説明

自動二輪車

【課題】本発明は、物品の配置スペースに限りがある自動二輪車において、物品の配置スペースを維持しつつ、盗難対策装置を設けることができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】自動二輪車10は、車体フレーム11と盗難対策装置63とを備える。車体フレーム11は、前輪を操向自在に保持するヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から車両後方へ延びるメインフレーム13とを含む。このメインフレーム13の上方に燃料タンク33が配置され、この燃料タンクの上面62に給油口64が配置され、燃料タンク33の後方に乗員シート34が配置されている。盗難対策装置63は、ヘッドパイプ12の後方で、且つ、給油口64の前方に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難対策装置が備えられている自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の盗難対策装置として、車両に盗難検出センサと警報装置とを設け、車両が盗まれたときに、警報装置により警報音を発生するものがある。あるいは、盗難検出センサをエンジン制御部に接続し、エンジンを始動不能にするものがある。その他、上記要素に加えて、車両に全地球測位システム(GPS)と携帯電話通信部を設け、GPSで盗まれた車両の位置を探知し、携帯電話通信部で車両の位置情報を携帯電話などに送信するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1(図1、図4)参照。)。
【0003】
特許文献1の図1において、自動二輪車に、車体フレーム1(符号は、同公報のものを流用する。以下同じ。)が設けられ、この車体フレーム1の後部に、物入れボックス5が取り付けられている。
【0004】
特許文献1の図4において、物入れボックス5の内側に、盗難対策装置20が配置され、この盗難対策装置20を避けるように、物入れボックス5に、2つのヘルメットH1、H2が収納されている。
【0005】
しかし、上記物入れボックス5内に盗難対策装置20が設けられているので、物入れボックス5内の収納容量は小さくなる。
同様に、物入れボックスを備えていない自動二輪車においても、盗難対策装置を設けると、物品を配置するスペースが減少し、物品の配置の自由度に影響がでる場合がある。
物品の配置スペースに限りがある自動二輪車において、物品の配置スペースを維持しつつ、盗難対策装置を設けることができる技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−362448公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、物品の配置スペースに限りがある自動二輪車において、物品の配置スペースを維持しつつ、盗難対策装置を設けることができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車体フレームと、車両の位置情報を測定するとともにこの位置情報を無線送信する盗難対策装置と、が備えられている自動二輪車において、車体フレームは、前輪を操向自在に保持するヘッドパイプと、このヘッドパイプから車両後方へ延びるメインフレームとを含み、このメインフレームの上方に燃料タンクが配置され、この燃料タンクの上面に給油口が配置され、燃料タンクの後方に乗員シートが配置され、盗難対策装置は、ヘッドパイプの後方で、且つ、給油口の前方に配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、燃料タンクは、弾性部材を介してメインフレームに固定され、盗難対策装置は、燃料タンクの上面に形成した凹部に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、給油口は、燃料タンク内に下方へ延出されるフィラネック部を具備するとともに、凹部の底部のうち、フィラネック部側の底部は、フィラネック部の下端部と高さ方向で等しいか、または、上方に配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、車両を上から見たときに、燃料タンクの前端部に、ヘッドパイプを逃げる前端凹部が形成され、盗難対策装置は、端子部が、車両前方に向くように配置され、この端子部からサブハーネスが車体前方に延ばされ、このサブハーネスは、前端凹部を経由して、車体長手方向に延ばされているメインハーネスに合流されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、車両長手方向で、ヘッドパイプと燃料タンクの間に、エアクリーナケースが配置され、このエアクリーナケースの上面に、盗難対策装置が配置されるとともに、エアクリーナケースおよび盗難対策装置の上方は、燃料タンクに付属されるタンクカバーで覆われていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、エアクリーナケースに、エレメントが収納され、このエレメントをメンテナンスするメンテナンス用リッドが設けられ、このメンテナンス用リッドに、前記盗難対策装置が配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明では、盗難対策装置は、端子部が車両後方に向け配置され、この端子部に接続されるサブハーネスが前記エアクリーナケースと前記燃料タンクとの間を経由してメインハーネスに合流していることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明では、盗難対策装置は、位置情報を検出する全地球測位システム(GPS)と、検出された前記位置情報を送信する携帯電話通信部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項9に係る発明では、盗難対策装置は、位置情報を検出する全地球測位システムと、検出された前記位置情報を送信する携帯電話通信部と、盗難時に車体に加えられた振動を検出する加速度センサと、これらの全地球測位システム、携帯電話通信部および加速度センサを統合制御する制御部と、これらの全地球測位システムおよび携帯電話通信部に電力を供給する内部電源とを1つのハウジング内に備えることを特徴とする。
