説明

背景設置方法及び装置

【課題】本発明に係る歩行者流量分析システムは、監視点の背景設置方法を提供する。
【解決手段】本発明の背景設置方法は、第一から第n時間点(nは正の整数である)提供するステップと、第一から第n時間点に基づき、第一から第nの映像を各々記録するステップと、第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高のものを抽出するステップと、前記分析結果に基づき、前記頻度率が最高の映像を前記背景として設定するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背景設置方法及びその装置に関する。より詳しくは、歩行者数、歩行者のスピード及び方向(歩行者流量)を分析する分析システムにおける動的な背景再設置方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の交通量監視システムは、単に車両の交通量(車両数及び各車両の速度などの交通情報)を検出するのみで、例えば、歩行者の数、歩行者の歩く速度及び移動する歩行者の移動方向(向き)などの歩行者に対する交通情報を処理及び検出することができず、歩行者に対する交通情報を自動的に検知しその情報を保存したり、検出した情報を用いて歩行者の交通量(歩行者流量)を分析して、運用したりすることはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、道路上の歩行者の状況を検知し、検出した情報を処理器に伝送し、かつ分析処理を通じて歩行者の交通量を監視及び運用する歩行者交通量に関する流量分析システムと、その流量分析システムにおける背景設置方法及び装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の背景設置方法は、分析システムに適用され、所定の監視点の背景を取得する背景設置方法であって、第一から第n時間点(nは正の整数である)を提供するステップと、前記第一から第n時間点に基づき、第一から第nの映像を個別に記録するステップと、前記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高の映像を抽出するステップと、前記分析結果に基づき、前記頻度率が最高の映像を前記背景として設定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0005】
また、本発明の一実施例における背景設置方法は、分析システムに適用され、監視点の背景を取得する背景設置方法であって、第一から第n時間点(nは正の整数である)を提供するステップと、前記第一から第n時間点に基づき、第一から第nの映像を個別に記録するステップと、前記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高の映像を抽出するステップと、前記分析結果に基づき、前記頻度率が最高の映像を前記背景として設定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の一実施例における上記第一から第nの映像を個別に記録するステップは、前記分析システムが前記監視点の映像をキャプチャーし、第一から第n時間点に対応するキャプチャーした前記第一から第n映像を個別に記録するステップをさらに含むことができる。また、記録される前記第一から第n映像における前記各時間点の時間間隔は同じである。
【0007】
本発明の一実施例における上記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高の映像を抽出するステップは、前記分析システムが前記第一から第n映像のアナログ信号をデジタル信号に変換するステップをさらに含むことができる。また、上記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高の映像を抽出するステップは、前記監視点の背景が取得された後に、前記第一から第n映像のデータを分析するステップをさらに含むことができる。
【0008】
本発明の他の実施例における背景設置装置は、分析システムに適用され、前記分析システムに第一から第nまでの時間点を提供する背景設置装置であって、前記第一から第n時間点に基づき、第一から第nまでの映像を各々記録するための記録ユニットと、前記記録ユニットに接続され、前記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高の映像を抽出して、抽出された前記頻度率最高の映像を前記背景と設定する分析ユニットと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、上記本発明の他の実施例は、前記第一から第n時間点に基づき、前記分析システムが監視点の前記第一から第n時間点までの映像を各々キャプチャーすることができる。なお、記録される前記第一から第n映像の時間点の時間間隔は同じである。
【0010】
また、上記本発明の他の実施例において、前記分析ユニットは、前記第一から第nまでの映像のアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。前記監視点の背景は前記分析システムに伝送され、前記第一から第n映像のデータを分析する。
【0011】
