説明

脊椎矯正用ホイールバック装置

【課題】脊椎の湾曲状態と身体の全面の軟組織の収縮状態を改善するための脊椎矯正装置を提供する。
【解決手段】人体の脊椎部を支持することができるように曲面形状で形成され、かつその中央部に押圧ローラーが脊椎に沿って上下スライディングできるようにスライディング溝121が形成された背中支持プレート120と上下高低調節が可能で、かつ背中支持プレート120と噛み合うようにして互いにリクライニングできるように駆動モータ160が備えられた座板プレート110から構成され、背中支持プレート120には押圧ローラーがスライディング溝121に沿って上・下スライディングしながら人体の脊椎部を押圧して指圧できるようにする脊椎指圧手段130が設置具備されて、脊椎指圧手段130に備えられた押圧ローラーがスライディングされながら脊椎の湾曲状態と身体の全面を押圧または弛緩させて、これを正常に改善できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎の病理的湾曲状態と身体の全面の軟組織の収縮状態を改善するための脊椎矯正装置に関し、より詳しくは、人体の脊椎部を支持することができるように曲面形状となり、かつその中央部に押圧ローラーが脊椎に沿って上下スライディングできるようにスライディング溝が形成された背中支持プレートと、上下高低調節が可能で、かつ上記背中支持プレートと噛み合うようにして互いにリクライニングできるように駆動モータが備えられた座板プレートから構成され、上記背中支持プレートには押圧ローラーが上記スライディング溝に沿ってそ上下にスライディングしながら人体の脊椎部を押圧し、指圧できるようにする脊椎指圧手段が設置具備され、上記脊椎指圧手段に備えられた押圧ローラーがスライディングされながら脊椎の病理的湾曲状態と身体の全面を押圧または弛緩させて、これを正常に改善できるようにする脊椎矯正ホイールバック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
老化、ストレス、または長期間の姿勢不良などの要因は、脊椎起立筋を始めとする脊椎周辺組織のエネルギー不足と組織緊張(収縮)を起こして脊椎の病理的湾曲状態(後湾及び側湾)を誘導するか、脊椎骨自体に異常な圧力を形成するようになる。
【0003】
このような脊椎周辺組織の長期間の収縮は血液循環を低下させることによって組織内の酸素供給の低下に伴う嫌気性代謝を増加させることで、エネルギー(ATP)生産の低下と乳酸の蓄積を起こすようになる。これは、脊椎周辺の慢性的筋肉痛と局部温度の低下を起こして周辺組織がより収縮する悪循環を起こす。
【0004】
このような脊椎周辺組織の収縮は脊椎の骨と骨との間の関節間の距離を狭くなるようにして関節を包まれている靱帯と関節嚢などを緩くさせて脊椎面関節(facet joint)のような構造物を正常な解剖位置から外れるように(drifting)して正常位置離脱の亜脱臼(subluxation)を起こすようになり、これによる痛みと活動制限を誘発する。
【0005】
また、脊椎に長期的に加えられる過度な圧力は椎間板を過度圧迫して椎間板の退行を誘導し、これによって脊椎神経を圧迫して脊椎狭窄症(stenosis)の症状を誘発するか、椎間板髄核脱出によるディスク症状を起こすようになる。
【0006】
このように、脊椎に長期間加えられる異常な圧力は脊椎骨辺縁にカルシウム沈着を起こして骨棘(osteophyte)を形成して周辺神経を圧迫するか、周辺組織との摩擦を起こし、最終的に脊椎骨自体をくさび形(wedge type)に変形させて背中が永久的に曲がる脊椎後湾の状態または脊椎の回転変形を伴った病理的側湾の形態を表すようになる。
【0007】
また、このような長期間の後湾状態は身体全面の軟組織も収縮させるようになる。
【0008】
したがって、上記のような異常な脊椎整列の問題を解決し、正常起立状態に回復するためには、脊椎自体の矯正だけでなく、脊椎周辺の軟組織の収縮状態の改善が必要であり、特に身体全面の軟組織の弛緩が必ず考慮されなければならない。
【0009】
このような脊椎整列状態の改善のために、図1(A)のような古代中国の人為的な脊椎矯正法、図1(B)のような手技的脊椎矯正法(chiropractic)、図2のような古代インドの脊椎矯正器具であるクルンタ50、指圧棒の位置移動による脊椎圧迫が可能な温熱寝台、及び180度伸展型の可変型椅子のような非常に多様な器具を用いてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような従来の方法または器具を見ると、図1の場合、施術者と被施術者が一緒にいなければならないので、患者だけでは施行が不可能であり、図2のクルンタの場合は脊椎の特定部分(facet jointまたは脊椎横突起)の集中的な圧迫が不可能であるので、脊椎の回転変形を伴った側湾症の改善には効果を期待することができず、姿勢と挙動が不便な老年層の場合、身体への適用が困難な問題点があり、手技的脊椎矯正法(chiropractic)の場合、瞬間的な押圧力を人体に作用させるので、骨折の危険の高い老年層には適用が不可能である。
