説明

脂肪蓄積を減少させ、体重減少を誘導する方法

ERα作動活性を有するエストロゲン抽出物の投与は脂肪蓄積を減少し、及び/又は体重減少を誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は2010年3月1日に出願された米国仮特許願61/309341及び2009年4月28日に出願された米国仮特許願61/173553の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
肥満及び体重過多である人の割合はこの数十年間で大きく増加しており、肥満と体重過多の人の割合は年齢が高くなるほど増加する傾向にある。肥満と体重過多は多くの病状と相関する。それらには睡眠時無呼吸症、心血管症、糖尿病及び健康の衰えが含まれる。相当程度であると考える肥満及び体重過多に関する自己診断は別にして、体重過多と肥満の患者には前述の病状以外にも様々な症状が現れる。例えば、疲労、眠気、モーチベーション欠乏、無感症及び欝症状である。関節炎のごとき炎症性疾患は過剰体重で悪化することが証明されている。これは増加した脂肪細胞及びアディポカインとして知られる付随的な脂肪組織固有のサイトカインの活性が増強される影響であろう。
【0003】
肥満、体重過多及びそれらの関連病状並びに徴候は現代社会の重大な問題であり、燃焼されるカロリーと摂取されるカロリーのバランスが摂取過剰の方向に頻繁にずれる傾向が顕著である。一般的には肥満と体重過多は、まずカロリー摂取を減少させる食習慣及び運動の増加によって対処すべきであると推奨されているが、このことは必ずしも実際的ではなく(例:老人及び虚弱体質の人)、しばしば効果を現さない。一般的には加齢に加えて、肥満と体重増加は閉経期(更年期)とそれぞれ独立的に相関している。このことは鬱病、睡眠障害、疲労、眠気及び無感症のごとき他の相関病状の場合と同様である。事実、閉経期は約10ポンドから15ポンド(約5kg〜約8kg)の体重増加及び腹部への脂肪再分布と関係を有している。閉経後の女性の場合には脂肪再分布は胴回りで増加し(p<0.001)、脚部で減少する(p<0.05)。この脂肪再分布異常は代謝症候群(メタボ)、心血管病及び2型糖尿病のリスクを増加させる。
【0004】
老化自体よりも閉経移行時の変化のほうが閉経時及び閉経後に関係する体重変動及び脂肪再分布に関係が深いと考えられている。年齢相応の女性の場合、閉経時及び閉経後の女性(p<0.001)は、閉経前及び閉経後の女性並びにホルモン療法(HT)中の女性と比較して高い割合の脂肪組織を有していることが確認されている。閉経時及び閉経後の女性のアンドロイド型脂肪分布への移行はホルモン補充療法(HRT)により回復可能であることが確認されており、この脂肪分布はHRTによって回復に向かうことが確認されている。
【0005】
よって、肥満は解決を望む人にとっては挑戦である。数多くの製品が処方箋なく販売されている。そのような製品の調達人はそれら製品が食欲を抑え、エネルギー消費を増加させ、体重を減少させると主張する。しかし、それら主張の信用性には疑問がある。期待された体重減少処方薬の臨床試験では、その効果はさほどではなかった。特に、プラセボと比較して5%の体重減少を達成する試みにおけるロルカセリンによる最近の不成功がそのことを証明している。このことは薬剤承認が得られる見込みに疑問を投じた。もちろんこれは市販薬治療効果全体にその分だけ大きな疑問を投げ掛けることにもなった。
【0006】
ホルモン補充療法は閉経時及び閉経後の女性の腹部への脂肪分布を回復させるかも知れないが、HRTはリスクを伴う。ホルモン補充療法で利用されるエストロゲンは組織選択性ではない。エストロゲンはエストロゲン受容体α(ERα)脂肪組織及び乳房組織並びに子宮組織を活性化させる傾向がある。脂肪組織においては、エストロゲンは腹部への脂肪分布を回復させる傾向にあり、望ましい。しかし、乳房組織と子宮組織においては、エストロゲンは成長促進効果を有する。このことは患者を乳ガン及び子宮ガンの増大したリクスに曝すことになる。
【0007】
中高年の人々の間で肥満と体重過多の問題が益々顕著化している事実、及び許容レベル範囲内に体重を減少させ、又は体重を維持することの利点により、特に中高年の人々、中でも閉経期の女性の脂肪蓄積を減少させる製品に対する需要が存在する。特に中高年患者、中でも閉経期の女性の体重減少を誘導する製品の需要も存在する。さらに、乳房組織と子宮組織にERαレスポンスを誘導せずに体脂肪蓄積を減少させ、体重減少を誘導する組成物並びに方法の需要が存在する。
【発明の概要】
【0008】
発明者は一部の薬草の抽出物が脂肪組織内でエストロゲン受容体α(ERα)を活性化するが、乳房組織あるいは子宮組織ではそれを活性化しないことを発見した。知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)のin vitro(インビトロ)抽出物はERα仲介遺伝子転写を活性化する。しかし、甘草(Radix Glycyrrhiza)や葛根(Radix Pueraria)のin vivo(インビボ)抽出物は高脂肪食が与えられた卵巣摘出マウスにおける脂肪蓄積のERα仲介減少を促したが、その動物モデルにおける乳房組織や子宮組織に組織増殖を引き起こさず、その抽出物は乳房組織や子宮組織においてERαを活性化しないことが示された。これはエストラジオール(E2)とは対照的である。エストラジオールはマウスモデルにおいて子宮組織の重量増加並びに乳房組織における脈管の伸長及び分岐を促す。甘草(Radix Glycyrrhiza)と葛根(Radix Pueraria)の2つの特定抽出物はin vitroでERαを活性化したが、in vitroでMCF7を増殖しなかった。これら抽出物は卵巣を摘出されて高脂肪食が与えられたマウスの動物モデルで試験され、閉経時並びに閉経後の女性の脂肪蓄積の低減、特にアンドロイド型(腹部)脂肪蓄積の減少及び体重減少の誘導に効果的である可能性が示された。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って幾つかの実施態様において本発明は脂肪蓄積を減少させ、あるいは体重を減少させ、またはそれら両方を実現する方法を提供する。この方法は、対象者に対して、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びそれらの組み合わせで成る群から選択される1以上の物質を含んだ植物抽出物のエストロゲン受容体α(ERα)活性量を投与するステップを含んでいる。実施態様によっては減少する体脂肪蓄積とは腹部の体脂肪蓄積である。特別な実施態様では、この方法は対象者に対して甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralenis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれらの両方の抽出物を含んだ組成物のERα活性量を投与するステップを含む。
