説明

脳機能障害予測装置

【課題】各個人の脳機能画像を記憶しておくことにより、脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた場合であっても機能障害を予測することができる脳機能障害予測装置の提供。
【解決手段】計測装置10により被験者のMRIデータ及び脳活動状態を示す計測データを取得し、MRIデータからは形態画像、計測データからは脳機能画像を生成する。形態画像及び脳機能画像を合成した後、被験者IDに関連付けて脳画像データベース31に登録する。健常時の脳画像を予めストックしておくことにより、脳損傷が発生した際、脳の形態画像を取得してストックされている脳画像と照合することにより、脳の機能障害を予測することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各個人の脳機能画像を記憶しておくことにより、脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた場合であっても機能障害を予測することができる脳機能障害予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医学の進歩に伴って画像診断は目覚ましく進歩している。例えば、患者に身体的な負担をかけずに身体内部の様子を撮像し、診断を行うコンピュータ画像診断手法として、磁気共鳴画像法(MRI法)、X線断層写真撮影法(CT法)などが存在する。このようなコンピュータ画像診断手法は、病気の早期発見、治療法の選択、治療効果の予測などの情報を提供するものとして広く利用されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【特許文献1】特開昭62−26052号公報
【特許文献2】特開平11−189367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したMRI法により得られるMRI画像やCT法により得られるCT画像は、脳などの形態的変化を発見することを主たる目的としたものであり、機能的な情報については得られない。特に、脳の特定の部位とその部位が示す機能には個人差があるため、MRI画像やCT画像などの形態画像から損傷部位が発見された場合であっても、損傷部位が何をしていたところか、機能障害は損傷によるものか(もともと存在していたものか)など、必ずしも機能障害を特定することはできない。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、健常時に脳機能と脳内の部位との関連性を把握して記憶しておく構成とすることにより、例えば、脳損傷後の脳画像から失われる可能性がある機能を予測し、早期回復に向けたプログラムを設計することができる脳機能障害予測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る脳機能障害予測装置は、脳の機能障害を予測する装置であって、被験者が健常時に複数の課題を実施した際、実施した課題毎に前記被験者の脳機能画像を取得する手段と、取得した課題毎の脳機能画像に基づいて脳機能と脳内の部位との関連性を特定する手段と、特定した関連性の情報を前記被験者を識別する識別情報に関連付けて記憶する記憶手段と、前記被験者の脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた状況下において前記被験者の脳の形態画像を取得する手段と、該手段により取得した被験者の脳の形態画像及び該被験者について前記記憶手段に記憶されている脳機能と脳内の部位との関連性を示す情報に基づいて、脳の機能障害を予測する手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明にあっては、健常時において被験者の脳機能と脳内の部位との関連性を把握しているので、脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた場合、当該被験者の脳の形態画像のみを取得することによって脳の機能障害に関する情報が得られる。
【0007】
本発明に係る脳機能障害予測装置は、脳内の部位が特定された脳機能画像を標準脳の画像又は被験者の脳について取得した形態画像に合成する手段を備え、合成して得られた画像を脳機能と脳内の部位との関連性を示す情報として前記記憶手段に記憶するようにしてあることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、脳内の部位を特定した脳機能画像を標準脳の画像又は形態画像に合成して記憶する構成であるため、記憶した合成画像と、被験者の脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた後に取得した形態画像とを比較することによって、脳の機能障害に関する情報が得られる。
【0009】
本発明に係る脳機能障害予測装置は、前記脳神経系の障害からの回復段階において脳機能画像を取得する手段と、該手段により取得した被験者の脳機能画像及び該被験者ついて前記記憶手段に記憶されている脳機能と脳内の部位との関連性を示す情報に基づいて、脳の機能障害について回復傾向を予測する手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
脳に外傷又は疾病が生じた場合、機能的には回復しても形態的には変化が認められず、形態画像のみから回復傾向を予測することが困難となる場合が多い。本発明にあっては、脳神経系の障害からの回復段階において取得した脳機能画像と記憶してある情報とに基づいて回復傾向を予測する構成としているため、設定した回復プログラムの適否の検討が可能となる。
【0011】
