説明

自動入出金システム

【課題】ある銀行から他の銀行へ貨幣を移動させる場合に、利用者の貨幣保持によるリスクを無くすことが可能な自動入出金システムを提供する。
【解決手段】ATM2の記憶部22は、各銀行の手数料等を記憶する。送受信部21は、利用者により銀行カード7がデータ読取部23に挿入され出金操作や入金操作が行われると、記憶部22のデータや銀行カードのデータに基づいて、出金依頼データ200や入金依頼データ300の送信を行う。ATMサーバ3の送受信部31は、ATM2から送信される出金依頼データ200又は入金依頼データ300を、そのデータに示される「銀行コード」に対応する銀行サーバ4へ送信する。各銀行サーバ4の記憶部42は、口座毎に残高などを記憶している。送受信部41は、出金依頼データ200又は入金依頼データ300を受信すると。残高更新部43は、当該依頼データ300に基づいて、「口座情報」の残高を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動入出金装置と複数の銀行の口座情報を管理する各銀行サーバとの間でネットワークを介してデータが送受信される自動入出金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストアなどに設置される自動入出金装置(以下、ATM(Automated Teller Machine)という)は、複数の銀行のキャッシュカードが使用可能となっている。
【0003】
このようなATMにて、利用者がA銀行の自口座からB銀行の自口座へ貨幣を移動させる場合、例えば、A銀行からB銀行へ振り込みを行う方法、A銀行から現金を出金してその現金をB銀行へ入金する方法、又はA銀行から電子貨幣を出金してその電子貨幣をB銀行へ入金する方法(例えば、特許文献1参照)などがある。
【0004】
しかしながら、A銀行からB銀行へ振り込みを行う場合では、どちらも自口座であるにもかかわらず、振り込み手数料がかかってしまう。また、A銀行から現金を出金してその現金をB銀行へ入金する方法やA銀行から電子貨幣を出金してその電子貨幣をB銀行へ入金する方法では、振り込み手数料はかからないものの、現金や電子貨幣を利用者が一旦保持する必要があり貨幣保持に伴うリスクが発生してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−218983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、ある銀行から他の銀行へ貨幣を移動させる場合に、利用者の貨幣保持により発生するリスクを無くすことが可能な自動入出金システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の自動入出金システムは、自動入出金装置と、自動入出金サーバと、第1の銀行における口座毎の残高を管理する第1の銀行サーバ及び第2の銀行における口座毎の残高を管理する第2の銀行サーバとが互いにデータを送受信する自動入出金システムであって、前記自動入出金装置は、前記第1の銀行に対応する第1の銀行カード又は前記第2の銀行に対応する第2の銀行カードに記憶される口座情報を読み取るデータ読取手段と、出金依頼データ及び入金依頼データを送信するとともに、出金許可データを受信する第1の送受信手段と、前記出金許可データを受信すると、前記出金許可データに示される金額を記憶する記憶手段と、前記データ読取手段により前記第1の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られると、その口座情報及び利用者により入力される金額が示される前記出金依頼データを生成するとともに、前記データ読取手段により前記第2の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られると、その口座情報及び前記記憶手段に記憶される金額が示される前記入金依頼データを生成する第1のデータ生成手段とを備え、前記自動入出金サーバは、前記自動入出金装置から送信される前記出金依頼データを前記第1の銀行サーバへ送信し、前記自動入出金装置から送信される前記入金依頼データを前記第2の銀行サーバに送信し、前記第1の銀行サーバから送信される前記出金許可データを前記自動入出金装置に送信する第2の送受信手段を備え、前記第1の銀行サーバは、前記出金依頼データを受信するとともに、前記出金許可データを送信する第3の送受信手段と、前記出金依頼データを受信すると、前記出金依頼データに示される金額に基づいて、前記出金依頼データに示される口座情報に対応する残高