【0010】
実施態様によっては、本発明は、特に腹部体脂肪蓄積である脂肪蓄積を減少し、あるいは体重を減少し、またはそれら両方を実現する組成物を提供する。この組成物は知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びそれらの組み合わせである抽出物で成る群から選択される1以上の物質を含んだ植物抽出物のエストロゲン受容体α(ERα)活性量を含んでいる。特定の実施態様では、この組成物はERα活性量の甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralenis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の抽出物を含む。
【0011】
実施態様によっては、本発明は、脂肪蓄積(特に腹部の脂肪蓄積)を減少あるいは体重減少を誘導、またはそれら両方を実現する方法を提供する。この方法は更年期、閉経期または閉経後の対象者に対して知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びそれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択される1以上の物質を含んだ植物抽出物のエストロゲン受容体α(ERα)活性量を投与するステップを含んでいる。特定の実施態様においては、その植物抽出物はERα活性量の甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralenis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))あるいは葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の抽出物を含む。
【0012】
発明者はここで説明する組成物と方法が、脂肪組織内、特に腹部の脂肪組織内ではERαエストロゲン受容体を活性化するが、乳房組織や子宮組織ではERアルファを活性化しないと確信する。同時に発明者はこのことが本発明による組成物のin vitro及びin vivo活性に基づく合理的な推論であると考えるが、in vivoでのこの組成物の生物学的な作用経路は複雑であり、卵巣摘出マウスの観察される腹部の脂肪減少はここで説明していない別な生物学的経路が関与するかも知れないことは認識している。ここで説明する組成物及び方法が、全ての場合に選択性(脂肪対象)ERα活性化の推論的生物学経路により制限されることは必ずしも発明者の意図するところではない。従って実施態様によっては、本発明は更年期、閉経期または閉経後の女性の脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少させ、または体重減少を誘導し、あるいはそれら両方を実現するための組成物を提供する。この組成物は知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びそれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択される1以上の物質を含んだ植物抽出物の所定量を含む。植物抽出物量は、特に閉経期、更年期または閉経後の女性の脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少させ、及び/又は体重減少を誘導するのに十分な量である。実施態様によっては、この植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralensis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の抽出物の腹部脂肪蓄積減少効果量を含む。実施態様によっては、この植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralensis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の抽出物の体重減少誘導効果量を含む。ここで解説するように甘草(Radix Glycyrrhiza)と葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせ、または甘草(Radix Glycyrrhiza)と葛根(Radix Pueraria)を含む組み合わせの抽出物を含む組成物が場合によっては好適である。
【0013】
また実施態様によっては、本発明は、更年期、閉経期または閉経後の女性の脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少し、または体重減少を誘導あるいはそれら両方を実現する方法を提供する。この方法は、そのような女性に知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びそれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択された1以上の物質を含んだ所定量の植物抽出物を投与するステップを含む。この植物抽出物の量は、脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少し、及び/又は体重減少を誘導するのに十分な量である。特定の実施態様においては、女性に投与される植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralensis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の抽出物の脂肪蓄積減少効果量を含む。実施態様によっては投与される植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralensis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の腹部脂肪蓄積減少効果量を含む。実施態様によっては、投与される植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralensis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の体重減少誘導効果量を含む。ここで解説するように甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせ、または甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の組み合わせの抽出物を含んだ組成物が場合によっては好適である。
