説明

脈圧信号の測定システムおよびその測定方法

【課題】本発明の測定システムおよび測定方法を応用し、医療者が3本の手指で血管を押さえる技巧を簡易的に模し、より正確な脈診の判断材料と病状の参考になるデータを提供する。
【解決手段】本発明の脈圧信号の測定システムおよびその測定方法は、少なくとも1つのエアサックが空気充填と空気抜きの間に体積を膨張させることを利用し、人体四肢の脈圧信号を検出するものである。測定システムは、センサー装置とホスト装置を備え、センサー装置は、人体四肢動脈位置上に配置され、1つまたは1つ以上のエアサックを備える。ホスト装置はセンサー装置内のエアサックの空気充填と空気抜きを制御し、そのエアサック内圧力の変化を測定することにより、脈圧信号の記録と分析を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脈拍圧力信号の測定システムおよびその測定方法に関するものであって、特に、配列を組み合わせたエアサックを利用し人体四肢脈拍信号を検出する測定システムおよびその測定方法に関するものである。脈拍圧力信号とは、センサーにより取得されたカフ内の圧力信号を指し、以下脈圧信号という。
【背景技術】
【0002】
人体の循環器系の心臓血管系疾病を診断する方法については、西洋医学では、心電図、血管造影法、超音波検査、血管からカテーテルを挿入して圧波形を測定するカテーテル検査等の方式がある。しかし、伝統的な中国医学では、総じて脈診と呼ばれる方法があり、この方法については、科学化を目標とした多くの研究がなされている。
【0003】
一般的に人間の腕には動脈が2本(橈骨動脈と尺骨動脈)あり、親指の下側にあるのが橈骨動脈であり、通常脈診時に使われる位置である。中国医学の脈診は、橈骨動脈の拍動を触知して得た情報を通じて人体内外の生理的病理変化を判断するものである。研究の中には、これらの情報と血流の変化の状態、分配比率および心臓の周波数やリズム等のパラメータは関連があると考えるものがあり、中国医学の脈診の内容は様々で、深く追求するに値する診断方法である。
【0004】
中国医学の脈診の定義と西洋医学の血圧に対する定義には似た部分があり、両者はどちらも外部から血管に圧力をかけることにより、圧力を叙々に低下させ、血管の反応状態を観察するものである。伝統的な中国医学の脈診は、医療者の手指の腹を腕部橈骨動脈の位置上に置き、三指を用いた特殊な押さえ方により脈状を感知し、総合的な情報を通じて病状診断の補助とする。
現在、脈診ツールの先行技術はあるが、ほとんどが単点センサーを採用し単一の橈骨動脈に直立に立てて測定を行うものであり、医療者の三指で血管を押す方法を精確かつ簡易的に模すことはできず、測定過程においてもかなりの困難度を有し、時間や手間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、配列を組み合わせたエアサックの、空気を充填した時と空気を抜いた時の異なる程度の膨張状態を利用し、間接的に動脈血管上に圧力を加えることで、血流を妨げて脈圧を測定する効果を達成する、脈圧信号の測定システムおよびその測定方法を提供することにある。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、異なる加圧パターンの序列組み合わせ条件にもとづき、エアサックの空気充填と空気抜きを制御し、更に中国医学の医療者が脈を取る時の手指の複雑な操作手法を模した、脈圧信号の測定システムおよびその測定方法を提供することにある。
【0007】
本発明の更なる目的は、心臓血管の生理的機能のモニタリングまたは中国医学の脈診の科学化の分野において、非挿入式電子診断装置から得られる脈圧信号およびパラメータにより、心臓血管機能の評価または中国医学の脈診のスペクトルグラフデータベースの構築を行い、判断および参考にできる根拠となる実際的データを提供するとともに、医師の臨床における長期的モニタリングおよび心臓血管生理分析を補助する用途に応用できる、脈圧信号の測定システムおよびその測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明の提案する脈圧信号の測定システムおよびその測定方法は、医療者の脈診時の加圧の大きさを数量化し客観的に記録するだけでなく、医療者の三指で血管を押さえる経験性の技巧を模するものである。
【0009】
本発明が開示する脈圧信号の測定システムは、センサー装置とホスト装置を備える。センサー装置は少なくとも1つのエアサックを備え、エアサックは人体四肢動脈の位置上に配置する。ホスト装置はエアサックのサック内圧力を制御し、サック内圧力の変化を測定し、人体四肢動脈の脈圧信号を取得するのに用いられる。
