説明

脱硫化及びそれのための新規な工程

金属の酸化物及び促進剤を含む組成物が、開示され、そこでは、その促進剤の少なくとも一部分は、低減された原子価の促進剤として存在するものであると共に、このような組成物を調製する方法が、開示される。このように得られた組成物は、炭化水素の流れから硫黄を取り除くための脱硫化のゾーンにおいて用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化水素の流れからの硫黄の除去に関係する。別の態様において、この発明は、分解されたガソリン及びディーゼル燃料の流体の流れの脱硫化における使用に適切な組成物に関係する。この発明のさらなる態様は、分解されたガソリン及びディーゼル燃料の流体の流れからの硫黄の本体の除去における使用のための組成物の生産用の工程に関係する。
【背景技術】
【0002】
クリーナーの燃焼する燃料についての要望は、ガソリン及びディーゼル燃料のような炭化水素の流れにおける硫黄の水準を低減するための継続する世界的な努力に帰着してきた。このような炭化水素の流れにおける硫黄の低減は、硫黄が、自動車用の触媒性のコンバーターのような硫黄に敏感な品目の性能について有する負の影響力の理由のために、空気の質を改善するための手段であることが、考慮される。自動車用のエンジンの排気における硫黄の酸化物の存在は、不可逆にそのコンバーターに含有された貴金属の触媒を阻害すると共に、その触媒の作用を阻害することもある。非効率的な又は作用を阻害されたコンバーターからのエミッションは、ある水準の、燃焼されない、メタンでない炭化水素、窒素の酸化物、及び一酸化炭素を含有する。このようなエミッションは、より一般的にはスモッグと称された基底の水準のオゾンを形成するための太陽光によって、触媒作用が及ぼされる。
【0003】
例えば、熱的に分解されたガソリン、ビスブレーカーガソリン、コークスガソリン、及び、触媒で分解されたガソリンのような熱的に処理されたガソリン(以後、総称して“分解されたガソリン”と称される)は、部分的に、オレフィン類、芳香族、硫黄、及び硫黄を含有する化合物を含有する。自動車のガソリン、レーシングガソリン、航空ガソリン、船舶のガソリン、及び同様のもののような、大部分のガソリンが、少なくとも部分的に、分解されたガソリンのブレンドを含有するので、分解されたガソリンにおける硫黄の低減は、例えば、自動車のガソリン、レーシングガソリン、航空ガソリン、船舶のガソリン、及び同様のもののような大部分のガソリンにおける硫黄の水準を低減することに本質的に役に立つことになる。
【0004】
ガソリンの硫黄についての公的な議論は、硫黄の水準が低減されるべきであるかそうでないかのいずれであるかについて、中心が置かれてこなかった。より低い硫黄のガソリンが、自動車用のエミッションを低減すると共に空気の質を改善するという合意が、現れてきた。このように、それら規則は、今まで、低減の要求された水準、より低い硫黄のガソリンの要望における地理的なエリア、及び、実施のための時間フレームに焦点を合わせてきた。
【0005】
自動車用の空気汚染の影響力についての関心が継続すると、自動車用の燃料における硫黄の水準を低減するためのさらなる努力が、要求されることになることは、明らかなことである。現行のガソリンの製品が、約330百万分率(part per million)(ppm)の硫黄を含有する一方で、米国環境保護庁は、最近、上限80ppmで平均30ppmよりも少ないものであるためのガソリンにおける平均の硫黄の含有率を要求する規制を発行した。2008年までに、基準は、米国で販売されたガソリンのブレンド毎に30ppmの水準を満たすことを有効に要求することになる。
【0006】
低い硫黄の含有率の自動車用の燃料を生産することができるものである要望に加えて、オクタン価(リサーチ法及びモーター法オクタン価の両方)を維持するためにこのような燃料のオレフィンの含有率に最小限の効果を有することになる、工程についての要望もまたある。このような工程は、オレフィン類の飽和が、オクタン価に大いに影響を及ぼすので、望ましいものであろう。オレフィンの含有率におけるこのような悪影響は、一般に、分解されたガソリンから取り除くことが最も困難な硫黄を含有する化合物のいくつかである、(例えば、チオフェン類、ベンゾチオフェン類、アルキルチオフェン類、アルキルベンゾチオフェン類、アルキルジベンゾチオフェン類、及び同様のもののような)チオフェン系の化合物を取り除くための、水素化脱硫の間におけるもののように、通常用いられた厳格な条件のおかげである。加えて、条件が、分解されたガソリンの芳香族の内容物が飽和を通じて失われるようなものである系を回避することの要望がある。このように、脱硫化を達成すると共にそのオクタン価を維持する、工程についての要望がある。
【0007】
分解されたガソリンからの硫黄の除去についての要望に加えて、ディーゼル燃料における硫黄の含有率を低減するという石油産業に対する要望がある。一般に、ガソリンに比較するとディーゼルから硫黄を取り除くことは、より大いに困難なことである。水素化脱硫によってディーゼル燃料から硫黄を取り除く際に、セタンは、改善されるが、しかし、水素の消費に大きいコストがある。このような水素は、水素化脱硫及び芳香族の水素化反応の両方によって消費される。
【0008】
このように、分解されたガソリン及びディーゼル燃料の処理についてより経済的な工程を提供するために水素の顕著な消費無しの脱硫化の工程についての要望がある。
【0009】
分解されたガソリン及びディーゼル燃料における硫黄の水準の低減のための成功した且つ経済的に可能な工程を提供する際の成功の欠如の結果として、高い水準の硫黄の除去を達成する一方でオクタンの水準における最小限の効果を有するこのような炭化水素の流れの脱硫化のためのより良好な工程についての要望があることは、明白なことである。
【0010】
伝統的に、炭化水素の流れからの硫黄の除去のための工程に使用された組成物は、固定床の用途に使用された凝集物であってきた。流動床の様々な工程の利点の理由のために、炭化水素の流れは、時々、流動床の反応器において処理される。流動床の反応器は、例えば、より良好な熱伝達及びより良好な圧力降下のような、固定床の反応器を超える利点を有する。流動床の反応器は、一般に、微粒子である反応物を使用する。これらの微粒子の大きさは、一般に、約1ミクロンから約1000ミクロンまでの範囲にある。しかしながら、一般に使用された反応物は、全ての用途について十分な摩滅抵抗を有するものではない。その結果として、これらの炭化水素の流れから硫黄を取り除くと共に流動化された、輸送の、移動する、又は、固定された床の反応器に使用することができる十分な摩滅抵抗を備えた組成物を見出すこと、及び、経済的な様式でその組成物を生産することは、望ましいことであると共に、当技術への及び経済への顕著な寄与であるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
炭化水素の流れの脱硫化において使用可能なものである、組成物の生産のための新規な方法を提供することは、望ましいことである。
【0012】
再度、水素の消費並びにこのような流れに含有されたオレフィン及び芳香族の飽和を最小化する、炭化水素の流れからの硫黄の除去のための工程を提供することは、望ましいことである。
【0013】
もう一度、ディーゼル燃料からの硫黄の除去を容易にする、組成物における促進剤の構成成分の増加させられた含有率を提供することは、望ましいことである。
【0014】
さらにもう一度、脱硫化された分解されたガソリンの重量に基づいた約100ppmよりも少ない、好ましくは50ppmよりも少ない、硫黄を含有すると共に、このような脱硫化された分解されたガソリンが作られた、分解されたガソリンにあるのと本質的に同じ量のオレフィン及び芳香族を含有する脱硫化された分解されたガソリンを提供することは、望ましいことである。再度、脱硫化されたディーゼル燃料を提供することは、望ましいことである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明の第一の実施形態は、
a)1)液体、2)亜鉛を含有する化合物、3)シリカを含有する材料、4)アルミナ、及び5)促進剤:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
b)乾燥させられた混合物を形成するために、その混合物を乾燥させること;
c)焼成された混合物を形成するために、その乾燥させられた混合物を焼成すること;
d)その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する組成物を生産するために、適切な条件の下で適切な還元剤でその焼成された混合物を還元すること;並びに
e)その組成物を回収すること
:を含む組成物の生産ための新規な方法を含む。
【0016】
この発明の第二の実施形態は、
a)1)液体、2)金属を含有する化合物、3)シリカを含有する材料、4)アルミナ、及び5)第一の促進剤:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
b)乾燥させられた混合物を形成するために、その混合物を乾燥させること;
c)組み込まれた混合物を形成するために、その乾燥させられた混合物の上へ又は中へ第二の促進剤を組み込むこと;
d)乾燥させられた組み込まれた混合物を形成するために、その組み込まれた混合物を乾燥させること;
e)焼成された促進された混合物を形成するために、その乾燥させられた組み込まれた混合物を焼成すること;
f)その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する組成物を生産するために、適切な条件の下で適切な還元剤でその焼成された促進された混合物を還元すること;並びに
g)その組成物を回収すること
:を含む組成物の生産のための別の新規な方法を含む。
【0017】
この発明の第三の実施形態は、
(a)1)液体、2)金属を含有する化合物、3)シリカを含有する材料、及び4)促進剤:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
(b)アルミナを含有する混合物を形成するために、その混合物へアルミナを加えること;
(c)乾燥させられた混合物を形成するために、そのアルミナを含有する混合物を乾燥させること;
(d)焼成された混合物を形成するために、その乾燥させられた混合物を焼成すること;
(e)その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する組成物を生産するために、適切な条件の下で適切な還元剤でその焼成された混合物を還元すること;並びに
(f)その組成物を回収すること
:を含む、からなる、又は、本質的にからなる方法である。
【0018】
この発明の第四の実施形態は、
(a)1)液体、2)第一の金属のギ酸塩(formate)、3)シリカを含有する材料、4)アルミナ、及び5)第二の金属のギ酸塩:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
(b)乾燥させられた混合物を形成するために、その混合物を乾燥させること;
(c)焼成された混合物を形成するために、その乾燥させられた混合物を焼成すること;並びに
(d)その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する組成物を提供するために、還元する条件の下で還元剤でその焼成された混合物を還元すること、並びに
(e)前記の組成物を回収すること
:を含む、からなる、又は、本質的にからなる方法である。
【0019】
この発明の第五の実施形態は、
a)形成されるものが脱硫化された炭化水素の流れ及び硫化された組成物であるような条件の下で脱硫化のゾーンにおいて第一の又は第二の、第三の又は第四の実施形態からの組成物とその炭化水素の流れを接触させること;
b)その硫化された組成物からその脱硫化された炭化水素の流れを分離すること、それによって、分離された脱硫化された炭化水素の流れ及び分離された硫化された組成物を形成すること;
c)再生のゾーンにおいてその分離された硫化された組成物の少なくとも一部分を、それの中に及び/又はそれの上に含有された硫黄の少なくとも一部分を取り除くために、再生させること、それによって再生させられた組成物を形成すること;
