,517中に発表されたように、例えばウィルス性逆転写酵素を用いる標的RNAを最初に逆転写することにより実行することもでき、その後、得られたcDNAを増幅し、又は組合された高温逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を使用することができる(上記Myers及びSigua,1995,in PCR Strategies,chapter5も参照)。
【0107】
FRZB対立遺伝子は、プライマーを伸長させるためのDNAポリメラーゼ能への末端プライマー不適合性の影響を阻害することに基づく、対立遺伝子特異的増幅、又はプライマー伸長方法を使用して同定することもできる。対立遺伝子特異的増幅、又は伸長に基づく方法を使用する対立遺伝子配列を検出するために、FRZB遺伝子へのプライマー相補性は、多型部位でハイブリダイズする3'末端ヌクレオチドのようなものから選定される。同定された対立遺伝子の存在中の当該プライマーは、3'末端で標的配列と対になり、そしてプライマーは伸長する。他の対立遺伝子のみが存在する中では、当該プライマーは標的配列に対して3'不適合性を有し、そしてプライマー伸長は、除去されるか、又は著しく減少される。対立遺伝子特異的増幅、又は伸長に基づく方法は、それぞれ参考文献により本明細書に組み入れられた、例えば、米国特許No.5,137,806;5,595,890;5,639,611;及び米国特許No.4,851,331に発表されている。
【0108】
対立遺伝子特異的増幅に基づく遺伝子型決定を用いた対立遺伝子の同定は、増幅した標的配列の存在又は不存在の検出のみを要求する。増幅した標的配列を検出するための方法は、当業界において周知である。例えば、上記発表のゲル電気泳動法(後述のSambrook等.,1989,参照)及びプローブハイブリダイゼーションアッセイは、核酸の存在を検出するために広く用いられてきた。
【0109】
対立遺伝子特異的増幅に基づく遺伝子型決定の方法は、実施例中に発表したようにハプロタイプの同定を促進することができる。本質的に、対立遺伝子特異的増幅は、ヘテロ接合のサンプル中の2つの対立遺伝子の一つのみから多数の多型サイトを含む領域を増幅するために使用される。その後、増幅した配列中に存在するSNP変異体が、例えばプローブハイブリダイゼーション、又はシーケンシングにより同定される。
【0110】
速度論的(kinetic)-PCR方法として本明細書において言及される選択的プローブ・レス方法(ここでの増幅した核酸の産生は、反応混合物中の二重らせんDNAの総量中の増加をモニターすることにより検出される)は、それぞれ参考文献により本明細書に組み入れられたHiguchi等.,1992,Bio/Technology,10:413-417;Higuchi等.,1993,Bio/Technology,11:1026-1030;Higuchi及びWatson中、上記PCR Applications,Chapter16中;米国特許No.5,994,056及び6,171,785;及び欧州特許公開No.487,218及び512,334に発表された。二重らせん標的DNAの検出は、二重らせんDNAに結合した時、DNA-結合ダイ(エチジウムブロマイド、又はSYBR(商標)green等)が示す増加した蛍光に頼る。標的配列の合成から得られる二重らせんDNAの増加は、二重らせんDNAへ結合したダイの量の増加、及び蛍光中で検出可能な付属物の増加をもたらす。速度論的(kinetic)-PCR法を用いる遺伝子型決定のための増幅反応は、特定の対立遺伝子の存在を示すことを、それぞれの増幅ができるような、対立遺伝子の1つに特異的な一対のプライマーを用いて実施される。例えば、一方が野生型の対立遺伝子に特異的なプライマーを用い、他方が突然変異体対立遺伝子に特異的なプライマーを用いる2通りの増幅を実施することにより、SNPに関してサンプルの遺伝子型を決定することができる。同様に、それぞれの増幅において、可能なペアーの一方が上流及び下流の両プライマーのために対立遺伝子特異的プライマーを用いることが可能な4通りの増幅を実施することにより、2つのSNPsに関してサンプルの遺伝子型を決定することができる。これは一対のSNPsためにハプロタイプ情報を与える。
【0111】
対立遺伝子は、プローブとFRZB対立遺伝子を含む対応の標的配列の間で形成されるハイブリダイゼーション2本鎖の安定性の中での差異に依存する、プローブを基礎とした方法を用いて同定することもできる。十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において、安定な2本鎖はプローブとその標的対立遺伝子配列の間でのみ形成され、他の対立遺伝子配列では形成されない。安定なハイブリダイゼーション2本鎖の存在は、多くの任意の周知方法により検出することができる。通常は、検出を促進するために、ハイブリダイゼーション前に重要な多型サイトを含む核酸を増幅することが好適である。しかしながら、十分な核酸が増幅なしで得ることができるならば、これは必要でない。
【0112】
FRZB遺伝子もしくはその相補物の標的領域に対し、実質的に相補的であり、又は厳密に相補的であるハイブリダイゼーション領域を含む(ここでの標的領域は多型サイトを含み、多型サイトでの2つの対立遺伝子配列の一つと厳密に相補性)、本発明のプローブに基づく方法における使用のために適したプローブは、本明細書において提供され、且つ当業界において周知なガイドラインを用いて選定することができる。同様に、プローブの正確な大きさ及び配列に依存する、適するハイブリダイゼーション条件(例えば、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件)、は、本明細書において提供され、且つ当業界において周知なガイドラインを用いて経験的に選定することができる(例えば、Nucleic Acid Hybridization (B.D.Hames及びS.J.Higgins.eds.,1984)及びSambrook等.,Molecular Cloning-A Laboratory Manual(3rd Ed.),Vol.1-3,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,2000を参照)。配列中に1つの塩基対の差異を含むヌクレオチド変異体を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブの使用は、それぞれ参考文献により本明細書中に組み込まれた、例えば、Conner等.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:278-282、及び米国特許No.5,468,613及び5,604,099中に開示される。
【0113】
FRZB遺伝子型を決定するためのプローブを基礎とした方法のいくつかの態様では、多型サイトを含むFRZB遺伝子由来の多数の核酸配列は、十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で一式のプローブへ増幅され、且つハイブリダイズされる。対立遺伝子の存在は、増幅した標的配列への当該プローブの結合パターンから推定される。この態様における増幅は、プローブハイブリダイゼーションによる分析のために十分な核酸を提供するために実施する。従って、プライマーはサンプル中の対立遺伝子の存在に関係なく増幅された多型サイトを含むFRZB遺伝子の領域のようにデザインされる。対立遺伝子の独立した増幅は、FRZB遺伝子の保存された領域へハイブリダイズするプライマーを用いて達成される。FRZB遺伝子は、多くの不変領域、又は多型領域を含み、及び適切な対立遺伝子独立プライマーは、SEQ ID NO:1又は遺伝子バンクアクセス番号NT 005100.3、NT 005265、又はNT 005403から通常に選定することができる。
【0114】
サンプル中でプローブと標的核酸配列の間で形成されるハイブリッドを検出するための適切なアッセイフォーマットは、当業界において公知であり、そして固定化された標的(ドット-ブロット)フォーマット、及び 固定化されたプローブ(逆ドット-ブロット又はライン-ブロット)アッセイフォーマットを含む。ドットブロット及び逆ドットブロットアッセイフォーマットは、それぞれ参考文献により本明細書に組み入れらた米国特許No.5,310,893;5,451,512;5,468,613;及び5,604,099中に発表される。
【0115】
ドットブロットフォーマットでは、増幅した標的DNAは、ナイロン膜のような固体支持体上に固定される。膜標的複合体は、適したハイブリダイゼーション条件下でラベル化プローブと共に培養され、ハイブリッドされないプローブは、適切なストリンジェント条件下での洗浄により除去され、そして当該膜は、結合したプローブの存在をモニターされる。好適なドット-ブロット検出アッセイを実施例中に発表する。
【0116】
逆ドット-ブロット(又はライン-ブロット)フォーマットでは、プローブは固体支持体(例えばナイロン膜、又はマイクロタイタープレート等)上に固定される。標的DNAは、典型的にラベル化プライマーの導入による増幅の間にラベル化される。プライマーの片方又は両方をラベル化することができる。膜-プローブ複合体は、適切なハイブリダイゼーション条件下でラベル化した増幅標的DNAと共に培養し、ハイブリダイズされていない標的DNAは、適切なストリンジェント条件下での洗浄により除去され、そして当該膜は、結合した標的DNAの存在をモニターされる。好適な逆ラインブロット検出アッセイを、実施例中に発表する。
【0117】
プローブを基礎とする遺伝子型決定は、それぞれ参考文献により本明細書中に組み入れられた米国特許No.5,210,015;5,487,972;及び5,804,375;並びにHolland等.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:7276-7280中に発表された通り、5'-ヌクレアーゼアッセイを使用して実施することができる。増幅した領域中でハイブリダイズする5'-ヌクレアーゼアッセイでのラベル化検出プローブは、増幅反応の間に混合物に付加される。プローブは、当該プローブがDNA合成のためのプライマーとして作用しないように修飾される。増幅は5'から3'へのエキソヌクレアーゼ活性を有すDNAポリメラーゼ(例えばTth DNAポリメラーゼ)を用いて実施される。増幅のそれぞれの合成ステップの間、伸長したプライマーから標的核酸の下流へとハイブリダイズする任意のプローブは、DNAポリメラーゼの5'から3'へのエキソヌクレアーゼ活性により分解する。従って、新規標的らせん構造の合成は、プローブの分解、及び標的配列合成の手段を提供する分解産物の蓄積ももたらす。
【0118】
分解産物を検出するために適した任意の方法は、5'-ヌクレアーゼアッセイにおいて使用することができる。好適な方法では、検出プローブは、一方のダイが、他方のダイの蛍光を消光させることを可能とする、2つの蛍光ダイでラベルされる。ダイをプローブに結合させ、好適には一方は5’末端に、そして他方は内部サイトに結合させる。かくして消光は、プローブがハイブリダイズされていない状態の時に起こり、且つDNAポリメラーゼの5’から3’へのエキソヌクレアーゼ活性によるプローブの開裂は2つのダイの間で起きる。ダイはプローブに付着し、好適には一方は5’末端に付着し、そして他方は内部のサイトへ付着する。増幅はダイの間のプローブの開裂をもたらし、それに消光の消失及び最初に消光したダイから観察できる蛍光の増加を伴う。分解産物の蓄積は、反応中の蛍光の増加を測定することによりモニターされる。増幅による付随物を発生させるプローブの分解を検出するための代替方法を発表する米国特許No.5,491,063及び5,571,673は共に参考文献により本明細書に組み入れられた。
【0119】
5'-ヌクレアーゼアッセイは、増幅した産物の存在を検出するために唯一使用されるプローブのような、対立遺伝子特異的増幅プライマーにより使用することができる。かかるアッセイは、上記の速度論的(kinetic)-PCR-を基礎とした方法に発表された通り実施される。或いは、5'-ヌクレアーゼアッセイは、標的特異的プローブと共に使用することができる。
