説明

脂肪組織検出のための装置と方法

本発明は、美容医学の分野での用途を見出すものであって、具体的には、脂肪組織検出のための装置に関する。当該装置は、
- 電磁波(WOUT)のビームを発生させるための第一の電子回路(2)、
- 電磁波(WOUT)のビームを脂肪組織含有部分(P)に向けるための放射手段(3)、
- 反射電磁波(WIN)を検出するためのセンサー手段(4)、
- 反射電磁波(WIN)を受け取るための第二の電子回路(5)、
- 反射波(WIN)の所定の特性を測定し、アナログ信号(AS)を生成するユニット(6)、
- アナログ信号(AS)をデジタル信号(DS)に変換する第三の電子回路(7)、
- 第三の電子回路(7)と画像処理ユニットとの間のインタフェースを与えるインタフェース手段(8)、
からなる。第一の電子回路(2)は、発生させられる電磁波(WOUT)の周波数を調節する、1〜12 GHzのマイクロ波範囲で作動する手段(9)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的に言えば、美容医学の分野での応用を見出すものであり、より詳しくは、脂肪組織検出のための装置と美容法とに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、美容または治療処置、たとえば、人体の脂肪組織の減少および/または成形のための脂肪そぎとり(liposculpture)、脂肪排出その他の処理において、健康施術者は、そのような組織の量と分布とを可能な限り正確に評価してどの部分を除去すべきかを決定する必要がある。
【0003】
実際、ある程度の脂肪組織は、体の再形成のために必要であり、それがない場合、オペレータが残した脂肪蓄積物の量が不十分または不適切であるときには、著しい皮膚波うちが起こり、これは美的に大きな影響のある欠陥をもたらすものである。
【0004】
そのような場合、二度目の脂肪除去処置が必要となることがあり、これは明らかに患者にとって大きな欠点となる。
【0005】
また、過剰な脂肪組織除去も、考慮すべき問題、解決の難しい皮膚の谷(dermal trough)問題、を引き起こしうるものである。
【0006】
一般に、この種の評価は施術者の手の感覚に依存するものであり、したがってこれは明らかに、除去すべきまた特に除去すべきでない脂肪の量を最高の精度で決定することを困難にするものである。
【0007】
電磁放射特に高周波範囲の電磁波たとえばX線およびγ線の特性を使用する、あるいは超音波技術を使用する、骨と筋肉の検出技術は、美容および診断医療の分野で普及している。
【0008】
しかし、これらの方法は、脂肪組織の検出には使用されておらず、また場合によっては、ビームに伴うエネルギーが相当に大きくて組織の破壊をもたらすことがある。
【0009】
マイクロ波または高周波を使用する脂肪吸引法も知られており、これらの電磁波は脂肪組織に当てられて、組織が軟化させられ、次のステップで通常の装置たとえば吸引カテーテルによってより容易に除去できるようにされる。マイクロ波を使用する脂肪吸引法は、米国特許第5,295,955号明細書に記載されている。
【0010】
それにもかかわらず、この方法の場合も、潜在的危険性のほか、施術前に脂肪組織の正確な量と分布を迅速に検出する方法がなく、ふたたび上述の欠点がもたらされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、人体の脂肪組織を効率的に高信頼性で検出するための装置を提供することによって、前記欠点を克服することである。
【0012】
本発明の特定目的は、人体の脂肪組織および脂質層(formation)の量と分布の割合に正確な評価を可能にする装置を提供することである。
【0013】
もう一つの目的は、簡単かつ手早く使用できる手持ち式の、人体の脂肪組織の検出のための装置を提供することである。
【0014】
もう一つの目的は、美容または治療処置を受ける患者のための侵襲性でない、安全性の高い装置を提供することである。
【0015】
もう一つの重要な目的は、人体の脂肪組織を検出するための美容法であって、人体部分における脂肪組織の量と分布を比較的正確に測定し、測定結果を可能な限り実際に近いように映像化することのできる美容法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記およびその他の目的は、以下で詳しく説明するように、請求項1に記載する装置によって達成される。この装置は、所定の周波数の電磁波を発生させる第一の電子回路、脂肪組織含有部分に電磁波を向ける放射手段、検査される部分から反射される電磁波を検出するセンサー手段、反射電磁波を受け取って処理する第二の電子回路、反射波の所定の特性を測定して少なくとも一つのアナログ制御信号を生成するために第二の電子回路に接続された測定ユニット、当該アナログ信号をデジタル信号に変換して記憶するための第三の電子回路、当該第三の回路と当該デジタル信号の画像処理のためのユニットとの間のインタフェースを与えるインタフェース手段、からなる。