を更新する第1の残高更新手段と、前記第1の残高更新手段の更新処理が完了すると、前記出金依頼データの金額が示される前記出金許可データを生成する第2のデータ生成手段とを備え、前記第2の銀行サーバは、前記入金依頼データを受信する第4の送受信手段と、前記入金依頼データを受信すると、前記入金依頼データに示される金額に基づいて、前記入金依頼データに示される口座情報に対応する残高を更新する第2の残高更新手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、自動入出金装置と各銀行サーバとの間でネットワークを介してデータが送受信される自動入出金システムにおいて、ある銀行から他の銀行へ貨幣を移動させる場合に、利用者の貨幣保持により発生するリスクを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の自動入出金システムを示す図である。
【図2】銀行カード、ATM、及び銀行サーバにそれぞれ記憶されるデータの一例を示す図である。
【図3】出金依頼データ、出金許可データ、入金依頼データ、及び入金許可データの一例を示す図である。
【図4】自動入出金システムの動作を説明するためのフローチャート(その1)である。
【図5】自動入出金システムの動作を説明するためのフローチャート(その2)である。
【図6】自動入出金システムの動作を説明するためのフローチャート(その3)である。
【図7】ATMの表示部に表示される画面の一例を示す図(その1)である。
【図8】ATMの表示部に表示される画面の一例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態の自動入出金システムを示す図である。
図1に示す自動入出金システム1では、ATM2とATMサーバ3との間でATMネットワーク5を介して互いにデータが送受信されるとともに、ATMサーバ3と複数の銀行サーバ4(A銀行における口座毎の残高などを管理するA銀行サーバ4、B銀行における口座毎の残高などを管理するB銀行サーバ4、・・・)との間で提携ネットワーク6を介して互いにデータが送受信される。なお、ATMサーバ3は、複数のATM2のそれぞれのデータを管理するように構成してもよい。
【0011】
ATM2は、送受信部21と、記憶部22と、データ読取部23と、データ生成部24と、表示部25(例えば、タッチパネルディスプレイ)とを備えて構成されている。送受信部21は、利用者により銀行カード7(キャッシュカード)がデータ読取部23に挿入され出金操作が行われると、出金依頼データ200の送信や出金許可データ210の受信を行う。また、送受信部21は、利用者により銀行カード7がデータ読取部23に挿入され入金操作が行われると、入金依頼データ300の送信や入金許可データ310の受信を行う。記憶部22は、各銀行の手数料や入出金の可否状態データなどを記憶する。データ読取部23は、挿入される銀行カード7に記憶されているデータを読み取る。データ生成部24は、記憶部22に記憶されているデータやデータ読取部23により読み取られたデータに基づいて、出金依頼データ200や入金依頼データ300を生成する。表示部25は、出金操作や入金操作を利用者に案内するための画面を表示する。
【0012】
ATMサーバ3は、送受信部31を備えて構成されている。送受信部31は、ATM2から送信される出金依頼データ200又は入金依頼データ300を、そのデータに示される「銀行コード」に対応する銀行サーバ4へ送信する。また、送受信部31は、銀行サーバ4から送信される出金許可データ210又は入金許可データ310を、出金依頼データ200又は入金依頼データ300を送信したATM2へ送信する。
【0013】
各銀行サーバ4は、それぞれ、送受信部41と、記憶部42と、残高更新部43と、データ生成部44とを備えて構成されている。送受信部41は、出金依頼データ200又は入金依頼データ300を受信するとともに、出金許可データ210又は入金許可データ310を送信する。記憶部42は、口座毎に残高などを記憶している。残高更新部43は、出金依頼データ200に示される「出金金額」に基づいて、出金依頼データ200に示される「口座情報」に対応する残高を更新するとともに、入金依頼データ300に示される「入金金額」に基づいて、入金依頼データ300に示される「口座情報」に対応する残高を更新する。データ生成部44は、残高の更新が完了すると、出金許可データ210や入金許可データ310を生成する。
【0014】
図2(a)は、A銀行カード7に記憶される口座情報のデータ構成の一例を示す図であり、図2(b)は、B銀行カード7に記憶される口座情報のデータ構成の一例を示す図である。
