説明

腸溶性調製物

【解決手段】 腸溶性ソフトカプセルおよびハードカプセル、あるいは腸溶性錠剤をコーティングなしに製造するのに有用なゲル材料を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は腸溶性調製物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、膜形成性の水溶性重合体、酸不溶性重合体および必要に応じて可塑剤、着色剤および香料のような他の成分を含有するゲル材料を使用して製造された、腸溶性固体投与形態に関するものである。更に、本発明は、コーティングの必要性なしに腸溶性調製物を直接製造する方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
腸溶性投与形態の使用および製造は当業者には良く知られている。このような腸溶性投与形態は、参考文献、例えば「レミントンの薬学」18版、マックパブリッシング Co.,ペンシルバニア州イーストン(1990年)において説明され、総覧されてきている。腸溶性投与形態は、胃の環境から投与形態の内容物を保護するためか、あるいは、腸溶性投与形態に含まれる刺激性物質から胃の組織を保護するために望ましい。腸溶性投与形態を使用することによって、更に、物質の消化に起因する継続性の受け入れがたい、ニンニクや魚油のような口臭を予防できる。腸溶性投与形態は、更に、物質の徐放あるいは遅延放出をもたらすように使用されている。
【0003】
腸溶性または耐胃性の調製物に対する要約された定義を満足するために、これらの調製物は特定の試験を通過しなければならない。この腸溶性または耐胃性の投与形態が特定時間にわたって胃の酸性条件下で(通常は0.1Nの塩酸中で37℃で2時間)崩壊したり溶解したりしない場合にのみ、腸溶性または耐胃性が得られる。更に、腸溶性投与形態は、腸内を模擬した環境下(例えば、pH訳6.8の緩衝液中で所定時間)で内容物を放出しなければならない。詳細な評価技術は、米国薬局方のような国内および国際的な薬局方に記載されている。
【0004】
現在使用されている腸溶性投与形態のうち、すべてではないとしても大部分は、膜形成プロセスによって製造されており、ここで酸不溶性(腸溶性)重合体の薄膜を、あらかじめ製造した投与形態の表面上に堆積させている。このようにしてコーティングされた投与形態は、主として錠剤であり、より少ない度合いにおいてハードカプセルまたはソフトカプセルである。この腸溶性コーティング法では、腸溶性重合体の水溶液または有機溶液または懸濁液を、回転または移動中の錠剤やカプセル剤上に噴霧し、続いて熱空気を用いて乾燥する。
【0005】
コーティングによって製造される腸溶性投与形態には、種々の製法に関連する問題点と、効能や外観に影響する欠点とがある。例えば、「オレンジピール」表面の生成が生ずることがあり、これは表面粗さ、まだらあるいは表面均質性の欠如としても知られている。一層深刻な問題として、コーティングのクラックや剥落のような被膜一体性の欠陥が生ずることがある。すべてのコーティングには、コーティング成分の分布の不均一を含む問題が内在しており、これは複数の異なるコーティングプロセス下では容易に発生する。
【0006】
上記した腸溶性コーティングの問題点は、すべての腸溶性投与形態、例えば錠剤およびカプセル剤において共有されている。しかし、ソフト柔軟性カプセル殻の精密で熱感受性の性質に起因する、カプセル剤のコーティングの際に直面する問題点は一層根本的なものである。ハードカプセルもソフトカプセルも、熱感受性シェル組成物に起因する凝集と変形とを容易に被る。更に、カプセル表面のなめらかさと柔軟性とによって、コーティング表面性を改善するための注意深いサブコーティング形成工程なしでは、生接着性の腸溶性被膜を形成することが難しい。ソフトカプセル用腸溶性コーティングの他の不利益点は、カプセルゼラチン殻の通常は光沢のある透明な外観が失われることである。この優美で透明なゼラチン殻は、ソフトカプセルの一般性と市場での受容との主な理由であった。コーティングによって通常起こるこの不所望な表面テクスチャの改変に加えて、ほとんどの受容された水溶性腸溶性重合体調製物は、不透明なカプセルをもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コーティングによる腸溶性ソフトゼラチンカプセルの製造を向上させるために、異なる複数の試みがなされてきたけれども、前記コーティングプロセスに内在する欠点によって、理想的にはコーティングなしに腸溶性ソフトカプセルを製造する改善手法の必要性が高まっている。腸溶性コーティング(内側コーティングおよび外側コーティングの双方)および腸溶性重合体は、一般的には、特許文献1、特許文献2および特許文献3に議論および示唆されている。しかし、これらの文献のいずれにおいても,本明細書に記載する本発明は教示も示唆もされていない。
【特許文献1】米国特許第4,518,433号
【特許文献2】米国特許第4,516,259号
【特許文献3】米国特許第5,330,759号
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、コーティングの必要性なしに、錠剤やカプセル剤のような腸溶性経口投与形態を製造するのに使用できるゲル材料組成物である。
【0009】
本発明の第二の態様に係る充填された腸溶性ソフトカプセルは、その腸溶性を得るために腸溶性コーティングや架橋を必要としないものである。本発明のこの態様によれば、充填材料の性質は、疎水性または親水性であってよい。また、充填材料は液体、固体またはこれらの混合物であってよい。
