臓器線維化抑制剤
【課題】有効性が高く、安全な臓器線維化抑制剤を提供する。
【解決手段】S−アリルシステイン又はその塩を有効成分とする臓器線維化抑制剤を提供する。本発明の臓器線維化抑制剤は、肝線維化抑制剤、腎線維化抑制剤、肺線維化抑制剤、皮膚線維化抑制剤、血管線維化抑制剤、心臓線維化抑制剤、骨髄線維化抑制剤、及び膵線維化抑制剤として利用することができる。医薬の剤形としては特に制限されることがないが、好ましくは錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤である。
【解決手段】S−アリルシステイン又はその塩を有効成分とする臓器線維化抑制剤を提供する。本発明の臓器線維化抑制剤は、肝線維化抑制剤、腎線維化抑制剤、肺線維化抑制剤、皮膚線維化抑制剤、血管線維化抑制剤、心臓線維化抑制剤、骨髄線維化抑制剤、及び膵線維化抑制剤として利用することができる。医薬の剤形としては特に制限されることがないが、好ましくは錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、S−アリルシステイン又はその塩を有効成分とする、臓器線維化抑制剤(肝線維化抑制剤、腎線維化抑制剤、肺線維化抑制剤、皮膚線維化抑制剤、血管線維化抑制剤、心臓線維化抑制剤、骨髄線維化抑制剤、及び膵線維化抑制剤等)に関する。
【背景技術】
【0002】
臓器線維化は、肝臓、腎臓、肺、皮膚、血管、心臓、骨髄、膵臓等の臓器において、それぞれの臓器に存在する線維芽細胞や各臓器に特異的な間質系細胞(例えば、肝星細胞、腎メザンギウム細胞、膵星細胞等)が種々のサイトカインなどの刺激により、増殖、細胞外マトリックスの合成及び代謝異常を呈することにより、臓器線維症が引き起こされるものと考えられている。特に、肝線維化はウイルスやアルコール等の外的要因もしくは自己免疫異常が関与する内的要因によって惹起される肝細胞壊死と、肝機能を維持するための肝再生とのバランスが崩れた場合に、肝臓組織を修復するためにコラーゲン等の細胞外マトリックスが過剰沈着した結果と考えられている。肝細胞レベルでは、肝実質細胞の障害や壊死がクッパー細胞や内皮細胞等を活性化し、活性化されたクッパー細胞や内皮細胞等からTNF−α、TGF−β、PDGFなどが放出される。次に、それらの因子が、肝線維化の主役とされている星細胞を活性化し、細胞増殖とコラーゲンの沈着及び肝実質細胞や内皮細胞を含む機能障害が惹起されるものと考えられている。
【0003】
臓器線維化抑制剤または肝線維化抑制剤として、例えば、パンテチン(例えば、特許文献1参照)、システイン(例えば、特許文献2参照)、ヒスチジン(例えば、特許文献3参照)が報告されているが、十分な効果が得られていない。またS−アリルシステインは肝疾患治療剤(例えば、特許文献4参照)が報告されているが、S−アリルシステインのこれらの疾患に対する効果は、臓器線維化および肝線維化とは何ら関連性を有するものではなかった。
【0004】
そこで、より有効性が高く安全な臓器線維化抑制剤が望まれてきた。
【特許文献1】特開平1−279824号公報
【特許文献2】特開2003−55215号公報
【特許文献3】国際公開第2003/55481号パンフレット
【特許文献4】特開昭62−423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、より有効性の高い臓器線維化抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、S−アリルシステインが臓器線維化を顕著に抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、S−アリルシステイン又はその塩を有効成分とする臓器線維化抑制剤を提供するものである。
【0008】
また本発明は、肝線維化抑制剤、腎線維化抑制剤、肺線維化抑制剤、皮膚線維化抑制剤、血管線維化抑制剤、心臓線維化抑制剤、骨髄線維化抑制剤、及び膵線維化抑制剤のいずれかである臓器線維化抑制剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の臓器線維化抑制剤は、臓器線維化を顕著に抑制するものであり、安全性も高く、医薬品として利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のS−アリルシステインは、化学的に合成されたもの又はS−アリルシステインを含む動植物、微生物、鉱物等から単離されたものであってもよい。またS−アリルシステインは、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩といった酸との塩又はナトリウム塩、カリウム塩といったアルカリ塩としても利用することができる。安全性の面では、例えば急性毒性は、ヒスチジン、リジン、アルギニンといったアミノ酸と同等と高いものとなっており、しかも長期間保存しても安定であるため、その点においても安心して用いることができる。