d)それと接触させられるとき炭化水素の流れからの硫黄の除去を果たすことになる、その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する還元された組成物を提供するために、還元のゾーンにおいてその再生させられた組成物を還元すること;並びに、その後に
e)その脱硫化のゾーンへその還元された組成物の少なくとも一部分を戻すこと
:を含む炭化水素の流れからの硫黄の除去のための工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の他の態様、目的、及び利点は、発明の詳細な説明及び添付された特許請求の範囲から明白であると思われる。
【0021】
用語“ガソリン”は、約37.8℃から約260℃までの範囲で沸騰する炭化水素の混合物を、又は、それのいずれのフラクションをも、表記する。適切なガソリンの例は、ナフサ、直留ナフサ、コークスナフサ、触媒性のガソリン、ビスブレーカーナフサ、アルキラート、同位体エステル(isomerate)、改質油、及び同様のもの、並びに、それらの組み合わせのような、精油所における炭化水素の流れを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。
【0022】
用語“分解されたガソリン”は、より大きい炭化水素の分子をより小さい分子へと分解する熱的な工程又は触媒性の工程のいずれかから生産物である、約37.8℃から約260℃までの範囲で沸騰する炭化水素の混合物を、又は、それのいずれのフラクションをも、表記する。適切な熱的な工程の例は、コークス化、熱分解、ビスブレーキング、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。適切な触媒性の分解の工程の例は、流体の触媒性の分解、重油の分解、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。このように、適切な分解されたガソリンの例は、コークスガソリン、熱的に分解されたガソリン、ビスブレーカーガソリン、流体で触媒作用的に分解されたガソリン、重油が分解されたガソリン、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。いくつかの例では、その分解されたガソリンは、本発明の工程において炭化水素の流れとして使用されたとき、脱硫化に先立ち、分別される及び/又は水素処理されることもある。
【0023】
用語“ディーゼル燃料”は、約148.9℃から約398.9℃までの範囲で沸騰する炭化水素の混合物を、又はそれのいずれのフラクションをも、表記する。適切なディーゼル燃料の例は、ライトサイクルオイル、灯油、ジェット燃料、直留ディーゼル、水素処理されたディーゼル、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。
【0024】
用語“硫黄”は、分解されたガソリン又はディーゼル燃料のような炭化水素を含有する流体に通常存在する、単体の硫黄又は硫黄の化合物のようないずれの形態における硫黄をも表記する。炭化水素の流れに通常含有された本発明の工程の間に存在するものであることができる硫黄の例は、本発明の工程における使用のために意図されたタイプのディーゼル燃料に通常存在するものである、より重い分子量のそのもののみならず、硫化水素、硫化カルボニル(COS)、二硫化炭素(CS)、メルカプタン類(RSH)、有機スルフィド類(R−S−R)、有機ジスルフィド類(R−S−S−R)、チオフェン類、置換されたチオフェン類、有機トリスルフィド類、有機テトラスルフィド類、ベンゾチオフェン類、アルキルチオフェン類、アルキルベンゾチオフェン類、アルキルジベンゾチオフェン類、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではないと共に、そこでは、各々のRは、一個の炭素原子から十個の炭素原子を含有するアルキル若しくはシクロアルキル又はアリール基であることができる。
【0025】
用語“流体”は、気体、液体、蒸気、及びそれらの組み合わせを表記する。
【0026】
用語“気体の”は、分解されたガソリン又はディーゼル燃料のような、その炭化水素を含有する流体が、主として、気体又は蒸気の相にある、その状態を表記する。
【0027】
用語“摩滅抵抗”は、本発明の方法によって生産された組成物の摩滅抵抗を表記する。用語“Davisonインデックス”(“DI”)は、乱流の運動の制御された条件下での粒子の大きさの低減に対する組成物の抵抗の尺度を指す。その測定されたDIの値が、より高いほど、その組成物の摩滅抵抗は、より低い。
【0028】
用語“摩滅抵抗を向上させる構成成分”は、このような摩滅抵抗を向上させる構成成分を含有するものではない組成物に対して比較された、このような組成物の摩滅抵抗を向上させるための本発明の方法によって作られた組成物へ加えることができる、いずれの構成成分をも表記する。適切な摩滅抵抗を向上させる構成成分の例は、粘土、高いアルミナセメント、天然セメント、ポルトランドセメント、アルミン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。用語“粘土”は、本発明の組成物の摩滅抵抗を向上させる構成成分として使用することができる、いずれの粘土をも表記する。適切な粘土の例は、ベントナイト、ナトリウムベントナイト、酸で洗浄されたベントナイト、アタパルジャイト、チャイナクレイ、カオリナイト、モンモリロナイト、イライト、ハロイサイト、ヘクトナイト、セピオライト、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。好ましくは、このような摩滅抵抗を向上させる構成成分は、粘土を含む。より好ましくは、このような摩滅抵抗を向上させる構成成分は、ベントナイト、ナトリウムベントナイト、酸で洗浄されたベントナイト、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される。最も好ましくは、このような摩滅抵抗を向上させる構成成分は、ベントナイトである。
【0029】
用語“金属”は、単体の金属又は金属を含有する化合物のようないずれの形態における金属をも表記する。本発明の方法から生産された組成物における促進剤の構成成分とは別個の構成成分である、金属を含有する化合物は、亜鉛、マンガン、銀、銅、カドミウム、スズ、ランタン、スカンジウム、セリウム、タングステン、モリブデン、鉄、ニオブ、タンタル、ガリウム、インジウム、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択された金属を有することができる。第一の実施形態の方法において、好ましくは、亜鉛を含有する化合物が、使用されると共に、酸化亜鉛を含有する組成物を生産する。
【0030】
ここで使用されたような、用語“金属のギ酸塩”は、少なくとも一つの金属イオン及び少なくとも一つのギ酸イオンによって形成された化合物を表記する。ギ酸イオンは、ある水素原子及び二つの酸素原子への結合を備えた炭素原子であると共に、酸素原子の一方が、その炭素原子への二重結合を有する。
【0031】
ここで使用されたような、用語“金属の酸化物”は、金属のいずれの酸化物をも表記する。
【0032】
用語“金属の酸化物”は、また、金属の酸化物又は金属の酸化物の前駆体のようないずれの形態における金属の酸化物をも表記する。
【0033】
その金属の酸化物は、好ましくは、本発明の組成物の合計の重量に基づいて約10重量パーセントから約90重量パーセントまでの金属の酸化物の範囲における量で、より好ましくは、約30重量パーセントから約80重量パーセントまでの金属の酸化物の範囲における量で、及び、最も好ましくは、約40重量パーセントから約70重量パーセントまでの金属の酸化物の範囲における量で、本発明の方法によって生産された組成物に存在するものであることになる。
【0034】
用語“促進剤”は、本発明の組成物へ加えられたとき、炭化水素の流れの脱硫化を促進することを助ける、いずれの構成成分をも表記する。このような促進剤は、少なくとも一つの金属、金属の酸化物、金属の酸化物のための前駆体、一つよりも多い金属の固溶体、又は、一つよりも多い金属の合金であることができると共に、そこでは、その金属の構成成分は、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、タングステン、銀、スズ、アンチモン、バナジウム、金、白金、ルテニウム、イリジウム、クロム、パラジウム、チタン、ジルコニウム、ロジウム、レニウム、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択される。第四の実施形態において、その促進剤は、第二の金属のギ酸塩の形態でその組成物へ加えられる。
【0035】
促進剤の金属を含有する化合物のいくつかの例は、金属の酢酸塩、金属の炭酸塩、金属の硝酸塩、金属の硫酸塩、金属のチオシアン酸塩、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含む。好ましくは、その促進剤の金属は、ニッケルである。
【0036】
低減された原子価の促進剤の内容物を有するその組成物は、硫黄と化学的に及び/又は物理的に反応するための能力を有する組成物である。その組成物が、分解されたガソリンからジオレフィン類及び他のゴムを形成する化合物を取り除くことは、また好ましいことである。
【0037】
本発明の組成物の調製の間に、金属、金属の酸化物、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択された、その促進剤は、初期に、金属を含有する化合物及び/又は金属の酸化物の前駆体の形態にあることもある。その促進剤が、初期に、金属を含有する化合物及び/又は金属の酸化物の前駆体であるとき、このような化合物及び/又は前駆体の一部分又は全てが、ここで開示された本発明の工程の間に、このような化合物及び/又は前駆体の対応する金属又は金属の酸化物へ転換されることもあることは、理解されるべきことである。
【0038】
典型的には、その促進剤の共通の酸化状態は、本発明の方法によって生産された本発明の組成物の金属の酸化物の部分と組み合わせられる。その促進剤と関連させられた酸素原子の数は、低減された原子価の促進剤を形成するために、低減されるものでなかればならない。その結果として、本発明の組成物に存在する促進剤の少なくとも一部分は、低減された原子価の促進剤として存在するものでなければならない。理論によって束縛されることを望むものではない一方で、その低減された原子価の促進剤が、硫黄を化学吸着する、開裂させる、又は取り除くことができることは、信じられることである。このように、その促進剤と関連させられた酸素原子の数が、低減されるか、又は、その促進剤の酸化状態が、ゼロ価の金属であるかのいずれかである。例えば、ニッケルが、その促進剤の金属であるとすれば、酸化ニッケル(NiO)を、使用することができると共に、その低減された原子価のニッケル(促進剤の金属)は、ニッケルの金属(Ni)又はNiO(1−x)の式を有する非化学量論的なニッケルの酸化物のいずれかであることができるが、そこでは、0<x<1である。タングステンが、その促進剤であるとすれば、タングステンの酸化物(WO)を、使用することができると共に、その低減された原子価のタングステン(促進剤の金属)は、酸化タングステン(WO)、タングステンの金属(W)、又はWO(3−y)の式を有する非化学量論的なタングステンの酸化物のいずれかであることができるが、そこでは、0<y<3である。
【0039】
好ましくは、その促進剤は、脱硫化の条件下でその組成物と接触させられたとき、その炭化水素の流れからの硫黄の除去を果たすことになる、量で存在するものである。本発明の組成物に存在する促進剤の合計の量の、その促進剤の少なくとも約10重量パーセントが、低減された原子価の促進剤の形態で存在するものであることは、好適なことであるが、より好ましくは、その促進剤の少なくとも約40重量パーセントが、低減された原子価の促進剤であると共に、最も好ましくは、硫黄の除去における最良の活性のために、その促進剤の少なくとも80重量パーセントが、低減された原子価の促進剤である。その低減された原子価の促進剤は、一般に、本発明の組成物の合計の重量に基づいた、約1重量パーセントから約60重量パーセントまでの低減された原子価の促進剤の範囲における量で、好ましくは、約5重量パーセントから約40重量パーセントまでの低減された原子価の促進剤の範囲における量で、及び、最も好ましくは、硫黄の除去における最良の活性のために、8重量パーセントから20重量パーセントまでの低減された原子価の促進剤の範囲における量で、本発明の組成物に存在するものであることになる。その促進剤が、バイメタルの促進剤を含むとき、そのバイメタルの促進剤は、約20:1から約1:20までの範囲におけるこのようなバイメタルの促進剤を形成する二つの金属の比を含むべきである。