【0015】
図2(a)に示すデータ構成110では、銀行コード111の項目に格納される「銀行コード」として「0001」が示され、支店コード112の項目に格納される「支店コード」として「001」が示され、口座番号113の項目に格納される「口座番号」として「00000001」が示され、科目114の項目に格納される「科目」として「01」が示されている。また、図2(b)のデータ構成120では、銀行コード121の項目に格納される「銀行コード」として「0003」が示され、支店コード122の項目に格納される「支店コード」として「003」が示され、口座番号123の項目に格納される「口座番号」として「00000003」が示され、科目124の項目に格納される「科目」として「03」が示されている。
【0016】
図2(c)は、ATM2の記憶部22に記憶される銀行データテーブルの一例を示す図である。
図2(c)に示す銀行データテーブル130は、銀行コード131、銀行名132、手数料(円)133、出金可能フラグ134、及び入金可能フラグ135の各項目からなるデータレコード(1)〜データレコード(N)により構成される。図2(c)に示す銀行データテーブル130では、例えば、データレコード(1)の銀行コード131の項目に格納される「銀行コード」として「0001」が示され、データレコード(1)の銀行名132の項目に格納される「銀行名」として「A銀行」が示され、データレコード(1)の手数料(円)133の項目に格納される「手数料」として「0」が示され、データレコード(1)の出金可能フラグ134の項目に格納されるフラグ(可否状態データ)として「可」が示され、データレコード(1)の入金可能フラグ135の項目に格納されるフラグ(可否状態データ)として「可」が示されている。また、例えば、データレコード(4)の銀行コード131の項目に格納される「銀行コード」として「0004」が示され、データレコード(4)の銀行名132の項目に格納される「銀行名」として「Z銀行」が示され、データレコード(4)の手数料(円)133の項目に格納される「手数料」として「210」が示され、データレコード(4)の出金可能フラグ134の項目に格納されるフラグとして「不可」が示され、データレコード(4)の入金可能フラグ135の項目に格納されるフラグとして「不可」が示されている。なお、ATM2は、出金可能フラグ134又は入金可能フラグ135に格納されるフラグを、各銀行における入出金可能時間に基づいて判断してもよい。
【0017】
図2(d)は、ATM2が出金許可データ210を受信した後、ATM2の記憶部22に記憶されるデータ構成の一例を示す図である。
図2(d)に示すデータ構成140では、銀行コード141の項目に格納される「銀行コード」として「0001」が示され、銀行名142の項目に格納される「銀行名」として「A銀行」が示され、出金金額(円)143の項目に格納される「出金金額」として「10,000」が示されている。
【0018】
図2(e)は、A銀行サーバ4の記憶部42に記憶される原簿データテーブルの一例を示す図であり、図2(f)は、B銀行サーバ4の記憶部42に記憶される原簿データテーブルの一例を示す図である。
【0019】
図2(e)又は図2(f)に示すように、各銀行サーバ4の記憶部42に記憶される原簿データテーブルは、支店コード、口座番号、科目、残高(円)、及び暗証番号の各項目からなるデータレコード(1)〜データレコード(N)により構成される。図2(e)に示す原簿データテーブル150では、例えば、データレコード(1)の支店コード151の項目に格納される「支店コード」として「001」が示され、データレコード(1)の口座番号152の項目に格納される「口座番号」として「00000001」が示され、データレコード(1)の科目153の項目に格納される「科目」として「01」が示され、データレコード(1)の残高(円)154の項目に格納される「残高」として「1,000,000」が示され、データレコード(1)の暗証番号155の項目に格納される「暗証番号」として「1000」が示されている。また、図2(f)に示す原簿データテーブル160では、例えば、データレコード(1)の支店コード161の項目に格納される「支店コード」として「003」が示され、データレコード(1)の口座番号162の項目に格納される「口座番号」として「00000003」が示され、データレコード(1)の科目163の項目に格納される「科目」として「03」が示され、データレコード(1)の残高(円)164の項目に格納される「残高」として「3,000,000」が示され、データレコード(1)の暗証番号165の項目に格納される「暗証番号」として「3000」が示されている。