【0017】
請求項10に係る発明では、盗難対策装置は、盗難を検知した場合に、灯火器を作動させて警報を発する警報機能を有し、盗難対策装置を車体に備える電装系統に接続することにより、警報機能が作動可能であることを特徴とする。
【0018】
請求項11に係る発明では、ハウジングは、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面が略水平に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明では、盗難対策装置は、ヘッドパイプの後方で、且つ、燃料タンクの上面に設けた給油口の前方に配置されている。
本発明では、デッドスペースとして扱われることが多かった給油口の前方で、ヘッドパイプの後方に盗難対策装置を配置したので、物品の配置スペースに限りがある自動二輪車において、物品の配置スペースを維持しつつ、盗難対策装置を設けることができる。
【0020】
また、本発明では、盗難対策装置は、給油口の前方に配置されているので、荷重がかからない位置に盗難対策装置を配置することができる。
【0021】
さらに、メインフレームの上方に燃料タンクが配置され、この燃料タンクの上面に給油口が配置され、この給油口の前方に盗難対策装置が配置されている。すなわち、盗難対策装置は、車体フレームの上方に配置されている。盗難対策装置の上方に遮蔽物は設けられていないため、送受信感度を良好に保つことができる。
【0022】
請求項2に係る発明では、燃料タンクは、弾性部材を介してメインフレームに固定され、燃料タンクの上面に凹部が形成され、この凹部に盗難対策装置が配置されている。メインフレームと燃料タンクの間に弾性部材を設けたので、車体フレームの振動は、燃料タンクに伝達され難くなり、燃料タンクに振動が伝達され難くなれば、燃料タンクに設けた盗難対策装置への振動を抑制することが可能になる。
【0023】
加えて、盗難対策装置は、燃料タンクの上面に形成した凹部に配置されているので、燃料タンク上面において、盗難対策装置の突出を抑制し、盗難対策装置をコンパクトに配置することができる。盗難対策装置の突出が抑制されるので、車両の外観性を損なう心配はない。
【0024】
請求項3に係る発明では、燃料タンクの上面に形成した凹部は、フィラネックの下端部の高さと等しいか、あるいは、フィラネックの下端部よりも上方に配置されている。
燃料タンクにおいて、フィラネックの下端部から上方は、通常、燃料タンクの燃料が満たされることのない空間、いわゆる、デッドボリュームとなる。燃料タンク内のデッドボリュームに凹部を形成したので、燃料タンクの容量を減らすことなく、コンパクトに盗難対策装置を配置することができる。
【0025】
請求項4に係る発明では、燃料タンクの前端部に、ヘッドパイプから逃がしつつサブハーネスが通る前端凹部が形成されている。燃料タンクの前端部に前端凹部を設けたので、サブハーネスと操舵自在に構成されている操向ハンドル間の干渉を抑えることができる。
【0026】
加えて、盗難対策装置の車体長手方向前方を向くように、サブハーネスが接続される端子部を備え、この端子部からサブハーネスが車体長手方向に延ばされ、このサブハーネスは、前端凹部を経由して、車体長手方向に延ばされているメインハーネスに合流されている。この場合に、端子部の向き、サブハーネスの向きおよびメインハーネスの向きは、いずれも、車体長手方向に沿う向きである。
【0027】
本発明では、端子部の向き、サブハーネスの向きおよびメインハーネスの向きは、いずれも、車体長手方向に沿う向きとしたので、サブハーネスの向きを90°変える必要はなく、サブハーネスが長くなることを抑えることができる。サブハーネスの長さが抑えられれば、電力損失の低減を図ることができる。
【0028】
請求項5に係る発明では、エアクリーナケースの上面に、盗難対策装置が配置されるとともに、エアクリーナケースおよび盗難対策装置の上方は、タンクカバーで覆われている。タンクカバーで盗難対策装置のカバーを兼ねさせたので、別途、盗難対策装置を保護するカバーを設ける必要はなく、部品点数の増加を抑えることができる。
【0029】
加えて、盗難対策装置の下方には、エアクリーナケースが配置されている。エアクリーナケースの近傍にエンジンが配置されている場合でも、新気を取り入れるエアクリーナケースが介在されていることから、盗難対策装置への熱影響を低減させることができる。
【0030】
請求項6に係る発明では、エアクリーナケースにエレメントが収納され、このエレメントをメンテナンスするメンテナンス用リッドに、盗難対策装置を配置した。このようなメンテナンス用リッドに盗難対策装置を配置すれば、作業者は、メンテナンス用リッドに手を近づけて容易に作業をすることができるので、盗難対策装置の組付性を高めることができる。
【0031】
