説明

脈管を接合するためのデバイス

【課題】二本の脈管を縫目なしで接合するためのデバイスを提供する。
【解決手段】このデバイスは、主脈管10と、バイパス脈管80と、主脈管の端部およびバイパス脈管の端部の内部に配置されている接合用移植片70と、接合用移植片を各脈管に封止するための外側向きの力を出す主脈管内側ステントアンカー116およびバイパス脈管内側ステントアンカー115と、主脈管の端部およびバイパス脈管の端部を接合用移植片の周りで封止するための外側アンカー142とを備え、主脈管およびバイパス脈管が、接合用移植片を介して流体の連通を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.発明の分野)
本発明は、2本の脈管(vessels)を接合するための医療用具と方法とに関する。さらに具体的には、本発明は、2つの脈管を接合するための接合用デバイス(coupling device)としての、移植片(grafts)、ステント(stents)及び他の脈管内デバイス(endovascular devices)を使用するための装置と方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の記述)
脈管内移植片、ステント、及び類似のデバイスは、血管を通過する血流を助けるか、該血流を修復するか又は該血流をバイパス(側副路)に通すための技術において知られている。理解されると思うが、これらの従来技術の諸デバイスは、該デバイスを患者の脈管系(vasculature;脈管構造体)に運んで適切に接合するための手術を行う間、熟練と正確さとが必要である。例えば、移植片はバイパスを必要とする。移植片を適切な位置に運ぶことに関連する困難さとは別に、従来、典型的な大腿部−大腿部(femoral-femoral)バイパス又は大腿部−膝窩(femoral-popliteal)バイパスにおいて、バイパス移植片は、生来の血管に手作業で縫合しなければならなかった。移植片を手術によって縫合することは、単調で時間のかかるプロセス(処置)であり、安全で漏れのない接合を達成するための十分な技術と経験とが必要である。漏れのような望ましくない結果は、珍しいことではなく、部分的に修正すべき又は補足すべき縫合過程が必要である。縫合過程によって不都合な結果が引き起こされることは、従来技術のこれら移植片及び類似デバイスに関する明らかな欠点である。
従って、当該技術において未だに解決されていない、脈管内の治療と修復とを行うための改善されたデバイス(例えば、生来の血管に対する接合用デバイス、バイパス用移植片、等)と方法とを求める長い間の切実な要求が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明によって、上述の実施上の問題が克服されるだけでなく、新たな利点も提供される。本発明の1つの目的は、2本の脈管を接合する縫目なし方法を提供することである。本発明のもう1つの目的は、生来の血管に人工移植片を接合する縫目なし方法を提供することである。本発明のもう1つの目的は、脈管系の端部−端部を接合するためのデバイスと方法とを提供することである。本発明の更にもう1つの目的は、脈管系の端側(end-to-side;端部−側部)を接合するためのデバイスと方法とを提供することである。
本発明の、これら及び他の諸目的と諸利点とは、脈管内の管と移植片とを封止するための内側アンカー及び/又は外側アンカーを包含する人工移植片接合用デバイスによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの面による、諸脈管を接合するためのデバイスは、主幹と、前記主幹に結合されている第1のステントアンカー及び第2のステントアンカーと、前記主幹から伸びている移植片延伸部分とを備えている。内側アンカー及び外側アンカーと共に、バイパス脈管が備えられており、しかも、内側アンカー及び外側アンカーは協同して、該移植片延伸部分及び該バイパス脈管を封止する。
【0005】