【0120】
プローブに基づく遺伝子型決定のために使用することができる他の技術の例は、制限されずに、Amplifluor(商標)、ダイ結合-インターカレーション、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、ハイブリダイゼーションシグナル増幅方法(HSAM)、HYB Probes(商標)、Invader/Cleavase Technology(Invader/CFLP(商標))、Molecular Beacons(商標)、Origen(商標)、DNA-に基づく分岐増幅(DNA-Based Ramification Amplification(RAM(商標))、ローリングサークル増幅(RCA(商標))、Scorpions(商標)、鎖置換増幅(SDA)を含む。
【0121】
上記のアッセイフォーマットは、典型的にラベル化オリゴヌクレオチドを利用し、ハイブリッド2重鎖の検出を容易にする。オリゴヌクレオチドは、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、放射線的、放射化学的、又は化学的手段により検出できるラベルを導入することにより、ラベル化することができる。抗血清、又はモノクローナル抗体のための、32P、蛍光ダイ、電子密度試薬、酵素(通常、ELISAsにおいて使用されるような)、ビオチン、又はハプテン及びタンパク質を含む有用なラベルは、入手できる。本発明のラベル化オリゴヌクレオチドは、上記オリゴヌクレオチドを合成するための技術を用いて合成し、且つラベルすることができる。例えば、ドット-ブロットアッセイは、参考文献により本明細書中に組み入れられたLevenson等.,1989 PCRプロトコール:A Guide to Methods and Applications (Innis等.,eds.、Academic Press.San Diego)ページ99-112の中で発表された通り、ビオチンによるラベル化プローブを用いて実施することができる。配列特異的条件下における、ビオチン化プローブを有する固定化標的DNAのハイブリダイゼーションによれば、結合したままのプローブは、アビジン-ホースラシッシュペルオキシダーゼ(A-HRP)、又はストレプトアビジン-ホースラディッシュペルオキシダーゼ(SA-HRP)へ最初に結合するビオチンにより検出され、その後、反応を実施することにより検出され、ここでのHRPは色原体の色の変化を触媒する。
【0122】
サンプル中のFRZB対立遺伝子へ選択的にハイブリダイズする本発明のオリゴヌクレオチドを決定するための方法がたとえ何であれ、型決定方法の中心的な特徴は、多様な配列の存在を検出することによる、サンプル中に存在するFRZB対立遺伝子の同定を含む。SNPsの遺伝子型決定における更なる詳細は、文献中から入手できる;例えば、Lindblad-Toh等.,2000,Nature Genetics 24:381-386;Plant Genotyping:The DNA Fingerprinting of Plants,2001,CABI Publishing;Syvanen,2001,Nat.Rev.Genet.2:930-942;Kuklin等.,1998,Genetic Testing 1:201-206;Gut,2001,Hum.Mutat.17:475-492;Ahmadianet等.,2000,Anal.Biochem.280:103-110;Useche等.,2001,Genome Inform Ser Workshop Genome Inform 12:194-203;Pastinen等.,2000,Genome Res.10:1031-1042;Hacia,1999,Nature Genet.22:164-167;及びChen等.,2000,Genome Res.10:549-557を参照。
【0123】
他のマーカー
制限されずに制限断片長多型(RFLPs)、無作為増幅多型DNA(RAPD)、不定フラグメント長多型(AFLPs)、単純配列反復(SSRs)、一本鎖構造多型(SSCPs)、及び増幅された多様な配列を含む、他の配列多型を検出するための遺伝子マーカー及び方法は、当業界において公知であり、そして本発明の実施に適用することができる。それらの遺伝子マーカー及び他の型の遺伝子マーカーの発見、検出、及び遺伝子型決定は、文献中に十分に発表された。例えば、Orita等.,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:2766-2770;USPN6,399,855;Henry,ed.,2001,Plant Genotyping.The DNA Fingerprinting of Plants Wallingford:CABI Publishing;Phillips and Vasil,eds.,2001,DNA-based Markers in Plants Dordrecht:Kluwer Academic Publishers;Pejic等.,1998,Theor.App.Genet.97:1248-1255;Bhattramakki等.,2002,Plant Mol.Biol.48:539-47;Nickerson等.,1997,Nucleic Acids Res.25:2745-2751;Underhill等.,1997,Genome Res.7:996-1005;Shi,2001,Clin.Chem.47:164-172;Kwok,2000,Pharmacogeiiomics 1:95-100;Rafalski等.,2002,Cell Mol Biol Lett 7:471-5;Ching and Rafalski,2002,Cell Mol Biol Lett.7:803-10;Powell等.,1996,Mol.Breeding 2:225-238;Vos等.,1995,Nucl.Acids Res.23:4407;Becker等.,1995,Mol.Gen.Genet.249:65;Meksem等.,1995,Mol.Gen.Genet.249:74;Huys等.,1996,Int'l J.Systematic Bacteriol.46:572;Jacob等.,1991,Cell 67:213;Taramino and Tingey,1996,Genome39:277-287;Condit and Hubbell,1991,Genome34:66;及びZietkiewicz等.,1994,Genomics 20:176-83を参照。
【0124】
関連性分析
肥満及び骨粗鬆症に付随する多様な遺伝子型との関連性のための候補遺伝子FRZBの評価を、実施例に発表する。更に、関連性試験の多様な型のデザイン及び実行は当業界において発表された;例えばRao and Province,eds.,2001,Advances in Genetics volume 42, Genetic Dissection of Complex Traits;Balding等.,eds.,2001,Handbook of Statistical Genetics,John Wiley and Sons Ltd.;Borecki and Suarez,2001,Adv Genet 42:45-66;Cardon and Bell,2001,Nat Rev Genet 2:91-99;及びRisch,2000,Nature 405:847-856参照。関連性試験は、表現型形質(例えば、Thornsberry等.,2001,Nature Genetics 28:286-289)と関連する候補遺伝子を評価し、且つ表現型変異に寄与する遺伝子を同定するために全遺伝子スキャンを実施するために使用した。
【0125】
キット
本発明は、本発明を実施するための容器単位及び構成成分(components)を含むキットにも関連する。キットには、FRZB対立遺伝子に特異的であるオリゴヌクレオチドプローブ、及び肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを決定するためにそれらを使用する仕様書を含むことができる。いくつかの場合では、キットは、適切な支持膜へ固定化された検出プローブを含んでよい。当該キットは、本発明の好適な態様において有用であるプライマーとして、多型サイトを包含するFRZB遺伝子座の増幅領域のための増幅プライマーも含むことができる。或いは、有用なキットは、FRZB対立遺伝子の特異的増幅のための、対立遺伝子特異的プライマーを含む一式のプライマーを含むこともできる。当該キットの他の任意の構成成分(components)は、本明細書中に発表された通り、遺伝子型決定方法において使用される更なる試薬を含む。例えば、増幅又はハイブリダイゼーション反応のために、キットは更にプライマー伸長産物の合成を触媒するための試薬、基質ヌクレオシドトリホスフェート、ラベル化試薬、及び/又は核酸を検出するための試薬(例えばラベルがビオチンである場合、アビジン-酵素共役、及び酵素基質、並びに色原体)、並びに適当な緩衝剤を含むことができる。
【0126】
本発明の1つの観点は、例えば、アッセイされる骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクを有する個体の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の素因多型、又は保存的多型の存在を検出するためのキットを提供する。従って、1つの一般的な態様の分類は、第一の多型を検出することができる1つ以上の第一のオリゴヌクレオチド、並びに1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドを有す第一の多型を検出するための、且つ骨粗鬆症及び/又は肥満のための個体のリスクに対し相互に関連する前記検出のための仕様書を含む、1つ以上の容器中にパッケージされたキットを提供する。
【0127】
上記方法の態様のために留意される特徴の本質的に全ては、本態様及び関連する態様に適用される。例えば、好適な態様の分類では、第一の多型は、一塩基多型(例えば、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定されるSNP)である。他の潜在的なSNPsは、制限されずにT19575G、G23043A、G23415A、及びT23549Cのいずれかの対立遺伝子を含む。
【0128】
1つの観点では、当該キットは、多型への核酸プローブのハイブリダイゼーションにより第一の多型の存在を検出するために使用することができる。従って、態様の分類の1つでは、1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのプローブを含む。ある特定の態様では、第一のオリゴヌクレオチドは、第一の多型を含むFRZB遺伝子の領域に対してストリンジェント条件下でハイブリダイズする。態様の分類の1つでは、第一の多型は、第一のヌクレオチド部位で第一のヌクレオチドを含む、第一の一塩基多型である。態様の本分類では、ストリンジェント条件下で、第一のヌクレオチド部位で第二のヌクレオチドを含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする第一のオリゴヌクレオチドでのノイズ率へのシグナルの少なくとも2倍(例えば少なくとも5倍、又は少なくとも10倍)であるノイズ率へのシグナルを有する、第一の一塩基多型を含むFRZB遺伝子の領域とハイブリダイズする。第一のオリゴヌクレオチドは、典型的に第一の多型を含むFRZB遺伝子の領域に十分に相補性であり、そして典型的にFRZB遺伝子に対し、少なくとも約10個の連続的な相補性ヌクレオチドを含む。
【0129】
多型の検出を促進するために(例えば、1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドと多型を含む核酸の間のハイブリダイゼーションの検出を通して)、例えば、1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドは任意にラベル(例えば、同位体性、蛍光性(fluorescent,fluorogenic)、発光性、又は比色分析のラベル)を含む。いくつかの態様では、当該ラベル自体は、直接検出可能シグナルを産する(例えば、蛍光ラベル)。他の態様では、当該キットは、ラベルを検出する試薬(例えば、比色分析のラベル、結合部位等を開裂する酵素)も含む。