請求項7に係る発明では、盗難対策装置の端子部は、車両後方に向け配置され、この端子部に接続されるサブハーネスがエアクリーナケースと燃料タンクとの間を経由してメインハーネスに合流しているので、サブハーネスの取り回しを複雑にすることなく、サブハーネスの長さを短くすることができる。
【0032】
請求項8に係る発明では、メインフレームの上方でエアクリーナケースの上方に、盗難対策装置が配置されている。この場合に、盗難対策装置の上方に金属製の構造物は配置されていない。そのため、GPS信号の受信および送信において、送受信感度は良好なものとなり、機器の配置に制約の大きい自動二輪車であっても、盗難対策装置を配置することが可能となる。
【0033】
請求項9に係る発明では、盗難対策装置が、位置情報を検出する全地球測位システムと、検出された位置情報を送信する携帯電話通信部と、盗難時に車体に加えられた振動を検出する加速度センサと、これらの全地球測位システム、携帯電話通信部および加速度センサを統合制御する制御部と、これらの全地球測位システムおよび携帯電話通信部に電力を供給する内部電源とを1つのハウジング内に備える。盗難対策装置のシステムが1つのハウジング内に収納されているため、車両への組付性を向上させることができる。この場合に、ハウジングが大型化しても、上記のような盗難対策装置配置構造を採用することで、車両全体の大型化を回避することができる。
【0034】
請求項10に係る発明では、盗難対策装置が、盗難を検知した場合に、灯火器を作動させて警報を発する警報機能を有し、盗難対策装置を車体に備える電装系統に接続することにより、警報機能を作動可能とした。車体に備える電装系統に盗難対策装置を接続することにより、警報機能を作動させることができるため、新たな機能部品を配置したり、配線を増やしたりする必要がない。
【0035】
請求項11に係る発明では、ハウジングが、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面が水平又は水平に近い状態で配置されているので、盗難対策装置内の機能部品の配置を最適化した上で、全地球測位システムおよび携帯電話通信部のアンテナの面積を確保することができ、送受信を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】本発明に係る自動二輪車の要部左側面図である。
【図3】本発明に係る盗難対策装置の取付構造を説明する分解斜視図である。
【図4】本発明に係る盗難対策装置およびその関連部品を示す説明図である。
【図5】本発明に係る盗難対策装置のブロック図である。
【図6】本発明に係る自動二輪車の要部平面図である。
【図7】図3の別実施例図である。
【図8】図1の別実施例図である。
【図9】図8の要部左側面図である。
【図10】図8の要部平面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中および実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0038】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1において、自動二輪車10は、車体フレーム11がヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から後方に延びているメインフレーム13と、このメインフレーム13の後部上部から後方に延びているシートレール14と、ヘッドパイプ12から斜め下後方に延びているフロントフレーム15と、このフロントフレーム15の後方に設けられメインフレーム13の後部から略下方に延びているダウンフレーム16と、このダウンフレーム16の下部とシートレール14の間に掛け渡したサブフレーム17と、から構成され、フロントフレーム15とダウンフレーム16とにエンジン18が取り付けられている車両である。すなわち、車体フレーム11には、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から車両後方へ延びるメインフレーム13とを含む。
【0039】
ヘッドパイプ12から斜め前下方に、フロントフォーク21が延びており、このフロントフォーク21の下端部に前輪22が取り付けられ、フロントフォーク21の上端部に前輪22を操向する操向ハンドル23が取り付けられている。前輪22はヘッドパイプ12によって操向自在に保持されているということができる。
【0040】
ダウンフレーム16に、車幅方向にピボット軸25が設けられ、このピボット軸25から後方にスイングアーム26が揺動自在に延びており、このスイングアーム26の後端部に、後輪27が取り付けられ、このスイングアーム26の後部からシートレール14に向けクッションユニット28が延びており、クッションユニット28の上端部は、シートレール14に設けられているクロス部材31に取り付けられている。つまり、車体フレーム11は、エンジン18を取り付け、前輪22を操向自在に支持するとともに、後輪27を揺動自在に支持する部材である。ダウンフレーム16の下端部に、メインスタンド32が取り付けられている。
【0041】
メインフレーム13の前部には、燃料タンク33が跨るように配置されている。燃料タンク33は、メインフレーム13の前部側面に車体幅方向外方に突起させた突起部としての前固定部29に、燃料タンク側に設けられ車両側面視でU字状を呈するU字係合部30を係合することにより支持されるとともに、シートレール14に設けた後固定部39に、上方から締結部材40によって締結するようにした。
【0042】