【0014】
さらに実施態様によっては、本発明は、人間を含む哺乳動物の脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少し、あるいは体重減少を誘導し、またはそれら両方を実現する方法を提供する。この方法は、そのような哺乳動物に知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びそれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択される1種以上の物質を含んだ一定量の植物抽出物を投与するステップを含む。この植物抽出物の量は脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少し、及び/又は体重減少を誘導するのに十分な量である。特定の実施態様では、哺乳動物に投与される植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralensis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の抽出物の脂肪蓄積減少効果量を含む。実施態様によっては投与される植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralensis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の腹部脂肪蓄積減少効果量を含む。実施態様によっては投与される植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)(例:ウラルカンゾウ(G.uralensis)及び/又はスペインカンゾウ(G.glabra))、葛根(Radix Pueraria)(例:クズ(P.lobata))またはそれら両方の体重誘導効果量を含む。ここで解説するように甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせ、または甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の組み合わせの抽出物を含む組成物が場合によっては好適である。
【0015】
引用による内容編入
ここで言及する全ての文献及び特許願は引用によりその内容をここで開示したものとする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の新規な技術的特徴は「請求の範囲」において記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理を利用する本発明の例示的実施例を解説する以下の詳細な説明で得られるであろう。
【0017】
【図1】図1は、卵巣摘出マウスに高脂肪食(HFD)を与え、ビヒクル(対照)、エストラジオール(E2)、甘草(Glycyrrhiza)()又はクズ属(Pueraria)(39)で処置した実験の結果を示す。HFDを与え、ビヒクル(対照)で処置した卵巣摘出雌マウスは体重が増え続けたが、E2または39で処置したマウスは同じ42日間の実験期間に体重減少を体験した。
【図2】図2は、HFDが与えられ、ビヒクル処置(対照)、E2及び39で処置した卵巣摘出マウスからの実験開始42日後に回収した腹部脂肪の平均重量(g)を示す。対照と比較して42日の処置期間中にE2及び39のそれぞれは腹部脂肪蓄積を減少させた。
【図3】図3は、HFDが与えられ、ビヒクル処置(対照)、E2及び39で処置した卵巣摘出マウスからの実験開始42日後に回収した子宮の平均重量(g)を示す。E2のみが子宮の大きな重量増加を促した。抽出物及び39は子宮に対するE2の効果を現さなかった。
【図4】図4は、HFDが与えられ、ビヒクル処置(対照)、E2及び39で処置した卵巣摘出マウスからの実験開始42日後に回収した乳腺の平均重量(g)を示す。E2及び39のそれぞれは対照と比較して少ない乳腺重量増加を誘導した。しかし、組織学によれば、乳腺重量の減少に加えてE2は乳管の伸長と分岐をも誘導したが、及び39は乳腺に対してそのような影響を一切及ぼさなかった。
【図5】図5は、マイクロアレイ研究により確認された遺伝子発現プロフィールで得られた、腹部脂肪遺伝子のアップ・ダウンレギュレーションの比較を示す。図示のごとく、このマイクロアレイ研究で判明したが、E2及び39のそれぞれは比較的に多数の遺伝子をアップレギュレーション及びダウンレギュレーションさせた。
【図6】図6は、E2及び39で処置されたマウスから得られた子宮遺伝子のアップ・ダウンレギュレーションの比較を示す。図示のごとく、E2は子宮の多数の遺伝子を誘導し、抑圧したが、39は子宮内の遺伝子転写にはほとんど影響を及ぼさなかった。
【図7】図7は、E2及び39で処置されたマウスから得られた乳腺遺伝子のアップ・ダウンレギュレーションの比較を示す。図示のごとく、E2は乳腺の多数の遺伝子を誘導し、抑圧したが、は乳腺内の遺伝子転写に事実上影響を及ぼさず、39は乳腺内の遺伝子転写にはほとんど影響を及ぼさなかった。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
本発明は、対象動物の体脂肪(例:腹部脂肪)蓄積を減少し、体重減少を誘導し、あるいはそれら両方を実現する方法を提供する。実施例によっては対象動物とは人間であり、更年期、閉経期及び閉経後の女性である。特定の植物種からのERα活性植物の抽出物の投与は、高脂肪食(HFD)が与えられた動物モデル、すなわちマウスにおける腹部脂肪蓄積の逆進及び体重減少の誘導を引き起こす。本発明の実施例では、高脂肪食が与えられた卵巣摘出雌マウスへの知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物を含んだ組成物の投与は腹部脂肪蓄積を回復させる。特定の実施例では甘草(Radix Glycyrrhiza)または葛根(Radix Pueraria)の抽出物の投与は卵巣摘出HFDマウスにおいて体重減少を誘導する。卵巣摘出HFDマウスモデルは人間における更年期に関係する体重増加の認められたモデルであるため、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの抽出物を含んだ組成物は、更年期、閉経期または閉経後の女性の脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少し、及び/又は体重減少を誘導するであろう。さらに甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)またはそれらの組み合わせの抽出物を含んだ本発明の組成物は更年期、閉経期または閉経後の女性の脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少し、及び/又は体重減少を誘導するであろう。従って、ここで説明する組成物は更年期、閉経期または閉経後の女性の脂肪蓄積(特に腹部脂肪蓄積)を減少し、または体重減少を誘導し、あるいはそれら両方の実現のために利用できるであろう。