【0130】
1つの観点では、1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドは、1つ以上のプライマーを含む。プライマーは、例えば対立遺伝子特異的増幅又は伸長反応において、多型を検出するために使用することができる。例えば、態様の1つの分類では、第一の多型は、第一のヌクレオチド部位で第一のヌクレオチドを含む一塩基多型であり、そして1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドのうちの1つの3'ヌクレオチドは、第一のヌクレオチドに相補的である。
【0131】
プライマーは、多型を含むFRZBの領域を増幅するために、例えばハイブリダイゼーション、配列化等によるその後の多型の検出のために、使用することができる。態様の1つの分類では、1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドは、増幅プライマーを含み、ここで増幅プライマーは、第一の多型を含む核酸配列を増幅する。関連した態様の分類において、1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドは、第一の多型に隣接するプライマーを配列化することを含む。
【0132】
1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドは、任意に基質上で固定される。基質は、例えば平面基質、又は数珠つなぎされた基質であってよい。オリゴヌクレオチドは、他の多型(例えばFRZB中の他の多型)を検出するために使用される、他のオリゴヌクレオチドのアレイ中に配列してよい。
【0133】
当該キットは、任意に1つ以上の多型を検出するために使用することができる(同時に、又は連続的に)。従って、態様の1つの分類では、当該キットは、第二の多型の検出を可能にする1つ以上の第二のオリゴヌクレオチド(任意に、第三、第四、第五、等の多型の検出を可能にする、第三、第四、第五等のオリゴヌクレオチド)も含む。当該第二の多型は、第一の多型サイト、又は多様な多型サイト(FRZB又は多様な遺伝子中の)と同一の多型サイトであってよく、そして保存的又は素因的であってよい。
【0134】
アレイ及びシステム
本発明は、本発明の方法を実施するために有用である固定化されたオリゴヌクレオチドを有するアレイ、支持体にも関する。有用なアレイは、FRZB対立遺伝子、又はFRZB対立遺伝子の特定の組合せに特異的なオリゴヌクレオチドプローブを含むことができる。オリゴヌクレオチドは、基質上(例えば、膜又はガラス)に固定化することができる。オリゴヌクレオチドは、必要ないものを除き、ラベル化されてよい。いくつかの態様では、アレイはマイクロアレイであってよい。ある態様では、当該アレイは、2つ以上のFRZB対立遺伝子、又は一定のFRZB対立遺伝子の組合せの存在を検出するために使用される1つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことができる。
【0135】
態様の1つの一般的な分類は、例えば、アッセイされる骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクを有す個体の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の1つ以上の素因多型、及び/又は保存的多型の存在を検出するためのアレイを提供する。態様の1つの分類では、当該アレイは基質及び多数のオリゴヌクレオチドを含み、当該オリゴヌクレオチドのいずれも少なくとも1つの多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする。当該ハイブリダイゼーションは当該多型の存在を検出し、及びこの検出は、個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクの指標を提供する。典型的に、当該アレイは、多数の多型(例えば、一つの多型サイト、及び/又は多様な多型サイトでの複数の対立遺伝子)の存在を検出するために使用される。
【0136】
上記方法及びキットの態様のために留意される特徴の本質的に全ては、本態様、及び関連する態様に適用される。例えば、1つ以上の多型は、1つ以上の一塩基多型を含む。例えば、1つ以上の多型のうちの少なくとも一つは、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定することができる。他の潜在的なSNPsは、制限されずにT19575G、G23043A、G23415A、及びT23549Cのいずれかを含む。
【0137】
態様の1つの分類での当該アレイは、1つ以上のSNPsの存在を検出するために使用することができ、アレイ中の個々のオリゴヌクレオチドは、任意の残存している一塩基多型を含むFRZB遺伝子の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの少なくとも2倍(例えば少なくとも5倍、又は少なくとも10倍)であるノイズ率へのシグナルを有する一塩基多型の一つを含むFRZB遺伝子の領域へ、ストリンジェント条件下でハイブリダイズする。典型的に、一つのオリゴヌクレオチドは、一つのSNPを検出するために使用され;即ち、個々のオリゴヌクレオチドは、典型的に異なる一塩基多型とハイブリダイズする。
【0138】
留意すべきは、多数のオリゴヌクレオチドは、基質上、例えば平面基質、膜、スライドガラス等の上に固定される。典型的に、それぞれ多数のオリゴヌクレオチドは、基質上の予め決定された公知の部位で固定される。
【0139】
オリゴヌクレオチドとの特異的なハイブリダイゼーションによる多型の検出を促進するために、それぞれ多数のオリゴヌクレオチドは、典型的に1つの多型を含むFRZB遺伝子の領域に対し完全に相補的であり、そしてそれぞれ多数のオリゴヌクレオチドは、典型的にFRZB遺伝子へ相補的な少なくとも約10個の隣接するヌクレオチドを含む。それぞれ多数のオリゴヌクレオチドは、任意に、例えばオリゴヌクレオチドと多型間のハイブリダイゼーションの検出を促進するようなラベルを含む。
【0140】
当該アレイは、任意にシステムの一部である。従って、態様の1つの分類は、骨粗鬆症及び/又は肥満のための個体のリスクに対する、1つ以上の素因多型、又は保存的多型の存在の検出に相互に関連する、本発明のアレイを含むシステム、及びシステムの指示を提供する。デジタルシステムのようなシステムは、より詳細に後述する。
【0141】
基質上のアレイ中の、個々のオリゴヌクレオチドは、典型的に固有の位置で当該基質に結合(例えば直接的又はリンカーを経由して、電気的又は共有結合的に結合)している。
【0142】
かかるアレイ(例えばマイクロアレイ)を作製、使用、及び分析する方法は、当業界において周知である。例えば、Wang等.,1998,Science 280:1077-82;Lockhart and Winzeler,2000,Nature 405:827-836;及びScherf等.,2000, Nat Genet.24:236-44を参照。アレイは、例えば、商業的に入手可能な器具、例えばGMS 417 Arrayer (Affymetrix, Santa Clara, CA)を用いて形成(例えばプリント)することができる。適した固体支持体は、商業的に容易に入手することができる。例えば、多様な膜(例えば、ナイロン、PVDF、及びニトロセルロース膜)は、例えばSigma-Aldrich,Inc.(www.sigmaaldrich.com)から商業的に入手できる。他の例として、多様な表面化学物質で表面を修飾した、且つ予めコーティングしたスライドは、例えば、TeleChem International(www.arrayit.com),Corning,Inc.(Corning,NY),又はGreiner Bio-One,Inc.(www.greinerbiooneinc.com)から商業的に入手できる。例えば、遊離アミノ及びアルデヒド基を有すsilanated及びsilyatedスライドは、それぞれ入手可能であり、そして分子(例えばオリゴ)の当該スライドへの共有結合カップリングを許容する。表面ストレプトアビジンを有するスライドは入手可能であり、そしてビオチン化オリゴを結合することができる。更に、特注の核酸のアレイを生産するサービスは、例えばTeleChem International(www.arrayit.com)から商業的に入手することができる。
【0143】
デジタルシステム
一般的に、多様な自動化システムは本明細書において留意されるような、方法ステップの一部、又は全てを実行するために使用することができる。本明細書における方法のステップの一部又は全ての実施に加えて、例えば、デジタル又はアナログコンピューターを含む、デジタル又はアナログシステムは、ユーザーが見ることができるディスプレイ(例えば、ユーザーが方法の結果を見ることができる)及び/又は出力機能の制御等の他の多様な機能を制御することもできる。
【0144】
例えば、上記発表された特定の方法は、コンピュータープログラム又はプログラム(例えば、個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクに対する1つ以上の素因多型、又は保存的多型の存在の検出に相互に関連する)を経由して任意に実行される。従って、本発明は、本明細書における方法を実行するための指示(例えば、適したソフトウェア中で具体化される)を含むデジタルシステム(例えば、コンピューター、コンピューター解読可能メディア、及び/又は統合したシステム)を提供する。例えば、本明細書において発表されるような個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクに対する1つ以上の素因多型、又は保存的多型の存在の相互に関連する検出のための指示を含むデジタルシステムは、本発明の1つの特徴である。当該デジタルシステムは、一式の遺伝子マーカー、表現値等の個体の遺伝子型に対応する情報(データ)を含むこともできる。当該システムは1つ以上の多型(例えば、マイクロアレイスキャナー等を制御することによる)の検出を補助することもできる。
【0145】
例えばワープロソフト(例えば、Microsoft Word(商標)又はCorel WordPerfect(商標)等)及び/又はデータベースソフトウェア(例えば、Microsoft Excel(商標)、Corel Quattro Pro(商標)等の表計算ソフトウェア、又はMicrosoft Access(商標)又はParadox(商標)等のデータベースプログラム)等の標準化されたデスクトップアプリケーションは、デジタルシステムのメモリー中にロードされるデータを入力することにより本発明に適用することができ、そして本明細書の記載の通り、データ上の操作を実行することができる。例えば、当該システムは、適切な遺伝子型情報を有する外来ソフトウェア、表現型と遺伝子型の間の関連性等(例えば、ユーザーインターフェイス(例えばウィンドウズ(登録商標)、マッキントッシュ(登録商標)又はリナックス(登録商標)システム等の標準化された操作システム中のGUI)との連結中で使用され、本明細書における上記任意の分析を実行し、又は本明細書における方法において使用するデータを単に獲得する(例えば、集計表中))を含むことができる。
【0146】