【0020】
図3(a)は、出金依頼データ200の一例を示す図である。
図3(a)に示す出金依頼データ200では、依頼内容201の項目に格納される「依頼内容」として「出金」が示され、銀行コード202の項目に格納される「銀行コード」として「0001」が示され、支店コード203の項目に格納される「支店コード」として「001」が示され、口座番号204の項目に格納される「口座番号」として「00000001」が示され、科目205の項目に格納される「科目」として「01」が示され、出金金額(円)206の項目に格納される「出金金額」として「10,000」が示され、暗証番号207の項目に格納される「暗証番号」として「1000」が示されている。
【0021】
図3(b)は、出金許可データ210の一例を示す図である。
図3(b)に示す出金許可データ210では、依頼内容211の項目に格納される「依頼内容」として「出金」が示され、銀行コード212の項目に格納される「銀行コード」として「0001」が示され、支店コード213の項目に格納される「支店コード」として「001」が示され、口座番号214の項目に格納される「口座番号」として「00000001」が示され、科目215の項目に格納される「科目」として「01」が示され、出金金額(円)216の項目に格納される「出金金額」として「10,000」が示され、残高(円)217の項目に格納される「残高」として「990,000」が示されている。
【0022】
図3(c)は、入金依頼データ300の一例を示す図である。
図3(c)に示す入金依頼データ300では、依頼内容301の項目に格納される「依頼内容」として「入金」が示され、銀行コード302の項目に格納される「銀行コード」として「0003」が示され、支店コード303の項目に格納される「支店コード」として「003」が示され、口座番号304の項目に格納される「口座番号」として「00000003」が示され、科目305の項目に格納される「科目」として「03」が示され、入金金額(円)306の項目に格納される「入金金額」として「10,000」が示されている。
【0023】
図3(d)は、入金許可データ310の一例を示す図である。
図3(d)に示す入金許可データ310では、依頼内容311の項目に格納される「依頼内容」として「入金」が示され、銀行コード312の項目に格納される「銀行コード」として「0003」が示され、支店コード313の項目に格納される「支店コード」として「003」が示され、口座番号314の項目に格納される「口座番号」として「00000003」が示され、科目315の項目に格納される「科目」として「03」が示され、入金金額(円)316の項目に格納される「入金金額」として「10,000」が示され、残高(円)317の項目に格納される「残高」として「3,010,000」が示されている。
【0024】
次に、利用者がATM2にてA銀行の自口座からB銀行の自口座へ貨幣を移動させる場合のATM2、ATMサーバ3、A銀行サーバ4、及びB銀行サーバ4のそれぞれの動作について説明する。
【0025】
図4〜図6は、そのときのATM2、ATMサーバ3、A銀行サーバ4、及びB銀行サーバ4のそれぞれの動作を説明するためのフローチャートである。また、図7及び図8は、ATM2の表示部25に表示される画面の一例を示す図である。
【0026】
まず、ATM2は、利用者により取引開始キーが選択されるなどして取り引きが開始されたと判断すると(S1がYes)、図7(a)に示すような取引開始画面を表示部25に表示する(S2)。
【0027】
次に、ATM2は、データ読取部23に銀行カード7が挿入されたと判断すると(S3がYes)、図7(b)に示すような手数料確認画面を表示部25に表示する(S4)。なお、このとき、ATM2は、銀行データテーブル130のデータレコード(1)〜データレコード(N)の中から、挿入された銀行カード7に示される「銀行コード」と一致する「銀行コード」が示されるデータレコードを検索し、その検索したデータレコードの手数料(円)133の項目に格納されている「手数料」を手数料確認画面に示す。また、手数料確認画面には、「確認」キー70が設けられているものとする。
【0028】
次に、ATM2は、利用者により「確認」キー70が選択されたと判断すると(S5がYes)、図7(c)に示すような取引選択画面を表示部25に表示する(S6)。なお、取引選択画面には、「お引出し」キー71、「ご入金」キー72、及び「残高照会」キー73が設けられているものとする。
