膨張式ハーネスクルーマスク
【解決手段】膨張式ハーネスクルーマスクは、酸素レギュレータからマスクに供給される酸素とは独立して膨張式ハーネスに接続された圧縮ガス供給システムを持つ膨張式ハーネスを備える。マスクは、圧縮ガスカートリッジ用のコンテナ部を有する加圧ガス膨張供給アセンブリに接続された呼気/吸入弁を有するバルブコネクタと、膨張弁に接続された膨張ガス供給チューブにカートリッジから加圧ガスを提供するように接続されたレギュレータ部と、を備える。膨張弁はユーザが手動で操作可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2007年2月5日に出願された米国仮特許出願第60/899,434号に基づく。
【0002】
(発明の背景)
本発明はキャビン減圧時のクルーの安全のために大型航空機で使用されるクルーマスクに関する。より詳細には、本発明は、使用時にこの種のマスクを適切な位置に固定するために使用される膨張式(inflatable)ハーネスに関する。
【背景技術】
【0003】
良く使われるタイプのクルーマスクは、ユーザの頭部にハーネスを配置する前に膨張し、その後空気が抜けてユーザの頭部をつかむ膨張式の弾性チューブを持つ膨張式ヘッドハーネスを備える。チューブには、呼吸マスクのレギュレータへの加圧酸素の供給によって膨張を調整するためのバルブが接続される。
【0004】
酸素供給システムの別の類似タイプは、フェイスマスクと膨張式ヘッドハーネスを有する酸素供給部を備える。複数の化学的酸素ジェネレータがリザーバに加圧酸素を提供して空気圧式ヘッドハーネスを膨張させるとともに、化学的酸素ジェネレータの始動中に初期の呼吸供給を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
膨張式ハーネスを持つ航空機クルーマスクは、現在のところ、高圧酸素とマスクに搭載されたレギュレータとを使用する設計のものに限られている。レギュレータへの高圧酸素の供給を用いてハーネスを膨張させる。しかしながら、軍事用酸素マスクの長年にわたる設計では、高圧酸素供給源および酸素レギュレータを航空機パネル内に搭載し、より低圧の呼吸可能な酸素をマスクに提供して、マスク側でハーネスを膨らませるための高圧酸素ガスを不要としている。現在の軍事用マスクは、フィット調整が必要となる古い「ハードな」ヘッドハーネスに限られているか、またはマスクがフライトヘルメットにより支持されている。古いハードヘッドハーネスで必要となる事前の調整やカスタムサイズの設計を必要とせずに、幅広い各個人の頭部のサイズに適合するので、膨張式ハーネスマスクの方が好ましい。したがって、ハーネスの迅速な膨張を可能にするとともに、古いスタイルの軍事用マスクデザインが新しい膨張式ハーネスの自動調節という利点を備えられるようにする、膨張式ハーネスクルーマスクが望まれている。本発明は、これらの問題および他の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡潔にかつ一般的に述べると、本発明は、酸素供給システムとは独立して、別個の加圧ガス膨張供給アセンブリを利用して膨張式ハーネスを膨らませる加圧ガスを供給する膨張式ハーネスを備える膨張式ハーネスクルーマスクを提供する。これにより、航空機パネル内に搭載された酸素供給レギュレータと膨張式ハーネスクルーマスクとを接続することが可能になる。また、酸素供給レギュレータから供給される酸素とは別に、膨張式ハーネスを膨らませて、事前の調整やカスタムフィットを必要とせずにユーザの頭部にフィットさせることが可能になる。
【0007】
したがって、本発明は、着用者の顔の周縁に沿って適合するように形成された顔シール成形部を有するマスク部と、顔シール成形部に接続された少なくとも一つの膨張式チューブを有する膨張式ハーネスと、を備える膨張式ハーネスクルーマスクを提供する。膨張弁が膨張式ハーネスと流体連結され、ハーネスの膨張を調節する。加圧ガス膨張供給アセンブリは、膨張弁に加圧ガスを供給して膨張式ハーネスを膨張させるように構成される。好適な態様では、マスク部はバルブコネクタハウジングを備え、呼気/吸入弁がバルブコネクタハウジングに配置されマスク部と流体連結される。呼気/吸入弁は、酸素源に接続されマスク部に呼吸可能な酸素を提供する。別の好適な態様では、膨張弁がバルブコネクタハウジング内に配置される。
【0008】
膨張式ハーネスクルーマスクの膨張弁は、入口ポートおよび出口ポートと、膨張弁ハウジング内に滑動可能に配置された膨張弁ポペットと、膨張弁ハウジングの第1端部に滑動可能に配置され膨張弁ポペットに隣接するプランジャーピンと、を有するハウジングを備える。プランジャーピンは閉位置に付勢されており、ガス解放ボタンは、バルブコネクタハウジングに回動可能に接続されプランジャーピンに隣接して配置されており、ユーザがガス解放ボタンを押して膨張弁ポペットを開くと、膨張弁の出口ポートを通して加圧ガスが解放される。別の態様では、膨張弁は圧力調整アセンブリを備える。膨張式ハーネスは、ユーザの頭部に適合するように構成された第1および第2膨張式チューブを備えてもよく、また第1および第2膨張式チューブの間に接続される一つ以上の接続ストラップを備えてもよい。一つ以上の接続ストラップは調節可能であってもよい。
【0009】
別の好適な態様では、加圧ガス膨張供給アセンブリは、圧縮ガスカートリッジの本体部を取り外し可能に受け入れるための内部チャンバを有するコンテナ部を備える加圧ガス膨張供給シリンダと、第1端部で圧縮ガスカートリッジの首部を取り外し可能に受け入れるように構成されたレギュレータ部と、を備える。レギュレータ部の第2端部は、貫通やり部材の出口端と接続されるガス出口ポートを備える。レギュレータのガス出口ポートは膨張ガス供給チューブに接続される。レギュレータ部の第1端部はコンテナ部と取り外し可能に接続可能であり、圧縮ガスカートリッジの首部を取り外し可能に受け入れるように構成された内部プレナムを有する。別の好適な態様では、圧縮ガスカートリッジは、膨張式ハーネスの複数の膨張部に十分な圧縮ガスを提供するように構成される。圧縮ガスカートリッジが二酸化炭素圧縮ガスカートリッジである。
【0010】
加圧ガス膨張供給シリンダのレギュレータ部の第2端部のガス出口ポートは、膨張ガス供給チューブによって膨張弁と接続される。レギュレータ部の第1端部は、圧縮ガスカートリッジの首部の隔壁を貫通するように構成され円錐形の貫通点入口端を有する貫通やり部材を備えることが好ましい。貫通やり部材は、内部開口を通してガスカートリッジから貫通やり部材の出口端までガスが流れるように構成された内部開口を有する。
【0011】