本発明のもう1つの面による、諸脈管を接合するためのデバイスは、1つの端部を有する主脈管と;1つの端部を有するバイパス脈管と;前記主脈管の端部及び前記バイパス脈管の端部の周囲に配置されている接合用移植片と;を備えている。前記主脈管を前記接合用移植片に封止するために、主脈管内側ステントアンカーが配置されており、また、前記バイパス脈管を前記接合用移植片に封止するために、バイパス脈管内側ステントアンカーが配置されており;そうされることによって、前記主脈管及び前記バイパス脈管は、前記接合用移植片を通って流体の連通を保持している。
下記事項が諸図面の説明を可能にすることを考えれば、本発明によるデバイス及び方法は、明らかになる筈である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の1つの利点は、主脈管に対する人工脈管等の、端部−端部接合を行うための代替的方法とデバイスとを提供することである。好ましい典型的な具体例において、供給脈管(feeding vessel)の中にバイパス移植片もドナーの脈管も挿入することなく、端部−端部接合が達成される。本発明のもう1つの利点は、人工脈管等を用いるか又は人工脈管等を用いないで、ドナーの脈管を主脈管に接合するための方法とデバイスとを提供することである。本発明の更にもう1つの利点は、人工脈管及び/又はドナーの脈管を主脈管に端部−側部で接合するための方法とデバイスとを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明によって、諸脈管の端部−側部縫目なし接合(end-to-side sutureless coupling)を行うための移植片接合用デバイスの具体例の平面図である。(実施例1)
【図2】本発明によって、諸脈管の端部−側部縫目なし接合を行うための移植片接合用デバイスのもう1つの具体例の平面図である。(実施例2)
【図3】本発明によって、諸脈管の端部−端部縫目なし接合を行うための移植片接合用デバイスの1つの具体例の平面図である。(実施例3)
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(好ましい態様の詳細な記述)
本発明は幾分、内側及び外側のステント様構造体がアンカー及び封止材として役立って、2本以上の脈管の縫目なし接合(sutureless coupling)を容易にするのに適合し得るという発見に基づいている。本発明は、端部−端部及び端部−側部を吻合する方法とデバイスとに関連して記述するが、当業者は、本発明が種々の分野における多くの用途に適合し得ることを容易に理解するであろう。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明による、端部−側部を吻合するための移植片接合用デバイス1の、現時点で好ましい具体例を示す。図1に表されるように、生来の脈管10にはある種の疾患又は閉塞11があり、脈管系のある遠位点までの流れを保持するためのバイパス移植片が必要である。そのような状況は、大腿部−大腿部(femoral-femoral)又は大腿部−膝窩(femoral-popliteal)のバイパス処置にはよくあることである。理解されると思うが、端部−側部吻合の場合、移植片が取り付けられる部位に対して遠位の流れを維持することが望ましいと考えられる。そのような処置において、生来の脈管10は、外科医が脈管10の側壁に切り込み12を入れるのを可能にする切開処置においてアクセスされる(accessed)であろう。外科医は、利用可能な脈管10に直接アクセスを行なって、移植片接合用デバイス1の主幹20を脈管10の内側13に配置する。外科医は、デバイス1を配置する場合、移植片の延伸部分30を切り込み12から突き出させる。
【0010】
近位及び遠位の主幹アンカー(15,16)は、主幹20を、切り込み12及び移植片延伸部分30に対して近位部及び遠位部において生来の脈管10に封止するのに役立つ。アンカー(15,16)は、主幹20と一体化していてもよいし、又は代替的に、第2の段階で配置してもよい。アンカー(15,16)は、半径方向に広がるか;又は、主幹20を所定位置に摩擦によって封止するための外向きの力を出す;内側アンカーであるのが好ましい。代替的には、半径方向に押え付けるか;又は、内向きの力を出す;外側アンカーを用いてもよい。