【0017】
本発明の独自の特徴によれば、第一の電子回路は、1〜12 GHzのマイクロ波範囲で作動する周波数調節手段を有する。
【0018】
したがって、送出および反射マイクロ波は、検査中の部分に存在しうる脂肪組織の少なくとも一部を通って進み、組織変化を起こさせることなく測定を行うことができる。
【0019】
本発明は、もう一つの側面において、請求項15に記載する脂肪組織を検出する方法に関する。
【0020】
本発明は、もう一つの側面において、請求項19に記載する、脂肪組織を検出し、減少させる非治療的方法に関する。
【0021】
本発明は、もう一つの側面において、請求項26に記載する、脂肪組織を減少させる方法に関する。
【0022】
本発明の装置と方法の有利な実施形態は、従属請求項に記載するようなものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明のその他の特徴と利点とは、脂肪組織の検出のための本発明の装置と方法、人体の脂肪組織の減少のための本発明の非治療的方法と外科的方法の好ましい非排他的実施形態の、添付の図面を参照しつつなされる詳細な説明を読むことにより、さらにはっきりするであろう。この実施形態は非限定的な例として示す。
【0024】
図面においては、本発明の装置の全体を参照番号1で示す。この装置は、人体の一つ以上の部分の脂肪組織の検出に使用することができる。
【0025】
特に、装置1は、筋肉組織内に存在する脂肪組織を検出して、さらなる脂肪排出もしくは脂肪そぎとり施術、またはリンフォ排出(linphodrainage)処置その他を容易にするために使用できる。
【0026】
装置1は、人の血管系内の脂質物質の検出または脂肪組織内の腫瘍状の塊の発見のために使用することもできる。
【0027】
図1に示すように、本発明の装置1は、所定の周波数の電磁波WOUTを発生させる第一の電子回路2、発生させられた電磁波WOUTを模式的にPで示す脂肪組織含有部分に向けて放射して、反射波WINを得るための放射手段3、反射波WINを検出するためのセンサー手段4、反射波WINを受けとるための第二の電子回路5、反射波WINの所定の特徴を測定し、少なくとも一つのアナログ制御信号ASを発生させるための、第二の回路5に接続された測定ユニット6を有する。
【0028】
アナログ制御信号ASは、第三の電子回路7に送られ、当該回路により、デジタル信号DSに変換されて、当該第三の回路7に記憶される。回路7は、記憶されたデジタル信号DSの処理と画像処理のために、インタフェース手段8を通じて、画像プロセッサーまたは外部演算ユニットに接続されている。
【0029】
本発明の独自の特徴によれば、第一の電子回路2は、発生させられた電磁波WOUTの周波数を調節するための手段9を有している。この手段9は、1〜12 GHzのマイクロ波範囲で作動する。
【0030】
ここでの意外な発見によれば、電磁波の当該周波数値により、これらの電磁波が脂肪組織の少なくとも一部を通過して、筋肉組織によって反射され、このとき、脂肪組織の物理的変化が起こることがなく、また脂肪組織による吸収は実質的に無視できる。
【0031】
好ましくは、調節手段9は、第一の回路2からマイクロ波WOUTを出力するように構成することができる。このマイクロ波は、1〜6 GHz好ましくは約3 GHzの周波数を有する。
【0032】
それは、ここでの意外な発見により、この周波数範囲においては、脂肪組織による吸収が最小限に抑えられ、より信頼性の高い測定が保証されるからである。
【0033】
本発明の好ましい非排他的構成においては、放射手段3は、発振器のグループから選択される電磁波発生器10を有することができる。
【0034】
たとえば、簡明なように同じ番号10で示す、低電力2周波数調節可能タイプの、100〜300 mWの出力(frequency)の第一の電圧制御発振器を使用することができる。
【0035】
しかし、ここに示す部品は、単に技術的に好ましいものとしての選択例を示すものであり、これらの部品は他の技術的に同等で普通に入手できる部品で置き換えることができる。
【0036】
特に、指向性の放射アンテナ(orientablescattering antenna)11または同様の放射要素を放射手段3の出力側に備えて、発生マイクロ波WOUTを導く絶縁性チャンネル12により発生器10と接続することができる。アンテナ11は、好ましくは、検査される部分Pに向けて配置されるようになっている。
