説明

膜形成装置、膜形成方法

【課題】インキ等の膜の転写を良好に行うことが可能な膜形成技術を提供すること。
【解決手段】内部に空間(1a)を有する円筒部と、当該円筒部の周方向に沿った面に設けられて前記空間と連通した孔(8)と、を有し、回転自在に支持された筐体(1)と、柔軟性を有する板状部材からなり、前記孔を覆う状態で前記筐体の表面に沿って設けられた転写体(2)と、前記転写体を前記筐体に密着した状態に保持する支持手段(7)と、前記筐体の前記内部空間に充填され、かつ前記孔を介して前記転写体と接した流体(9)と、前記流体を加圧可能に構成された加圧手段(10)と、を含む膜形成装置である。ここで、「流体」とは気体あるいは液体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールツウロール方式によるオフセット印刷技術等に適用可能な膜形成装置および膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
転写体の印刷領域にほぼ対応する表面全面にインキを塗布し、転写体のインキを塗布した表面を凸版のパターン面に密着させて転写体表面の転写不要部分のインキを除去し、必要パターン部分だけにインキが残った転写体を被印刷基材に密着させて必要パターン部分のインキを被印刷基材に転写する凸版反転オフセット印刷技術が知られている。このような凸版反転オフセット印刷にロールツウロール方式を組み合わせた印刷方法の従来例の基本的な工程を図7に示す。この印刷方法を工程順に従って説明すると以下のとおりである。転写体101の表面にインキ102を塗布する。ここで、転写体101は円筒形の筐体103に巻きつけて固定されている(図7(A))。次に、転写体101を凸版104のパターン面に密着させ、凸版104を一方向(図中、矢印で示した方向)に移動させ、かつ筐体103を一方向(図中、矢印で示した方向)に回転させる(図7(B))。この工程により、インキ102のうち印刷に供さない部分は転写体101の表面から除去される。次に、転写体101を被印刷基材105に密着させ、被印刷基材105を一方向(図中、矢印で示した方向)に移動させ、かつ筐体103を一方向(図中、矢印で示した方向)に回転させる(図7(C))。この工程により、所望のパターンのインキが被印刷基材105に印刷される。以上で説明した印刷方法では被印刷基材を移動させながら連続的に印刷できるので、その供給と印刷後の回収をロールツウロール方式で行うことができる。ロールツウロール方式は、連続的な処理が可能であって、大量生産に適した方式である。
【0003】
しかしながら、上述したような従来の印刷方法には、以下に述べる不都合がある。すなわち、転写体101を凸版104に密着させてから筐体103の回転と凸版104の移動により転写体101を凸版104から引き剥がすとき、転写体101の表面のインキを残したいパターン部分と除去したい部分の境界においてインキが正しく切れずに、インキを残したいパターン部分のインキが除去される、あるいは反対にインキを除去したい部分のインキが残るという不都合である。この不都合を解決する方法としては、例えば、凸版の形状に工夫を施す方法(例えば、特許文献1参照)や、転写体を凸版に密着させたときに凸版内部を減圧する方法(例えば、特許文献2参照)、あるいは、インキを溶媒で湿潤させる方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。しかし、凸版の形状に工夫を施す方法には凸版の形状が複雑になるため凸版の作製コストが高くなるという不都合がある。特にパターンが微細かつ複雑である場合には、単にコスト高になるという問題だけではなく凸版の作製が非常に困難になるという不都合も生じる。一方、凸版内部を減圧する方法には、凸版の印刷領域全体の凹部を減圧することが要求されるため、パターンの設計自由度に制約が生じるという仏等がある。また、インキを湿潤させる方法には、その湿潤の程度の調整が難しく、その程度が不十分な場合には効果が得られず、また程度が過度である場合にはインキが薄く延びるだけで、上記図7(B)に示した工程において、除去したいインキを完全に除去できずに転写体表面に薄く残ってしまう場合がある。
【0004】
【特許文献1】特開2005−310465号公報
【特許文献2】特開2006−179215号公報