【0019】
発明者はここで教示する組成物がin vivoで組織を特定したエストロゲン受容体α(ERα)を刺激する能力を有していることを発見した。特に、ここで教示する組成物は脂肪組織におけるERα活性化特性を有するが、更年期(閉経期及び閉経後を含む)の女性の動物モデルである卵巣摘出マウスの乳腺組織や子宮組織においてはそのような活性化特性は有していない。従って、ここで説明する実施例によっては脂肪組織内でエストロゲン受容体α(ERα)を選択的に刺激する方法が提供される。この方法は知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)並びにそれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択される1以上の物質を含む植物抽出物の効果量を投与するステップを含む。脂肪の蓄積を減少させ、及び/又は体重増加を誘導する投与量では、ここで解説する組成物は乳腺増殖または分化(例:乳管伸長及び分岐)及び子宮の重量増加を刺激しない。実施例によっては、この植物抽出物は知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択される複数の物質を含む。実施例によっては、この植物抽出物は知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物を含む。実施例によっては、方法は腹部脂肪蓄積を減少させる。実施例によっては、植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)またはそれらの組み合わせの抽出物を含む。特定の実施例では、植物抽出物は単独の活性成分として甘草(Radix Glycyrrhiza)を含む。実施例によっては、植物抽出物は単独の活性成分として葛根(Radix Pueraria)を含む。実施例によっては、組成物は単独の活性成分として甘草(Radix Glycyrrhiza)の抽出物及び葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせ、あるいは甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の組み合わせの抽出物を含む。実施例によっては、植物抽出物は単独の活性成分として甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせを含む。実施例によっては、植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)またはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物を含む。実施例によっては、植物抽出物は知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物を含む。実施例によっては、抽出物はHerba Epimediiの水性抽出物を含む。実施例によっては、植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)またはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、またはインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物から選択される複数種の混合物を含む。実施例によっては、植物抽出物は甘草(Radix Glycyrrhiza)のエタノール:水抽出物、及び/又は葛根(Radix Pueraria)aの抽出物の酢酸エチル分離物を含む。実施例によっては、植物抽出物は単独の活性成分として甘草(Radix Glycyrrhiza)のエタノール:水抽出物を含む。実施例によっては、植物抽出物は単独の活性成分として葛根(Radix Pueraria)の抽出物の酢酸エチル分離物を含む。実施例によっては、植物抽出物は単独の活性成分として甘草(Radix Glycyrrhiza)のエタノール:水抽出物と、葛根(Radix Pueraria)の抽出物の酢酸エチル分離物との組み合わせを含む。実施例によっては、組成物は約1mgから約100g(例:10mgから50g、30mgから30g)の甘草(Radix Glycyrrhiza)の抽出物(または甘草(Radix Glycyrrhiza)の抽出物のエタノール:水分離物)と、約1mgから約100g(例:10mgから50g、30mgから30g)の葛根(Radix Pueraria)の抽出物(または葛根(Radix Pueraria)の抽出物の酢酸エチル分離物)を含む。
【0020】
ここで使用する用語である“活性成分”とは、組織選択性ERα活性特性を備えた薬草抽出物または薬草抽出物の分離物(例:薬草抽出物のエタノール:水または酢酸エチル分離物)のことである。特に“活性成分”とは脂肪組織にERα表現型変化を引き起こすが、子宮組織と乳房組織にはほとんど、または全くERα仲介表現型変化を引き起こさない成分のことである。
【0021】
用語“単独の活性成分”とは、表記成分(例:薬草抽出物、薬草抽出物の分離物、薬草抽出物の組み合わせ物、または薬草抽出物の分離物の組み合わせ物)がin vivoまたはin vitroで生物活性を備えている唯一の成分のことである。実施例によっては表記の成分はER活性及び/又はER活性特性を備えた組成物における唯一の成分である。実施例によっては表記の成分はERα活性特性を備えた組成物における唯一の成分である。実施例によっては表記の成分は有効な医療効果を備えた組成物における唯一の成分である。
【0022】
薬草
【0023】
ここで使用する“甘草(Glycyrrhiza)”とはウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis)及びスペインカンゾウ(Glycyrrhiza glabra)のどちらか、または両方のことである。特に、甘草(Glycyrrhiza)の根がここで説明する組成物に採用される抽出物の調製に使用される。
【0024】