【0029】
次に、ATM2は、利用者により「お引出し」キー71が選択され、かつ、S4で検索したデータレコードの出金可能フラグ134の項目に格納されているフラグが「可」であると判断すると(S7がYes)、利用者に「暗証番号」を入力させるための図7(d)に示すような暗証番号入力画面を表示部25に表示する(S8)。
【0030】
次に、ATM2は、利用者により「暗証番号」が入力されたと判断すると(S9がYes)、利用者にお引出し金額を入力させるための図7(e)に示すようなお引出し金額入力画面を表示部25に表示する(S10)。
【0031】
次に、ATM2は、利用者により「お引出し金額」が入力されたと判断すると(S11がYes)、図7(f)に示すようなお引出し金額確認画面を表示部25に表示する(S12)。なお、お引出し金額確認画面には、「確認」キー74が設けられているものとする。
【0032】
次に、ATM2は、利用者により「確認」キー74が選択されたと判断すると(S13がYes)、図7(g)に示すようなお引出し処理中画面を表示部25に表示するとともに、出金依頼データ200をATMサーバ3へ送信する(S14)。このとき、例えば、ATM2のデータ生成部24は、挿入された銀行カード7に記憶される口座情報より「銀行コード」、「支店コード」、「口座番号」及び「科目」を出金依頼データ200の銀行コード202、支店コード203、口座番号204及び科目205の各項目にそれぞれ格納するとともに、S10で入力された「お引出し金額」及びS8で入力された「暗証番号」を出金依頼データ200の出金金額(円)206及び暗証番号207の各項目にそれぞれ格納して出金依頼データ200を生成する。
【0033】
次に、ATMサーバ3は、出金依頼データ200を受信すると(S15がYes)、その出金依頼データ200の銀行コード202に格納される「銀行コード」に対応する銀行サーバ4へ出金依頼データ200を送信する(S16)。図4〜図6に示すフローチャートでは、ATMサーバ3からA銀行サーバ4へ出金依頼データ200が送信されている。
【0034】
次に、出金依頼データ200を受信した銀行サーバ4(S17がYes)は、残高更新部43において、出金依頼データ200の支店コード203、口座番号204及び科目205の項目に格納されている「支店コード」、「口座番号」及び「科目」に対応する「残高」から出金依頼データ200の出金金額(円)206の項目に格納されている「出金金額」を減算する(S18)。なお、このとき、銀行サーバ4は、「暗証番号」が正しいか否かの判断を行う。例えば、銀行サーバ4は、原簿データテーブル150のデータレコード(1)〜データレコード(N)の中から、出金依頼データ200の支店コード203、口座番号204及び科目205の項目に格納される「支店コード」、「口座番号」及び「科目」と一致する「支店コード」、「口座番号」及び「科目」が格納されるデータレコードを検索し、その検索したデータレコードの暗証番号155の項目に格納される「暗証番号」と出金依頼データ200の暗証番号207の項目に格納される「暗証番号」とが一致するか否かにより、「暗証番号」が正しいか否かの判断を行うようにしてもよい。
【0035】
次に、銀行サーバ4は、データ生成部44において、出金依頼データ200の銀行コード202、支店コード203、口座番号204、科目205及び出金金額(円)206の各項目に格納されている「銀行コード」、「支店コード」、「口座番号」、「科目」、及び「出金金額」を出金許可データ210の銀行コード212、支店コード213、口座番号214、科目215及び出金金額(円)216の各項目にそれぞれ格納するとともに、更新した「残高」を出金許可データ210の残高(円)217の項目に格納して出金許可データ210を生成し、その生成した出金許可データ210をATMサーバ3へ送信する(S19)。
【0036】
次に、ATMサーバ3は、出金許可データ210を受信すると(S20がYes)、その出金許可データ210を、出金依頼データ200を送信したATM2へ送信する(S21)。
【0037】
次に、ATM2は、出金許可データ210を受信すると(S22がYes)、出金許可データ210の出金金額(円)216の項目に格納されている「出金金額」を、記憶部22に記憶されるデータ構成140の出金金額(円)143の項目に格納し(S23)、図7(h)に示すような処理選択画面を表示部25に表示する。なお、データ構成140の銀行コード141及び銀行名142の各項目には、S4で検索したデータレコードの銀行コード131及び銀行名132の各項目に格納されている「銀行コード」及び「銀行名」が格納されるものとする。また、処理選択画面には、「現金で受け取る」キー75及び「他の銀行へ入金する」キー76が設けられているものとする。