【0010】
更に本発明が開示する脈圧信号の測定方法は、少なくとも1つのエアサックを備えるセンサー装置を人体四肢動脈の位置上に配置するステップと、エアサックのサック内圧力が特定圧力値に達するよう制御するステップと、エアサックのサック内圧力が特定圧力値に達した時、人体四肢動脈の脈圧信号を記録するステップを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の提案する脈圧信号の測定システムおよびその方法によれば、1つまたは1つ以上のエアサック(例えば、M×Nの配列式エアサック)を利用して脈拍信号の測定を行うことができ、その実施方式は、異なる配列パターンの組み合わせ条件下において、血流を妨げて脈拍圧力を測定する効果を達成できる。この他にも、本発明の測定システムおよびその方法によれば、異なるニーズにもとづき、エアサックのサック内圧力を変えることができ、エアサックの配列は1つの配列測定方式に限定されず、その方法により、異なる加圧パターンの序列組み合わせ条件下において、更に中国医学の医療者が脈を取る時の手指の複雑な操作手法を模すことができる。
【0012】
更には、本発明の開示する脈圧信号の測定システムおよびその方法は、動脈圧力を測定するシステムおよび方法であり、本発明の実施例で述べる脈拍圧力の測定に用いられるだけでなく、例えば橈骨動脈、足背動脈等の骨に近い身体の浅い表面に位置する動脈の信号を人体の四肢から取得することができる。以下に述べる実施例は、本発明の技術思想の解釈のために用いるに過ぎず、本発明は人体腕部の脈圧信号の測定に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明実施例の測定システムの構造を示す図。
【図2(a)】本発明実施例のセンサー装置の構造を示す図。
【図2(b)】本発明実施例のエアサックの空気充填前の構造を示す図。
【図2(c)】本発明実施例のエアサックの空気充填後の構造を示す図。
【図3】本発明実施例のエアサックの構造分解図。
【図4(a)】本発明実施例の測定システムのシステムブロック図。
【図4(b)】本発明のもう1つの実施例の測定システムのシステムブロック図。
【図4(c)】本発明のもう1つの実施例の測定システムのシステムブロック図。
【図5】本発明実施例の測定システムの操作を示す図。
【図6】本発明実施例の脈圧信号の測定方法のステップフローチャート。
【図7】図4(a)のエアサックの異なる配列の組み合わせで測定する時の、加圧パターン図。
【図8】本発明実施例の脈圧信号の測定方法のステップフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の目的、技術内容、特徴、達成される効果の更なる理解のために、以下に具体的実施例と図面を参照しながら詳しく説明する。
【実施例】
【0015】
図1は本発明実施例の測定システムの構造を示す。この種の測定システムは、人体四肢動脈の脈圧信号を検出するのに適している。以下に述べる実施例では、人体腕部の脈圧信号を検出する測定システムを例に挙げるが、脈圧信号の測定はこれに限定されない。
この測定システムは、センサー装置10とホスト装置20を備える。センサー装置10は1つまたは1つ以上のエアサック12を備え、エアチューブ30によりホスト装置20と接続される。本発明の実施例にもとづき、ホスト装置20は、センサー装置10内の各エアサック12のサック内圧力(空気充填時および空気抜き時のエアサック12を含む)の制御を請け負い、エアサック12のサック内圧力の変化を測定し、これにより脈圧信号の測定と分析を行う。
【0016】
図2(a)から図2(c)を参照されたい。図2(a)中のセンサー装置10は6個のエアサック12を含み、配列は2×3のマトリクス状配列を例とする。しかし本発明はこれに限定されない。この技術分野を熟知する者は、実際の応用に必要とされるサック数にもとづきエアサック12の個数または配列形状を決めることができる。図2(b)はエアサックの空気充填前の形状であり図2(c)はエアサックの空気充填後の形状であり、その細部は図3も合わせて参照されたい。
【0017】
エアサック12はエア取り込み口102、上蓋104、複数の折りマチ層106および下蓋108を含む。エア取り込み口102はエアチューブ30に接続し、ホスト装置20は相互連通したエアチューブ30とエア取り込み口102を経由して、エアサック12への空気充填と空気抜きの動作を行う。