【0011】
そして、可変型椅子または温熱寝台の場合、その伸展角度が180度に限定されるので身体の全面の軟組織の弛緩には限界がある。
【0012】
ここに、本発明は上記のような問題を解決するために案出したものであって、椅子の背もたれ形状で形成され、かつ中央部に長手方向にスライディング溝が形成された背中支持プレート(バックプレートともいう)と、上記背中支持プレートのスライディング溝に挿設されて上記スライディング溝で上下作動しながら人体の背中を押圧し、同時に脊椎に沿ってスライディングしながら押圧する押圧ローラーが備えられた脊椎指圧手段(以下、ホイールバックともいう)と、上下高低調節が可能で、かつリクライニングできるようにする作動モータが備えられた座板プレートと、上記背中支持プレートと座板プレートを支持しながら設置固定できるようにひじかけが備えられた胴体フレームから構成されて、楽に密着支持し、上記脊椎指圧手段を上昇作動させれば、上記脊椎指圧手段が、背中が激しく曲がったユーザが上記座板プレートに座って脊椎を人体の体型に従って上記背中支持プレートにユーザの適応状態に合うように上昇(mount)した後、これに備えられた押圧ローラーが人体の脊椎に沿ってスライディングしながらこれを押圧して、変形された脊椎の湾曲状態と身体全面の軟組織の収縮状態を弛緩改善させることによって、身体が正常起立状態に回復できるようにする脊椎矯正ホイールバック装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明は、リクライニングが可能であるように構成され、かつ脊椎部を押圧してマッサージすると共に、身体全面の軟組織を弛緩改善させて身体が正常な起立状態に回復できるようにする脊椎矯正ホイールバック装置であって、上記脊椎矯正ホイールバック装置は、ユーザが座ることができるようになった座板プレートと、上記座板プレートの後端に連結具備され、人体の脊椎部が密着できる背もたれが備えられ、上記背もたれの中央部にスライディング溝が長手方向に沿って形成された背中支持プレートと、上記背中支持プレートに形成された上記スライディング溝に挿設されて人体の脊椎部を押圧または押圧解除できるように上下にスライディングされる脊椎指圧手段と、上記座板プレートと上記背中支持プレートとが連結設置されながら、これを底面に安定的に固定支持させることができる胴体フレームと、から構成され、かつ、上記脊椎指圧手段には人体の脊椎部を押圧しながら往復スライディング運動する押圧ローラー手段と、上記脊椎指圧手段の上部側が上昇または下降できるようにする上部駆動手段と、上記脊椎指圧手段の下部側が上昇または下降できるようにする下部駆動手段とが備えられてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置によれば、身体の背中を支持する曲面形状の背中支持プレートと座板プレートをリクライニング椅子形態で構成して人体の脊椎部を円弧形状で支持しながら身体を180度以上折れる(曲がる)ようにして、身体の変形量を大きくすることができるようにすることで、脊椎後湾を正常に改善させることができるようにすることは勿論、身体全面の軟組織の収縮状態を弛緩させて正常化を図ることができる効果が同時に得られる。
【0015】
また、上記脊椎指圧手段に備えられた押圧ローラーが脊椎を対向して垂直または平行するように上下往復スライディング運動できるようにすることで、大胸筋及び小胸筋など、胸全面の筋肉を弛緩させることができる効果が得られる。
【0016】
また、本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置によれば、脊椎指圧手段を用いて脊椎部を対向して垂直または平行するように上下スライディングで作動する押圧ローラーを結合することで、脊椎が十分に伸展された状態でこれに対して垂直または平行した方向にスライディング作動する押圧ローラーによって、脊椎方向に沿って移動することによって脊椎の特定部位を集中的に押圧しながら伸展させることができ、また脊椎に沿って反復移動をしながら脊椎の周辺の軟組織のマッサージが可能であることは勿論、脊椎の過度な後湾及び側湾のような脊椎の異常な位置を正常に伸ばし矯正できる効果が得られる。
【0017】