また、本発明のさらに他の実施例における流量分析システムは、歩行者流量分析に適用される流量分析システムであって、所定場所に設置され、前記所定場所の流量データを収集するための収集ユニットと、収集ユニットに接続され、前記流量データを保存するための保存ユニットと、保存ユニットに接続され、前記流量データを処理するための計算ユニットを含み、前記計算ユニットはさらに、前記収集ユニットによって収集される第一から第nまでの時間点に対応する第一から第nまでの映像を各々記録し、これらの映像の中から表示頻度が最高の映像を前記所定場所の背景として設定する背景設置モジュールと、前記背景設置モジュールに接続され、前記所定場所の歩行者数量を計算するための計算モジュールとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、上記本発明のさらに他の実施例に係る前記収集ユニットは、少なくとも一つのビデオカメラを備え、このビデオカメラは防水デザインが施され、また、無線通信機能を備えることができる。また、上記所定場所は、第一所定場所であり、前記ビデオカメラは、前記第一所定場所の対応する場所に別々に設置され、前記第一所定場所は交差点である。
【0013】
また、上記本発明の他の実施例に係る前記計算ユニットは、前記第一所定場所、もしくは、第二所定場所に設置される。前記保存ユニットは、前記第一所定場所、もしくは前記第二所定場所、もしくは前記第三所定場所に設置されることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、道路上の歩行者の状況を検知でき、その情報は処理器へ伝送され、分析処理を加え、運用する流量分析システム及び、その背景設置方法と装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施例の流量分析システムの構成ブロック図である。
【図2】本発明の他の好ましい実施例の流量分析システムの構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。図1は本発明の実施形態に係る背景設置装置を示す。本発明の好ましい実施例の背景設置装置10は、歩行者流量分析システム16に適用され、背景設置装置10は、記録ユニット12と分析ユニット14とを含む。
【0017】
歩行者流量分析システム16は、少なくとも一つのビデオカメラを備え、当該ビデオカメラは、防水加工が施され、また、無線通信機能を備えることができる。歩行者流量分析システム16は、監視点の映像をキャプチャーし、また、第一時間点、第二時間点から第n時間点までを選ぶ。時間点t1〜時間点tn(nは正数)までの連続した時間点の間の時間間隔は、同じである。
【0018】
選択(決定)された第一から第n時間点に基づき、記録ユニット12は、歩行者流量分析システム16がキャプチャーした第一映像から第n映像を個別に記録する。第一から第n映像は、接続されている記録ユニット12の分析ユニット14に伝送される。
【0019】
第一から第n映像には、異なる各時刻の監視点の背景と歩行者が各々記録される。歩行者は流動的で、背景は静止的あるため、第一から第n映像に重複が出現する。歩行者が離れた後、背景が監視点に残される。これにより、第一から第n映像の中で、例えば、同じ部分の出現頻度率が最高の映像を背景として設定し、これらが監視点の背景となる。
【0020】
分析ユニット14は、第一から第n映像のアナログ信号をデジタル信号に変換し、第一から第n映像の中の同じ映像の頻度率が最高のものを分析し、頻度率最高の映像を背景として設定する。得られた監視点の背景は、再び歩行者流量分析システム16に伝送され、さらにデータを分析し、処理をし、運用する。
【0021】
図2は本発明の他の好ましい実施例に係る流量分析システムの構成ブロック図である。本発明の他の好ましい実施例の流量分析システム16は、歩行者の流量分析に適用され、収集ユニット22と保存ユニット24と計算ユニット40を含む。
【0022】
収集ユニット22は所定場所に設置され、監視点の映像をキャプチャーし、所定場所の流量データを収集するために用いられる。収集ユニット22は、少なくとも一つのビデオカメラを備え、当該ビデオカメラは、防水加工が施され、また、無線通信機能を備えることができる。所定場所は、第一所定場所であり、ビデオカメラは、第一所定場所の対応する場所に別々に設置され、この第一所定場所は、例えば、交差点である。
【0023】
保存ユニット24は、収集ユニット22に接続され、流量データを保存するために用いられる。計算ユニット40は、保存ユニット24に接続され、流量データを処理するために用いられ、計算ユニット40は、所定場所の背景を設置するための背景設置モジュール30と、背景設置モジュール30に接続され、所定場所の歩行者数量を計算するための計算モジュール28とを含む。所定場所の歩行者数量を計算する方法としては、例えば、動的に設定された背景(動的に設定される各背景映像)に含まれる車両やその他の特定の対象物を識別する従来の画像認識識別技術や、歩行者の顔を対象物の特徴として識別する顔特徴認識識別技術を用いて、所定場所の歩行者数量を計算することができる。
【0024】
計算ユニット40は、交差点もしくは、交差点から後方に離れた場所(第二所定場所)に設置される。保存ユニット24は、交差点もしくは、計算ユニット40が設置される第二所定場所に設置されることができ、または別の第三所定場所に設置することもできる。
【0025】
人力、金銭、時間などの要素を考慮し、本発明の他の好ましい実施例の流量分析システム16は、収集ユニット22だけを交差点に設置すればよく、交差点の歩行者流量データを収集し、収集した交差点の歩行者流量データを、保存ユニット24と計算ユニット40とに再び伝送し、集中的に分析処理を加え、運用する。
【0026】
背景設置モジュール30は、収集ユニット22によって収集された第一から第nまでの時間点における第一から第nまでの映像を個別に記録し、これらの映像の中から例えば同じ部分の表示頻度が最高の映像を所定場所の背景として設定する。背景設置モジュール30は、記録ユニット32と分析ユニット34とを含んで構成される。
【0027】
流量分析システム16は、第一時間点、第二時間点から第n時間点までを選ぶ。連続する各時間点の時間間隔は同じである。第一から第n時間点に基づき、記録ユニット32は、歩行者流量分析システム16がキャプチャーした第一映像から第n映像を個別に記録する。第一から第n映像は、接続された記録ユニット32と分析ユニット34に伝送される。
