説明

自動分析装置

【課題】制御や構造を大幅に複雑化させることなく、音波照射位置を変更でき、効率的な攪拌を行うことが可能な自動分析装置を実現する。
【解決手段】攪拌機構112は、上下に移動可能な軸に取り付けられている。攪拌機構112は、音源207を備え、音源207は超音波202を発する。超音波202が検体107に試薬111を添加された反応液203の液面付近に照射されると、気液界面に働く音響放射圧の作用で液面が傾き、反応液203中に気泡204を巻き込みながら旋回流205が発生する。上記の音響放射圧は、旋回流205中の気泡204にもその作用が働くので、気泡204に対して超音波202が照射されることにより、反応液203の攪拌は更に促進される。超音波202の強度や周波数、照射位置は制御部206により制御され、音源207の駆動はドライバ208により行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置に係わり、特に超音波発生源を音源とし、超音波による振動、音響流動、音響放射圧等を利用して試薬等と検体との攪拌を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置の攪拌部では、反応容器中に直接ヘラ状の攪拌棒等を入れ、回転または、往復運動させることにより検体と試薬等との混合、攪拌を行う方法が一般的であった。
【0003】
しかし、攪拌棒を用いて攪拌を行う場合、攪拌棒に付着した試薬または検体が、キャリーオーバーにより他の分析結果に影響を与える可能性がある。このため、充分な洗浄が必要であり、多量の水を消費することになる。そこで、特許文献1に記載されているような非接触攪拌を実現する超音波攪拌が提案されている。
【0004】
超音波を用いた攪拌は、キャリーオーバーの問題が生じないメリットをもつ一方、被攪拌物への照射条件の調整が難しく、照射条件を調整するための各種方法が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2には、発生した超音波の強度を測定するセンサを設置し、センサ出力に応じて超音波発生源の発生する周波数を変化させることにより、一定の強度の超音波出力が得られるようにして、常に均一な攪拌が実行できるような技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−035715号公報
【特許文献2】特開2001−124784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動分析装置の攪拌部において超音波攪拌を用いる場合、非接触攪拌を実現できることから、キャリーオーバーが発生しない、攪拌棒洗浄水が不要であるといった点から分析の信頼性向上、ランニングコストの低減に利点がある。
【0008】
しかし、特にディスク状の反応テーブルに多くの反応容器を備える自動分析装置においては、各反応容器に直接音源を取り付けることができず、音波を間接的に導入することになる。音波を間接的に導入する場合に、良好な攪拌状態を得るには、気液界面の音響インピーダンス差により作用する音響放射圧を利用した攪拌方式が優れている。
【0009】
この音響放射圧を利用する場合、分析項目により反応液量が異なるため、気液界面の高さは一定ではなく、液量に応じて音波照射位置を変更する必要がある。音波照射位置を変更するには、反応容器の架設高さを変える、音源をアレイ状に複数配置し、駆動する音源を選択する等の手段が考えられる。
【0010】
反応容器の高さを制御するには、反応テーブルの上下を伴う場合、他の機構との干渉が生じるので制御が煩雑になる。
【0011】
特定の反応容器の高さを変える構成とする場合でも、特定容器を独立して上下させるための可動部が必要となり、構造が複雑化する。
【0012】
また、音源として圧電素子を用いる場合、簡単に照射位置を変更するには複数の音源をアレイ状に配置する方法が適しているが、使用する圧電素子により電極構造に制限が生じ、システムによっては充分な分解能が得られなくなる。また、超音波攪拌を実現するような大電力の通電箇所を駆動する音源位置に応じて切り替えるには、寿命は長いが安全上絶縁が不充分となる半導体スイッチを使用することができない。このため、比較的に短寿命品である機械接点を使用しなければならず、攪拌中に頻繁に照射高さを変更したい場合には適していない。
【0013】