別の態様では、レギュレータ部は貫通やり部材の出口端に隣接するレギュレータ弁を備えることが好ましい。レギュレータ弁は、レギュレータ弁チャンバと、レギュレータ弁チャンバ内に配置されるボール部材と、を備える。レギュレータ弁の第2端部は、圧縮ガスカートリッジから解放されたガスの圧力を調節して所望の低ハーネス膨張チューブ圧力にするように構成されたガス圧力調節アセンブリを備えてもよい。レギュレータ弁チャンバと流体連結するように、圧力チャージ標示アセンブリを取り付けてもよい。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の動作を例示として示す添付の図面とともに、以下の好適な実施形態の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による膨張式ハーネスクルーマスクの正面斜視図である。
【図2】図1の膨張式ハーネスクルーマスクの左側正面斜視図であり、クルーマスクの膨張式ハーネス用のガスカートリッジインフレータを示す図である。
【図3】図2のクルーマスクの膨張式ハーネス用のガスカートリッジインフレータの分解図である。
【図4】図1の膨張式ハーネスクルーマスクの右側正面斜視図であり、クルーマスクの膨張式ハーネス用のガスカートリッジインフレータの変形例を示す。
【図5】図4のガスカートリッジインフレータの分解斜視図である。
【図6】図4のガスカートリッジインフレータのガスカートリッジコンテナ部の正面斜視図である。
【図7】図4のガスカートリッジインフレータのレギュレータ部の分解斜視図である。
【図8】図4のガスカートリッジインフレータのレギュレータ部の断面図である。
【図9】図1の膨張式ハーネスクルーマスクのバルブコネクタおよび膨張弁の分解斜視図である。
【図10】図1のバルブコネクタの断面図である。
【図11】図1の膨張式ハーネスクルーマスクの膨張弁の断面図である。
【図12】図1の膨張式ハーネスクルーマスクの膨張弁の分解斜視図である。
【図13】バルブコネクタの呼気/吸入弁の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
膨張式ヘッドハーネスを持つクルーマスクは、ユーザの頭部にマスクのハーネスを配置するのに便利であるが、この種の膨張式ハーネスを膨らませるために一般に使用される加圧酸素は、一部の航空機(軍用機など)では利用できないことがある。そのため、クルーマスクのヘッドハーネスを膨張させるために加圧酸素源を利用できない航空機においても利用可能な、クルーマスクの膨張式ハーネスを膨らませる方法およびシステムが必要とされている。
【0015】
例示を目的とし限定を目的としない図面を参照して、本発明は、図1乃至4に示されるように、透明のフレキシブルレンズ12を通常備えるマスク部11を有する膨張式ハーネスクルーマスク10にて具現化される。フレキシブルレンズ12は、着用者の顔の周縁にフィットするように形成された弾性顔シール成形部14に取り付けられる。膨張式ハーネスクルーマスクは、弾性顔シール成形部に取り付けられユーザの頭部に適合するように構成された個別の膨張式チューブ18a、18bを有する膨張式ハーネス16を備える。接続ストラップ20および22が、その先端で膨張式チューブの間に接続されていてもよい。接続ストラップはまた、マスクのサイズに合わせて、またハーネスをユーザの頭部に装着した後のユーザの快適性に合わせて調節可能であってもよい。弾性顔シール成形部の下方前部は、図9乃至12に示すような、ハーネスの膨張を調整するための膨張弁26と、図9乃至13に示すような呼気/吸入弁28とを有するバルブコネクタハウジング24を備える。
【0016】
図1、2および4を参照して、膨張式ハーネスクルーマスク用の酸素源は、バルブコネクタハウジングの入口32に一端で接続されるとともに、航空機(図示せず)内の酸素供給レギュレータへの酸素供給ホースに他端で接続される酸素供給ホースまたは酸素供給チューブ30により提供される。バルブコネクタハウジングの入口からマスクへの酸素流は、マスクの内部に接続された呼気/吸入弁によって調節される。図4に示すように、流通を容易にするために、マスクは、酸素供給ホースに搭載される「プレス・ツー・トーク(押して話す)」制御部34を有するマイクロフォン(図示せず)を含んでもよい。
【0017】
図2乃至6に示すように、複数のハーネスの膨張部について十分なガスを供給する小型の圧縮ガス膨張供給シリンダ36が、クランプまたはクリップ38によって酸素供給ホースに通常取り付けられており、クランプまたはクリップ42によって酸素供給ホースに通常取り付けられている膨張ガス供給チューブ40を介して、二酸化炭素ガスなどの加圧ガスを膨張弁コネクタに供給する。酸素供給ホースをユーザの衣服に取り外し可能に取り付けるために、酸素供給ホースに接続された装身用クリップ44を設けてもよい。
【0018】
図5乃至8を参照して、ガス膨張供給シリンダは内部チャンバ48を有するコンテナ部46を備える。内部チャンバ48は、800psig以上に加圧された標準のCO2圧縮ガスカートリッジ等の圧縮ガスカートリッジ50を取り外し可能に受け入れる。圧縮ガスカートリッジの首部52は、ガス膨張供給シリンダのレギュレータ部56の内部プレナム(plenum)54に取り外し可能に受け入れられる。ガス膨張供給シリンダは、典型的に、図1乃至3に示すように、ガス膨張供給シリンダのコンテナ部にねじ込み可能に(threadably)接続される。圧縮ガスカートリッジの首部には、ねじが切られていても切られていなくてもよく、またカートリッジ内の加圧ガスを解放するために貫通可能な隔膜(図示せず)を備えている。
【0019】
図5を参照して、コンテナ部は、開口部を通して引き綱(lanyard)60をねじ込み可能とするための開口部58を備えてもよい。コンテナ部は、コンテナ部の内部チャンバ内に保持されるカップ状部材を有する。引き綱の他端64は、レギュレータ部のスロット66を通してねじ込まれるが、これは、ガスカートリッジを挿入または取り外すために分解したとき、コンテナ部とレギュレータ部とを緩く接続した状態を保つためのものである。
【0020】
図7および8を参照して、レギュレータ部の第1端部67には、貫通やり部材68が取り付けられている。この貫通やり部材68は、圧縮ガスカートリッジの首部を突き刺すための円錐形の貫通点入口70と、ガスカートリッジから内部開口を通って貫通やり部材の出口端72までガスが流れることを可能にする内部開口71とを有する。貫通やり部材68は、円錐形の貫通点の周りに配置されたリングシール74を有しており、このシールは圧縮ガスカートリッジのねじ切りされていない首部とシール接触する。
【0021】