複数の折りマチ層106は上蓋104と下蓋108の間で折り畳まれ、その中心にはエア取り込み口102に連通する開孔106aを有する。本発明の実施例に基づき、折りマチ層106は複数層のプラスチック薄片を重ね合わせて密封したものから成る低弾性材料により作成されるものでもよい。これにより、ホスト装置20は、エア取り込み口102の空気充填および空気抜きの繰り返しにより、エアサック12のサック内圧力を調節する時、折りマチ層106の設計は、エアサック12の原型を維持し、エアサック12の空気充填後の構造を強化するためだけでなく、エアサック12が膨張した後の体積の増加にも用いられる。
【0018】
図4(a)は本発明実施例の測定システムのシステムブロック図である。本実施例のセンサー装置10は2×3のエアサック12を有するものを例に挙げる。
各エアサック12は、圧力センサー12aを備える。例えば、圧力センサー12aは、エアサック12のサック内圧力を検出するためのものであり、抵抗式圧力センサーに限定されない。各エアサック12はソレノイドエアバルブ306に対応接続し、ソレノイドエアバルブ306とホスト装置20の間には、エアポンプ302とエアベントバルブ304を備える。これにより、ホスト装置20中のマイクロプロセッサ202はエアポンプ302、エアベントバルブ304およびソレノイドエアバルブ306を制御し、各エアサック12の空気注入量を調節する。図中の太線はエアパイプの線路を表し、細線は電子信号線を表す。
【0019】
図5を参照されたい。センサー装置10を使用者の腕18の動脈位置上に配置し、エアサック12に空気が充填され特定圧力値に達した時、前記腕部血管の脈動によりエアサック12が押され、エアサック12のサック内圧力に変化が生じる。
この状況下で、圧力センサー12aは前記圧力変化を検出するとともに、その空気圧力信号はホスト装置20に出力される。その後、図4(a)が示すように、ホスト装置20中の圧力センサー回路208は圧力センサー12aが出力した空気圧力信号を電子信号に変換する。マイクロプロセッサ202は前記電子信号を受信し、これに接続されたアナログ・デジタル・コンバーター214により、前記電子信号はデジタルデータに変換され保存および処理される。
こうして、本発明の実施例にもとづき、ホスト装置20はエアサック12のサック内圧力を制御し、その圧力変化を測定し、腕18の動脈の脈圧信号を記録するだけでなく、ホスト装置20は更に、演算処理後の結果にもとづき、再度エアポンプ302とエアベントバルブ304を制御し、エアサック12の空気充填および空気抜きの繰り返し動作を達成する。
【0020】
本発明の測定システムの精度を高めるため、図4(b)が示す、ホスト装置20は、圧力センサー回路208とマイクロプロセッサ202の間を電気的接続するフィルター回路212を更に備える。フィルター回路212は、圧力センサー回路208が出力した電子信号中の高周波ノイズを受信ならびにフィルタリングするのに用いられ、アナログ・デジタル・コンバーター214と接続することにより、マイクロプロセッサ202の脈圧信号の分析の精確度を高める。
【0021】
図4(c)は本発明のもう1つの実施例の測定システムのシステムブロック図である。前述のマイクロプロセッサ202、アナログ・デジタル・コンバーター214および圧力センサー回路208以外にも、ホスト装置20は、マイクロプロセッサ202に電気的接続する記憶装置204、通信装置206またはディスプレイ装置210を備える。記憶装置204は例えばSDメモリーカードのような記憶装置であり、マイクロプロセッサ202により測定され得られた信号をその中に記録する。通信装置206は例えばUSB規格の通信伝送装置でり、マイクロプロセッサ202により測定され得られた信号を伝送する。ディスプレイ装置210は例えばグラフ表示タイプの液晶ディスプレイであり、マイクロプロセッサ202により得られた、リアルタイム脈拍信号、差分信号、積分信号、心拍数およびエアサック内の圧力値を含む信号を表示し、医師の脈診判断材料および参考材料に用いられるデータを提供する。
【0022】
この他にも、本発明が開示する測定システムは、全てのエアサック12に十分な空気が充填された時、マイクロプロセッサ202が測定した脈圧信号は血圧信号と見なされ血圧測定の役割を果たす。
【0023】
次に、図5が示すように、測定過程において、センサー装置10は位置固定ラック16によりエアサック12と腕18の間の位置を制限できる。位置固定ラック16はC型リングに限定されない。腕18の異なる太さにもとづきセンサー装置10の位置を調節できるだけでなく、エアサック12を腕部動脈位置上に貼り付けることもできる。位置固定ラック16によりセンサー装置10を測定部位に固定でき、測定過程中のエアサック12が膨張により押される力のせいでセンサー装置10がずれたり、測定精度に影響をおよぼしたりすることがない。