また、本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置の押圧により、回転変形(torsion)された脊椎の一側横突起部分に押圧ローラーの局所部位の上下往復運動を用いた反復的な押圧力を加え、回転変形された脊椎を正常位置に還元させて脊椎側湾の根本的な原因を除去する治療効果が得られる。
【0018】
また、本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置は、押圧ローラーの上下方向移動量を調節して押圧力を調節できるので、ユーザの健康状態に従い効果的に脊椎を矯正できるという長所がある。
【0019】
また、本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置は、ユーザの脊椎部を上部側と中間または下部側に対向して、各々別途に押圧ローラーを駆動させて、該当部位を集中的に押圧矯正できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】2人が背中を突き合わせて脊椎伸展運動法を示す斜視図である。
【図2】インドのヨガで脊椎伸展運動に使用する器具であるクルンタを示す斜視図である。
【図3】本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置の大略的な斜視図、断面図、及び概略図である。
【図4】本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置がリクライニング(広げられた)状態を示す大略的な斜視図、断面図、及び概略図である。
【図5】本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置の要部断面斜視図である。
【図6】本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置の分離斜視図である。
【図7】本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置の脊椎指圧手段の大略的な斜視図及び断面図である。
【図8】本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置の脊椎指圧手段の大略的な斜視状態の一部切欠図である。
【図9】本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置に備えられた脊椎指圧手段が人体の背中を対向して垂直に押圧(mount)される図及び概略図(A)、人体の脊椎部の上部側に集中的に押圧(mount)される図及び概略図(B)、及び人体の脊椎部の下部側に集中的に押圧(mount)される図及び概略図(C)である。
【図10】本発明に従う脊椎矯正ホイールバック装置にユーザが脊椎を押圧するために着席した図(A)、脊椎矯正ホイールバック装置のリクライニングに従う後湾された脊椎の伸展及び改善と前胸部の軟組織の弛緩状態を示す大略的な斜視図(B、C)である。
【図11】本発明による押圧ローラーが上下方向に移動しながら脊椎を押圧して側湾された脊椎を矯正する状態を示す大略的な断面図及び図である。
【図12】本発明による押圧の上下方向移動により側湾された脊椎を矯正する方法を示す大略的な斜視図である。
【図13】回転変形(torsion)された脊椎において、外見上、脊椎側湾と表れる脊椎棘突起部分(T)が還元(reduction)されて正常になった脊椎を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付した図面を参照しつつ当該分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように説明する。
【0022】
本発明の脊椎矯正ホイールバック装置100は、図3乃至図8に示すように、人が座って脚を伸ばすことができるようになった座板プレート110と、上記座板プレート110の後端に連結具備され、人体の背中が密着できる曲面形状の背もたれが備えられ、上記背もたれの中央部にスライディング溝121が長手方向に沿って形成された背中支持プレート120(バックプレートともいう)と、上記背中支持プレート120に形成された上記スライディング溝121に挿設されて人体の背中を押圧または押圧解除できるように上下にスライディングされる脊椎指圧手段130(ホイールバックともいう)と、上記背中支持プレート120の後面に備えられて上記脊椎指圧手段130がその内部に収納されて設置固定される背もたれカーバ140と、上記座板プレート110と上記背中支持プレート120とが連結設置されながら底面に安定的に固定支持できるように取っ手151が備えられた胴体フレーム150とから構成されている。