ここで使用する“葛根(Pueraria)”とはクズ(Pueraria lobata)のことである。特に葛根(Pueraria)の根がここで説明する組成物に採用される抽出物の調製に使用される。
【0025】
ここで使用する“インヨウカク(Epimedii)”とはイカリソウ(Epimedium grandiflorumMorr)のことである。
【0026】
ここで使用する“知母(Anamarrhena)”とはハナスゲ(Anamarrhena asphodeloides Bge)のことである。
【0027】
種々な植物の水性抽出物(PE)が様々な溶剤で分離された。下の表はERαアゴニスト活性化特性の試験が行われた薬草の水性抽出物の分離物を示す。特に、39はin vitroでERαアゴニスト活性特性を有していることが発見された。
【表1】

【0028】
薬剤組成物
知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの抽出物は溶液形態または乾燥形態で調製できる。知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの抽出物は、エストロゲン組成物で治療可能な1以上の症状または病状の処置または治療のための薬剤組成物(医薬品)の調製に使用できる。このような薬剤組成物(医薬品)はオプションで1以上の薬剤利用可能な賦形剤を含むことができる。溶液形態では知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの抽出物は、風味形態あるいは無風味形態で投与できる。実施例によっては、例えば甘味料である風味料が抽出物の苦味を和らげるのに適していよう。溶液は乾燥抽出物から茶形態あるいはエリキシル形態で調製できる。ここでも甘味料等の風味料の利用が望ましい。不快な味の遮蔽処理で薬剤組成物の患者利用性を高めることもできる。
【0029】
乾燥した抽出物はカプセル薬、錠剤、糖衣錠、等々の経口投与形態に形成できる。カプセル薬は適量の乾燥抽出物を1以上のゼラチンカプセルに封入することで調製できる。錠剤及び糖衣錠は乾燥抽出物を1種以上の結合剤並びにオプションで1種以上の崩壊剤と組み合わせることで調製できる。錠剤、糖衣錠、カプセル薬、等々は、例えば腸溶性コーティング剤でコーティングして胃の不調を防止することができる。
【0030】
乾燥抽出物または濃縮抽出液をゲル化剤と組み合わせてゲルカプセルに入れることができる。あるいは、乾燥抽出物または濃縮抽出液をゲル化剤、及びオプションで風味剤と組み合わせて可食ゲルとして経口投与剤とするか、または坐薬ゲルあるいはゲルカプセルとして非風味形態で投与できる。
【0031】
抽出物の単位用量は投与形態物内に含まれる当量の乾燥抽出物で表すことができる。例えば実施例によっては、単位用量は1mgから約10g(10000mg)の乾燥抽出物またはその当量を含有することができる。実施例によっては、単位用量は約1mgから約10mg、約1mgから約100mg、約1mgから約1000mg(1g)、約1mgから約10000mg(10g)の乾燥抽出物またはその当量を含有することができる。実施例によっては、単位用量は約10mgから約100mg、約10mgから約1000mg、約10mgから約10000mgの乾燥抽出物またはその当量を含有することができる。実施例によっては、単位用量は約100mgから約5000mg、約100mgから約2500mg、約100mgから約2000mg、約100mgから約1500mg、約100mgから約1000mg、約100mgから約800mgの乾燥抽出物またはその当量を含有することができる。実施例によっては、毎日の用量は約1から100gのAnamarrhena asphodeloidesBungeの抽出物の乾燥物である。これは1回の用量として、あるいは分割用量として調製でき、1回分の用量あるいは複数回分の用量として提供される。実施例によっては、毎日の用量は約10から約100g、約10から約80g、約10から約60g、約10から約40g、約20から約100g、約20から約80g、約20から約60g、約20から約40gのAnamarrhena asphodeloidesBungeの抽出物の乾燥物である。実施例によっては、毎日の用量は約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、または約100gの知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせである。知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの当量は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの乾燥抽出物として同量のアポトーシス活性剤を含む知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの乾燥物、液体、ゲルあるいは他の混合物の量である。よって、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの0.5mg/mLの乾燥抽出物を含有する30mLの茶は、乾燥した知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの15mgに該当する単位用量であり、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)またはそれらの組み合わせの乾燥抽出物、結合剤、充填剤、分散剤を100mg含む錠剤は100mgの乾燥抽出物に該当する。
【実施例】
【0032】
以下の説明用の実施例は、本発明者が発明と考えるところをさらに明確にしている。これらの実施例は本発明を限定するものではなく、発明の実施態様を説明するためのものである。
【0033】
実施例1:植物由来エストロゲン受容体α(ERα)作動薬は、乳腺及び子宮の増殖を増大させることなく腹部脂肪蓄積を選択的に回復させる
人間において、更年期(閉経)は約10から15ポンドの体重増加を伴い、腹部に脂肪が再分布される。これにより所謂メタボリック シンドローム、循環器疾患及び2型糖尿病のリスクが増大する。エストラジオール(E2)等の前述エストラゲンは閉経後の女性の体脂肪並びに腹部内及び骨盤内脂肪を減少させる。しかし、E2のごときエストロゲンによるホルモン療法(HT)は乳ガン及び循環器疾患のリスクを増加させる。脂肪蓄積に対しては有効であるが、細胞増殖やガンを誘発させないエストロゲンは閉経後の女性の長期に亘る健康に対して顕著なインパクトを与える。
【0034】