レギュレータは、貫通やり部材の出口端に隣接するボール弁76を備える。ボール弁76は、ボール弁チャンバ82内に配置されたボール部材80と、ボール部材および貫通やり部材の出口端の間に配置され、ボール部材とバルブシート88との間に配置されたリングシール86に対してボール部材を付勢するように構成されたボール弁閉弁圧縮ばね84と、を備える。これによって、ボール弁チャンバの上端でボール弁が閉弁方向に付勢される。レギュレータは、レギュレータに取り付けられたガス圧調整アセンブリ90も備える。このアセンブリは、ガスカートリッジから解放されたガスの圧力を、所望の低ハーネス膨張チューブ圧力まで調節する。ガス圧調整アセンブリは、レギュレータの第2端部94にねじ込み可能に取り付けられた圧力調節ねじ92を備える。圧力調節ねじと圧縮プレート部材98との間にはメイン圧縮ばね96が配置される。ボール部材と圧縮プレート部材との間にピン100が配置され、圧力調節ねじからの圧力をその関連する圧縮ばねを通して伝達し、ボール弁閉弁圧縮ばねの閉弁圧力に対抗してボール部材を開くように付勢する。これは、ガスカートリッジから解放されたガスを、例えば約70psig等の所望の低ハーネス膨張チューブ圧力まで調節するためである。メインばねの圧縮は調整された圧力を決定する。
【0022】
好ましくは、圧力チャージ標示アセンブリ102がレギュレータの側面の開口104に取り付けられる。圧力チャージ標示アセンブリ102はボール弁チャンバと接続される。圧力チャージ標示アセンブリ102は、新たなシリンダが係合するときに飛び出し、圧力が例えば約100psig等の閾値圧力を下回るまでその状態を保つ標示ポペットまたはボタン106を備える。ポペットが出ているが上がっている場合、膨張式ハーネスの少なくとも一つ以上の膨張のために十分なガス圧がシリンダのガスカートリッジ内にチャージされていることをユーザに警告するために、この標示が使用される。
【0023】
膨張ガス供給チューブがレギュレータのガス出口ポート108に接続され、レギュレータは内部ボール弁チャンバと流体連結されて加圧ガスを膨張式ハーネスに供給する。図7に示すように、膨張ガス供給チューブがレギュレータから切り離された場合に、圧縮ガス膨張供給シリンダを例えば異なる容量のシリンダで置換するために、レギュレータのガス出口ポートが六角プラグ110で一時的にシールされてもよい。
【0024】
図9乃至12を参照して、膨張弁は、膨張弁を通りハーネスに向かう加圧ガスの供給を制御する。膨張弁は、ガス解放ボタン112を備える。ガス解放ボタン112は、ヒンジピン114によってバルブコネクタハウジングに回動可能に接続され、プランジャーピン116に隣接して配置される。プランジャーピン116は、全体的に管状の膨張弁ハウジング120の第1端118に滑動可能に配置され、ハウジング内に配置された膨張弁ポペット122と隣接する。プランジャーピンは、メインプランジャー圧縮ばね124によって閉弁位置に付勢されており、これによりユーザは、ガス解放ボタンを押してメインプランジャー圧縮ばねの力に対抗して膨張弁ポペットを開き、膨張弁出口ポート126を通して加圧ガスを解放することができる。
【0025】
ガスコネクタチューブ128が膨張弁出口ポートに接続されて出口取り付けコネクタ130に加圧ガスを導き、出口取り付けコネクタ130が膨張式ハーネスの膨張可能なチューブに接続される。圧縮調整ねじ132が、膨張弁ハウジングの第2端部134にねじ込み可能に取り付けられる。メイン圧縮ばね136が圧力調節ねじと膨張弁ポペットの基部との間に配置され、膨張弁ポペットを閉弁方向に付勢する。
【0026】
試作品の試験
市販の自転車タイヤ用の二酸化炭素、16グラムのインフレータを使用して、本発明の機能ユニットのモックアップが作られた。このユニットを、既存の膨張式ハーネスフルフェイスクルーマスクのハーネス供給弁に接続した。以下の表に示す結果は、三種類のカートリッジについて周囲温度70°Fで平均して10〜12回膨張したときの試験後に観察された。
【表1】
【0027】
上記から、本発明がクルーマスクに搭載され膨張式ハーネスに接続された圧縮ガスシリンダを使用して、クルーマスクに供給される呼吸可能な酸素とは独立して、膨張式ハーネスに加圧ガスを供給することが分かる。特に、本発明は、航空機クルーメンバーの酸素マスクに取り付けられた小型の圧縮ガスシリンダおよびレギュレータを使用し、マスクハーネスを膨らませまたマスクハーネスを頭部に素早く取り付けることを可能にする。シリンダがハーネスの複数の膨張部に十分なガスを提供し、パネルに搭載されたレギュレータと接続される古い軍事用マスクを、新しく好適な膨張式ハーネスを有するように再構成することを可能にする。本発明は、古いクルーマスクに最新の膨張式ハーネス技術を適応させる、経済的に追加できまた簡単に構成された手段を提供する。したがって、コストや、マスクおよび装備に対する多大な投資を置換するという(特に軍用機における)兵站の複雑さを回避することができる。
【0028】
本発明の特定の形態を例示し説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な修正をなし得ることは上記記載から明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲によるものを除き、本発明を限定することは意図していない。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2007年2月5日に出願された米国仮特許出願第60/899,434号に基づく。
【0002】
(発明の背景)
本発明はキャビン減圧時のクルーの安全のために大型航空機で使用されるクルーマスクに関する。より詳細には、本発明は、使用時にこの種のマスクを適切な位置に固定するために使用される膨張式(inflatable)ハーネスに関する。
【背景技術】
【0003】
良く使われるタイプのクルーマスクは、ユーザの頭部にハーネスを配置する前に膨張し、その後空気が抜けてユーザの頭部をつかむ膨張式の弾性チューブを持つ膨張式ヘッドハーネスを備える。チューブには、呼吸マスクのレギュレータへの加圧酸素の供給によって膨張を調整するためのバルブが接続される。
【0004】
酸素供給システムの別の類似タイプは、フェイスマスクと膨張式ヘッドハーネスを有する酸素供給部を備える。複数の化学的酸素ジェネレータがリザーバに加圧酸素を提供して空気圧式ヘッドハーネスを膨張させるとともに、化学的酸素ジェネレータの始動中に初期の呼吸供給を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