【0010】
本発明の第三の態様は、膜形成性重合体、酸不溶性重合体および必要に応じて可塑剤、着色剤および/または他の通常受容されている薬剤添加剤を含有するソフトカプセル腸溶性シェル組成物である。本発明のゲル材料組成物によれば、膜形成性重合体の物理的強度や粘度の顕著な喪失を避けることができる。
【0011】
本発明の第四の態様は、腸溶性カプセルシェルを製造するためのゲル材料を調製する方法である。本発明のこの態様の方法によれば、膜形成性重合体の一体性、物理的強度または粘度に悪影響を与えることなにし、酸不溶性重合体の乖離を許容するレベルでアルカリを使用する。
【0012】
本発明の第五の態様に係る充填された腸溶性ソフトカプセル剤の製造方法では、キャストゲル材料および回転ダイカプセル収容機を使用し、この機械は例えば本出願の被譲渡人が所有する米国特許第5,146,730号および5,459,983号に記載されており、本明細書に参照して包含する。
【0013】
本発明の第六の態様は、透明な腸溶性ソフトカプセルを製造するものである。本発明の第七の態様は、透明で着色していない腸溶性ソフトカプセルを製造するものである。本発明の第八の態様は、食品および医薬品を送達するために前記した各態様の発明を利用することである。
【0014】
本発明のゲル材料組成物は、ハードカプセル、ソフトカプセル、錠剤のような腸溶性固体経口投与形態を、通常のコーティング技術なしに製造する際にも有用である。本発明によって腸溶性錠剤を製造するのに好適な方法は、米国特許第6,482,516号、5,459,983号および5,146,730号に記載の被覆および回転ダイを使用することであり、これら特許は参照して本明細書に包含する。本発明のゲル組成物は,本技術分野で既知の通常の機器を用いて透明あるいは不透明なハードカプセルを製造するのにも有用である。
【0015】
このように、本発明は、膜形成性の水溶性重合体、酸不溶性重合体および必要に応じて少なくとも一種の可塑剤、必要に応じて着色剤および水性溶媒を含有するゲル材料組成物に関するものである。このゲル材料は、腸溶性ソフトカプセルおよびハードカプセルあるいは腸溶性錠剤をコーティングなしに製造するのに有用である。
【0016】
膜形成性の水溶性重合体は、ゼラチンのようなタンパク質性のものであってよい。一実施形態においては、ゼラチンは、動物の骨または皮膚から抽出したものであり、約100〜250ブルームである。
【0017】
他の実施形態においては、膜形成性の水溶性重合体は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはメチルセルロースのような炭化水素質のものであってよい。この酸不溶性重合体も、アクリル酸およびメタクリル酸共重合体、フタレート、ブチレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのようなセルロースアセテートエステル類、およびこれらの塩類であってよい。
【0018】
本発明のシェル組成物は、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、炭素数3〜6のポリアルコール類、クエン酸、クエン酸トリエチルのようなクエン酸エステル、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一種の可塑剤を含有していてよい。
【0019】
使用する溶媒は、水またはアルカリ、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エチレンジアミン、ヒドロキシアミン、トリエタノールアミンの水溶液、またはこれらのヒドロアルコール性溶液であってよい。このアルカリは、ゲル材料の最終的なpHが約9.0pH単位以下となるように調整できる。他の実施形態においては、このアルカリは、前記pHが8.5以下となるように調整する。更に他の実施形態においては、このアルカリは、前記pHが8.0以下となるように調整する。このアルカリは、アンモニアやエチレンジアミンのような揮発性のアルカリであってよい。
【0020】
一般には、注目すべきことに、本発明の組成物は、所望の処理時の取り扱い、例えばカプセル形成のための回転ダイ処理と適合性があることを特徴とする。特定の理論によって限定されることを望むものではないが、本発明の組成物は、膜形成性の水溶性重合体の不適当な劣化を、処理中の過剰なアルカリ条件を避けることによって回避できるようである。
【0021】
また、本発明は、シェル組成物からソフトカプセルを製造する方法に関するものである。この方法は、膜形成性の水溶性重合体および酸不溶性重合体を含有する溶液を調整し、適当な可塑剤と混合してゲル材料を調製すること;ゲル材料を熱制御されたドラムまたは表面を使用して膜またはリボンへとキャスティングすること;および回転ダイ技術を使用してソフトカプセルを製造することを含む。この膜またはリボンの厚さは、約0.015インチ(0.038cm)から約0.050インチ(0.127cm)である。一実施形態においては、この厚さは約0.020インチ(0.051cm)である。
【0022】
シェル組成物の水分含量は、約2%から約10%であってよい。この湿度は、約4%から約8%であってもよ。一実施形態におけるこの湿度は約8%である。
【0023】
また,本発明は、約20:80から約45:55の腸溶性重合体対膜形成性重合体比率を有する腸溶性ゲル組成物に関するものである。
【0024】