バイパス移植片40は、接合用の移植片延伸部分30を覆って伸びている。移植片延伸部分30は、その直径がバイパス移植片40の内径に近似されるような大きさに作られているのが好ましい。バイパス移植片40内部の内側移植片アンカー41が外向きの力を出すのに対して、外側移植片アンカー42は内向きの力を出す。これらのアンカーからの向かい合う力によって、移植片延伸部分30とバイパス移植片40の間の封止(seal)が確実と成る。代替的に、内側移植片アンカー41のみ、又は外側移植片アンカー42のみを用いることができるかも知れない。しかし、当業者には理解されるだろうが、両方のアンカーを用いることによって生じる向かい合う力が、封止、該デバイスの構造的完全性(structural integrity)、および該デバイスの位置決めの維持のために好ましい。
【0011】
本発明によるそれらアンカーは、適切な材料であれば如何なる材料で造ってもよく、また、適切な形状(configuration;相対的配置)であれば如何なる形状で成形してもよい。内側アンカー及び外側アンカーは、ステント様特性を示すのが好ましい。ステント様の内側アンカー及び外側アンカーは、両方とも超弾性を特徴とすることがあり、或いは、代替的に一方又は両方が可塑的に(plastically)変形し得ることがある。
超弾性の外側ステントと一緒にした、可塑的に変形する内側ステントの場合、封止圧力(sealing pressure)は、該内側ステントのバルーン拡張(balloon dilation)によって調整することができるであろう。該内側ステントは直径が徐々に大きくなるので、それによって超弾性の外側ステントの直径が大きくなり、そうなることにより、脈管に移植片を封止するのに該外側ステントによって出される内向きの力が増大する。
【0012】
可塑的に変形し得る外側ステントの場合、移植片、脈管、及び両方のアンカーステントの拡張を内側で強要するバルーンを用いて、類似の効果を達成することができる。代替的に、変形し得る該外側ステントは、手作業で縮みじわを作るか又は直径を抑制して、超弾性の内側ステントに再びいっそう固く固定することができ、また、そうすることによって、封止圧力を高めることができる。
外側アンカーと内側アンカーの両方が超弾性である場合、結果として得られる封止圧力であって予測可能な圧力又は予定圧力によって、それらアンカーがそれら直径の範囲を超えて互いを固定する(engage;しっかり留める)ような具合に、それらアンカーの直径は設定されるであろう。従って、外側アンカーの記憶直径(memory diameter)は、(やり方にもよるだろうが)外側の移植片又は脈管の予想される外径よりも小さいのに対し、内側アンカーの記憶直径は、内側の移植片又は脈管の予想される内径よりも大きいようである。
【実施例2】
【0013】
図2に表される、端部−側部吻合のための代わりの典型的な具体例において、移植片延伸部分30及びバイパス移植片40の役目は、該移植片延伸部分が外側にあり、該バイパス移植片が内側にあるような具合に逆となる。この典型的な具体例によると、外側のステント様アンカー42は、外骨格としての移植片延伸部分30と一体化しているかも知れない。この典型的な具体例は、脈管部位又は接合部位に対して外部とアクセスすることなく、該デバイス及び接合過程を達成することができるという点で、侵襲性(invasive)がいっそう小さい処置の可能性を提案する。
【0014】
手術中、大腿動脈10(又は、他の目標脈管)へのアクセスは、脈管内処置の技術において周知の通常の手段によって達成される。バイパス移植片40が主脈管10に接合される部位に、ガイドワイヤー(guide wire;誘導線)(図示せず)を送る。一旦適切に配置されたならば、その領域への血流量は、幾つかの他の脈管内手法(例えば、その部位の近位に、好ましくは該ワイヤーの接合点の近位にバルーンを配置すること)によって減少する。望ましい接合部位は、通常の熟練者の技術の範囲内の脈管内技術を用いて、慎重に穿刺(puncture)を行ない拡張する。主幹20と、移植片延伸部分30と、内側アンカー(15,16及び41)とを有する移植片接合用デバイス1は、(図示されない)送り出しデバイスの中に圧迫された状態で装填されている。送り出しデバイスは、ガイドワイヤーに沿って所望の部位まで進める。送り出し装置は、移植片延伸部分30を去る第2のガイドワイヤーの位置決めを可能にするのが好ましい。
【0015】