膨張式ハーネスを持つ航空機クルーマスクは、現在のところ、高圧酸素とマスクに搭載されたレギュレータとを使用する設計のものに限られている。レギュレータへの高圧酸素の供給を用いてハーネスを膨張させる。しかしながら、軍事用酸素マスクの長年にわたる設計では、高圧酸素供給源および酸素レギュレータを航空機パネル内に搭載し、より低圧の呼吸可能な酸素をマスクに提供して、マスク側でハーネスを膨らませるための高圧酸素ガスを不要としている。現在の軍事用マスクは、フィット調整が必要となる古い「ハードな」ヘッドハーネスに限られているか、またはマスクがフライトヘルメットにより支持されている。古いハードヘッドハーネスで必要となる事前の調整やカスタムサイズの設計を必要とせずに、幅広い各個人の頭部のサイズに適合するので、膨張式ハーネスマスクの方が好ましい。したがって、ハーネスの迅速な膨張を可能にするとともに、古いスタイルの軍事用マスクデザインが新しい膨張式ハーネスの自動調節という利点を備えられるようにする、膨張式ハーネスクルーマスクが望まれている。本発明は、これらの問題および他の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡潔にかつ一般的に述べると、本発明は、酸素供給システムとは独立して、別個の加圧ガス膨張供給アセンブリを利用して膨張式ハーネスを膨らませる加圧ガスを供給する膨張式ハーネスを備える膨張式ハーネスクルーマスクを提供する。これにより、航空機パネル内に搭載された酸素供給レギュレータと膨張式ハーネスクルーマスクとを接続することが可能になる。また、酸素供給レギュレータから供給される酸素とは別に、膨張式ハーネスを膨らませて、事前の調整やカスタムフィットを必要とせずにユーザの頭部にフィットさせることが可能になる。
【0007】
したがって、本発明は、着用者の顔の周縁に沿って適合するように形成された顔シール成形部を有するマスク部と、顔シール成形部に接続された少なくとも一つの膨張式チューブを有する膨張式ハーネスと、を備える膨張式ハーネスクルーマスクを提供する。膨張弁が膨張式ハーネスと流体連結され、ハーネスの膨張を調節する。加圧ガス膨張供給アセンブリは、膨張弁に加圧ガスを供給して膨張式ハーネスを膨張させるように構成される。好適な態様では、マスク部はバルブコネクタハウジングを備え、呼気/吸入弁がバルブコネクタハウジングに配置されマスク部と流体連結される。呼気/吸入弁は、酸素源に接続されマスク部に呼吸可能な酸素を提供する。別の好適な態様では、膨張弁がバルブコネクタハウジング内に配置される。
【0008】
膨張式ハーネスクルーマスクの膨張弁は、入口ポートおよび出口ポートと、膨張弁ハウジング内に滑動可能に配置された膨張弁ポペットと、膨張弁ハウジングの第1端部に滑動可能に配置され膨張弁ポペットに隣接するプランジャーピンと、を有するハウジングを備える。プランジャーピンは閉位置に付勢されており、ガス解放ボタンは、バルブコネクタハウジングに回動可能に接続されプランジャーピンに隣接して配置されており、ユーザがガス解放ボタンを押して膨張弁ポペットを開くと、膨張弁の出口ポートを通して加圧ガスが解放される。別の態様では、膨張弁は圧力調整アセンブリを備える。膨張式ハーネスは、ユーザの頭部に適合するように構成された第1および第2膨張式チューブを備えてもよく、また第1および第2膨張式チューブの間に接続される一つ以上の接続ストラップを備えてもよい。一つ以上の接続ストラップは調節可能であってもよい。
【0009】
別の好適な態様では、加圧ガス膨張供給アセンブリは、圧縮ガスカートリッジの本体部を取り外し可能に受け入れるための内部チャンバを有するコンテナ部を備える加圧ガス膨張供給シリンダと、第1端部で圧縮ガスカートリッジの首部を取り外し可能に受け入れるように構成されたレギュレータ部と、を備える。レギュレータ部の第2端部は、貫通やり部材の出口端と接続されるガス出口ポートを備える。レギュレータのガス出口ポートは膨張ガス供給チューブに接続される。レギュレータ部の第1端部はコンテナ部と取り外し可能に接続可能であり、圧縮ガスカートリッジの首部を取り外し可能に受け入れるように構成された内部プレナムを有する。別の好適な態様では、圧縮ガスカートリッジは、膨張式ハーネスの複数の膨張部に十分な圧縮ガスを提供するように構成される。圧縮ガスカートリッジが二酸化炭素圧縮ガスカートリッジである。
【0010】
加圧ガス膨張供給シリンダのレギュレータ部の第2端部のガス出口ポートは、膨張ガス供給チューブによって膨張弁と接続される。レギュレータ部の第1端部は、圧縮ガスカートリッジの首部の隔壁を貫通するように構成され円錐形の貫通点入口端を有する貫通やり部材を備えることが好ましい。貫通やり部材は、内部開口を通してガスカートリッジから貫通やり部材の出口端までガスが流れるように構成された内部開口を有する。
【0011】
別の態様では、レギュレータ部は貫通やり部材の出口端に隣接するレギュレータ弁を備えることが好ましい。レギュレータ弁は、レギュレータ弁チャンバと、レギュレータ弁チャンバ内に配置されるボール部材と、を備える。レギュレータ弁の第2端部は、圧縮ガスカートリッジから解放されたガスの圧力を調節して所望の低ハーネス膨張チューブ圧力にするように構成されたガス圧力調節アセンブリを備えてもよい。レギュレータ弁チャンバと流体連結するように、圧力チャージ標示アセンブリを取り付けてもよい。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の動作を例示として示す添付の図面とともに、以下の好適な実施形態の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による膨張式ハーネスクルーマスクの正面斜視図である。
【図2】図1の膨張式ハーネスクルーマスクの左側正面斜視図であり、クルーマスクの膨張式ハーネス用のガスカートリッジインフレータを示す図である。
【図3】図2のクルーマスクの膨張式ハーネス用のガスカートリッジインフレータの分解図である。
【図4】図1の膨張式ハーネスクルーマスクの右側正面斜視図であり、クルーマスクの膨張式ハーネス用のガスカートリッジインフレータの変形例を示す。
【図5】図4のガスカートリッジインフレータの分解斜視図である。
【図6】図4のガスカートリッジインフレータのガスカートリッジコンテナ部の正面斜視図である。
【図7】図4のガスカートリッジインフレータのレギュレータ部の分解斜視図である。
【図8】図4のガスカートリッジインフレータのレギュレータ部の断面図である。
【図9】図1の膨張式ハーネスクルーマスクのバルブコネクタおよび膨張弁の分解斜視図である。
【図10】図1のバルブコネクタの断面図である。
【図11】図1の膨張式ハーネスクルーマスクの膨張弁の断面図である。
【図12】図1の膨張式ハーネスクルーマスクの膨張弁の分解斜視図である。