【0011】
本発明における臓器線維化抑制剤は、臓器線維化に起因する臓器の各種疾患用薬剤(疾病の予防、抑制、改善及び/又は治療に関する薬剤)として使用することができる。例えば、肝臓疾患用薬剤、特に慢性肝炎及び肝硬変等に対する医薬とすることができる。
【0012】
本発明における臓器線維化抑制剤は、単体または製剤上許容される担体を加えて、医薬とすることができる。製剤上許容される担体とは、例えば、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、湿潤剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤等を挙げることができ、具体的には、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及びその他の糖類、タルク、ゼラチン、デンプン、セルロース及びセルロース誘導体、動物油及び植物油、ポリエチレングリコール、水、一価または多価アルコールを挙げることができる。
【0013】
本発明による医薬の剤形は特に限定されないが、例えばカプセル剤、錠剤、丸剤、液剤、シロップ剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤、輸液剤および注射剤等が挙げられるが、好ましくは製剤化が容易な錠剤、顆粒剤、散剤またはカプセル剤である。
【0014】
本発明の医薬は、通常経口又は非経口投与され、その投与量は年齢、体重、症状により適宜調整することができるが、通常成人1人当り10〜3000mg/日、好ましくは50〜300mg/日の範囲である。この量はS−アリルシステインの急性毒性値(LD50:8890mg/kg;マウス雄)、無毒性値250mg/kg(ラット)からしても、安全な量で効果を発揮する。
【0015】
本発明による好ましい態様としては、成人1人当り50〜300mg/日の錠剤または散剤である。
【0016】
以下、実施例により本発明を説明するがこれらは本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0017】
4週齢のWisterラットに、オリーブ油に懸濁した25%四塩化炭素(CCl4)を2ml/kgで週2回9週間にわたり腹腔内に投与した。S−アリルシステイン(200、100、50mg/kg)、あるいはシステイン(600、200mg/kg)、あるいはN−アセチルシステイン(600、200mg/kg)を四塩化炭素投与の前日より連日経口投与した。12週後にラットを犠牲死させ、肝臓、腎臓などの組織像(アザン染色等)並びに線維産生細胞の活性化(ヒドロキシプロリン含量測定等)を解析した。その結果を図1〜3に示す。図1より、四塩化炭素を投与すると、対照群では肝線維化が生じるに対して、S−アリルシステイン投与群は用量依存的に肝線維化を抑制することが判明した。図2より肝組織中のヒドロキシプロリン含量を測定することによる線維化抑制試験では、システイン投与群や、N−アセチルシステイン投与群と比較して、S−アリルシステイン投与群はヒドロキシプロリン含量が少なく、更により少量で有効性を示すことが判明した。また図3より、S−アリルシステイン投与群は、対照群と比較して腎臓の糸球体及び尿細管周囲に生じる線維化を顕著に抑制することが判明した。
【実施例2】
【0018】
4週齢のWisterラットに、ブタ血清0.5mlを週2回12週間にわたり腹腔内に投与した。S−アリルシステイン(200mg/kg)、あるいはシステイン(600mg/kg)、あるいはN-アセチルシステイン(600mg/kg)をブタ血清投与の前日より連日経口投与した。12週後に犠牲死させ、肝、肺などの組織像(アザン染色等)並びに線維産生細胞の活性化(ヒドロキシプロリン含量測定等)を解析した。その結果を図4及び5に示す。図4より、対照群と比較して、S−アリルシステイン投与群は、顕著に肝線維化を抑制することが判明した。また図5より、対照群では、肺の肺胞間質が肥厚し、青色の線維が蓄積しているが、S−アリルシステイン投与群では、有意に線維化領域が少ないことが判明した。
【実施例3】
【0019】
錠剤の調製