【0037】
次に、第二の電子回路5は、プローブ13を有し、当該プローブは、反射マイクロ波WINを受け取るために、検査される部分Pに向けられるようになっている。
【0038】
たとえば、模式的に示されているプローブ13は、一対の円筒状シールドとその間の絶縁体たとえばテフロン(登録商標)その他の材料とからなる同軸タイプのものとすることができる。
【0039】
当該シールドは、一つの自由軸端を有し、この軸端は、検査される部分Pと接触させることができ、反対の軸端は測定ユニット6に接続されている。プローブ13は、第二の発振器15好ましくは電圧制御発振器によって制御される高調波ミキサー14に接続することができる。この発振器は、1 mWよりも小の出力を与えるように構成することができる。
【0040】
放射アンテナ11と受信プローブ13は、単一部品の形に統合することができ、この部品は、所定の送出周波数でマイクロ波を放射し、これからずれた周波数の反射波を受け取る。
【0041】
第一の発振器10と第二の発振器15とは、もう一つの協調(synchronizing)回路16と協調することができる。この回路は、たとえば、一般にPLLと呼ばれている位相ロックループとすることができ、これは当業者には周知のように、発振器10、15の周波数ずれを所定の内部基準値に固定する。
【0042】
また、測定ユニット6は、I/Q復調器17を有することができ、この復調器は、ミキサー14から周波数信号FSを受け取り、反射波WINのビームに伴うエネルギーを測定して、一つ以上のアナログ信号ASを生成する。
【0043】
このエネルギーの測定は、たとえば、反射波WINの実効振幅を測定することによって行うことができる。
【0044】
第三の電子回路7は、アナログ信号を対応するデジタル信号DSに変換するための、ADコンバータタイプの第一のコンバータ基板18またはもっと多くのコンバータ基板を有することができる。第一のコンバータ基板18は、データ入力チャンネル19を通じてメモリ基板20に接続することができる。この基板20は第三の電子回路7に組み込むことができる。
【0045】
一つの代表的特定実施形態においては、メモリ基板20は、一般にFEMCTRLと呼ばれているタイプとすることができるが、機能的に同等の他のタイプの基板を使用することができる。
【0046】
メモリ基板20は、やってくる一つ以上のデジタル信号DSの記憶のための少なくとも一つの第一メモリセル21を有することができ、インタフェース手段8に接続することができる。このインタフェース手段はメモリ基板20そのものに組み込むことができ、この手段は、実質的に接続ポート23と演算ユニット24とを有するインタフェース基板22からなる。
【0047】
本発明の一つの特定構成においては、装置1は、あらかじめ組み込まれた演算ユニット24を備えることができ、このユニットは、第一のメモリセル21に記憶された複数のデジタル信号DSを受け取って、検査される部分Pの脂肪組織の量と分布とを示す第一のデータ集合を処理するために、メモリ基板20の接続ポート23に接続されている。
【0048】
特に、演算ユニット24は、第一のデータ集合を処理するためのプロセッサー25を有することができ、このプロセッサーはメモリを有し、このメモリは、第一のデータ集合と比較して、画像処理することのできる第二のデータ集合を生成するために、いくつかの基準パラメータを記憶している。
【0049】
さらに、演算ユニット24は、放射マイクロ波WOUTの周波数を示す第三のデータ集合を生成するように構成することができる。このデータ集合は、メモリ基板20に送られて、好ましくはそれ専用の少なくとも一つの第二のメモリセル26に記憶される。
【0050】
このメモリセル26は、データ出力チャンネル27によって、DACタイプの第二のコンバータ基板28に接続され、基板28は、第三のデータ集合のデジタルデータDS´を第一の回路2に送られるアナログ信号AS´に変換する。このとき、場合によっては、26と28との間には、直並列コンバータ29と先入れ先出しバッファー30が配置される。
【0051】
また、演算ユニット24は、手段31を有することができ、この手段は、モニター、プリンター、その他からなるグループから選択され、第二のデータ集合を処理および/または画像表示するためのものである。
【0052】
たとえば、適当な2Dまたは3D画像処理ソフトウェア、たとえば普通に入手できるタイプのものを使用することにより、脂肪組織を可能な限り実際に近いように二次元または三次元の形に表示して、施術者または外科医の作業が非常に簡単になるようにすることができる。