【0040】
本発明の方法によって生産された組成物の調製に使用された及びそれら組成物に存在するシリカを含有する材料は、シリカの形態にあるか、又は一つ又はより多くのシリカを含有する材料の形態にあるか、のいずれかであることもある。
【0041】
例えば、珪藻土、膨張させられたパーライト、コロイド状のシリカ、シリカゲル、沈殿させられたシリカ、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせのような、適切なシリカを含有する材料のいずれもが、その組成物に用いられることもある。加えて、ケイ酸、ケイ酸アンモニウム、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせのような、シリカへ転換可能なものであるケイ素の化合物をもまた、用いることができる。
【0042】
より好ましくは、シリカを含有する材料は、破砕された膨張させられたパーライトの形態にある。ここで使用されたような用語“パーライト”は、世界中のある一定の領域で天然に起こる、珪質の火山岩についての岩石学的な用語である。それを他の火山作用による鉱物とは別として設定する、区別する特徴は、ある一定の温度まで加熱されたとき、それの元来の体積の四倍から二十倍に膨張するためのそれの能力である。871.1℃より上に加熱されたとき、破砕されたパーライトは、その粗いパーライトの岩石内の組み合わせられた水の存在のおかげで、膨張する。その組み合わせられた水は、加熱の工程の間に、蒸発すると共に、熱で軟化させられたガラス質の粒子に無数の小さな泡を作り出す。ガラスで密閉された泡は、それの軽い重量を説明する。膨張させられたパーライトを、2.5ポンド毎立方フィートと同程度の少ない重量で、間隙率を向上させるパワーを生じさせるために、破砕することができる。
【0043】
膨張させられたパーライトの典型的な元素分析は、ケイ素33.8%、アルミニウム7%、カリウム3.5%、ナトリウム3.4%、カルシウム0.6%、マグネシウム0.2%、鉄0.6%、微量元素0.2%、(差による)酸素47.5%、及び、束縛された水3%:である。
【0044】
膨張させられたパーライトの典型的な物理的な性質は、軟化点1600−2000°F、融解点2300−2450°F、pH6.6−6.8、及び、比重2.2−2.4:である。
【0045】
ここで使用されたような用語“破砕された膨張させられたパーライト”又は“粉砕された膨張させられたパーライト”は、約20ミクロンから約500ミクロンまでの粒子の大きさを生み出すために、ミリングに最初にかけられてきた、且つ、そして、約871.1℃の温度における火炎で加熱されてきた、且つ、最後にハンマーミルにおける破砕にかけられてきた、膨張させられたパーライトのその形態を表記する。いずれの特定の理論に束縛されることを望むものではない一方で、その破砕された膨張させられたパーライトの形状が、本発明の方法によって生産された最後の組成物の活性に影響を与えることは、信じられることである。
【0046】
本発明の方法によって生産された組成物は、アルミナ、アルミナート、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されたアルミニウムを含有する材料を含有する。アルミナを、それら組成物を生産するために、使用することができる。それら組成物の調製に用いられたアルミナは、いずれの適切な商業的に利用可能なアルミナを含有する物質でもあることができると共に、それの少なくとも一部分を焼成の際にアルミナートへ転換することができる。例は、アルミニウムの塩化物、アルミニウムの硝酸塩、コロイド状のアルミナの溶液、水和されたアルミナ、解膠されたアルミナ、及び、一般に、アルミナの水和物の脱水によって生産されたそれらのアルミナの化合物を含むが、しかし、それらに限定されるものではない。好適なアルミナは、例えば、最良の活性及び硫黄の除去のための、ベーマイト又はプソイドベーマイトのような、水和されたアルミナである。組成物が、(例えば、焼成の間に)高い温度へ晒されるとき、そのアルミナの少なくとも一部分を、好ましくは実質的な部分を、アルミナート、好ましくはアルミン酸亜鉛のスピネルへ転換することができる。
【0047】
アルミニウムを含有する材料は、その組成物の合計の重量に基づいて、約1.0重量パーセントから約30重量パーセントまでの範囲における量で、好ましくは、約5重量パーセントから約25重量パーセントまでの範囲における量で、及び、最も好ましくは、10重量パーセントから22重量パーセントまでの範囲で、好ましくは、本発明の方法によって生産された組成物に存在するものであることになる。
【0048】
そのシリカを含有する材料は、その組成物の合計の重量に基づいて、約10重量パーセントから約40重量パーセントまでのシリカを含有する材料の範囲における量で、より好ましくは、約12重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲における量で、及び、最も好ましくは、15重量パーセントから30重量パーセントまでの範囲で、好ましくは、本発明の方法によって生産された組成物に存在するものであることになる。
【0049】
その組成物は、顆粒、押出物、錠剤、球体、ペレット錠、又は、微小球の一つの形態における微粒子であることができる。好ましくは、その微粒子は、流動可能な微小球である。
【0050】
本発明の第一の実施形態に従って、組成物を、以下に続く本発明の方法によって、生産することができる。
【0051】
a)1)液体、2)亜鉛を含有する化合物、3)シリカを含有する材料、4)アルミナ、及び5)促進剤:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
b)乾燥させられた混合物を形成するために、その混合物を乾燥させること;
c)焼成された混合物を形成するために、その乾燥させられた混合物を焼成すること;
d)その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する組成物を生産するために、適切な条件の下で適切な還元剤でその焼成された混合物を還元すること、並びに
e)その組成物を回収すること。
【0052】
第一の実施形態の本発明の生産方法において、液体、亜鉛を含有する化合物、シリカを含有する材料、アルミナ、及び、促進剤を含むそれらの実質的に均質な混合物を提供するための、このような構成成分の懇ろな混合を提供するいずれの適切な方法又は様式によっても、適当な割合で、液体、亜鉛を含有する化合物、シリカを含有する材料、アルミナ、及び、促進剤を混ぜることによって、その組成物を、一般に、調製することができる。自由選択で、摩滅抵抗を向上させる構成成分をもまた、その混合物へ加えることができる。ここで使用されたような用語“混ぜること”は、いずれの順序及び/又はいずれのコンビネーション又はサブコンビネーションにおいても構成成分を混合することを表記する。しかしながら、液体、金属を含有する化合物、シリカを含有する材料、及び、促進剤が、混ぜられる、実施形態において、アルミナは、全ての他の構成成分の後に、その混合物へ加えられる。その組成物の構成成分を混ぜるためのいずれの適切な手段をも、このような構成成分の所望の分散を達成するために、使用することができる。適切な混ぜることの例は、ミキシングタンブラー、静止したシェルフ又はトラフ、バッチ式又は連続的なタイプのものである、Eurostarミキサー、インパクトミキサー、及び同様のものを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。本発明の組成物の構成成分の混ぜることの際にEurostarミキサーを使用することは、現在のところ、好適なことである。
【0053】
その液体は、金属を含有する化合物、シリカを含有する材料、アルミナ、及び促進剤を分散させることが可能ないずれの溶媒であることもできると共に、好ましくは、その液体を、水、エタノール、アセトン、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択することができる。最も好ましくは、その液体は、水である。
【0054】
本発明の方法の第一の、第二の、及び第三の実施形態における組成物の調製において使用された金属を含有する化合物(好ましくは、亜鉛を含有する化合物)は、金属の酸化物の形態にあるか、又は、ここに記載された調製の条件の下である金属の酸化物へ転換可能なものである一つ若しくはより多くの金属の化合物の形態にあるか、いずれかであることができる。適切な金属の化合物の例は、金属の硫化物、金属の硫酸塩、金属の水酸化物、金属の硝酸塩、金属のギ酸塩、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。好ましくは、その金属を含有する化合物は、粉末化された金属の酸化物の形態にある。
【0055】
その微粒子化が、好ましくは噴霧乾燥することによって、達成されるとき、分散剤の構成成分を、自由選択で、利用することができると共に、好ましくはスラリーの形態にある、そのミックスの噴霧乾燥する能力を促進することを助けるいずれの適切な化合物でもあることができる。特に、これらの構成成分は、流体の媒体における固体の粒子の堆積、沈殿、沈降すること、凝集すること、付着すること、及び、ケーキングを予防することに有用なものである。適切な分散剤は、縮合されたホスファート、スルホン化された重合体、及び、それらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。用語“縮合されたホスファート”は、一つよりも多いリンの原子を含有すると共にリン−酸素−リンの結合を有するいずれの脱水されたホスファートをも指す。適切な分散剤の具体的な例は、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、スルホン化されたスチレン−無水マレイン酸重合体、及びそれらの組み合わせを含む。使用された分散剤の構成成分の量は、一般に、それら構成成分の合計の重量に基づいた、約0.01重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲にある。好ましくは、使用された分散剤の構成成分の量は、一般に、約0.1重量パーセントから約8重量パーセントまでの範囲にある。
【0056】
好適な噴霧乾燥された組成物を調製する際に、酸の構成成分を、使用することができる。一般には、その酸の構成成分における酸は、有機酸又は硝酸のような鉱酸であることができる。その酸の構成成分が、有機酸であるとすれば、カルボン酸であることは、好適なことである。その酸の構成成分が、鉱酸であるとすれば、硝酸又はリン酸であることは、好適なことである。これらの酸の混合物をもまた、使用することができる。一般に、その酸は、希薄な水性の酸の溶液を形成するために、水と共に使用される。その酸の構成成分における酸の量は、一般に、その酸の構成成分の合計の体積に基づいた、約0.01体積パーセントから約20体積パーセントまでの範囲にある。
【0057】
一般に、噴霧乾燥された材料は、約10マイクロメートルから約1000マイクロメートルまでの範囲における、好ましくは約20マイクロメートルから約150マイクロメートルまでの範囲における、平均の粒子の大きさを有する。
【0058】
用語“平均の粒子の大きさ”は、Mentor,OhioのW.S.Tyler Inc.によって製造された、RO−TAP(R) Testing Sieve Shaker又は他の同等のふるいを使用することによって決定されたような微粒子の材料の大きさを指す。測定されるものである材料は、その底部に受け皿を備えた標準的な8インチの直径のステンレス鋼で形作られたふるいのネストの上部に置かれる。その材料は、約10分間の周期の間における篩い分けをうける;その後に、各々のふるいに保持された材料が、秤量される。各々のふるいに保持された百分率が、元来の試料の重量で粒子のふるいに保持された材料の重量を割ることによって、計算される。この情報は、その平均の粒子の大きさを算出するために、使用される。