【0023】
上記座板プレート110と上記背中支持プレート120とが連結される部位には駆動ギア161が備えられた駆動モータ160が設けられている。
【0024】
そして、上記座板プレート110の端部には、上記駆動モータ160により回転される第1被動ギア162が備えられ、上記背中支持プレート120の端部には上記駆動モータ160により回転される第2被動ギア163が備えられ、かつ上記第1被動ギア162と上記第2被動ギア163とは互いに噛み合うように構成されている。
【0025】
そして、上記第2被動ギア163には上記駆動ギア161が噛み合う構造となっているので、上記駆動モータ160が駆動されれば上記駆動ギア161により上記第1被動ギア162と上記第2被動ギア163とが互いに噛み合った状態で回転しながら上記座板プレート110と上記背中支持プレート120とが互いにリクライニングされながら図4のように広げられるようになる。
【0026】
そして、上記と反対方向に上記駆動モータ160を駆動させれば、リクライニングされた上記座板プレート110と上記背中支持プレート120が上記とは反対に折り畳まれながら座ることができる形態に図3のように復帰される。
【0027】
ここで、上記駆動モータ160は上記第1被動ギア162に連結構成して作動されることもできる。
【0028】
上記座板プレート110と上記背中支持プレート120とが互いにリクライニングまたは折り畳まれる程度は、上記駆動モータ160を適切に調整して調節できることは勿論である。
【0029】
ここで、リクライニング(reclining)とは、椅子が後に横になり(広げられ)ながらユーザが気楽にもたれるか、あるいは横になることができる構造をいう。
【0030】
そして、上記座板プレート110の下面には上記胴体フレーム150に備えられた支持ロッド152の端部が挿設されて上記座板プレート110がスライディングされながらリクライニングできるようにするスロット溝111が一定の長さだけ形成されている。
【0031】
そして、上記スライディング溝121に挿設される上記脊椎指圧手段130は、図7及び図8に示すように、アーチ形状にして、その内部が空間部で構成される四角形状のメインフレーム131と、上記メインフレーム131の中央に連結設置され、その裏面にラックねじが形成されたラック部132と、上記ラック部132をその内部に挿設し、上記ラック部132に沿って往復スライディング運動することができるレール部133と、上記レール部133の上部側に備えられ、その両側面に各々押圧ローラー134が回動可能に設けられるローラーブラケット135と、上記レール部133の下部側に備えられて、一側には上記ラック部132と噛み合い、他側にはローラー駆動モータ136の駆動ギア137に噛み合って回動できるようにするピニオン部138から構成されている。
【0032】
そして、上記レール部133にはその両側に上記ピニオン部138、ローラー駆動モータ136、及び駆動ギア137と連結設置できるようになった側面ブラケット133aと、上記ローラーブラケット135と弾性的に連結設置できるようにする連結ロッド133bとが備えられている。
【0033】
そして、上記ローラーブラケット135には両側で上記連結ロッド133bに挿設される連結固定ピン135aが備えられ、上記連結固定ピン135aには上記ローラーブラケット135が弾性的に作動できるようにスプリングのような弾性手段135bが挿設具備されている。
【0034】
したがって、上記ローラー駆動モータ136が駆動されれば、上記駆動ギア137が回動され、これと噛み合った上記ピニオン部138が回転される。
【0035】
次に、上記ピニオン部138に噛み合った上記ラック部132に沿って上記レール部133がスライディングされ、これによって上記ローラーブラケット135がスライディングされる。この際、上記ローラーブラケット135の両端に備えられた一対の上記押圧ローラー134が人体の脊椎部に沿って往復スライディングされながら弾性的に押圧治療できるようになる。
【0036】
そして、上記四角形状のメインフレーム131には、その上端部と下端部に各々これを上下に駆動できるようにする上部駆動手段170と下部駆動手段180とが設置具備されている。
【0037】
上記上部駆動手段170は、上記四角形状のメインフレーム131の上端部に設けられて駆動されながら上記メインフレーム131の上部側が上下スライディングできるようにラック171が備えられた上部ラックプレート172、上記上部ラックプレート172と対向するように設けられる上部プレート173、上記上部ラックプレート172と上記上部プレート173の両端部に備えられながら、これらが互いにスライディングが容易になされるようになったスライディングレール174、及び上記上部ラックプレート172を上昇または下降させることができるようにする駆動モータ175と駆動ギア176から構成されている。