エストロゲン受容体α(ERα)は脂肪蓄積及び乳腺細胞増殖に対するエストロゲンの効果を仲介するが、発明者は一部のERα作動薬がホルモン療法(HT)で一般的に使用されるエストラジオール(E2)のごときエストロゲンよりも安全な組織固有効果を発揮すると推測する。この推測を確認するため漢方薬で利用される50種を超える原料植物抽出物(PE)がERα活性お確認するためにスクリーニングされた。2種のPEがE2のごときEREルシフェラーゼレポータを使用してERα活性を有していたが、E2のようにはMCF−7ヒト乳ガン細胞の増殖は刺激しなかった。これら2種のPEはインターナルアイデンティフィケーションNO(甘草(Glycyrrhiza)の水抽出物から得られたエタノール:水成分)及びNO39(葛根(Pueraria)の水抽出物から得られた酢酸エチル成分)により特定された。
【0035】
動物において2種のPE(39)をテストするため、生後10週間の卵巣摘出C57/B16雌マウスに高脂肪食(HFD)が50日間与えられ、体重と腹部脂肪が増加された。体重増加後、マウスにHFDを与えつつ2種のPEを別々に6週間経口投与した。処置後もビヒクル処置(偽薬)された対照マウスは重量が増加し続けた(9%体重増加)。正対照であるE2処置マウスは20.5%だけ体重を減らした。両方のPE処置群の体重はE2処置マウスに匹敵するレベルにまで体重を大きく減少させた。各動物群の体重増加/体重減少は図1で示されている。
【0036】
対照と較べてPE処置群(39)では腹部脂肪重量はそれぞれ48%または32%減少し、E2処置マウスでは80%減少した。乳腺(MG)及び子宮の成長は、MGと子宮の重量を測定し、全載標本でMGモフォロジーを分析することによって評価された。マウスから得られた子宮とMGの平均重量(g)はそれぞれ図3と図4で示されている。組織学的には対照の乳腺は減少した導管構造を有していたことを示したが、対照マウスのMGはE2処置マウスから得られたものの4倍の重量であった。図4参照。PE処置マウスのMGは減少した管状構造を備えた対照に類似した表現型を有していた。これは表皮組織細胞の増殖がなかったことを示す。結論すれば両方のPE処置群は対照マウスに類似しており、E2処置子宮は対照よりも18倍重かった。図3参照。これらの研究は、それら植物由来ERα作動薬が有効な組織固有効果を有することを示している。すなわちHRTで現在使用されているエストロゲンとは異なり、それらはMGと子宮において増殖効果を引き起こさずに脂肪蓄積を回復させた。
【0037】
これらのテスト結果は、閉経期、閉経後、及び更年期の女性の腹部体脂肪蓄積を減少させるPE(及び39)の可能性を示す。これらテスト結果はまた同じ統計群におけるPEの体重減少の可能性をも示す。これらテスト結果はさらに同じ統計群に対する追加の同時発生効果を誘導する可能性を示す。これにはメタボリック シンドロームの発症あるいは程度の低減、循環器疾患の低減、発症の遅延及び/又は2型糖尿病、等々の低減効果をも含まれる。
【0038】
実施例2:閉経期女性の体脂肪蓄積の減少または体重減少の誘導
更年期(閉経期または閉経後)の女性が1ヶ月から3ヶ月の間、毎日、薬学的に許容であるビヒクル(例:水、糖水、味付水)で成る対照溶液または1mg、10mg、100mgまたは1000mgのビヒクル内甘草(Radix Glycyrrhiza)抽出物、ビヒクル内葛根(Radix Pueraria)抽出物、ビヒクル内甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の組み合わせの抽出物で処置された。ビヒクルのみで処置された女性は対照群として扱われた。薬草抽出物で処置された女性は研究当初に体重、身長及び他の体格寸法(例:腰周り、ヒップサイズ及びバストサイズ)が測定され、研究開始後に1週間、2週間または4週間の間隔で測定が継続された。肥満度指数及び体脂肪率並びに脂肪分布状態が体重及び体格測定値、皮膚厚測定値、水中体重、またはそれらの組み合わせから計算された。研究の終了時に、体重低減、体脂肪分布、腹部周囲の縮小、体脂肪減少及び肥満度減少が観察された。
【0039】
結論
以上、本発明の好適な実施例を説明したが、専門家であればこれら実施例は本発明の単なる例示であることを理解するであろう。専門家であれば本発明から逸脱せずにそれら実施例に多数の変更を加え、一部を置換することが可能であることも理解するであろう。ここで解説した本発明の実施例の様々な代用物が本発明の実施に際して利用可能であることも理解されよう。本発明の真の範囲は「請求の範囲」において定義されており、請求項のスコープ内である本発明の方法及び構造並びにそれらの均等物は「請求の範囲」でカバーされている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪蓄積を減少し、及び/又は体重減少を誘導する方法であって、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びこれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択された1以上の物質を含有した植物抽出物のエストロゲン受容体α(ERα)作動量を、対象に投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された2以上の物質を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された3以上の物質を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)及びそれらの組み合わせの抽出物を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)またはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記植物抽出物は、インヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物、または知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物、またはインヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物の2以上の混合物を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
腹部脂肪の減少を引き起こすことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