【0053】
本発明の代替構成においては、装置1は、内部演算ユニット24を備えることができ、このユニットには、一つ以上の前記部品たとえばメモリ基板20を組み込むことができる。
【0054】
いずれの場合にも、演算ユニット24は、試験手順を実行することができ、電磁波WOUTとWINの生成と受け取りのために電子回路2と5を制御し、測定して、出力情報を生成し、さらに、ディスプレイシステムまたは他のコンピュータへの接続のためのインタフェースを備えることができる。
【0055】
装置1は、さらに、電源システム(図示せず)を有することができ、これは、通常の電池とすることができるが、このシステムは、好ましくは、各種部品への電力供給の選択的制御のための、一つ以上の安定制御スイッチたとえばFETトランジスターと、バックアップ電池とを備えることができる。
【0056】
図2は、前記装置を使用して実施できる、人体の脂肪組織の検出のための美容的方法を模式的に示す。この方法は、ステップa) 所定の周波数の電磁波WOUTのビームを発生させ、ステップb) 発生電磁波WOUTを検査する部分Pに放射して、反射波WINを得て、ステップc) 反射波WINの振幅を測定して、アナログ制御信号ASを生成することを含む。
【0057】
それから、この信号は、次のステップd)において、デジタル信号DSに変換されて、演算ユニット24に送られ、ステップe)において、演算ユニット24に記憶されている基準値との比較がなされる。次に、ユニット24は、検査される部分Pに存在しうる脂肪組織の量と分布とを示す第一のデータ集合を生成する。
【0058】
本発明においては、ステップa)で発生させられる電磁波WOUTの周波数が、1〜12 GHz好ましくは1〜6 GHzの周波数のマイクロ波範囲内にはいるように調節される(ステップa´)。
【0059】
第一のデータ集合が、ステップe)で生成されると、次のステップf)において、特別のコンピュータまたは演算ユニットによって、そのようなデータの画像処理が行われる。
【0060】
たとえば、画像処理ステップf)は、スクリーン上に画像を表示するための画像プロセッサーに接続するのに適した、たとえばスキャナー、カメラその他の装置を使用して、部分Pの処理すべき画像を取り込む第一のステップf´)と、第一のデータ集合を補間して、それぞれが検出脂肪組織の定量的値を示す画像内の複数の等高線を生成するステップf´´)とを含むことができる。
【0061】
さらに、検量ステップa0)を、電磁波WOUTを発生させるステップa)の上流に配置することができ、ここで、画像処理のためにステップd)からのデジタル信号DSと比較される一つ以上の基準パラメータを得ることができる。
【0062】
たとえば、検量ステップa0)は、前述のステップa)〜e)からなることができ、脂肪組織がないことが十分な正確さで知られている部分Pたとえば二頭筋に既知の周波数の電磁波WOUTのビームを当てて、後続信号に対する基準値(ゼロレベル)を決定する。
【0063】
図3は、人体の脂肪組織の検出と減少のための、本発明の非治療的方法を模式的に示し、この方法は、前記ステップa)〜f)と、検査される部分Pの処置とその部分の脂肪組織の減少とのステップg)とからなる。
【0064】
たとえば、この方法は、所定投与量の薬物または薬物混合物、特にホスファチジルコリンまたはホスファチジルコリンを含む薬物混合物の検査部分Pへの皮内注射による美容的脂肪減少のために使用することができる。
【0065】
場合によっては、脂肪減少処置は、公知の方法により、検査部分Pを、周波数が超音波または赤外線の範囲に調節された電磁波ビーム、またはレーザービームで照射することによって実施できる。
【0066】
また、この処置は、専門の施術者による手によるマッサージまたは専用に特別設計された装置によっても実施できる。
【0067】
本発明の装置1の美容または非治療的処置のための前述のような使用により、施術者と前記処置を受ける患者とが処置の効果を即座に確認できるという明白な利点が与えられる。
【0068】
図4は、人体の脂肪組織の脂肪減少のための外科的方法を模式的に示し、この方法は、前記ステップa)〜f)と、検査される人体の部分Pに存在する脂肪組織の少なくとも部分的な外科的除去のステップh)とからなる。
【0069】
特に、ステップh)は、任意の周知の外科的技法によって実施される脂肪減少とすることができるが、侵襲性タイプのものたとえばカニューレによる脂肪吸引とすることもできる。
【0070】
本発明の装置と方法には、特許請求の範囲に示す発明の原理の範囲内で多くの変更と変形を加えることができる。すべての部品は、本発明の範囲を逸脱することなく、技術的に同等の他の部品で置き換えることができ、材料はそれぞれの必要に応じて変更することができる。