【0038】
そして、上記駆動ギア176は上記ラック171と噛み合って駆動できるように構成されている。
【0039】
また、通常的に上記ラック171は上記上部ラックプレート172の中央部で長手方向に形成具備されている。
【0040】
そして、上記上部プレート173は上記背もたれカーバ140に備えられたブラケット(図示せず)に連結固定され、上記スライディングレール174は上記上部ラックプレート172と上記上部プレート173の両端部で各々どちらかの一方に雌雄機能が付与され、相互離脱が防止できるようになっている。
【0041】
したがって、上記上部駆動手段170を駆動すれば、上記脊椎指圧手段130の上部側が上昇または下降できるようになる。
【0042】
上記下部駆動手段180は、上記四角形状のメインフレーム131の下端部に設けられて駆動されながら上記メインフレーム131の下部側が上下スライディングできるようにラック181が備えられた下部ラックプレート182、上記下部ラックプレート182と対向するように設けられる下部プレート183、上記下部ラックプレート182と上記下部プレート183の両端部に備えられながら、これらが互いにスライディングが容易になされるようになったスライディングレール184、及び上記下部ラックプレート182を上昇または下降させることができるようにする駆動モータ185と駆動ギア186から構成されている。
【0043】
そして、上記駆動ギア186は上記ラック181と噛み合って駆動できるように構成されている。
【0044】
また、通常的に上記ラック181は上記下部ラックプレート182の中央部で長手方向に形成具備されている。
【0045】
そして、上記下部プレート183は上記背もたれカーバ140に備えられたブラケット(図示せず)に連結固定され、上記スライディングレール184は上記下部ラックプレート182と上記下部プレート183の両端部で各々どちらかの一側に雌雄機能が付与され相互離脱が防止できるようになっている。
【0046】
したがって、上記下部駆動手段180を駆動すれば、上記脊椎指圧手段130の下部側が上昇または下降できるようになる。
【0047】
そして、上記上部駆動手段170と上記下部駆動手段180を同時に駆動させると、上記脊椎指圧手段130が全体的に上昇または下降できるようになる。
【0048】
したがって、本発明の脊椎矯正用ホイールバック装置100は、前述したように、上記上部駆動手段170と上記下部駆動手段180を同時に駆動して、上記脊椎指圧手段130の全体が人体の脊椎部に向かって上昇または下降して、背中全体を押圧または押圧解除することができ、また上記上部駆動手段170のみ駆動して上記脊椎指圧手段130の上部側の上昇/下降するようにして人体脊椎部の上部側を集中的に押圧することができ、逆に、上記下部駆動手段180のみ駆動して上記脊椎指圧手段130の下部側が上昇/下降するようにして人体脊椎部の下部側を集中的に押圧できるように構成されている。
【0049】
そして、人体の首とヘッド部が保護できるように、上記背中支持プレート120の上部側にはヘッドレスト190が設置構成できることは勿論である。
【0050】
上記のように、全体的な駆動または上部と下部の部分的な駆動は、コントロール部(図示せず)の作動スイッチにより作動できるように構成される。
【0051】
また、上記のように構成された本発明の脊椎矯正用ホイールバック装置100は、上記駆動モータ160を駆動させて上記駆動ギア161と上記被動ギア162、163が各々噛み合って回動されるようにすることで、上記座板プレート110は上昇し、上記背中支持プレート130は後方に反って上記座板プレート110と上記背中支持プレート120とがリクライニングされて人体の上・下半身が180度以上に伸展できるようになる。
【0052】
したがって、上記座板プレート110と上記背中支持プレート120は、人体の背中/脊椎部を押圧支持できるように凸な曲面形状に広げられるようにリクライニング(reclining)されて背中/脊椎部の押圧と共に、身体全面の軟組織を弛緩させることができるように構成されることは勿論、人体が滑ることが防止できるように、その表面を凹凸形状のような摺動防止手段を具備して構成される。
【0053】
上記のように構成された本発明の脊椎矯正ホイールバック装置100は、これを使用してユーザの背中/脊椎部を押圧して変形された脊椎を矯正する作動手続きを説明すれば、次の通りである。
【0054】