【0038】
次に、ATM2は、利用者により「他の銀行へ入金する」キー76が選択されたと判断すると(S24がYes)、図8(a)に示すような画面を表示部25に表示し(S25)、データ読取部23に挿入されている銀行カード7を排出するとともに、利用者により入金したい銀行の銀行カード7をデータ読取部23に挿入させるための図8(b)に示すような画面を表示部25に表示する(S26)。
【0039】
次に、ATM2は、データ読取部23に銀行カード7が挿入されたと判断し(S27がYes)、かつ、その挿入された銀行カード7の銀行において入金手続ができないと判断すると(S28がNo)、図8(c)に示すような画面を表示部25に表示し(S29)、データ読取部23に挿入されている銀行カード7を排出する(S30)。なお、ATM2は、S4で検索したデータレコードの入金可能フラグ135の項目に格納されているフラグが「可」であるとき、入金手続ができると判断し、フラグが「不可」のとき、入金手続ができないと判断するものとする。
【0040】
次に、ATM2は、図8(d)に示すような画面を表示部25に表示し(S31)、現金を払い出した後(S32)、図8(e)に示すような画面を表示部25に表示し(S33)、終了する。
【0041】
一方、データ読取部23に銀行カード7が挿入されたと判断し(S27がYes)、かつ、その挿入された銀行カード7の銀行において入金手続ができると判断すると(S28がYes)、ATM2は、図8(f)に示すような入金選択画面を表示部25に表示する(S34)。なお、このとき、ATM2は、銀行データテーブル130のデータレコード(1)〜データレコード(N)の中から、挿入された銀行カード7に示される「銀行コード」と一致する「銀行コード」が示されるデータレコードを検索し、その検索したデータレコードの手数料(円)133の項目に格納されている「手数料」を入金選択画面に示す。また、入金選択画面には、「現金で受け取る」キー77及び「入金する」キー78が設けられているものとする。
【0042】
次に、ATM2は、利用者により「入金する」キー78が選択されなかったと判断すると、すなわち、利用者により「現金で受け取る」キー77が選択されたと判断すると(S35がNo)、S29〜S33を行う。
【0043】
一方、利用者により「入金する」キー78が選択されたと判断すると(S35がYes)、ATM2は、図8(g)に示すような入金処理中画面を表示部25に表示するとともに、入金依頼データ300をATMサーバ3へ送信する(S36)。このとき、例えば、ATM2のデータ生成部24は、挿入された銀行カード7に記憶される口座情報より「銀行コード」、「支店コード」、「口座番号」及び「科目」を入金依頼データ300の銀行コード302、支店コード303、口座番号304及び科目305の各項目にそれぞれ格納するとともに、記憶部22に記憶されているデータ構成140の出金金額(円)143の項目に格納されている「出金金額」を入金依頼データ300の入金金額(円)306の項目に格納して入金依頼データ300を生成する。
【0044】
次に、ATMサーバ3は、入金依頼データ300を受信すると(S37がYes)、その入金依頼データ300の銀行コード302に格納される「銀行コード」に対応する銀行サーバ4へ入金依頼データ300を送信する(S38)。図4〜図6に示すフローチャートでは、ATMサーバ3からB銀行サーバ4へ入金依頼データ300が送信されている。
【0045】
次に、入金依頼データ300を受信した銀行サーバ4(S39がYes)は、残高更新部43において、入金依頼データ300の支店コード303、口座番号304、及び科目305の項目に格納されている「支店コード」、「口座番号」及び「科目」に対応する「残高」に入金依頼データ300の入金金額(円)306の項目に格納されている「入金金額」を加算する(S40)。
【0046】
次に、銀行サーバ4は、データ生成部44において、入金依頼データ300の銀行コード302、支店コード303、口座番号304、科目305、及び入金金額(円)306の各項目に格納されている「銀行コード」、「支店コード」、「口座番号」、「科目」及び「入金金額」を入金許可データ310の銀行コード312、支店コード313、口座番号314、科目315、及び入金金額(円)316の各項目にそれぞれ格納するとともに、更新した「残高」を入金許可データ310の残高(円)317の項目に格納して入金許可データ310を生成し、その生成した入金許可データ310をATMサーバ3へ送信する(S41)。