S−アリルシステインを、1錠中に、50mg、賦形剤(乳糖)を200mg、崩壊剤(デンプン)40mg、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)5mgとなるように配合し、混合し、打錠して、錠剤を得た。
【実施例4】
【0020】
カプセル剤の調製
S−アリルシステインを、1カプセル中に、200mg、賦形剤(トレハロース)を150mg、崩壊剤(結晶セルロース)200mg含むように配合し、混合後、結合剤(メチルセルロース1カプセル中に10mg)、粉末重量の5%の精製水を添加し、攪拌造粒を行った。造粒物を流動層乾燥機で乾燥して良好な顆粒を得た。できた顆粒をゼラチン硬カプセルに充填し、カプセル剤を調製した。
【実施例5】
【0021】
注射剤の調製
S−アリルシステイン300mgに、注射用蒸留水100mlを加えて溶解し、ろ過する。硬質ビンに入れ、115℃、30分間滅菌し、注射液を調製した。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の臓器線維化抑制剤は、肝臓、腎臓、肺、皮膚、血管、心臓、骨髄及び膵臓等で生じる線維化を顕著に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】四塩化炭素投与による肝線維化試験の画像解析結果を示した図である。
【図2】四塩化炭素投与による肝組織中のヒドロキシプロリン含量を示した図である。
【図3】四塩化炭素投与による腎組織画像(アザン染色)を示した図である。
【図4】ブタ血清投与による肝線維化試験の画像解析結果を示した図である。
【図5】ブタ血清投与による肺組織画像(アザン染色)を示した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、S−アリルシステイン又はその塩を有効成分とする、臓器線維化抑制剤(肝線維化抑制剤、腎線維化抑制剤、肺線維化抑制剤、皮膚線維化抑制剤、血管線維化抑制剤、心臓線維化抑制剤、骨髄線維化抑制剤、及び膵線維化抑制剤等)に関する。
【背景技術】
【0002】
臓器線維化は、肝臓、腎臓、肺、皮膚、血管、心臓、骨髄、膵臓等の臓器において、それぞれの臓器に存在する線維芽細胞や各臓器に特異的な間質系細胞(例えば、肝星細胞、腎メザンギウム細胞、膵星細胞等)が種々のサイトカインなどの刺激により、増殖、細胞外マトリックスの合成及び代謝異常を呈することにより、臓器線維症が引き起こされるものと考えられている。特に、肝線維化はウイルスやアルコール等の外的要因もしくは自己免疫異常が関与する内的要因によって惹起される肝細胞壊死と、肝機能を維持するための肝再生とのバランスが崩れた場合に、肝臓組織を修復するためにコラーゲン等の細胞外マトリックスが過剰沈着した結果と考えられている。肝細胞レベルでは、肝実質細胞の障害や壊死がクッパー細胞や内皮細胞等を活性化し、活性化されたクッパー細胞や内皮細胞等からTNF−α、TGF−β、PDGFなどが放出される。次に、それらの因子が、肝線維化の主役とされている星細胞を活性化し、細胞増殖とコラーゲンの沈着及び肝実質細胞や内皮細胞を含む機能障害が惹起されるものと考えられている。
【0003】
臓器線維化抑制剤または肝線維化抑制剤として、例えば、パンテチン(例えば、特許文献1参照)、システイン(例えば、特許文献2参照)、ヒスチジン(例えば、特許文献3参照)が報告されているが、十分な効果が得られていない。またS−アリルシステインは肝疾患治療剤(例えば、特許文献4参照)が報告されているが、S−アリルシステインのこれらの疾患に対する効果は、臓器線維化および肝線維化とは何ら関連性を有するものではなかった。
【0004】
そこで、より有効性が高く安全な臓器線維化抑制剤が望まれてきた。
【特許文献1】特開平1−279824号公報
【特許文献2】特開2003−55215号公報
【特許文献3】国際公開第2003/55481号パンフレット
【特許文献4】特開昭62−423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、より有効性の高い臓器線維化抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、S−アリルシステインが臓器線維化を顕著に抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、S−アリルシステイン又はその塩を有効成分とする臓器線維化抑制剤を提供するものである。
【0008】