また、本発明は、重合体重量の約10%から約50%の可塑剤の重合体に対する比率を有する腸溶性ゲル組成物に関するものである。一実施形態においては、この比率は約25%である。
【0025】
本発明方法によって調製したカプセルは、ポリエチレングリコールを含有する親水性充填溶液または懸濁液を含有するように使用できる。あるいは、この充填組成物は、疎水性溶液または懸濁液、例えば植物油やショートニングあるいはワックスあるいはこれらの組み合わせであってよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、所望の腸溶性を達成するために、架橋反応を必要としない腸溶性ゲル材料組成物を提供できる。架橋処理は、毒性への懸念という可能性があり、制御されていないプロセスをもたらし、経時により劣化する製品をもたらし得る。更に、このような架橋反応は、製造プロセスに更に工程を追加するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、腸溶性を保有させるためにコーティングや架橋反応を必要としない、腸溶性経口固体投与形態、即ち錠剤およびハードおよびソフトカプセル組成物、その使用および製造方法を開示する。本発明のゲル材料は、膜形成性重合体を酸不溶性重合体と混合し、この材料を可塑化することによって均質な混合物を溶媒存在下に生成させることによって製造できる。
【0028】
一実施形態においては、本発明によって、全質量を腸溶性材料とする膜形成性材料中の酸不溶性重合体を提供し、この酸不溶性重合体の濃度は比較的に低く(全湿潤ゲル材料の約8%から約20%)、過剰量のアルカリを必要とせず、これによって膜形成性重合体の劣化や弱化を回避できる。一実施形態においては、,酸不溶性重合体の膜形成性重合体に対する比率は、約1:4より大きい。
【0029】
この最終的に得られたゲル材料をキャスティングすることによって製造された膜は、シェル成分の過半部分(50%以上)が通常は酸に溶解するか、酸に相溶性であるという事実にもかかわらず、例えば0.1M塩酸のような酸中で溶解も崩壊もしない。ここに開示した組成物を使用して製造した腸溶性膜は、塩酸中でほぼ原型をとどめたままである。更に、本発明の腸溶性膜によって、酸性環境中においては、メチレンブルーのような小さな分子が膜を透過して移動することを抑制できる。他の実施形態においては、最終的に得られたゲル材料によって、実質的に膜柔軟性を損なわないで強度を向上させた膜が得られる。更に、本発明のキャスティング膜は、ソフトゲルカプセルを製造するのに典型的に使用される通常の温度範囲(約80°Fから約105°F)で封止することができ,錠剤を被覆あるいは包囲することで錠剤を腸溶性とするのに使用できる。また、このゲル材料は、ピンの周りにキャスティングすることによって、「レミントンの薬学」18版、マックパブリッシング Co.,ペンシルバニア州イーストン(1990年)に記載されているように、二片のハードカプセルを形成することができる。
【0030】
本発明で有用な膜形成性重合体の例は、天然源のもの、好ましくはゼラチンであってよく、あるいは合成質のもの、例えばヒドロキシメチルセルロースであってよい。酸不溶性重合体の例は、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、アルギン酸ナトリウムまたはカリウムのようなアルギン酸塩、シェラック、30%水性分散液または粉末として「EUDRAGIT」(ニュージャージー州ピスカタウエイ、ロームアメリカ株式会社)の商標名として入手可能なあるいは30%懸濁液として「EASTACRYL」(テネシー州キングスポート、イーストマンケミカルカンパニー)の商標名で入手可能なアクリル酸−メタクリル酸共重合体、およびアルギン酸ナトリウムである。アクリル酸−メタクリル酸共重合体は特に安定であり、いくつかの実施形態において好ましい。酸不溶性重合体の仕様は、米国薬局方に詳細に記載されている。
【0031】
本発明で有用な可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、クエン酸、クエン酸トリエチルのようなクエン酸エステル、またはこれらの組み合わせである。膜形成性重合体および酸不溶性重合体の組成比率は、ゲル材料からソフトカプセルを製造できるように調整する。いかなる効能メカニズムにも限定するものではないが、本腸溶性カプセルは、湿潤シェル質量の全量の約8%もの少量で、また全湿潤シェル質量の約30%もの多量で、酸不溶性重合体を用いて製造可能であることを発見した。酸不溶性重合体/膜形成性重合体の重量比率範囲は、約25%から約50%である。この範囲は、約30%から約40%であってよい。
【0032】
本発明の態様の方法の一実施形態においては、酸不溶性重合体粉末を、アンモニア、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのようなアルカリ水溶液中に、あるいはトリエタノールアミンやエチレンジアミンのような液状アミンの水溶液中に溶解させることによって、腸溶性ゲル材料を製造できる。アルカリの量は、ゲル材料の最終的な値が約9.0pH以下となるように調製する。一実施形態においては、最終的なpHは8.5以下である。アンモニア、エチレンジアミンのような揮発性アルカリが好ましい。次いで、この膜形成剤を可塑剤によって揺らし、酸不溶性ゲルと混合することによって、最終的な均一な混合物を,熱制御された容器中で製造し、真空を利用して脱ガスできる。このアルカリ濃縮物は、加熱や、ゲル材料や最終的なカプセルを中和するための酸による中和のような追加の工程を必要としない。
【0033】