【0028】
第一から第n映像には、異なる各時刻の監視点の背景と歩行者が各々記録される。歩行者は流動的で、背景は静止的あるため、第一から第n映像に重複が出現する。歩行者が離れた後、背景が監視点に残される。これにより、第一から第n映像の中で、例えば、同じ部分の出現頻度率が最高の映像が監視点の背景となる。
【0029】
分析ユニット34は、第一から第n映像のアナログ信号をデジタル信号に変換し、第一から第n映像の中の同じ映像の頻度率が最高のものを分析し、頻度率最高の映像を背景と設定する。得られた監視点の背景は、再び計算モジュール28に伝送され、さらにデータを分析し、処理および、運用がなされる。
【0030】
上述の実施例は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。従って、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、特許請求の範囲に記載された各請求項に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
10 背景設置装置
12 記録ユニット
14 分析ユニット
16 歩行者流量分析システム
22 収集ユニット
24 保存ユニット
28 計算モジュール
30 背景設置モジュール
40 計算ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析システムに適用され監視点の背景を取得する背景設置方法であって、
第一から第n時間点(nは正の整数)を提供するステップと、
前記第一から第n時間点に基づき、第一から第nの映像を各々記録するステップと、
前記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高のものを抽出するステップと、
前記分析結果に基づき、前記頻度率が最高の映像を前記背景として設定するステップと、
を含むことを特徴とする背景設置方法。
【請求項2】
前記分析システムは、前記監視点の映像をキャプチャーし、前記記録するステップは、第一から第n時間点においてキャプチャーされた前記第一から第n映像を個別に記録するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の背景設置方法。
【請求項3】
前記記録される前記第一から第n映像の時間点の時間間隔が、同じであることを特徴とする請求項2に記載の背景設置方法。
【請求項4】
前記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高のものを抽出するステップは、前記分析システムが前記第一から第n映像のアナログ信号をデジタル信号に変換するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の背景設置方法。
【請求項5】
前記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高のものを抽出するステップは、前記監視点の背景が設定された後に、前記第一から第n映像のデータを分析するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の背景設置方法。
【請求項6】
分析システムに適用され、前記分析システムに第一から第nまでの時間点を提供する背景設置装置であって、
前記第一から第n時間点に基づき、第一から第nまでの映像を各々記録するための記録ユニットと、
前記記録ユニットに接続され、前記第一から第n映像を分析し、同様の映像の頻度率が最高の映像を抽出し、抽出された前記頻度率が最高の映像を背景と設定する分析ユニットと、
を含むことを特徴とする背景設置装置。
【請求項7】
前記第一から第n時間点に基づいて、前記分析システムが監視点における前記第一から第nまでの映像を各々キャプチャーすることを特徴とする請求項6に記載の背景設置装置。
【請求項8】
前記記録される前記第一から第n映像の時間点の時間間隔は、同じであることを特徴とする請求項7に記載の背景設置装置。
【請求項9】
前記分析ユニットは、前記第一から第nまでの映像のアナログ信号をデジタル信号に変換することを特徴とする請求項6に記載の背景設置装置。
【請求項10】
前記監視点の背景は、前記分析システムに伝送され、前記第一から第n映像のデータを分析することを特徴とする請求項6に記載の背景設置装置。
【請求項11】
歩行者流量分析に適用される流量分析システムであって、
所定場所に設置され、前記所定場所の流量データを収集するための収集ユニットと、
収集ユニットに接続され、前記流量データを保存するための保存ユニットと、
保存ユニットに接続され、前記流量データを処理するための計算ユニットを含み、
前記計算ユニットはさらに、前記収集ユニットによって収集される第一から第nまでの時間点に対応する第一から第nまでの映像を各々記録し、前記これらの映像の中から表示頻度が最高の映像を前記所定場所の背景として設定する背景設置モジュールと、
前記背景設置モジュールに接続され、前記所定場所の歩行者数量を計算するための計算モジュールを含むことを特徴とする流量分析システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−262657(P2010−262657A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105060(P2010−105060)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(509107910)ユーテックゾーン カンパニー リミテッド (5)
【Fターム(参考)】