【0071】
以上、本発明の装置と方法を、添付の図面に即して説明したが、発明の開示と特許請求の範囲とで使用した参照番号は、本発明をわかりやすくするためだけのものであり、いかなる意味でも本発明で特許請求する範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の装置の代表例を示す模式図である。
【図2】本発明による脂肪組織を検出する方法のブロック図である。
【図3】本発明による脂肪組織減少のための非治療的方法のブロック図である。
【図4】本発明による脂肪組織減少のための外科的方法のブロック図である。
【符号の説明】
【0073】
1 本発明の装置
2 第一の電子回路
3 放射手段
4 センサー手段
5 第二の電子回路
6 測定ユニット
7 第三の電子回路
8 インタフェース手段
9 WOUTの周波数を調節する手段
10 電磁波発生器
11 アンテナ
12 絶縁性チャンネル
13 プローブ
14 高調波ミキサー
15 第二の発振器
16 協調回路
17 I/Q復調器
18 第一のコンバータ基板
19 データ入力チャンネル
20 メモリ基板
21 第一のメモリセル
22 インタフェース基板
23 接続ポート
24 演算ユニット
25 プロセッサー
26 第二のメモリセル
27 データ出力チャンネル
28 第二のコンバータ基板
29 直並列コンバータ
30 先入れ先出しバッファー
31 モニターその他の手段
AS アナログ信号
AS´ アナログ信号
DS デジタル信号
DS´ デジタルデータ
FS 周波数信号
P 検査される部分
WIN 反射波
WOUT 放射マイクロ波
a0 放射検量ステップ
a 電磁波発生ステップ
a´ 周波数調節ステップ
b 部分Pに放射波WOUTを放射するステップ
c 反射波WINの振幅測定ステップ
d アナログ信号をデジタル信号に変換するステップ
e 第一のデータ集合生成ステップ
f 第一のデータ集合の画像処理ステップ
f´ 部分Pの処理すべき画像を取り込む第一のステップ
f´´ 画像内の複数の等高線を生成するステップ
g 部分P処置ステップ
h 部分Pに存在する脂肪組織を外科的に減少させるステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の脂肪組織の検出のための装置であって、
- 所定の周波数の電磁波(WOUT)のビームを発生させるための第一の電子回路(2)、
- 電磁波(WOUT)のビームを脂肪組織含有部分(P)に当てて反射波(WIN)を得るための放射手段(3)、
- 反射波(WIN)を検出するためのセンサー手段(4)、
- 当該センサー手段(4)から電磁波(WIN)を受け取って処理するための第二の電子回路(5)、
- 当該反射波(WIN)が有する所定の特性を測定し、少なくとも一つのアナログ制御信号(AS)を生成する、当該第二の電子回路(5)に接続された測定ユニット(6)、
- 当該アナログ制御信号(AS)をデジタル信号(DS)に変換して、当該デジタル信号を記憶する第三の電子回路(7)、
- 当該第三の電子回路(7)と当該デジタル信号(DS)を処理するための画像処理ユニットとの間のインタフェースを与えるインタフェース手段(8)、
からなる装置において、
当該第一の電子回路(2)が、発生させられる電磁波(WOUT)の周波数を調節する、1〜12 GHzのマイクロ波範囲で作動する手段(9)を有し、放射および反射マイクロ波(WOUT、WIN)が、検査される部分(P)に存在しうる脂肪組織の少なくとも一部を通って伝わることができるようにすること、
を特徴とする人体の脂肪組織の検出のための装置。
【請求項2】
当該調節手段(9)が、1〜6 GHz好ましくは約3 GHzの周波数を有するマイクロ波(WOUT)を発生させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
当該第一の電子回路(2)が、発振器からなるグループから選択される電磁波発生器(10)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
当該放射手段(3)が、指向性の放射アンテナ(11)と、発生マイクロ波(WOUT)を導いて当該アンテナ(11)を当該発生器(10)に接続する絶縁性チャンネル(12)とを有することを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
当該第二の電子回路(5)が、反射波(WIN)を受け取るために、検査される部分(P)に向けるのに適したプローブ(13)を有することを特徴とする請求項1から4の中のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