【0047】
次に、ATMサーバ3は、入金許可データ310を受信すると(S42がYes)、その入金許可データ310を、入金依頼データ300を送信したATM2へ送信する(S43)。
【0048】
次に、ATM2は、入金許可データ310を受信すると(S44がYes)、図8(h)に示すように、入金処理が完了した旨のメッセージが示される画面を表示部25に表示し(S45)、データ読取部23に挿入されている銀行カード7を排出し(S46)、図8(e)に示すような画面を表示部25に表示し(S47)、終了する。
【0049】
このように、本実施形態の自動入出金システム1は、A銀行からの出金金額をATM2の記憶部22に一旦記憶しておき、その記憶した出金金額を使用してB銀行への入金処理を行う構成であるため、利用者が貨幣を保持する必要がない。これにより、ある銀行から他の銀行へ貨幣を移動させる場合に、利用者の貨幣保持により発生するリスクを無くすことができる。
【0050】
また、本実施形態の自動入出金システム1は、ある銀行から他の銀行へ貨幣を移動させる場合に、振り込みを行わないため、利用者が振り込み手数料を支払わなくてよい。
また、本実施形態の自動入出金システム1は、ある銀行から他の銀行へ貨幣を移動させる場合に、ATM2からの現金の払い出しが低減されるため、ATM2の現金計数の処理回数を抑えることができる。
【0051】
また、本実施形態の自動入出金システム1は、利用者による現金での入出金操作がなくなるため、その分利用者の手間が低減される。また、その分ATM2の利用時間が短縮される。
【符号の説明】
【0052】
1 自動入出金システム
2 ATM
3 ATMサーバ
4 銀行サーバ
5 ATMネットワーク
6 提携ネットワーク
7 銀行カード
21 送受信部
22 記憶部
23 データ読取部
24 データ生成部
25 表示部
31 送受信部
41 送受信部
42 記憶部
43 残高更新部
44 データ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動入出金装置と、自動入出金サーバと、第1の銀行における口座毎の残高を管理する第1の銀行サーバ及び第2の銀行における口座毎の残高を管理する第2の銀行サーバとが互いにデータを送受信する自動入出金システムであって、
前記自動入出金装置は、
前記第1の銀行に対応する第1の銀行カード又は前記第2の銀行に対応する第2の銀行カードに記憶される口座情報を読み取るデータ読取手段と、
出金依頼データ及び入金依頼データを送信するとともに、出金許可データを受信する第1の送受信手段と、
前記出金許可データを受信すると、前記出金許可データに示される金額を記憶する記憶手段と、
前記データ読取手段により前記第1の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られると、その口座情報及び利用者により入力される金額が示される前記出金依頼データを生成するとともに、前記データ読取手段により前記第2の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られると、その口座情報及び前記記憶手段に記憶される金額が示される前記入金依頼データを生成する第1のデータ生成手段と、
を備え、
前記自動入出金サーバは、前記自動入出金装置から送信される前記出金依頼データを前記第1の銀行サーバへ送信し、前記自動入出金装置から送信される前記入金依頼データを前記第2の銀行サーバに送信し、前記第1の銀行サーバから送信される前記出金許可データを前記自動入出金装置に送信する第2の送受信手段を備え、
前記第1の銀行サーバは、
前記出金依頼データを受信するとともに、前記出金許可データを送信する第3の送受信手段と、
前記出金依頼データを受信すると、前記出金依頼データに示される金額に基づいて、前記出金依頼データに示される口座情報に対応する残高を更新する第1の残高更新手段と、
前記第1の残高更新手段の更新処理が完了すると、前記出金依頼データの金額が示される前記出金許可データを生成する第2のデータ生成手段と、
を備え、
前記第2の銀行サーバは、
前記入金依頼データを受信する第4の送受信手段と、
前記入金依頼データを受信すると、前記入金依頼データに示される金額に基づいて、前記入金依頼データに示される口座情報に対応する残高を更新する第2の残高更新手段と、
を備える自動入出金システム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動入出金システムであって、