本発明の目的は、制御や構造を大幅に複雑化させることなく、超音波照射位置を変更でき、効率的な攪拌を行うことが可能な自動分析装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、音源から発生される超音波により試薬等と披検液体とを攪拌する攪拌部と、被検液体の成分分析を行う分析部と、攪拌部の動作を制御する制御部を有する自動分析装置において、攪拌部は、上記音源が、前後・左右・上下に移動可能であり、且つ回動可能な機構を有し、制御部は、攪拌部を制御し、上記音源の位置と角度、音波強度、及び、音源駆動周波数を変更する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、制御や構造を大幅に複雑化することなく、超音波照射位置を変更できる。
【0016】
更に、音源を上下・左右に移動することにより、可動範囲を大きくすれば、装置上の複数箇所にて攪拌動作を実施する場合や、反応容器の洗浄を行う場合に、同一音源を共用し、攪拌や洗浄を実施することができるため、攪拌機構の数を減らせ、コストを削減できる。
【0017】
また、音源インピーダンスを測定する音源測定部を付加することにより、音源の状態、音波照射対象の位置ずれ、反応液量、気泡の有無等の情報を知ることができ、音波照射可否の判定、警告表示及び音源の位置・角度、アレイ電極の選択、音波強度、駆動周波数の制御等が可能になり、効率的な攪拌が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
本発明の第1の実施形態を図1,図2により説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態による自動分析装置の概略構成図である。
【0021】
図1において、自動分析装置は、検体格納部101と、試薬格納部102と、反応部103と、攪拌部104と、分析部105と、洗浄部106とを備え、電子回路や記憶装置により構成される制御部(後述する)により各部の詳細な動作が制御される。
【0022】
試験管等の検体容器に入れられ、検体格納部101に格納される被検液体107は、分析に使用される必要量を検体分注機構108により分取され、反応部103で一定温度に保たれた恒温媒体に満たされた反応容器109に吐出される。反応容器109に吐出された検体107には、試薬分注機構110により分析に必要な量の試薬111が分取添加される。
【0023】
検体107と、試薬111とは、攪拌部104に設けられた攪拌機構112により充分に混合攪拌され、分析部105において成分分析が行われる。分析終了後の反応容器109は、洗浄部106により洗浄が実施され、再び他の分析対象の分析に備える。
【0024】
ここで、攪拌機構112は、超音波による振動、音響流動、音響放射圧等を利用して、検体107と試薬111の攪拌を非接触で実現する機構であり、音源207が前後・左右・上下に移動可能である。また、音源207は、各々の軸に対する角度を制御可能、つまり回動可能としたものであり、攪拌動作中を含め音波照射位置や音波強度、駆動周波数等が制御可能である。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施形態による自動分析装置の上下動作可能な攪拌機構112の概略構成図である。
【0026】
図2において、攪拌機構112は、前後左右上下に移動可能な軸に取り付けられており、各軸に対して移動できるようにモータ201と接続されている。
【0027】
攪拌機構112は、音源207を備えており、音源207は超音波202を発する。超音波202が検体107に試薬111を添加された反応液203の液面付近に照射されると、気液界面に働く音響放射圧の作用で液面が傾き、反応液203中に気泡204を巻き込みながら旋回流205が発生する。
【0028】
上記の音響放射圧は、旋回流205中の気泡204にもその作用が働くので、気泡204に対して超音波202が照射されることにより、反応液203の攪拌は更に促進される。超音波202の強度や周波数、照射位置は制御部206により制御され、音源207の駆動はドライバ208により行われる。
【0029】
ここで、効率的な攪拌の実施について説明する。超音波202の照射を反応容器109の持つ固有振動数の倍の周波数で超音波の照射のON/OFFあるいは強弱を繰り返すことにより効率的な攪拌を実現することができる。また、超音波の照射のON/OFFや強弱変化を行わずに同様の効果をもたらすためには、気液界面への音波照射と、界面以外への音波照射を繰り返せばよく、実現手段として攪拌実施中に攪拌機構112を液面付近で上下させればよい。さらに、音波照射のON/OFFや強弱変化を組み合わせることにより、更に攪拌効率の向上が期待できる。
【0030】