【0024】
図6は、本発明実施例の脈圧信号の測定方法のステップフローチャートである。本発明の測定方法の説明については、図1および図5の部分を合わせて参照されたい。本発明が提案する測定方法は図1と図5の測定システムの応用に限定されない。以下の説明は本発明の技術思想を解釈するためのの好ましい実施例に過ぎない。本発明が提案する測定方法は主に以下のステップを含む。
ステップS21:少なくとも1つのエアサック12を備えるセンサー装置10を腕18の動脈位置上に配置する。
ステップS22:エアサック12のサック内圧力が特定圧力値に達するよう制御する。
ステップS23:エアサック12のサック内圧力が特定圧力値に達した時、腕18の動脈血管は脈動によりエアサック12を押すので、エアサック12のサック内圧力に変化が生じる。この時、ホスト装置20は腕18の動脈の脈圧信号を記録する。
【0025】
本発明は異なる特定圧力値にもとづき、エアサックの空気充填程度について、無、軽、中、重の4段の加圧パターンを設計し、その圧力の作業区分はそれぞれ、無圧が0mmHg(ミリメートル水銀柱)、軽圧が30〜80mmHg、中圧が80〜120mmHg、および重圧が120〜180mmHgの圧量範囲とする。
これにより、異なるエアサックの作業条件はそれぞれ、無圧力作業エアサック、補助測定エアサック、主要測定エアサックおよび血管ブロックエアサックの名称で定義される。各エアサックの上述した4種類の圧力状態にもとづき、異なる配列組み合わせで測定時の加圧パターンを変えることができる。
図7は、図4(a)のエアサックの異なる配列組み合わせでの測定時の加圧パターンにもとづいた、2×3の配列形式によるエアサックの多種配列組み合わせの応用であり、その目的は、血管が圧迫された時の圧力信号変化を測定することにある。その加圧パターンの機能を説明するため、図7中のA組を例に挙げる。その目的は、後方血管を圧迫し、前方血管の脈拍信号を測定することにある。C組は、前方血管を圧迫し、後方血管の脈拍信号を測定する。
【0026】
この他にも、本発明が開示する測定方法では、全てのエアサックの空気が十分に充填され特定圧力値に達した時、完全なエアサックと見なされる。そして、この完全なエアサックの反応により生じた脈圧信号は血圧信号と見なされ、血圧測定の役割を果たす。
【0027】
図8を合わせて参照されたい。本発明が提案する測定方法は、ホスト装置による自動制御と操作者による手動制御の2種類の測定モードを含む。まず、ステップS32が示すように、操作者が自動モードを選択したか否かをシステムが判断する。「はい」の場合は自動モードになる。その後、ステップS34が示すように、システムは操作者が記憶モードを選択したか否かを判断する。「はい」の場合は、エアサックに前回測定時の空気充填量と充填パターンがそのまま読み込まれ、測定手順に進む。操作者がステップS34で記憶モードを選択しなかった場合は、ステップS36に示すように、操作者は図7に示す予め設定されたエアサックの空気充填パターンの中から1つ選択した後、測定手順に進む。
【0028】
もし、操作者がステップS32で自動モードを選択しなかった場合、システムはステップS38からS42に進む。即ち、操作者の手動制御モードである。この手動モードでは、操作者は必要に応じて測定手順を拡充でき、自動モードに比べその設定は柔軟性がある。
例えば、操作者は予めエアサックの空気充填量と充填パターンを設定でき、10より小さい数字を入力した後、エアサックの加圧圧力設定から始まり、各エアサックの空気充填程度を設定し、システムが操作者の設定したパターンを全て確定したところで設定が完了し、システムは測定手順に進む。
【0029】
その後、ステップS44が示すように、システムは測定手順を開始し、続いて、ステップS46が示すように、マイクロプロセッサによりエアポンプ、ソレノイドエアバルブおよびエアベントバルブが制御され、指定モードと特定圧力値に達するまでエアサックに空気が充填される。
その後、ステップS48が示すように、システムはエアサックが特定圧力値に達したか否かを判断し、「いいえ」の場合、空気充填が完了するまでエアサックへの空気充填が継続される。「はい」の場合、システムはステップS50の実行を開始し、人体脈拍信号の測定および記録が行われる。