本発明に係る脳機能障害予測装置は、前記課題が、運動機能、言語機能、又は高次機能に関する課題を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、被験者が実施する課題に、運動機能、言語機能、又は高次機能に関する課題を含めることにより、将来的に脳疾患などが発生したときに、どのような機能障害が発生したかを特定することが容易となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による場合は、健常時において被験者の脳機能と脳内の部位との関連性を把握しておくことが可能である。そのため、被験者の脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた場合、当該被験者の脳の形態画像のみを取得することによって脳の機能障害に関する情報を得ることができる。特に、脳の外傷又は疾病の程度によっては脳機能画像が得られないこともあるが、この場合であっても、形態画像のみから脳機能障害を予測することが可能であるため、早期回復に向けたプログラムを設計することができる。
【0014】
また、本発明による場合は、脳内の部位を特定した脳機能画像を標準脳の画像又は形態画像に合成して記憶する構成であるため、記憶した合成画像と、被験者の身体に障害又は疾病が生じた後に取得した形態画像とを比較することによって、脳の機能障害に関する情報を得ることができる。
【0015】
更に、本発明による場合は、脳神経系の障害から回復した時点で脳機能画像を取得し、記憶手段に記憶してある情報と比較することにより回復傾向を予測することができるため、設定した回復プログラムの適否の検討が可能となる。
【0016】
更に、本発明による場合は、被験者が実施する課題に、運動機能、言語機能、又は高次機能に関する課題を含めることにより、将来的に脳疾患などが発生したときに、どのような機能障害が発生したかを特定することが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る脳機能障害予測装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る脳機能障害予測装置は、被験者の脳活動を計測する計測装置10、脳活動の計測結果に基づいて脳画像を生成する画像処理装置20、生成された脳画像を記憶する画像記憶装置30、及び既に記憶された脳画像と新たに取得された形態画像とを照合する照合装置40を備える。
【0018】
計測装置10は、脳の形態画像に係るデータを取得するための手段と、脳の活動状態を計測する手段とを備える。脳の形態画像に係るデータを取得する手段としては、MRI及びCTを用いることができる。また、脳の活動状態を計測する手段としては、脳内の神経細胞の電気活動に由来した電気現象を計測するEEG(electroencephalogram)及びMEG(magnetoencephalogram)、神経細胞発火後の二次的な現象として起こる脳血流又は代謝の変化を計測するfMRI(functional magnetic resonance imaging)、NIRS(Near Infrared Spectroscopy)、PET(positron emission tomography)等を用いることができる。
【0019】
脳活動を計測する手段については、複数の計測手段を組み合わせて使用する構成としてもよい。例えば、時間分解能に優れたEEG又はMEGと空間分解能に優れたNIRS又はfMRIとを組み合わせて脳活動を計測することにより、脳活動を正確に計測することが可能である。
【0020】
画像処理装置20は、具体的にはパーソナルコンピュータ、ワークステーション等である。この画像処理装置20は、計測装置10、画像記憶装置30、照合装置40をそれぞれ接続する入出力部21〜23、入出力部21を通じて入力された計測装置10からの計測データを集計する集計部24、集計された計測データを基に脳の形態画像及び脳機能画像を生成する画像生成部25、生成した形態画像に対し脳機能画像を合成する画像合成部26、オペレータによる操作を受付ける操作部27、生成した画像、報知すべき情報等を表示する表示部28、及びこれらのハードウェア各部21〜28の動作を制御する制御部29を備える。画像合成部26にて合成された画像(脳画像)は画像記憶装置30へ出力され、画像記憶装置30にて記憶される。
【0021】
画像記憶装置30は、画像処理装置20が出力する脳画像と被験者を識別する識別情報(以下、被験者ID)とを関連付けて記憶する脳画像データベース31を備える。また、照合装置40は、画像記憶装置30に記憶されている脳画像と計測装置10により新たに取得した形態画像との照合を行う。そのため、照合装置40は、画像記憶装置30から取得した脳画像、及び計測装置10から取得した形態画像を一時的に記憶するためのバッファメモリ41、バッファメモリ41に記憶された2つの脳画像を照合する照合部42を備える。
【0022】
本実施の形態では、健常時において被験者の脳機能画像を形態画像に合成してストックしておき、被験者の脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた場合、再度、被験者の脳機能画像を取得してストックしてある健常時の脳画像と照合を行うことにより、損傷部位が何をしていたところか、機能障害は損傷又は疾病によるものか(もともと存在していたものか)などの診断を行う。
【0023】
図2は脳画像診断装置に脳画像を記憶させる場合の処理手順を示すフローチャートである。脳画像を記憶させる際、まず、画像処理装置20の操作部27にて被験者IDを受付ける(ステップS11)。
【0024】
次いで、被験者に実施させる課題を画像処理装置20の表示部28に表示する(ステップS12)。被験者に実施させる課題としては、例えば、運動機能、言語機能、記憶機能、認知機能などに関する課題が挙げられる。ステップS12ではこれらの課題を表示部28に順次表示する。表示した課題が実施されている間、又は課題が実施された直後に計測装置10を用いて被験者のMRIデータ及び脳活動の計測データを取得する(ステップS13)。本実施の形態では、脳の形態画像を取得するためにMRIを用いる構成とするが、CTを用いてもよいことは勿論のことである。