【0059】
そして、その混合物は、乾燥させられた混合物を形成するために、乾燥させられる。ここで参照されたような、乾燥させる条件は、約65.5℃から約550℃までの範囲における、好ましくは約87.8℃から約210℃までの範囲における、及び、最も好ましくは93.3℃から176.7℃までの範囲における、温度を含むことができる。このような乾燥させる条件は、一般に約0.5時間から約60時間までの範囲における、好ましくは約1時間から約40時間までの範囲における、及び、最も好ましくは1.5時間から20時間までの範囲における、時間周期をもまた含むことができる。このような乾燥させる条件は、所望の温度を維持することができる限り、一般に約大気のもの(即ち、約14.7ポンド毎平方インチ絶対単位)から約150ポンド毎平方インチ絶対単位(プサイ)(pound per square inch absolute(psia))までの範囲における、好ましくは約大気のものから約100プサイまでの範囲における、及び、最も好ましくは約大気のものにおける、圧力をもまた含むことができる。例えば、空気乾燥、加熱乾燥、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせのような当業者に知られたいずれの乾燥させる方法をも、使用することができる。好ましくは、加熱乾燥が、使用される。
【0060】
そして、その乾燥させられた混合物は、焼成された混合物を形成するために、焼成される。好ましくは、その乾燥させられた混合物は、酸素又は空気の存在におけるもののような酸化する雰囲気において、焼成される。ここで参照されたような、焼成する条件は、約204.4℃から約815.5℃までの範囲における、好ましくは約426.7℃から約815.5℃までの範囲における、及び、より好ましくは482.2℃から760℃までの範囲における、温度を含むことができる。このような焼成する条件は、一般に約7プサイから約750プサイまでの範囲における、好ましくは約7プサイから約450プサイまでの範囲における、及び、最も好ましくは7プサイから150プサイまでの範囲における、圧力、並びに、約1時間から約60時間までの範囲における時間周期、好ましくは約1時間から約20時間までの範囲における時間周期、及び、最も好ましくは1時間から15時間までの範囲における時間周期、をもまた含むことができる。この発明の工程においては、その焼成は、そのアルミナの少なくとも一部分をアルミナートへ転換することができる。
【0061】
ここに開示された工程に従って、その焼成された混合物は、その後に、その中に実質的に低減された原子価の促進剤の内容物、好ましくはその中に実質的にゼロ価の促進剤の内容物、を有する組成物を生産するために、適切な還元剤、好ましくは水素を伴った還元にかけられると共に、このようなゼロ価の促進剤は、分解されたガソリン又はディーゼル燃料のような炭化水素の流れからの硫黄の除去を許容するための十分な量で存在するものである。
【0062】
その還元の条件は、約37.8℃から約815.5℃までの範囲における温度、約15プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力、及び、低減された原子価の促進剤の形成を許容するための十分な時間の間を含むことができる。
【0063】
そして、その組成物は、回収される。
【0064】
本発明の第二の実施形態に従って、その組成物を、また、以下に続く本発明の方法;
a)1)液体、2)金属を含有する化合物、3)シリカを含有する材料、4)アルミナ、及び5)第一の促進剤:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
b)乾燥させられた混合物を形成するために、その混合物を乾燥させること;
c)組み込まれた混合物を形成するために、その乾燥させられた混合物の上へ又は中へ第二の促進剤を組み込むこと;
d)乾燥させられた組み込まれた混合物を形成するために、その組み込まれた混合物を乾燥させること;
e)焼成された促進された混合物を形成するために、その乾燥させられた組み込まれた混合物を焼成すること;
f)その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する組成物を生産するために、適切な条件の下で適切な還元剤でその焼成された促進された混合物を還元すること;並びに
g)その組成物を回収すること
によってもまた、生産することができる。
【0065】
本発明の組成物の生産において、(上に記載されたような)液体、金属を含有する化合物、シリカを含有する材料、アルミナ、及び促進剤を含む実質的に均質な混合物を提供するための、このような構成成分の懇ろな混合を提供するいずれの適切な方法又は様式によっても、適当な割合で、液体、金属を含有する化合物、シリカを含有する材料、アルミナ、及び、第一の促進剤を混ぜることによって、その組成物を、一般に、調製することができる。上に記載されたような、これらの構成成分を混ぜるためのいずれの適切な手段をも、このような構成成分の所望の分散剤を達成するために、使用することができる。
【0066】
その金属を含有する化合物における金属は、亜鉛、マンガン、銀、銅、カドミウム、スズ、ランタン、スカンジウム、セリウム、タングステン、モリブデン、鉄、ニオブ、タンタル、ガリウム、インジウム、及びそれらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択される。好ましくは、その金属は、亜鉛である。
【0067】
本発明の方法の組成物の調製に使用された金属を含有する化合物は、金属の酸化物の形態にあるか、又は、ここに記載された調製の条件下である金属の酸化物へ転換可能なものである一つ若しくはより多くの金属の化合物の形態にあるか、のいずれかであることができる。適切な金属を含有する化合物の例は、金属の硫化物、金属の硫酸塩、金属の水酸化物、金属の炭酸塩、金属の酢酸塩、金属の硝酸塩、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせを含むが、しかし、それらに限定されるものではない。好ましくは、その金属を含有する化合物は、粉末化された金属の酸化物の形態にある。
【0068】
それら構成成分は、湿式のミックス、ドウ、ペースト、スラリー、及び同様のものからなる群より選択された形態にあることができる混合物を提供するために、混合させられる。好ましくは、その混合物は、スラリーの形態にある。そして、このような混合物を、自由選択で、上に記載されたような、顆粒、押出物、錠剤、球体、ペレット剤、又は、微小球からなる群より選択された微粒子を形成するために、密度を高めること、押し出し加工すること、又は、噴霧乾燥することによって、形作ることができる。
【0069】
そして、その混合物は、上に記載された乾燥させる条件に従って、乾燥させられた混合物を形成するために、乾燥させられる。
【0070】
そして、金属を含有する化合物、シリカを含有する材料、及びアルミナ(又はアルミナート)を含む、その乾燥させられた混合物には、第二の促進剤が組み込まれる。自由選択で、その乾燥させられた混合物を、上に記載された焼成する条件に従って、第二の促進剤の組み込みの前に、焼成することができる。
【0071】
用語“第一の促進剤”及び“第二の促進剤”は、異なる時間にその混合物へ加えられる促進剤の構成成分の間で区別する。両方の構成成分を、同じ元素(即ち、ニッケル)で構成することができるか、又は、各々を、異なる元素で構成することができる(即ち、第一の促進剤が、ニッケルを含むことができると共に第二の促進剤が、コバルトを含むことができる)。一緒に、第一の促進剤及び第二の促進剤は、第二の実施形態の回収された組成物に存在する促進剤の構成成分を含む。
【0072】
第二の促進剤を、基質の材料の中へ又は上へ促進剤を組み込むための当技術において知られたいずれの適切な手段又は方法によっても、その乾燥させられた混合物の中へ又は上へ組み込むことができる。
【0073】
組み込むことの好適な方法は、基質を含浸させるためのいずれの従来の湿り度の含浸の技術(即ち、それら組み込む要素の溶液で基質の材料の孔を本質的に完全に又は部分的に充填する)を使用しても、含浸させることである。この好適な方法は、水素のような還元剤を伴った還元によって後に続けられた、そして(そのアルミナの少なくとも一部分をアルミナートへ転換することができる)乾燥及び焼成にかけることができる組み込まれた混合物を最終的に提供するために、望ましい濃度の促進剤を含む含浸する溶液を使用する。
【0074】
好適な含浸する溶液は、水、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、及びそれらの組み合わせのような溶媒中に、金属を含有する化合物を溶解させることによって形成された溶液を含むが、好ましくはこのような金属を含有する化合物は、金属の塩化物、金属の硝酸塩、金属の硫酸塩、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせのような金属の塩の形態にある。好ましくは、このような溶液の溶媒に対する金属の促進剤の重量の比は、約1:1から約4:1までの範囲にあることができるが、しかし、より好ましくは、それは、1.5:1から3:1までの範囲にある。それら微粒子が、水に溶解させられた硝酸ニッケル六水和物を含有する溶液の使用によって、ニッケルの化合物で含浸されることは、好適なことである。
【0075】
第二の促進剤での、好ましくは含浸によって、その乾燥させられた混合物の組み込みの後に続けて、結果として生じる組み込まれた混合物は、そして、乾燥させられた組み込まれた混合物を形成するために、上に記載されたように、乾燥させる条件の下で乾燥にかけられると共に、焼成された組み込まれた混合物を形成するために、上に記載されたように、焼成する条件の下で焼成される。そして、その焼成された組み込まれた混合物を、上に記載されたように、還元剤を伴った還元に、それによってその組成物を提供するために、かけることができる。そして、その組成物を、回収することができる。
【0076】
この発明の第三の実施形態は、
(a)1)液体、2)金属を含有する化合物、3)シリカを含有する材料、及び4)促進剤:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
(b)アルミナを含有する混合物を形成するために、その混合物へアルミナを加えること;
(c)乾燥させられた混合物を形成するために、そのアルミナを含有する混合物を乾燥させること;
(d)焼成された混合物を形成するために、その乾燥させられた混合物を焼成すること;
(e)その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する組成物を生産するために、適切な条件の下で適切な還元剤でその焼成された混合物を還元すること;並びに
(f)その組成物を回収すること
:を含む、からなる、又は、本質的にからなる、方法である。
【0077】
第三の実施形態における組成物の生産においては、液体、金属を含有する化合物、シリカを含有する材料、及び、促進剤を混ぜることによって、その組成物を、一般に、調製することができる。それら構成成分を、一般に、上に記載された様式で混ぜることができる。使用された金属を含有する化合物は、上の第二の実施形態について上に記載されたものと同じものである。
【0078】
その混合物は、湿式のミックス、ドウ、ペースト、スラリー、及び同様のものからなる群より選択された形態にあることができる。
【0079】
一度、上に記載された構成成分が、一緒に混合させられると、アルミナを、そして、アルミナを含有する混合物を形成するために、その混合物へ加えることができる。
【0080】
そのアルミナを含有する混合物は、そして、上に記載されたように、乾燥させられると共に焼成される。
【0081】
本発明の第四の実施形態に従って、その組成物をもまた、以下に続く本発明の方法:
(a)1)液体、2)第一の金属のギ酸塩)、3)シリカを含有する材料、4)アルミナ、及び5)第二の金属のギ酸塩:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