第1のガイドワイヤーは、主脈管の中に残すのに対し、第2のガイドワイヤーは、穿刺部位の脈管10を去るように誘導する。アンカー(15,16)は、移植片接合用デバイス1の主幹20を主脈管10の中に封止するように配置する。この典型的な具体例における外側アンカーの外骨格42は、可塑的に変形し得るのが好ましい。従って、処置のこの時点で、バルーンは、第2のガイドワイヤーに沿って外側アンカー42の位置に進み、次いで、そのバルーンは部分的に、バイパス移植片40が収容できる直径まで拡張する。
【0016】
他のある種の内視鏡的な低侵襲技術を用いて、バイパス移植片40を取り付け部位まで誘導するのが好ましい。該移植片を進めるのに用いるデバイスは、上述のように脈管を通して穿刺を行なった第2のガイドワイヤーを配置してスネア(snare)を行う能力を有していなければならない。一旦、ガイドワイヤーが首尾よく配置されたならば、バイパス移植片40は、(前述のように、部分的に拡張されているのが好ましい)移植片延伸部分30の中に進むことができる。次には、内側アンカー41を第2のガイドワイヤーに沿って進めて、バイパス移植片40の内側に配置することができる。
内側アンカー41の内側における、最終的なバルーンの膨張によって、外側アンカー42は十分に拡張されて、内側アンカーと外側アンカーが十分に締めつけられて十分な封止を与える。従って、この時点で、外部からの手作業による、接合部位に対するアクセスを行なうことなく、それら脈管は一緒に接合されてしまった。バイパス移植片の反対端(opposite end)が適切に終了した時、血流は回復することができる。
【実施例3】
【0017】
図3は、端部−端部吻合のための、現時点で好ましい本発明の典型的な具体例を表す。本発明のこの典型的な具体例による端部−端部吻合のためのデバイス及び処置手順は、バイパス移植片が人工移植片ではなく採取した脈管である場合、とりわけ好ましい。図3に示されるように、一方の脈管をもう一方の脈管の内側に挿入するのでもなく、それらの各々の端部を一緒に縫合するのでもなく、諸脈管の端部を接合するためには、接合用の直管様移植片70を与える。この接合用移植片70は、接合している2本の脈管の内側に配置する。
描かれているように、主脈管10は、バイパス移植片又はドナーの脈管80に接合すべきである。従って、主脈管の端部100及びドナーの脈管の端部101は、接合用移植片管70を覆って配置し、内側アンカー(115,116)を用いて適切な位置で封止する。この目的を達成するための適切な脈管内方法であれば如何なる方法をも使用することができる。脈管内技術と並べて他の諸方法を使用してもよい。接合用移植片管70の全て又は一部分は、一旦配置したならば、内部流体接合用部材のように作用し、接合している諸脈管の外側に配置されているステントアンカー142によって、それら脈管の外側から、流体を通さない密封を与える力が与えられる。管70は、内部流体を運搬する導管及び接合用デバイスとして用いるのに適した材料から成るのが好ましい。
【0018】
理解されると思うが、本発明の形状(configuration;相対的配置)を用いれば、主脈管10もドナーの脈管80も、他方の内部に取り付ける必要がなく、また、それらの各々の端部(100,101)を一緒に縫合する必要もない。
当業者は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、上述の好ましい諸具体例に関する種々の改造構造及び部分的修正を設計することができることを認識するであろう。従って、本発明は、本明細書で具体的に記述したもの以外にも、添付の特許請求の範囲内で実施することができるものと理解すべきである。
諸添付図面を参照して、本発明を記述する。それら図面において、同様の参照番号は、同一要素又は機能的に類似する要素を示す。
【0019】
本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(A)諸脈管を接合するためのデバイスにおいて、
主幹と;
前記主幹と結合されている第1のステントアンカー及び第2のステントアンカーと;
前記主幹から伸びている移植片延伸部分と;
バイパス脈管と;
内側アンカー及び外側アンカーと;
を備えている前記デバイスであって、前記内側アンカー及び前記外側アンカーが前記移植片延伸部分とバイパス脈管とを封じ込めるように協同している、上記デバイス。