メインフレーム13と燃料タンク33の間において、前固定部29に、弾性部材としての前部ラバー29aが介在され、後固定部39に、弾性部材としての後部ラバー39aが介在されている。前部ラバー29aは、例えば、筒状の部材であり、あらかじめ前固定部に取り付けられ、後部ラバー39aは、例えば、鍔状の部材であり、締結部材40を締め付ける際に、燃料タンク33とシートレール14との間に配置される。
すなわち、燃料タンク33は、弾性部材を介してメインフレーム13に固定されており、燃料タンク33は、メインフレーム13にラバーマウントされているということができる。
【0043】
燃料タンク33の後方で車体フレーム11には、シートレール14が設けられ、このシートレール14に、乗員が着座する乗員シート34が取り付けられている。つまり、燃料タンク33の後方に乗員シート34が配置されている。乗員シート34は、2人乗り可能なタンデムシートである。
【0044】
エンジン18の前部は、エンジンハンガ35を介してフロントフレーム15に取り付けられている。エンジン18の後部に、エンジン18へ混合気を供給するスロットル弁36が連結され、このスロットル弁36の後部に、エレメントを収納したエアクリーナケース37が連結されている。
エンジン18に、出力軸41が設けられ、この出力軸41と後輪27の間に駆動力伝達用のチェーン42が巻き掛けられ、このチェーン42によってエンジン18の駆動力が後輪27に伝達される。
【0045】
フロントフォーク21にフロントフェンダ44が設けられ、ヘッドパイプ12の前部にフロントカウル45が取り付けられ、このフロントカウル45にヘッドライト46が取り付けられている。
【0046】
また、ダウンフレーム16とシートレール14とサブフレーム17とで囲まれる領域に、バッテリボックス51が配置され、このバッテリボックス51にバッテリ52が収納され、バッテリボックス51の側方に、車体の側方を覆うサイドカバー53が設けられている。ダウンフレーム16は、車体フレーム11の略中央部から下方に延びている部材である。
【0047】
シートレール14の後部に、乗員が把持可能なグラブレール56が取り付けられ、乗員シート34を止めるシートステー57が取り付けられるとともに、リヤフェンダ58が取り付けられており、シートレール14の側方に、車体の後部を覆うリヤカウル61が設けられている。
【0048】
次に、燃料タンクおよびその周辺部の構成について説明する。
図2において、メインフレーム13の上方に燃料タンク33が配置され、この燃料タンクの上面62に給油口64が配置され、この給油口64に給油キャップ65が着脱可能に設けられている。給油口64は、メインフレーム13内に下方へ延出されるフィラネック部66を具備する。このようなフィラネック部66を設けたので、メインフレーム13内の最大油面高さ(H)が設定され、通常、最大油面高さ(H)よりも上方が燃料で満たされることはない。フィラネック部66を設け、燃料タンク内の上部に所定量の空間(デッドボリューム)を確保するようにして、燃料タンク33からスロットル弁(図1、符号36)への円滑な燃料供給を可能にする。
【0049】
盗難対策装置63は、ヘッドパイプ12の後方で、且つ、給油口64の前方に配置されている。具体的には、ヘッドパイプ12の後方で、給油口64の前方に、且つ、燃料タンクの上面62に、その一部を凹ませた凹部71を形成し、この凹部71に金属製の支持部72を溶接により取り付け、この支持部72に盗難対策装置63を取り付け、盗難対策装置63および凹部71の上方をタンクカバー73で覆った。なお、盗難対策装置63は、車両の位置情報を測定するとともにこの位置情報を無線送信するものである。その詳細については、後述する。
【0050】
以下、フィラネック部66と凹部71間の位置関係について説明する。
給油口64は、メインフレーム13内に下方へ延出されるフィラネック部66を具備し、凹部71の底部のうち、フィラネック部側の底部74は、フィラネック部の下端部75と高さ方向で等しい位置(略同一の高さ)に配置されている。
【0051】
燃料タンクの上面62から下方に向けフィラネック部66を延ばした。このため、メインフレーム13において、フィラネック部の下端部75から上方は、メインフレーム13の燃料が満たされないデッドボリュームとなる。燃料タンク33内のデッドボリュームに凹部71を形成したので、燃料タンク33のタンク容量を減らすことなく、且つ、コンパクトに盗難対策装置63を配置することができる。
なお、本実施例では、凹部は、フィラネックの下端部の高さと等しい高さに配置されているが、フィラネックの下端部よりも上方に配置することは差し支えない。
【0052】
次に、盗難対策装置の取付構造について説明する。
図3において、燃料タンクの上面62に形成した凹部71に、盗難対策装置63を支持するステー部材としての支持部72が取り付けられている。支持部72は、上方に向け突設する第1突設部81と第2突設部82と第3突設部83とを有する。
【0053】
これらの第1〜第3突設部81、82、83に盗難対策装置63が装着され、この盗難対策装置63が配置されている凹部71の上方をタンクカバー73で覆った。
タンクカバー73は、燃料タンクの上面62に左右のカバーステー85、86を設け、左右のカバーステー85、86に各々ウエルドナット87、87が備えられ、これらのウエルドナット87、87にねじ部材88、88を締結することで燃料タンク33へ固定されている。
【0054】
図2に戻って、メインフレーム13は、弾性部材としての前部ラバー29aおよび後部ラバー(図1、符号39a)を介してメインフレーム13に固定され、このような燃料タンクの上面62に凹部71が形成され、この凹部71に支持部72が取り付けられ、この支持部72に盗難対策装置63が取り付けられている。
【0055】