また、上記の方法では、旋回流205の向きは一定となるが、気泡204の移動する時間に合わせて音波照射位置を追従させれば、逆方向旋回流209を誘起することができ、乱流による攪拌効率向上が期待できる。
【0031】
ここで、攪拌機構112を上下移動可能とすることの利点としては、以下の二点が挙げられる。
【0032】
一点目は、分析項目によって異なる反応液量に対して気液界面の高さも変化することから、液量に応じて音波照射位置を変更する必要が生じるため、複数の音源207をアレイ状に配置するか、同一の音源207に複数の電極を作製する等の手段が考えられる。例えば、厚み方向の振動を利用する音源207を使用する場合、音源207の厚み以下の電極寸法にすると、厚み方向以外の振動成分が大きくなるため、期待する音波強度が得られなくなる。このため、電極構造に制限が生じ、システムによっては充分な分解能が得られなくなる。これに対して、攪拌機構112を上下移動可能とすれば、音源207の電極依存による分解能の制限を受けずに自由に音波照射位置を変更し、システムにあった音波照射位置の分解能を得ることができる。
【0033】
二点目は、逆方向旋回流209を期待する制御をアレイ電極音源で実現しようとした場合、超音波攪拌を実現するような大電力の通電箇所を切り替えるには安全上絶縁が不充分な半導体スイッチを使用することができない。したがって、短寿命品である機械接点素子を使用しなければならない。しかし、攪拌中に頻繁に照射高さを変更したい場合には頻繁にスイッチング動作を行う必要があり、機械接点素子は、適していない。
【0034】
これに対して、攪拌機構112が上下移動可能な場合には、上記状況においても音波照射位置の変更にアレイ電極の切り替えを伴わないので、上述のような問題が生じない。
【0035】
次に、本発明の第2の実施形態を図3により説明する。
【0036】
図3は、本発明の第2の実施形態による自動分析装置における音波照射角度が変更可能な攪拌機構の概略説明図である。
【0037】
本発明の第1の実施形態による自動分析装置においては、攪拌機構112を上下移動可能な構成を示したが、本発明の第2の実施形態による自動分析装置は、音波照射角度を変更する例である。つまり、図3の(A),(B)に示すように、反応液203の気液界面への音波照射と界面以外への音波照射を実施する手段として、攪拌実施中に攪拌機構112を上下方向に傾ける機構を備えることにより、音波照射位置を液面付近で上下させる本発明の第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0038】
次に、本発明の第3の実施形態を図4により説明する。
【0039】
図4は、本発明の第3の実施形態における複数の攪拌ポジションで同一音源を共用する場合の説明図である。
【0040】
図4において、本発明の第3の実施形態による自動分析装置は、反応部103に設置された攪拌部104の構造を、攪拌機構112が左右にスライド可能とすることにより、複数の攪拌ポジションで共通の攪拌機構112を共用できる構造としている。
【0041】
例えば、3種類の試薬を添加して反応させる分析項目の場合、分析における攪拌シーケンスを複数箇所で同時に攪拌を行わないようにすれば、検体107が吐出された反応容器109に第一試薬を添加した場合、攪拌機構112を第一試薬攪拌ポジション401に移動させ、超音波202を照射して攪拌を実施し、第二試薬を添加した場合は、第二試薬攪拌ポジション402、第三試薬を添加した場合は第三試薬攪拌ポジション403に、それぞれ攪拌機構112を移動させて攪拌を実施すればよい。
【0042】
このように攪拌機構112が左右にスライドできる構造とすると、反応容器109が移動している場合にも反応容器109の移動に追従して攪拌機構112を移動させて攪拌を行うことにより、攪拌のために反応容器109の移動を停止させる時間を節約することができ、スループットを向上させることができる。
【0043】
更に、攪拌機構112を左右方向に傾ける機構を備えた場合には、音波照射時間を更に長くすることができる。
【0044】
また、反応容器109の洗浄を行う場合にも、超音波202の影響による洗浄効果と容器内洗浄液に旋回流を与えることによる洗浄効果向上が期待できるため、洗浄液が満たされている反応容器109が、分析シーケンス上停止する箇所となる洗浄用攪拌ポジション404まで攪拌機構112を移動させて超音波202を照射することができる。
【0045】
次に、本発明の第4の実施形態を図5により説明する。
【0046】
図5は、本発明の第4の実施形態による自動分析装置におけるアレイ音源による上下動作可能な攪拌機構112の概略構成図である。この図5の例は、図2に示した例に音源207上に、複数の電極をアレイ状に配置している。