(b)乾燥させられた混合物を形成するために、その混合物を乾燥させること;
(c)焼成された混合物を形成するために、その乾燥させられた混合物を焼成すること;並びに
(d)前記の組成物を回収すること
によって、生産することができる。
【0082】
その組成物を、一般に、液体、第一の金属のギ酸塩、シリカを含有する材料、アルミナ、及び第二の金属のギ酸塩を、それらの混合物を形成するために、(上に記載された様式で)混ぜることによって、調製することができる。
【0083】
第一の及び第二の金属のギ酸塩における金属は、異なるものであることができるか、又は、それらは、同じものであることができる。好ましくは、第一の金属のギ酸塩は、ギ酸亜鉛であると共に、第二の金属のギ酸塩は、ギ酸ニッケルである。
【0084】
第四の実施形態においては、その促進剤は、金属のギ酸塩の形態にある。また、第四の実施形態においては、その組成物の上に列挙された構成成分は、湿式のミックス、ドウ、ペースト、スラリー、及び同様のものからなる群より選択された形態にあることができる混合物を提供するために、混合させられる。好ましくは、その混合物は、スラリーの形態にある。そして、このような混合物を、顆粒、押出物、錠剤、球体、ペレット剤、又は、微小球からなる群より選択された微粒子を形成するために、形作ることができる。
【0085】
好ましくは、その液体は、水酸化アンモニウム又はアンモニアである。
【0086】
混合した後、その混合物は、上に記載されたように、乾燥させられると共に焼成される。
【0087】
この発明の第五の実施形態は、炭化水素の流れからの硫黄の除去のための新規な工程を含む。この工程は、
a)形成されるものが脱硫化された炭化水素の流れ及び硫化された組成物であるような条件の下で脱硫化のゾーンにおいて第一の又は第二の実施形態からの組成物とその炭化水素の流れを接触させること;
b)その硫化された組成物からその脱硫化された炭化水素の流れを分離すること、それによって、分離された脱硫化された炭化水素の流れ及び分離された硫化された組成物を形成すること;
c)再生のゾーンにおいてその分離された硫化された組成物の少なくとも一部分を、それの中に及び/又はそれの上に含有された硫黄の少なくとも一部分を取り除くために、再生させること、それによって再生させられた組成物を形成すること;
d)それと接触させられるとき炭化水素の流れからの硫黄の除去を果たすことになる、その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する還元された組成物を提供するために、還元のゾーンにおいてその再生させられた組成物を還元すること;並びに、その後に
e)その脱硫化のゾーンへその還元された組成物の少なくとも一部分を戻すこと
:を含む。
【0088】
その脱硫化のゾーンにおいて第一の又は第二の実施形態の方法によって調製された組成物とその炭化水素の流れの、ステップa)における、接触させることは、当業者に知られたいずれの方法によるものであることができる。
【0089】
その脱硫化のゾーンは、炭化水素の流れの脱硫化が起こることができる、いずれのゾーンでもあることができる。適切なゾーンの例は、固定床の反応器、移動床の反応器、流動床の反応器、輸送の反応器、及び同様のものである。現在のところ、流動床の反応器又は固定床の反応器が、好適なものである。
【0090】
ステップa)の脱硫化のゾーンは、以下に続く条件:全圧、温度、毎時重量空間速度、及び水素の流量を含む。これらの条件は、本発明の組成物が、脱硫化された炭化水素の流れ及び硫化された組成物を生産するために、その炭化水素の流れを脱硫化することができるようなものである。
【0091】
その全圧は、約15ポンド毎平方インチ絶対単位(プサイ)(pound per square inch absolute(psia))から約1500プサイまでの範囲にあることができる。しかしながら、その全圧が、約50プサイから約500プサイまでの範囲にあることは、現在のところ好適なことである。
【0092】
一般に、その温度は、その炭化水素の流れを本質的に蒸気又は気体の相に保つために十分なものであるべきである。このような温度が、約37.8℃から約537.8℃までの範囲にあることができる一方で、その温度が、分解されたガソリンを取り扱うとき、約204.4℃から約426.7℃までの範囲に、及び、ディーゼル燃料を取り扱うとき、約260℃から約482.2℃までの範囲に、あることは、現在のところ好適なことである。
【0093】
毎時重量空間速度(weight hourly space velocity)(“WHSV”)は、炭化水素の流れが装填される脱硫化のゾーンに含有された組成物のポンドで割られた、温度及び圧力の標準的な条件(standard condition of temperature and pressure)(STP)での、ポンド毎時における、炭化水素の流れが脱硫化のゾーンへ装填される速度の数値の比として定義される。本発明の実際において、このようなWHSVは、約0.5時間−1から約50時間−1までの範囲に、好ましくは約1時間−1から約50時間−1までの範囲に、あるべきである。
【0094】
硫黄を含有する炭化水素を含む、からなる、又は、本質的にからなる、いずれの適切な炭化水素の流れをも、本発明の組成物と接触させられるものである供給原料として使用することができる。その炭化水素の流れは、好ましくは、分解されたガソリン、ディーゼル燃料、及び、それらの組み合わせからなる群より選択された燃料を含む、からなる、又は、本質的にからなる。
【0095】
その炭化水素の流れにおける硫黄の量は、その炭化水素の流れの重量による約10ppmよりも少ない硫黄から約50,000ppmまでの範囲にあることができる。その炭化水素の流れが、分解されたガソリンであるとき、硫黄の量は、その分解されたガソリンの重量による約10ppmよりも少ない硫黄からその分解されたガソリンの重量による約10,000ppmの硫黄までの範囲にあることができる。その炭化水素の流が、ディーゼル燃料であるとき、硫黄の量は、そのディーゼル燃料の重量による約10ppmよりも少ない硫黄からそのディーゼル燃料の重量による約50,000ppmの硫黄までの範囲にあることができる。
【0096】
ここに使用されたように、用語“硫黄”又は“ppmの硫黄”は、有機硫黄化合物のような、硫黄の化合物の原子質量単位又は質量ではなく、その炭化水素の流れの合計の重量に基づいた、その炭化水素の流れの硫黄を含有する炭化水素に含有された原子の硫黄(約32原子質量単位)の量を表記する。
【0097】
本発明の工程における供給原料として適切な、分解されたガソリン又はディーゼル燃料は、部分的に、オレフィン類、芳香族、硫黄、パラフィン類、及び、ナフテン類を含有する組成物である。
【0098】
分解されたガソリンにおけるオレフィン類の量は、一般に、その分解されたガソリンの合計の重量に基づいた、約10重量パーセントから約35重量パーセントのオレフィン類までの範囲にある。ディーゼル燃料については、本質的にオレフィンの内容物が無いものである。
【0099】
分解されたガソリンにおける芳香族の量は、一般に、その分解されたガソリンの合計の重量に基づいた、約20重量パーセントから約40重量パーセントの芳香族までの範囲にある。ディーゼル燃料における芳香族の量は、一般に、そのディーゼル燃料の合計の重量に基づいた、約10重量パーセントから約90重量パーセントまでの芳香族の範囲にある。
【0100】
本発明の工程の脱硫化のステップを実行する際に、その炭化水素の流れが、気体又は蒸気の相にあることは、好適なものである。しかしながら、本発明の実際においては、このような炭化水素の流れが、全体として、気体又は蒸気の相にあることは、必ずしも本質的なことではない。
【0101】
脱硫化するステップを実行する際に、本発明の組成物で処理されている炭化水素の流れにおけるオレフィンの又は芳香族の化合物のいずれの可能な化学的な又は物理的な反応とも干渉する、用いられるものである試剤は、ことは、現在のところ好適なことである。好ましくは、このような試剤は、水素である。
【0102】
その脱硫化のゾーンにおける水素の流量は、一般に、その炭化水素の流れに対する水素のモル比が、約0.1から約10までの範囲に、好ましくは約0.2から約3までの範囲に、あるようなものである。
【0103】
所望であれば、その分解されたガソリン又はディーゼル燃料の脱硫化の間に、メタン、二酸化炭素、燃焼ガス、窒素、及び同様のもの、並びにそれらの組み合わせのような希釈剤を、使用することができる。このように、高い純度の水素が、分解されたガソリン又はディーゼル燃料のような、しかし、それらに限定されるものではない、その炭化水素の流れの所望の脱硫化を達成する際に用いられることは、本発明の実際には本質的なことではない。
【0104】
流動床の反応器の系を利用するとき、約10マイクロメートルから約100マイクロメートルまでの範囲における粒子の大きさを有する組成物が、使用されることは、現在のところ好適なことである。好ましくは、このような組成物は、約20マイクロメートルから約500マイクロメートルまでの範囲における、及び、より好ましくは、30マイクロメートルから400マイクロメートルまでの範囲における、粒子の大きさを有するべきである。固定床の反応器の系が、本発明の脱硫化の工程の実際に用いられるとき、その組成物は、一般に、約1/32インチから約1/2インチまでの直径の範囲における、好ましくは約1/32インチから約1/4インチの直径までの範囲における、粒子の大きさを有するべきである。
【0105】
約1平方メートル毎グラム(m/g)から約1000平方メートル毎グラムまでの組成物の範囲における、好ましくは約1m/gから約800m/gまでの範囲における、表面積を有する組成物を使用することは、さらに現在のところ好適なことである。
【0106】
その脱硫化された炭化水素の流れを、当技術において知られたいずれの適切な分離方法によって、その硫化された組成物から分離することができると共に、それによって、分離された脱硫化された炭化水素の流れ及び分離された硫化された組成物を形成する。
【0107】
このような手段の例は、低気圧性のデバイス、沈降室、固体及び気体を分離するための衝突デバイス、並びに同様のもの、並びにそれらの組み合わせである。分離は、その炭化水素の流れがその脱硫化のゾーンの外へ流動することを可能にすることを含むことができるが、しかし、それに限定されるものではない。そして、その脱硫化された気体の分解されたガソリン又は脱硫化された気体のディーゼル燃料を、回収すると共に好ましくは液化することができる。このような脱硫化された炭化水素の流れの液化を、当技術において知られたいずれの様式によっても、成し遂げることができる。
【0108】
本発明の脱硫化の工程に従った処理の後に続く、脱硫化された炭化水素の流れにおける硫黄の量は、炭化水素の流れの重量による約500ppmの硫黄よりも少ない、好ましくは炭化水素の流れの重量による約150ppmの硫黄よりも少ない、及びより好ましくは、炭化水素の流れの重量による約50ppmの硫黄よりも少ない、ものである。
【0109】
本発明の工程を実行する際に、所望であれば、ストリッパーユニットを、その硫化された組成物の再生の前に及び/又はその後に、挿入することができる。このようなストリッパーは、その硫化された組成物からのいずれの炭化水素の一部分をも、好ましくはその全てをも、取り除くことに役に立つことになる。このようなストリッパーは、また、その還元のゾーンの中へのその再生された組成物の導入に先立ち、その系から酸素及び二酸化硫黄を取り除くことに役に立つことができる。そのストリッピングは、全圧、温度、及びストリッピングの試剤の分圧を含む一組みの条件を含む。
【0110】
好ましくは、そのストリッパーにおける全圧は、用いられたとき、約25プサイから約500プサイまでの範囲にある。
【0111】
このようなストリッピングのための温度は、約37.8℃から約537.8℃までの範囲にあることができる。
【0112】
そのストリッピングの試剤は、その硫化された組成物から炭化水素を取り除くことを助ける組成物である。好ましくは、そのストリッピングの試剤は、窒素である。その硫化された組成物は、それの中に(例えば、その組成物の孔内に)又はそれの上に(例えば、その組成物の表面に位置させられた)含有された硫黄を有することができる。
【0113】