前記第1のデータ生成手段は、前記データ読取手段により前記第1の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られ、前記第1の銀行において出金手続ができると判断すると、その口座情報及び利用者により入力される金額が示される前記出金依頼データを生成するとともに、前記データ読取手段により前記第2の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られ、前記第2の銀行において入金手続ができると判断すると、その口座情報及び前記記憶手段に記憶される金額が示される前記入金依頼データを生成する
ことを特徴とする自動入出金システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の自動入出金システムであって、
前記自動入出金装置は、前記第1の送受信手段が入金許可データを受信すると、入金処理が完了した旨のメッセージを表示する表示手段を備え、
前記第2の銀行サーバは、前記第2の残高更新手段の更新処理が完了すると、前記入金許可データを生成する第3のデータ生成手段を備え、
前記第4の送受信手段は、前記入金許可データを送信し、
前記第2の送受信手段は、前記第2の銀行サーバから送信される前記入金許可データを前記自動入出金装置に送信する
ことを特徴とする自動入出金システム。
【請求項4】
第1の銀行における口座毎の残高を管理する第1の銀行サーバ及び第2の銀行における口座毎の残高を管理する第2の銀行サーバと自動入出金サーバを介して互いにデータを送受信する自動入出金装置であって、
前記第1の銀行に対応する第1の銀行カード又は前記第2の銀行に対応する第2の銀行カードに記憶される口座情報を読み取るデータ読取手段と、
出金依頼データを前記第1の銀行サーバへ、入金依頼データを前記第2の銀行サーバへそれぞれ送信するとともに、前記出金依頼データに示される金額に基づいて前記出金依頼データに示される口座情報に対応する残高が更新された後に生成され、かつ、前記出金依頼データに示される金額が示される前記出金許可データを前記第2の銀行サーバから受信する送受信手段と、
前記出金許可データを受信すると、前記出金許可データに示される金額を記憶する記憶手段と、
前記データ読取手段により前記第1の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られると、その口座情報及び利用者により入力される金額が示される前記出金依頼データを生成するとともに、前記データ読取手段により前記第2の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られると、その口座情報及び前記記憶手段に記憶される金額が示される前記入金依頼データを生成するデータ生成手段と、
を備える自動入出金装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動入出金装置であって、
前記データ生成手段は、前記データ読取手段により前記第1の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られ、前記第1の銀行において出金手続ができると判断すると、その口座情報及び利用者により入力される金額が示される前記出金依頼データを生成するとともに、前記データ読取手段により前記第2の銀行カードに記憶される口座情報が読み取られ、前記第2の銀行において入金手続ができると判断すると、その口座情報及び前記記憶手段に記憶される金額が示される前記入金依頼データを生成する
ことを特徴とする自動入出金装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の自動入出金装置であって、
前記送受信手段が入金許可データを受信すると、入金処理が完了した旨のメッセージを表示する表示手段を備え、
前記第2の銀行サーバは、前記入金許可データに示される口座情報に対応する残高の更新処理が完了すると、前記入金許可データを生成し、その生成した前記入金許可データを前記自動入出金装置へ送信する
ことを特徴とする自動入出金装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−180774(P2011−180774A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43303(P2010−43303)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】