【特許文献3】特開2006−179214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る具体的態様は、インキ等の膜の転写を良好に行うことが可能な膜形成技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る膜形成装置は、(a)内部空間を有する円筒部と当該円筒部の周方向に沿った表面と前記内部空間との間に渡って設けられた孔とを有し、回転自在に支持された筐体と、(b)柔軟性を有する板状部材からなり、前記孔を覆う状態で前記筐体の前記円筒部の周方向に沿った表面に設けられた転写体と、(c)前記転写体を前記筐体に密着した状態に保持する支持手段と、(d)前記筐体の前記内部空間に充填され、かつ前記孔を介して前記転写体と接した流体と、(e)前記流体を加圧可能に構成された加圧手段と、を含む膜形成装置である。ここで、「流体」とは気体あるいは液体である。
【0007】
本発明に係る膜形成装置によれば、膜を挟んで転写体の他面側と版部材(凸版)とを接触させた状態にし、この状態において流体を介して転写体の一面側を加圧することによって転写体を膨張させることにより、版部材の凹凸の段差部において膜に応力が加わる。それにより、膜のうち転写体上に残留させたいパターン部分(第1部分膜)と除去したい部分(第2部分膜)の境界における膜の切れが良好になる。従って、ロールツウロール方式による膜形成を行う場合において、インキ等の膜の転写を良好に行うことが可能となる。
【0008】
上記した膜形成装置は、(f)前記円筒部の回転軸方向に沿った両端側のそれぞれに設けられた2つの円板と、(g)前記2つの円板のうち少なくとも1つを貫通して設けられた流体導管と、を更に含むことが好ましい。そしてこの場合に、前記加圧手段は、前記流体導管を介して前記流体を加圧することができる。これにより、円筒部の内部空間の密閉性を高めつつ、加圧手段による流体の加圧を容易に行うことができる。
【0009】
上記した膜形成装置は、(h)前記2つの円板のうち少なくとも1つに設けられ、前記流体導管を支持するベアリングを更に含むことも好ましい。それにより、流体導管を固定した状態で筐体を回転させることが可能となる。
【0010】
好ましくは、前記加圧手段は、前記転写体の一面側にかかる圧力が前記転写体の他面側にかかる圧力よりも高くなるように前記流体を加圧する。それにより、膜の切れをより良好にすることができる。
【0011】
本発明に係る膜形成方法は、上記した本発明に係る膜形成装置を用いた膜形成方法であって、(a)前記転写体の他面に膜を形成すること、(b)前記筐体を回転させながら、前記転写体の他面に形成された前記膜に対して、一面側に凹部及び凸部を有する版部材の当該一面側を接触させること、(c)前記版部材が前記膜に接触している際に、前記加圧手段により前記流体を加圧することにより、前記膜を、前記凹部に対応した第1部分膜と前記凸部に対応した第2部分膜に分離すること、(d)前記筐体を回転させながら前記版部材を前記転写体から引き離すことにより、前記転写体の他面に前記第1部分膜を残留させること、(e)前記筐体を回転させながら前記転写体の他面の前記第1部分膜を転写先部材に密着させることにより、当該第1部分膜を前記転写先部材へ転写すること、を含む、膜形成方法である。
【0012】
本発明に係る膜形成方法によれば、流体を介して転写体の一面側を加圧することによって転写体を膨張させることにより、版部材の凹凸の段差部において膜に応力が加わる。それにより、膜のうち転写体上に残留させたいパターン部分(第1部分膜)と除去したい部分(第2部分膜)の境界における膜の切れが良好になる。従って、ロールツウロール方式による膜形成を行う場合において、インキ等の膜の転写を良好に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本発明を適用した一実施形態のオフセット印刷機の構成を示す正面図である。また、図2は、本実施形態に係るオフセット印刷機の図1に示すII−II線に対応した断面図である。また、図3は、オフセット印刷機の動作時の様子を模式的に示す断面図である。この図3の断面図も図1に示すII−II線に対応している。図1〜図3に示すオフセット印刷機は、筐体1、転写体2、円板3、4、流体導管5、ベアリング6、固定リング7、流体9、加圧手段10を含んで構成されている。
【0015】
筐体1は、適度な機械的強度を有する材料(金属等)を用いて構成されており、内部空間1aを有する円筒部と、この円筒部の周方向に沿った面に設けられて内部空間1aと連通した複数の孔8と、を有する。この筐体1は、円板3を介してベアリング6と接続されている。ベアリング6が流体導管5に支持されることにより、この筐体1は回転自在に支持されている。
【0016】