まず、図9と10に示すように、ユーザが人体の背中/脊椎部を上記背中支持プレート120にもたれながら上記座板プレート110に脚を伸ばした状態で座る。
【0055】
次に、人体の脊椎部の全体を押圧して矯正しようとする場合、上記図9の(A)に示すように、上記上部駆動手段170と上記下部駆動手段180とを同時に作動させれば、即ち、上記各駆動モータ175、185を同時に駆動させて上記脊椎指圧手段130の全体を人体の脊椎部に昇降作動(mount)させる。
【0056】
すると、上記メインフレーム131が人体の脊椎部に向かって昇降され、次に上記押圧ローラー134が脊椎部を押圧するようになる。
【0057】
このような状態で上記押圧ローラー134を人体の脊椎に沿って上下にスライディングさせるようになれば、屈曲した脊椎が矯正される。
【0058】
これは、上記押圧ローラー134と一体で連結構成された上記ローラーブラケット135と上記レール部133が上記ラック部132に沿って往復スライディングすることによりなされる。
【0059】
この際、上記弾性手段135bにより人体の脊椎部が弾性的に押圧できるようになる。
【0060】
そして、ユーザが人体の脊椎部のうち、その上部側のみに集中的に上記押圧ローラー134を押圧させてマッサージしようとする場合は、図9の(B)に示すように、上記上部駆動手段170の上記駆動モータ175を作動させることによってなされる。
【0061】
即ち、上記作動モータ175を駆動させて作動させれば、上記駆動ギア176が上記ラック171と噛み合った状態で上記上部ラックプレート172が昇降(mount)され、これと一体で連結されている上記メインフレーム131の上部側が上昇しながら脊椎部の上部側を押圧するようになる。
【0062】
このような状態で上記押圧ローラー134を脊椎部に沿って往復スライディング運動させれば、ユーザが所望する脊椎部の上側部分を集中的に押圧マッサージできるようになる。
【0063】
この際、上記駆動モータ175が設けられる上記上部プレート173と上記ラック171が備えられた上記上部ラックプレート172とが互いに対向してスライディングがなされ、かつ、これらの間の両側端に備えられた上記スライディングレール174を媒介にして、そのスライディングがなされるようになっているので、揺れ無しで安定的に上昇できるようになる。
【0064】
勿論、上記脊椎指圧手段130の上部側のみ下降させて元の位置に還元させるためには上記駆動モータ175を逆に駆動させればよい。
【0065】
また、ユーザが人体の脊椎部のうち、その下部側のみに集中的に上記押圧ローラー134を押圧させてマッサージしようとする場合は、図9の(C)に示すように、上記下部駆動手段180の上記駆動モータ185を作動させて上記脊椎指圧手段130の下部側のみ昇降させることによってなされる。
【0066】
即ち、上記駆動モータ185を駆動させて作動させれば、上記駆動ギア186が上記ラック181と噛み合いながら上記下部ラックプレート182が昇降しながらこれと一体で連結されている上記メインフレーム131の下部側が上昇しながら脊椎部の下部を押圧するようになる。
【0067】
このような状態で上記押圧ローラー134を脊椎部に沿って往復スライディング運動させれば、ユーザが所望する脊椎部の下側部分を集中的に押圧マッサージできるようになる。
【0068】
この際、上記駆動モータ185が設けられる上記下部プレート183と上記ラック181が備えられた上記下部ラックプレート182とが互いに対向してスライディングがなされ、かつこれらの間の両側端に備えられた上記スライディングレール184を媒介にして、そのスライディングがなされるようになっているので、揺れ無しで安定的に下部側のみ昇降できるようになる。
【0069】
勿論、上記脊椎指圧手段130の下部側のみ下降させて元の位置に還元させるためには、上記駆動モータ185を逆に駆動させればよい。
【0070】
ここで、上記のように作動させるために、上記脊椎指圧手段130と各種駆動モータの作動は、別途の作動スイッチ(図示せず)により動作させることができるようにコントロール部(図示せず)に連結構成されてなる。このような構成は、一般の公知技術により通常的に構成できるものであって、その詳細な説明は省略する。
【0071】
上記のように、本発明の脊椎矯正ホイールバック装置100は、上記脊椎指圧手段130を人体の脊椎部に向かって全体的に上昇または下降させることができ、また人体の脊椎部の上部側のみに上昇または下降させることができ、また人体の脊椎部の下部側のみに上昇または下降させることができるように構成されることによって、人体の背中を効果的に押圧して該当部位を集中的にマッサージ(治療)できるようになっている。
【0072】