【図13】バルブコネクタの呼気/吸入弁の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
膨張式ヘッドハーネスを持つクルーマスクは、ユーザの頭部にマスクのハーネスを配置するのに便利であるが、この種の膨張式ハーネスを膨らませるために一般に使用される加圧酸素は、一部の航空機(軍用機など)では利用できないことがある。そのため、クルーマスクのヘッドハーネスを膨張させるために加圧酸素源を利用できない航空機においても利用可能な、クルーマスクの膨張式ハーネスを膨らませる方法およびシステムが必要とされている。
【0015】
例示を目的とし限定を目的としない図面を参照して、本発明は、図1乃至4に示されるように、透明のフレキシブルレンズ12を通常備えるマスク部11を有する膨張式ハーネスクルーマスク10にて具現化される。フレキシブルレンズ12は、着用者の顔の周縁にフィットするように形成された弾性顔シール成形部14に取り付けられる。膨張式ハーネスクルーマスクは、弾性顔シール成形部に取り付けられユーザの頭部に適合するように構成された個別の膨張式チューブ18a、18bを有する膨張式ハーネス16を備える。接続ストラップ20および22が、その先端で膨張式チューブの間に接続されていてもよい。接続ストラップはまた、マスクのサイズに合わせて、またハーネスをユーザの頭部に装着した後のユーザの快適性に合わせて調節可能であってもよい。弾性顔シール成形部の下方前部は、図9乃至12に示すような、ハーネスの膨張を調整するための膨張弁26と、図9乃至13に示すような呼気/吸入弁28とを有するバルブコネクタハウジング24を備える。
【0016】
図1、2および4を参照して、膨張式ハーネスクルーマスク用の酸素源は、バルブコネクタハウジングの入口32に一端で接続されるとともに、航空機(図示せず)内の酸素供給レギュレータへの酸素供給ホースに他端で接続される酸素供給ホースまたは酸素供給チューブ30により提供される。バルブコネクタハウジングの入口からマスクへの酸素流は、マスクの内部に接続された呼気/吸入弁によって調節される。図4に示すように、流通を容易にするために、マスクは、酸素供給ホースに搭載される「プレス・ツー・トーク(押して話す)」制御部34を有するマイクロフォン(図示せず)を含んでもよい。
【0017】
図2乃至6に示すように、複数のハーネスの膨張部について十分なガスを供給する小型の圧縮ガス膨張供給シリンダ36が、クランプまたはクリップ38によって酸素供給ホースに通常取り付けられており、クランプまたはクリップ42によって酸素供給ホースに通常取り付けられている膨張ガス供給チューブ40を介して、二酸化炭素ガスなどの加圧ガスを膨張弁コネクタに供給する。酸素供給ホースをユーザの衣服に取り外し可能に取り付けるために、酸素供給ホースに接続された装身用クリップ44を設けてもよい。
【0018】
図5乃至8を参照して、ガス膨張供給シリンダは内部チャンバ48を有するコンテナ部46を備える。内部チャンバ48は、800psig以上に加圧された標準のCO2圧縮ガスカートリッジ等の圧縮ガスカートリッジ50を取り外し可能に受け入れる。圧縮ガスカートリッジの首部52は、ガス膨張供給シリンダのレギュレータ部56の内部プレナム(plenum)54に取り外し可能に受け入れられる。ガス膨張供給シリンダは、典型的に、図1乃至3に示すように、ガス膨張供給シリンダのコンテナ部にねじ込み可能に(threadably)接続される。圧縮ガスカートリッジの首部には、ねじが切られていても切られていなくてもよく、またカートリッジ内の加圧ガスを解放するために貫通可能な隔膜(図示せず)を備えている。
【0019】
図5を参照して、コンテナ部は、開口部を通して引き綱(lanyard)60をねじ込み可能とするための開口部58を備えてもよい。コンテナ部は、コンテナ部の内部チャンバ内に保持されるカップ状部材を有する。引き綱の他端64は、レギュレータ部のスロット66を通してねじ込まれるが、これは、ガスカートリッジを挿入または取り外すために分解したとき、コンテナ部とレギュレータ部とを緩く接続した状態を保つためのものである。
【0020】
図7および8を参照して、レギュレータ部の第1端部67には、貫通やり部材68が取り付けられている。この貫通やり部材68は、圧縮ガスカートリッジの首部を突き刺すための円錐形の貫通点入口70と、ガスカートリッジから内部開口を通って貫通やり部材の出口端72までガスが流れることを可能にする内部開口71とを有する。貫通やり部材68は、円錐形の貫通点の周りに配置されたリングシール74を有しており、このシールは圧縮ガスカートリッジのねじ切りされていない首部とシール接触する。
【0021】
レギュレータは、貫通やり部材の出口端に隣接するボール弁76を備える。ボール弁76は、ボール弁チャンバ82内に配置されたボール部材80と、ボール部材および貫通やり部材の出口端の間に配置され、ボール部材とバルブシート88との間に配置されたリングシール86に対してボール部材を付勢するように構成されたボール弁閉弁圧縮ばね84と、を備える。これによって、ボール弁チャンバの上端でボール弁が閉弁方向に付勢される。レギュレータは、レギュレータに取り付けられたガス圧調整アセンブリ90も備える。このアセンブリは、ガスカートリッジから解放されたガスの圧力を、所望の低ハーネス膨張チューブ圧力まで調節する。ガス圧調整アセンブリは、レギュレータの第2端部94にねじ込み可能に取り付けられた圧力調節ねじ92を備える。圧力調節ねじと圧縮プレート部材98との間にはメイン圧縮ばね96が配置される。ボール部材と圧縮プレート部材との間にピン100が配置され、圧力調節ねじからの圧力をその関連する圧縮ばねを通して伝達し、ボール弁閉弁圧縮ばねの閉弁圧力に対抗してボール部材を開くように付勢する。これは、ガスカートリッジから解放されたガスを、例えば約70psig等の所望の低ハーネス膨張チューブ圧力まで調節するためである。メインばねの圧縮は調整された圧力を決定する。
【0022】
好ましくは、圧力チャージ標示アセンブリ102がレギュレータの側面の開口104に取り付けられる。圧力チャージ標示アセンブリ102はボール弁チャンバと接続される。圧力チャージ標示アセンブリ102は、新たなシリンダが係合するときに飛び出し、圧力が例えば約100psig等の閾値圧力を下回るまでその状態を保つ標示ポペットまたはボタン106を備える。ポペットが出ているが上がっている場合、膨張式ハーネスの少なくとも一つ以上の膨張のために十分なガス圧がシリンダのガスカートリッジ内にチャージされていることをユーザに警告するために、この標示が使用される。
【0023】