脂肪蓄積を減少し、及び/又は体重減少を誘導する組成物であって、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びこれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択された1以上の物質を含有した植物抽出物のエストロゲン受容体α(ERα)作動量を含むことを特徴とする組成物。
【請求項13】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された2以上の物質を含むことを特徴とする請求項12記載の組成物。
【請求項14】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された3以上の物質を含むことを特徴とする請求項12記載の組成物。
【請求項15】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物を含むことを特徴とする請求項12記載の組成物。
【請求項16】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)及びそれらの組み合わせの抽出物を含むことを特徴とする請求項12記載の組成物。
【請求項17】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせを含むことを特徴とする請求項12記載の組成物。
【請求項18】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)またはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物を含むことを特徴とする請求項12から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物を含むことを特徴とする請求項12から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
前記植物抽出物は、インヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物を含むことを特徴とする請求項12から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物、または知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物、またはインヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物の2以上の混合物を含むことを特徴とする請求項12から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
脂肪蓄積を減少し、及び/又は体重減少を誘導する方法であって、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びこれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択された1以上の物質を含有した植物抽出物のエストロゲン受容体α(ERα)作動量を、更年期、閉経期または閉経後の対象に対して、投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された2以上の物質を含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された3以上の物質を含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物を含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項26】
腹部脂肪蓄積の減少を引き起こすことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)及びそれらの組み合わせの抽出物を含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項28】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせを含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項29】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)またはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物を含むことを特徴とする請求項22から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物を含むことを特徴とする請求項22から28のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記植物抽出物は、インヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物を含むことを特徴とする請求項22から28のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物、または知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物、またはインヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物のうち、2以上の混合物を含むことを特徴とする請求項22から28のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
脂肪組織内で選択的エストロゲン受容体α(ERα)を刺激する方法であって、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びそれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択された1以上の物質を含有する植物抽出物の効果量を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された2以上の物質を含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された3以上の物質を含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物を含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項37】