【0047】
図5において、音源207上に複数の電極をアレイ状に配置した場合、音源電極選択手段501によりアレイ状に配置された複数の電極の中から、音波を照射したい位置に配置されている電極を選択することにより、モータ201による可動領域を大きくとらずに超音波202の照射位置を変更することが可能となる。
【0048】
気泡204の移動がモータ201による攪拌機構112の上下移動以上に速い場合においても、接点切り替え時間が長い機械接点素子を使用した場合でも数ミリ秒程度で音波照射位置を変更することができる。
【0049】
本方式によれば、音波照射位置を断続的に上下させることで、旋回流205と逆方向旋回流209を交互に発生させ、図2の方式以上に強い乱流を誘起することが可能となる。
【0050】
ここで、機械接点素子は音波照射位置を上下動させ、旋回流等を発生させるために用いるものではないため、頻繁なスイッチング動作を伴うことはない。
【0051】
また、機械接点素子を音源電極選択手段501として使用する場合には、その寿命を考慮して、接点切り替え時に一時的に音波照射を止めて活線状態での接点切り替えを行わない等の制御を実施することもできる。
【0052】
次に、本発明の第5の実施形態を図6により説明する。
【0053】
図6は、本発明の第5の実施形態における自動分析装置のインピーダンス測定機能の説明図である。
【0054】
図6の(A)において、超音波202は、音響インピーダンスの差が大きい部分で反射される特性があるため、音源207として圧電素子を使用した場合には、音波照射経路にある構造物により超音波202が反射され、圧電素子に反射超音波による圧力が加わることにより起電力を生じる。ここで、圧電素子を定電圧駆動している場合には、上記反射超音波による起電力により、圧電素子への流入電流が変化するため、電気的インピーダンスも変化することになる。
【0055】
反応容器109は、有機化合物やガラスにより構成されるが、それ以上に空気と水は音響インピーダンスの差が大きいため、反応容器109内の反応液203の液面より上に位置する音源電極X602と、反応液203の液面より下に位置する音源電極Y604では、超音波202の反射によりインピーダンスに差が生じる。
【0056】
上記の特性を利用し、モータ201で音源207を上下させ、インピーダンス測定手段601において音源207の電極インピーダンスを測定することにより、反応液203の液面位置を推定することができる。この場合、音源207をアレイ電極で構成した場合には、音源電極選択手段501により、測定したい電極の選択を行い、インピーダンス測定手段601により電極インピーダンスの測定を行ってもよい。
【0057】
インピーダンス測定においては、インピーダンス測定手段601の測定感度が高ければ、微弱な超音波202の照射で充分であり、駆動周波数と音波強度を変えられるドライバ208を使用していれば、インピーダンス測定に特化した別のドライバを準備する必要はない。制御部206で微弱な音波強度で周波数を変えながら定電圧駆動するように制御することによって、インピーダンスの周波数特性を得ることができる。
【0058】
インピーダンスの周波数特性で見ると、音源と音波反射物が近い場合には周波数の低い大きなインピーダンス変化が観測され、遠い場合には周波数の高い細かいインピーダンス変化が得られる。
【0059】
例えば、反応容器109に正対し、反応液203の液面より高い位置にある音源電極X602では、音波反射物が近くにあり音波の反射も強いので、図6の(B)に示す音源電極Xインピーダンス603には、インピーダンス高低差の大きい極点が少なめに観測される。
【0060】
また、反応容器109に正対し、反応液203の液面より低い位置にある音源電極Y604では、音波反射物が近くにあり音波の反射が弱いので、図6の(C)に示す音源電極Yインピーダンス605には、インピーダンス高低差および極点の数は中程度に観測される。
【0061】
また、反応容器109より低い位置にある音源電極Z606では、音波反射物が遠くにあり音波の反射が弱いので、図6の(D)に示す音源電極Zインピーダンス607には、インピーダンス高低差は小さく、極点の数は多めに観測されることになる。
【0062】
以上から、反応容器109の遠近や液量の情報を得ることができ、音波照射の位置や強度、最適駆動周波数の自動制御や、反応液203の不足を警告し音波照射を行わない等の音波照射の制御に役立てることができる。
【0063】