また本発明は、肝線維化抑制剤、腎線維化抑制剤、肺線維化抑制剤、皮膚線維化抑制剤、血管線維化抑制剤、心臓線維化抑制剤、骨髄線維化抑制剤、及び膵線維化抑制剤のいずれかである臓器線維化抑制剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の臓器線維化抑制剤は、臓器線維化を顕著に抑制するものであり、安全性も高く、医薬品として利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のS−アリルシステインは、化学的に合成されたもの又はS−アリルシステインを含む動植物、微生物、鉱物等から単離されたものであってもよい。またS−アリルシステインは、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩といった酸との塩又はナトリウム塩、カリウム塩といったアルカリ塩としても利用することができる。安全性の面では、例えば急性毒性は、ヒスチジン、リジン、アルギニンといったアミノ酸と同等と高いものとなっており、しかも長期間保存しても安定であるため、その点においても安心して用いることができる。
【0011】
本発明における臓器線維化抑制剤は、臓器線維化に起因する臓器の各種疾患用薬剤(疾病の予防、抑制、改善及び/又は治療に関する薬剤)として使用することができる。例えば、肝臓疾患用薬剤、特に慢性肝炎及び肝硬変等に対する医薬とすることができる。
【0012】
本発明における臓器線維化抑制剤は、単体または製剤上許容される担体を加えて、医薬とすることができる。製剤上許容される担体とは、例えば、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、湿潤剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤等を挙げることができ、具体的には、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及びその他の糖類、タルク、ゼラチン、デンプン、セルロース及びセルロース誘導体、動物油及び植物油、ポリエチレングリコール、水、一価または多価アルコールを挙げることができる。
【0013】
本発明による医薬の剤形は特に限定されないが、例えばカプセル剤、錠剤、丸剤、液剤、シロップ剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤、輸液剤および注射剤等が挙げられるが、好ましくは製剤化が容易な錠剤、顆粒剤、散剤またはカプセル剤である。
【0014】
本発明の医薬は、通常経口又は非経口投与され、その投与量は年齢、体重、症状により適宜調整することができるが、通常成人1人当り10〜3000mg/日、好ましくは50〜300mg/日の範囲である。この量はS−アリルシステインの急性毒性値(LD50:8890mg/kg;マウス雄)、無毒性値250mg/kg(ラット)からしても、安全な量で効果を発揮する。
【0015】
本発明による好ましい態様としては、成人1人当り50〜300mg/日の錠剤または散剤である。
【0016】
以下、実施例により本発明を説明するがこれらは本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0017】
4週齢のWisterラットに、オリーブ油に懸濁した25%四塩化炭素(CCl4)を2ml/kgで週2回9週間にわたり腹腔内に投与した。S−アリルシステイン(200、100、50mg/kg)、あるいはシステイン(600、200mg/kg)、あるいはN−アセチルシステイン(600、200mg/kg)を四塩化炭素投与の前日より連日経口投与した。12週後にラットを犠牲死させ、肝臓、腎臓などの組織像(アザン染色等)並びに線維産生細胞の活性化(ヒドロキシプロリン含量測定等)を解析した。その結果を図1〜3に示す。図1より、四塩化炭素を投与すると、対照群では肝線維化が生じるに対して、S−アリルシステイン投与群は用量依存的に肝線維化を抑制することが判明した。図2より肝組織中のヒドロキシプロリン含量を測定することによる線維化抑制試験では、システイン投与群や、N−アセチルシステイン投与群と比較して、S−アリルシステイン投与群はヒドロキシプロリン含量が少なく、更により少量で有効性を示すことが判明した。また図3より、S−アリルシステイン投与群は、対照群と比較して腎臓の糸球体及び尿細管周囲に生じる線維化を顕著に抑制することが判明した。
【実施例2】
【0018】