記録完了後、ステップS52が示すように、システムは全てのパターンでの測定が皆完了したか否かを判断し、「いいえ」の場合、ステップS54へ進み、次の測定パターンによる測定を開始し、システムが全てのエアサックの選択パターンの測定が完了したと判断されるまで続けられ、測定工程は終了する。
【0030】
本発明が開示するホスト装置の演算コアは、シングルチップマイクロプロセッサによるシステムの制御とデータ保存を容易に実現できるだけでなく、自動および手動2種類のモードにより信号の測定を行うことができる。自動モードは、システムが予めの設定した手順にもとづき迅速に測定を完了でき、そのエアサック配列の加圧パターンは一種類の序列組み合わせに限定されない。本システムの測定使用柔軟性を高めるために、必要であれば、異なる押し方モードで測定し、使用者は手動モードによりシステムの測定手順を調整でき、使用者が自ら必要な序列個数および加圧パターンを設定し、設定にもとづき信号測定を行い、前記設定モードでの測定信号を取得し、記憶装置に保存することができる。
【0031】
以上に述べた実施例は本発明の技術的思想および特徴を説明したに過ぎず、その目的は、この技術分野を熟知した者が本発明の内容を理解して実施できるようにすることであり、本発明の特許範囲を限定するものではない。本発明の精神から離れない範囲で加えた変更や潤色は全て、本発明の特許保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
10 センサー装置
12 エアサック
12a 圧力センサー
16 位置固定ラック
18 腕
20 ホスト装置
30 エアチューブ
102 エア取り込み口
104 上蓋
106 折りマチ層
106a 穴
108 下蓋
202 マイクロプロセッサ
204 記憶装置
206 通信装置
208 圧力センサー回路
210 ディスプレイ装置
212 フィルター回路
214 アナログ・デジタル・コンバーター
302 エアポンプ
304 エアベントバルブ
306 ソレノイドエアバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体四肢の動脈位置上に配置され、少なくとも1つのエアサックを備えるセンサー装置と、
前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力を制御し、そのサック内圧力の変化を測定することにより、前記人体四肢動脈の脈圧信号を取得するホスト装置と、
を備えることを特徴とする脈圧信号の測定システム。
【請求項2】
前記センサー装置は複数の前記エアサックを更に備え、かつ前記エアサックはマトリックス状に配列されることを特徴とする、請求項1に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項3】
エアポンプ、エアベントバルブおよび少なくとも1つのソレノイドエアバルブを更に含み、前記エアポンプと前記エアベントバルブは前記少なくとも1つのソレノイドエアバルブに接続し、前記ホスト装置は前記エアポンプと前記エアベントバルブを制御し、少なくとも1つのソレノイドエアバルブにより前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力を調節することを特徴とする、請求項1に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項4】
前記センサー装置は、前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力を検出するのに用いる少なくとも1つの圧力センサーを備え、
前記ホスト装置は圧力センサー回路とマイクロプロセッサを備え、
前記圧力センサー回路は前記少なくとも1つの圧力センサーに接続し、前記少なくとも1つの圧力センサーが出力する空気圧信号を電子信号に変換して出力し、
前記マイクロプロセッサは前記電子信号にもとづき前記人体四肢動脈の脈圧信号を記録することを特徴とする、請求項1に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項5】
前記ホスト装置は、前記圧力センサーと前記マイクロプロセッサの間を電気的接続するフィルター回路を更に備え、前記フィルター回路は前記電子信号中の高周波信号を受信並びにフィルタリングし、前記マイクロプロセッサにより人体四肢動脈の脈圧信号を記録することを特徴とする、請求項4に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項6】