システムは典型的に、例えば関連性分析、及び/又はリスク予測を実行するためのソフトウェア、並びに当該ソフトウェアシステム中に入力されたデータセット(一式の遺伝子マーカー、表現値等のための遺伝子型を含む)を有するデジタルコンピューターを含む。当該コンピューターは、例えばPC(Intel x86又はPentium(登録商標) chip-互換性DOS、(商標)OS2、(商標)WINDOWS(登録商標)、(商標)WINDOWS(登録商標) NT、(商標)WINDOWS(登録商標)95、(商標)WINDOWS(登録商標)98、(商標)LINUX、Apple-互換性、MACINTOSH(商標)互換性、Power PC 互換性、又はUNIX(登録商標) 互換性(例えばSUN(商標)work station)machine)又は当業者に公知の他の商業的に通常のコンピューターであってよい。関連性分析及び/又はリスク予測を実行するためのソフトウェアは、本明細書中の方法により、Visualbasic、Fortran、Basic、Java(登録商標)等の標準的なプログラム言語を用いて当業者により構築され得る。
【0147】
任意のシステムコントローラー又はコンピューターは、任意に、例えば陰極線管("CRT")ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ(例えば、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイ)等を含むことができるモニターを含む。コンピューター回路は、マイクロプロセッサー、メモリー、インターフェース回路等の多くの集積回路チップを含むボックスの中にしばしば設置される。ボックスは、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、書き込み可能なCD-ROM等の高容量リムーバルドライブ、及び他の通常の周辺的な要素も任意に含む。キーボード又はマウス等の入力装置は、任意にユーザーによる入力のために、及び適切なコンピューターシステム中の遺伝子マーカー遺伝子型、表現値等のユーザーの選定のために提供される。
【0148】
当該コンピューターは、典型的に一式のパラメーターフィールド中に入力するユーザーの形態にある(例えばGUI中)、又は予めプログラムされた指示の形態にある(例えば、異なる特別な操作の多様性ために予めプログラムされた)ユーザーの指示を受け入れる適切なソフトウェアを含む。その後、当該ソフトウェアは、任意の所望される操作を実行するためのシステムを指示する適切な言語へ、それらの指示を変換する。例えば、リスク予測の実行に加えて、デジタルシステムは、関連する本明細書における方法により多型を検出するための装置を制御することができる。
【0149】
本発明はアプリケーション特異的集積回路(ASIC)、又はプログラム可能論理回路(PLD)の回路中で具体化することもできる。かかる場合において、当該発明は、解読できる記述言語(ASIC又はPLDを作るために使用できる)をコンピューター中で具体化する。当該発明は回路、又は多様な他のデジタル機器(PDAs、ラップトップコンピューターシステム、ディスプレイ、イメージ編集装置等)の理論プロセッサー中で具体化することもできる。
【0150】
分子生物学的技術
分子生物学及び核酸化学の当業者間での慣用技術は、文献中で十分に説明された。例えば、参考文献により本明細書において組み入れられた全て、Sambrook等.,1989,Molecular Cloning-A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York;Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames and S.J.Higgins.eds.,1984);the series,Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.);the series Current Protocols in Human Genetics(Dracopoli等.,eds.,1984 with quarterly updates, John Wiley&Sons,Inc.);Berger and Kimmel,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology volume 152 Academic Press,Inc.,San Diego,CA;Sambrook等.,Molecular Cloning- A Laboratory Manual(3rd Ed.),Vol.1-3,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,2000;Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel等.,eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley&Sons,Inc.,(supplemented through 2004);Freshney(1994)Culture of Animal Cells,a Manual of Basic Technique,third edition,Wiley-Liss,New York and the references cited therein;Payne等.(1992)Plant Cell and Tissue Culture in Liquid Systems John Wiley & Sons,Inc.New York,NY;Gamborg and Phillips(Eds.)(1995)Plant Cell,Tissue and Organ Culture;Fundamental Methods Springer Lab Manual,Springer-Verlag(Berlin Heidelberg New York);and Atlas and Parks (Eds.)The Handbook of Microbiological Media(1993)CRC Press,Boca Raton,FL,を参照。参考文献により組み入れられた、上記及び下記の全ての特許、特許出願、及び特許公開をここに述べた。
【0151】
実施例
以下の実施例は、特許請求の範囲の発明に制限されずに、説明を提供する。本明細書において発表された実施例及び態様は、説明目的だけのためのものであり、且つそれらを考慮に入れた多様な修飾又は改変は、当業者に推奨されるものであとと理解され、そして本出願及び添付の特許請求の範囲の精神及び範囲の中に含まれる。
【実施例1】
【0152】
遺伝子型決定プロトコール:FRZB対立遺伝子の対立遺伝子特異的PCR
本実施例は、FRZB遺伝子座中のSNPs(例えば、肥満及び/又は骨粗鬆症に関連したSNPs)の遺伝子型を決定するための(及び/又は貯蔵したDNAサンプル中の対立遺伝子の頻度を決定するための)方法を発表する。使用された方法は、基本的にGermer,等.,Genome Research,10:258-266(2000)の方法である。当該方法及びプライマーを、最初に表2に載せた細胞株上で検査した。FRZB中のこれらの細胞株の遺伝子型は、特定の株のためにDNAシーケンシングにより以前に決定され;他の株は、後にシーケンシングにより遺伝子型決定され、そして一部は今日まで配列決定されていない。
【0153】
対立遺伝子特異的プライマー、及び通常のプライマーをデザインし検査した。対立遺伝子特異的PCRは、表2(SEQ ID NOS:3-29)中に載せた対のプライマーを用いて実行した。全てのプライマーは5'から3'位方向を示す。また、当該プライマーに加えて、検査アッセイにおいて使用される特にSNPsのための個々のコントロール細胞株のコントロール遺伝子型を、表2中に示す。
【0154】
【表2】

【表3】

【表4】

【0155】
PCR増幅は、以下の試薬を含む50μLの総反応容量中で実施した:
3.5ngの精製したヒトゲノムDNA
それぞれ0.2μMのプライマー(1つは通常のプライマー、及び1つは対立遺伝子特異的プライマー)
それぞれ50μMのdATP、dCTP、dGTP
それぞれ25μMのdTTP
それぞれ75μMのdUTP
10mMトリス-HCI、pH8.3
3mMのMgCl2
0.02UのUNG(ウラシル-n-グリコシラーゼ)
4%のDMSO
2%のグリセロール
0.2X SYBR(商標)Green
12単位のCEA2 Gold(商標)DNAポリメラーゼ*
*Hoffmann-La Rocheにより開発及び製造された。CEA2 Goldを付加した0.5%のグリセロール。SYBR Greenを付加した1%DMSO。
【0156】
PCRは、リアルタイムでSYBR(商標)GreenI(Molecular Probes, Eugene, OR, USA)蛍光を測定するGeneAmp5700配列検出システム(ABI)上で以下の通り実行した(Higuchi,R.等.,1993,Biotechnology 11:1026-30):
50℃、2分間
95℃で12分間
95℃で20秒間
58℃で20秒間
45サイクルを繰り返した。
【0157】
これらの条件下で使用した表2に示す全てのプライマーは、指定された細胞株のそれぞれのSNPのための公知の遺伝子型を正確にもたらした。従って、当該遺伝子型決定アッセイは、SNPsの更なる分析のための使用に適する。当該細胞株は、更なる分析における陽性コントロールとして使用した。
【実施例2】
【0158】
公知のFRZB SNPsに関連する疾患を同定するための貯蔵分析
貯蔵分析は、骨粗鬆症及び/又は肥満に関連すると考えられる候補遺伝子(例えば、FRZB遺伝子)のスクリーニングを促進するために使用した。患者からのDNAの貯蔵とコントロールからのDNAの貯蔵との間の大きな対立遺伝子の頻度の差異は、それらの条件における遺伝子の関与の可能性の指標である。非常に多くのサンプル数の遺伝子型を決定する代わりに、それらのサンプルと同量から成る単一貯蔵の対立遺伝子の頻度を測定することは、多くの数の候補遺伝子の迅速な調査を許容する。ヒトFRZB遺伝子中の11個の典型的なSNPsを表1に挙げた。これらのSNPsの対立遺伝子の頻度を、骨粗鬆症性骨折(SOF)の試験からの貯蔵サンプルで、実施例1で発表した通りGermer,等.,Genome Research,10:258-266(2000)の方法を用いて、対立遺伝子特異的、定量的PCRを用いて測定した。骨粗鬆症性骨折の試験は(Kado,等.,Arch.Intern.Med.159:1215-1220(1999))、股関節骨折、脊椎骨折、低い骨ミネラル密度(BMD)又は高い体格指数(BMI)を示す65歳以上の女性、並びにコントロールサンプルから得られたDNAを含む。当該試験群は、全体で1042のDNAサンプルを含む。
【0159】
対立遺伝子頻度決定:
個体のサンプル由来の貯蔵したDNAの混合物中のSNP対立遺伝子頻度を測定するために、貯蔵と同量のアリコートを2つのPCR反応間で分配する各々は、SNP対立遺伝子変異体のいずれか一方に対して特異的な1つのプライマー対を含む(実施例1で発表されたような、例えば、個々のSNPのための一つの対立遺伝子特異的プライマー及び1つの通常のプライマー)。PCR増幅の特異性は、1つのプライマー(対立遺伝子特異性プライマー)の3'末端を変異体ヌクレオチドのいずれか一方に直接重ね、対合させることにより授ける。この特異性は、特にTaq DNA ポリメラー、又はそれらの変異体のStoffelフラグメントを用いることにより増強することができる。理想的には、完全に適合したプライマーのみが伸長され、そして適合している対立遺伝子のみが増幅される。しかしながら、実際問題として、典型的に適合されない対立遺伝子の増幅があるが、これは多くの更なる増幅サイクルが検出可能レベルの生産物を生み出すことを必要とするために、更なる不効率性を発生させるであろう。不適合な増幅は、SYBR Green Iのような蛍光dsDNA結合ダイを用いて、サイクルからサイクルを基礎とした増幅をモニターする時、しばしば>10サイクルを遅延させる。約6サイクルの遅延は、マイナーな対立遺伝子の頻度が数パーセントを超えるSNPsの対立遺伝子の頻度の決定のために十分である。
【0160】