本発明の方法態様の他の実施形態においては、あらかじめ製造された酸不溶性重合体の水性懸濁液を使用して、酸不溶性重合体の溶解を生じさせるような、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、あるいはトリエタノールアミンやエチレンジアミンやこれらの組み合わせのような他のアルカリ類を添加することによって、腸溶性ゲルを製造できる。可塑剤によって湿潤させた膜形成性重合体を、次いでこの酸不溶性重合体の溶液と混合する。
【0034】
本発明の方法的態様の第三の実施形態においては、上記した塩基やアルカリの塩の形の酸不溶性重合体を水に直接に溶解させ、可塑剤で湿潤された膜形成性重合体と混合する。
【0035】
本発明の腸溶性組成物は、膜形成性重合体(例えばゼラチンや合成重合体)および少なくとも一種の腸溶性の酸不溶性重合体を含有しており、液体、半固形または固形の充填物を収容するために使用できる。
【実施例】
【0036】
(実施例1:腸溶性ゲル材料)
ゲル材料を以下の組成に従って製造した。酸不溶性重合体である「EUDRAGIT L 100」を水−アルカリビヒクルに溶解させ、次いでクエン酸トリエチルを添加した。この膜形成性重合体、ゼラチン(ライムボーン 150ブルーム)を可塑剤、グリセリンと混合し、腸溶性重合体溶液へと添加し、2時間混合し、60℃で終夜放置した。
ゼラチン 36.00%
EUDRAGIT L 100 9.00%
グリセリン 18.00%
クエン酸トリエチル 0.90%
水酸化アンモニウム(30 w/v%) 2.40%
水 33.70%
【0037】
(実施例2: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例1のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.03インチ(0.076cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0038】
(実施例3: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例1のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.03インチ(0.076cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、12オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0039】
(実施例4: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例1のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.03インチ(0.076cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、20長楕円形ダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0040】
(実施例5: ビスホスホン酸を含有するオイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
アレンドロン酸ナトリウム 1.54%
水素添加大豆油 7.45%
大豆油 83.55%
水素添加大豆油を65℃で大豆油と共に溶融させ、この混合物に対して、アレンドロン酸ナトリウムを添加し、ホモジナイザーを使用して1000rpmで5分間混合した。
【0041】
実施例1のゲル材料を厚さ0.03インチ(0.076cm)のリボンとして冷ドラム(10℃〜13℃)上でキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して上記充填物をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0042】
(実施例6: 親水性充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
アレンドロン酸ナトリウム 1.26%
ポリエチレングリコール(3350) 4.94%
ポリエチレングリコール(400) 93.80%
ポリエチレングリコールをを55℃でポリエチレングリコール(400)と共に溶融させ、この混合物に対して、アレンドロン酸ナトリウムを添加し、ホモジナイザーを使用して1000rpmで5分間混合した。
【0043】
実施例1のゲル材料を厚さ0.03インチ(0.076cm)のリボンとして冷ドラム(10℃〜13℃)上でキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して上記充填物をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0044】
(実施例7: 親水性/疎水性充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
アレンドロン酸ナトリウム 1.26%
水 10.00%
水素添加大豆油 7.47%
植物ショートニング 7.47%
大豆油 73.50%
アレンドロン酸ナトリウムを水に溶解した(第一部分)。水素添加大豆油および植物ショートニングを65℃で大豆油と共に溶融させた(第二部分)。第一部分および第二部分を混合し、「MICROFLUIFIZER」(登録商標)に10000psiで5回通した。
【0045】