(1)バイパス脈管が、人工移植片又はドナーの脈管を有している、上記実施態様(A)に記載のデバイス。
(2)バイパス脈管が、移植片延伸部分を覆って伸びており;しかも、前記バイパス脈管と少なくとも部分的に重なり合っている領域における前記移植片延伸部分に、内側アンカーが配置されている、上記実施態様(1)に記載のデバイス。
(3)外側アンカーが、バイパス脈管と少なくとも部分的に重なり合っている領域における該バイパス脈管と一体化している、上記実施態様(2)に記載のデバイス。
(4)移植片延伸部分が、バイパス脈管を覆って伸びており;しかも、前記移植片延伸部分と少なくとも部分的に重なり合っている領域における前記バイパス脈管に、内側アンカーが配置されている、上記実施態様(1)に記載のデバイス。
(5)外側アンカーが、バイパス脈管と少なくとも部分的に重なり合っている領域における移植片延伸部分の一要素を成している、上記実施態様(4)に記載のデバイス。
【0020】
(6)第1のステントアンカー及び第2のステントアンカーが、移植片延伸部分の諸反対端の、主幹の内側領域内に配置されている、上記実施態様(A)に記載のデバイス。
(7)第1のステントアンカー及び第2のステントアンカーが、外向きの力を出して、主脈管中の主幹を封止している、上記実施態様(6)に記載のデバイス。
(8)第1のステントアンカー及び/又は第2のステントアンカーが、可塑的に変形し得る材料を含有している、上記実施態様(7)に記載のデバイス。
(B)1つの端部を有する主脈管と;
1つの端部を有するバイパス脈管と;
前記主脈管の端部及び前記バイパス脈管の端部の内部に配置されている接合用移植片と;
前記接合用移植片を用いて前記主脈管を封じ込めるために配置されている主脈管内側ステントアンカーと;
前記接合用移植片を用いて前記バイパス脈管を封じ込めるために配置されているバイパス脈管内側ステントアンカーと;
を備えている、それら脈管を接合するためのデバイスであって、それによって、前記主脈管及び前記バイパス脈管が、前記接合用移植片を通って流体の連通を保持している、上記デバイス。
(9)バイパス脈管が、バイパス移植片又はドナーの脈管を有している、上記実施態様(B)に記載のデバイス。
(10)接合用移植片の周りに主脈管の端部及びバイパス脈管の端部を封止するための外側アンカーを更に備えている、上記実施態様(9)に記載のデバイス。
【0021】
(11)主脈管内側ステントアンカー及びバイパス脈管内側ステントアンカーが、接合用移植片を諸脈管に封止するための外側向きの力を出す、上記実施態様(10)に記載のデバイス。
(12)諸ステントアンカーが、可塑的に変形し得る材料を含有している、上記実施態様(11)に記載のデバイス。
(13)諸ステントアンカーが、それらステントアンカーの直径を増大させるために徐々に大きくなり得る、上記実施態様(12)に記載のデバイス。
(14)諸ステントアンカーが、バルーンの膨張によって徐々に大きくなり得る、上記実施態様(13)に記載のデバイス。
(C)端部−側部吻合を行なう方法において、
主幹及び移植片延伸部分を有する移植片接合用デバイスを、該移植片延伸部分が該延伸部分から突き出るようなやり方で、切り込みを有する主脈管の中に挿入する段階と;
諸アンカーを用いて、前記主幹を前記主脈管に封じ込める段階と;
前記移植片延伸部分の一部分を介してバイパス移植片を配置する段階と;
協同する内側アンカー及び外側アンカーを用いて、前記バイパス移植片及び前記移植片延伸部分を封じ込める段階と;
を包含する、上記方法。
(D)端部−側部吻合を行なう方法において、
第1のガイドワイヤーを主脈管内の接合部位まで送り出す段階と;
前記接合部位で、前記主脈管を穿刺する段階と;
主幹及び移植片延伸部分を有する移植片接合用デバイスであって外側アンカーを有している該移植片接合用デバイスを、第1のガイドワイヤーを用いて、前記接合部位まで運搬する段階と;
第2のガイドワイヤーが、前記移植片接合用デバイスの前記移植片延伸部分を前記の穿刺部位で出るように、第2のガイドワイヤーを配置する段階と;
前記穿刺部位の諸反対端に配置されている諸内側アンカーを用いて、前記主幹を前記主脈管に封じ込める段階と;
バルーンを、第2のガイドワイヤーに沿って、前記外側アンカーに対応する位置まで進める段階と;