当該測定ユニット(6)が、反射波(WIN)の強度を測定して、当該少なくとも一つのアナログ信号(AS)を生成するためのI/Q復調器(17)を有することを特徴とする請求項1から5の中のいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
当該測定ユニット(6)が、反射波(WIN)の実効振幅を測定するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
当該第三の電子回路(7)が、当該少なくとも一つのアナログ信号(AS)を対応するデジタル信号(DS)に変換する少なくとも一つの第一のコンバータ基板(18)、データ入力チャンネル(19)によって当該少なくとも一つの第一のコンバータ基板(18)に接続されているメモリ基板(20)を有し、当該メモリ基板(20)が当該少なくとも一つのデジタル信号(DS)の記憶のための少なくとも一つの第一のメモリセル(21)を有することを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
当該インタフェース手段(8)が、当該メモリ基板(20)に接続されているかまたはこれに組み込まれており、外部演算ユニット(24)への接続のためのポート(23)を有するインタフェース基板(22)を有することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
当該少なくとも一つの第一のメモリセル(21)に記憶されている複数の当該デジタル信号(DS)を受信して、脂肪組織の量と分布を示す第一のデータ集合を処理するための、当該インタフェース基板(22)の当該接続ポート(23)に接続された演算ユニット(24)を有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
当該演算ユニット(24)が、当該第一のデータ集合を処理して、画像処理することのできる第二のデータ集合を生成するためのプロセッサー(25)を有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
当該演算ユニット(24)が、発生マイクロ波(WOUT)の周波数を示す第三のデジタルデータ(DS´)の集合を生成するように構成され、当該メモリ基板(20)が、当該第三のデジタルデータ(DS´)の集合の記憶のための少なくとも一つの第二のメモリセル(26)を有することを特徴とする請求項1から11の中のいずれか一つに記載の装置。
【請求項13】
当該第三の電子回路(7)が、当該第三のデータ(DS´)の集合を当該第一の電子回路(2)に送信される出力アナログ信号(AS´)に変換するための少なくとも一つの第二のコンバータ基板(28)を有することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
当該演算ユニット(24)が、当該第二のデータの集合の処理および/または画像表示のための手段(31)を有し、当該処理および/または表示のための手段(31)が、モニター、プリンター、その他からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1から13の中のいずれか一つに記載の装置。
【請求項15】
脂肪組織の検出のための方法であって、
a) 所定の周波数の電磁波(WOUT)のビームを発生させ、
b) 電磁波(WOUT)のビームを検査される部分(P)に放射して、反射波(WIN)を得、
c) 反射波(WIN)の振幅を測定して、アナログ制御信号(AS)を生成し、
d) 当該アナログ制御信号(AS)を対応するデジタル信号(DS)に変換し、
e) 当該デジタル信号(DS)を基準値と比較して、検査される部分(P)に存在する脂肪組織の量と分布を示す第一のデータ集合を生成する、
各ステップからなる方法において、
当該発生ステップ(a)において発生させられる電磁波(WOUT)が、周波数1〜12 GHzの周波数のマイクロ波範囲内にはいるように調節されること、
を特徴とする脂肪組織の検出のための方法。
【請求項16】
コンピュータを使用して当該第一のデータ集合を画像処理するステップ(f)を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
当該画像処理ステップ(f)が、スクリーン上に表示するために処理される部分(P)の画像を取り込むステップ、および、当該第一のデータ集合を補間して、それぞれが検出脂肪組織の定量的値を示す、複数の等高線を、当該画像内に生成させるステップ、を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