膨張ガス供給チューブがレギュレータのガス出口ポート108に接続され、レギュレータは内部ボール弁チャンバと流体連結されて加圧ガスを膨張式ハーネスに供給する。図7に示すように、膨張ガス供給チューブがレギュレータから切り離された場合に、圧縮ガス膨張供給シリンダを例えば異なる容量のシリンダで置換するために、レギュレータのガス出口ポートが六角プラグ110で一時的にシールされてもよい。
【0024】
図9乃至12を参照して、膨張弁は、膨張弁を通りハーネスに向かう加圧ガスの供給を制御する。膨張弁は、ガス解放ボタン112を備える。ガス解放ボタン112は、ヒンジピン114によってバルブコネクタハウジングに回動可能に接続され、プランジャーピン116に隣接して配置される。プランジャーピン116は、全体的に管状の膨張弁ハウジング120の第1端118に滑動可能に配置され、ハウジング内に配置された膨張弁ポペット122と隣接する。プランジャーピンは、メインプランジャー圧縮ばね124によって閉弁位置に付勢されており、これによりユーザは、ガス解放ボタンを押してメインプランジャー圧縮ばねの力に対抗して膨張弁ポペットを開き、膨張弁出口ポート126を通して加圧ガスを解放することができる。
【0025】
ガスコネクタチューブ128が膨張弁出口ポートに接続されて出口取り付けコネクタ130に加圧ガスを導き、出口取り付けコネクタ130が膨張式ハーネスの膨張可能なチューブに接続される。圧縮調整ねじ132が、膨張弁ハウジングの第2端部134にねじ込み可能に取り付けられる。メイン圧縮ばね136が圧力調節ねじと膨張弁ポペットの基部との間に配置され、膨張弁ポペットを閉弁方向に付勢する。
【0026】
試作品の試験
市販の自転車タイヤ用の二酸化炭素、16グラムのインフレータを使用して、本発明の機能ユニットのモックアップが作られた。このユニットを、既存の膨張式ハーネスフルフェイスクルーマスクのハーネス供給弁に接続した。以下の表に示す結果は、三種類のカートリッジについて周囲温度70°Fで平均して10〜12回膨張したときの試験後に観察された。
【表1】
【0027】
上記から、本発明がクルーマスクに搭載され膨張式ハーネスに接続された圧縮ガスシリンダを使用して、クルーマスクに供給される呼吸可能な酸素とは独立して、膨張式ハーネスに加圧ガスを供給することが分かる。特に、本発明は、航空機クルーメンバーの酸素マスクに取り付けられた小型の圧縮ガスシリンダおよびレギュレータを使用し、マスクハーネスを膨らませまたマスクハーネスを頭部に素早く取り付けることを可能にする。シリンダがハーネスの複数の膨張部に十分なガスを提供し、パネルに搭載されたレギュレータと接続される古い軍事用マスクを、新しく好適な膨張式ハーネスを有するように再構成することを可能にする。本発明は、古いクルーマスクに最新の膨張式ハーネス技術を適応させる、経済的に追加できまた簡単に構成された手段を提供する。したがって、コストや、マスクおよび装備に対する多大な投資を置換するという(特に軍用機における)兵站の複雑さを回避することができる。
【0028】
本発明の特定の形態を例示し説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な修正をなし得ることは上記記載から明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲によるものを除き、本発明を限定することは意図していない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張式ハーネスクルーマスクであって、
着用者の顔の周縁に沿って適合するように形成された顔シール成形部を有するマスク部と、
前記顔シール成形部に接続された少なくとも一つの膨張式チューブを有する膨張式ハーネスと、
前記膨張式ハーネスと流体連結され前記ハーネスの膨張を調節するように構成された膨張弁と、
前記膨張弁に加圧ガスを供給して前記膨張式ハーネスを膨張させるように構成された加圧ガス膨張供給アセンブリと、
を備えることを特徴とする膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項2】
前記マスク部はバルブコネクタハウジングを備え、
前記バルブコネクタハウジングに配置され前記マスク部と流体連結された呼気/吸入弁をさらに備え、該呼気/吸入弁は、酸素源に接続され前記マスク部に呼吸可能な酸素を提供するように構成された入口を有することを特徴とする請求項1に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項3】
前記膨張弁が前記バルブコネクタハウジング内に配置されることを特徴とする請求項2に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項4】
前記膨張弁は
第1端部および第2端部と、
入口ポートおよび出口ポートと、
膨張弁ハウジング内に滑動可能に配置された膨張弁ポペットと、
膨張弁ハウジングの第1端部に滑動可能に配置され前記膨張弁ポペットに隣接するとともに閉位置に付勢されているプランジャーピンと、
前記バルブコネクタハウジングに回動可能に接続され前記プランジャーピンに隣接して配置されるガス解放ボタンであって、ユーザが該ガス解放ボタンを押して前記膨張弁ポペットを開き前記膨張弁の出口ポートを通して加圧ガスを解放させるように構成されたガス解放ボタンと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項5】
前記膨張弁は、
前記膨張弁ハウジングの第2端部にねじ込み可能に搭載された圧力調節ねじを有する圧力調整アセンブリと、
前記膨張弁ハウジング内に配置され前記膨張弁ポペットの基部に隣接する圧縮プレート部材であって、前記膨張弁ポペットを閉弁するよう付勢する圧縮プレート部材と、
前記圧力調節ねじと前記圧縮プレート部材との間に配置されるメイン圧縮ばねと、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項6】
前記膨張式ハーネスは、ユーザの頭部に適合するように構成された第1および第2膨張式チューブを備えることを特徴とする請求項1に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項7】
前記膨張式ハーネスは、前記第1および第2膨張式チューブの間に接続される少なくとも一つの接続ストラップを備えることを特徴とする請求項6に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項8】
前記少なくとも一つの接続ストラップが調節可能であることを特徴とする請求項7に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項9】
前記加圧ガス膨張供給アセンブリは、
