説明

腫瘍抑制遺伝子に対する天然アンチセンス転写物の抑制による腫瘍抑制遺伝子関連疾患の治療

本発明は、腫瘍抑制遺伝子の発現および/または機能を、詳細には、腫瘍抑制遺伝子の天然アンチセンスポリヌクレオチドをターゲッティングすることによって調節するアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。本発明は、これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドの同定ならびに腫瘍抑制遺伝子の発現に関連する疾患および障害の治療におけるその使用にも関する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
配列番号4のヌクレオチド1〜1675または配列番号5のヌクレオチド1〜518または配列番号6のヌクレオチド1〜759または配列番号6aのヌクレオチド1〜25892または配列番号6bのヌクレオチド1〜279または配列番号7のヌクレオチド1〜1982または配列番号8のヌクレオチド1〜789または配列番号9のヌクレオチド1〜467(図5)中の5〜30ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドの逆相補物に少なくとも50%の配列同一性を有する長さ5〜30ヌクレオチドの少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項2】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの天然アンチセンスの逆相補物に少なくとも50%の配列同一性を有する長さ5〜30ヌクレオチドの少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項3】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、
腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドに少なくとも50%の配列同一性を有する長さ5〜30ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項4】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節する方法であって、腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの天然アンチセンスの領域を標的にする少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させ;それによりin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項5】
腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの機能および/または発現が対照と比較してin vivoまたはin vitroで増大する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの天然アンチセンス配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのコードおよび/または非コード核酸配列を含む核酸配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのオーバーラップおよび/または非オーバーラップ配列を標的にする、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾された糖部分、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドおよびそれらの組み合わせから選択される1つまたは複数の修飾を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の修飾が2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数の修飾がホスホロチオエート、2'-O-メトキシエチル(MOE)、2'-フルオロ、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステルおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数の修飾が、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、アラビノ核酸(FANA)、それらの類似体、誘導体および組み合わせから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが配列番号10〜30に記載のオリゴヌクレオチド配列の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子の機能および/または発現を調節する方法であって、
腫腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンス核酸分子の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも50%の配列同一性を有する、腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドに特異的な、長さ5〜30ヌクレオチドの少なくとも1つの低分子干渉RNA(siRNA)オリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させるステップ;ならびにin vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子の機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項15】
前記オリゴヌクレオチドが、腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンス核酸分子の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子の機能および/または発現を調節する方法であって、
配列番号1、1a、1b、2、2a、2b、3、3a、4、5、6、6a、6b、7、8および9に記載の少なくとも1つの核酸配列に少なくとも50%の配列同一性を有する、腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのセンスおよび/または天然アンチセンス鎖の非コードおよび/またはコード配列に特異的な、長さ約5〜30ヌクレオチドの少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドに、前記細胞または組織を接触させるステップ;ならびにin vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織における腫瘍抑制遺伝子の機能および/または発現を調節するステップ
を含む方法。
【請求項17】
少なくとも1つの修飾を含む合成修飾オリゴヌクレオチドであって、少なくとも1つの修飾が、少なくとも1つの修飾された糖部分、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間結合、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド、およびそれらの組み合わせから選択され、さらに、腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、かつ正常対照と比較してin vivoまたはin vitroで腫瘍抑制遺伝子の発現および/または機能を調節するアンチセンス化合物であるオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
少なくとも1つの修飾が、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステルおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるヌクレオチド間結合を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
ホスホロチオエートヌクレオチド間結合の骨格を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
ペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)、類似体、誘導体、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバミン酸、炭酸、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、およびそれらの組み合わせから選択されるヌクレオチド間結合を含む複数の修飾を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項23】
ペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)、類似体、誘導体、およびそれらの組み合わせから選択される修飾されたヌクレオチドを含む複数の修飾を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項24】
2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
2'-O-メトキシエチル修飾糖部分、2'-メトキシ修飾糖部分、2'-O-アルキル修飾糖部分、二環性糖部分、およびそれらの組み合わせから選択される修飾された糖部分を含む複数の修飾を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
長さ少なくとも5〜30ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであり、腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのアンチセンス鎖および/またはセンス鎖にハイブリダイズし、腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスのコードおよび/または非コード核酸配列の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも約20%の配列同一性を有する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスのコードおよび/または非コード核酸配列の少なくとも約5個の連続する核酸の相補配列に少なくとも約80%配列同一である、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項28】
少なくとも1つの腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、かつ正常対照と比較してin vivoまたはin vitroで少なくとも1つの腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの発現および/または機能を調節する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
配列番号10〜30に記載の配列を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項30】
アンチセンス配列、相補配列、対立遺伝子、相同体、アイソフォーム、変種、誘導体、変異体、断片またはそれらの組み合わせを含む、1つまたは複数の腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドに特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項31】
オリゴヌクレオチドが、配列番号10〜30に記載のヌクレオチド配列のいずれか1つと比較して少なくとも約40%の配列同一性を有する、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
1つまたは複数のオリゴヌクレオチドが、配列番号10〜30に記載のヌクレオチド配列のいずれかを含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
配列番号10〜30に記載のオリゴヌクレオチドが、1つまたは複数の修飾またはヌクレオチド置換を含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
1つまたは複数の修飾が、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ペプチド核酸、ロックド核酸(LNA)分子およびそれらの組み合わせから選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1つの腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのそのコード産物に関連する疾患を予防するまたは治療する方法であって、
前記少なくとも1つの腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの天然アンチセンス配列に結合し、かつ前記少なくとも1つの腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドの発現を調節する少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドの治療有効量を患者に投与し;それにより少なくとも1つの腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのそのコード産物に関連する疾患を予防するまたは治療するステップ
を含む方法。
【請求項36】
少なくとも1つの腫瘍抑制遺伝子ポリヌクレオチドに関連する疾患が、アポトーシスの減少または増加に関連する疾患、組織/細胞の老化、癌(表1に記載のものを含む)、自己免疫疾患、エイズを含めた免疫不全症、老化、神経変性疾患もしくは障害(例えば、アルツハイマー病、毛細血管拡張性運動失調症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病など)、過形成性疾患(例えば、ケロイド)、関節リウマチ、冠動脈心疾患、虚血性細胞死、リンパ球増殖性障害、アテローム性動脈硬化症、骨粗鬆症、骨髄異形成症候群、毒素による疾患、ウイルス感染症、創傷治癒、カウデン病(CD)、レルミット・デュクロ病(LDD)、バナヤン・ゾナナ症候群(BZS、バナヤン・ライリー・ルバルカバ症候群、ルバルカバ・ミーレ・スミス症候群およびライリー・スミス症候群としても公知である)、移植、アポトーシス関連疾患もしくは障害、代謝性の疾患もしくは状態(例えば、糖尿病)、腎臓の疾患もしくは障害、心筋梗塞/心不全、虚血、敗血症、特定の造血性炎症性細胞が過剰にある炎症性疾患、増殖性疾患、ならびにアポトーシスの増加による炎症性疾患を治療するための治療パラダイムがある疾患もしくは障害から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
In vivo投与のために少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを同定および選択する方法であって、病態に関連する標的ポリヌクレオチドを選択するステップ;選択された標的ポリヌクレオチドに相補的であるまたはアンチセンス方向である少なくとも5個の連続するヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを同定するステップ;ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下における、アンチセンスオリゴヌクレオチドと標的ポリヌクレオチドのハイブリッドの熱的融点を測定するステップ;ならびに得られた情報に基づいてin vivo投与のための少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを選択するステップ
を含む方法。
【請求項38】
腫瘍抑制遺伝子が表1に列挙されている腫瘍抑制因子タンパク質の1つをコードする、請求項2に記載の方法。
【請求項39】
腫瘍抑制遺伝子がP53、P73またはPTENをコードする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
腫瘍抑制遺伝子が表1に列挙されている腫瘍抑制因子タンパク質の1つをコードする、請求項4に記載の方法。
【請求項41】
腫瘍抑制遺伝子がP53、P73またはPTENをコードする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
腫瘍抑制遺伝子が表1に列挙されている腫瘍抑制因子タンパク質の1つをコードする、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
腫瘍抑制遺伝子がP53、P73またはPTENをコードする、請求項42に記載の方法。

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2012−510818(P2012−510818A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539709(P2011−539709)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/066654
【国際公開番号】WO2010/065787
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(511085219)オーピーケーオー・クルナ・エルエルシー (22)
【Fターム(参考)】