その再生のゾーンは、全圧及び硫黄を取り除く試剤の分圧を含む一組みの条件を用いる。その全圧は、一般に、約25プサイから約50プサイまでの範囲にある。
【0114】
その硫黄を取り除く試剤の分圧は、一般に、約1%から約25%までの全圧の範囲にある。
【0115】
存在するものであるかもしれないいずれの残留する炭化水素の堆積物をも焼き払うことのみならず、二酸化硫黄のような、その硫黄を取り除く試剤は、気体の硫黄を含有する化合物及び酸素を含有する化合物を発生させることを助ける組成物である。その再生のゾーンにおける使用に適切な、好適な硫黄を取り除く試剤は、空気のような、しかし、それに限定されるものではない、酸素を含有する気体より選択される。
【0116】
その再生のゾーンにおける温度は、一般に、約37.8℃から約815.5℃までの範囲に、好ましくは約426.7℃から約648.9℃までの範囲に、ある。
【0117】
その再生のゾーンは、いずれの容器でもあることができると共に、そこでは、その硫化された組成物の脱硫する又は再生は、起こることができる。
【0118】
そして、ここに開示された本発明の工程に従った炭化水素の流れからの硫黄の除去を許容するための、低減された原子価の促進剤の内容物を有する還元された組成物を生産するために、その組成物の促進剤の内容物の少なくとも一部分が、還元されるように、その再生された組成物は、水素を含むが、しかし、それに限定されるものではない、還元剤を伴った還元のゾーンにおいて還元される。
【0119】
一般に、本発明を実践するとき、脱硫化された組成物の還元は、約37.8℃から約815.5℃までの範囲における温度で、及び、約15プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力で、実行される。このような還元は、好ましくはその組成物の外皮に含有される、促進剤の還元の所望の水準を達成するための十分な時間の間に実行される。このような還元を、一般に、約0.01時間から約20時間までの範囲における時間周期で達成することができる。
【0120】
その再生された組成物の還元の後に続けて、その結果として生じる還元された組成物の少なくとも一部分を、その脱硫化のゾーンへ戻すことができる。
【0121】
本発明の工程を実行する際に、このような再生の前に及び/又はその後に、脱硫化、再生、還元、及び、自由選択でストリッピングのステップを、単一のゾーン若しくは容器において、又は、多重のゾーン若しくは容器において、成し遂げることができる。
【0122】
固定床の反応器の系において本発明の工程を実行するとき、このような再生の前に及び/又はその後に、脱硫化、再生、還元、及び自由選択でストリッピングのステップが、単一のゾーン又は容器において、成し遂げられる。
【0123】
脱硫化された分解されたガソリンを、商業的な消費に適切なガソリンの生産物を提供するためのガソリンのブレンドの配合に使用することができると共に、低い水準の硫黄を含有する分解されたガソリンが、望まれる場合にもまた使用することができる。
【0124】
脱硫化されたディーゼル燃料を、ディーゼル燃料の生産物を提供するためのディーゼル燃料のブレンドの配合に使用することができる。
【0125】
例I(発明のもの)
ニッケルで促進された、酸化亜鉛/アルミナ/パーライトの組成物を、調製した。56グラムの量のVista Dispalのアルミナを、118.43グラムの脱イオン水へ加えたと共に20分間混合した。そして、(硝酸でパーライトを処理すること、並びに、そして、アルミナ、酸化亜鉛、及び、カオリンクレイを加えることによって、調製された)43.6グラムの量の塩基を、5分の周期にわたって水及びアルミナの混合物へ加えたと共に、付加的な五分の間混合した。この混合物を、以後、混合物#1と称することにする。
【0126】
それに対して、0.03グラムの量の硝酸を、473.73グラムの脱イオン水へ加えたと共に、五分の間混合した。そして、五分の周期を超えて、55.6グラムの量のパーライト(Silbrico Sil−Kleer #27−M)を、その硝酸溶液へ加えたと共に20分間混合した。そして、5分の周期を超えて、198グラムの量の硝酸ニッケルを、そのパーライト溶液へ加えたと共に、15分間混合した。この混合物を、以後、混合物#2と称することにする。
【0127】
そして、混合物#2を、混合物#1へ注入したと共に、そして、10分間混合した。そして、204.8グラムの量の酸化亜鉛を、五分の周期を超えてその混合物へ加えたと共に、そして、付加的な15分間混合した。その酸化亜鉛の混合物を、噴霧乾燥したと共に、そして、オーブン中で乾燥させた。
【0128】
100グラムの量の酸化亜鉛の混合物には、超音波のノズルを介して、87.5グラムの硝酸ニッケル六水和物プラス13.75グラムの脱イオン水の組み合わせを含浸させた。その含浸させられた混合物を、1時間の間150℃で乾燥させたと共に1時間の間635℃で焼成した。この組成物についてのDavisonインデックス(DI)の値は、10.3であった。
【0129】
例II
例Iで調製したような組成物を、以下のように、それの脱硫化の活性について試験した。調製したような材料の10グラムを、その組成物の床用の不活性な支持物を提供するために、約12インチの長さを有すると共に下側の三分の一より上に位置決めされたガラスフリットを有する1/2インチの直径の石英管の中に置いた。
【0130】
各々の反応サイクルの間に、その反応器を、398.9℃の温度及び15ポンド毎平方インチ絶対単位(プサイ)の圧力で維持した。水素の流量は、130sccmの窒素で希釈された130標準立方センチメートル毎分(standard cubic centimeter per minute)(sccm)にあった。モデルのディーゼル供給原料を、13.4ml毎時の速度で、その反応器を通じて上方へポンプでくみ出した。このような条件を、以後、“反応条件”と称する。
【0131】
そのディーゼル供給原料は、135百万分率(ppm)の硫黄の含有率を有した。その硫黄は、4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの形態にあった。この化合物は、立体障害のおかげで取り除くことが最も困難な硫黄を含有する化合物である。
【0132】
サイクル1を、初期化した前に、その組成物を、一時間の周期の間398.9℃の温度における300sccmの速度で流動する水素で還元した。このような条件を、以後、“還元する条件”と称する。各々の反応サイクルは、その供給原料への露出の一、二、三、及び四時間の後に測定された各々のサイクルについて生産物の硫黄(ppm)を伴って四時間からなるものであった。
【0133】
その反応サイクルの完了の後、その組成物を、十五分の間に398.9℃において180sccmの窒素でフラッシュした。その温度を、そして、537.8℃まで上昇させたが、そこでその組成物は、二時間の間、120sccmの空気及び180sccmの窒素の下で再生された。そして、その温度を、398.9℃まで減少させたと共に、その試料を、15分間の間、窒素でパージした。このような条件を、以後、“再生の条件”と称する。サイクル2は、サイクル1のように、還元する条件の下で、;即ち、一時間の間流動の速度300sccmでの水素におけるその組成物の398.9℃での温度で、始まった。
【0134】
例Iの組成物を、サイクル1の後に起こる再生を伴った、二つの反応サイクルにわたって試験した。表Iにおける結果が、得られたが、そこでは、与えられた値が、それぞれ、処理の第一の一時間、第二の一時間、第三の一時間、及び第四の一時間の後における、生産物における硫黄の重量による百万分率である。
【0135】
表I
供給原料:135ppmの硫黄
【0136】
【表1】


例III(対照)
(硝酸でパーライトを処理すること、及び、そして、アルミナ、酸化亜鉛、及びカオリンクレイを加えることによって調製された)70グラムの量の塩基には、従来の湿式の含浸の方法を使用する二つのステップでニッケルを含浸させた。各々の含浸は、7グラムの脱イオン水の中の74.3グラムの硝酸ニッケル六水和物を伴ったものであった。第一の含浸の後に、その組成物を、1時間の間150℃の温度で乾燥させた。第二の含浸の後に、その組成物を、1時間の間150℃で乾燥させたと共に、1時間の間635℃で焼成した。この組成物についてのDI値は、12.2であった。
【0137】
例IV
例IIIにおいて調製したような組成物の10グラムを、例IIにおいて記載したような脱硫化の活性について試験した。その組成物を、二つの反応サイクルにわたって試験したと共に、表IIにおける結果が、それぞれ、処理の第一の一時間、第二の一時間、第三の一時間、及び第四の一時間の後における、その生産物における硫黄の重量による百万分率で与えられた。
【0138】
表II
供給原料−135ppmの硫黄
【0139】
【表2】


例V(対照)
(例I及びIIIにおいて記載したような)85グラムの量の塩基には、従来の湿式の含浸の方法を使用する一つのステップでニッケルを含浸させた。その含浸は、7グラムの脱イオン水の中の74.3グラムの硝酸ニッケル六水和物を伴ったものであった。その組成物を、1時間の間150℃で乾燥させたと共に1時間の間635℃で焼成した。この組成物についてのDI値は、14.7であった。
【0140】
例VI
例Vにおいて調製したような組成物の10グラムを、例IIにおいて記載したような脱硫化の活性について試験した。その組成物を、二つの反応サイクルにわたって試験したと共に、表IIIにおける結果が、それぞれ、処理の第一の一時間、第二の一時間、第三の一時間、及び第四の一時間の後における、その生産物における硫黄の重量による百万分率で与えられた。
【0141】
表III
供給原料−135ppmの硫黄
【0142】
【表3】


それら結果に基づいて、例Iにおける本発明の方法によって調製された組成物は、例III及びVにおいて調製した組成物よりも、より良好なものでないとしても、ちょうど同様に、硫黄を取り除く。
【0143】
例VII
ニッケルで促進された酸化亜鉛/アルミナ/パーライトを調製した。685グラムの量の蒸留水を、1007.5グラムの硝酸ニッケル六水和物と混合した。そして、146グラムの量のCondea Disperalのアルミナを、その混合物へ加えた。それに対して、150グラムのパーライト(Silbrico Sil−Kleer #27−M)を、575グラムの酸化亜鉛と混合した。そして、この混合物を、そのアルミナの混合物へ加えた。そして、その組成物を、乾燥させたと共に、先の例において開示したように焼成した。
【0144】
例VIII
30グラムの量の二ギ酸ニッケル二水和物を、200mLの濃縮された水酸化アンモニウムの中に溶解させた。そして、45グラムの量の二ギ酸亜鉛二水和物を、上の溶液へ加えた。そして、20グラムのアルミナを、中でゆっくりと攪拌した。この溶液を、そのアンモニアが、その溶液を去るまで、攪拌された熱板上で加熱した。そして、10グラムの量の膨張させられた破砕されたパーライトを加えた。この組成物を、濾過したと共に洗浄した、且つ、そして、110℃で乾燥させたと共に1時間の間300℃で還元した。
【0145】
例IX
例VIIIにおいて調製したような組成物を、以下のように、それの脱硫化の活性について試験した。調製したような材料の10グラムを、その組成物の床用の内部の支持物を提供するために、約12インチの長さを有すると共に下側の1/3より上に位置決めされたガラスフリットを有する1/2インチの直径の石英管の中に置いた。
【0146】
その組成物を、水素の300cc/分の流量で398℃の温度で還元した。これらの条件を、以後、“還元する条件”と称する。
【0147】
各々の還元サイクルの間で、その反応器を、398℃の温度及び15プサイの圧力で維持する。水素の流量は、80cc/分であった。窒素の流量は、120cc/分であった。モデルのディーゼル供給原料を、72cc/分の速度でその反応器を通じて上方へポンプでくみ出した。このような条件を、以後、“反応の条件”と称する。
【0148】
そのディーゼル燃料は、135百万分率(ppm)の硫黄の含有率を有した。硫黄は、4,6−ジメチルジベンゾチオフェンの形態にあった。この化合物は、立体障害のおかげで取り除くことが最も困難な硫黄を含有する化合物である。
【0149】
各々の反応サイクルは、その供給原料への1、2、3、及び4時間の露出の後に測定された各々のサイクルについてその生産物の硫黄(ppm)を伴った4時間からなるものであった。
【0150】