4週齢のWisterラットに、ブタ血清0.5mlを週2回12週間にわたり腹腔内に投与した。S−アリルシステイン(200mg/kg)、あるいはシステイン(600mg/kg)、あるいはN-アセチルシステイン(600mg/kg)をブタ血清投与の前日より連日経口投与した。12週後に犠牲死させ、肝、肺などの組織像(アザン染色等)並びに線維産生細胞の活性化(ヒドロキシプロリン含量測定等)を解析した。その結果を図4及び5に示す。図4より、対照群と比較して、S−アリルシステイン投与群は、顕著に肝線維化を抑制することが判明した。また図5より、対照群では、肺の肺胞間質が肥厚し、青色の線維が蓄積しているが、S−アリルシステイン投与群では、有意に線維化領域が少ないことが判明した。
【実施例3】
【0019】
錠剤の調製
S−アリルシステインを、1錠中に、50mg、賦形剤(乳糖)を200mg、崩壊剤(デンプン)40mg、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)5mgとなるように配合し、混合し、打錠して、錠剤を得た。
【実施例4】
【0020】
カプセル剤の調製
S−アリルシステインを、1カプセル中に、200mg、賦形剤(トレハロース)を150mg、崩壊剤(結晶セルロース)200mg含むように配合し、混合後、結合剤(メチルセルロース1カプセル中に10mg)、粉末重量の5%の精製水を添加し、攪拌造粒を行った。造粒物を流動層乾燥機で乾燥して良好な顆粒を得た。できた顆粒をゼラチン硬カプセルに充填し、カプセル剤を調製した。
【実施例5】
【0021】
注射剤の調製
S−アリルシステイン300mgに、注射用蒸留水100mlを加えて溶解し、ろ過する。硬質ビンに入れ、115℃、30分間滅菌し、注射液を調製した。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の臓器線維化抑制剤は、肝臓、腎臓、肺、皮膚、血管、心臓、骨髄及び膵臓等で生じる線維化を顕著に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】四塩化炭素投与による肝線維化試験の画像解析結果を示した図である。
【図2】四塩化炭素投与による肝組織中のヒドロキシプロリン含量を示した図である。
【図3】四塩化炭素投与による腎組織画像(アザン染色)を示した図である。
【図4】ブタ血清投与による肝線維化試験の画像解析結果を示した図である。
【図5】ブタ血清投与による肺組織画像(アザン染色)を示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S−アリルシステイン又はその塩を有効成分とする臓器線維化抑制剤。
【請求項2】
肝線維化抑制剤、腎線維化抑制剤、肺線維化抑制剤、皮膚線維化抑制剤、血管線維化抑制剤、心臓線維化抑制剤、骨髄線維化抑制剤及び膵線維化抑制剤のいずれかである請求項1記載の臓器線維化抑制剤。
【請求項1】
S−アリルシステイン又はその塩を有効成分とする臓器線維化抑制剤。
【請求項2】
肝線維化抑制剤、腎線維化抑制剤、肺線維化抑制剤、皮膚線維化抑制剤、血管線維化抑制剤、心臓線維化抑制剤、骨髄線維化抑制剤及び膵線維化抑制剤のいずれかである請求項1記載の臓器線維化抑制剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2007−77116(P2007−77116A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270344(P2005−270344)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 1.刊行物名、巻数、号数 日本消化器病学会雑誌 第102巻臨時増刊号(総会) (2005年) 2.発行社名 財団法人 日本消化器病学会 3.発行年月日 平成17年3月20日
【出願人】(505351533)
【出願人】(505351544)
【出願人】(505351522)
【出願人】(000250100)湧永製薬株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 1.刊行物名、巻数、号数 日本消化器病学会雑誌 第102巻臨時増刊号(総会) (2005年) 2.発行社名 財団法人 日本消化器病学会 3.発行年月日 平成17年3月20日
【出願人】(505351533)
【出願人】(505351544)
【出願人】(505351522)
【出願人】(000250100)湧永製薬株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
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