転写体2は、柔軟性を有する板状部材からなり、前述の孔8を覆う状態で筐体1の表面に沿って設けられている。詳細には、転写体2は、図1に示すように筐体1の円筒部を一周するように巻きつけられている。転写体2の基材には柔軟性のあるPDMS(ポリジメチルシロキサン)が用いられている。また、転写体2は、2つの固定リング7によって筐体1に固定されている。転写体2に柔軟性があるため、転写体2を筐体1に固定リング7で堅牢に固定することによって、転写体2が筐体1に密着する。すなわち、本実施形態においては、各固定リング7が「支持手段」に対応する。なお、これらは支持手段の一例に過ぎない。また、転写体2と各固定リング7とが接触する部位において、筐体1と転写体2とを接着剤で接着することも好ましい。
【0017】
円板3、4は、それぞれ筐体1の円筒部の軸方向に沿った一端側及び他端側に取り付けられている。本実施形態においては、図2に示すように各円板3、4は、それぞれ筐体1の両端からやや内側に配置されている。これらの円板3、4により、図示のように筐体1の内部空間1aが密閉される。
【0018】
流体導管5は、円板3の中心部を貫通して設けられており、筐体1の内部空間1aと連通している。この流体導管5を通じて、流体9が筐体1の内部空間1aへ導入される(図3参照)。流体導管5は、パイプ状の部材からなり、ベアリング6によって支持されている。
【0019】
ベアリング6は、円板3の中心部を貫通して設けられており、その回転軸が筐体1の円筒部の回転軸と一致する位置に配置されている。上述したように、このベアリング6に流体導管5が挿入されている。ベアリング6には気密性対応のものが用いられている。それにより、流体導管5の部分を除いて、筐体1の内部空間1aが密封された構造が得られる。また、流体導管5を固定した状態としておき、流体導管5を回転軸としてベアリング6を回転させることにより、筐体1全体を回転させることができる。
【0020】
なお、本実施形態においては、流体導管5及びベアリング6を一方の円板3にのみ設けているが、他方の円板4にも流体導管及びベアリングを設けてもよい。
【0021】
複数の孔8は、それぞれ筐体1の円筒部の周方向に沿った表面から筐体1の内部空間1aに渡って設けられている。すなわち、孔8の各々は、筐体1の円筒部に設けられた貫通孔である。これらの孔8は、流体9を筐体1と転写体2との隙間へ送り込むための通路としての機能(役割)を果たす。本実施形態においては、複数の孔8が図示のように筐体1の円筒部の全周に渡って分布して設けられている。なお、孔8の機能を考えれば、孔8は少なくとも1個あれば足りる。しかし、本実施形態のように複数の孔8が設けられている方が転写体2への圧力の伝達が速くかつ均一になるから都合がよい。また、孔8は、図示した例のような貫通孔ではなく、メッシュ状の構造によって実現されていてもよい。
【0022】
流体9は、筐体1の内部空間1aに配置されており、孔8を通じて転写体2の一面と接している(図3参照)。この流体9は、流体導管5を通じて出し入れ可能である。この流体9は、気体あるいは液体である。気体としては、空気、窒素、あるいはアルゴン等が好適に用いられる。液体としては、水あるいはシリコンオイル等が好適に用いられる。流体9は、転写体2に圧力を伝えることが可能であり、かつ筐体1や転写体2などに腐食や溶解などのダメージを与えないものであれば、その種類は特に制限されない。
【0023】
加圧手段10は、流体導管5を通じて流体9を加圧する(圧力を与える)。加圧手段10によって流体9に圧力を与えることにより、転写体2の一面に圧力を与えることができる。それにより、転写体2を伸縮させることができる(図3参照)。
【0024】
図4は、本実施形態のオフセット印刷機において、流体を介して転写体に圧力を与えている際の様子を示す部分断面図である。具体的には、図4においては、転写体2およびその付近の部分的な断面図が示されている。なお、図1〜図3と共通する構成については同一の符号を用いている。予め、転写体2の他面に膜(インキ)12を設けておき、この転写体2の他面の膜12に対して版部材11を接触させる。図示のように、版部材11はその一面に凹部及び凸部を有しており、当該一面側が転写体2の他面の膜12に接して配置される。この状態にて加圧手段10により流体9に圧力を与える。それにより、流体9を介して転写体2の一面にかかる圧力を制御することができる。詳細には、流体9は筐体1の孔8を通って筐体1の円筒部の外側と転写体2の内側との隙間に入り込む。上述したように転写体2は柔軟性を有するので、流体9を介して与えられた圧力に応じて、各固定リング7で固定された部分を支点として膨張又は収縮する。それにより、転写体2および膜12は、流体9の圧力に応じて版部材11の凹部に押し込まれる(めり込む)ことになる。その結果、版部材11の凹部と凸部との境界(段差部)においては、膜12に応力が加わり、そこで膜12が切れることになる。それゆえ、転写体2を版部材11から引き剥がすときには、版部材11の凹凸パターンに対応して膜12が正確に分断され、所望のパターンが正確に転写された膜パターンが得られる。