対立遺伝子の頻度が50%である場合、それぞれ2つのPCR増幅は、両対立遺伝子特異的プライマーが同等の効率で増幅されると想定して、同一の蛍光シグナルを生産するために同一の数のサイクルが要求されると予測される。反応が予め決められた閾値、Ctを交差する前のサイクル数は分数であり得る。一つの対立遺伝子の頻度がより高い場合、対立遺伝子の増幅は、より小さいCtを有するより早期のサイクルで閾値に達するであろう。2つのPCR反応の間のCt中の差異は、バイアスの尺度あり、故に対立遺伝子の頻度の尺度である。1つのサイクルの遅延は、他に対する一つの対立遺伝子の量の比率が1:2であり、2つのサイクルの遅延は1:4であり、又は通常、1:2△Ctを意味する。分母に対する分子を付加することによる比率の頻度への変換は、次の方程式において得られる。
対立遺伝子の頻度=1/(2△Ct+1)
ここで△Ct=(対立遺伝子1-特異的PCRのCt)−(対立遺伝子2-特異的PCRのCt)である。
【0161】
留意すべきは、△Ctは、最も低いCtを示す特異的PCRに依存して、正(positive)又は負(negative)のいずれかであることができる。分母中の"2"は、適切には"1+最初の複製効率"である。しかしながら、最初の複製効率は、"2"が十分に近似しているため、通常100%に近い。2つの対立遺伝子特異的PCRsのための増幅効率は、わずかに異なり得る。Germer等(上記)で検討した通り、これは重要なSNPのためのヘテロ接合として公知のDNA上でアッセイを実行することにより測定し、且つ補填することができる。本DNAのための△Ctは、PCRsが同等に効率的である場合、ゼロと同等にするべきである。ゼロからのいかなる偏差値も、それらがないことを示す。その後この偏差値は、区別を示す増幅効率を補填するため、全ての△Ct測定値から差し引くことができる。
【0162】
T2303723Cを除く個々のSNPを参考文献の遺伝子バンクアクセス配列NT 005100.3中のその位置により説明した。この配列(4つのエクソンのみを含む)は、6つのエクソン(NT 005265)を含むより完全な配列により遺伝子バンク中に保存記録され、且つ設置され、更にNT 005403により同様に置換された。しかしながら、基礎となる番号が付されたもとの配列(NT 005100.3)は、遺伝子バンクから得ることができ、そしてこの配列の最初の30,000ヌクレオチドは、SEQ ID NO:1として付与される。従って、例えば、表1に載せた第二のSNPは、”T”ヌクレオチドがSEQ ID NO:1の18679ヌクレオチドの相補体として存在する場合、NT_005100.3の(及びSEQ ID NO:1の)18679の位置で見出される。通常の対立遺伝子は、この位置で"C"ヌクレオチドを有す。SNP T2303723Cを、遺伝子バンクアクセス配列NT 005265中のその位置により説明した。SNPsは、後のテキストにおいてSNP#;(即ち、上記で示した通りSEQ ID NO:1又はNT_005265のいずれかの中でのヌクレオチドの位置による。但し、表示のヌクレオチドは、特定のSNPに依存して、指定した位置、又はその相補体のいずれかを占有する。;図1参照)により参照されるであろう。同様に、SNPsは、表2に載せた対立遺伝子特異的プライマー配列との配列アラインメントを実行することにより、任意のFRZB配列中に位置することができる。SNPsは、表1に載せたSNP源の番号を通して、NCBI dbSNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/index.html)中に明らかに位置することもできる。
【0163】
貯蔵サンプルは、DからAと表示した(例えば表3を参照)。貯蔵Aのための規準は、股関節骨折(50歳以上で、以前の股関節骨折を除く、ベースラインからの任意の股関節骨折の事象)であった。貯蔵Bのための規準は、脊椎骨折(ベースラインとvisit 3の間の形態計測による脊椎骨折事象)であった。貯蔵Cのための規準は、低いBMD(臀部BMD T-score<-2.5を有するとして定義される骨ミネラル密度)であった。貯蔵D(コントール)のための規準は、50歳以上で骨折がないこと、及び臀部BMD Z-スコア>1.285であった。高BMI貯蔵のための規準は、SOF参加者の最高5%における体格指数であり、そして低いBMI貯蔵のための規準は、SOF参加者の最低5%における体格指数であった。
【0164】
貯蔵は、それぞれ特異的な規準を有する患者からの同等量のDNAを組み合わせることを含む。貯蔵Aは、275の患者サンプルを含み;貯蔵Bは、262の患者サンプルを含み;貯蔵Cは、276の患者サンプルを含み;及び貯蔵Dは、278の患者サンプルを含む。高いBMI貯蔵は、141のサンプルを含み、及び低いBMI貯蔵は82のサンプルを含む。10ngの精製したヒトゲノムDNA、及び2uM Roxを含むPCRを除くPCRは、実施例1で概説したプライマー及びプロトコールを用いて、4つの複製の中で実施した。4つの複製の平均値を計算し、その後対立遺伝子頻度を上記方法に従い計算し、そしてコントロールと比較した。およそ4-5%を超える対立遺伝子頻度の変化は、有意であると見なされた。個々のFRZB SNPを得た貯蔵を以下の表3に示す。
【表5】

【実施例3】
【0165】
個体の遺伝子型決定
いくつかの骨粗鬆症のケースとコントロール群の間の対立遺伝子の頻度、及び高いBMI群と低いBMI群との間の対立遺伝子の頻度における有意な差異のため、個体のサンプルを対立遺伝子頻度の差異を共に検証するために、及びこれらの群における遺伝子型の頻度を決定するために、遺伝子型を決定した。同一の対立遺伝子特異的プロトコールを個体のDNAサンプルにおいて使用し、それらの遺伝子型を決定した。PCR増幅は、実施例1中に発表した通り実行した。遺伝子型FRZB SNPsに使用されるプライマーを、表2に載せた。これらの結果をPearson's Chi-Square(又は対象の数が10以下の遺伝子型の内の1つを有する場合の精密検査)を用いて分析し、遺伝子型の頻度の分布が、任意の骨粗鬆症の表現型を有する個体及びコントロール、並びに高いBMI(別名、肥満)及び低いBMIを有する個体の群間で有意に異なるか否かを決定した。
【0166】
増加したBMI及びFRZB T2303723C、FRZB C18679T、FRZB G19524A及びFRZB T22242A SNPsの間での有意な関連性を実証した(p<0.05)。増加したBMIとFRZB A24791G SNPの間のより少ない関連性も実証した(p<0.1)。T2303723CのT対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、及びA24791GのG対立遺伝子は、増加したBMI(つまり増加した肥満のリスクを有する)と関連することをそれぞれ実証した。当該関連性は、個々のそれらの対立遺伝子の効果が劣性であるとされる場合、最も統計学的に有意である。
【0167】
骨粗鬆症に関して、増加した脊椎骨折の事象とFRZB C26794G及びFRZB G27014A SNPsとの間の有意な関連性を実証した(p<0.05)。増加した股関節骨折の事象とFRZB C18679T SNPとの間のより少ない関連性を更に実証し(p<0.1)、同様に増加した股関節骨折の事象とFRZB G19524A SNPの間のより少ない関連性を実証した(p<0.1)。C18679TのC対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、及びG27014AのG対立遺伝子は、増加した股関節骨折又は脊椎骨折の事象(つまり、増加した骨粗鬆症のリスクを有する)と関連することをそれぞれ実証した。当該関連性は、個々のそれらの対立遺伝子の効果が劣性であると想定されるならば、最も統計学的に有意である。
【0168】
更に、患者の体重と年齢を調整した後のA24791GのA対立遺伝子は、増加した股関節骨折の事象と関連する(p <0.1、劣性であると想定されるA対立遺伝子を有す)というのは、注目に値する。同様に、選択的なコントロール群を使用する(骨折がなく、年齢50歳以上、及び臀部BMDが最高5%として限定され、5歳ごとに個体を群分けした)、T22242AのT対立遺伝子が、増加した股関節骨折の事象に関連する。その上、本対立遺伝子の効果が劣性であると想定される場合、当該関連性は最も統計学的に有意である。
【0169】
女性のFRZB SNPsと肥満の関連性
本実施例は、女性の肥満とFRZB SNPsの関連性を実証する。
【0170】
FRZB遺伝子型決定は、骨粗鬆症性骨折(SOF)研究の女性において、本質的に実施例1に記載した遺伝子型決定方法を使用して実施した。表4は、4つのFRZB SNPsが提示した遺伝子型決定結果、並びに個々の遺伝子型の個々のBMIカテゴリーにおける、個体の数、及びパーセントを挙げる。
【表6】

【0171】
統計学的分析、方法及びアルゴリズム:
肥満を有するFRZB遺伝子型の関連性をPearson's Chi-Square testを用いて評価し、又は、遺伝子型の一つを有する対象の数が10未満である場合はFisher's Exact Testを用いて評価した。表4は、偶然により純粋に得られた高いBMI群と低いBMI群間のG19524A SNPでの遺伝子型の分布であるp-値(確率)を示す。これは全くありそうになく見える。従ってG19524AとBMI間で、統計学的関連性が存在する。劣性(2つの19524A対立遺伝子が要求される)の型においてその遺伝的作用を及ぼすマイナー対立遺伝子、19524Aがあると想定されるならば、p-値は更に低い。
【0172】
SOFサンプル中の骨粗鬆症とFRZBの関連性
本実施例は、骨粗鬆症とSOPサンプル中のFRZB SNPsの関連性を実証する。
【0173】
表5は、脊椎骨折及び個々の遺伝子型のコントロールカテゴリーにおけるFRZB SNP C26794Gの遺伝子型決定結果、並びに個体の数及びパーセントを挙げる。
【表7】

【0174】
統計学的分析、方法及びアルゴリズム:FRZB遺伝子型と骨粗鬆症との関連性を、Pearson's Chi-Square testを用いて評価し、又は、遺伝子型の一つを有する対象の数が10以下である場合はFisher's Exact Testを用いて評価した。表5は、偶然により純粋に得られた脊椎骨折群とコントロール群間のC26794Gでの遺伝子型の分布である、p-値(確率)を示す。これは全くありそうになく見える。従ってC26794Gと脊椎骨折との間で統計学的関連性が存在する。C26794Gは、FRZBのタンパク質配列上のコード(アミノ酸)置換(アルギニンからグリシン)を与える。
【0175】
肥満及び/又は骨粗鬆症と関連がある遺伝子複合システムの小さな要素であるFRZBとして(同一の発生経路に沿う分岐点からの骨細胞及び脂肪細胞であるから関連性があると思われる)、FRZB遺伝子座の影響は、可変性であると予測される。他の要因(例えば、食習慣、運動、食生活、一般的な健康状態、及び関連疾患の存在)は優性効果を発揮するだろう。尚、その一部はFRZB遺伝子型の効果を隠し得る。更に、体重及び骨関連疾患へ関与する他の遺伝子座での対立遺伝子頻度は、個体群間で異なるため、個体群はかかる疾患の異なるリスクを示し、FRZB遺伝子型の影響は、いくつかの個体群における規模が異なり得ることを予測する。FRZB遺伝子型の寄与は、一定の個体群中でそれ自体は比較的マイナーであるにも関わらず、FRZB遺伝子座での遺伝子型が情報に寄与し、それでもなお、肥満及び/又は骨粗鬆症に対する個体の素因の特徴のために有用である。FRZB遺伝子型情報は、例えば、他の遺伝子座からの遺伝子型情報と組合す場合、並びに/或いは、肥満及び/又は骨粗鬆症のための臨床試験の場合、特に有用であり得る。
【0176】
本発明は、本明細書中の一定の態様及び実施例に開示されたが、本発明が他の選択的な態様に対して詳細に開示された態様を超えて拡張され、及び/又は使用されること、並びにそれらの明らかな修飾及び同等物を、当業者は理解するだろう。従って、本発明は、本明細書における好適な態様の特異的な開示により制限される意図ではないが、添付の特許請求の範囲を参照することにより代替される。本明細書において引用された全ての参考文献を、それらの全体中の参考文献により本明細書に組み入れた。
【0177】