その反応サイクルの完了の後に、その組成物を、15分の間398℃における180cc/分の窒素でフラッシュした。そして、その温度を、549℃まで上昇させたが、そこで、その組成物は、2時間の間、50cc/分における空気の流量及び180cc/分における窒素の流量の下で再生された。そして、その温度を、398℃まで減少させたと共にその試料を、15分の間窒素でパージした。このような条件を、以後、“再生の条件”と称する。サイクル2は、サイクル1のように、還元する条件の下で、即ち、1時間の間の300cc/分の流量率での水素におけるその組成物の398℃での処理で、始まった。
【0151】
例VIIIの組成物を、サイクル1及び2の後で起こる再生を伴った3つの反応サイクルにわたって試験した。表IVにおける結果が、得られたが、そこでは、与えられた値が、それぞれ、処理の第一の一時間、第二の一時間、第三の一時間、及び第四の一時間の後における、その生産物についての硫黄の重量による百万分率である。
【0152】
【表4】


例X
300グラムの量の二ギ酸ニッケル二水和物を、2000mLの濃縮された水酸化アンモニウムの溶液中に溶解させた。そして、450グラムの量の二ギ酸亜鉛二水和物を、上の溶液へ加えた。200グラムの量のアルミナを、その溶液の中へゆっくりと攪拌した。そして、その溶液を、そのアンモニアがもはやその溶液にあることがないところまで、攪拌された熱板上で加熱した。そして、80グラムの量の膨張させられた破砕されたパーライトを、その溶液へ加えた。そして、その溶液を、濾過したと共に洗浄した、且つ、そして、噴霧乾燥した。その組成物を、ある流量の水素の下で1時間の間360℃で還元した。
【0153】
例XI
例Xにおいて調製したような組成物の10グラムを、例IXにおいて記載したような脱硫化の活性について試験した。その組成物を、3つの反応サイクルにわたって試験したと共に、表Vにおける結果が、それぞれ、処理の第一の一時間、第二の一時間、第三の一時間、及び第四の一時間の後における、その生産物における硫黄の重量による百万分率で与えられた。
【0154】
【表5】


例XII
アルミナ、パーライト、酸化亜鉛、及び水を含有するスラリーを、微小球を形成するために、噴霧乾燥させた。そして、これらの微小球には、17重量パーセントの公称のニッケルの添加量を与えるための硝酸ニッケルの塩の溶液を含浸させた。それら含浸させた微小球を、150℃で乾燥させたと共に635℃で焼成した。
【0155】
例XIII
例XIIにおいて調製したような組成物の10グラムを、例IXにおいて記載したような脱硫化の活性について試験した。その組成物を、3つの反応サイクルにわたって試験したと共に、表VIにおける結果が、それぞれ、処理の第一の一時間、第二の一時間、第三の一時間、及び第四の一時間の後における、その生産物における硫黄の重量による百万分率で与えられた。
【0156】
【表6】


例XIV
0.025グラムの量の硝酸を、440mLの脱イオン水へ加えたと共に5分間の間混合した。そして、55.6グラムの量のパーライトを、その硝酸の溶液へ加えたと共に20分間の間混合した。そして、125グラムの量の水酸化ニッケルを、上の溶液へ加えたと共に15分の間混合した。そして、43.6グラムの量のカオリンクレイを、その溶液へ加えたと共に5分の間混合した。それの後に、5分を超えて、204.8グラムの量の酸化亜鉛を、上の溶液へ加えたと共に15分の間混合した。別個のコンテナにおいて、5分の時間を超えて、56グラムの量のアルミナを、118.43mLの水へ加えたと共に20分の間混合した。そして、そのアルミナの溶液を、亜鉛/ニッケルの溶液の中へ注入したと共に15分の間混合した。そして、そのスラリーを、噴霧乾燥させた。そして、その組成物を、1時間の間150℃で乾燥させたと共に1時間の間635℃で焼成した。
【0157】
例XV
例XIVにおいて調製したような組成物の10グラムを、例IXにおいて記載したような脱硫化の活性について試験した。その組成物を、3つの反応サイクルにわたって試験したと共に、表VIIにおける第二の及び第三のサイクルについての結果が、それぞれ、処理の第一の一時間、第二の一時間、第三の一時間、及び第四の一時間の後における、その生産物における硫黄の重量による百万分率で与えられた。
【0158】
【表7】


例XVI
0.026グラムの量の硝酸を、413.05mLの水へ加えたと共に5分の間混合した。そして、5分の周期を超えて、74.01グラムの量のパーライトを、その硝酸溶液へ加えたと共に15分の間混合した。そして、5分の周期を超えて、273.94グラムの量の酸化亜鉛を、そのパーライトの溶液へ加えたと共に15分の間混合した。そして、5分の周期を超えて、74.49グラムの量のアルミナを、137.68mLの量の水へ加えたと共に20分の間混合した。そして、5分の周期を超えて、58.15グラムの量のカオリンクレイを、そのアルミナ溶液へ加えたと共に5分の間混合した。そして、5分の周期を超えて、そのパーライトの溶液を、そのアルミナの溶液を混合する一方で、そのアルミナの溶液の中へ注入した。そして、その組み合わせられた溶液を、15分の間混合したと共に、そして、噴霧乾燥した。そして、25グラムの量の水を、そのスラリーへ加えた。溶解させるための10グラムの脱イオン水を伴って113グラムの量の硝酸ニッケル六水和物を加熱した。そして、これを、そのアルミナの組成物の120グラム上へ組み込んだ。そして、その最終の組成物を、1時間の間150℃で乾燥させたと共に1時間の間635℃で焼成した。
【0159】
例XVII
例XVIにおいて調製したような組成物の10グラムを、例IXにおいて記載したような脱硫化の活性について試験した。その組成物を、3つの反応サイクルにわたって試験したと共に、それらの結果が、それぞれ、処理の第一の一時間、第二の一時間、第三の一時間、及び第四の一時間の後における、その生産物における硫黄の重量による百万分率で表VIIIに与えられた。
【0160】
【表8】


この発明を、例示の目的のために詳細に記載してきた一方で、それは、それらによって限定されるように解釈されるべきではなく、それの主旨及び範囲内における全ての変化及び変更をカバーすることが意図されたものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の生産のための方法であって、
(a)1)液体、2)金属を含有する化合物、3)シリカを含有する材料、及び、4)促進剤:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
(b)アルミナを含有する混合物を形成するために、該混合物へアルミナを加えること;
(c)乾燥させられた混合物を形成するために、該アルミナを含有する混合物を乾燥させること;
(d)焼成された混合物を形成するために、該乾燥させられた混合物を焼成すること;
(e)その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する組成物を生産するために、還元する条件の下で還元剤で該焼成された混合物を還元すること;並びに
(f)該組成物を回収すること
:を含む、方法。
【請求項2】
前記焼成された混合物は、前記組成物が、炭化水素の流れから、このような流れが脱硫化の条件の下でそれと接触されせられるとき、硫黄の除去を果たすことになるように、ステップ(d)において還元される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属を含有する化合物は、亜鉛、マンガン、銀、銅、カドミウム、スズ、ランタン、スカンジウム、セリウム、タングステン、モリブデン、鉄、ニオブ、タンタル、ガリウム、インジウム、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択された金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記促進剤は、少なくとも一つの金属、金属の酸化物、金属の酸化物の前駆体、一つよりも多い金属の固溶体、一つよりも多い金属の合金、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記促進剤は、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、タングステン、銀、スズ、アンチモン、バナジウム、金、白金、ルテニウム、イリジウム、クロム、パラジウム、チタン、ジルコニウム、ロジウム、レニウム、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択された金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記促進剤は、ニッケルを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記促進剤は、硝酸ニッケルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記促進剤は、水酸化ニッケルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)の前記混合物を形成するために、摩滅抵抗を向上させる構成成分が、前記液体、前記金属を含有する化合物、前記シリカを含有する材料、及び、前記促進剤と混ぜられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記摩滅抵抗を向上させる構成成分は、ベントナイト、ナトリウムベントナイト、酸で洗浄されたベントナイト、アタパルジャイト、チャイナクレイ、カオリナイト、モンモリロナイト、イライト、ハロイサイト、ヘクトライト、セピオライト、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記シリカを含有する材料は、破砕された膨張させられたパーライトの形態にある、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(a)からの前記混合物は、湿式のミックス、ドウ、ペースト、又はスラリーの一つの形態にある、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(a)からの前記混合物は、スラリーの形態にある、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(b)からの前記アルミナを含有する混合物は、ステップ(c)における前記乾燥させることに先立って微粒子化される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(b)からの前記アルミナを含有する混合物は、ステップ(c)における前記乾燥させることに先立って、顆粒、押出物、錠剤、球体、ペレット剤、又は、微小球の一つの形態に微粒子化される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(b)からの前記アルミナを含有する混合物は、前記乾燥させられた混合物を形成するために、ステップ(c)において噴霧乾燥させることによって微粒子化される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記アルミナを含有する混合物は、約65.5℃から約550℃までの範囲における温度でステップ(c)において乾燥させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記乾燥させられた混合物は、約204.4℃から約815.5℃までの範囲における温度でステップ(c)において焼成される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記焼成された混合物は、約37.8℃から約815.5℃までの範囲における温度で、及び、約15プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力で、並びに、低減された原子価の促進剤の形成を許容するための十分な時間の間に、ステップ(d)において還元される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(c)の前記焼成することの間に、前記アルミナの少なくとも一部分は、アルミナートへ転換される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法によって生産された組成物。