また、上記のような脊椎指圧手段130は、一般的なリクライニング椅子または車椅子などの背もたれに結合構成して使用することもできる。
【0073】
しかしながら、上記のような作動手続きを周期的に一定の時間の間作動してユーザの脊椎を脊椎矯正できるように別途の制御システム(図示せず)を設けて構成運用するようになる。
【0074】
そして、図11及び図12に示すように、上記押圧ローラー134が脊椎方向に沿って反復的に直線運動するため、側湾した脊椎を効果的に矯正させることができるようになる。
【0075】
また、上記押圧ローラー134が脊椎に対して垂直方向に圧迫するように作動して局所的な脊椎伸展を可能にし、また、前胸部をさらに広げて前胸部筋肉及び軟組織を伸展及び弛緩させることができるようになる。
【0076】
また、図10に示すように、背中支持プレートを広げて180度以上に伸展させることによって、180度伸展に限定される既存の寝台型押圧器に比べて大腿前面筋肉及び軟組織をより効果的に弛緩させることができるようになる。
【0077】
そして、図13に示すように、回転変形(torsion)された脊椎において、外見上、脊椎側湾として表れる脊椎棘突起部分(T)が上記押圧ローラー134の押圧力が加えられながら還元(reduction)されて脊椎を正常に矯正できるようになる。
【0078】
以上、本発明は図面に図示した実施形態を参考にして説明したが、これは発明を説明するためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、発明の詳細な説明から多様な変形または均等な実施形態が可能であるということを理解することができる。
【符号の説明】
【0079】
100 脊椎矯正ホイールバック装置
110 座板プレート
120 背中支持プレート
130 脊椎指圧手段
140 背もたれカーバ
150 胴体フレーム
160 駆動モータ
170 上部駆動手段
180 下部駆動手段
190 ヘッドレスト
121 スライディング溝
131 メインフレーム
132 ラック部
133 レール部
133a 側面ブラケット
133b 連結ロッド
134 押圧ローラー
135 ローラーブラケット
135a 連結固定ピン
135b 弾性手段
136 ローラー駆動モータ
137 駆動ギア
138 ピニオン部
151 取っ手
152 支持ロッド
161 駆動ギア
162、163 被動ギア
171 ラック
172 上部ラックプレート
173 上部プレート
174 スライディングレール
175 駆動モータ
176 駆動ギア
181 ラック
182 下部ラックプレート
183 下部プレート
184 スライディングレール
185 駆動モータ
186 駆動ギア
S 脊椎
T 脊椎棘突起部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リクライニングが可能であるように構成され、かつ脊椎部を押圧してマッサージすると共に、身体全面の軟組織を弛緩改善させて身体が正常な起立状態に回復できるようにする脊椎矯正ホイールバック装置100であって、
前記脊椎矯正ホイールバック装置100は、
ユーザが座ることができるようになった座板プレート110と、
前記座板プレート110の後端に連結具備され、人体の脊椎部が密着できる背もたれが備えられ、前記背もたれの中央部にスライディング溝121が長手方向に沿って形成された背中支持プレート120と、
前記背中支持プレート120に形成された前記スライディング溝121に挿設されて人体の脊椎部を押圧または押圧解除できるように上下にスライディングされる脊椎指圧手段130と、
前記座板プレート110と前記背中支持プレート120とが連結設置されながら、これを底面に安定的に固定支持させることができる胴体フレーム150と、から構成され、かつ、
前記脊椎指圧手段130には人体の脊椎部を押圧しながら往復スライディング運動する押圧ローラー手段と、前記脊椎指圧手段130の上部側が上昇または下降できるようにする上部駆動手段170、及び前記脊椎指圧手段130の下部側が上昇または下降できるようにする下部駆動手段180とが備えられてなることを特徴とする脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項2】
前記座板プレート110の端部には駆動モータ160により回転される第1被動ギア162が備えられ、前記背中支持プレート120の端部には前記駆動モータ160により回転される第2被動ギア163が備えられ、前記第1被動ギア162と前記第2被動ギア163とは互いに噛み合うように構成されて前記座板プレート110と前記背中支持プレート120がリクライニングできるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項3】