一方、先行の発明では、明りょう性及び理解の目的のために、いくつかの詳細を発表し、本開示を読むことにより、本発明の真の範囲から離れず、型及び細部における多様な変更を可能にすることを、当業者に明らかにしたであろう。例えば、上記発表した器具、及び/又は組成物の全ての技術は、多様な組合せの中で使用することができる。本出願中に引用された全ての刊行物、特許、特許出願、及び/又は他の文献は、それぞれ個々の刊行物、特許、特許出願、及び/又は他の文献が、全ての目的のために参考文献により組み入れたことを個々に示したように、同じ範囲内での全ての目的のために、全体中に参考文献により組み入れた。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】図1は、例となるFRZB SNPsを描写する。個々のSNPの中心にある9つの塩基対を示し;上部のらせんは、SEQ ID NO:1に載せた配列のらせんに対応する。図解したSNP対立遺伝子は:C18679T(パネルA)のC対立遺伝子、C18679T(パネルB)のT対立遺伝子、G19524A(パネルC)のG対立遺伝子、G19524A(パネルD)のA対立遺伝子、T19575G(パネルE)のT対立遺伝子、T19575G(パネルF)のG対立遺伝子、T22242A(パネルG)のT対立遺伝子、T22242A(パネルH)のA対立遺伝子、G23043A(パネルI)のG対立遺伝子、G23043A(パネルJ)のA対立遺伝子、G23415A(パネルK)のG対立遺伝子、G23415A(パネルL)のA対立遺伝子、T23549C (パネルM)のT対立遺伝子、T23549C(パネルN)のC対立遺伝子、A24791G(パネルO)のA対立遺伝子、A24791G(パネルP)のG対立遺伝子、C26794G (パネルQ)のC対立遺伝子、C26794G(パネルR)のG対立遺伝子、G27014A(パネルS)のG対立遺伝子、G27014A(パネルT)の対立遺伝子、T2303723C(パネルU)のT対立遺伝子、及びT2303723C(パネルV)のC対立遺伝子である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体の肥満のリスクを検出するための方法であって、当該個体の核酸サンプルにおける縮れ(frizzled)関連タンパク質(FRZB)遺伝子中の少なくとも1つの肥満関連多型の存在を検出すること含んで成る方法であって、ここでの少なくとも1の当該多型の存在は、当該個体の肥満のリスクの指標を提供する方法。
【請求項2】
前記個体の肥満のリスクが、少なくとも1つの当該多型を有しない個体と比較して増加したリスクである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個体の肥満のリスクが、少なくとも1つの当該多型を有しない個体と比較して減少したリスクである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの多型が、FRZB遺伝子中に素因多型、又は保存的多型を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記核酸サンプルが、DNA又はRNAを含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの多型が、少なくとも1つの一塩基多型(SNP)を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの多型が、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、及びA24791GのG対立遺伝子から成る群から選定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの多型が、2つ以上の多型を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記2つ以上の多型のうちの少なくとも1つの多型が、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、及びA24791GのG対立遺伝子から成る群から選定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記2つ以上の多型が、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、及びA24791GのG対立遺伝子から成る群から選定される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの多型が、シーケンシングにより検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの多型が、増幅により検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記増幅がポリメラーゼ連鎖反応又はリガーゼ連鎖反応を含んで成る、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記検出が:
−少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、前記核酸サンプルへ結合することを許容する条件下で、当該核酸サンプルを少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触させ、ここでの少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドが、ストリンジェント条件下で少なくとも1つの肥満関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズし;そして、
−当該少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの当該核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出すること、
を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記検出が:
−前記核酸サンプルを増幅し、それにより増幅した核酸サンプルを提供し;
−前記オリゴヌクレオチドが、前記増幅した核酸サンプルへ結合することを許容する条件下で、当該増幅した核酸サンプルを少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触させ、ここでの少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドは、ストリンジェント条件下で少なくとも1つの肥満関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズし;、そして
−当該少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドの当該増幅した核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出すること、
を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの肥満関連多型の存在を検出することが、当該少なくとも1つの肥満関連多型の存在を定性的に検出することを含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの肥満関連多型の存在を検出することが、少なくとも1つの肥満関連多型の存在を定量的に検出することを含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記多型の存在が、前記個体の肥満のリスクの指標を提供する当該個体の片親から遺伝し、又はここでの当該多型の存在が、当該個体の肥満のリスクの指標を提供する個体の両親から遺伝する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
肥満のための少なくとも1つの臨床検査を実行することを含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記肥満のための少なくとも1つの臨床検査を実行することが、個体の体格指数(BMI)を決定することを含んで成る、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
個体の骨粗鬆症のリスクを検出するための方法であって、個体の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在を検出することを含んで成る方法であって、ここでの前記少なくとも1つの多型の存在は、個体の骨粗鬆症のリスクの指標を提供する方法。
【請求項22】
前記個体の骨粗鬆症のリスクが、少なくとも1つの当該多型を有しない個体と比較して増加したリスクである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記個体の骨粗鬆症のリスクが、少なくとも1つの当該多型を有しない個体と比較して減少したリスクである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの多型が、FRZB遺伝子中に素因多型、又は保存的多型を含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記核酸サンプルが、DNA又はRNAを含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの多型が、少なくとも1つの一塩基多型(SNP)を含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの多型が、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの多型が、2つ以上の多型を含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記2つ以上の多型のうちの少なくとも1つの多型が、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記2つ以上の多型が、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの多型が、シーケンシングにより検出される、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの多型が、増幅により検出される、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記増幅がポリメラーゼ連鎖反応又はリガーゼ連鎖反応を含んで成る、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記検出が:
−オリゴヌクレオチドが、前記核酸サンプルへ結合することを許容する条件下で、当該核酸サンプルを少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触させ、ここでの少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドが、ストリンジェント条件下で少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズし;そして
−当該少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドの当該核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出すること、
を含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
前記検出が:
−前記核酸サンプルを増幅し、それにより増幅した核酸サンプルを提供し;
−前記オリゴヌクレオチドが、前記増幅した核酸サンプルへ結合することを許容する条件下で、当該増幅した核酸サンプルを少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触させ、ここでの少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドは、ストリンジェント条件下で少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズし;そして