前記ホスト装置は、前記マイクロプロセッサが記録した前記人体四肢動脈の脈圧信号を保存するのに用いる記憶装置を更に備えることを特徴とする、請求項4に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項7】
前記ホスト装置は、前記マイクロプロセッサが記録した前記人体四肢動脈の脈圧信号を伝送するのに用いる通信装置を更に備えることを特徴とする、請求項4に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのエアサックはエア取り込み口、上蓋、下蓋および複数の折りマチ層を有し、前記ホスト装置は前記エア取り込み口により前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力を調節し、前記折りマチ層は前記上蓋と前記下蓋の間で折り畳まれたものであり、前記少なくとも1つのエアサックの膨張後の体積を増加させることを特徴とする、請求項1に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項9】
前記センサー装置の固定に用いられ、前記少なくとも1つのエアサックと前記人体四肢動脈の間の位置を制限するための位置固定ラックを更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項10】
全ての前記エアサック内の空気が十分に充填された時、前記人体四肢動脈の脈圧信号が血圧信号と見なされることを特徴とする、請求項1に記載の脈圧信号の測定システム。
【請求項11】
脈圧信号の測定方法であり、
少なくとも1つのエアサックを備えるセンサー装置を人体四肢動脈の位置上に配置するステップと、
前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力が特定圧力値に達するよう制御するステップと、
前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力が前記特定圧力値に達した時、前記人体四肢動脈の脈圧信号を記録するステップと、
を含むことを特徴とする、脈圧信号の測定方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力が前記特定圧力値に達するように制御する前のステップとして、前記少なくとも1つのエアサックの空気充填量と充填パターンを決定し、選択されたエアサックのサック内圧力が前記特定圧力値に達するよう制御するステップを更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の脈圧信号の測定方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力が前記特定圧力値に達するように制御する前のステップとして、前記少なくとも1つのエアサックの前回の空気充填量と前回の空気充填パターンを読み込み、前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力が前記特定圧力値に達するよう制御するステップを更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の脈圧信号の測定方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力を前記特定圧力値に達するよう制御するステップは、ホスト装置による自動制御または操作者の手動制御によるものであることを特徴とする、請求項11に記載の脈圧信号の測定方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのエアサックのサック内圧力が前記特定圧力値に達していない時、前記少なくとも1つのエアサックへの空気充填を継続することを特徴とする、請求項11に記載の脈圧信号の測定方法。
【請求項16】
全ての前記エアサックのサック内圧力が皆前記特定圧力値に達した時、前記エアサックは、血圧を測定するための完全なエアサックと見なされることを特徴とする、請求項11に記載の脈圧信号の測定方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−43084(P2013−43084A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179893(P2012−179893)
【出願日】平成24年8月14日(2012.8.14)
【出願人】(506255902)中原大學 (14)
【Fターム(参考)】