また、インピーダンス測定手段601に記憶手段を設けることにより、音源207の初期状態でのインピーダンス特性を記憶させ、随時インピーダンス測定を実施することによって、音源207の劣化等の経時変化を知ることもできる。
【0064】
なお、電極インピーダンスの測定は、音源に定電圧を印加し駆動周波数を変更し、音源への流入電流を測定するか、定電流を印加し駆動周波数を変更して、音源に印加される電圧を測定して行う。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明が適用される自動分析装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における自動分析装置の上下動作可能な攪拌機構の概略構成図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における自動分析装置の音波照射角度が変更可能な攪拌機構の概略説明図である。
【図4】本発明の第3の実施形態における自動分析装置の複数の攪拌ポジションで同一音源を共用する場合の説明図である。
【図5】本発明の第4の実施形態における自動分析装置のアレイ音源による上下動作可能な攪拌機構の概略構成図である。
【図6】本発明の第5の実施形態における自動分析装置のインピーダンス測定機能の説明図である。
【符号の説明】
【0066】
101 検体格納部
102 試薬格納部
103 反応部
104 攪拌部
105 分析部
106 洗浄部
107 検体
108 検体分注機構
109 反応容器
110 試薬分注機構
111 試薬
112 攪拌機構
201 モータ
202 超音波
203 反応液
204 気泡
205 旋回流
206 制御部
207 音源
208 ドライバ
209 逆方向旋回流
401 第一試薬攪拌ポジション
402 第二試薬攪拌ポジション
403 第三試薬攪拌ポジション
404 洗浄用攪拌ポジション
501 音源電極選択手段
601 インピーダンス測定手段
602 音源電極X
603 音源電極Xインピーダンス
604 音源電極Y
605 音源電極Yインピーダンス
606 音源電極Z
607 音源電極Zインピーダンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音源から発生される超音波により試薬等と被検液体とを攪拌する攪拌部と、試薬等と分析対象である被検液体を反応させて被検液体の成分分析を行う分析部と、上記分析部及び上記攪拌部の動作を制御する制御部を有する自動分析装置において、
上記攪拌部は、上記音源が、前後・左右・上下に移動可能であり、且つ回動可能な機構を有し、
上記制御部は、上記攪拌部を制御し、上記音源の位置と角度、音波強度、及び、音源駆動周波数を変更することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
上記制御部は、上記自動分析装置上の複数箇所に、攪拌部を移動させて、攪拌動作を行わさせることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動分析装置において、
上記音源は、電極に電圧を印加することで超音波を発生し、上記電極は、複数配置され、上記制御部は、音源自体の位置制御に加え、電圧を印加する電極を切り替えることにより、音波照射位置を変更することを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項3記載の自動分析装置において、
上記音源は、超音波が照射されることにより、起電力を発生する素子であり、この音源から発生された超音波の反射波を上記複数の電極で検出される起電力により、上記制御部が、上記試薬等と被検体との混合液体の液面位置を検出することを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項4記載の自動分析装置において、
上記制御部は、音源電極インピーダンスを測定することにより、上記液面位置を検出し、この電極インピーダンスの測定は、音源に定電圧を印加し、駆動周波数を変更し、音源への流入電流を測定するか、定電流を印加し駆動周波数を変更して音源に印加される電圧を測定して行うことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−40843(P2007−40843A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225739(P2005−225739)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】