実施例1のゲル材料を厚さ0.03インチ(0.076cm)のリボンとして冷ドラム(10℃〜13℃)上でキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して上記充填物をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0046】
(実施例8: 腸溶性ゲル材料)
ゲル材料を以下の組成に従って製造した。酸不溶性重合体である「EUDRAGIT L 100」を水−アルカリビヒクルに溶解させ、次いでクエン酸トリエチルを添加した。膜形成性重合体のゼラチン(ライムボーン 150ブルーム)を可塑剤、グリセリンと混合し、腸溶性重合体溶液へと添加し、2時間混合し、60℃で終夜放置した。
ゼラチン 36.00%
EUDRAGIT L 100 9.00%
グリセリン 18.00%
クエン酸トリエチル 0.90%
水酸化ナトリウム 2.80%
水 33.30%
【0047】
(実施例9: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例6のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.03インチ(0.076cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、12オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0048】
(実施例10: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例6のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.025インチ(0.063cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、12オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0049】
(実施例11: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例6のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.020インチ(0.051cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、12オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0050】
(実施例12: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例6のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.015インチのリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、12オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0051】
(実施例13: 腸溶性ゲル材料)
ゲル材料を以下の組成に従って製造した。酸不溶性重合体である「EUDRAGIT L 100」を水−アルカリビヒクルに溶解させ、次いでクエン酸トリエチルを添加した。この膜形成性重合体、ゼラチン(ライムボーン 150ブルーム)を可塑剤、グリセリンと混合し、腸溶性重合体溶液へと添加し、2時間混合し、60℃で終夜放置した。
ゼラチン 31.50%
EUDRAGIT L 100 13.50%
グリセリン 17.55%
クエン酸トリエチル 1.35%
水酸化アンモニウム(30%w/v) 3.60%
水 32.50%
【0052】
(実施例14: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.050インチ(0.127cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0053】
(実施例15: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.045インチのリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0054】
(実施例16: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.040インチ(0.102cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0055】
(実施例17: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.035インチ(0.089cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0056】
(実施例18: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.030インチ(0.076cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0057】
(実施例19: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.025インチ(0.064cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0058】