腹部脂肪蓄積の減少を引き起こすことを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項38】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)及びそれらの組み合わせの抽出物を含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項39】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせを含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項40】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)またはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物を含むことを特徴とする請求項33から39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記植物抽出物は、Radix 33−39、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物を含むことを特徴とする請求項33から39のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記植物抽出物は、インヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物を含むことを特徴とする請求項33から39のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物、または知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物、またはインヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物の2以上の混合物を含むことを特徴とする請求項33から39のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
脂肪蓄積を減少し、及び/又は体重減少を誘導する方法であって、脂肪蓄積を減少し、及び/又は体重減少を誘導することを必要とする対象に対して、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、インヨウカク(Herba Epimedii)及びこれらの組み合わせの抽出物で成る群から選択された1以上の物質を含有した植物抽出物の効果量を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項45】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された2以上の物質を含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物で成る群から選択された3以上の物質を含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、及びインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物を含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項48】
腹部脂肪蓄積の減少を引き起こすことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項49】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)及びそれらの組み合わせの抽出物を含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項50】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)及び葛根(Radix Pueraria)の抽出物の組み合わせを含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項51】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)またはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物を含むことを特徴とする請求項44から50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記植物抽出物は、知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)、またはインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物を含むことを特徴とする請求項44から50のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記植物抽出物は、インヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物を含むことを特徴とする請求項44から50のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記植物抽出物は、甘草(Radix Glycyrrhiza)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)のエタノール:水抽出物、または知母(Radix Anamarrhena)、甘草(Radix Glycyrrhiza)、葛根(Radix Pueraria)若しくはインヨウカク(Herba Epimedii)の抽出物の酢酸エチル分離物、またはインヨウカク(Herba Epimedii)の水性抽出物の2以上の混合物を含むことを特徴とする請求項44から50のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−7】
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【公表番号】特表2012−525412(P2012−525412A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508650(P2012−508650)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/032785
【国際公開番号】WO2010/129343
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(507200569)バイオノボ・インコーポレーテッド (24)
【Fターム(参考)】