【0025】
次いで、画像処理装置20の制御部29は、取得した脳活動の計測データに基づいて脳活動部位を特定する(ステップS14)。脳の活動状態を計測する手段としてEEG又はMEGを用いた場合、脳内で発生した電場又は磁場を脳の外部から計測することで脳内に存在する電流源の分布を推定することができ、脳内の活動部位に関する情報を得ることができる。また、fMRI、NIRSといった観測手法を用いることにより、脳活動の場所に関する情報を高精度に取得することができる。
【0026】
次いで、画像処理装置20の画像生成部25にて、取得したMRIデータを用いて被験者の脳の形態画像を生成すると共に、脳活動の計測データを用いて脳機能画像を生成し(ステップS15)、生成した形態画像に対し、ステップS14で特定される脳内の位置に脳機能画像を合成する(ステップS16)。脳の形態画像を生成する手法、脳機能画像を生成する手法、形態画像に脳機能画像を合成する手法については、既存の手法を用いることができる。例えば、グレースケールで表した形態画像にカラーで表した脳機能画像を合成する手法が一般的である。この場合、脳機能画像は脳の活動状態に応じて割り当てた複数のカラーにより表示される。
【0027】
図3は画像処理装置20によって生成される脳画像の一例を示す模式図である。この例では、運動機能に係る課題として「指の両手協調運動」を被験者に健常時において実施させたときの脳画像を示している。図3において、グレースケールにより表示された脳の形態画像1は被験者の脳のある水平断面を表す。また、「指の両手協調運動」によって活性化された部位に対応させて脳機能画像2a〜2dを重ねて表示している様子を示している。
なお、図3では、ある水平断面の形態画像及びこの形態画像に重ねた脳機能画像のみを示したが、位置をずらした複数の水平断面について形態画像を取得し、これらの形態画像のそれぞれに脳機能画像を合成する構成としてもよい。また、水平断面の形態画像だけでなく、縦断面又は立体形状の形態画像を生成し、これらの形態画像の該当する部位に脳機能画像を合成する構成としてもよい。
【0028】
このような脳画像を生成した後、画像処理装置20の制御部29は、ステップS11で受付けた被験者ID、脳活動を計測した日時、実施した課題の情報を、ステップS15で生成した脳画像と共に画像記憶装置30へ出力し、脳画像データベース31に登録する(ステップS17)。図4は脳画像データベース31の一例を示す概念図である。脳画像データベース31には、被験者ID、脳活動を計測した日時、実施した課題、課題毎に生成した脳画像が互いに関連付けられて記憶される。図4(a)に示した例では、被験者ID「ID001」を有する被験者について脳活動の計測を「2007年12月10日」に行い、言語に関する課題を実施させたときの脳画像IMG001(図4(b))、運動に関する課題を実施させたときの脳画像IMG002(図4(c))、記憶に関する課題を実施させたときの脳画像IMG003(図4(d))を生成し、データベースに登録している様子を示している。
【0029】
ある課題について脳画像の登録を行った後、画像処理装置20の制御部29は、全ての課題について脳画像を取得したか否かを判断する(ステップS18)。脳画像を取得していない課題が存在すると判断した場合(S18:NO)、制御部29は処理をステップS12へ戻して、次の課題について脳画像を取得し、脳画像データベース31への登録を行う。また、全ての課題について脳画像を取得したと判断した場合(S18:YES)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0030】
次に、脳機能障害を予測する処理について説明する。上記被験者の脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた場合、再度、被験者について形態画像を取得し、脳画像データベース31に登録されている健常時の脳画像(すなわち、機能画像と形態画像との合成画像)と照合することによって予測を行う。図5は脳機能障害予測装置にて脳画像の照合を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。脳画像の照合を行う場合、脳画像が脳画像データベース31に既に登録されている被験者の被験者IDを受付ける(ステップS21)。
【0031】
次いで、画像処理装置20の制御部29は、受付けた被験者IDに対応付けられて記憶されている脳画像を画像記憶装置30から読み出し、読み出した脳画像を照合装置40へ出力する(ステップS22)。照合装置40に出力された脳画像は照合装置40内のバッファメモリ41に一時的に格納される。
【0032】
次いで、計測装置10を用いてMRIデータを取得して(ステップS23)、前記被験者の脳の形態画像を生成する(ステップS24)。生成した形態画像は照合装置40へ出力される(ステップS25)。照合装置40に出力された形態画像は前述した脳画像と共にバッファメモリ41に格納される。
【0033】
次いで、照合装置40の照合部42は、脳画像データベース31から読み出されてバッファメモリ41に格納された脳画像と、新たに取得してバッファメモリ41に格納された形態画像との比較を行い(ステップS26)、脳機能障害の予測を行う(ステップS27)。本実施の形態では、脳機能と脳内の部位との関連性を示す情報が脳画像データベース31内に脳画像として記憶されているため、この脳画像データベース31から読み出した脳画像と新たに取得した形態画像との照合を行うことによって脳機能障害を予測する。より具体的には、新たに取得した形態画像から脳の損傷部位を特定し、特定した脳損傷部位が脳画像データベース31に登録されている各脳機能画像の脳内の位置とを照合してゆくことにより、脳のどの機能に障害が発生したかを予測する。