(実施例20: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.020インチ(0.051cm)のリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0059】
(実施例21: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.015インチのリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0060】
(実施例22: にんにく抽出物含有オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
プロペラミキサーを用いて200rpmで大豆油と共ににんにく抽出物を混合した。
にんにく抽出物 0.32%
大豆油 99.68%
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.03インチのリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して前記ニンニク充填物をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0061】
(実施例23: オメプラゾール含有オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
「ビタミンE TPGS」および「CREMOPHOR RH40」を中間鎖トリグリセリドと共に40℃で溶融させた。オメプラゾールをこの混合物へと添加し、よく混合した。
オメプラゾール 7.40%
中間鎖トリグリセリド 63.00%
ビタミンE TPGS 7.40%
CREMOPHOR RH40 22.20%
実施例13のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.03インチのリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、3オーバルダイを使用して前記オメプラゾール充填物をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0062】
(実施例24: 腸溶性ゲル材料)
ゲル材料を以下の組成に従って製造した。酸不溶性重合体である「EUDRAGIT L 100」を水−アルカリビヒクルに溶解させ、次いでクエン酸トリエチルを添加した。膜形成性重合体のゼラチン(ライムボーン 150ブルーム)を可塑剤、グリセリンと混合し、腸溶性重合体溶液へと添加し、2時間混合し、60℃で終夜放置した。
ゼラチン 27.00%
EUDRAGIT L 100 18.00%
グリセリン 17.10%
クエン酸トリエチル 1.80%
水酸化アンモニウム(30%w/v) 4.80%
水 31.30%
【0063】
(実施例25: オイルベース充填物を含む腸溶性ソフトカプセル)
実施例24のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.030インチのリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して中間鎖トリグリセリド油をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0064】
(実施例26: ビサコジルを含む親水性腸溶性ソフトカプセル)
酢酸をポリエチレングリコール(400)へと添加し、よく混合した。ビサコジルをこのポリエチレングリコール/酢酸混合物へと添加し、プロペラミキサーを使用して60℃で30分間(完全に溶解するまで)混合した。
ビサコジル 1.40%
酢酸 1.00%
ポリエチレングリコール(400) 97.60%
実施例23のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.03インチのリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して上記したビサコジル充填物をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0065】
(実施例27: ビサコジルを含む疎水性腸溶性ソフトカプセル)
植物油ショートニング、水素添加植物油および蜜ろうを大豆油と共に65℃で溶融させた。このろう混合物に対して、ビスコジルを添加し、プロペラミキサーを使用して混合し、この混合物を室温へと冷却した。
ビサコジル 1.40%
植物油ショートニング 10.00%
水素添加大豆油 2.50%
蜜ろう 2.50%
大豆油 83.60%
実施例24のゲル材料を、冷ドラム上(10℃〜13℃)で厚さ0.03インチのリボンとしてキャスティングした。このリボンを使用して、7.5オーバルダイを使用して上記したビサコジル充填物をカプセル収容した。このカプセルを乾燥し、USPの現行の要件による溶解/崩壊試験に供した。
【0066】
(実施例28: 分離チャンバーを使用したメチレンブルー透過研究)
このチャンバーの一方の側に配置された0.1NのHCl中にメチレンブルー(水溶性染料)を溶解し、このチャンバーの他方の側に純粋な0.1NのHClを配置し、これらを実施例1による腸内ゲル材料を使用して分離した。この設定物を振とう水浴中に37℃で配置し、試料を最大2時間、10、20、30、45、60、90、および120分間の周期的な経過時間ごとに除去した。