放射検量ステップ(a0)が、ステップ(a)の上流で実施され、ステップ(a0)において、放射ビーム(WOUT)を実質的に脂肪組織のない部分に送って、当該基準値を得ることを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
【請求項19】
人体の脂肪組織の検出と減少のための非治療的方法であって、
a) 所定の周波数の電磁波(WOUT)のビームを発生させ、
b) 電磁波(WOUT)のビームを処置される人体の部分(P)に放射して、反射波(WIN)を得、
c) 反射波(WIN)の振幅を測定して、制御信号(AS、DS)を生成し、
e) 当該制御信号(AS、DS)を基準値と比較して、検査される部分(P)に存在する脂肪組織の量と分布を示す第一のデータ集合を生成し、
g) 検査される部分(P)を処置して、そこに存在する脂肪組織を減少させる、
各ステップからなる方法において、
コンピュータを使用して当該第一のデータ集合を画像処理するステップ(f)を含み、当該発生ステップ(a)において発生させられる当該電磁波(WOUT)が、マイクロ波範囲内にはいるように調節されること、
を特徴とする人体の脂肪組織の検出と減少のための方法。
【請求項20】
当該マイクロ波が、1〜12 GHz好ましくは1〜6 GHzの周波数範囲内にはいるように調節されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
当該画像処理ステップ(f)が、スクリーン上に表示するために処理される部分(P)の画像を取り込むステップ、および、当該第一のデータ集合を補間して、それぞれが検出脂肪組織の定量的値を示す、複数の等高線を、当該画像内に生成させるステップ、を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
当該処置ステップ(g)が脂肪減少ステップであって、当該ステップが、所定の投与量の薬剤を処置される人体の部分に注入することによって実施されることを特徴とする請求項18から21の中のいずれか一つに記載の方法。
【請求項23】
当該薬剤が、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルコリンを含む薬剤混合物からなるグループから選択されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
当該処置ステップ(g)が、脂肪減少ステップであって、当該ステップが、周波数が超音波または赤外放射の範囲内にはいるように調節された電磁波ビーム、またはレーザービームによって、人体の当該部分(P)を照射することによって実施されることを特徴とする請求項18から21の中のいずれか一つに記載の方法。
【請求項25】
当該処置ステップ(g)が、検査される人体の当該部分(P)の機械または手によるマッサージであることを特徴とする請求項18から21の中のいずれか一つに記載の方法。
【請求項26】
人体の脂肪組織の脂肪減少のための外科的方法であって、
a) 所定の周波数の電磁波(WOUT)のビームを発生させ、
b) 電磁波(WOUT)のビームを処置される人体の部分(P)に放射して、反射波(WIN)を得、
c) 反射波(WIN)の振幅を測定して、制御信号(AS、DS)を生成し、
e) 当該制御信号(AS、DS)を基準値と比較して、検査される部分(P)に存在する脂肪組織の量と分布を示す第一のデータ集合を生成し、
h) 検査される人体の部分(P)に存在する脂肪組織の少なくとも一部を外科的に減少させる、
各ステップからなる方法において、
コンピュータを使用して当該第一のデータ集合を画像処理するステップ(f)を含み、当該発生ステップ(a)において発生させられる当該電磁波(WOUT)が、マイクロ波範囲内にはいるように調節されること、
を特徴とする人体の脂肪組織の脂肪減少のための外科的方法。
【請求項27】
当該減少ステップ(h)が脂肪吸引であることを特徴とする請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−503603(P2011−503603A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533681(P2010−533681)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050747
【国際公開番号】WO2009/063337
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(510132417)
【Fターム(参考)】