【0025】
ここで、流体9に与えられる圧力について詳述する。流体9に対して与えられる圧力は、例えば0.12〜0.2MPa程度とすればよく。また、流体9の加圧時間は、例えば1〜10秒間程度とすればよい。流体9へ与える圧力については、原理的に、転写体2の他面側に加わる圧力(例えば、大気圧であれは約0.1MPa)よりも、流体9を介して転写体2の一面側に加わる圧力のほうが大きくなればよい。一方、転写体2の一面に加わる圧力が高すぎると転写体2の版部材11へのめり込みが大きくなり過ぎ、最終的に転写先部材(被印刷基材)に転写印刷される膜パターンの表面にダメージ与えることが考えられる。さらにまた、転写体2自体を傷つける可能性もある。従って、流体9へ加える圧力にはある程度の範囲が存在する。ただし、その範囲は転写体2の厚さや大きさ、そして材料にも依存すると考えられるので、それらの条件に応じて適宜圧力を設定すればよい。
【0026】
本実施形態のオフセット印刷機は上述した構成を有しており、次にこのオフセット印刷機を用いて、所望の転写先部材上に所望パターンの膜を形成する方法について、図5及び図6に沿って説明する。図5及び図6は、本実施形態の膜形成方法を示す模式断面図である。図5及び図6においては、上述した図4と同様に転写体2およびその付近の部分的な断面図が示されている。なお、各工程の基本的な流れは上述した従来例と同様である(図7参照)。
【0027】
まず、転写体2の他面に膜12を形成する(図5(A))。例えば、筐体1を回転させながら筐体1の上方から転写体2に液体を滴下することによって、転写体2の他面に膜12を形成することができる。あるいは、図示しない他のローラ等に予め膜を形成しておき、このローラ等と転写体2とを互いに回転させながら接触させて膜を転写することにより、膜12を形成することもできる。なお、膜12の粘度調整等が必要であれば適宜乾燥させる。
【0028】
次に、筐体1を回転させながら、転写体2の他面に形成された膜12に対して、一面側に凹部及び凸部を有する版部材11の当該一面側を接触させ、その状態を保ちながら加圧手段10により流体9を加圧する(図5(B))。このとき、転写体2は、図示のように孔8を通じて流れ込んだ流体9を介して受ける圧力によって膨張する。それにより、膜12は、版部材11の凹部に対応したパターンを有する第1部分膜12aと、版部材11の凸部に対応したパターンを有する第2部分膜12bとに分離する(図5(C))。筐体1の回転に伴って転写体2が版部材11から離れることにより、転写体2の他面に第1部分膜12aが残留し、第2部分膜12bは版部材11に移動する(図5(C))。
【0029】
次に、筐体1を回転させながら、転写体2の他面の第1部分膜2aを転写先部材13に密着させる(図6(A))。転写先部材13とは、例えば基板、紙など媒体、その他種々の物が該当する。すなわち、膜の用途に応じて種々に選択される。なお、この際に、加圧手段10によって流体9を加圧してもよい。それにより、転写体2に圧力が加わり、転写体2と転写先部材13との密着の均一性をより向上させることができる。
【0030】
その後、筐体1の回転に伴って転写体2が転写先部材13から離れることにより、第1部分膜12aが転写先部材13へ転写される(図6(B))。以上により、所望の素材からなる転写先部材13上に、版部材11の凹凸パターンに対応した所望のパターンを有する第1部分膜12aが形成される。
【0031】
以上のような本実施形態によれば、流体9を介した加圧による転写体2の加圧膨張を利用することにより、版部材11の凹凸の段差部において膜12に応力が加わり、膜12のうち転写体2上に残留させたいパターン部分(第1部分膜12a)と除去したい部分(第2部分膜12b)の境界における膜の切れが良好になる。それにより、ロールツウロール方式による膜形成を行う場合において、インキ等の膜の転写を良好に行うことが可能となる。本実施形態に係る装置及び方法は、例えば所望のパターンを有する導電膜を製造する場合や、めっきに用いる触媒の膜を製造する場合、あるいは紙面等にインキを転写してなる印刷物を製造する場合など、種々の場面に適用することが可能である。特に、微細パターンが要求される分野における膜形成(印刷)において顕著な効果が期待される。