【請求項22】
請求項9に記載の方法によって生産された組成物。
【請求項23】
請求項16に記載の方法によって生産された組成物。
【請求項24】
組成物の生産のための方法であって、
(a)1)液体、2)第一の金属のギ酸塩、3)シリカを含有する材料、4)アルミナ、及び、5)第二の金属のギ酸塩:を、それらの混合物を形成するために、混ぜること;
(b)乾燥させられた混合物を形成するために、該混合物を乾燥させること;
(c)焼成された混合物を形成するために、該乾燥させられた混合物を焼成すること;並びに
(d)該組成物を回収すること
:を含む、方法。
【請求項25】
前記焼成された組み込まれた混合物は、ステップ(g)の前記組成物が、炭化水素の流れから、このような流れが脱硫化の条件の下でそれと接触させられるとき、硫黄の除去を果たすことになるように、ステップ(f)において還元される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記液体は、アンモニアである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の金属のギ酸塩は、亜鉛、マンガン、銀、銅、カドミウム、スズ、ランタン、スカンジウム、セリウム、タングステン、モリブデン、鉄、ニオブ、タンタル、ガリウム、インジウム、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択された金属を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第一の金属のギ酸塩は、ギ酸亜鉛である、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記第二の金属のギ酸塩は、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、タングステン、銀、スズ、アンチモン、バナジウム、金、白金、ルテニウム、イリジウム、クロム、パラジウム、チタン、ジルコニウム、ロジウム、レニウム、及び、それらのいずれの二つ又はより多くのものの組み合わせからなる群より選択された金属を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第二の金属のギ酸塩は、ギ酸ニッケルである、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記シリカを含有する材料は、破砕された膨張させられたパーライトの形態で存在するものである、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
ステップ(a)からの前記混合物は、湿式のミックス、ドウ、ペースト、又はスラリーの一つの形態にある、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(a)からの前記混合物は、スラリーの形態にある、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(a)からの前記混合物は、ステップ(b)における前記乾燥させることに先立って微粒子化される、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
ステップ(a)からの前記混合物は、顆粒、押出物、錠剤、球体、ペレット剤、又は、微小球の一つの形態に微粒子化される、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
ステップ(a)からの前記混合物は、前記乾燥させられた混合物を形成するために、ステップ(b)において噴霧乾燥させることによって微粒子化される、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記混合物及び前記組み込まれた混合物は、各々、約65.5℃から約550℃までの範囲における温度で、それぞれ、ステップ(b)及び(e)において、乾燥させられる、請求項24に記載の方法。
【請求項38】
前記乾燥させられた組み込まれた混合物は、約204.4℃から約815.5℃までの範囲における温度でステップ(e)において焼成される、請求項24に記載の方法。
【請求項39】
ステップ(g)における前記焼成された組み込まれた混合物の還元は、約37.4℃から約815.5℃までの範囲における温度で、及び、約15プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力で、並びに、低減された原子価の促進剤の形成を許容するための十分な時間の間に、実行される、請求項24に記載の方法。
【請求項40】
ステップ(c)における前記焼成することの間に、前記アルミナの少なくとも一部分は、アルミナートへ転換される、請求項24に記載の方法。
【請求項41】
請求項24に記載の方法によって生産された組成物。
【請求項42】
請求項26に記載の方法によって生産された組成物。
【請求項43】
炭化水素の流れからの硫黄の除去のための工程であって、
(a)形成されるものが、少なくとも部分的に脱硫化された炭化水素の流れ及び硫化された組成物であるような条件の下で、脱硫化のゾーンにおいて、請求項1の工程によって生産された組成物と該炭化水素の流れを接触させること;
(b)該硫化された組成物から該少なくとも部分的に脱硫化された炭化水素の流れを分離すること、及び、それによって、分離された脱硫化された炭化水素の流れ及び分離された硫化された組成物を形成すること;
(c)再生のゾーンにおいて該分離された硫化された組成物の少なくとも一部分を、それの中に及び/又はそれの上に含有された硫黄の少なくとも一部分を取り除くために、再生させること、及び、それによって、再生させられた組成物を形成すること;
(d)それと接触させられるとき硫黄を含有する炭化水素からの硫黄の除去を果たすことになる、その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する還元された組成物を提供するために、還元のゾーンにおいて該再生させられた組成物を還元すること;並びに、その後に、
(e)該脱硫化のゾーンへ該還元された組成物の少なくとも一部分を戻すこと
:を含む、工程。
【請求項44】
前記炭化水素の流れは、分解されたガソリン、ディーゼル燃料、及びそれらの組み合わせからなる群より選択された燃料を含む、請求項43に記載の工程。
【請求項45】
ステップ(a)における前記脱硫化は、前記流れからの硫黄の除去を果たすための十分な時間の間に、約37.8℃から約537.8℃までの範囲における温度、及び、約15プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力で実行される、請求項43に記載の工程。
【請求項46】
ステップ(c)における前記再生は、前記分離された硫化された組成物からの硫黄の少なくとも一部分の除去を果たすための十分な時間の間に、約37.8℃から約815.5℃までの範囲における温度及び約10プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力で実行される、請求項43に記載の工程。
【請求項47】
空気が、前記再生のゾーンにおいて再生の試剤としてステップ(c)において用いられる、請求項43に記載の工程。
【請求項48】
ステップ(c)からの前記再生させられた組成物は、約37.8℃から約815.5℃までの範囲における温度に及び約15プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力に維持される前記還元のゾーンにおいて、並びに、前記再生させられた組成物の前記促進剤の内容物の原子価の低減を果たすための十分な時間の期間に、ステップ(d)における水素での還元にかけられる、請求項43に記載の工程。
【請求項49】
ステップ(b)からの前記分離された硫化された組成物は、ステップ(c)における前記再生のゾーンへの導入に先立ち、ストリップされる、請求項43に記載の工程。
【請求項50】
ステップ(c)からの前記再生させられた組成物は、ステップ(d)における前記還元のゾーンへの導入に先立ち、ストリップされる、請求項43に記載の工程。
【請求項51】
請求項44に記載の工程の分解されたガソリンの生産物。
【請求項52】
請求項44に記載の工程のディーゼル燃料の生産物。
【請求項53】
炭化水素の流れからの硫黄の除去のための工程であって、
(a)形成されるものが、脱硫化された炭化水素の流れ及び硫化された組成物であるような条件の下で、脱硫化のゾーンにおいて、請求項24の工程によって生産された組成物と該炭化水素の流れを接触させること;
(b)該硫化された組成物から該脱硫化された炭化水素の流れを分離すること、及び、それによって、分離された脱硫化された炭化水素の流れ及び分離された硫化された組成物を形成すること;
(c)再生のゾーンにおいて該分離された硫化された組成物の少なくとも一部分を、それの中に及び/又はそれの上に含有された硫黄の少なくとも一部分を取り除くために、再生させること、及び、それによって、再生させられた組成物を形成すること;
(d)それと接触させられるとき炭化水素の流れからの硫黄の除去を果たすことになる、その中に低減された原子価の促進剤の内容物を有する還元された組成物を提供するために、活性化のゾーンにおいて該再生させられた組成物を還元すること;並びに、その後に、
(e)該脱硫化のゾーンへ該還元された組成物の少なくとも一部分を戻すこと
:を含む、工程。
【請求項54】
前記炭化水素の流れは、分解されたガソリン、ディーゼル燃料、及びそれらの組み合わせからなる群より選択された燃料を含む、請求項53に記載の工程。
【請求項55】
ステップ(a)における前記脱硫化は、前記流れからの硫黄の除去を果たすための十分な時間の間に、約37.8℃から約537.8℃までの範囲における温度、及び、約15プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力で実行される、請求項53に記載の工程。
【請求項56】
ステップ(c)における前記再生は、前記分離された硫化された組成物からの硫黄の少なくとも一部分の除去を果たすための十分な時間の間に、約37.8℃から約815.5℃までの範囲における温度及び約10プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力で実行される、請求項53に記載の工程。
【請求項57】
空気が、前記再生のゾーンにおいて再生の試剤としてステップ(c)において用いられる、請求項53に記載の工程。
【請求項58】
ステップ(c)からの前記再生させられた組成物は、約37.8℃から約815.5℃までの範囲における温度に及び約15プサイから約1500プサイまでの範囲における圧力に維持される前記還元のゾーンにおいて、並びに、前記再生させられた組成物の前記促進剤の内容物の原子価の低減を果たすための十分な時間の期間に、ステップ(d)における水素での還元にかけられる、請求項53に記載の工程。
【請求項59】
ステップ(b)からの前記分離された硫化された組成物は、ステップ(c)における前記再生のゾーンへの導入に先立ち、ストリップされる、請求項53に記載の工程。
【請求項60】
ステップ(c)からの前記再生させられた組成物は、ステップ(d)における前記還元のゾーンへの導入に先立ち、ストリップされる、請求項53に記載の工程。
【請求項61】
請求項54に記載の工程の分解されたガソリンの生産物。
【請求項62】
請求項54に記載の工程のディーゼル燃料の生産物。

【公表番号】特表2008−510035(P2008−510035A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525741(P2007−525741)
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/028277
【国際公開番号】WO2006/020642
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(503033758)コノコフィリップス・カンパニー (9)
【氏名又は名称原語表記】ConocoPhillips Company
【Fターム(参考)】