−当該少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドの当該増幅した核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出すること、
を含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在を検出することが、当該少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在を定性的に検出することを含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在を検出することが、少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在を定量的に検出することを含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項38】
前記多型の存在が、前記個体の骨粗鬆症のリスクの指標を提供する当該個体の片親から遺伝し、又はここでの当該多型の存在が、当該個体の骨粗鬆症のリスクの指標を提供する個体の両親から遺伝する、請求項21に記載の方法。
【請求項39】
骨粗鬆症のための少なくとも1つの臨床検査を実行することを含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項40】
前記骨粗鬆症のための少なくとも1つの臨床検査が、骨代謝アッセイ又は骨スキャンを含んで成る、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
個体の肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを決定するための方法であって、FRZB遺伝子中の1つ以上の多型サイトで個体の遺伝子型を決定することを含んで成る方法であって、ここでの1つ以上の多型サイトでの第一の遺伝子型は、統計学的に当該1つ以上の多型サイトでの第二の遺伝子型と比較して、増加した肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクと関連する方法。
【請求項42】
1つ以上の多型サイトのうちの少なくとも1つが、単一のヌクレオチド部位から成る、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記個体の遺伝子型が、FRZB遺伝子中の多数の多型サイトで決定され、及びここでの個々の多型サイトが単一のヌクレオチド部位から成る、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
1つ以上の多型サイトのうちの少なくとも1つは、SEQ ID NO:1のヌクレオチド部位2628、ヌクレトチド部位18679、ヌクレオチド部位19524、ヌクレオチド部位22242、ヌクレオチド部位24791、ヌクレオチド部位26794、及びヌクレオチド部位27014から成る群から選定される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記第一の遺伝子型が前記第二の遺伝子型と比較して、増加した肥満のリスクと統計学的に関連し;そしてここでのT2303723Cの第1の遺伝子型は2つのT対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのC対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP C18679Tの第1の遺伝子型は2つのT対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのC対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP G19524Aの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;SNP T22242Aの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのT対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのT対立遺伝子を含み;並びに/或いはSNP A24791Gの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記第一の遺伝子型が前記第二の遺伝子型と比較して、増加した骨粗鬆症のリスクと統計学的に関連し;そしてここでのSNP C18679Tの第1の遺伝子型は2つのC対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのT対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP G19524Aの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;SNP A24791Gの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含み;SNP C26794Gの第1の遺伝子型は2つのC対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのC対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;並びに/或いはSNP G27014Aの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記個体の遺伝子型を決定することは、個体からの核酸サンプルを得ることを含んで成る、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記個体の遺伝子型を決定することは、核酸サンプル由来のFRZB遺伝子の少なくとも1部を増幅することを含んで成り、当該1部は1つ以上の多型サイトの少なくとも1つを含んで成る、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記個体の遺伝子型を決定することは、対立遺伝子特異的増幅又は対立遺伝子特異的伸長反応を実行することを含んで成る、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記個体の遺伝子型が、前記核酸サンプル由来のFRZB遺伝子の少なくとも一部のシーケンシングを含んで成り、当該一部は1つ以上の多型サイトの少なくとも1つを含んで成る、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記1つ以上の多型サイトのうちの少なくとも1つが、単一ヌクレオチド部位から成り、当該方法が:
−少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと当該核酸サンプルを、ストリンジェント条件下で接触させ、ここでの当該オリゴヌクレオチドは、第2のヌクレオチドがヌクレオチド部位を占有する時ではなく、第1のヌクレオチドが多型サイトを限定しているヌクレオチド部位を占有する時、ストリンジェント条件下で当該核酸サンプルへハイブリダイズし、そして
−当該核酸サンプルへの当該オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを検出すること、を含んで成る、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
評価される骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクを有す個体の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の第1の素因多型又は保存的多型の存在を検出するためのキットであって:第一の多型を検出することができる1つ以上の第一のオリゴヌクレオチド、並びに1つ以上の当該第一のオリゴヌクレオチドを有する当該第一の多型を検出するための、及び当該個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクに前記検出を相関付けるための仕様書を含んで成るキットであって、1つ以上の容器に包装されるキット。
【請求項53】
前記第一の多型が一塩基多型である、請求項52に記載のキット。
【請求項54】
前記第一の多型が、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される、請求項53に記載のキット。
【請求項55】
前記1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのプローブを含んで成る、請求項52に記載のキット。
【請求項56】
前記第一のオリゴヌクレオチドが、ストリンジェント条件下で、前記第一の多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする、請求項52に記載のキット。
【請求項57】
前記第一の多型が第一の核酸部位で第一のヌクレオチドを含む第一の一塩基多型であって、及びここで、ストリンジェント条件下において、当該第一のオリゴヌクレオチドは、当該第一のヌクレオチド部位で第二のヌクレオチドを含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする当該第一のオリゴヌクレオチドの少なくとも2倍であるノイズ率へのシグナルを有す、当該第一の一塩基多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする、請求項56に記載のキット。
【請求項58】
前記第一のオリゴヌクレオチドが、前記第一の多型を含むFRZB遺伝子の領域に対し十分に相補的である、請求項56に記載のキット。
【請求項59】
前記第一のオリゴヌクレオチドが、FRZB遺伝子に対し相補的な約10個の連続しているヌクレオチドを含んで成る、請求項56に記載のキット。
【請求項60】
前記1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドがラベルを含んで成る、請求項52に記載のキット。
【請求項61】
前記ラベルが、同位体性、蛍光性(fluorescent、fluorogenic)、又は比色分析のラベルである、請求項60に記載のキット。
【請求項62】
前記ラベルを検出する試薬を含んで成る、請求項60に記載のキット。
【請求項63】
前記1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドが、1つ以上のプライマーを含んで成る、請求項52に記載のキット。
【請求項64】
前記第一の多型が、第一のヌクレオチド部位で第一のヌクレオチドを含む第一の一塩基多型であって、及びここで当該1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドのうちの一つの3'ヌクレオチドが、第一のヌクレオチドに相補性である、請求項63に記載のキット。
【請求項65】
前記1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドが、増幅プライマーを含んで成り、ここでの当該増幅プライマーが、第一の多型を含んで成る核酸配列を増幅させる、請求項52に記載のキット。
【請求項66】
前記1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドが、シーケンシングプライマーを含んで成り、ここでの当該シーケンシングプライマーは、第一の多型に隣接する、請求項52に記載のキット。
【請求項67】
前記1つ以上の第一のオリゴヌクレオチドが基質上に固定される、請求項52に記載のキット。