上記構成により、車体フレーム11の振動は、前部ラバー29aおよび後部ラバー39aによって、メインフレーム13に伝達され難くなり、このメインフレーム13に振動が伝達され難くなれば、メインフレーム13に配置した盗難対策装置63にも伝達され難くなる。盗難対策装置63に振動が伝達され難くなるので、振動から盗難対策装置63を保護することが可能になる。
【0056】
加えて、盗難対策装置63は、燃料タンクの上面62に形成した凹部71に配置されているので、燃料タンクの上面62の突出を抑制し、盗難対策装置63をコンパクトに配置することができ、車両の外観性を損なう心配はない。
【0057】
図3および図4において、盗難対策装置のハウジング91は、その周囲が弾性部材92によって縦横に囲われ、この弾性部材92に3つの凸部93が設けられ、これらの凸部93に、支持部72が係合可能な位置に各々係合穴94が設けられている。係合穴94は、第1突設部81と係合する第1係合穴96と、第2突設部82と係合する第2係合穴97と、第3突設部83と係合する第3係合穴98と、からなる。
【0058】
そして、ハウジング91に弾性部材92を取り付け、この弾性部材92に設けた第1〜第3係合穴96、97、98を第1〜第3突設部81、82、83に各々差し込むことで、盗難対策装置63を燃料タンクの上面62に形成した凹部71に取り付けるようにした。
【0059】
次に、盗難対策装置のハウジング91および弾性部材92の詳細について説明する。
図4(a)において、盗難対策装置63の平面図が示されており、図4(b)において、図4(a)の4(b)矢視図が示されている。
ハウジング91は、上面101と下面102と前面103と後面104と左面105と右面106とからなる直方体のケース体であり、前面103に、コネクタ107、108が接続される端子部117、118が設けられている。
【0060】
弾性部材92は、ハウジング91の左面105と上面101と右面106と下面102とを囲う第1保持部111と、第1保持部111から後方に延設されハウジング91の上面101と後面104と下面102とを囲う第2保持部112と、からなる部材であり、左面105に沿って第1保持部111に、第1係合穴96を有する第1凸部126が設けられ、右面106に沿って第1保持部111に、第2係合穴97を有する第2凸部127が設けられ、後面104に沿って第2保持部112に、第3係合穴98を有する第3凸部128が設けられている。これらの第1係合穴96、第2係合穴97、第3係合穴98は、各々、支持部(図3、72)に係合される。
【0061】
かかる第1係合穴96、第2係合穴97および第3係合穴98を備えた弾性部材92に盗難対策装置63のハウジング91が拘束されている。
上述したように、ラバーマウントされている燃料タンク33に盗難対策装置63が取り付けられ、さらに、盗難対策装置63のハウジング91の周囲を弾性部材92で囲うようにしたので、車両の振動が吸収され、盗難対策装置63に車両の振動を一層伝達され難くすることができる。加えて、ハウジング91を支持部72に確実に固定することができる。
【0062】
図4(c)において、図4(a)の4(c)−4(c)線断面図が示されており、盗難対策装置63の前面103に、コネクタ107、108が接続される端子部117、118が備えられている。
【0063】
次に、盗難対策装置の構成について説明する。
図5において、盗難対策装置63は、位置情報を検出する全地球測位システム131(GPS131)と、盗難時に車体に加えられた振動を検出する加速度センサ133と、これらのGPS131からの位置情報JP、加速度センサ133からの加速度信号SAを統合制御する制御部134と、この制御部134からの交信指令SCに基づいて携帯電話基地局136へ位置情報JPを送信する携帯電話通信部132と、制御部134からのエンジン制御信号SECに基づきエンジン(図1、符号18)の点火装置141に点火停止信号SSSを送って点火装置141の作動を停止させる、すなわち、エンジン18を停止させるエンジン制御部137と、制御部134からの警報制御信号SACに基づきヘッドランプ、ウインカ、テールランプなどの灯火器およびホーンに警報信号SAを送って灯火器、ホーンを作動させる警報装置142と、GPS131、制御部134、携帯電話通信部132、エンジン制御部137および警報発生部138へ電力を供給する内部電源135とからなり、これらのGPS131および携帯電話通信部132に電力を供給する内部電源135とを1つのハウジング91内に備える。GPS131、制御部134、携帯電話通信部132、エンジン制御部137および警報発生部138へは、車体側のバッテリ(図1、符号52)からも電力供給が可能である。
【0064】
1つのハウジング91内に盗難対策装置63のシステムが収納されているため、車両への組付性を向上させることができる。この場合に、ハウジング91が大型化しても、上記のような盗難対策装置配置構造を採用することで、車両全体の大型化を回避することができる。
【0065】
すなわち、盗難対策装置63は、盗難を検知した場合に、エンジン18の始動を停止するエンジン停止機能と、灯火器としてのヘッドライト46を作動させて警報を発する警報機能とを有し、盗難対策装置63を車体に備える電装系統に接続することにより、エンジン停止機能および警報機能が作動可能である。
【0066】
上記構成によれば、例えば、ヘッドライト(図1、符号46)やエンジン制御部137など車体に備える電装系統に盗難対策装置63を接続することにより、エンジン停止機能と警報機能とを作動させることができるため、新たな機能部品を配置したり、配線を増やしたりする必要がなく既存の部品を盗難対策装置63の一部として有効に活用することができる。