バイパス移植片を受け入れるのに十分な直径まで、前記外側アンカーを、バルーンで拡張させる段階と;
前記バイパス移植片を前記接合部位まで誘導し、次いで、前記移植片延伸部分の中に誘導する段階と;
内側アンカーを、第2のガイドワイヤーに沿って進める段階と;
前記内側アンカーを配置し、それによって、前記移植片延伸部分及び前記バイパス移植片を封じ込める段階と;
を包含する、上記方法。
(E)端部−端部吻合を行なう方法において、
接合用移植片を介して、第1の脈管の端部と第2の脈管の端部とを配置する段階と;
前記接合用移植片を用いてそれら脈管を封じ込めるために、それら端部の各々の中のアンカーを拡張する段階と;
を包含する、上記方法。
【符号の説明】
【0022】
1 移植片接合用デバイス
10 生来の脈管、大腿動脈
11 疾患又は閉塞
12 切り込み
13 脈管10の内側
15 内側アンカー
16 内側アンカー
20 主幹
30 移植片延伸部分
40 バイパス移植片
41 内側移植片アンカー
42 外側アンカーの外骨格、外側アンカー、外側移植片アンカー
70 接合用の直管様移植片、接合用移植片管
80 ドナーの脈管
100 主脈管の端部
101 ドナーの脈管の端部
115 内側アンカー
116 内側アンカー
142 ステントアンカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈管を接合するためのデバイスにおいて、
端部を有する主脈管と、
端部を有するバイパス脈管と、
前記主脈管の端部および前記バイパス脈管の端部の内部に配置されている接合用移植片と、
前記主脈管を前記接合用移植片に封止するように構成されている主脈管内側ステントアンカーと、
前記バイパス脈管を前記接合用移植片に封止するように構成されているバイパス脈管内側ステントアンカーと、
を備え、
前記主脈管及び前記バイパス脈管が、前記接合用移植片を介して流体の連通を保持している、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、
前記バイパス脈管が、バイパス移植片またはドナーの脈管を含む、デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のデバイスにおいて、
前記主脈管の端部および前記バイパス脈管の端部を前記接合用移植片の周りで封止するための外側アンカーをさらに備えている、デバイス。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のデバイスにおいて、
前記主脈管内側ステントアンカーおよび前記バイパス脈管内側ステントアンカーは、接合用移植片を前記各脈管に封止するための外側向きの力を出す、デバイス。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のデバイスにおいて、
前記各ステントアンカーが、可塑的に変形し得る材料を含む、記載のデバイス。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のデバイスにおいて、
前記各ステントアンカーが、それらステントアンカーの直径を増大させるために段階的に大きくなり得る、デバイス。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のデバイスにおいて、
前記各ステントアンカーが、バルーンの膨張によって段階的に大きくなり得る、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−156377(P2011−156377A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85115(P2011−85115)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【分割の表示】特願2004−299123(P2004−299123)の分割
【原出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(597041828)コーディス・コーポレイション (206)
【氏名又は名称原語表記】Cordis Corporation
【Fターム(参考)】