【0032】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上述した実施形態においては、本発明に係る膜形成装置の一例としてオフセット印刷機を説明し、併せて本発明に係る膜形成方法の一例として上記オフセット印刷機を用いた印刷方法を説明したが、本発明の適用範囲はこれらに限定されるものではなく、本発明は種々の膜を形成するための装置および方法に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】オフセット印刷機の構成を示す正面図である。
【図2】オフセット印刷機の図1に示すII−II線に対応した断面図である。
【図3】オフセット印刷機の動作時の様子を模式的に示す断面図である。
【図4】オフセット印刷機において、流体を介して転写体に圧力を与えている際の様子を示す部分断面図である。
【図5】一実施形態の膜形成方法を示す模式断面図である。
【図6】一実施形態の膜形成方法を示す模式断面図である。
【図7】凸版反転オフセット印刷機を用いる印刷方法の従来例の基本的な工程を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1…筐体、1a…内部空間、2…転写体、3、4…円板、4…台座、5…流体導管、6…ベアリング、7…固定リング、8…孔、9…流体、10…加圧手段、11…版部材(凸版)、12…膜(インキ)、12a…第1部分膜、12b…第2部分膜、13…転写先部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有する円筒部と当該円筒部の周方向に沿った表面と前記内部空間との間に渡って設けられた孔とを有し、回転自在に支持された筐体と、
柔軟性を有する板状部材からなり、前記孔を覆う状態で前記筐体の前記円筒部の周方向に沿った表面に設けられた転写体と、
前記転写体を前記筐体に密着した状態に保持する支持手段と、
前記筐体の前記内部空間に充填され、かつ前記孔を介して前記転写体と接した流体と、
前記流体を加圧可能に構成された加圧手段と、
を含む、膜形成装置。
【請求項2】
前記円筒部の回転軸方向に沿った両端側のそれぞれに設けられた2つの円板と、
前記2つの円板のうち少なくとも1つを貫通して設けられた流体導管と、
を更に含み、
前記加圧手段は、前記流体導管を介して前記流体を加圧する、請求項1に記載の膜形成装置。
【請求項3】
前記2つの円板のうち少なくとも1つに設けられ、前記流体導管を支持するベアリングを更に含む、請求項2に記載の膜形成装置。
【請求項4】
流体が気体である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の膜形成装置。
【請求項5】
流体が液体である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の膜形成装置。
【請求項6】
前記加圧手段は、前記転写体の一面側にかかる圧力が前記転写体の他面側にかかる圧力よりも高くなるように前記流体を加圧する、請求項1乃至5の何れか1項に記載の膜形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の膜形成装置を用いた膜形成方法であって、
(a)前記転写体の他面に膜を形成すること、
(b)前記筐体を回転させながら、前記転写体の他面に形成された前記膜に対して、一面側に凹部及び凸部を有する版部材の当該一面側を接触させること、
(c)前記版部材が前記膜に接触している際に、前記加圧手段により前記流体を加圧することにより、前記膜を、前記凹部に対応した第1部分膜と前記凸部に対応した第2部分膜に分離すること、
(d)前記筐体を回転させながら前記版部材を前記転写体から引き離すことにより、前記転写体の他面に前記第1部分膜を残留させること、
(e)前記筐体を回転させながら前記転写体の他面の前記第1部分膜を転写先部材に密着させることにより、当該第1部分膜を前記転写先部材へ転写すること、
を含む、膜形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−234125(P2009−234125A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84908(P2008−84908)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】