また、上記盗難対策装置63を配置することにより、車両の基本配線への盗難対策装置63の接続が、短い専用配線で済むため、車両の軽量化およびコンパクト化を図ることができる。
【0067】
図2および図6において、車両を上から見たときに、燃料タンクの前端部151に、ヘッドパイプ12を逃げる前端凹部152が形成されている。
盗難対策装置63は、端子部117、118が、車両前方に向くように配置され、これらの端子部117、118からサブハーネス153、154が車体前方に延ばされ、これらのサブハーネス153、154は、前端凹部152を経由して、車体長手方向に延ばされているメインハーネス155に合流されている。
【0068】
端子部117、118の向き、サブハーネス153、154の向きおよびメインハーネス155の向きは、いずれも、車体長手方向に沿う向きとし、燃料タンクの前端部151に、前端凹部152を設け、この前端凹部152にサブハーネス153、154を通した。前端凹部152にサブハーネス153、154を通さない場合に較べると、サブハーネス153、154が長くなることを抑えることができる。サブハーネス153、154の長さが抑えられれば、電力損失の低減を図ることができる。
【0069】
加えて、燃料タンクの前端部151に、ヘッドパイプ12から逃がしつつサブハーネス153、154が通る前端凹部152が形成されている。燃料タンクの前端部151に前端凹部152を設けたので、操舵自在に構成されている操向ハンドル(図1、符号23)とサブハーネス153、154間の干渉を抑えることができる。
【0070】
本発明の盗難対策装置63は、燃料タンクの上面62に形成した凹部71に配置され、この凹部71の上方を樹脂製のタンクカバー73で覆うようにした。かかる構成によれば、GPS信号の受信および位置上方の送信において、盗難対策装置63の上方に金属製の構造物が配置されていないため、送受信感度は良好なものとなり、機器の配置に制約の大きい自動二輪車であっても、盗難対策装置63の配置が容易に行えるようになる。
【0071】
また、ハウジング91は、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面156が略水平に配置されているので、盗難対策装置63内の機能部品の配置を最適化した上で、全地球測位システムおよび携帯電話通信部のアンテナの面積を確保することができ、送受信を良好にすることができる。
【0072】
盗難対策装置63は、端子部117、118が、車両前方に向くように配置され、これらの端子部117、118からサブハーネス153、154が車体長手方向に延ばされ、このサブハーネスの先端が、車体長手方向に延ばされているメインハーネス155に合流されている。なお、端子部117、118が、車両後方に向くように配置することは差し支えない。
【0073】
以上に述べた自動二輪車の作用を次に述べる。
図2において、盗難対策装置63は、ヘッドパイプ12の後方で、且つ、燃料タンクの上面62に設けた給油口64の前方に配置されている。ヘッドパイプ12の後方で給油タンク33の前方は、従来は、デッドスペースとして扱われることが多かった。
【0074】
この点、本発明では、デッドスペースとして扱われることが多かった給油口64の前方で、且つ、ヘッドパイプ12の後方に盗難対策装置63を配置したので、物品の配置スペースに限りがある自動二輪車において、物品の配置スペースを維持しつつ、盗難対策装置63を設けることができる。
【0075】
盗難対策装置63は、給油口64の前方に配置されている。
給油口の後方に盗難対策装置が配置されていると、乗員が燃料タンク33をニーグリップしたときに、ニーグリップにより盗難対策装置63が外力(荷重)を受ける可能性があった。
【0076】
この点、本発明では、盗難対策装置63は、給油口64の前方に配置されている。給油口64の前方であれば、荷重がかからない位置に盗難対策装置を配置することができる。
さらに、盗難対策装置63は、上述したように車体フレーム11の上方に配置されている。盗難対策装置63の上方に遮蔽物は設けられていないため、送受信感度を良好に保つことができる。
【0077】
また、盗難対策装置63は、ケース体としてボックス状に形成したハウジング91で覆われており、ボックスの最も大きな面であるハウジングの上面101が略水平になるように配置されている。詳細には、メインフレーム13に凹部71が形成され、この凹部71に支持部72が取り付けられ、この支持部72にハウジング91がその上面101が略水平になるように取り付けられている。
【0078】
ハウジングの上面101が水平又は水平に近い状態で配置されているので、盗難対策装置63内の機能部品の配置を最適化した上で、GPS131および携帯電話通信部132のアンテナの面積を確保することができ、送受信を良好にすることができる。
【0079】
以下、図3の変形例について説明する。
図7において、タンクカバーの下面161に、盗難対策装置63を支持する支持部72Aが設けられている。支持部72Aは樹脂製であり、タンクカバー73Aと一体形成されている。支持部72Aは、下方に向け突設する第1突設部81Aと第2突設部82Aと第3突設部83Aとからなる。
【0080】
組付に際して、盗難対策装置63を、下方から上方に図矢印a1、a2、a3の如く移動させて第1〜第3突設部81A、82A、83Aに係合させ、次いで、盗難対策装置63と一体化させたタンクカバー73Aを燃料タンクの上面62に取り付けるようにした。タンクカバー73Aと支持部72Aとは一体化したので、部品点数の増加を抑えることができる。その他、図3と大きく異なるところはなく、説明を省略する。
【実施例2】