前記脊椎指圧手段130は、メインフレーム131と、前記メインフレーム131の中央に連結設置され、その裏面にラックねじが形成されたラック部132と、前記ラック部132をその内部に挿設し、前記ラック部132に沿って往復スライディング運動できるようになったレール部133と、前記レール部133の上部側に備えられ、その両側面に各々押圧ローラー134が回動可能に設けられるローラーブラケット135と、前記レール部133の下部側に備えられて、一側には前記ラック部132と噛み合い、他側にはローラー駆動モータ136の駆動ギア137に噛み合って回動できるようにするピニオン部138から構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項4】
前記レール部133には、その両側に前記ピニオン部138、ローラー駆動モータ136、及び駆動ギア137と連結設置できるようになった側面ブラケット133aと、前記ローラーブラケット135と連結設置できるようになった連結ロッド133bがさらに備えられてなることを特徴とする請求項3に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項5】
前記ローラーブラケット135には前記連結ロッド133bに連結固定される連結固定ピン135aが備えられ、前記連結固定ピン135aには前記ローラーブラケット135が弾性的に作動できるようになった弾性手段135bがさらに備えられてなることを特徴とする請求項4に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項6】
前記上部駆動手段170は、前記脊椎指圧手段130のメインフレーム131の上端部に設けられて駆動されながら前記メインフレーム131の上部側が上昇または下降できるようにラック171が備えられた上部ラックプレート172と、
前記上部ラックプレート172と対向するように設けられる上部プレート173と、
前記上部ラックプレート172と前記上部プレート173の両端部に備えられながら、これらが対向してスライディングがなされるようになったスライディングレール174と、
前記上部プレート173に設けられて前記上部ラックプレート172を上昇または下降させることができるようにする駆動モータ175及び駆動ギア176から構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項7】
前記下部駆動手段180は、前記脊椎指圧手段130のメインフレーム131の下端部に設けられて駆動されながら前記メインフレーム131の下部側が上昇または下降できるようにラック181が備えられた下部ラックプレート182と、
前記下部ラックプレート182と対向するように設けられる下部プレート183と、
前記下部ラックプレート182と前記下部プレート183の両端部に備えられながら、これらが対向してスライディングがなされるようになったスライディングレール184と、
前記下部プレート183に設けられて前記下部ラックプレート182を上昇または下降させることができるようにする駆動モータ185及び駆動ギア186から構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項8】
前記脊椎指圧手段130のメインフレーム131は、人体の脊椎部を対向して凸なアーチ形状で構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項9】
前記座板プレート110は、その下面に前記胴体フレーム150に備えられた支持ロッド152の端部が挿設されて前記座板プレート110がスライディングされながらリクライニングできるようにするスロット溝111が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。
【請求項10】
前記脊椎指圧手段130は、車椅子の背もたれに設置構成されることを特徴とする請求項1に記載の脊椎矯正ホイールバック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−167501(P2011−167501A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196126(P2010−196126)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(510236483)
【出願人】(510236494)ホイールバック コリア コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】