最大60分まで、メチレンブルーには顕著な放出は観測されなかった。60分間後には、放出率は10%未満であった。
【0067】
(実施例29: 種々の比率のゼラチン−重合体と、異なるリボン厚さとを有するゲル材料)
実施例24に基づいてゲル材料を製造し、ここで腸溶性重合体およびゼラチンは45重量%を占めており、これらは、1:19(5%)、1:9(10%)および1:5(15%)の重合体:ゼラチン重量比率を有するように製造した。得られたゲル材料を膜状にキャスティングし、USP崩壊および溶解装置を用いて腸内での性質を特徴づけた。5、10および15%の重合体膜は、この腸内崩壊試験で不合格であった。
【0068】
これらの実験が示唆するところでは、5%および10%の重合体濃度はいずれも酸性pH(腸内特性)を耐えるのには充分ではなく、一方20%だと溶解試験は通るが、しかし崩壊するには実際には弱すぎる。従って、重合体20%が、許容可能な腸内特性を達成する上では、EUDRAGIT 重合体の最小有効量である場合がある。
【0069】
80:20のゼラチン:重合体比率のゲル材料を製造し、バイロットゲル反応装置内での使用可能性を検証した。こうして得られたゲル材料は、0.015、0.025、および0.030インチのような異なるリボン厚さで、二種類の異なる速度、例えば3.0および3.5rpmでカプセル収容した。
【0070】
この水酸化アンモニウムを含有し、EUDRAGIT調整物を使用する80:20組成物は、腸内試験に合格した。3カ月後、40℃/湿度75%での安定性を試験すると、この80:20組成物は境界品質であった。0.035、0.040、0.045および0.050インチのリボン厚さを有する70:30水酸化アンモニウム調製物を試験したが、0.035インチのリボン厚さのカプセルはSGF中で膨潤を示さず、そのままの形で保持された。これらはSIF中では25分間で溶解した。このリボン厚さ0.040インチのカプセルは、SGF中で膨潤を示さず、そのままの形で保持された。これらはSIF中では30〜60分間で溶解した。表1に示すように、一層薄いリボン類も同じ調合で使用した。
【0071】
【表1】

【0072】
(実施例30: セルロースアセテートフタレート(CAP)を含有し、アルカリ可溶化剤として水酸化アンモニウムを使用した腸溶性ゲル材料)
ゲル材料を以下の組成に従って製造した。酸不溶性重合体(CAP)を水−アルカリビヒクルに溶解させ、次いでクエン酸トリエチルを添加した。膜形成性重合体のゼラチン(ライムボーン 150ブルーム)を可塑剤、グリセリンと混合し、腸溶性重合体溶液へと添加し、2時間混合し、60℃で終夜放置した。
セルロースアセテートフタレート 30%W/V懸濁液として
CPD−30 13.30%
ゼラチン 31.50%
クエン酸トリエチル 1.35%
グリセリン 17.55%
水酸化アンモニウム 1.48%
水 34.82%
【0073】
(実施例31: セルロースアセテートフタレート(CAP)を含有し、アルカリ可溶化剤として水酸化ナトリウムを使用した腸溶性ゲル材料)
ゲル材料を以下の組成に従って製造した。酸不溶性重合体(CAP)を水−アルカリビヒクルに溶解させ、次いでクエン酸トリエチルを添加した。この膜形成性重合体、ゼラチン(ライムボーン 150ブルーム)を可塑剤、グリセリンと混合し、腸溶性重合体溶液へと添加し、2時間混合し、60℃で終夜放置した。
セルロースアセテートフタレート 30%W/V懸濁液として
CPD−30 13.18%
ゼラチン 31.50%
クエン酸トリエチル 1.35%
グリセリン 17.55%
水酸化ナトリウム 1.60%
水 34.82%
【0074】
(実施例32: シェラックを含む腸溶性ゲル)
ゲル材料を下記組成に従って製造した。酸不溶性重合体のシェラックを水−アルカリビヒクルに溶解させ、次いでクエン酸トリエチルを添加した。膜形成性重合体のゼラチン(ライムボーン 150ブルーム)を可塑剤、グリセリンと混合し、腸溶性重合体溶液へと添加し、2時間混合し、60℃で終夜放置した。
アンモニア化シェラック(25%W/V溶液) 36.00%
ゼラチン 36.00%
グリセリン 18.00%
クエン酸トリエチル 0.90%
水 9.10%
【0075】
(腸溶性アスピリンの調製)
実施例24の腸溶性ゲル材料を使用し、米国特許第5,459,983号、5,146,730号および6,482,516号に記載の方法による回転ダイ装置を使用し、腸溶性アスピリン錠剤を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 膜形成性の水溶性重合体;
(b) 酸不溶性重合体;および
(c) アルカリ性水性溶媒;および
任意成分として(d) 少なくとも一種の可塑剤;および
任意成分として(e) 着色剤
を含有するゲル材料組成物であって、前記ゲル材料の最終pHが約9pH単位以下である、ゲル材料組成物。
【請求項2】
前記膜形成性の水溶性重合体がタンパク質性である、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項3】
前記タンパク質性の膜形成性の水溶性重合体がゼラチンである、請求項2記載のゲル材料組成物。
【請求項4】
前記ゼラチンが動物の骨または皮膚から抽出されており、約100から約250ブルームを有する、請求項3記載のゲル材料組成物。
【請求項5】
前記膜形成性の水溶性重合体が炭化水素である、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項6】