圧縮ガスカートリッジの本体部を取り外し可能に受け入れるための内部チャンバを有するコンテナ部を備える加圧ガス膨張供給シリンダと、
第1端部と第2端部を有するレギュレータ部であって、前記第1端部が前記コンテナ部と取り外し可能に接続可能であり、前記第1端部が圧縮ガスカートリッジの首部を取り外し可能に受け入れるように構成された内部プレナムを有する、レギュレータ部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項10】
前記圧縮ガスカートリッジが二酸化炭素圧縮ガスカートリッジであることを特徴とする請求項9に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項11】
前記圧縮ガスカートリッジは、前記膨張式ハーネスの複数の膨張部に十分な圧縮ガスを提供するように構成されることを特徴とする請求項9に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項12】
前記加圧ガス膨張供給シリンダの前記レギュレータ部の前記第2端部が、膨張ガス供給チューブによって前記膨張弁と接続されることを特徴とする請求項9に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項13】
前記レギュレータ部の前記第1端部は、円錐形の貫通点入口端および出口端を有する貫通やり部材を備え、
前記円錐形の貫通点入口は、前記圧縮ガスカートリッジの首部の隔壁を貫通するように構成され、前記貫通やり部材は、内部開口を通して前記ガスカートリッジから前記貫通やり部材の出口端までガスが流れるように構成された内部開口を有することを特徴とする請求項12に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項14】
前記レギュレータ部は、前記貫通やり部材の出口端に隣接するレギュレータ弁を備えることを特徴とする請求項9に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項15】
前記レギュレータ弁は、レギュレータ弁チャンバと、該レギュレータ弁チャンバ内に配置されるボール部材と、を備えることを特徴とする請求項14に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項16】
前記レギュレータ弁の前記第2端部は、前記圧縮ガスカートリッジから解放されたガスの圧力を調節して所望の低ハーネス膨張チューブ圧力にするように構成されたガス圧力調節アセンブリを備えることを特徴とする請求項15に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項17】
前記ガス圧力調節アセンブリは、
前記レギュレータ弁の前記第2端部にねじ込み可能に搭載された圧力調節ねじと、
前記圧力調節ねじと圧縮プレート部材の間に配置されたメイン圧縮ばねと、
前記ボール部材と、前記圧力調節ねじからの圧力を伝達して前記レギュレータ弁の閉弁圧縮ばねの閉弁圧力に対抗して前記ボール部材を開く方向に付勢するように構成された前記圧縮プレート部材と、の間に配置されたピンであって、前記ガスカートリッジから解放されたガスを所望の低ハーネス膨張チューブ圧力に調整するピンと、
を備えることを特徴とする請求項16に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項18】
前記レギュレータ部は、前記貫通やり部材の前記出口端に接続されたガス出口ポートを備え、該ガス出口ポートは前記膨張ガス供給チューブに接続されることを特徴とする請求項13に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項19】
前記レギュレータ弁チャンバと流体連結するように取り付けられた圧力チャージ標示アセンブリをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項1】
膨張式ハーネスクルーマスクであって、
着用者の顔の周縁に沿って適合するように形成された顔シール成形部を有するマスク部と、
前記顔シール成形部に接続された少なくとも一つの膨張式チューブを有する膨張式ハーネスと、
前記膨張式ハーネスと流体連結され前記ハーネスの膨張を調節するように構成された膨張弁と、
前記膨張弁に加圧ガスを供給して前記膨張式ハーネスを膨張させるように構成された加圧ガス膨張供給アセンブリと、
を備えることを特徴とする膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項2】
前記マスク部はバルブコネクタハウジングを備え、
前記バルブコネクタハウジングに配置され前記マスク部と流体連結された呼気/吸入弁をさらに備え、該呼気/吸入弁は、酸素源に接続され前記マスク部に呼吸可能な酸素を提供するように構成された入口を有することを特徴とする請求項1に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項3】
前記膨張弁が前記バルブコネクタハウジング内に配置されることを特徴とする請求項2に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項4】
前記膨張弁は
第1端部および第2端部と、
入口ポートおよび出口ポートと、
膨張弁ハウジング内に滑動可能に配置された膨張弁ポペットと、
膨張弁ハウジングの第1端部に滑動可能に配置され前記膨張弁ポペットに隣接するとともに閉位置に付勢されているプランジャーピンと、
前記バルブコネクタハウジングに回動可能に接続され前記プランジャーピンに隣接して配置されるガス解放ボタンであって、ユーザが該ガス解放ボタンを押して前記膨張弁ポペットを開き前記膨張弁の出口ポートを通して加圧ガスを解放させるように構成されたガス解放ボタンと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項5】
前記膨張弁は、
前記膨張弁ハウジングの第2端部にねじ込み可能に搭載された圧力調節ねじを有する圧力調整アセンブリと、
前記膨張弁ハウジング内に配置され前記膨張弁ポペットの基部に隣接する圧縮プレート部材であって、前記膨張弁ポペットを閉弁するよう付勢する圧縮プレート部材と、
前記圧力調節ねじと前記圧縮プレート部材との間に配置されるメイン圧縮ばねと、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項6】
前記膨張式ハーネスは、ユーザの頭部に適合するように構成された第1および第2膨張式チューブを備えることを特徴とする請求項1に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項7】