【0081】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図8において、自動二輪車10Bは、車体フレーム11Bが、前端を構成するヘッドパイプ12Bと、このヘッドパイプ12Bから後方斜め下方に延びるメインフレーム13Bと、メインフレーム13Bの後部から後方斜め上方に延びるシートレール14Bと、メインフレーム13Bの後部から下方に延びるピボットプレート162と、から構成されている。
【0082】
ヘッドパイプ12の上方に、操向可能に操向ハンドル23Bが取り付けられ、ヘッドパイプ12の下方に、操向ハンドル23Bと一体で回動するフロントフォーク21Bが延びており、このフロントフォーク21Bの下端部に前輪22Bが取り付けられている。
ピボットプレート162にピボット軸25Bを介してスイングアーム26Bが揺動自在に取り付けられ、スイングアーム26Bの後端部に駆動輪としての後輪27Bが取り付けられている。
【0083】
スイングアーム26Bの後部にリンク機構168が設けられ、このリンク機構168からメインフレーム13に向けクッションユニット28Bが延びており、このクッションユニット28Bの上端部は、メインフレーム13の後端部に設けられているボス部167に取り付けられている。
【0084】
メインフレーム13Bにエンジン18Bが懸架され、このエンジン18Bの上部にシリンダ163が設けられ、このシリンダ163の後部にスロットル弁36Bが取り付けられ、このスロットル弁36Bの上流側にエアクリーナケース37Bが取り付けられ、シリンダの前部に排気管164が取り付けられている。また、メインフレーム13の上方に燃料タンク33Bが取り付けられている。
【0085】
以下、エアクリーナケース37Bおよびこのエアクリーナケース37Bの上面に取り付けた盗難対策装置の詳細について説明する。
図9において、車両長手方向で、ヘッドパイプ12Bと燃料タンク33Bの間に、エアクリーナケース37Bが配置され、このエアクリーナケース37Bに、エレメント165が収納されている。
、このエアクリーナケースの上面166に、盗難対策装置63が配置され、エアクリーナケース37Bおよび盗難対策装置63の上方は、燃料タンク33に付属されるタンクカバー73Bで覆われている。
【0086】
上記構成によれば、盗難対策装置63は、タンクカバー73Bで覆われることになり、別途、盗難対策装置63を保護するカバーを設ける必要はない。
加えて、盗難対策装置63の下方には、エアクリーナケース37Bが配置されている。エアクリーナケース37Bの近傍にエンジン18Bが配置されている場合であっても、エンジン18Bと盗難対策装置63の間には、新気を取り入れるエアクリーナケース37Bが介在されていることから、盗難対策装置63への熱影響を低減させることができる。
【0087】
図9〜図11において、エアクリーナケース37Bは、上半体171と下半体172とを突き合わせてなり、下半体172にエア出口173が設けられ、上半体171にエア入口174が設けられ、内部にエレメント165が収納されている。
上半体の上面(エアクリーナケースの上面166)の車幅方向中央に、一部を凹ませ盗難対策装置63が取り付けられるクリーナ凹部175が形成され、このクリーナ凹部175の左右側方に左右のエア入口174、174が配置され、上面166の後部に、燃料を霧状に噴射する4つの噴射ノズル176が車幅方向に並んで配置されている。クリーナ凹部175には、上方に向け突設され盗難対策装置63を支持する支持部72が設けられている。そして、支持部72を利用して上半体の上面166の一部を凹ませたクリーナ凹部175に盗難対策装置63を取り付けるようにしたので、エアクリーナケース37Bの容量を犠牲にすることもない。
【0088】
上半体の上面166に、複数のねじ部材88により着脱可能に設けられエレメント165をメンテナンスするメンテナンス用リッド178が設けられている。
メンテナンス性が確保されるメンテナンス用リッド178に、盗難対策装置63を配置したので、盗難対策装置63をメンテナンス用リッド178に組み付ける際の作業性を高めることができる。
なお、盗難対策装置63のハウジング、構成およびその支持構造などについては、実施例1と基本的に変わるところはなく説明を省略する。
【0089】
盗難対策装置63は、端子部117、118が車両後方に向け配置され、この端子部117、118に接続されるサブハーネス153、154がエアクリーナケース37Bとメインフレーム13Bとの間を経由してメインハーネス155に合流している。盗難対策装置の端子部117、118は、車両後方に向け配置されている。
【0090】
仮に、盗難対策装置の端子部が、車両前方に向け配置され、サブハーネスが前方に延びている場合には、盗難対策装置の後方に配置されているバッテリへ延びているサブハーネスが長くなる。
この点、本発明では、盗難対策装置の端子部117、118は、車両後方に向け配置され、この端子部117、118に接続されるサブハーネス153、154がエアクリーナケース37Bとメインフレーム13との間を経由してメインハーネス155に合流しているので、サブハーネス153、154の長さを短くすることができる。加えて、サブハーネス153、154の取り回しを単純にすることができる。
【0091】
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の鞍乗型車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、盗難対策装置が備えられている自動二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0093】