【0034】
図6は脳損傷が発生した後に取得した形態画像の一例を示す模式図である。図6に示した例では、健常時の形態画像(例えば、図3に示す形態画像1)と比較して、脳損傷後の形態画像1’には脳の損傷部位3に対応して画像に変化が生じている様子を示している。この形態画像1’に示される損傷部位3は、図3に示す脳画像と照合した場合、脳機能画像2bの位置に近いことが分かる。当該脳機能画像2bは運動機能に係るものであるため、新たに取得した形態画像に示される損傷部位3により、運動機能に係る障害が生じたことを予測することができる。
【0035】
以上のように、本実施の形態では、健常時において被験者の脳機能画像を取得して、脳機能と脳内の部位との関連性を把握しておき、被験者の脳の外傷又は疾患により脳神経系に障害が生じた場合、脳の形態画像を取得し、既に記憶してある脳画像と比較することで、疾患や外傷に起因した機能障害を特定することができる。特に、被験者の容体により脳機能画像を取得できない場合であっても、形態画像から脳機能障害を予測できるため、早期回復に向けたプログラムを設定することができる。
【0036】
なお、被験者の形態画像に脳機能画像を合成して脳機能データベース31に登録する構成としたが、標準脳の画像に脳機能画像を合成して脳機能データベース31に登録する構成としてもよい。
【0037】
また、本実施の形態では、健常時の脳画像が脳画像データベース31に登録されているので、脳神経系の障害からの回復段階で脳機能画像を再度取得して、ストックしてある健常時の脳画像と照合を行うことにより、回復傾向を把握することができ、例えば、設定した回復プログラムの適否を判断することができる。
【0038】
また、本実施の形態では、脳画像の生成、脳画像の登録、脳画像の照合をそれぞれ異なる装置で行う構成としたが、脳画像データベース31、バッファメモリ41、照合部42を画像処理装置20に組み込み、画像処理装置20内で脳画像の登録、脳画像の照合も行う構成としてもよい。
【0039】
また、一般的に技能が習熟すると関連する脳活動が低下することが知られているので、同様の装置を使って、運動野や認知課題などのトレーニング効果を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施の形態に係る脳機能障害予測装置の構成を示すブロック図である。
【図2】脳画像診断装置に脳画像を記憶させる場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】画像処理装置によって生成される脳画像の一例を示す模式図である。
【図4】脳画像データベースの一例を示す概念図である。
【図5】脳機能障害予測装置にて脳画像の照合を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】脳損傷が発生した後に取得した形態画像の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0041】
10 計測装置
20 画像処理装置
21〜23 入出力装置
24 集計部
25 画像生成部
26 画像合成部
27 操作部
28 表示部
29 制御部
30 画像記憶装置
31 脳画像データベース
40 照合装置
41 バッファメモリ
42 照合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳の機能障害を予測する装置であって、
被験者が健常時に複数の課題を実施した際、実施した課題毎に前記被験者の脳機能画像を取得する手段と、取得した課題毎の脳機能画像に基づいて脳機能と脳内の部位との関連性を特定する手段と、特定した関連性の情報を前記被験者を識別する識別情報に関連付けて記憶する記憶手段と、前記被験者の脳の外傷又は疾病により脳神経系に障害が生じた状況下において前記被験者の脳の形態画像を取得する手段と、該手段により取得した被験者の脳の形態画像及び該被験者について前記記憶手段に記憶されている脳機能と脳内の部位との関連性を示す情報に基づいて、脳の機能障害を予測する手段とを備えることを特徴とする脳機能障害予測装置。
【請求項2】
脳内の部位が特定された脳機能画像を標準脳の画像又は被験者の脳について取得した形態画像に合成する手段を備え、合成して得られた画像を脳機能と脳内の部位との関連性を示す情報として前記記憶手段に記憶するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の脳機能障害予測装置。
【請求項3】
前記脳神経系の障害からの回復段階において脳機能画像を取得する手段と、該手段により取得した被験者の脳機能画像及び該被験者ついて前記記憶手段に記憶されている脳機能と脳内の部位との関連性を示す情報に基づいて、脳の機能障害について回復傾向を予測する手段とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脳機能障害予測装置。
【請求項4】
前記課題は、運動機能、言語機能、又は高次機能に関する課題を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の脳機能障害予測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−148314(P2009−148314A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326386(P2007−326386)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、総務省、研究テーマ「高齢者のストレスレス・ネットワークアクセスを実現する感覚運動オーグメンテーション技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】