【請求項68】
第二の多型を検出することを可能にする1つ以上の第二のオリゴヌクレオチドを含んで成る、請求項52に記載のキット。
【請求項69】
評価される骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクを有する個体の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の1つ以上の素因多型及び/又は保存的多型の存在を検出するためのアレイであって:
−多数のオリゴヌクレオチドのそれぞれのオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズし、それにより当該ハイブリダイゼーションが当該多型の存在を検出し、それにより当該検出が個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクの指標を提供し;そして
−多数のオリゴヌクレオチド上で基質が固定されること、を含んで成るアレイ。
【請求項70】
前記1つ以上の多型が、1つ以上の一塩基多型を含んで成る、請求項69に記載のアレイ。
【請求項71】
1つ以上の多型のうちの少なくとも一つは、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される、請求項70に記載のアレイ。
【請求項72】
前記、ストリンジェント条件下で、個々のオリゴヌクレオチドは、任意の残存している一塩基多型を含むFRZB遺伝子の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの少なくとも2倍であるノイズ率へのシグナルを有する一塩基多型の一つを含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズする、請求項70に記載のアレイ。
【請求項73】
個々のオリゴヌクレオチドが、区別できる一塩基多型とハイブリダイズする、請求項70に記載のアレイ。
【請求項74】
前記多数のオリゴヌクレオチドのそれぞれが、基質上の公知の予め決められた位置に固定される、請求項69に記載のアレイ。
【請求項75】
前記多数のオリゴヌクレオチドのそれぞれが、多型の一つを含むFRZB遺伝子の領域に対し十分に相補性である、請求項69に記載のアレイ。
【請求項76】
前記多数のオリゴヌクレオチドのそれぞれが、FRZB遺伝子に対し相補的な少なくとも約10個の連続しているヌクレオチドを含んで成る、請求項69に記載のアレイ。
【請求項77】
前記多数のオリゴヌクレオチドのそれぞれが、ラベルを含んで成る、請求項69に記載のアレイ。
【請求項78】
請求項69に記載のアレイ、並びに個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクに対して1つ以上の素因多型又は保存的多型の存在の前記検出を相関させるシステム仕様書を含んで成るシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体の骨粗鬆症のリスクを検出するための方法であって、個体の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型の存在を検出することを含んで成る方法であって、ここでの前記少なくとも1つの多型の存在は、個体の骨粗鬆症のリスクの指標を提供する方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの多型が、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記検出が:
−オリゴヌクレオチドが、前記核酸サンプルへ結合することを許容する条件下で、当該核酸サンプルを少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触させ、ここでの少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドが、ストリンジェント条件下で少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズし;そして
−当該少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドの当該核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出すること、
を含んで成る、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記検出が:
−前記核酸サンプルを増幅し、それにより増幅した核酸サンプルを提供し;
−前記オリゴヌクレオチドが、前記増幅した核酸サンプルへ結合することを許容する条件下で、当該増幅した核酸サンプルを少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドと接触させ、ここでの少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドは、ストリンジェント条件下で少なくとも1つの骨粗鬆症関連多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズし;そして
−当該少なくとも1つの配列特異的オリゴヌクレオチドの当該増幅した核酸サンプルへのハイブリダイゼーションを検出すること、
を含んで成る、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
個体の肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクを決定するための方法であって、FRZB遺伝子中の1つ以上の多型サイトで個体の遺伝子型を決定することを含んで成る方法であって、ここでの1つ以上の多型サイトでの第一の遺伝子型は、統計学的に当該1つ以上の多型サイトでの第二の遺伝子型と比較して、増加した肥満及び/又は骨粗鬆症のリスクと関連する方法。
【請求項6】
前記1つ以上の多型サイトのうちの少なくとも1つ、SEQ ID NO:1のヌクレオチド部位2628、ヌクレトチド部位18679、ヌクレオチド部位19524、ヌクレオチド部位22242、ヌクレオチド部位24791、ヌクレオチド部位26794、及びヌクレオチド部位27014から成る群から選定される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の遺伝子型が前記第二の遺伝子型と比較して、増加した肥満のリスクと統計学的に関連し;そしてここでのSNP T2303723Cの第1の遺伝子型は2つのT対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのC対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP C18679Tの第1の遺伝子型は2つのT対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのC対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP G19524Aの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;SNP T22242Aの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのT対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのT対立遺伝子を含み;並びに/或いはSNP A24791Gの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第一の遺伝子型が前記第二の遺伝子型と比較して、増加した骨粗鬆症のリスクと統計学的に関連し;そしてここでのSNP C18679Tの第1の遺伝子型は2つのC対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのT対立遺伝子又は1つのT対立遺伝子と1つのC対立遺伝子を含み;SNP G19524Aの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのA対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;SNP A24791Gの第1の遺伝子型は2つのA対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含み;SNP C26794Gの第1の遺伝子型は2つのC対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのG対立遺伝子又は1つのC対立遺伝子と1つのG対立遺伝子を含み;並びに/或いはSNP G27014Aの第1の遺伝子型は2つのG対立遺伝子、及び第2の遺伝子型は2つのA対立遺伝子又は1つのG対立遺伝子と1つのA対立遺伝子を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
評価される骨粗鬆症のリスクを有す個体の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の第1の素因多型又は保存的多型の存在を検出するためのキットであって:第一の多型を検出することができる1つ以上の第一のオリゴヌクレオチド、並びに1つ以上の当該第一のオリゴヌクレオチドを有する当該第一の多型を検出するための、及び当該個体の骨粗鬆症のリスクに前記検出を相関付けるための仕様書を含んで成るキットであって、1つ以上の容器に包装されるキット。
【請求項10】
前記第一の多型が、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される、請求項に記載のキット。
【請求項11】
評価される骨粗鬆症のリスクを有する個体の核酸サンプルにおけるFRZB遺伝子中の1つ以上の素因多型及び/又は保存的多型の存在を検出するためのアレイであって:
−多数のオリゴヌクレオチドのそれぞれのオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの多型を含むFRZB遺伝子の領域へハイブリダイズし、それにより当該ハイブリダイゼーションが当該多型の存在を検出し、それにより当該検出が個体の骨粗鬆症のリスクの指標を提供し;そして
基質上で多数のオリゴヌクレオチド固定されること、を含んで成るアレイ。
【請求項12】
前記1つ以上の多型のうちの少なくとも一つ、T2303723CのT対立遺伝子、T2303723CのC対立遺伝子、C18679TのC対立遺伝子、C18679TのT対立遺伝子、G19524AのG対立遺伝子、G19524AのA対立遺伝子、T22242AのT対立遺伝子、T22242AのA対立遺伝子、A24791GのA対立遺伝子、A24791GのG対立遺伝子、C26794GのC対立遺伝子、C26794GのG対立遺伝子、G27014AのG対立遺伝子、及びG27014AのA対立遺伝子から成る群から選定される、請求項11に記載のアレイ。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のアレイ、並びに個体の骨粗鬆症及び/又は肥満のリスクに対して1つ以上の素因多型又は保存的多型の存在の前記検出を相関させるシステム仕様書を含んで成るシステム。

【図1】
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【公表番号】特表2006−524044(P2006−524044A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505201(P2006−505201)
【出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004178
【国際公開番号】WO2004/094659
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】