前記炭化水素が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースからなる群より選択されている、請求項5記載のゲル材料組成物。
【請求項7】
前記膜形成性の水溶性重合体が、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、フタレート、ブチレートのようなセルロースアセテートエステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびこれらの塩類からなる群より選択されている、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項8】
更に、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、炭素数3〜6個のポリアルコール、クエン酸、クエン酸エステル、クエン酸トリエチルおよびこれらの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一種の可塑剤を含有する、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項9】
前記アルカリ性水性溶液が、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エチレンジアミン、ヒドロキシルアミンおよびトリエタノールアミンからなる群より選ばれたアルカリを含有する、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項10】
前記アルカリ性水溶液が揮発性アルカリを含有する、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項11】
前記揮発性アルカリが、アンモニアおよびエチレンジアミンからなる群より選択されている、請求項10記載のゲル材料組成物。
【請求項12】
前記アルカリ水溶液がヒドロアルコール性溶液である、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項13】
前記ゲル材料の最終pHが約8.5以下である、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項14】
前記ゲル材料組成物が、約2%から約10%の水分含量を有する腸溶性ソフトカプセルシェルを生成することができる、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項15】
前記水分含量が約4%から約8%である、請求項14記載のゲル材料組成物。
【請求項16】
前記水分含量が約8%である、請求項14記載のゲル材料組成物。
【請求項17】
酸不溶性重合体の膜形成性重合体に対する比率が重量比で約20:80から約45:55である、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項18】
可塑剤を含有しており、可塑剤の膜形成性の水溶性重合体に対する比率が重量比で約1:9から約1:1である、請求項1記載のゲル材料組成物。
【請求項19】
可塑剤の膜形成性の水溶性重合体に対する比率が重量比で約1:3である、請求項18記載のゲル材料組成物。
【請求項20】
(a) 膜形成性の水溶性重合体、
(b) 酸不溶性重合体;および
(c) アルカリ性水性溶媒
を含有するゲル材料組成物から形成した腸溶性ソフトカプセルシェルであって、
酸不溶性重合体の膜形成性重合体に対する比率が重量比で約20:80から約45:55であり、前記ゲル材料の最終pHが約9pH単位以下であり、前記ゲル材料組成物から形成した前記腸溶性ソフトカプセルシェルの水分含量が約2%から約10%である、腸溶性ソフトカプセルシェル。
【請求項21】
シェル組成物からソフトカプセルを製造する方法であって、
(a) 膜形成性の水溶性重合体および酸不溶性重合体を含有する溶液を調製し、適当な可塑剤と混合してゲル材料を生成させ;
(b) このゲル材料を、熱制御されたドラムまたは面を使用して膜またはリボンへとキャスティングし;
(c) 回転ダイ技術を使用してソフトカプセルを形成する方法。
【請求項22】
前記膜またはリボンの厚さが約0.015インチ(0.038cm)から約0.050インチ(0.127cm)である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記膜またはリボンの厚さが約0.020インチ(0.051cm)である、請求項21記載の方法。

【公表番号】特表2006−505542(P2006−505542A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541451(P2004−541451)
【出願日】平成15年6月27日(2003.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/020579
【国際公開番号】WO2004/030658
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(504389670)バナー ファーマキャップス, インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】BANNER PHARMACAPS, INC.
【住所又は居所原語表記】4100 Mendenhall Oaks Parkway, Suite 301, High Point, NC 27265,U.S.A.
【Fターム(参考)】