10、10B…自動二輪車、11、11B…車体フレーム、12、12B…ヘッドパイプ、13、13B…メインフレーム、29a…弾性部材(前部ラバー)、33、33B…燃料タンク、34…乗員シート、37B…エアクリーナケース、39a…弾性部材(後部ラバー)、62…燃料タンクの上面、63…盗難対策装置、64…給油口、66…フィラネック部、71…凹部、73B…タンクカバー、74…フィラネック部側の底部、75…フィラネック部の下端部、91…ハウジング、117…端子部、118…端子部、131…全地球測位システム(GPS)、132…携帯電話通信部、133…加速度センサ、134…制御部、135…内部電源、151…燃料タンクの前端部、152…前端凹部、153…サブハーネス、154…サブハーネス、155…メインハーネス、165…エレメント、166…エアクリーナケース、178…メンテナンス用リッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームと、車両の位置情報を測定するとともにこの位置情報を無線送信する盗難対策装置と、が備えられている自動二輪車において、
前記車体フレームは、前輪を操向自在に保持するヘッドパイプと、このヘッドパイプから車両後方へ延びるメインフレームとを含み、このメインフレームの上方に燃料タンクが配置され、この燃料タンクの上面に給油口が配置され、前記燃料タンクの後方に乗員シートが配置され、
前記盗難対策装置は、前記ヘッドパイプの後方で、且つ、前記給油口の前方に配置されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項2】
前記燃料タンクは、弾性部材を介して前記メインフレームに固定され、
前記盗難対策装置は、前記燃料タンクの上面に形成した凹部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
【請求項3】
前記給油口は、前記燃料タンク内に下方へ延出されるフィラネック部を具備するとともに、前記凹部の底部のうち、前記フィラネック部側の底部は、前記フィラネック部の下端部と高さ方向で等しいか、または、上方に配置されていることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車。
【請求項4】
車両を上から見たときに、前記燃料タンクの前端部に、前記ヘッドパイプを逃げる前端凹部が形成され、
前記盗難対策装置は、端子部が、車両前方に向くように配置され、この端子部からサブハーネスが車体前方に延ばされ、このサブハーネスは、前記前端凹部を経由して、車体長手方向に延ばされているメインハーネスに合流されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の自動二輪車。
【請求項5】
車両長手方向で、前記ヘッドパイプと前記燃料タンクの間に、エアクリーナケースが配置され、このエアクリーナケースの上面に、前記盗難対策装置が配置されるとともに、前記エアクリーナケースおよび前記盗難対策装置の上方は、前記燃料タンクに付属されるタンクカバーで覆われていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
【請求項6】
前記エアクリーナケースに、エレメントが収納され、このエレメントをメンテナンスするメンテナンス用リッドが設けられ、このメンテナンス用リッドに、前記盗難対策装置が配置されていることを特徴とする請求項5記載の自動二輪車。
【請求項7】
前記盗難対策装置は、端子部が車両後方に向け配置され、この端子部に接続されるサブハーネスが前記エアクリーナケースと前記燃料タンクとの間を経由してメインハーネスに合流していることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の自動二輪車。
【請求項8】
前記盗難対策装置は、位置情報を検出する全地球測位システムと、検出された前記位置情報を送信する携帯電話通信部と、を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の自動二輪車。
【請求項9】
前記盗難対策装置は、位置情報を検出する全地球測位システムと、検出された前記位置情報を送信する携帯電話通信部と、盗難時に車体に加えられた振動を検出する加速度センサと、これらの全地球測位システム、携帯電話通信部および加速度センサを統合制御する制御部と、これらの全地球測位システムおよび携帯電話通信部に電力を供給する内部電源とを1つのハウジング内に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の自動二輪車。
【請求項10】
前記盗難対策装置は、盗難を検知した場合に、灯火器を作動させて警報を発する警報機能を有し、前記盗難対策装置を車体に備える電装系統に接続することにより、前記警報機能が作動可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の自動二輪車。
【請求項11】
前記ハウジングは、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面が略水平に配置されていることを特徴とする請求項10記載の自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−31717(P2011−31717A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179264(P2009−179264)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】