前記膨張式ハーネスは、前記第1および第2膨張式チューブの間に接続される少なくとも一つの接続ストラップを備えることを特徴とする請求項6に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項8】
前記少なくとも一つの接続ストラップが調節可能であることを特徴とする請求項7に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項9】
前記加圧ガス膨張供給アセンブリは、
圧縮ガスカートリッジの本体部を取り外し可能に受け入れるための内部チャンバを有するコンテナ部を備える加圧ガス膨張供給シリンダと、
第1端部と第2端部を有するレギュレータ部であって、前記第1端部が前記コンテナ部と取り外し可能に接続可能であり、前記第1端部が圧縮ガスカートリッジの首部を取り外し可能に受け入れるように構成された内部プレナムを有する、レギュレータ部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項10】
前記圧縮ガスカートリッジが二酸化炭素圧縮ガスカートリッジであることを特徴とする請求項9に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項11】
前記圧縮ガスカートリッジは、前記膨張式ハーネスの複数の膨張部に十分な圧縮ガスを提供するように構成されることを特徴とする請求項9に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項12】
前記加圧ガス膨張供給シリンダの前記レギュレータ部の前記第2端部が、膨張ガス供給チューブによって前記膨張弁と接続されることを特徴とする請求項9に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項13】
前記レギュレータ部の前記第1端部は、円錐形の貫通点入口端および出口端を有する貫通やり部材を備え、
前記円錐形の貫通点入口は、前記圧縮ガスカートリッジの首部の隔壁を貫通するように構成され、前記貫通やり部材は、内部開口を通して前記ガスカートリッジから前記貫通やり部材の出口端までガスが流れるように構成された内部開口を有することを特徴とする請求項12に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項14】
前記レギュレータ部は、前記貫通やり部材の出口端に隣接するレギュレータ弁を備えることを特徴とする請求項9に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項15】
前記レギュレータ弁は、レギュレータ弁チャンバと、該レギュレータ弁チャンバ内に配置されるボール部材と、を備えることを特徴とする請求項14に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項16】
前記レギュレータ弁の前記第2端部は、前記圧縮ガスカートリッジから解放されたガスの圧力を調節して所望の低ハーネス膨張チューブ圧力にするように構成されたガス圧力調節アセンブリを備えることを特徴とする請求項15に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項17】
前記ガス圧力調節アセンブリは、
前記レギュレータ弁の前記第2端部にねじ込み可能に搭載された圧力調節ねじと、
前記圧力調節ねじと圧縮プレート部材の間に配置されたメイン圧縮ばねと、
前記ボール部材と、前記圧力調節ねじからの圧力を伝達して前記レギュレータ弁の閉弁圧縮ばねの閉弁圧力に対抗して前記ボール部材を開く方向に付勢するように構成された前記圧縮プレート部材と、の間に配置されたピンであって、前記ガスカートリッジから解放されたガスを所望の低ハーネス膨張チューブ圧力に調整するピンと、
を備えることを特徴とする請求項16に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項18】
前記レギュレータ部は、前記貫通やり部材の前記出口端に接続されたガス出口ポートを備え、該ガス出口ポートは前記膨張ガス供給チューブに接続されることを特徴とする請求項13に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【請求項19】
前記レギュレータ弁チャンバと流体連結するように取り付けられた圧力チャージ標示アセンブリをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の膨張式ハーネスクルーマスク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−517677(P2010−517677A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549088(P2009−549088)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/001488
【国際公開番号】WO2008/097528
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(598154383)ビーイー・インテレクチュアル・プロパティー・インコーポレイテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】BE INTELLECTUAL PROPERTY,INC.
【住所又は居所原語表記】1400 Corporate Center Way,Wellington,Florida 33414,United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/001488
【国際公開番号】WO2008/097528
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(598154383)ビーイー・インテレクチュアル・プロパティー・インコーポレイテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】BE INTELLECTUAL PROPERTY,INC.
【住所又は居所原語表記】1400 Corporate Center Way,Wellington,Florida 33414,United States of America
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]